JP2006296203A5 - - Google Patents

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スピニングリール
本発明は、釣り用リール、特に、釣り糸を釣り竿に沿う軸回りに巻き取るスピニングリールに関する。
スピニングリールには、スプールに釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構が装着されている。オシレーティング機構には、マスターギア軸に噛み合うカムギアを有する減速ギア式のものとピニオンギアに連動して回転する螺軸を有するトラバースカム方式のものとが知られている。
トラバースカム式のオシレーティング機構には、ピニオンギアに噛み合う従動ギアと、従動ギアが先端に装着されスプール軸と平行に配置された螺軸と、螺軸に係合するスライダと、スライダをスプール軸方向に案内するたとえば2本のガイド軸とを有している。
このような構造のトラバース方式のオシレーティング機構では、ハンドルの回転に連動して中間ギアが回転すると、螺軸が回転する。そして、螺軸に係合する係合部材により螺軸の回転がスライダ部材の前後直線運動に変換され、スプールが前後往復移動する。
従来のスピニングリールにおいて、オシレーティング機構の螺軸及び2本のガイド軸は、リール本体の後端部に形成されたそれぞれの貫通孔から前方に向けて挿入され、リール本体に前後2箇所で支持されている(たとえば、特許文献1参照)。螺軸及びガイド軸の前端はリール本体により前方への移動が規制されている。螺軸及びガイド軸の軸方向の後端の後方への移動の規制は、後端側の支持部をリール本体の外側から塞ぐ板状の抜け止め部材により行われている。抜け止め部材は、ビスによりリール本体の後部に固定されており、抜け止め部材を含むリール本体の後部はカバー部材により覆われている。
特開2000−083533号公報
前記従来の構成では、螺軸及びガイド軸の挿入方向後端側に抜け止部材をビスにより装着している。このため、抜け止め部材とそれを固定するためのビスなどの固定手段とが必要になる。このような構成では、リール本体の後部に抜け止め部材を装着するためのスペース及びビスの頭部を収納するためのスペースが必要になり、リール本体の前後長さが長くなり、リールの小型化を図りにくい。
本発明の課題は、スピニングリールにおいて、リール本体の小型化を図りつつ螺軸及び2本のガイド軸の抜け止めを行えるようにすることにある。
本発明に係るスピニングリールは、釣り糸を釣り竿に沿う軸回りに巻き取るリールであって、リール本体と、ロータと、スプールと、スプール軸と、回転伝達機構と、オシレーティング機構とを備えている。リール本体は、内部に空間を有するリールボディと、リールボディの空間を塞ぐようにリールボディに固定される蓋部材とを有し、ハンドルが装着され釣り竿に装着可能なものである。ロータは、釣り糸案内部を有しリール本体の前部に前後軸回りに回転自在に装着されたものである。スプールは、ロータにより案内された釣り糸が巻き付けられるものである。スプール軸は、リール本体に前後方向に移動自在に装着され先端にスプールが装着された軸である。回転伝達機構は、ハンドルの回転をロータに伝達する機構である。オシレーティング機構は、回転伝達機構の回転に応じてスプール軸を前後方向に往復移動させる機構である。オシレーティング機構は、リールボディの後方から装着され前方への移動が規制された状態で前後方向に沿って配置され、外周面に交差する螺旋状溝を有し、ハンドルの回転に連動して回転する螺軸と、螺旋状溝に係合する係合部を有し、スプール軸が少なくとも前後移動不能に連結され螺軸の回転により前後方向に往復移動するスライダと、リールボディの後方から装着され前方への移動が規制された状態で配置されスライダを前後方向に案内する第1及び第2ガイド軸と、第1ガイド軸及び螺軸の後方への移動をそれぞれ規制する第1及び第2移動規制部を有しリール本体に後方への移動が規制された状態で装着されかつ第2ガイド軸に揺動自在に装着される抜け止め部材とを有し、蓋部材は、第2ガイド軸の後方への移動を規制する第3移動規制部を有する。
このスピニングリールでは、ハンドルが回転すると、回転伝達機構を介してハンドルの回転がロータに伝達されると同時に、その回転がオシレーティング機構にも伝達されスプール軸及びスプールが前後方向に前後往復移動し、ロータにより案内された釣り糸がスプールに前後にずれて均一に巻き付けられる。このような構成のスピニングリールにおいて、螺軸並びに第1及び第2ガイド軸は、いずれもリールボディの後方から装着され前方への移動は規制された状態で前後方向に沿って配置されている。ここでは、前方への移動が規制された、第1ガイド軸及び螺軸の後方への移動は抜け止め部材の第1及び第2移動規制部により規制される。さらに、第2ガイド軸の後方への移動は蓋部材の第3移動規制部により規制される。さらにまた、抜け止め部材がリールボディにより後方への移動が規制されているとともに、第2ガイド軸に揺動自在に装着されているので、ねじなどの別部材によりリールボディに抜け止め部材を固定する必要がないとともに、蓋部材を外しても抜け止め部材が脱落しなくなる。これにより、リール本体の小型化を図りつつ螺軸及び2本のガイド軸の抜け止めを行えるようになる。
発明2に係るスピニングリールは、発明1に記載のリールにおいて、リールボディは、螺軸の後端を支持する第1後端支持部と、第1及び第2ガイド軸の後端を支持する第2及び第3後端支持部と、を有する後支持壁部を有する。この場合には、第1及び第2ガイド軸並びに螺軸の後端を後支持壁部で一括して支持できる。
発明3に係るスピニングリールは、発明2に記載のリールにおいて、抜け止め部材は、後支持壁部の前面に接触して配置されている。この場合には、後支持壁部により簡素な構造で抜け止め部材の後方への移動を規制できる。
