JP4307905B2 - スピニングリールのドラグ調整つまみ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラグ調整つまみ、特に、スピニングリールのリール本体に対して前後移動自在であり先端に第1雄ねじ部が形成されたスプール軸に、後方への移動が規制された状態で回転自在に装着されたスプールを制動するドラグ機構のドラグ力を調整するスピニングリールのドラグ調整つまみに関する。
【0002】
【従来の技術】
スピニングリールのスプールに設けられたフロントドラグ機構のドラグ力を調整するドラグ調整つまみとして、初期ドラグ力を設定する第1調整体と、それより増大するドラグ力を調整する第2調整体とを備えたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。第1調整体は、たとえば糸切りしない程度の最小の初期ドラグ力を設定するために使用される。第1調整体は、スプール軸の先端に形成された雄ねじ部に螺合している。第2調整体は、第1調整体の径方向外方に設けられた操作部を有しており、スプール軸に回転不能に装着された伝達部材に螺合している。伝達部材は、第1調整体により前方への移動が規制されている。第2調整体は、ドラグ機構に接触しており、初期ドラグ力より増大する側にドラグ力を設定可能である。両調整体のねじピッチは同じ又は異なるものに設定されている。
【0003】
このような構成の従来のドラグ調整つまみでは、第1調整体を回すことによりドラグ力の初期荷重を設定する。そして、初期ドラグ力が設定された状態で第2調整体によりドラグ力を初期ドラグ力から増大させることができる。これにより、ドラグ力が必要以上に小さくなることによる魚の取り逃がし及び糸切れの防止を図ることができる。
【0004】
【特許文献1】
実公平6−29032号公報(第8図及び第10図参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記2つの調整体を有する従来のドラグ調整つまみでは、第2調整体のねじピッチを第1調整体のねじピッチより大きくすることにより、第2調整体の回動量に対するドラグ力の増大割合を大きくすることができ、所望のドラグ力に素早く設定することができる。しかし、ねじピッチを大きくし過ぎると、螺合しているねじ山の数が少なくなり、ねじの強度が低くなってしまう。このため、前記従来の構成では、大きなドラグ力を設定するとねじが破損するおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、2つの調整体を有するドラグ調整つまみにおいて、ねじの強度を維持して所望のドラグ力に素早く設定できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、スピニングリールのリール本体に対して前後移動自在であり先端に第1雄ねじ部が形成されたスプール軸に、後方への移動が規制された状態で回転自在に装着されたスプールを制動するドラグ機構のドラグ力を調整するつまみであって、第1調整体と、伝達体と、第2調整体と、押圧体と、第1抜け止め部とを備えている、第1調整体は、第1雄ねじ部に螺合する第1雌ねじ部を有するものである。伝達体は、第1調整体の後部に接触してスプール軸に回転不能かつ軸方向移動自在に装着され、外周に第1雄ねじ部とねじのリードが異なる第2雄ねじ部を有するものである。第2調整体は、第2雄ねじ部に螺合する第2雌ねじ部を有するものである。押圧体は、第2調整体とドラグ機構との間に両者に接触可能に配置され、スプール軸に対して回転不能かつ軸方向移動自在なものである。この第1雄及び雌ねじ部並びに第2雄及び雌ねじ部のうち、リードが大きい方のねじ部は多条ねじである。第1抜け止め部は、伝達体を第1調整体に対して相対回転自在に抜け止めする。
【0008】
第1調整体は、後端面に開口して形成された円形の凹部と、後端面と対向する前端面から凹部の外縁部を通って後端面の手前側まで周方向に間隔を隔てかつ円形の軸方向に沿って形成された複数の係止溝とを有する筒状の第1調整体本体と第1調整体本体の内周部に回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着され第1雌ねじ部を有するナット部材とを有し、伝達体は、凹部に収納される第1鍔部を有し、第1抜け止め部は、複数の係止溝に係止される複数の係合部と、係合部と一体形成され伝達体の第1鍔部に開口側から接触する接触部とを有し、伝達体を抜け止めするために凹部の開口側から装着可能な弾性を有するばね部材である。
【0009】
このドラグ調整つまみでは、第1調整体と第2調整体のうちリードが小さい単条ねじのねじ部を有する調整体で初期ドラグ力を調整する。たとえば、第1調整体の第1雌ねじ部が単条ねじの場合は、第1調整体を回して初期ドラグ力を調整する。第1調整体をねじの締め込み方向に回すと、第1調整体の少なくとも第1雄ねじ部に螺合する部分がスプール軸に対して後方に移動する。すると、伝達体を介して第2調整体が押圧され、さらに押圧体を介してドラグ機構が押圧されドラグ機構のドラグ力が増加する。逆方向に回すとドラグ力が減少する。この初期ドラグ力が設定された状態で、リードが大きい多条ねじの第2雌ねじ部を有する第2調整体をねじの締め込み方向に回すと、第2調整体の少なくとも第2雌ねじ部が伝達体に対して後方に移動し、押圧体を介してドラグ機構が押圧されてドラグ機構のドラグ力が初期ドラグ力から徐々に増大する。
【0010】
このことは、第1調整体が多条ねじの場合でも同様であり、第2調整体を回すと、伝達部材が第1調整体に接触した状態で第2調整体の第2雌ねじ部が伝達体に対して後方に移動し、押圧体を介してドラグ機構が押圧されてドラグ力を所望の初期ドラグ力に設定できる。この状態で多条ねじの第1調整体を回すと、伝達体、第2調整体を介して押圧体が後方に押圧され、ドラグ力が所定ドラグ力から徐々に増大する。
