JP3892708B2 - 釣り用リールの発音装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発音装置、特に、釣り用リールの相対回転する第1部材と第2部材との間に設けられ、両部材の相対回転により発音する釣り用リールの発音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スピニングリールや両軸受リールや片軸受リールなどの釣り用リールには、回転するスプールやドラグディスクや各種の調整つまみの回転を報知するためなどに発音装置が広く採用されている。たとえば、スピニングリールには、ドラグ作動時に発音する発音装置やドラグつまみの調整時に発音する発音装置が採用され、両軸受リールや片軸受リールには、ドラグ作動時に発音する発音装置やスプール回転時に発音する発音装置が採用されている。
【0003】
この種の発音装置は、凹凸部を有する第1音出し部材と、第1音出し部材の凹凸部に向けて付勢され凹凸部との衝突を繰り返す第2音出し部材とを有している。たとえば、スプールの回転を報知する発音装置の場合、第1音出し部材は、スプール又はスプール軸に設けられ、第2音出し部材は、リール本体に設けられている。第1音出し部材は、スプール又はスプール軸に装着され外周面又は一側面に回転方向に間隔を隔てて多数の凹凸部が形成された円板状の部材で構成される。第2音出し部材は、リール本体に進退自在かつ凹凸部方向に付勢された音出しピンや凹凸部に接触可能に配置されたばね部材で構成される。
【0004】
この種の発音装置では、可及的に細かなクリック音を発生できるようにすることが望ましい。細かなクリック音を得ようとする場合、従来は、凹凸部の形状の小さくしたり間隔を狭めて配置したりしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
凹凸部の形状を小さくしたり凹凸部の間隔を狭めて配置したりする従来の発音装置では、凹凸部の形状を小さくすると、細かなクリック音が得られるが明瞭なクリック音を得にくくなる。また、形状を小さくせずに間隔を狭めると、凹凸部の間の凸部分が薄くなって壊れやすくなり比強度の面で問題が生じる。この問題は、とくに、第1音出し部材を樹脂成形品にした場合に顕著になる。このため、上記のような手法では比強度を維持して明瞭で細かなクリック音を得にくい。
【0006】
そこで、従来は、たとえば第2音出し部材を凹凸部の間隔の半分だけ位相をずらして2つ配置するなどの手法がとられている。しかし、第2音出し部材を2つ設ける構成では、その分発音装置の構成が複雑になる。
本発明の課題は、釣り用リールの発音装置において、簡素な構成で比強度を維持して明瞭で細かなクリック音を得ることができるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る釣り用リールの発音装置は、釣り用リールの相対回転する第1部材と第2部材との間に設けられ、両部材の相対回転により発音する装置であって、第1音出し部材と、第2音出し部材とを備えている。第1音出し部材は、第1部材に回転不能に装着され、外周面に第1側から第2側に向かって軸方向に沿って途中まで形成されかつ周方向に間隔を隔てて形成された第1凹溝と、外周面に第2側から第1側に向かって第1凹溝の先端とその先端が軸方向に重なり合うように形成されかつ周方向に間隔を隔てて第1凹溝と交互に形成された第2凹溝とを有する円板状の部材である。第2音出し部材は、一部が第1音出し部材の両凹溝の先端に弾性的に接触可能に第2部材に回転不能に装着された部材である。
【0008】
この発音装置では、第1部材と第2部材とが相対回転すると、交互に形成された第1音出し部材の第1凹溝及び第2凹溝の先端に第2音出し部材が衝突を繰り返し、発音装置が発音する。ここでは、第1凹溝と第2凹溝とを交互に形成しているので、両凹溝を第1音出し部材の外周面の軸方向の全体にわたって形成した場合と同じ数の凹溝を得ることができ、1つの第2音出し部材で明瞭で細かなクリック音を得ることができる。しかも、両凹溝を外周面の軸方向全体にわたって形成せず先端だけが軸方向に重なり合うように形成しているので、両凹溝間の間隔を広くすることができ、比強度は両凹溝のいずれか1つの凹溝を形成した場合より僅かに低い程度に維持できる。このため、簡素な構成で比強度を維持して明瞭で細かなクリック音を得ることができるようになる。しかも、2つの凹溝が交互に配置され、それぞれ別の側部に延びているので、金型を用いた型成形により第1音出し部材を製作することができ、複雑な形状の凹溝を簡単に形成できる。
【0009】