発明4に係るスピニングリールは、発明1から3のいずれかに記載のリールにおいて、抜け止め部材は、蓋部材によりリールボディに向けて押圧される。この場合には、蓋部材により抜け止め部材がリールボディに向けて押圧されるので、抜け止め部材ががたつきにくくなり、第1及び第2ガイド軸並びに螺軸の後端部を精度良く規制できる。
発明5に係るスピニングリールは、発明1から4のいずれかに記載のリールにおいて、抜け止め部材は板状部材であり、第2ガイド軸に揺動自在に装着される装着孔と、ガイド孔と間隔を隔てて配置され第1ガイド軸に移動不能に係止される第1移動規制部としての第1係止切欠きと、装着孔と第1係止切欠きとの間に配置され、螺軸の後部を後方への移動を規制するように係止する第2移動規制部としての第2係止切欠きと、を有する。この場合には、抜け止め部材が板状部材であり、かつ移動規制部が切欠き部で構成されるので、抜け止め部材の構成が簡単になり、抜け止め部材を安価に製造できる。
発明6に係るスピニングリールは、発明5に記載のリールにおいて、第1ガイド軸は、環状の係止溝を後部に有し、螺軸は、表面に交差する螺旋状溝が形成される部分より小径の後端小径部を有し、第1係止切欠きは係止溝に係合し、第2切欠き部は螺旋状溝形成部と後端小径部との段差面に接触する。この場合には、後端小径部で螺軸を支持することにより、回転抵抗が小さくなり螺軸の回転性能が低下しにくくなる。また、抜け止め構造として螺旋状溝形成部と後端小径部との段差面を用いることができる。
発明7に係るスピニングリールは、発明1から6のいずれかに記載のリールにおいて、リール本体は、突起部を内側面に有し、リールボディ及び蓋部材の後部を覆うカバー部材をさらに有し、リールボディに装着され螺軸の後端部を回転自在に支持するブッシュをさらに備え、ブッシュは、カバー部材に設けられた突起部により後方への移動が規制される。この場合には、カバー部材により回転支持用の軸受としてのブッシュの抜け止めを行えるので、軸受の抜け止め構造も簡素になる。
発明8に係るスピニングリールは、発明1から7のいずれかに記載のリールにおいて、リールボディ及び蓋部材の少なくともいずれかは、抜け止め部材を前後移動不能に係止する係止溝部を有する。この場合には、抜け止め部材が係止溝部に係止されることにより、抜け止め部材のがたつきを抑えることができる。
本発明によれば、前方への移動が規制された、第2ガイド軸及び螺軸の後方への移動は抜け止め部材の第1及び第2移動規制部により規制される。さらに、第1ガイド軸の後方への移動は蓋部材の第3移動規制部により規制される。さらにまた、抜け止め部材がリールボディにより後方への移動が規制されているとともに、第1ガイド軸に揺動自在に装着されているので、ねじなどの別部材によりリールボディに抜け止め部材を固定する必要がないとともに、蓋部材を外しても抜け止め部材が脱落しなくなる。これにより、リール本体の小型化を図りつつ螺軸及び2本のガイド軸の抜け止めを行えるようになる。
<概略構成>
図1及び図2において、本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、釣り竿に装着されハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4と、スプール軸15と、回転伝達機構5と、オシレーティング機構6と、ドラグ機構7とを備えている。ロータ3は、ベールアーム(釣り糸案内部の一例)44を有し、リール本体2の前部に前後軸回りに回転自在に装着されている。スプール4は、ロータ3に案内された釣り糸が外周面に巻き付けられるものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。スプール軸15は、リール本体2に前後軸方向に移動自在に装着され先端にスプール4がドラグ機構7を介して装着されたものである。回転伝達機構5は、ハンドル1の回転をロータ3に伝達するものである。オシレーティング機構6は、回転伝達機構5の回転に応じてスプール軸15を前後往復移動させて、釣り糸をスプール4に均一に巻き取るための機構である。なお、ハンドル1は、図1及び図3に示すリール本体2の左側と、図2に示すリール本体2の右側とのいずれにも装着可能である。
<リール本体の構成>
リール本体2は、図1〜図5に示すように、ロータ3やスプール4を支持するリールボディ2aと、リールボディ2aに着脱自在にねじ止め固定された蓋部材2bと、リールボディ2a及び蓋部材2bの後端部を覆うカバー部材2cとを主に有している。リールボディ2a及び蓋部材2bの前部には、それぞれ一体形成された第1及び第2フランジ部分24a,24bを有する円形のフランジ部2dが形成されている。
リールボディ2aは、たとえばガラス繊維で強化されたポリアミド系合成樹脂製であり、射出成形法により製造された部材である。リールボディ2aは、図3〜図5に示すように、側部に形成された開口25と、内部に形成された機構収納空間26と、ロータ3のリール本体2側に形成された円形の凹陥部3a内に配置されるように形成されロータ3の回転軸(後述するピニオンギア12)を回転自在に支持する前支持壁部27と、ハンドル1の回転軸であるハンドル軸10の一端を支持するためのボス部からなる第1ハンドル支持部28aとを有している。リールボディ2aは、上部(釣り竿装着側)ではリール本体2の略半分の厚みより薄い厚みであるが、底部2eは、それより蓋部材2b側に突出しており、リール本体2の略半分の厚みとなっている。
機構収納空間26には、図2に示すように、回転伝達機構5と、オシレーティング機構6とが設けられている。前支持壁部27は、機構収納空間26の前部に一体形成された略半円形の第1フランジ部分24aから前方に突出して略円柱状に一体形成されており、中心に後述するピニオンギア12が貫通する貫通孔27a(図5)が形成されている。この前支持壁部27の前面には、後述する逆転防止機構50のワンウェイクラッチ51がねじ止め固定されている。前支持壁部27の奥側下部には、図5及び図6に示すように、後述する螺軸21が前方への移動を規制された状態で回転自在に装着される螺軸装着孔27bが形成されている。螺軸装着孔27bには、螺軸21の前端小径部21cを回転自在に支持する合成樹脂製の筒状の第1ブッシュ18が前方への移動が規制された状態で装着されている。具体的には、第1ブッシュ18は、前支持壁部27の前面に装着されたワンウェイクラッチ51により前方への移動が規制され、螺軸21の前端小径部21cが第1ブッシュ18の端面に接触することにより螺軸21の前方への移動が規制されている。
