JP4500629B2 - スピニングリールの発音機構 - Google Patents

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本発明は、発音機構、特に、スプールとスプール軸との相対回転により発音するスピニングリールの発音機構に関する。
一般に、スピニングリールは、ハンドルと、ハンドルを回転自在に支持するリール本体と、ロータと、スプール軸に回転可能に装着されたスプールとを備えている。スピニングリールのスプールは、リール本体に対して前後移動自在であり、外周に釣り糸が巻き付けられる糸巻胴部と、糸巻胴部の後端部に設けられた大径筒状のスカート部とを備えている。糸巻胴部及びスカート部は、金属製であり、たとえば鍛造により一体成形されている。また、フロントドラグ型のスピニングリールでは、糸巻胴部の内部には、複数のドラグ板からなるドラグ機構や、ドラグ機構作動時に発音する発音機構を有している。
このような発音機構は、たとえば糸巻胴部の後端部に揺動可能に装着された爪部材と、スプール軸に回転不能に固定され周方向に間隔を隔てて複数の凹凸部が形成された円板部材とを有し、糸巻胴部とスプール軸との相対回転によって、爪部材の先端が凹凸部に当接を繰り返して発音するようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
この種の発音機構では、爪部材は糸巻胴部の後端部に形成されたボス部に揺動自在にねじ止めされている。また、爪部材はボス部に巻き付けられたばね部材により揺動方向と逆方向に付勢されており、これにより爪部材が凹凸部に当接したときに所定の位置に復帰するようになっている。ばね部材は、爪部材の端部と、糸巻胴部の後端部にボス部と別に突出して形成された突起部とを両端で挟持する捩じりコイルばねである。ここでは、爪部材が凹凸部に当接して揺動すると、爪部材の一端が突起部に係止されて揺動方向と逆方向に付勢力が発生するので、これにより爪部材が所定の位置に復帰する。
実開昭48−4895号公報
前記従来のスピニングリールの発音機構では、爪部材を所定の位置に復帰させるためのばね部材は、糸巻胴部の後端部にボス部と別に突出して形成されたる突起部に係止されている。ここでは、突起部を形成するために、糸巻胴部の後部をボス部と別に加工しなければならないので、糸巻胴部の加工に手間が掛かり、スプールの形成が困難になるおそれがある。
また、合成樹脂の射出成形やアルミニウム合金のダイカスト成形で糸巻胴部の後部に突起部を一体的に形成すると、突起部の基部となる部分の厚みを薄く形成することができないので、スプールの軽量化を損なうおそれが生じる。さらに、このような突起部を設けると、全体の厚みが不均一に形成されるので、ひけやウエルドマーク等の成型不良が発生し、外観の美観を低下させるおそれがある。
本発明の課題は、スピニングリールの発音機構において、スプールの形成を容易に行うとともに、スプールの軽量化を図りながら、外観の美観を高く維持することにある。
発明1に係るスピニングリールの発音機構は、釣り糸の巻き取り及び繰り出しを行うスプールと、スプールが装着されるスプール軸との相対回転により発音するスピニングリールの発音機構であって、スプール軸に回転不能に装着され周方向に間隔を隔てて設けられた複数の凹凸部を外周部に有する円板部材と、スプールに対して揺動自在に装着され先端部が凹凸部に当接可能な当接部と当接部から離反した位置に設けられた第1係止部と揺動中心と同心となるように形成された第1貫通孔とを有しスプールが回転したとき当接部が凹凸部に当接を繰り返して発音する爪部材と、両端部の少なくともいずれか一方が爪部材の第1係止部に係止され当接部を所定の位置方向に付勢するばね部材と、ばね部材の両端部の少なくともいずれか他方が係止される第2係止部と第1貫通孔と連通する第2貫通孔とを有しスプールに対して移動不能に装着された係止部材と、第1貫通孔及び第2貫通孔を貫通し爪部材をスプールに対して揺動自在かつ係止部材をスプールに対して移動不能に固定するピン部材とを備えている。ピン部材は、係止部材の第2貫通孔を貫通し係止部材をスプールにかしめ固定する固定部と、爪部材の第1貫通孔を貫通し固定部より大径に形成され爪部材を支持する支持部と、支持部より大径になるように形成された頭部と、頭部の外周に形成さればね部材が装着される装着溝とを有している。
このスピニングリールの発音機構では、スプールが回転したとき爪部材の当接部が円板部材の凹凸部に当接を繰り返して発音する。ここでは、爪部材を所定の位置方向に付勢するばね部材は、爪部材の第1係止部と、スプールと別体で設けられた係止部材の第2係止部とで係止されている。また、爪部材及び係止部材は、爪部材の第1貫通孔及び係止部材の第2貫通孔を貫通するピン部材により、スプールに対して揺動自在かつ移動不能にスプールの1箇所にて固定されている。
ここでは、スプールの後部にピン部材を固定するボス部を1箇所のみ形成するだけでよく、従来のようにスプールの後部にばね部材を係止するための突起部を形成する必要がなくなる。したがって、スプールの形成を容易に行うことができ、かつスプールを軽量化することができるとともに、外観の美観を高く維持することができる。さらに、この場合、ピン部材をかしめ固定することにより、係止部材の固定が容易になる。さらに、この場合、大径の頭部によってピン部材のかしめ固定が容易になるとともに、爪部材及び係止部材が軸方向外方に移動して抜け落ちるのを防止できる。さらに、この場合、ピン部材の装着溝にばね部材が装着されるので、ばね部材がピン部材から離反しにくくなるとともに、たとえばピン部材の装着溝にばね部材を装着した状態で組み付けることにより各部材の取り付けが容易になる。
