JP6636748B2 - スピニングリール - Google Patents

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本発明は、釣り用リール、特に、釣り糸を前方に繰り出し可能なスピニングリールに関する。
ロータを制動してドラグ動作させるスピニングリールにおいて、ロータの糸繰り出し方向の回転によって、ハンドルが糸巻き取り方向と逆の方向に回転するのを防止する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1のスピニングリールは、ピニオンギアとロータとを連結及び連結解除するクラッチ機構と、クラッチ機構を係合状態にしてクラッチ機構の摩擦力を調整する制動操作部材と、を有する。制動操作部材は、クラッチ機構を、回転を伝達するオン状態と遮断するオフ状態に切り換えでき、かつ係合状態でクラッチ機構の摩擦状態を調整可能である。ピニオンギアは糸巻き取り方向の回転のみ許可される。
特許部文献1のスピニングリールでは、ピニオンギアの糸巻き取り方向と逆の方向の回転が禁止される。このため、ロータが糸繰り出し方向に回転してもハンドルが糸巻き取り方向と逆の方向に回転しない。
特許第3585318号公報
釣りを行っている場合、釣り人は、釣り場の移動などで仕掛けを回収するためにロータを回して釣り糸をスプールに巻き取ることがある。この場合、特許文献1のスピニングリールでは、釣り人は、制動操作部材を操作してクラッチ機構をオン状態にしないと、釣り糸を巻き取れない。つまり、仕掛けの回収のような軽負荷の巻上であっても、魚がかかった際の高負荷の巻上と同様に制動操作部材を操作しなければならず、釣り人が操作について混乱するおそれがある。
本発明の課題は、クラッチ機構を有するスピニングリールにおいて、クラッチ機構がオフ状態であっても、軽負荷の場合は通常のスピニングリールと同様に制動操作部材を操作せずに釣り糸を巻き取れるようにすることにある。
本発明に係るスピニングリールは、釣り糸を前方に繰り出すリールである。スピニングリールは、リール本体と、ハンドルと、スプールと、ロータと、第1回転伝達機構と、制動操作部材と、ロータ制動機構と、クラッチ切換部材と、クラッチ機構と、クラッチ制御機構と、第2回転伝達機構と、を備える。リール本体は、竿装着部を有する。ハンドルは、リール本体の側部に回転可能に設けられる。スプールは、リール本体に前後方向に移動可能に支持される。ロータは、リール本体に対して回転可能であり、スプールに釣り糸を巻き付けるように構成される。第1回転伝達機構は、ハンドルの回転をロータに伝達する回転伝達経路を有する。制動操作部材は、リール本体に移動可能に設けられる。ロータ制動機構は、制動操作部材の操作に応じてロータを制動する制動部を有する。クラッチ切換部材は、リール本体に移動可能に設けられる。クラッチ機構は、回転伝達経路に設けられ、クラッチ切換部材によって、ハンドルの回転をロータに伝達するオン状態と、伝達しないオフ状態と、に切り換え可能である。クラッチ制御機構は、クラッチ機構を、クラッチ切換部材の移動に応じてオン状態とオフ状態とに制御する。第2回転伝達機構は、クラッチ機構よりもハンドル側で回転伝達経路に設けられ、ハンドルの回転に応じてハンドルの回転をロータに伝達する。
このスピニングリールでは、クラッチ機構がオン状態の場合には、第1回転伝達機構を介してハンドルの回転がロータに伝達され、釣り糸が、スプールに巻き取られる。また、クラッチ機構をオフ状態にすればロータが糸繰り出し方向に回転してもハンドルは回転しない。クラッチ機構がオフ状態の場合にハンドルを糸巻き取り方向に回すと、第2回転伝達機構がハンドルの回転をロータに伝達し、ロータを糸巻き取り方向に回転させることができる。ここでは、クラッチ機構よりもハンドル側で、回転伝達経路に第2回転伝達機構を設けている。このため、クラッチ機構がオフ状態であっても、クラッチ機構をオン状態に操作することなく、ハンドルを回転させるだけで、ハンドルの回転をロータに伝達できる。これによって、クラッチ機構を有するスピニングリールにおいて、クラッチ機構がオフ状態であっても、軽負荷の場合は通常のスピニングリールと同様に制動操作部材を操作せずに釣り糸を巻き取れるようになる。
第2回転伝達機構は、ハンドルの回転に応じて発生する遠心力によって、回転を伝達してもよい。この構成によれば、遠心力を利用してハンドルの回転をロータに伝達するので、第2回転伝達機構の構成が簡素になる。
第1回転伝達機構は、駆動軸と、駆動ギアと、ピニオンギアと、を有してもよい。駆動軸は、前後方向と食い違う左右方向に沿って配置されハンドルが一体回転可能に連結される。駆動ギアは、駆動軸に一体回転可能に設けられる。ピニオンギアは、前後方向に沿って配置され、駆動ギアにかみ合う。クラッチ機構は、ピニオンギアとロータとの間に配置される。この構成によれば、ロータとピニオンギアとの間の空間に余裕がある場所にクラッチ機構が設けられるので、クラッチ機構を配置しやすくなる。