また、リールボディ2aは、図5及び図6に示すように、前後方向の途中に設けられた中間支持壁部16と、後端部に設けられた後支持壁部17とを有している。中間支持壁部16は、前支持壁部27の後方に間隔を隔てて配置されており、リールボディ2aの底部2eから略中間部まで上方に延びている。中間支持壁部16には、ピニオンギア12の後端部を支持する第1軸支持部16aと、螺軸21が貫通する貫通孔16bと、後述する第1及び第2ガイド軸29a,29bを前方への移動を規制した状態で支持する第2及び第3軸支持部16c,16dとを有している。第1軸支持部16aは、中間支持壁部16の先端側上部に前後に貫通して形成されている。貫通孔16bは、第1軸支持部16aの下斜め奥側に螺軸装着孔27bと同芯に前後に貫通して形成されている。第2軸支持部16cは、貫通孔16bの上方に貫通しない穴で形成されている。第3軸支持部16dは、第1軸支持部16aの下方に貫通しない穴で形成されている。
後支持壁部17は、機構収納空間26を形成するように後端部に設けられている。後支持壁部17は、螺軸21の後端部を支持する第1後端支持部17aと、第1及び第2ガイド軸29a,29bの後端部を支持する第2及び第3後端支持部17b,17cとを有している。第1後端支持部17aは、螺軸21の後端小径部21dを回転自在に支持する合成樹脂製の筒状の第2ブッシュ19が後方への移動が規制された状態で装着されている。具体的には、第2ブッシュ19は、後支持壁部17の後方に装着されたカバー部材2cの内側面に突出して形成された筒状の突起部2fにより後方への移動が規制されている。このように、カバー部材2cにより回転支持用の軸受としての第2ブッシュ19の抜け止めを行えるので、第2ブッシュ19の抜け止め構造も簡素になる。
第1後端支持部17aは、中間支持壁部16の貫通孔16bと同芯に前後に貫通して形成されている。第2及び第3後端支持部17b,17cは,中間支持壁部16の第2及び第3軸支持部16c,16dと同芯に前後に貫通して形成されている。なお、第3後端支持部17cは、後支持壁部17の側部17dから突出して形成された突起部17eに形成されている。突起部17eは、後支持壁部17より薄肉であり前方に偏倚して形成されている。
蓋部材2bは、たとえばガラス繊維で強化されたポリアミド系合成樹脂製であり、射出成形法により製造された部材である。蓋部材2bは、図3及び図4に示すように、リールボディ2aの開口25を覆いかつ内部に空間が形成され得るようにロータ装着側に壁部としての第2フランジ部分24bが一体形成された薄肉のカバー部35と、カバー部35から上方に延びる取付脚部36とを有している。カバー部35は、上部ではリール本体2の厚みの略半分の厚みより厚く形成されており、底部35aではリールボディ2aの突出に伴ってリール本体2の厚みの略半分の厚みになっている。カバー部35の前部を除く上部及び後部には開口25に対向して縁取り部35bが形成されている。この縁取り部35bには開口25に密着するように段差が形成されている。カバー部35の前部には、フランジ部2dの略半円形の第2フランジ部分24bが形成されている。第2フランジ部分24bの内方に突出する内側部分がカバー部35を補強する壁部として機能している。また、カバー部35の側部には、ハンドル軸10の他端を支持するためのボス部からなる第2ハンドル支持部28bが形成されている。また、カバー部35の後部には、リールボディ2aの後支持壁部17に前方に偏倚して形成された突起部17eに係合して突起部17eを後方から覆うカバー凹部(第3移動規制部の一例)35cが形成されている。このカバー凹部35cにより第2ガイド軸29bの後方への移動が規制されている。
取付脚部36は中実の厚肉部材であり、その先端は前後両側に延びており釣り竿取付部36aとなっている。取付脚部36からカバー部35にかけて境界部分は、略半分の厚みより薄く切り欠かれており、その切欠き部分36bに外側面が滑らかに連続するようにリールボディ2aの上部がはめ込まれている。この切欠き部分36bでも、縁取り部35bとの接続部分36c(図3)は、応力集中を防ぐためにたとえば半径3mm程度で面取りされたアール面となっている。
フランジ部2dは、円板状に形成されており、ロータ3の後部に形成された円形の凹陥部3a(図)を塞ぐように凹陥部3aの端面と略同一面に配置されている。フランジ部2dは、前述したようにリールボディ2aに一体形成された略半円形の第1フランジ部分24aと、蓋部材2bのカバー部35に一体形成され第1フランジ部分24aとで円形となるような半円形の第2フランジ部分24bとを有している。このような各フランジ部分24a,24bをリールボディ2aやカバー部35と一体形成することにより、リールボディ2aやカバー部35の比強度を高く維持できるとともに、成形時の変形を防いで精度を高く維持することができる。
カバー部材2cは、たとえばABS樹脂などの合成樹脂にめっき処理したりステンレス合金を用いたりして傷つきにくくしたものであり、リール本体2の最も傷つきやすい部分を保護するものである。カバー部材2cは下端部がねじ37により固定され上端部は、リールボディ2aに弾性的に係止されている。具体的には、図2に示すように、リールボディ2aの背面内側に形成された係止凹部2gに引っ掛けられている。カバー部材2cの内側面には、前述した前方に突出する筒状の突起部2fが形成されている。