発明2に係る釣り用リールの発音装置は、発明1に記載の装置において、第1音出し部材は二つ割りの金型を用いた成形品であり、両凹溝は成形して形成されている。この場合には、2つの凹溝を設けた第1音出し部材を金型で形成できるので、機械加工することなく簡単に製造でき、製造コストを削減できる。
発明3に係る釣り用リールの発音装置は、発明2に記載の装置において、第1音出し部材は樹脂成形品である。この場合には、第1音出し部材が樹脂成形品であるので、さらに製造コストを削減できる。
【0010】
発明4に係る釣り用リールの発音装置は、発明2に記載の装置において、第1音出し部材は金属成形品である。この場合には、第1音出し部材が、たとえばダイキャストなど成形加工により得られた硬くて振動しやすい金属製であるので、より明瞭で大きな音を発することができる。
発明5に係る釣り用リールの発音装置は、発明1から4のいずれかに記載の装置において、第2音出し部材は、第2部材に両凹溝に接触可能に進退自在に装着された音出しピンと、音出しピンを両凹溝に向けて付勢する付勢部材とを有する。この場合には、第2音出し部材が進退する音出しピンとそれを付勢する付勢部材とにより構成されるので、より明瞭な音を出しやすくなる。
【0011】
発明6に係る釣り用リールの発音装置は、発明1から4のいずれかに記載の装置において、第2音出し部材は、第2部材に基端が固定され先端が両凹溝に接触可能な弾性部材である。この場合には、第2音出し部材が1つの部材で構成されるので、構造がさらに簡素になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールはフロントドラグ型のものであり、図1に示すように、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
【0013】
リール本体2は、リールボディ2aと、リールボディ2aから斜め上前方に延びる竿取付脚2bとを有している。リールボディ2aは、図2に示すように内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。
【0014】
ロータ駆動機構5は、ハンドル1が固定されたハンドル軸10とともに回転するフェースギア11と、このフェースギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部は、ロータ3の中心部を貫通し、ナットによりロータ3と固定されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、それぞれ軸受を介してリール本体2に回転自在に支持されている。
【0015】
オシレーティング機構6は、スプール4の中心部にドラグ機構60を介して連結されたスプール軸15を前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15の下方に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。スライダ22にはスプール軸15の後端が回転不能に固定されている。中間ギア23は図示しない減速機構を介してピニオンギア12に噛み合っている。
【0016】
ロータ3は、図2に示すように、円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1及び第2ロータアーム31、32とを有している。円筒部30と両ロータアーム31、32とは、たとえばアルミニウム合金製であり一体成形されている。
第1ロータアーム31は、円筒部30から外方に凸に湾曲して前方に延びており、円筒部30との接続部分は円筒部30の周方向に広がり湾曲している。第1ロータアーム31の先端の外周側には、第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのラインローラ41が装着されている。
【0017】
第2ロータアーム32は、円筒部30から外方に凸に湾曲して前方に延びている。第2ロータアーム32は、先端部から円筒部30との接続部分に向けて2股に分岐しており、円筒部30と周方向に間隔を隔てた2箇所で接続されている。第2ロータアーム32の先端外周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。
【0018】
ラインローラ41と第2ベール支持部材42との間には線材を略U状に湾曲させた形状のベール43が固定されている。これらの第1及び第2ベール支持部材40、42、ラインローラ41及びベール43により釣り糸をスプール4に案内するベールアーム44が構成される。ベールアーム44は、図2に示す糸案内姿勢とそれから反転した糸開放姿勢との間で揺動自在である。
【0019】