【0011】
ここでは、多条ねじを用いた調整体と単条ねじを用いた調整体とで同じピッチのねじを用いたとしても、多条ねじを用いた調整体の回転量に対する後方への移動量は、単条ねじを用いた調整体の条数倍になる。しかも、多条ねじのため、単条ねじを用いた調整体とピッチを同じにでき、螺合するねじ山の数も同じにできる。このため、ねじのピッチを大きくする必要がなくなり、ねじの強度を維持して所望のドラグ力に素早く設定できるようになる。
【0012】
また、第1抜け止め部により伝達体が第1調整体に対して抜け止めされるので、つまみを外したときに伝達体と第1調整体とがばらけなくなる。
【0013】
さらに、第1調整体の凹部の開口側から伝達体の第1鍔部を収納し、この状態で開口側から第1抜け止め部を開口を通るように圧縮しながら凹部内に収納し、凹部の外縁部に形成された係止溝に係合部を位置決めして圧縮状態を解除する。すると、係止溝は、凹部の第1端面より手前側までしか形成されていないので、第1端面とのあいだで段差が生じ、その段差に係合部が係止されて抜け止め部材は第1調整体本体の開口側に移動できなくなる。また、この状態で伝達体の開口側に接触部が接触して伝達体も開口側に移動できなくなる。このため、伝達体が抜け止めされる。この係止溝は、前端面から後端面に向けて形成されているので、型成形時に型により形成することができる。ここでは、第1抜け止め部を係止するための構造を型成形により形成できるので、第1抜け止め部の係止構造を機械加工することなく実現でき、加工コストを低減することができる。
【0014】
発明2に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1に記載のつまみにおいて、リードが大きい方のねじ部はピッチも大きい。この場合には、ねじのピッチも大きいので、調整体の回転量に対する移動量がさらに大きくなり、所望のドラグ力にさらに素早く設定できるようになる。
【0015】
発明3に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1又は2に記載のつまみにおいて、第2雄及び雌ねじ部は2条ねじである。この場合には、比較的加工しやすい2条ねじであるので、第2ねじ部を安価に製造できる。
【0016】
発明4に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1から3のいずれかに記載のつまみにおいて、第1調整体は前方に突出する筒状の部材であり、第2調整体は、第1調整体の周囲を覆いかつ部分的に露出させるカバー部と、第1調整体の前端部を部分的に覆う橋絡部とを有する。この場合には、第1調整体の前端部を覆うことにより、第1調整体が突出していても釣り糸が引っ掛かりにくくなる。また、一部を露出させた状態で第1調整体の周囲を覆っているので、露出した部分での第1調整体の操作を可能にして釣り糸が第1調整体にさらに引っ掛かりにくくなる
【0017】
に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1からのいずれかに記載のつまみにおいて、押圧体を第2調整体に対して相対回転自在に抜け止めする第2抜け止め部をさらに備える。この場合には、押圧体が第2調整体に対して抜け止めされるので、第1調整体を緩めてスプール軸から外すとき、つまみ全体をばらけることなく取り外すことができる。
【0018】
発明に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明に記載のつまみにおいて、第2調整体は、後端面に開口して形成された円形の凹部を有し、押圧体は、凹部に収納される第2鍔部を有し、第2抜け止め部は、頭部を有し第2調整体にねじ込まれ頭部で鍔部を係止可能なねじ部材である。この場合には、ねじ部材の頭部を利用して押圧体を回転自在に簡単に抜け止めできる。
【0019】
発明に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1からのいずれかに記載のつまみにおいて、第1調整体と伝達体との相対回転により発音する第1発音部をさらに備える。この場合には、第1調整体の操作を確実に認識できる。
【0020】
発明に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1からのいずれかに記載のつまみにおいて、第2調整体と押圧体との相対回転により発音する第2発音部をさらに備える。この場合には、第2調整体の操作を確実に認識できる。
【0021】
発明に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明に記載のつまみにおいて、第1発音部は、第2発音部より細かなピッチのクリック音を発生する。この場合には、両調整体のいずれかを操作したかを音の間隔により識別できる。
【0022】
発明1に係るスピニングリールのドラグ調整つまみは、発明1からのいずれかに記載のつまみにおいて、リードが大きいねじ部を有する調整体は、回動範囲が360度未満に限定されている。この場合には、回動量に対して前後移動量が大きい調整体の前後移動範囲を所定量に限定でき、設定値へのドラグ力の変更が容易になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔全体構成及びリール本体の構成〕