このように構成されたオシレーティング機構6では、前方への移動が規制された状態でリールボディ2aに装着された第1ガイド軸29a及び螺軸21の後方への移動は抜け止め部材38の第1及び第2移動規制部38a,38bにより規制される。さらに、第2ガイド軸29bの後方への移動は蓋部材2bのカバー凹部35cにより規制される。さらにまた、抜け止め部材38がリールボディ2aにより後方への移動が規制されているとともに、第2ガイド軸29bに揺動自在に装着されているので、ねじなどの別部材によりリールボディ2aに抜け止め部材38を固定する必要がないとともに、蓋部材2bを外しても抜け止め部材38が脱落しなくなる。これにより、リール本体2の小型化を図りつつ螺軸21及び2本のガイド軸29a,29bの抜け止めを行えるようになる。
<回転伝達機構の構成>
回転伝達機構5は、図2及び図3に示すように、ハンドル1が固定されたハンドル軸10とともに回転するフェースギアからなるマスターギア11と、このマスターギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。マスターギア11は、ハンドル軸10が回転不能に装着されたマスターギア軸11aと一体形成されている。図3に示すように、マスターギア軸11aは、リールボディ2a及び蓋部材2bに設けられた筒状の第1及び第2ハンドル支持部28a,28bの内部に装着された軸受45a,45bにより、リールボディ2a及び蓋部材2bに前後軸と食い違う左右の軸回りに回転自在に支持されている。
ロータ3の回転軸であるピニオンギア12は筒状に形成されており、その前部12aはロータ3の中心部を貫通しており、ナット13によりロータ3と固定されている。ピニオンギア12は、その軸方向の中間部と後端部とが、前支持壁部27に装着された軸受14aと、中間支持壁部16の第1軸支持部16aに装着された軸受14bとを介してそれぞれリール本体2に回転自在に支持されている。ピニオンギア12の内周側には、スプール軸15が貫通している。
<オシレーティング機構の構成>
オシレーティング機構6は、図2,図3及び図6に示すように、スプール4の中心部にドラグ機構7を介して連結されたスプール軸15を回転伝達機構5の回転に連動して前後方向に移動させてスプール4を同方向に移動させるための機構である。オシレーティング機構6は、スプール軸15に平行に配置された螺軸21と、螺軸21に沿って前後方向に移動するスライダ22と、螺軸21の先端に固定された中間ギア23とを有している。また、オシレーティング機構6は、スライダ22を前後軸方向に案内する第1及び第2ガイド軸29a,29bと、螺軸21及び第2ガイド軸29bの後方への移動を規制する抜け止め部材38とを有している。
螺軸21は、スプール軸15の奥側斜め下方に配置されており、表面が交差する螺旋状溝21aが形成されている。螺旋状溝21a形成部分の両端には、螺旋状溝21a形成部分より小径の前端小径部21c及び後端小径部21dが形成されている。螺軸21は、前述したように、前支持壁部27及び後支持壁部17に各別に装着された第1及び第2ブッシュ18,19により前後の小径部21c,21dが各別に回転自在に支持されており、前方への移動が規制された状態で後方から装着される。螺軸21は、抜け止め部材38により後方への移動が規制されている。
スライダ22は、螺旋状溝21aに係合する係合部材22aを内部に有し、螺軸21の回転により前後軸方向に往復移動する。スライダ22は、スプール軸15の後端に回転不能に固定されている。スライダ22は、第1及び第2ガイド軸29a,29bにより前後方向に案内される。このように、2本のガイド軸29a,29bによりスライダ22を案内すると、螺軸21の外周面の螺旋状溝21aがスライダ22に接触しなくなり、異音や振動の発生を抑制できる。
中間ギア23は、回転伝達機構5に連動して回転する。具体的には、中間ギア23と回転伝達機構5のピニオンギア12との間には、減速ギア部39が設けられている。減速ギア部39は、ピニオンギア12に噛み合う大径ギア39aと大径ギア39aと同芯に配置された小径ギア39bとを有している。この小径ギア39bが中間ギア23に噛み合い、ピニオンギア12の回転が螺軸21に伝達される。このため、オシレーティング機構6の前後移動速度が遅くなり、釣り糸をスプール4に緻密に巻き付ける密巻を実現できる。
第1ガイド軸29aは、螺軸21の上方に配置されている。第1ガイド軸29aは、前述したように中間支持壁部16の第2軸支持部16cに前端部が前方への移動が規制された状態で装着され、後端部が後支持壁部17の第2後端支持部17bに支持されている。第1ガイド軸29aの後端部より前端部側には、環状の係止溝29cが形成されている。この係止溝29cが抜け止め部材38に係止される。第1ガイド軸29aは、係止溝29cに嵌合する抜け止め部材38により後方への移動が規制されている。
第2ガイド軸29bは、スプール軸15の下方に配置されている。第2ガイド軸29bは、前述したように中間支持壁部16の第3軸支持部16dに前端部が前方への移動が規制された状態で装着され、後端部が後支持壁部17の第3後端支持部17cに支持されている。第2ガイド軸29bは、蓋部材2bに形成されたカバー凹部35cにより後方への移動が規制されている。第2ガイド軸29bにも係止溝29cが形成されているが、これは両ガイド軸29a,29bを共通化するために形成されたものであり、使用されていない。
抜け止め部材38は、図3及び図5に示すように、金属製の板状部材であり、リール本体2に後方への移動が規制された状態で装着されかつ第2ガイド軸29bに揺動自在に装着されている。具体的には、抜け止め部材38は、後支持壁部17の前面に接触して配置されており、これにより、後方への移動が規制されている。抜け止め部材38は、第1ガイド軸29a及び螺軸21の後方への移動をそれぞれ規制する第1及び第2移動規制部38a,38bと、第2ガイド軸29bに揺動自在に装着される装着孔38cとを有している。抜け止め部材38は、2つの移動規制部38a,38bが形成されていない側面38fが蓋部材2bに押圧されるように形成されている。これにより、蓋部材2bにより抜け止め部材38がリールボディ2aに向けて押圧されるので、抜け止め部材38ががたつきにくくなり、第1及び第2ガイド軸29a,29b並びに螺軸21の後端部を精度良く規制できる。