スピニングリールは、ピニオンギアの糸巻き取り方向と逆の方向の回転を禁止する逆転禁止機構をさらに備えてもよい。この構成によれば、クラッチ機構のオン状態及びオフ状態にかかわらず、ハンドルの逆の方向の回転を禁止できる。
ロータは、リール本体に対して回転可能な円板状の壁部、及び壁部の外周側に一体形成される筒部を含む装着部を有してもよい。ロータ制動機構は、制動部材と、環状の第1制動シューとを備えてもよい。制動部材は、筒部の内周面に対向して配置される。制動部材は、ピニオンギアと一体回転可能に連結される。制動部材は、制動操作部材によって筒部の内周面に向けて押圧される。環状の第1制動シューは、制動部材の外周面に接触可能に、筒部の内周面に設けられる。
この構成によれば、ロータが糸繰り出し方向に回転した場合、制動操作部材を操作すると、制動部材が筒部の内周面に向けて押圧され、第1制動シューに摩擦係合する。このとき、制動操作部材に加える操作力を調整することによって、ロータの糸繰り出し方向の回転に対する制動力を調整できる。
制動部材は、移動部材と、有底筒状のドラム部材と、第1付勢部材と、を有してもよい。移動部材は、ピニオンギアに対して一体回転可能、かつ第1位置と、第1位置よりも前方の第2位置と、に前後移動可能である。ドラム部材は、第3位置と、第3位置よりも径方向外方の第4位置と、の間で径方向に移動自在に連結される。ドラム部材は、制動操作部材によって押圧され、第1制動シューに接触可能である。第1付勢部材は、ドラム部材を第4位置から第3位置に向けて付勢し、かつ第3位置に保持する。
この構成によれば、制動操作部材によってドラム部材を第1制動シューに向けて押圧すると、ドラム部材は第3位置から第4位置に移動する。これによって、ドラム部材の外周面が第1制動シューを押圧し、ドラム部材がロータを制動する。制動操作部材による押圧を解除すると、ドラム部材は第1付勢部材によって第3位置に戻り、かつ第3位置で保持される。ここでは、第4位置に移動したドラム部材が、制動操作が終わると第1付勢部材によって第3位置に保持される。このため、ドラム部材を移動させる構成が簡素になる。
制動部材は、制動操作部材とドラム部材の間に配置されたラジアル転がり軸受をさらに有してもよい。この構成によれば、ロータを制動する場合、ラジアル転がり軸受の内輪を制動操作部材が押圧するので、制動操作部材に回転方向の力が作用しない。このため、制動操作部材の周方向の曲げ剛性を低くでき、制動操作部材の軽量化を図れる。
移動部材は、第1移動部材と、第2移動部材と、を有してもよい。第1移動部材は、ピニオンギアに一体回転可能かつ軸方向移動不能に連結された筒状の部材である。第2移動部材は、第1移動部材に一体回転可能かつ軸方向移動自在に連結され、ドラム部材が径方向に移動自在に取り付けられる円板状の部材である。この構成によれば、クラッチ機構がオン状態の場合、ピニオンギアの回転が第1移動部材及び第2移動部材を介してロータ及びドラム部材に伝達される。また、クラッチ機構がオフ状態の場合、ロータが糸繰り出し方向に回転してもハンドルに回転が伝達されない。
ロータ制動機構は、クラッチ機構がオン状態の場合、ロータの糸繰り出し方向の回転を規制する回転規制部を有してもよい。この構成によれば、クラッチ機構がオンしている場合に、仕掛けに魚がかかっても回転規制部がロータの糸繰り出し方向の回転を規制できる。このため、ロータの回転による無駄な糸繰り出し動作が生じにくくなる。
回転規制部は、移動部材と、ドラム部材と、の間に設けられる複数のディスク部材を有してもよい。この構成によれば、ディスク部材同士の摩擦によって、クラッチ機構がオン状態の場合、ロータの糸繰り出し方向の回転を制動できる。
回転規制部は、ロータの糸繰り出し方向の回転を所定の制動力で制動してもよい。この構成によれば、クラッチ機構がオン状態の場合、ロータの糸繰り出し方向の回転を所定の制動力で制動できる。
クラッチ機構は、第1係合部と、第2係合部と、を有してもよい。第1係合部は、複数のディスク部材のいずれか一つに設けられる。第2係合部は、壁部に設けられ、第1係合部に係合してピニオンギアとロータと、を一体回転可能に連結する。この構成によれば、クラッチ機構と回転規制部とを共用するので、クラッチ機構及び回転規制部の構成が簡素化する。