本発明の一実施形態を採用したスピニングリールは、図1に示すように、ハンドル1と、ハンドル1を回転自在に支持するリール本体2と、ロータ3と、スプール4とを備えている。ロータ3は、リール本体2の前部に回転自在に支持されている。スプール4は、釣り糸を外周面に巻き取るものであり、ロータ3の前部に前後移動自在に配置されている。
【0024】
リール本体2は、図1及び図2に示すように、側部に開口を有するリールボディ2aと、リールボディ2aの開口2cを閉塞するための蓋体2dと、蓋体2dから斜め上前方に一体で延びるT字状の竿取付脚2bとを有している。
【0025】
リールボディ2aは、内部に空間を有しており、その空間内には、ロータ3をハンドル1の回転に連動して回転させるロータ駆動機構5と、スプール4を前後に移動させて釣り糸を均一に巻き取るためのオシレーティング機構6とが設けられている。
【0026】
リールボディ2aの前部には、ロータ3の後部を塞ぐ円形のフランジ部2eが蓋体2dとによって形成されている。リールボディ2a側のフランジ部2eの後部には、円形の隔壁2gが形成されており、隔壁2gの後部に円形の空間が形成されている。
【0027】
〔ロータの構成〕
ロータ3は、図1に示すように、後端が開口する円筒部30と、円筒部30の側方に互いに対向してそれぞれ設けられた第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とを有している。円筒部30と第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32とは一体成形されている。
【0028】
円筒部30は、リールボディ2aのフランジ部2eの外周側に配置されている。円筒部30の開口する後部は、フランジ部2eにより塞がれている。円筒部30の前部には前壁33が形成されており、前壁33の中央部にはボス33aが形成されている。このボス33aの貫通孔をピニオンギア12の雄ねじ部12e及びスプール軸15が貫通している。前壁33の前方側にはナット34が配置されており、このナット34がピニオンギア12の先端の雄ねじ部12eに螺合してロータ3をピニオンギア12に固定している。
【0029】
第1ロータアーム31及び第2ロータアーム32の先端には、釣り糸をスプール4に案内するためのベールアーム44が糸巻き取り姿勢と糸開放姿勢との間で揺動自在に装着されている。
【0030】
ロータ3の円筒部30の隔壁2gの前側の空間内にはロータ3の逆転防止機構50が配置されている。逆転防止機構50は、ローラ型のワンウェイクラッチ51と、ワンウェイクラッチ51を作動状態及び非作動状態に切り換える操作機構52とを有している。ワンウェイクラッチ51は、外輪がリールボディ2aに固定され、内輪がピニオンギア12に回転不能に装着されている。操作機構52は、リールボディ2aの後部に配置された操作レバー53を有しており、操作レバー53を揺動させることでワンウェイクラッチが2つの状態に切り換られ、作動状態のときにロータ3が逆転不能になり、非作動状態のときロータ3が逆転可能になる。
【0031】
〔スプールの構成〕
スプール4は、ロータ3の第1ロータアーム31と第2ロータアーム32との間に配置されており、スプール軸15の先端に後方への移動が規制された状態で回転自在に装着されている。スプール軸15は、図3に示すように、先端に向かって徐々に縮径するような段付き軸である。スプール軸15は、先端の小径部分に形成された第1雄ねじ部15aを有している。第1雄ねじ部15aは、単条ねじである。また、第1雄ねじ部15aの基端側には、互いに平行な面取り部15bを有している。スプール軸15は、基端にオシレーティング機構6の後述するスライダ22が回転かつ移動不能に装着されるスライダ装着部15cを有している。
【0032】
スプール4は、たとえばアルミニウム鍛造製のものであり、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部4aと、糸巻胴部4aの後部に一体成形された大径のスカート部4bと、糸巻胴部4aの前部に一体形成された大径の前フランジ部4cとを有している。糸巻胴部4aはロータ3の円筒部30の外周側まで延びる円筒状の部材である。糸巻胴部4aは、内周側にスプール軸15に装着されるボス部が形成された円板状の装着部4dを有している。装着部4dは、鍔付きブッシュ55を介してスプール軸15に回転自在に装着されている。装着部4dの前面には、スプール4を制動するドラグ機構60を収納する筒状のドラグ収納部4eが形成されている。ドラグ収納部4eの内周面には、軸方向に沿って係止溝4fが1対形成されている。
【0033】
〔ドラグ機構の構成〕
ドラグ機構60は、スプール4を制動するものであり、スプール軸15の第1雄ねじ部15aに螺合するドラグ調整つまみ61によりドラグ力を調整可能である。ドラグ機構60は、スプール軸15の面取り部15bに回転不能に係止される第1及び第2ドラグ座金70,71と、スプール4の係止溝4fに回転不能に係止される第3ドラグ座金72とを有している。第3ドラグ座金72は、第1及び第2ドラグ座金70,71の間に配置されている。第1ドラグ座金70と第3ドラグ座金72との間、第3ドラグ座金72と第2ドラグ座金71との間、及び第2ドラグ座金71とスプール4の装着部4dとの間には、たとえばフェルト製のドラグディスク74が介装されている。ドラグ収納部4eと、ドラグ調整つまみ61の後端外周部との間には、その隙間からドラグ機構60に液体などの異物の侵入を防止するシール部材56が装着されている。
【0034】
〔ドラグ調整つまみの構成〕