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構60を介して装着されている。スプール4は、図3に拡大して示すように、糸巻胴部7aを有するスプール本体7と、糸巻胴部7aの前端部に取り付けられた大径の前フランジ部8と、前フランジ部8をスプール本体7に固定するためのナット部材9とを有している。スプール本体7は、外周に釣り糸が巻かれる筒状の糸巻胴部7aと、糸巻胴部7aの後端部に一体成形された大径筒状のスカート部7bと、糸巻胴部7aの内周側に取り付けられた内筒部材7cとを有している。
【0020】
糸巻胴部7a及びスカート部7bは、アルミニウム合金の薄板をプレス加工により一体成形して得られた大小2段の筒状の部材である。糸巻胴部7aは、外周に釣り糸が巻き付けられる筒状の部分である。糸巻胴部7aには、釣り糸の巻き始め端の結び目を収納するための貫通孔7f(図1及び図3参照)がスカート部7b近傍に1箇所形成されている。
【0021】
スカート部7bは、糸巻胴部7aの後端部から外周側に延びる後フランジ部7hと、後フランジ部7hの外周部から後方に延びる円筒部7iとを有している。円筒部7iには、図1及び図3に示すように、段付きの凹部7gが形成されており、この凹部7gに釣り糸の先端部分を係止するための釣り糸係止部50が装着されている。凹部7gと釣り糸係止部50との間には、釣り糸を挟持するための隙間が生成されている。
【0022】
内筒部材7cは、糸巻胴部7aの内周側に取り付けられ、内周部にドラグ機構60が装着される合成樹脂製の筒状部材である。内筒部材7cの後端部には、ナット部材9がねじ込まれる雄ねじ部7jが糸巻胴部7aから突出するように形成されている。内筒部材7cの前端部には、糸巻胴部7aの前端面が係止される大径の鍔部7kが形成されている。鍔部7kは、糸巻胴部7aの前端部とで前フランジ部8を挟持して固定するために設けられている。内筒部材7cには、後述するドラグ機構60の作動により発音するドラグ発音機構93が装着されている。内筒部材7cの内周側には、前後1対の軸受55,56が装着されており、内筒部材7cは、軸受55,56によりスプール軸15に回転自在に装着されている。
【0023】
前フランジ部8は、たとえばアルミニウム合金製の環状部材であり、前リング部8aと後リング部8bとを有し、両リング部8a,8bの外周側で折れ曲がるようにカーリング加工が施されている。前リング部8aの内径は内筒部材7cの外径と略同一であり、後リング部8bの内径は糸巻胴部7aの外径と略同一である。前リング部8aの前面は鍔部に密着されるように形成されている。前フランジ部8は、ナット部材9に雄ねじ部7jをねじ込むことにより、鍔部7kと糸巻胴部7aの前端面とに挟持されて内筒部材7cに固定される。
【0024】
ナット部材9は、中心に雄ねじ部7jに螺合する雌ねじ部9aが形成された、たとえば合成樹脂製の弾性を有するリング部材である。ナット部材9の後面には、ナット部材9を回すための専用の工具を径するための工具係止部9bが周方向に間隔を隔てて形成されている。なお、釣り糸係止部50は、図3に示すように、弾性変形可能な側面断面略T字状部材であり、ナット部材9の後端部に突出して形成された突起9cに装着され、突起9cの先端に取り付けられたプッシュナット51により固定されている。
【0025】
このような構成のスプール4を組み立てる際には、内筒部材7cに前フランジ部8を装着しさらに、糸巻胴部7aを装着する。この状態で釣り糸係止部50をナット部材9に装着固定し、ナット部材9に対して内筒部材7cを回転させてナット部材9に雄ねじ部7jをねじ込み、糸巻胴部7a及び前フランジ部8を内筒部材7cに固定する。ここでは、内筒部材7cの後端部に形成された雄ねじ部7jを利用して前フランジ部8を固定しているので、スプール4の軽量化を図りつつ、その内部空間を十分に確保できるようになる。
【0026】
ドラグ機構60は、スプール4とスプール軸15との間に装着され、スプール4にドラグ力を作用させるための機構である。ドラグ機構60は、図3に示すように、ドラグ力を手で調整するためのつまみ部61と、つまみ部61によりスプール4側に押圧される複数枚のディスクからなる摩擦部62とを有している。
スプール軸15の前部には平行な面取り部15aが形成されており、面取り部15aの先端には雄ねじ部15bが形成されている。つまみ部61は、面取り部15aに回転不能かつ軸方向移動自在に設けられた第1部材63と、第1部材63の軸方向前方に配置されスプール軸15に螺合する第2部材64と、第1部材63と第2部材64との間に装着された発音機構65とを有している。
【0027】