発明に係る発音機構は、発明の発音機構において、第1係止部及び第2係止部は、ばね部材の両端部が係止されるように揺動中心と平行な軸心の軸方向後方に突出して形成されている。この場合、第1係止部及び第2係止部は爪部材及び係止部材から揺動中心と平行な軸心の軸方向に突出しているので、ばね部材の係止が簡単になる。
発明に係る発音機構は、発明の発音機構において、第1係止部及び第2係止部は、ばね部材の両端部に挟持されるように径方向外方に突出して形成されている
発明に係る発音機構は、発明1からのいずれかの発音機構において、ばね部材は捩じりコイルばねである。この場合、捩じりコイルばねにより、安価な構成でばね部材を提供できる。
発明に係る発音機構は、発明1からのいずれかの発音機構において、爪部材及び係止部材は金属製部材である。この場合、爪部材及び係止部材の強度を高く維持できるとともに、爪部材を金属製にすることで発音性能を向上できる。
発明に係る発音機構は、発明1からのいずれかの発音機構において、ピン部材は金属製部材である。この場合、たとえば真鍮(黄銅)等の銅合金やアルミニウム合金やステンレス合金等の金属によりピン部材を形成することにより、ピン部材の形成が容易になるとともに、たとえばピン部材をかしめ固定する場合にはかしめ固定が行いやすくなる。
本発明によれば、スピニングリールの発音機構において、ばね部材は、爪部材の第1係止部と、スプールと別体で設けられた係止部材の第2係止部とで係止されており、爪部材及び係止部材は、爪部材の第1貫通孔及び係止部材の第2貫通孔を貫通するピン部材により、スプールに対して揺動自在かつ移動不能にスプールの1箇所にて固定されているので、スプールの形成を容易に行うことができ、かつスプールを軽量化することができるとともに、外観の美観を高く維持することができる。
〔全体構成〕
本発明の一実施形態によるスピニングリールは、図1に示すように、釣竿の長手方向に沿う第1軸X回りに釣り糸を巻き取るリールであって、ハンドル1を備えたリール本体2と、リール本体2の前部に第1軸X回りに回転自在に支持されたロータ3と、ロータ3の前部に配置された釣り糸を巻き取るスプール4とを備えている。
リール本体2は、たとえばマグネシウム又はアルミニウム合金製である。リール本体2は、図1及び図5に示すように、釣竿に装着される前後に長い装着部2cと、装着部2cと間隔を隔てて配置されたリールボディ2aと、装着部2cとリールボディ2aとを連結する脚部2bとを有している。リールボディ2aは、内部に機構装着空間を有し、脚部2bと一体形成され側部が開口する筐体部2fと、筐体部2fを塞ぐ蓋部材2d(図5参照)とを有している。リールボディ2aの前部には、取り付けフランジ付きの金属製の筒状の取付部材2eが装着されている。
リールボディ2aの内部には、ロータ3を回転させるためのロータ駆動機構5と、ロータ3の糸繰り出し方向の回転(逆転)を制動するためのレバーブレーキ機構6と、スプール軸8を介してスプール4を前後に往復移動させるオシレーティング機構20とが設けられている。
ロータ3は、たとえばマグネシウム合金又はアルミニウム合金製であり、リール本体2に回転自在に支持されている。ロータ3は、円筒部3aと、円筒部3aの側方に互いに対向して設けられた第1アーム部3b及び第2アーム部3cとを有している。また、図2に示すように、円筒部3aの前壁3d側の内周面には、後述するワンウェイクラッチ32を構成する鋸歯状の第1凹凸部42が形成されている。円筒部3aの前壁3dの中央部には貫通孔3eを有するボス部3fが形成されている。この貫通孔3eに後述するスプール軸8及びピニオンギア12が貫通している。図1に示すように、第1アーム部3bの先端と第2アーム部3cの先端部とには、揺動自在にベールアーム9が設けられている。このベールアーム9により釣り糸がスプール4に案内される。
スプール4は、たとえばアルミニウム合金製のものである。スプール4は、ロータ3の第1アーム部3bと第2アーム部3cとの間に配置されており、スプール軸8の先端にワンタッチ着脱機構65を介して着脱自在かつ回転不能に装着されている。スプール4は、図4に示すように、スプール本体22と、ドラグ機構23とを有している。スプール本体22は、筒状の糸巻胴部22aと、糸巻胴部22aの後端部に糸巻胴部22aより大径に形成された筒状のスカート部22bと、糸巻胴部22aの前部に前方に傾斜して形成されたフランジ部22cとを有している。
糸巻胴部22aは、径方向内方に延びる装着円板部22eと、装着円板部22eの内周側に一体形成された装着筒部22fとを有している。装着円板部22eには、前後に貫通する第3貫通孔22gが形成されており、第3貫通孔22gには、後述するドラグ発音機構56のピン部材84がかしめ固定されている。装着筒部22fは、スプール軸8に回転不能に装着されたスプール筒部55に回転自在に装着されている。
フランジ部22cの外周面には、環状の硬質のフランジ保護部材22dが装着されている。フランジ保護部材22dは、フランジ固定部材24によりフランジ部22cに固定されている。フランジ固定部材24は、フランジ保護部材22dを押圧するテーパ状の押圧部24aと、押圧部24aから後方に延びる第1筒部24bと、第1筒部24bの後部に径方向内方に突出して形成された円板部24cと、円板部24cから後方に延びる第2筒部24dとを有している。この第1筒部24bが糸巻胴部22aの内周面にねじ込まれている。また、第2筒部24dにドラグ機構23が収納されている。