第1移動規制部38aは、装着孔38cと間隔を隔てて形成されており、抜け止め部材38の奥側部(図3右側)から装着孔38cの斜め奥側上方にかけて形成された第1係止切欠き部38dを有している。この第1係止切欠き部38dが係止溝29cに嵌合して第1ガイド軸29aの後方への移動を規制する。第2移動規制部38bは、装着孔38cと第1移動規制部38aとの間に配置された第2係止切欠き部38eとを有している。第2係止切欠き部38eは、螺軸21の螺旋状溝21aが形成された大径部21bと後端小径部21dとの段差面21eに接触して螺軸21の後方への移動を規制する。またリールボディ2a及び蓋部材2bの抜け止め部材38装着部分には、図4及び図6に示すように、抜け止め部材38を前後移動不能に係止する係止溝部46a,46b,35dが形成されている。係止溝部46a,46bは、リールボディ2aの後支持壁部17の前方に上下1対形成されている。このように蓋部材2bにより押圧されるだけでなく、抜け止め部材38が係止溝部46a,46b,35dに係止されることにより、抜け止め部材38のがたつきをさらに抑えることができる。
このよう構成のオシレーティング機構6をリール本体2に組み込む際には、まずスライダ22をスプール軸15の後端に装着する。このとき、スプール4を最も後退した位置に配置する。そして、中間ギア23を所定の位置に配置した状態で螺軸21を後支持壁部17の第1後端支持部17aの後方から挿入し、中間ギア23を貫通させて前端小径部21cを第1ブッシュ18に装着する。なお、第1ブッシュ18は、前述したようにワンウェイクラッチ51により前方への移動が規制されている。これにより、螺軸21の前方への移動が規制される。
螺軸21にリールボディ2aに装着すると、第2ブッシュ19を後支持壁部17の第1後端支持部17aに装着し、後端小径部21dを第2ブッシュ19で支持する。螺軸21の装着が終わると、第1ガイド29aを第2後端支持部17bの後方から挿入する。そして、スライダ22を貫通して先端を中間支持壁部16の第2軸支持部16cに挿入し第1ガイド軸29aをリールボディ2aに装着する。この状態で抜け止め部材38をリールボディ2aに形成された後支持壁部17の前面に装着し係止溝部46a,46bで係止させる。このとき、抜け止め部材38の第1移動規制部38aを第1ガイド軸29aの係止溝29cに装着して嵌合させ、第1ガイド軸29aの後方への移動を規制する。また、第2移動規制部38bを螺軸21の段差面21eに接触させて螺軸21の後方への移動を規制する。
最後に、第2ガイド軸29b第3後端支持部17cの後方から挿入する。そして抜け止め部材38の装着孔38c及びスライダ22を貫通して先端を中間支持壁部16の第3軸支持部16dに挿入し第2ガイド軸29bをリールボディ2aに装着する。このままでは、第2ガイド軸29b及び第2ブッシュ19の後方への移動が規制されていない。しかし、蓋部材2bをリールボディ2aに装着すると、蓋部材2bに形成されたカバー凹部35cにより後方への移動が規制される。また、第2ブッシュ19は、カバー部材2cをリール本体2に装着すると、突起部2fが第2ブッシュ19の後面に接触して後方への移動が規制される。
このような構成のオシレーティング機構6では、前方への移動が規制された、第1ガイド軸29a及び螺軸21の後方への移動は抜け止め部材38の第1及び第2移動規制部38a,38bにより規制される。さらに、第2ガイド軸29bの後方への移動は蓋部材2bのカバー凹部35cにより規制される。さらにまた、抜け止め部材38がリールボディ2aにより後方への移動が規制されているとともに、第2ガイド軸29bに揺動自在に装着されているので、ねじなどの別部材によりリールボディ2aに抜け止め部材を固定する必要がないとともに、蓋部材2bを外しても抜け止め部材38が脱落しなくなる。これにより、リール本体2の小型化を図りつつ螺軸21及び2本のガイド軸29a,29bの抜け止めを行えるようになる。
<ロータの構成>
ロータ3は、図2に示すように、円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向して設けられた第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とを有している。円筒部30と両ロータアーム31,32とは一体成形されている。
円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。このボス33aの貫通孔をピニオンギア12の前部12a及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前方側にはナット13が配置されており、このナット13がピニオンギア12の先端のネジ部に螺合している。円筒部30の前壁33より後方が凹陥部3aとなっており、この凹陥部3aの後端面と面一にフランジ部2dがリールボディ2a及び蓋部材2bにそれぞれ一体形成されている。
第1ロータアーム31の先端の外周側には第1ベール支持部材40が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためにラインローラ41が装着されている。また、第2ロータアーム32の先端の外周側には、第2ベール支持部材42が揺動自在に装着されている。第1ベール支持部材40の先端のラインローラ41と第2ベール支持部材42との間にはベール43が設けられている。これらのベール支持部材40,42、ラインローラ41及びベール43によりベールアーム44が構成される。