ドラグ調整つまみ61は、図4から図6に示すように、第1雄ねじ部15aに螺合する第1雌ねじ部91を有する第1調整体80と、第1調整体80に対して相対回転自在な伝達体81と、伝達体81に対して相対回転自在な第2調整体82と、伝達体81に相対回転不能に装着された押圧体83とを有している。また、ドラグ調整つまみ61は、第1調整体80と伝達体81との相対回転により発音する第1つまみ発音部84と、第2調整体82と押圧体83との相対回転により発音する第2つまみ発音部85とを有している。
【0035】
第1調整体80は、筒状の第1調整体本体90と、第1雌ねじ部91が内周面に形成された第1ナット92とを有している。
【0036】
第1調整体本体90は、第1調整体80を回動操作するためのものである。第1調整体本体90は、後端面90aにスプール軸芯と同芯に開口して形成された円形の伝達体収納凹部90bと、後端面90aと対向する前端面90cから伝達体収納凹部90bの外縁部を通って後端面90aの手前側まで周方向に間隔を隔てかつ円形の軸方向に沿って形成されたたとえば4つの係止溝90dとを有している。この係止溝90dに後述する抜け止めばね95が装着されている。第1調整体本体90の内周部には、第1ナット92を回転不能かつ前方への移動を規制して装着するための第1ナット収納部90eが形成されている。また、前端面には、係止溝90dの開口部分に浅いリング溝90fが形成されており、リング溝90fには、係止溝90dの開口部分を塞ぐ銘版シール93が貼り付けられている。このような銘版シール93で開口部分を塞ぐことにより、液体などの異物の侵入や付着を防ぐとともに美観の向上を図ることができる。また、第1調整体本体90の伝達体収納凹部90bの底面には、第1つまみ発音部84を収納するための円形のピン収納凹部90gが直径上に2箇所形成されている。また、前面の中心には中心孔90hが形成されている。
【0037】
第1ナット92は、内周面に第1雌ねじ部91が形成された六角ナットである。第1ナット92は、第1調整体本体90のナット収納部90eに回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着されている。第1ナット92は、ワッシャ96を介して第1調整体本体90に抜け止めされた伝達体81に接触している。このため、第1ナット92は、第1調整体本体90と伝達体81とに挟持された状態になる。
【0038】
伝達体81は、第1調整体80の後部に接触してスプール軸15に回転不能かつ軸方向移動自在に装着され、外周に第1雄ねじ部15aとねじのリードが異なる第2雄ねじ部98を有する概ね筒状の部材である。伝達体81は、前端部に大径の第1鍔部81aを有している。第1鍔部81aの外径は、第1調整体本体90の伝達体収納凹部90bの内径より小さく、伝達体収納凹部90bに挿入可能なものである。第1鍔部81aの前端面は、伝達体収納凹部90bの底面に接触して配置されている。また、第1鍔部81aの前端面には、第1つまみ発音部84を構成する多数の音出し凹部84aが周方向に間隔を隔てて形成されている。第1鍔部81aから間隔を隔てて後方には、第2雄ねじ部98が形成されている。第2雄ねじ部98は、第1雄ねじ部15aよりピッチが大きい2条ねじである。このため、第2雄ねじ部98のリードは第1雄ねじ部15aのリードより大きくなる。第1鍔部81aと第2雄ねじ部98との間には小径の抜け止め凹部81bが形成されている。抜け止め凹部81bは、抜け止めばね95を装着するために設けられている。第2雄ねじ部98の後方には互いに平行な面取り部81cが形成された回転係止部81dが設けられている。回転係止部81dは、押圧体83を回転不能かつ軸方向移動自在に装着するために設けられている。また、伝達体81の内周面には、スプール軸15の面取り部15bに回転不能に係合する断面が長円形の係止孔81eが形成されている。
【0039】
抜け止めばね95は、金属線材を折り曲げて形成されたものである。抜け止めばね95は、伝達体81を第1調整体80に回転自在に抜け止めするために伝達体収納凹部90bの開口側から装着可能なものである。抜け止めばね95は、4つの係止溝90dに後方への移動が規制された状態で係止される角部で構成される係合部95aと、係合部95aと一体形成され伝達体81の第1鍔部81aの後面に伝達体収納凹部90bの開口側から接触して第1鍔部81aの後方への移動を規制する接触部95bとを有している。ここでは、抜け止めばね95を係止するための構造を円形の型成形により形成できるので、抜け止めばね95の係止構造を機械加工することなく実現でき、加工コストを低減することができる。
【0040】
第2調整体82は、円板状の第2調整体本体100と、第2雄ねじ部98に螺合する第2雌ねじ部101を有する第2ナット102と、第2調整体本体100の前面に固定された把手部103とを有している。
【0041】
第2調整体本体100は、つまみボディ100aと、つまみボディ100aから前方に突出する1対の把手連結部100bと、把手連結部100bの間で先細り筒状につまみボディ100aに突出するカバー部100cとを有している。また、第2調整体本体100は、つまみボディ100aから後方に突出する筒状の第2ナット収納部100dと、第2ナット収納部100dの外周側に後方に突出して形成された押圧体収納凹部100eとを有している。
【0042】