スプール筒部55は、中間部の外周面に互いに平行に対向して配置された面取り部55aを有している。また、スプール筒部55の後端部は大径に形成されており、そこには、係止ピン18が係合する係合溝55bが直径に沿って形成されている。スプール筒部55は、係止ピン18により回転不能かつ後方への移動が規制された状態でスプール軸8に装着されている。スプール筒部55の前端部の外周面には、ドラグ調整のための雄ねじ部55cが設けられている。スプール筒部55の後部外周面には、ドラグ作動時に発音する後述するドラグ発音機構56の円板部材80が回転不能に装着されている。
ドラグ機構23は、ドラグ調整部57と、ドラグ調整部57により摩擦力が調整される摩擦部58とを有している。ドラグ調整部57は、スプール筒部55に螺合する操作部材60と、操作部材60により押圧され摩擦部58を押圧する押圧部材61とを有している。操作部材60は、直径に沿って突出するつまみ突起60aを有するつまみ把手60bと、つまみ把手60bに固定されたつまみフランジ部60cとを有する操作部材60とを有している。フランジ部60cには、スプール筒部55の雄ねじ部55cに螺合するナット62が回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。ナット62と押圧部材61との間には、ドラグ力を調整するためのコイルばね63が圧縮状態で装着されている。押圧部材61は、スプール筒部55に回転不能かつ軸方向移動自在に装着されている。また、押圧部材61は操作部材60に回転自在かつ脱落不能に連結されている。さらに、操作部材60と押圧部材61との間には、操作部材60を回してドラグ調整する時に発音するドラグつまみ発音機構64が装着されている。
摩擦部58は、押圧部材61と、スプール本体22の装着円板部22eとの間に装着されている。摩擦部58は、スプール筒部55に回転不能に装着された第1ディスク66a、66bと、フランジ固定部材24の第2筒部24dに回転不能に装着された耳付きの第2ディスク67と、2つの第1ディスク66a、66bと第2ディスク67との間に配置されたドラグディスク68とを有している。フランジ固定部材24の第2筒部24dには、第2ディスク67の耳部を係止するための係止溝24eがたとえば2箇所形成されている。なお、フランジ固定部材24は糸巻胴部22aにねじ込まれているとともに接着されている。これにより、ドラグ作動時のトルクや振動によりフランジ固定部材24が緩むことがない。
ロータ駆動機構5は、図1に示すように、ハンドル1が回転不能に固定されたハンドル軸10とともに回転するマスターギア11と、このマスターギア11に噛み合うピニオンギア12とを有している。ハンドル軸10は、リール本体2に回転自在に支持されている。図2に示すように、ピニオンギア12は筒状に形成されており、ピニオンギア12の前部12aはロータ3の貫通孔3eを貫通してスプール4側に延びている。ピニオンギア12の前部12aで、ロータ3はナット13によりピニオンギア12に回転不能に固定されている。ピニオンギア12は、前部と中間部とで軸受14a、14bによりリール本体2に回転自在に支持されている。ナット13は、リテーナ36により緩み止めされている。またナット13は、軸受13aによりスプール軸8接触している。これにより、ピニオンギア12の内周面とスプール軸8の外周面との間に隙間を形成している。リテーナ36は前壁3dに抜け止めばね36aにより係止されている。また、リテーナ36には、シール部材36bが装着されており、ロータ3内部への液体の浸入を防止している。
オシレーティング機構20は、図1に示すように、トラバースカム式のものであり、ピニオンギア12に噛み合う中間ギア20aと、リールボディ2aにスプール軸8と平行な軸回りに回転自在に装着された螺軸20bと、螺軸20bの回転により前後移動するスライダ20cとを有している。スライダ20cにスプール軸8の後端部が回転不能かつ軸方向移動不能に取り付けられている。なお、図5に示すように、螺軸20bの前端部を回転自在に支持するブッシュ20dは、端面から軸方向突出する突出部20eにより回り止めされている。
〔ドラグ発音機構の構成〕
ドラグ発音機構56は、図1及び図4に示すように、ドラグ作動時にスプール4とスプール軸8とが相対回転することにより発音する機構である。ドラグ発音機構56は、図7から図9に拡大して示すように、スプール軸8に回転不能なスプール筒部55に回転不能に固定された円板部材80と、スプール4の装着円板部22eに対して移動不能に固定された係止部材81と、スプール4の装着円板部22eに対して揺動自在に装着された爪部材82と、爪部材82を第1位置(図10に示す位置)または第2位置(図11に示す位置)から中立位置(図9に示す位置)に付勢するばね部材83と、爪部材82をスプール4に対して揺動自在かつ係止部材81をスプール4に対して移動不能に固定するピン部材84とを有している。