第1部材63は、円筒部63aと円筒部63aより大径のリング状の鍔部63bとを有する鍔付き円筒状の部材である。円筒部63aの内周部には、スプール軸15に回転不能に係止する小判形状の係止孔66が形成されている。第1部材63の円筒部63aの後端面が摩擦部62に当接する。第1部材63の円筒部63aと内筒部材7cの内周面との間には、外部から摩擦部62側への液体の侵入を防止するためのシール板71が装着されている。シール板71は、たとえば、ステンレス製のリング部材の周囲にNBR製の皿状の弾性部材をアウトサート成形して得られたシール部材であり、外周部にリップを有している。
【0028】
第2部材64は、第1部材63と対向しかつ第1部材63と相対回動自在に設けられている。第2部材64は、第1部材63のスプール軸15方向前方に並べて配置されたつまみ本体67と、つまみ本体67の外周部に先端が固定され第1部材63を内部に相対回動自在に収納するカバー部材68とを有している。
つまみ本体67は円盤状の部材であり、前面に前方に突出した略台形状のつまみ67aが形成されている。つまみ本体67の内部には、スプール軸15の先端の雄ねじ部15bに螺合するナット69が回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。また、第2部材64とナット69との間においてスプール軸15の外周にはコイルばね70が圧縮状態で配置されている。
【0029】
カバー部材68の先端部とつまみ本体67との間には断面が矩形のOリング73が装着されている。Oリング73は、たとえばNBR製の弾性部材であり、第1部材63と第2部材64のつまみ本体67との隙間から内部に液体が侵入するのを防止するために設けられている。この隙間から液体が侵入すると、たとえシール板71を設けても、第1部材63とスプール軸15との隙間を通って摩擦部62まで水が侵入し、摩擦部62が濡れてドラグ力が変動することがある。
【0030】
摩擦部62は、図3及び図4に示すように、第1部材63に接触する第1ディスク91と、第1ディスクに回転不能に係止された第2ディスク92と、第1ディスク91と第2ディスク92との間に配置された第2ディスク94と、第1ディスク91と内筒部材7cとの間に装着されたドラグ発音機構93とを有している。
【0031】
第1ディスク91は、ドラグ発音機構(本発明の一実施形態による発音装置)93の第1音出し部材と兼用されており、たとえばポリアセタール樹脂などの硬質な合成樹脂成形品であり、たとえば二つ割りの金型を用いた型成形により製作されている。第1ディスク91は、第1部材63が接触する内円板部91aと、内円板部91aの外周側から後方に延びる円筒部91bと、円筒部91bの後端部から内筒部材7cの中心部の外周に沿って後方に延びる外円板部91cとを有している。第1ディスク91は、内円板部91aの中心に形成された略矩形の係止孔91dがスプール軸15の面取り部15aに係止されることによりスプール軸15に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。また、外円板部91cには、ドラグ発音機構93の第1凹溝93a及び第2凹溝93bが形成されている。第1ディスク91の外円板部91cの内周側後側面91gには、周方向に間隔を隔ててたとえば4つの円弧溝91eが形成されている。
【0032】
第2ディスク92は、筒部92aと鍔部92bとを有する鍔付き円筒状の部材である。筒部92aは、内筒部材7cの中心部の外周側に配置されており、中心部に回転自在に装着されている。筒部92aの先端には、周方向に間隔を隔てて4つの突起爪92cが形成されている。この突起爪92cは、円弧溝91eに係止される。これにより、第2ディスク92は、第1ディスク91に回転不能に係止される。したがって第2ディスク92もスプール軸15に対して回転不能である。
【0033】
第3ディスク94は、第2ディスク92の筒部92aの外周面に回転自在に装着されている。第3ディスク94は、外周側に径方向外方に突出する1対の係止爪94a(一方のみ図示)を有している。この係止爪94aは、内筒部材7cの内周面に形成された係止溝7mに係止される。これにより、第3ディスク94は、スプール軸15に対して回転自在でかつスプール4に対して回転不能である。
【0034】
ドラグ発音機構93は、第1及び第2凹溝93a,93bが外周面に形成された第1音出し部材としての第1ディスク91と、第1及び第2凹溝93a,93bに先端が衝突するように内筒部材7cに径方向に進退自在に装着された第2音出し部材としての音出しピン98と、音出しピン98を第1及び第2凹溝93a,93bに向けて付勢するコイルばね99とを有している。
【0035】