つまみボディ100aは、中心部を貫通孔が形成された皿状の部分である。把手連結部100bは、つまみボディ100aの直径上の両端部分から前方にやや中心側に傾斜して突出している。把手連結部100bには、把手部103を装着するための貫通孔100fが形成されており、把手連結部100bに把手部103がねじ止め固定されている。また、一方の把手連結部100bの後面には、第2つまみ発音部85を収納するための円形のピン収納凹部100gが形成されている。カバー部100cは、第1調整体80の第1調整体本体90の周囲を覆いかつ部分的に露出させるように形成されている。具体的には、先細りの筒状部の両側に1対の切欠き部100hを形成することにより第1調整体本体90の周囲を部分的に露出している。この露出部分で第1調整体80をつまんで回動させることができる。第2ナット収納部100dは、第2ナット102を回転不能かつ前方への移動を規制して装着する。押圧体収納凹部100eには、押圧体83の後述する第2鍔部110aが回転自在に抜け止めされた状態で収納されている。また、押圧体収納凹部100eの内周側には、略330度の範囲で第2調整体82の回転を規制するためのC字状の回動規制溝100iがスプール軸芯と同芯に形成されている。
【0043】
第2ナット102は、内周面に第2雌ねじ部101が形成された六角ナットである。第2ナット102は、第2調整体本体100のナット収納部100dに回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着されている。第2ナット102は、第2調整体82に抜け止めされた押圧体83に接触している。このため、第2ナット102は、第2調整体本体100と、押圧体83とに挟持された状態になる。
【0044】
把手部103は、第2調整体82を回動操作するためのものである。把手部103は、第2調整体本体100の直径上に延びる橋絡部103aと、橋絡部103aから後方に延びる1対の取付筒部103bと、橋絡部103aの中心から後方に延びて第1調整体本体90の中心90fに挿通される軸部103cと、橋絡部103aの中心部から碗状に拡がる拡張部103dとを有している。1対の取付筒部103bは、把手連結部100bの後面より僅かに凹んで貫通孔100fを貫通している。この取付筒部103bの後端面にビス105がねじ込まれて、把手部103は、第2調整体本体100に固定されている。橋絡部103aは、拡張部103dとで第1調整体80の第1調整体本体90の前端面を部分的に覆っている。ここでは、第1調整体80の前端部を部分的に覆うことにより、第1調整体80が突出していても釣り糸が引っ掛かりにくくなる。また、一部を露出させた状態で第1調整体80の周囲をカバー部100cで覆っているので、露出した部分での第1調整体80の操作を可能にして釣り糸が第1調整体80にさらに引っ掛かりにくくなる。
【0045】
押圧体83は、第2調整体82とドラグ機構60との間に両者に接触して配置され、スプール軸15に対して回転不能かつ軸方向移動自在なものである。押圧体83は、第2鍔部110aを有する円板状の押圧体本体110と、押圧体本体110をスプール軸15に回転不能に装着された伝達体81に対して回転不能に連結するための歯付きワッシャ111とを有している。
【0046】
押圧体本体110は、伝達体81に回転自在に装着されており、前端部に押圧体収納凹部100eに外周縁が収納される第2鍔部110aを有している。第2鍔部110aは、把手部103を第2調整体本体100に固定するための2本のビス105により、第2調整体本体100に回転自在に抜け止めされている。押圧体本体110の内周部には、歯付きワッシャ111に回転不能に係合する係合凹部110bが形成されている。また、第2鍔部110aの前端面には、回動規制溝100iに係合する規制突起110cが前方に突出して形成されている。この規制突起110cが回動規制溝100iに係合することにより、第2調整体82の回動範囲が規制されている。このように回動範囲を規制することにより、設定値へのドラグ力の変更が容易になる。さらに、第2鍔部110aの規制突起110c形成部分を除く前端面には、第2つまみ発音部85を構成する多数の音出し凹部85aが周方向に間隔を隔てて形成されている。
【0047】
歯付きワッシャ111は、押圧体本体110をスプール軸15に対して回転不能にするために設けられている。具体的には、スプール軸15に対して回転不能な伝達体81に回転不能に装着されて、押圧体83をスプール軸15に対して回転不能にしている。歯付きワッシャ111は、外周に周方向に間隔を隔てて径方向に突出して形成された複数の係止歯111aを有している。係止歯111aは、等間隔に形成されているが1箇所だけ形成されていないところがある。これにより、第2調整体82に対して押圧体83を所定の回転位相で組み付けることができる。歯付きワッシャ111の内周面には、伝達体81の回転係止部81dに回転不能に係合する長孔状の係止孔111bが形成されている。この係止孔111bは、係止歯111aに対して所定の回転位相で形成されている。
【0048】
第1つまみ発音部84は、伝達体81に形成された音出し凹部84aと、2つのピン収納凹部90gに音出し凹部84aに向けて進退自在に収納された2つの音出しピン115と、音出しピン115を音出し凹部84aに向けて付勢する音出しばね116とを有している。
【0049】
第2つまみ発音部85は、第2鍔部110aに形成された音出し凹部85aと、ピン収納凹部100gに音出し凹部85aに向けて進退自在に収納された音出しピン120と、音出しピン120を音出し凹部85aに向けて付勢する音出しばね116とを有している。
【0050】
2つの発音部84,85において、音出しピン115,120の頭部の径は音出しピン115の方が小径である。また、音出し凹部84aの方が音出し凹部85aより間隔が狭い。このため、第1つまみ発音部84の方が第2つまみ発音部85より細かなクリック音を発する。
【0051】