円板部材80は、図4に示すように、内周部がスプール筒部55に回転不能に固定された金属製の環状部材であって、外周部には、図9に示すように、周方向に間隔を隔てて設けられた複数の凹凸部80aが形成されている。また、爪部材82には、円板部材80の凹凸部80aに当接可能な当接部82aが形成されており、ドラグ作動時にスプール4が回転したとき、爪部材82の当接部82aが円板部材80の凹凸部80aに当接を繰り返して発音する。
爪部材82は、ピン部材84に揺動自在に装着される金属製の部材であって、先端部が円板部材80の凹凸部80aに当接可能な当接部82aと、当接部82aから離反した位置に当接部82aと交差するように設けらればね部材83の両端部が係止される第1係止部82bと、揺動中心と同心となるように形成された第1貫通孔82cとを有している。
当接部82aは、図7及び図9に示すように、円板部材80の凹凸部80aに当接するように先端部が凹凸部80a方向に突出して形成されている。当接部82aは、図9に示す中立位置から、図10に示す第1位置と、図11に示す第2位置との間で揺動自在である。
第1係止部82bは、図7に示すように、当接部82aと鋭角で交差する方向に径方向外方に僅かに突出し、さらに軸方向後方に突出するように延びて形成されている。第1係止部82bの先端部は、ばね部材83が軸方向後方に抜けないように、他の部分に比して幅広になるように形成されている。第1係止部82bは、当接部82aが図9に示す中立位置に位置しているとき、ばね部材83の後述する第1アーム部83a及び第2アーム部83bに挟み込まれるように係止されている。
第1貫通孔82cは、外形が円形の貫通孔であり、ピン部材84の後述する支持部84bに揺動自在に装着されている。第1貫通孔82cの内径は、支持部84bの外径よりやや大径となるように形成されており、このため爪部材82はピン部材84に対して揺動自在になっている。
ばね部材83は、図7に示すように、金属製の捩じりコイルばねであって、複数回蜜巻きされたコイル部83cと、コイル部83cの両端部が互いに平行になるようにコイル部83cの径方向外方に突出した第1アーム部83a及び第2アーム部83bとを有している。第1アーム部83a及び第2アーム部83bは、爪部材82の第1係止部82bと、係止部材81の後述する第2係止部81aとを挟み込む位置に配置されており、図10に示す第1位置または図11に示す第2位置に揺動した爪部材82を図9に示す中立位置に付勢している。ばね部材83のコイル部83cは、ピン部材84の後述する装着溝84dに装着される。
係止部材81は、図7に示すように、ピン部材84によりスプール4の装着円板部22eにかしめ固定される金属製の板状部材であって、ばね部材83の第1アーム部83a及び第2アーム部83bに係止される第2係止部81aと、爪部材82の第1貫通孔82cと連通する第2貫通孔81bとを有している。係止部材81は、図4、図7及び図9に示すように、スプール4の糸巻胴部22aの内周面と同径となるアール面からなる位置決め部81cをさらに有しており、位置決め部81cを糸巻胴部22aの内周面に沿って配置することによって位置決め及び回り止めを行っている。
第2係止部81aは、図7に示すように、爪部材82の第1係止部82bと同心となる位置から径方向外方に突出し、さらに第1係止部82bを覆うように軸方向後方に突出するように延びて形成されている。第2係止部81aは、先端面が第1係止部82bの先端面と略同一になるように、第1係止部82bよりやや長くなるように形成されている。第2係止部81aの先端部は、ばね部材83が軸方向後方に抜けないように、他の部分に比して幅広になるように形成されている。
第2貫通孔81bは、外形が円形の貫通孔であり、ピン部材84の後述する固定部84aが挿入されてかしめ固定されている。第1貫通孔82cの内径は、固定部84aの外径よりやや小径となるように形成されており、係止部材81はピン部材84に対して移動不能になっている。
ピン部材84は、図7及び図8に示すように、真鍮(黄銅)等の銅合金からなる金属製のボルト状部材であって、爪部材82の第1貫通孔82cを貫通し、さらに係止部材81の第2貫通孔81bを貫通して装着円板部22eの第3貫通孔22gにかしめ固定するための部材である。ピン部材84は、先端部側に形成された固定部84aと、固定部84aより大径に形成された支持部84bと、基端側に支持部84bより大径に形成された頭部84cと、頭部84cの中腹部分に周方向に沿って凹んで形成された装着溝84dとを有している。
固定部84aは、外周に複数形成された溝からなるセレーションが形成されており、固定部84aの外径は係止部材81の第2貫通孔81b及び装着円板部22eの第3貫通孔22gの内径よりやや大径となるように形成されている。このため、金属製の固定部84aを金属製の係止部材81の第2貫通孔81b及び金属製の装着円板部22eの第3貫通孔22gに押し込んでかしめ固定することができ、係止部材81はスプール4の装着円板部22eに対して移動不能に固定される。
支持部84bは、爪部材82の第1貫通孔82cに挿入され、爪部材82を揺動自在に支持している。支持部84bの外径は、爪部材82の第1貫通孔82cの内径よりやや小径となるように形成されている。
頭部84cは、外径が支持部84bより大径になるように形成されており、すなわち爪部材82の第1貫通孔82cより大径になるように形成されている。このため、爪部材82の後端面が頭部84cの前端面に当接することにより、爪部材82が軸方向後方に移動するのを規制している。