第1凹溝93aは、図5に示すように、第1ディスク91の外周面に前側面(図5右側面)91fから後側面(図5左側面)91gに向かって軸方向に沿って略中央部分まで形成されかつ周方向に間隔を隔てて形成されている。第1凹溝93aは、断面が略半円形状の溝であり、軸方向略中央部分の先端93cも半円形状である。第2凹溝93bは、第1ディスク91の外周面に後側面91gから前側面91fに向かって第1凹溝93aの先端93cとその先端93dが軸方向に重なり合うように形成されかつ周方向に間隔を隔てて第1凹溝93aと交互に形成されている。
【0036】
音出しピン98は、図3及び図6に示すように内筒部材7cに設けられ糸巻胴部7aにより塞がれた貫通孔7nに径方向に沿って進退自在に収納されている。音出しピン98は、棒状部材であり、半球状の先端部98aと、先端部98aより大径のガイド部98bと、ガイド部98bより小径のばね装着部98cとを有している。先端部98aは、第1及び第2凹溝93a,93bの重なり合う先端93c,93dに接触するように進退可能な形状であり、両凹溝93a,93bとの衝突を繰り返す。ガイド部98bは、コイルばね99の先端を係止するとともに、貫通孔7nにより案内されるようにするために設けられている。ばね装着部98cは、コイルばね99を外周側に配置するために設けられている。
【0037】
コイルばね99は、基端が貫通孔7n内で糸巻胴部7bの内周面に当接しており、圧縮状態で配置されている。
このドラグ発音機構93では、ドラグ作動時、つまりスプール4がスプール軸15に対して回転すると、コイルばね99により付勢された音出しピン98が第1及び第2凹溝93a,93bとの衝突を繰り返して発音する。このとき、第1凹溝93aと第2凹溝93bとを交互に形成しているので、両凹溝93a,93bを第1ディスク91の外周面の軸方向の全体にわたって形成した場合と同じ数の凹溝93a,93bを得ることができ、一つの音出しピン98で明瞭で細かなクリック音を得ることができる。しかも、両凹溝93a,93bを外周面の軸方向全体にわたって形成せず先端93c,93dだけが軸方向に重なり合うように形成しているので、両凹溝93a,93b間の間隔を広くすることができ、比強度は両凹溝のいずれか1つの凹溝を形成した場合より僅かに低い程度に維持できる。このため、簡素な構成で比強度を維持して明瞭で細かなクリック音を得ることができるようになる。しかも、2つの凹溝が交互に配置され、それぞれ別の側部に延びているので、金型を用いた型成形により第1ディスク91を製作することができ、複雑な形状の凹溝93a,93bを簡単に形成できる。
【0038】
第1ディスク91と第3ディスク94との間、第3ディスク94と第2ディスク92との間、及び第2ディスク92と内筒部材7cとの間には、グラファイト製又はフェルト製のドラグディスク95,96,97がそれぞれ装着されている。
〔リールの操作及び動作〕
このスピニングリールでは、キャスティング時等の糸繰り出し時にはベールアーム44を糸開放姿勢に倒す。この結果、釣り糸は仕掛けの自重によりスプール4の先端側から順に繰り出される。
【0039】
糸巻取時には、ベールアーム44を糸巻取姿勢側に戻す。これは、ハンドル1を糸巻取方向に回転させると、図示しないベール反転機構の働きにより自動的に行われる。ハンドル1の回転力は、ハンドル軸10及びフェースギア11を介してピニオンギア12に伝達される。ピニオンギア12に伝達された回転力は、その前部からロータ3に伝達されるとともに減速機構を介してピニオンギア12に噛み合う中間ギア23によりオシレーティング機構6に伝達される。この結果、ロータ3が糸巻取方向に回転するとともにスプール4が前後に往復移動する。
【0040】
仕掛けに魚がかかると、魚の引きによりドラグ機構60が動作しスプール4が逆転することがある。ドラグ作動時には、第1ディスク91及び第3ディスク94はスプール軸15に対して回転不能であり、第2ディスク92は、スプール4に対して回転不能であるので、ドラグディスク95〜97を介して第1及び第3ディスク91,94と第2ディスク92及びスプール4との間で滑りが生じる。このときのドラグ力は、つまみ部61のつまみ67aを回して設定される第1部材63の第1ディスク91への押圧力により定まる。
【0041】
このドラグ作動時には、第1ディスク91とスプール本体7との相対回転により、音出しピン98が第1ディスク91の両凹溝93a,93bとの衝突を繰り返し、ドラグ発音機構93が発音する。このとき、第1凹溝93a及び第2凹溝93bを前側面91fと後側面91gとから形成したので、金型を用いたインジェクション成形などの型成形で第1ディスク91を製造できる。このため、第1ディスク91を安価に製造できる。しかも、前述したように比強度を維持して明瞭で細かなクリック音を得ることができる。