また、スプール4の後部には、図3に示すように、ドラグ機構60が作動してスプール4がスプール軸15に対して回転すると発音するドラグ発音部62が密着して配置されている。ドラグ発音部62は、図3に示すように、鍔付きブッシュ55の鍔部の後面にワッシャ65を介して装着された音出し部材125と、音出し部材125に接触可能にスプール4に揺動自在に装着された有底筒状の音出し爪126と、音出し爪126を音出し部材125に接触する位置に付勢するコイルばね(図示せず)とを有している。音出し部材125はスプール軸に回転自在に装着されている。音出し部材125は、スプール軸15の面取り部15bの後端部に後方への移動が規制された状態で回転不能に装着されたスプールワッシャ66に回転不能に係止されている。これにより、音出し部材125はスプール軸15に対して回転不能になっている。なお、スプールワッシャ66は、音出し部材125及びワッシャ65を介してスプール4の後方への移動を規制している。音出し部材125は、スプール4の装着部4dのボス部外周に配置される音出し筒部125aを有しており、音出し筒部125aの外周面に音出し凸部125bが周方向に間隔を隔てて多数形成されている。
【0052】
音出し爪126は、スプール4の装着部4dに後方に突出して筒状に形成された装着筒部4gの端面に圧入固定された揺動ピン127に揺動自在に支持されている。音出し爪126と装着筒部4gの端面との間にはワッシャ128が介装されている。このようにワッシャ128を介装することにより、ワッシャ128により音出し爪126を揺動方向と交差する方向にふれないように支持することができ、音出し爪126を支持する面を装着筒部4gに設ける必要がなくなる。このため、装着筒部4gの径方向の肉厚を薄くすることができ、アルミニウム鍛造製のスプール4の軽量化を図ることができる。
【0053】
〔ロータ駆動機構の構成〕
ロータ駆動機構5は、図1及び図2に示すように、ハンドル1が回転不能に装着されたメインギア軸10と、メインギア軸10とともに回転するフェースギアであるメインギア11と、このメインギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。
【0054】
ピニオンギア12は、メインギア11と食い違う回りにリールボディ2aに回転自在に装着されている。ピニオンギア12は、図1に示すように、ハンドル1の回転に連動して回転する筒状の部材であり、前後に延びるスプール軸15が中心部を貫通している。ピニオンギア12は、メインギア11及び後述する大径ギア19に噛み合うギア部12aと、ギア部12aの先端側に形成された筒部12bと、ギア部12aの軸方向前方(図2左側)に配置されギア部12aより小径に形成された切欠き部12cとを有している。ピニオンギア12は、筒部12bとギア部12aの後部側とでリールボディ2aに軸受14a、14bを介して回転自在に支持されている。ギア部12aは、フェースギアであるメインギア11に噛み合うねじ歯車である。筒部12bの先端には、雄ねじ部12eが形成されている。雄ねじ部12eに螺合するナット34によりロータ3がピニオンギア12の筒部12bの先端部に固定されている。切欠き部12cは、周方向に形成された環状の溝部であり、溝部の軸方向長さは、後述する従動ギア16のギア部分の軸方向長さより長い。
【0055】
〔オシレーティング機構の構成〕
オシレーティング機構6は、ハンドル1の回転に連動してスプール軸15を介してスプール4を前後に往復移動させる機構である。オシレーティング機構6は、大径ギア19と小径ギア20とを有し、メインギア11と食い違う軸回りにリール本体2に回転自在に装着された段付ギア13と、小径ギア20に噛み合う従動ギア16と、従動ギア16が回転不能に装着された螺軸21と、螺軸21に係合して前後移動するスライダ22と、前述したピニオンギア12とを有している。
【0056】
段付ギア13は、ピニオンギア12の回転を大きく減速して従動ギア16に伝達するために設けられている。従動ギア16は、小径ギア20に噛み合うすぐ歯ギアであり、外周部がピニオンギア12の切欠き部12c内に配置されている。従動ギア16の外周部は環状溝で構成される切欠き部12cの底部と僅かな隙間をあけて配置されている。
【0057】
このようにピニオンギア12に切欠き部12cを形成するとともに、従動ギア16の外周部を切欠き部12c内に配置することにより、従動ギア16及び螺軸21をスプール軸15に接近させることができ、減速比を維持しながら、リール本体2に各種のギアをコンパクトに配置できる、
螺軸21は、スプール軸15と平行に配置されており、リールボディ2aに回転自在に支持されている。また、螺軸21の外周部には螺旋状の交差する溝21aが形成されている。この螺軸21の先端に前述したように従動ギア16が回転不能に装着されている。
【0058】
スライダ22は、スライダ本体25と、スライダ本体25内に収納された係合部材26とを有している。スライダ本体25は、2本のガイド軸24a、24bによりスプール軸15と平行に案内される。係合部材26は、スライダ本体25内に回動自在に装着されており、係合部材26の先端は、螺軸21の溝21aに噛み合っている。
【0059】
〔リールの操作及び動作〕
このスピニングリールでは、釣りを行う前に、釣法や釣り対象の魚に応じてドラグ力を調整する。ドラグ力を調整する際には、まず第1調整体80を回して初期ドラグ力を設定する。第1調整体80をねじ込み方向に回すと、第1ナット92が後方に移動して伝達体81,第2ナット102及び押圧体83を介してドラグ機構60を押圧し、ドラグ力が増大する。逆に回すとドラグ力が減少する。このとき、第1雄ねじ部15a,第1雌ねじ部91はピッチが細かい単条ねじであるので、初期ドラグ力を細かく設定できる。
【0060】