装着溝84dは、ばね部材83を装着固定するための溝であって、ばね部材83のコイル部83cが取り付けられる。装着溝84dの外径は、ばね部材83のコイル部83cの内径と略同一になるように形成されており、コイル部83cを広げた状態で押し込むようにして装着する。ここでは、装着溝84dの外径とコイル部83cの内径とが略同一になっているので、ばね部材83がピン部材84に対して移動しにくくなっている。
このようなドラグ発音機構56をスプール4に組み付けるには、まず、円板部材80をスプール軸8に回転不能に装着されたスプール筒部55に取り付ける。次に、ばね部材83をピン部材84の装着溝84dに装着する。次に、爪部材82の第1係止部82bを係止部材81の第2係止部81aに重ね合わせた状態で、係止部材81の位置決め部81cを糸巻胴部22aの内周面に合わせて装着円板部22eの後面に配置する。このとき、装着円板部22eの第3貫通孔22g、係止部材81の第2貫通孔81b及び爪部材82の第1貫通孔82cの中心を合わせ、ピン部材84に装着されたばね部材83の第1アーム部83a及び第2アーム部83bが爪部材82の第1係止部82b及び係止部材81の第2係止部81aを挟み込む。そして、ピン部材84の固定部84aを係止部材81の第2貫通孔81bを貫通して装着円板部22eの第3貫通孔22gにかしめ固定する。
このようなドラグ発音機構56では、ドラグ作動時にスプール4が回転または逆転すると爪部材82は図9に示す中立位置から図10に示す第1位置または図11に示す第2位置に揺動し、爪部材82の当接部82aが円板部材80の凹凸部80aに当接を繰り返して発音する。
また、このドラグ発音機構56では、爪部材82及び係止部材81は、ばね部材83の第1アーム部83a及び第2アーム部83bにより係止されている。係止部材81の第2係止部81aは、当接部82aが図9に示す中立位置に位置しているとき、ばね部材83の第1アーム部83a及び第2アーム部83bに挟み込まれるように係止されている。第2係止部81aは、当接部82aが図10に示す第1位置に位置しているとき、ばね部材83の第2アーム部83bのみが係止され、第1係止部82bは、ばね部材83の第1アーム部83aのみが係止されている。ここでは、ばね部材83の第1アーム部83aが左側に広がることにより、爪部材82が図9に示す中立位置(図10右側)に付勢される。また、第2係止部81aは、当接部82aが図11に示す第2位置に位置しているとき、ばね部材83の第1アーム部83aのみが係止され、第1係止部82bは、ばね部材83の第2アーム部83bのみが係止されている。ここでは、ばね部材83の第2アーム部83bが右側に広がることにより、爪部材82が図9に示す中立位置(図11左側)に付勢される。したがって、爪部材82は当接部82aが図10に示す第1位置または図11に示す第2位置のいずれの方向に揺動しても常に図9に示す中立位置に復帰するようになっている。
〔レバーブレーキ機構の構成〕
レバーブレーキ機構6は、図1、図2及び図5に示すように、制動部16と、制動部16の制動力を調整操作するための制動レバー17と、制動レバー17を装着部2cから離反する方向に付勢するコイルばね19と、制動レバー17により所定制動状態と制動解除状態とに切換可能な所定制動部21(図5参照)とを有している。
〔制動部の構成〕
制動部16は、図2に示すように、制動レバー17の先端が圧接されて制動される制動部本体31と、制動部本体31をロータ3の糸繰り出し方向の回転にのみ連動して回転させる爪式のワンウェイクラッチ32とを有している。
制動部本体31は、ロータ3の内周側にロータ3と同心に配置された筒状部材40と、筒状部材40の内周面に固定された制動円筒41とを有している。
筒状部材40は、図2に示すように、円筒部3aの内周側に同芯に配置される外筒部40aと、外筒部40aの内周側に配置された内筒部40bと、外筒部40aと内筒部40bとを連結する円板部40cとを有する二重筒状部材である。外筒部40aのリール本体2に近い後端部の外周面には、後述する所定制動部21を構成する摩擦リング30が装着される環状溝40dがたとえば3条軸方向に間隔を隔てて形成されている。内筒部40bは、取付部材2eの外周面に装着された軸受14cにより取付部材2eに回転自在に装着されている。
制動円筒41は、外筒部40aの内周面から円板部40cにかけて装着された中心孔を有する金属製の有底筒状部材であり、円板部40cにねじ止め固定されている。この制動円筒41の内周面に制動レバー17の先端が当接して筒状部材40を制動する。
ワンウェイクラッチ32は爪式のものであり、ロータ3の円筒部3aの内周側面に形成された第1凹凸部42と、円板部40cに揺動自在に装着され先端が第1凹凸部42に接触可能なクラッチ爪43と、クラッチ爪43を先端が第1凹凸部42に接触する方向に付勢する捩じりばね44とを有している。ワンウェイクラッチ32は、前述したようにロータ3の糸繰り出し方向の回転にのみ連動して筒状部材40が回転させる。
〔制動レバーの構成〕
図1に示すように、制動レバー17は、第1軸Xと食い違う第2軸Y方向にリール本体2のリールボディ2aに装着された支持軸33によりリール本体2に第2軸Y回りに揺動自在に支持されている。支持軸33は、図5に示すように、鍔付きの軸部材であり、蓋部材2dを筐体部2fに装着するためのねじ部材である。支持軸33は、蓋部材2d側から挿入されたねじ33aに螺合してリール本体2に固定されている。また、前述したように、制動レバー17は、コイルばね19により装着部2cと離反する方向に付勢されている。制動レバー17は、図1に一点鎖線で示す所定制動位置と、二点鎖線で示す制動解除位置より装着部2cに接近した制動位置との間で揺動自在にリール本体2に取り付けられている。なお、制動レバー17は、通常は、コイルばね19及び所定制動部21の機構により図1に実線で示す制動解除位置と一点鎖線で示す所定制動位置とのいずれかに保持される。