ロータ3の円筒部30の内部にはロータ3の逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、ローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構52とを有している。ワンウェイクラッチ51は、外輪が前支持壁部27に固定され、内輪がピニオンギア12に回転不能に係止されている。操作機構52は、リール本体2の前部下端でリールボディ2aと蓋部材2bとの間に配置された操作レバー53を有しており、操作レバー53を揺動させることでワンウェイクラッチ51を作動状態及び非作動状態とに切り換られる。このワンウェイクラッチ51が作動状態のときにロータ3が逆転不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能になる。
<スプールの構成>
スプール4は、たとえば、アルミニウム合金製のものであり、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端にドラグ機構7を介して装着されている。スプール4は、図7に示すように、外周に釣り糸が巻かれる筒状の糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後端部に一体成形された大径筒状のスカート部4bと、糸巻胴部4aの前端部に配置された前フランジ部4cとを有している。
糸巻胴部4aには、前方に開口する円形のドラグ収納凹部60が形成されている。ドラグ収納凹部60の前部60aは、後部60bに比べて大径に形成されており、そこには、フランジ固定部材55がねじ込まれる雌ねじ部60cが形成されている。また、前部60aから後部60bにかけてドラグ収納凹部60の内周面には、図7及び図9に示すように、ドラグ機構7を回り止めするための係止溝60dが直径上に対向して1対形成されている。1対の係止溝60dは、スプール軸方向(前後方向)に沿って形成されている。
前フランジ部4cは、糸巻胴部4aと一体形成された内側部分54aと、内側部分54aに着脱自在に装着された、たとえば硬質セラミック製のリング状の外側部分54とを有している。外側部分54は、糸巻胴部4aの内周面にねじ込み固定されるフランジ固定部材55により内側部分54aに固定されている。
フランジ固定部材55は、ドラグ収納凹部60の前部60aに形成された雌ねじ部60cに螺合する雄ねじ部55dを有する筒部55aと、筒部55aの前端に一体形成された大径の鍔部55bと、鍔部55bから前方に延びた後に外側部分54の前面に接触する概ね皿状の当接部55cとを有している。筒部55aの内径は、ドラグ収納凹部60の後部60bの内径と同じである。したがって、従来のスプールに比べてドラグ収納凹部60の内径が大きくなっている。
<ドラグ機構の構成>
ドラグ機構7は、図7及び図8に示すように、スプール4とスプール軸15との間、具体的には、ドラグ収納凹部60内に配置され、スプール4の糸繰り出し方向への回転を制動してスプール4にドラグ力を作用させるための機構である。ドラグ機構7は、係止溝60dに係合する係止突起部61aを有し、スプール軸15に回転自在に装着される第1ドラグ座金61と、スプール軸15に回転不能に装着され第1ドラグ座金61の両側に配置された、たとえば2枚の第2ドラグ座金62a,62bと、スプール軸15にねじ込まれ両ドラグ座金61,62a,62bへの押圧量を可変に調整可能なドラグつまみ63と、各ドラグ座金61,62a,62bの間及び第2ドラグ座金62bとドラグ収納凹部60の底部との間にそれぞれ接触して配置された3枚のドラグディスク64a〜64cとを有している。また、ドラグ機構7は、ドラグ作動時に発音する第1発音機構65と、ドラグツマミ63とフランジ固定部材55との間に配置されたシール部材66とを有している。
第1ドラグ座金61は、フランジ固定部材55の筒部55aの内径より小さい径であり、たとえばステンレス鋼などの金属製の円板状の部材である。第1ドラグ座金61の外径は、ドラグ収納凹部60の内径の95%〜99%が好ましい。99%を超えると、ドラグ収納凹部60に第1ドラグ座金61を収納しにくくなり、95%未満であるとドラグ径が小さくなり、大きなドラグ力を得にくい。
第1ドラグ座金61は、図7及び図9に示すように、中心部にスプール軸15が貫通する円形孔61bを有し、外周部に前述した1つの係止突起部61aを有している。この係止突起部61aが係止溝60dに係合することにより第1ドラグ座金61はスプール4に対して回転不能にドラグ収納凹部60に装着される。係止突起部61aの突出量は、第1ドラグ座金61の直径の5%から10%の範囲が好ましい。突出量が5%未満であると、ドラグ力に対して充分な係止力が得られない。また、10%を超えると筒部55aを通過して第1ドラグ座金61を装着しにくくなる。
第2ドラグ座金62a,62bは、図7に示すように、フランジ固定部材55の筒部55aの内径より小さい径であり、たとえばステンレス鋼などの金属製の円板状の部材である。第2ドラグ座金62aは、前方に突出する段付き円板状部材であり、ドラグディスク64a挟んで第1ドラグ座金61の前方に配置され、第2ドラグ座金62bは、ドラグディスク64bを挟んで第1ドラグ座金61の後方に配置される。第2ドラグ座金62bとドラグ収納凹部60の底面との間にドラグディスク64cが配置される。第2ドラグ座金62a,62bは、中心にスプール軸15の先端部に形成された互いに平行な面取り部15aに回転不能に係合する長円形の係止孔62cをそれぞれ有している。この係止孔62cがスプール軸15の面取り部15aに係合することにより、第2ドラグ座金62a,62bがスプール軸15に対して回転不能になる。
ドラグディスク64a〜64cは、たとえばフェルト製の円板状の部材である。ドラグディスク64a〜64cは、第1及び第2ドラグ座金61,62a,62bが滑らかに滑るようにするために設けられている。