初期ドラグ力の設定が終わると、第2調整体82を回して魚がかかったときの通常のドラグ力を設定する。第2調整体82をねじ込み方向に回すと、第2ナット102が後方に移動して押圧体83を介してドラグ機構60を押圧し、ドラグ力が増大する。このとき、第2雄ねじ部98及び第2雌ねじ部101は、2条ねじでありしかもピッチが粗いため、第2調整体82の回動に対して第2ナット102が第1ナット92に比べて大きく後方に移動する。したがって、第2調整体82を僅かに回動させるだけでドラグ力を大きく変化させることができる。
【0061】
ここでは、2条ねじを用いた第2調整体82と単条ねじを用いた第1調整体80とで仮に同じピッチのねじを用いたとしても、2条ねじを用いた第2調整体82の回転量に対する後方への移動量は、単条ねじを用いた第1調整体80の条数倍になる。しかも、2条ねじのため、単条ねじを用いた調整体とピッチを同じにして、螺合するねじ山の数を同じにすることもできる。このため、ねじのピッチをそれほど大きくする必要がなくなり、ねじの強度を維持して所望のドラグ力に素早く設定できるようになる。
【0062】
キャスティング時には、ベールアーム44を糸巻き取り姿勢から糸開放姿勢に倒す。そして、釣竿を振って仕掛けをキャスティングする。すると、スプール4の先端から釣り糸が螺旋状に放出される。このとき、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられているので、放出抵抗が少なくなる。
【0063】
釣り糸巻き取り時には、ベールアーム44を糸巻き取り姿勢に倒す。これは、ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると図示しないカムとバネの働きにより自動的に行われる。ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると、この回転力はメインギア軸10及びメインギア11を介してピニオンギア12に伝達される。このピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部を介してロータ3に伝達され、ロータ3が糸巻き取り方向に回転する。
【0064】
一方、ピニオンギア12に噛み合う大径ギア19によって段付ギア13が回転し、その回転が小径ギア20を介して従動ギア16に伝達される。この結果、ピニオンギア12の回転速度、すなわちロータ3の回転速度より小さい回転速度で螺軸21が回転する。そして、螺軸21の回転により螺軸21の溝21aに噛み合うスライダ22がガイド軸24a、24bに案内されて前後方向に移動する。そして、ベールアーム44によってスプール4に案内された釣り糸はスプール4の糸巻胴部4aに巻き付けられ、スプール4に釣り糸が密に巻き付けられる。このため、スプール4に釣り糸が効率よく巻き付けられる。
【0065】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、第1調整体で初期ドラグ力を細かく設定し、第2調整体で通常のドラグ力を設定するように構成したが、逆でもよい。すなわち、第2調整体の方を単条ねじにして第1調整体の方を多条ねじにしてもよい。
【0066】
図7において、ドラグ調整つまみ161は、第1調整体180と、伝達体181と、第2調整体182と、押圧体183とを有している。
【0067】
第1調整体180は、前面に直径に沿う突起部190aを有する円板状の第1調整体本体190と、第1調整体本体190の内部に前方への移動が規制された状態で回転不能に装着された第1ナット192とを有している。スプール軸15の先端の第1雄ねじ部15aは2条ねじであり、第1雄ねじ部15aに螺合する第1ナット192の第1雌ねじ部191も当然2条ねじである。
【0068】
伝達体181は、第1調整体本体190に回転自在に抜け止めされている。この抜け止め構造は前記実施形態と同様なため説明を省略する。伝達体181の外周面に形成された第2雄ねじ部198は、第1雄ねじ部15aとピッチが同じ単条ねじである。
【0069】
第2調整体182は、第1調整体180の後面に第1調整体180の外周面を覆うように大径に形成された円板状の部材である。第2調整体182は、円板状の第2調整体本体200と、第2雄ねじ部198に螺合する第2雌ねじ部201を有する第2ナット202とを有している。第2調整体本体200は、形状を除いて前記実施形態と同様な構成である。
【0070】
押圧体183は、円板状の押圧体本体210と、押圧体本体210をスプール軸15に回転不能に装着された伝達体181に対して回転不能に連結するための歯付きワッシャ211とを有しており、前記実施形態と同様な構成である。
【0071】
このような構成のドラグ調整つまみ161では、初期ドラグ力を設定する際には、第1調整体180ではなく、第2調整体182のたとえば外周面を回して調整する。また、通常ドラグ力を設定する際には、突起部190aをつまんで第1調整体180を回して調整する。このような実施形態でも前記実施形態と同様な効果が得られる。
【0072】
(b)前記実施形態では、抜け止めばね95により伝達体81を抜け止めし、ビス105により押圧体83を抜け止めしたが、抜け止め構造は抜け止めばねやビスに限定されない。たとえば、弾性的に係止する突起を第1及び第2調整体や伝達体や押圧体に設けて抜け止めしてもよい。
【0073】
(c)前記実施形態では、多条ねじとして製造しやすい2条ねじを例示したが、3条以上の多条ねじを用いてもよい。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、多条ねじを用いた調整体と単条ねじを用いた調整体とで同じピッチのねじを用いたとしても、多条ねじを用いた調整体の回転量に対する後方への移動量は、単条ねじを用いた調整体の条数倍になる。しかも、多条ねじのため、単条ねじを用いた調整体とピッチを同じにでき、螺合するねじ山の数も同じにできる。このため、ねじのピッチを大きくする必要がなくなり、ねじの強度を維持して所望のドラグ力に素早く設定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を採用したスピニングリールの左側面断面図。