制動レバー17は、支持軸33による支持部分から湾曲して前方に延びる制動操作部17aと、支持部分から湾曲して斜め前下方に延びる制動作用部17bと、制動作用部17bに着脱自在に装着された制動部材34(図2参照)とを有している。
制動操作部17aは、支持部分から装着部2cに沿ってベールアーム9の外方付近まで前方に延びた後、径方向外方と前方とに分岐して延び、さらに径方向外方に分岐した先端が前方に向けて湾曲した形状である。この湾曲部分から前方が釣竿を握る手の人差し指で操作可能な第1操作部17cとなっており、前方に延びる部分が所定制動操作時に使用する第2操作部17dとなっている。第1操作部17cは、制動レバー17の揺動により、実線で示す制動解除位置から装着部2cに接近する方向に移動可能である。
制動作用部17bの先端は、制動円筒41の内周側に対向して配置され、図2に示すように、その先端に制動円筒41の内周面に接触可能な制動部材34が着脱自在に取り付けられている。制動部材34は、たとえばポリアミド系合成樹脂やポリアセタールなどの弾性を有する合成樹脂製であり、制動レバー17の揺動により制動円筒41を径方向外方に押圧する。
制動レバー17は、何も操作されないとコイルばね19により付勢されて、図1に実線で示すように、制動解除位置に配置されて制動部材34が制動円筒41から離反している。
コイルばね19は、制動レバー17の制動操作部17aとリール本体2の脚部2bとの間に圧縮状態で配置されている。コイルばね19は、制動レバー17を制動解除側に向けて図1反時計回りに付勢している。これにより、制動状態から制動レバー17から手を離すと、ロータ3は制動解除状態になる。
また、制動レバー17は、所定制動部21を図6(a)に示す制動解除状態と図6(b)に示す所定制動状態とに切り換える操作を行うためにも使用される。制動作用部17bには、所定制動部21の第2レバー部材27の先端が係止される長円形の係止切り欠き17e(図2参照)が形成されている。係止切り欠き17eは、レバー部材27の先端部の横断面積より大きい面積の切り欠きである。
〔所定制動部の構成〕
所定制動部21は、図5に示すように、制動レバー17と連動して揺動するレバー部材27と、レバー部材27を制動解除位置と所定制動位置とで保持するトグルばね28と、図2に示すように、筒状部材40に相対回転可能に装着され筒状部材40に摩擦係合する摩擦部材29と、摩擦部材29を筒状部材40に摩擦係合させるために環状溝40dに装着された、たとえばOリングからなる3本の摩擦リング30とを有している。
レバー部材27は、図5及び図6に示すように、リール本体2の前部にスプール軸8と平行に配置された揺動軸27aに揺動自在に装着されている。レバー部材27の基端から揺動中心までの距離は、先端から揺動中心までの距離より2倍以上長い。レバー部材27の先端は、係止切り欠き17eに係止されており、レバー部材27は、制動レバー17と連動して制動解除位置(図6(a))と所定制動位置(図6(b))との間で揺動する。レバー部材27には、係止爪70が揺動自在に装着されている。係止爪70は、基端にばね係止部70aを有し、先端に鋭角の爪部70bを有しており、コイルばね71により爪部70bが突出する方向(図5反時計回り)に付勢されている。トグルばね28は、レバー部材27の基端に係止されている。
ここで、制動解除位置あるときレバー部材27の基端はトグルばね28により付勢されて係止切り欠き17eの上面に接触し、所定制動位置にあるとき下面に接触する。レバー部材27の中間部には、係止爪70が揺動自在に装着されている。係止爪70は、基端にばね係止部70aを有し、先端に鋭角の爪部70bを有しており、コイルばね71により爪部70bが突出する方向(図5反時計回り)に付勢されている。コイルばね71は、一端がばね係止部70aに係止され、他端がレバー部材27の揺動軸に係止されている。このように係止爪70を揺動自在にレバー部材27に装着しかつコイルばね71で爪部70aが突出する方向に付勢することにより、所定制動位置にレバー部材27が揺動したときに爪部70bと、後述する摩擦部材29の第2凹凸部29aとの回転位相が合わずに、爪部70bが第2凹凸部29aの突出部分に接触してもショックを吸収して確実に摩擦部材29を回り止めできる。
摩擦部材29は、筒状の部材であり、筒状部材40の外周に回転自在に装着されている。摩擦部材29の一端(図2右端)内周面には、係止爪70の爪部70bに係合する鋸歯状の第2凹凸部29aが径方向内方に突出して形成されている。第2凹凸部29aは、レバー部材27が所定制動位置(図6(b))にあるとき、係止爪70に係合して摩擦部材29の糸繰り出し方向の回転を禁止するために設けられている。摩擦部材29の他端(図2左端)と筒状部材40の円板部40cの外側面との間には、たとえば4つの放射状の突起を外周部に有する耳付き座金72と、孔付き円板状の第1座金73とが装着されている。耳付き座金72は、摩擦部材29の一端面から他端側に向けて周方向に間隔を隔てて形成された、たとえば6つの係止溝29bに回転不能に係止される。耳付き座金72及び第1座金73は、C字状に湾曲して形成された抜け止めばね74により抜け止めされる。抜け止めばね74は、摩擦部材29の他端内周面に形成された環状溝29cに装着されている。また、第2凹凸部29aと筒状部材40との間には第2座金75が装着されている。耳付き座金72、第1座金73及び第2座金75は、摩擦部材29の軸方向の取り付け寸法を調節して摩擦部材29ががたつかないように設けられている。