フランジ固定部材55の筒部55aの後端面と第2ドラグ座金62aとの間、具体的には、後端面とドラグ収納凹部60の前部60aと後部60bとの段差面との間には、スプール4の着脱時にドラグ座金61,62a,62bが脱落するのを防止するための抜け止めばね67が装着されている。抜け止めばね67は、図8に示すように、金属製の弾性線材を折り曲げて形成されており、角部が前述した後端面と段差面との間に係止され、角部を結ぶ連結部が第2ドラグ座金62aに接触して脱落を防止する。
このような構成の2枚の第2ドラグ座金62a,62bの間に1枚の第1ドラグ座金61を装着する場合、図11(a)に示すように、フランジ固定部材55が糸巻胴部4aの内周面に装着された状態で、ドラグディスク64c,第2ドラグ座金62b,ドラグディスク64bをこの順でドラグ収納凹部60に装着する。次に、係止突起部61aが係止溝60dのいずれかに係合するような位相にし、かつ係止突起部61aを先端にして斜めに傾けて筒部55a内を通過させる。
そして、図11(b)に示すように、筒部55aを先端が通過した時点で係止突起部61aが係止溝60dに係合するように係止溝60dに向けて第1ドラグ座金61をずらす。これにより、係止突起部61aと逆側の外周面が筒部55aをかわせるようになり、図11(c)に示すように、係止突起部61aを旋回中心として逆側の外周面を旋回させて第1ドラグ座金61をドラグディスク64bに接触させる。そして、ドラグディスク64a及び第2ドラグ座金62aをこの順で装着し、最後に抜け止めばね67(図8参照)を装着してドラグ座金61,62a,62bの装着を完了する。最後に、ドラグ座金61,62a,62bを装着したのちにドラグつまみ63を装着してドラグ機構7の組立を完了する。
ドラグつまみ63は、図7及び図10に示すように、ドラグ力を手で調整する操作を行うためのつまみ本体70と、つまみ本体70に抜け止めされた状態で回転自在に装着された押圧体71と、つまみ本体70と押圧体71との間に配置されたコイルバネ72と、押圧体71をつまみ本体70に対して抜け止めするための抜け止め部材73と、抜け止め部材73を抜け止めするための止め輪74と、ドラグ操作時に発音する第2発音機構75とを有している。
つまみ本体70は、後端面に開口して形成された円形の凹部70aと、前端面から凹部70aの外縁部を通って後端面の手前側まで周方向に間隔を隔てかつスプール軸方向に沿って形成されたたとえば4つの突起形成溝70bとを有し、合成樹脂製のたとえばインジェクション成形された鍔付き円筒状の部材である。突起形成溝70bは、前端面から形成された扇形の貫通孔の外縁に円弧状に形成されかつ凹部70aの後端部より手前側まで形成されている。この突起形成溝70bの形成端に形成された突起部70fに止め輪74が係止される。突起形成溝70bを形成するための貫通孔はつまみ本体70の前面に貼られたシール79により隠されている。このようにシール79を貼って貫通孔を塞ぐことにより、型成形するために貫通孔により突起形成溝70b形成しても、水などの異物が内部に入りにくくなる。
つまみ本体70の中心部には、六角形のナット77が回転不能かつ軸方向移動自在に装着されるナット装着部70cが形成されている。つまみ本体70の前部には、略台形状に形成されたつまみ突起70dが直径に沿って形成されている。つまみ本体70の後面には、第2発音機構75を収納するための装着穴70eが形成されている。ナット77は、スプール軸15の先端に形成された雄ねじ部15bに螺合している。
押圧体71は、第2ドラグ座金62aとつまみ本体70との間に配置されている。押圧体71は、つまみ本体70に相対回転自在かつ軸方向に抜け止めされた状態で連結され、スプール軸15に対して回転不能な部材である。押圧体71は、コイルバネ72の後端に接触して配置されており、コイルバネ72のばね力の変化によりドラグ座金61,62a,62bへの押圧力が変化する。押圧体71は、つまみ本体70から後方に突出して配置される円筒部71aと、円筒部71aより大径であり凹部70aに収納されるリング状の鍔部71bとを有する鍔付き有底筒状の部材である。円筒部71aの内周部には、スプール軸15の先端に形成された互いに平行な面取り部15aに回転不能に係止する長円形状の係止孔71cが形成されている。この円筒部71a内にコイルバネ72が収納されている。鍔部71bの前端面には周方向に多数の半球状の音出し穴76が並べて形成されている。押圧体71は、抜け止め部材73及び止め輪74によりつまみ本体70に抜け止めされた状態で連結されている。また、押圧体71は、円筒部71aと鍔部71bと間に両者の間の外周面に形成され抜け止め部材73を装着するための装着部71dと、円筒部71aの外周面に形成されシール部材66を装着するためのシール取付溝71eとを有している。
コイルバネ72は、ナット77と押圧体71との間に圧縮状態に装着されている。具体的には、コイルバネ72は、押圧体71の円筒部71a内にガイドされた状態でナット77と円筒部71aの底部とに接触して配置されている。コイルバネ72は、つまみ本体70の回動操作により押圧力を徐々に変化させるために設けられている。
止め輪74は、弾性を有する金属線材をC字状に湾曲して形成された部材である。止め輪74は、装着時に縮径させて使用され、非装着時に僅かに拡がるように形成されている。この止め輪74が突起部70fに係止され、止め輪74が抜け止め部材73の後面に接触する。これにより押圧体71の鍔部71bが凹部70aに抜け止めされた状態で収納される。
抜け止め部材73は、押圧体71の装着部71dに装着可能な、たとえば、金属板材製の略リング状の部材である。抜け止め部材73の外周部には、つまみ本体70の突起部70fをかわす4つの凹み部73aと、つまみ本体70の後部に形成された2つの係止凹部70gに係止される1対の突起部73bと、つまみ本体70の後部において係止凹部70gの間に形成された係止凸部70hに係止される2つの係止凹部73cを有している。