【0042】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、第1音出し部材として機能する第1ディスク91を合成樹脂成形品としたが、金属成形品でもよい。たとえば、亜鉛やステンレスやアルミニウムなどの溶融金属によるダイキャストや金属粉末による焼結により形成してもよい。
【0043】
(b) 前記実施形態では、スピニングリールのドラグ発音機構を例に本発明を説明したが、スピニングリール以外の両軸受リールや片軸受リールの発音装置にも本発明を適用できる。たとえば、両軸受リールのスプール軸に円板状の第1音出し部材を回転不能に装着し、リール本体に第1音出し部材の両凹溝に接触する第2音出し部材を装着したスプール発音機構にも適用できる。この場合、前記実施形態のような音出しピンにより構成された第2音出し部材でもよいし、たとえば両凹溝に先端又は中間部が接触可能な弾性を有する金属製又は合成樹脂製のばね部材により構成された第2音出し部材でもよい。
【0044】
(c) 前記実施形態のような構成の第1音出し部材は、回転部材の位置決め(インデックス)に用いることもできる。この場合、軟質材やゴムなどの弾性体のように材質的に発音が小さなものでもクリック感や耐久性を向上させる目的で第1音出し部材に採用することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、第1凹溝と第2凹溝とを交互に形成しているので、両凹溝を第1音出し部材の外周面の軸方向の全体にわたって形成した場合と同じ数の凹溝を得ることができ、一つの第2音出し部材で明瞭で細かなクリック音を得ることができる。しかも、両凹溝を外周面の軸方向全体にわたって形成せず先端だけが軸方向に重なり合うように形成しているので、両凹溝間の間隔を広くすることができ、比強度は両凹溝のいずれか1つの凹溝を形成した場合より僅かに低い程度に維持できる。このため、簡素な構成で比強度を維持して明瞭で細かなクリック音を得ることができるようになる。しかも、2つの凹溝が交互に配置され、それぞれ別の側部に延びているので、金型を用いた型成形により第1音出し部材を製作することができ、複雑な形状の凹溝を簡単に形成できる。複雑な形状の凹溝を簡単に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの左側面図。
【図2】前記スピニングリールの左側面断面図。
【図3】前記スピニングリールのスプールの拡大断面図。
【図4】ドラグ機構の分解斜視図。
【図5】第1ディスクの外周面の拡大部分図。
【図6】図3のVI−VI断面図。
【符号の説明】
4 スプール
15 スプール軸
91 第1ディスク(第1音出し部材)
93 ドラグ発音装置
93a,93b 第1及び第2凹溝
93c,93d 先端
98 音出しピン(第2音出し部材)
99 コイルばね

Claims (6)

  1. 釣り用リールの相対回転する第1部材と第2部材との間に設けられ、両部材の相対回転により発音する釣り用リールの発音装置であって、
    前記第1部材に回転不能に装着され、外周面に第1側から第2側に向かって軸方向に沿って途中まで形成されかつ周方向に間隔を隔てて形成された第1凹溝と、前記外周面に前記第2側から前記第1側に向かって前記第1凹溝の先端とその先端が軸方向に重なり合うように形成されかつ周方向に間隔を隔てて前記第1凹溝と交互に形成された第2凹溝とを有する円板状の第1音出し部材と、
    一部が前記第1音出し部材の前記両凹溝の先端に弾性的に接触可能に前記第2部材に回転不能に装着された第2音出し部材と、
    を備えた釣り用リールの発音装置。
  2. 前記第1音出し部材は二つ割りの金型を用いた成形品であり、前記両凹溝は成形して形成されている、請求項1に記載の釣り用リールの発音装置。
  3. 前記第1音出し部材は樹脂成形品である、請求項2に記載の釣り用リールの発音装置。
  4. 前記第1音出し部材は金属成形品である、請求項2に記載の釣り用リールの発音装置。
  5. 前記第2音出し部材は、先端が前記両凹溝に接触可能に前記第2部材に進退自在に装着された音出しピンと、前記音出しピンを前記両凹溝に向けて付勢する付勢部材とを有する、請求項1から4のいずれかに記載の釣り用リールの発音装置。
  6. 前記第2音出し部材は、前記第2部材に基端が固定され先端が前記両凹溝に接触可能な弾性部材である、請求項1から4のいずれかに記載の釣り用リールの発音装置。
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