このような構成の摩擦部材29では、レバー部材27が所定制動位置に配置され係止爪70が第2凹凸部29aに係合したとき、摩擦部材29が摩擦リング30の作用により筒状部材40に対して摩擦摺動する。
ここでは、制動レバー17を所定制動位置に押し込み操作すると、それに連動してレバー部材27も制動解除位置から所定制動位置に揺動する。この結果、係止爪70が摩擦部材29の第2凹凸部29aに係合し、ロータ3の糸繰り出し方向の回転を所定制動状態で制動する。
トグルばね28は、図5及び図6に示すように、レバー部材27を付勢して制動レバー17を所定制動位置と制動解除位置とに付勢し、その姿勢を保持することができる。トグルばね28は、レバー部材27の基端に装着された捩じりコイルばねである。トグルばね28は、一端がレバー部材27の基端に係止され、他端がリールボディ2aの前端面に係止されている。トグルばね28は、図6(a)に示すように、レバー部材27が制動解除位置に配置されると、レバー部材27を図6(a)の時計回りに付勢し、所定制動位置に配置されると図6(b)の反時計回りに付勢する。これにより、レバー部材27が制動解除位置と所定制動位置とで保持され、さらに制動レバー17が制動解除位置と所定制動位置とに保持される。
〔リールの動作及び操作〕
キャスティング時にはベールアーム9を糸開放姿勢側に倒し、キャスティングすることにより、スプール4の外周から釣り糸が繰り出される。糸巻取時には、ハンドル1を糸巻き取り方向に回転させると、ベールアーム9が図示しない戻し機構により糸巻き取り姿勢に戻る。ハンドル1の回転力は、ハンドル軸10、マスターギア11を介してピニオンギア12に伝達される。ピニオンギア12に伝達された回転力は、ピニオンギア12の前部12aを介してロータ3に伝達される。このときロータ3は糸巻き取り方向に回転するので、ワンウェイクラッチ32の作用によりこの回転力は筒状部材40には伝達されない。ピニオンギア12が回転すると、スプール軸8が前後方向に往復移動する。
制動レバー17を何も操作しなければ、制動レバー17はコイルばね19及び所定制動部21の作用により押圧され制動解除位置または所定制動位置に配置される。
ロータ3を逆転させて魚とやりとりする時には、制動レバー17の第1操作部17cをたとえば人差し指により装着部2c側に引き込み操作して制動力を調整する。
釣り糸が魚により引かれてロータ3が糸繰り出し方向に逆転すると、その回転力がワンウェイクラッチ32を介して筒状部材40に伝達され、さらに制動円筒41に伝達される。この結果、制動円筒41がロータ3と一体で回転する。制動レバー17の第1操作部17cを装着部2cに接近する方向に引き込み操作すると、たとえ制動レバー17が所定制動位置にあっても、レバー部材27が制動解除位置側に揺動する。この結果、所定制動部21による所定制動状態が一旦解除される。このとき、トグルばね28がレバー部材27の揺動により反転し、レバー部材27が制動解除位置側に付勢され、レバー部材27が制動解除位置側で保持される(図6(a))。
この状態でさらに制動レバー17を装着部2cに接近する方向に操作すると、制動レバー17の制動部材34が制動円筒41内周面を径方向外方に強く押圧する。この制動力は制動レバー17に加える力を加減することにより調整でき、ロータ3の逆転量を任意に調整できる。この結果、制動レバー17の操作力に応じた制動力がロータ3に付与される。このように、所定制動状態の解除を忘れても、制動レバー17を引き込み操作するだけで、所定制動状態を解除できる。
釣り場を移動する時やリールを収納する時には、第1操作部17cから手を離し第2操作部17dを装着部2cから離反する方向に押し込み操作する。すると、図5及び図6(b)に示すように、レバー部材27が制動解除位置から所定制動位置に揺動し、トグルばね28によりその位置で保持される。この結果、係止爪70が摩擦部材29の第2凹凸部29aに係合して摩擦部材29の回転が阻止され、ロータ3の逆転が阻止される。
このときの制動力は、摩擦部材29と筒状部材40との間に装着された摩擦リング30の弾性力によって定められる。このため、移動途中にハンドル1に何かが当たってもハンドル1が回らない程度に強い所定制動力を得やすくなり、釣り場の移動途中に糸ふけが生じない程度に強く所定制動力を設定できる。また、摩擦部材29と筒状部材40との相対回転により制動するので、制動力が変動しにくくなり安定する。
さらに、仕掛けの垂らし長さを変更するためや、魚に当たりがあった時に魚に仕掛けを確実に食い込ませるために、ロータ3を所定制動状態から制動解除状態にしたい場合には、制動レバー17を僅かに装着部2cに接近する方向に操作すればよい。すると、前述したように、制動レバー17により2レバー部材27が制動解除位置に揺動して所定制動状態が一旦解除される。