押圧体71を抜け止めする際には、ナット77をナット装着部70cに収納しかつコイルばね72を押圧体71に収納した状態で、押圧体71をつまみ本体70の凹部70aに装着する。そして、係止凹部70gや係止凸部70hに突起部73bや係止凹部73cを合わせて位置決めした状態で抜け止め部材73を押圧体71の装着部71dに装着する。最後に、止め輪74を縮径した状態で突起部70fの内側面に引っ掛けると、押圧体71がつまみ本体70に抜け止めされた状態で回転自在に装着される。
第2発音機構75は、押圧体71に形成された音出し穴76と、装着穴70eに装着された音出しピン80と、音出しピン80を音出し穴76に向けて付勢するコイルバネ78とを有している。音出し穴76は、装着穴70eと対向可能な位置に周方向に間隔を隔てて多数形成されている。音出しピン80は、中央部分が大径で先端及び後端が小径でさらに先端が半球状に丸められたピンであり、ドラグ操作時につまみ本体70と押圧体71とが相対回転すると、音出し穴76との衝突を繰り返して発音する。
第1発音機構65は、ドラグの作動によりスプール軸15とスプール4とが相対回転すると発音する機構である。第1発音機構65は、図7に示すようにスプール軸15に回転不能に装着された音出し部材81と、スプール4に揺動自在に装着され音出し部材81と衝突を繰り返す爪部材82と、爪部材82を付勢するばね部材(図示せず)とを有している。
このような構成のドラグ機構7では、第1ドラグ座金61に設けられる係止突起部61aをひとつにしたので、図9に示すように、第1ドラグ座金61の最大長さL1が2つの係止突起部を直径上に対向して配置した従来の第1ドラグ座金の最大長さ(2つの係止突起部の外側面を結ぶ長さ)L2に比べて短くなる。この結果、第1ドラグ座金61を傾けて筒部55a内を通過させるとき、第1ドラグ座金61の傾きを小さくすることができ、前後方向長さ(軸方向長さ)を短くすることができる。このため、前後方向長さが短いドラグ収納凹部60であっても内径を可及的に大きくできるようになる。
<リールの操作及び動作>
釣りを行う前に魚の大きさや種類に合わせてドラグ力を調整する。ドラグ力を調整するには、ドラグつまみ63を回す。ドラグつまみ63をたとえば時計回りに回すとスプール軸15に螺合するナット77によりコイルばね72の付勢力が徐々に大きくなり、コイルばね72を介して押圧体71が第2ドラグ座金62aを押圧する。これによりドラグ力が大きくなる。このとき、押圧体71とつまみ本体70との相対回転により第2発音機構75の音出しピン80が音出し穴76への衝突を所定間隔で繰り返し、歯切れがよい軽快なクリック音を発生する。
キャスティング時にはベールアーム44を糸開放姿勢に反転させる。これにより第1ベール支持部材40及び第2ベール支持部材42は揺動する。この状態で釣り竿を握る手の人差し指で釣り糸を引っかけながら釣り竿をキャスティングする。すると釣り糸は仕掛けの重さにより勢いよく放出される。この状態でハンドル1を糸巻取方向に回転させると、回転伝達機構5によりロータ3が糸巻取方向に回転するとともに、オシレーティング機構6により、スプール4が前後に往復移動し、ベールアーム44がベール反転機構(図示せず)により糸巻取位置に復帰し釣り糸がスプール4に巻き付けられる。
この状態で魚がかかってドラグが作動すると、スプール4がスプール軸15に対して回転する。すると、第1発音機構65が発音してそのことを釣り人に報知する。そして、設定されたドラグ力でスプール4が糸繰り出し方向に回転する。
釣りを行う前などに、予め複数種の釣り糸を巻き付けたスプール4を用意し、スプール4を釣りに合わせて交換することがある。この場合には、ドラグつまみ63を緩めてスプール軸15から外す。このとき、抜け止め部材73及び止め輪74により押圧体71がつまみ本体70に連結されているので、押圧体71がつまみ本体70から脱落することがない。また、ドラグ座金61,62a,62bも抜け止めばね67により抜け止めされているのでスプール4から脱落することがない。
このような構成の抜け止めばね67及び止め輪74を、従来は機械加工により形成された環状の溝部で係止していたので、溝部を形成するために機械加工が必要になる。しかし、本実施形態では、抜け止めばね67は、筒部55aの後端面とドラグ収納凹部60の前部60aと後部60bとの段差部との間で係止され、止め輪74は、つまみ本体70の型成形の際に形成可能な貫通孔により形成された突起部70fにより係止されるので、係止のための機械加工が不要になる。このため、加工コストを削減できる。
<他の実施形態>
(a)前記実施形態では、リールボディ2a及び蓋部材2bを合成樹脂製としたが、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の金属製であってもよい。スプールやロータの材質も前記実施形態に限定されない。
(b)前記実施形態では、蓋部材2bにより抜け止め部材38を押圧するように構成したが、押圧しなくてもよい。
本発明の一実施形態によるスピニングリールの側面図。 その側面断面図。 その拡大背面断面図。 リール本体の分解斜視図。 そのオシレーティング機構装着部分の拡大斜視図。 スプールの拡大断面図。 スプールの断面図。 スプールの分解斜視図。 図4のIX−IX断面部分図。 ドラグつまみの分解斜視図。 ドラグ座金の装着方法を示す断面図。
符号の説明
1 ハンドル
2 リール本体
2a リールボディ
2b 蓋部材
2c カバー部材
2f 突起部
3 ロータ
4 スプール
5 回転伝達機構
6 オシレーティング機構
15 スプール軸
17 後支持壁部
17a〜17c 第1〜第3後端支持部
19 第2ブッシュ
21 螺軸
21a 螺旋状溝
21d 後端小径部
21e 段差面
22 スライダ
22a 係合部材
26 機構収納空間
29a,29b 第1及び第2ガイド軸
29c 係止溝
35c カバー凹部(第3移動規制部の一例)
35d 係止溝部
38 抜け止め部材
38a,38b 第1及び第2移動規制部
38c 装着孔
38d,38e 第1及び第2係止切欠き部
46a,46b 係止溝部
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