【図2】 図1のII−II断面図。
【図3】 ドラグ機構を含むスプールの断面図。
【図4】 ドラグ調整つまみの分解斜視図。
【図5】 ドラグ調整つまみの正面図。
【図6】 図5のVI−VI断面図。
【図7】 他の実施形態の図6に相当する図。
【符号の説明】
2 リール本体
4 スプール
6 オシレーティング機構
15 スプール軸
15a 第1雄ねじ部
60 ドラグ機構
61 ドラグ調整つまみ
80,180 第1調整体
81,181 伝達体
81a 第1鍔部
82,182 第2調整体
83,183 押圧体
84 第1発音部
85 第2発音部
90,190 第1調整体本体
90b 伝達体収納凹部
90d 係止溝
91,191 第2雄ねじ部
92,192 第1ナット
95 抜け止めばね(第1抜け止め部)
95a 係合部
95b 接触部
100,200 第2調整体本体
100c カバー部
100e 押圧体収納凹部
101,201 第2雌ねじ部
102,202 第2ナット
103 把手部
103a 橋絡部
105 ビス(第2抜け止め部)
110a 第2鍔部

Claims (10)

  1. スピニングリールのリール本体に対して前後移動自在であり先端に第1雄ねじ部が形成されたスプール軸に、後方への移動が規制された状態で回転自在に装着されたスプールを制動するドラグ機構のドラグ力を調整するスピニングリールのドラグ調整つまみであって、
    前記第1雄ねじ部に螺合する第1雌ねじ部を有する第1調整体と、
    前記第1調整体の後部に接触して前記スプール軸に回転不能かつ軸方向移動自在に装着され、外周に前記第1雄ねじ部とねじのリードが異なる第2雄ねじ部を有する伝達体と、
    前記第2雄ねじ部に螺合する第2雌ねじ部を有する第2調整体と、
    前記第2調整体と前記ドラグ機構との間に両者に接触可能に配置され、前記スプール軸に対して回転不能かつ軸方向移動自在な押圧体と
    前記伝達体を前記第1調整体に対して相対回転自在に抜け止めする第1抜け止め部と、を備え、
    前記第1雄及び雌ねじ部並びに第2雄及び雌ねじ部のうち、前記リードが大きい方のねじ部は多条ねじであり、
    前記第1調整体は、
    後端面に開口して形成された円形の凹部と、前記後端面と対向する前端面から前記凹部の外縁部を通って前記後端面の手前側まで周方向に間隔を隔てかつ前記円形の軸方向に沿って形成された複数の係止溝とを有する筒状の第1調整体本体と、
    前記第1調整体本体の内周部に回転不能かつ前方への移動が規制された状態で装着され前記第1雌ねじ部を有するナット部材とを有し、
    前記伝達体は、前記凹部に収納される第1鍔部を有し、
    前記第1抜け止め部は、
    前記複数の係止溝に係止される複数の係合部と、前記係合部と一体形成され前記伝達体の第1鍔部に前記開口側から接触する接触部とを有し、前記伝達体を抜け止めするために前記凹部の開口側から装着可能な弾性を有するばね部材である、スピニングリールのドラグ調整つまみ。
  2. 前記リードが大きい方のねじ部はピッチも大きい、請求項1に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  3. 前記第2雄及び雌ねじ部は2条ねじである、請求項1又は2に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  4. 前記第1調整体は前方に突出する筒状の部材であり、
    前記第2調整体は、前記第1調整体の周囲を覆いかつ部分的に露出させるカバー部と、前記第1調整体の前端部を部分的に覆う橋絡部とを有する、請求項1から3のいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  5. 前記押圧体を前記第2調整体に対して相対回転自在に抜け止めする第2抜け止め部をさらに備える、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  6. 前記第2調整体は、後端面に開口して形成された円形の凹部を有し、
    前記押圧体は、前記凹部に収納される第2鍔部を有し、
    前記第2抜け止め部は、頭部を有し前記第2調整体にねじ込まれ前記頭部で前記鍔部を係止可能なねじ部材である、請求項に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  7. 前記第1調整体と前記伝達体との相対回転により発音する第1発音部をさらに備える、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  8. 前記第2調整体と前記押圧体との相対回転により発音する第2発音部をさらに備える、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  9. 前記第1発音部は、前記第2発音部より細かなピッチのクリック音を発生する、請求項に記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
  10. 前記リードが大きいねじ部を有する調整体は、回動範囲が360度未満に限定されている、請求項1からのいずれかに記載のスピニングリールのドラグ調整つまみ。
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