このような構成のスピニングリールでは、ドラグ発音機構56の爪部材82の第1係止部82b及び係止部材81の第2係止部81aは、ばね部材83の第1アーム部83a及び第2アーム部83bに係止されており、爪部材82が図9に示す中立位置に位置するように付勢されている。また、ばね部材83は、ピン部材84の装着溝84dに装着されており、爪部材82及び係止部材81は、爪部材82の第1貫通孔82c及び係止部材81の第2貫通孔81bを貫通するピン部材84によって、スプール4の装着円板部22eに対して揺動自在かつ移動不能にスプール4の装着円板部22eの1箇所にて固定されている。ここでは、スプール4の装着円板部22eにピン部材84を装着する第3貫通孔22gを1箇所のみ形成するだけでよく、従来のようにスプール4の後部にばね部材83を係止するための突起部を形成する必要がなくなる。したがって、スプール4の形成を容易に行うことができ、かつスプール4を軽量化することができる。
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、レバードラグ式のスピニングリールを例にあげて説明したが、これに限定されるものではなく、たとえばフロントドラグ機構のみを有するスピニングリールにも本発明を適用できる。
(b) 前記実施形態では、爪部材82の第1係止部82b及び係止部材81の第2係止部81aは、径方向外方及び軸方向後方に突出した形状であったが、ばね部材83が係止可能であればこれらの形状に限定されるものではない。また、ばね部材83の第1アーム部83a及び第2アーム部83bの形状も径方向外方に突出した形状に限定されるものではない
) 前記実施形態では、ピン部材84を真鍮(黄銅)等の銅合金により形成したが、アルミニウム合金やステンレス合金等の他の金属や合成樹脂によりピン部材84を形成する構成にしてもよい。
本発明の一実施形態によるスピニングリールの側面断面図。 前記スピニングリールの制動部の断面拡大図。 前記スピニングリールのスプールの正面図 図3のIV−IV断面図。 図1のV−V断面図。 制動解除状態と所定制動状態での第2レバー部材の動作を示す模式図。 ドラグ発音機構の分解斜視図。 前記ドラグ発音機構の断面拡大図。 前記ドラグ発音機構の爪部材が中立位置に位置したときの背面図。 前記爪部材が第1位置に位置したときの背面図。 前記爪部材が第2位置に位置したときの背面図。
1 ハンドル
2 リール本体
3 ロータ
4 スプール
8 スプール軸
23 ドラグ機構
56 ドラグ発音機構
80 円板部材
80a 凹凸部
81 係止部材
81a 第2係止部
81b 第2貫通孔
81c 位置決め部
82 爪部材
82a 当接部
82b 第1係止部
82c 第1貫通孔
83 ばね部材
83a 第1アーム部
83b 第2アーム部
83c コイル部
84 ピン部材
84a 固定部
84b 支持部
84c 頭部
84d 装着溝

Claims (6)

  1. 釣り糸の巻き取り及び繰り出しを行うスプールと、前記スプールが装着されるスプール軸との相対回転により発音するスピニングリールの発音機構であって、
    前記スプール軸に回転不能に装着され、周方向に間隔を隔てて設けられた複数の凹凸部を外周部に有する円板部材と、
    前記スプールに対して揺動自在に装着され、先端部が前記凹凸部に当接可能な当接部と、前記当接部から離反した位置に設けられた第1係止部と、前記揺動中心と同心となるように形成された第1貫通孔とを有し、前記スプールが回転したとき前記当接部が前記凹凸部に当接を繰り返して発音する爪部材と、
    両端部の少なくともいずれか一方が前記爪部材の第1係止部に係止され、前記当接部を所定の位置方向に付勢するばね部材と、
    前記ばね部材の両端部の少なくともいずれか他方が係止される第2係止部と、前記第1貫通孔と連通する第2貫通孔とを有し、前記スプールに対して移動不能に装着された係止部材と、
    前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を貫通し、前記爪部材を前記スプールに対して揺動自在かつ前記係止部材を前記スプールに対して移動不能に固定するピン部材とを備え、
    前記ピン部材は、前記係止部材の前記第2貫通孔を貫通し前記係止部材を前記スプールにかしめ固定する固定部と、前記爪部材の前記第1貫通孔を貫通し前記固定部より大径に形成され前記爪部材を支持する支持部と、前記支持部より大径になるように形成された頭部と、前記頭部の外周に形成され前記ばね部材が装着される装着溝とを有している、スピニングリールの発音機構
  2. 前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記ばね部材の両端部が係止されるように前記揺動中心と平行な軸心の軸方向に突出して形成されている、請求項に記載のスピニングリールの発音機構。
  3. 前記第1係止部及び前記第2係止部は、前記ばね部材の両端部に挟持されるように径方向外方に突出して形成されている、請求項に記載のスピニングリールの発音機構。
  4. 前記ばね部材は捩じりコイルばねである、請求項1からのいずれか1項に記載のスピニングリールの発音機構。
  5. 前記爪部材及び前記係止部材は金属製部材である、請求項1からのいずれか1項に記載のスピニングリールの発音機構。
  6. 前記ピン部材は金属製部材である、請求項1からのいずれか1項に記載のスピニングリールの発音機構。
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