クラッチ制御機構は、カム受け部と、クラッチカムと、押圧部材と、第2付勢部材と、を有してもよい。カム受け部は、第1カム部を有し、リール本体に設けられる。クラッチカムは、第1カム部に係合する第2カム部を有し、第1カム部と第2カム部との係合によって、クラッチ切換部材の移動に応じて、リール本体に対してピニオンギアの軸回りに回転可能かつ軸方向に移動し、移動部材を第2位置から第1位置に向けて押圧する。第2付勢部材は、移動部材を第1位置から第2位置に向けて付勢する。クラッチ機構は、移動部材が第2位置に配置されると、オン状態になり、第1位置に配置されるとオフ状態になってもよい。
この構成によれば、クラッチ切換部材の移動によって移動部材を第1位置と第2位置との間で移動させてクラッチ機構を切り換えることができる。また、クラッチカムによって移動部材を押圧した場合に第1係合部と第2係合部とが係合不能な状態であっても、両者が相対回転すれば、第2付勢部材によって、両者を係合させてクラッチ機構をオン状態にすることができる。
制動操作部材は、リール本体に揺動自在に装着され、第5位置と第5位置よりも竿装着部から離反する第6位置とに位置決めされ、かつ第5位置から竿装着部に接近する方向に揺動自在であり、操作が終わると第5位置に戻るように構成されてもよい。クラッチ切換部材は、制動操作部材が第5位置から第6位置に移動すると、移動部材が第2位置から第1位置に移動するように、制動操作部材及びクラッチカムに連結されてもよい。この構成によれば、制動操作部材によってクラッチ切換部材を操作できるので、クラッチ操作が容易である。
ドラム部材は、周方向の少なくとも一カ所に他の部分よりも重い回転バランス調整部を有してもよい。第2回転伝達機構は、遠心力によって、ドラム部材を径方向外方に移動させて第1制動シューに接触させることによって、ハンドルの回転をロータに伝達してもよい。
この構成によれば、ロータが糸繰り出し方向に回転する場合にはドラム部材に遠心力が作用しないので、ドラム部材による負荷は生じない。一方、ドラム部材が糸巻き取り方向に回転すると、ドラム部材の回転バランス調整部が遠心力によってドラム部材を径方向外方に移動させる。この結果、第1制動シューにドラム部材が接触し、ドラム部材を介してロータが糸巻き取り方向に回転する。ここでは、ドラム部材によって、第2回転伝達機構を構成できるので、第2回転伝達機構の構成が簡素である。
第2回転伝達機構は、弾性体製のアーム部材と、アーム部材の他端に固定された磁石と、を有してもよい。アーム部材は、ドラム部材の外周面と筒部の内周面との間に配置され、ドラム部材の外周面に一端が固定され、ドラム部材の外周面に沿うように湾曲してもよい。
この構成によれば、ロータが糸繰り出し方向に回転しても磁石に遠心力が作用しないので、磁石による負荷は生じない。一方、ドラム部材が糸巻き取り方向に回転すると、遠心力によって磁石がロータの筒部の内周面に接近し、磁石とロータとが相対運動した場合に生じる磁力によって、ロータが糸巻き取り方向に引っ張られる。これによって、ハンドルの糸巻き取り方向の回転をロータに伝達できる。ここでは磁力によって非接触で回転を伝達できる。
第2回転伝達機構は、少なくとも一つの第2制動シューと、第3付勢部材と、を有してもよい。少なくとも一つの第2制動シューは、第1制動シューを押圧可能な第7位置と、第1制動シューから離反した第8位置と、に径方向移動自在にドラム部材に設けられてもよい。第3付勢部材は、遠心力によって第7位置に移動した第2制動シューを第8位置に戻してもよい。
この構成によれば、ロータが糸繰り出し方向に回転する場合にはドラム部材に遠心力が作用しないので、第2制動シューは第8位置に保持され、第2制動シューによる負荷は生じない。一方、ドラム部材が糸巻き取り方向に回転すると、第2制動シューが遠心力によって第8位置から第7位置に移動し、第1制動シューを押圧する。これによって、第2制動シューを介してロータが糸巻き取り方向に回転する。ここでは、第2制動シューによって、第2回転伝達機構を構成できるので、ドラム部材の回転をロータに確実に伝達できる。
本発明によれば、クラッチ機構を有するスピニングリールにおいて、クラッチ機構が離脱状態であっても、片手で釣り糸を巻き取れるようになる。
本発明の第1実施形態によるスピニングリールの側面断面図。 クラッチ機構がオフ状態の場合のロータ制動装置の断面図。 クラッチ機構がオン状態の場合のロータ制動装置の断面図。 図2の切断線IV−IVによって切断した断面図。 図2の切断線V−Vによって切断した断面図。 図2の切断線VI−VIによって切断した断面図。 本発明の第2実施形態によるスピニングリールの第2回転伝達機構が回転を伝達しない状態の模式図。 本発明の第2実施形態によるスピニングリールの第2回転伝達機構が回転を伝達する状態の模式図。 本発明の第3実施形態によるスピニングリールの図2に相当する図。 図9の切断線X−Xによって切断した断面図。
<第1実施形態>
<全体構成>
図1に示すように、本発明の第1実施形態を採用したスピニングリール10は、釣り糸を前方に繰り出すリールである。なお、以下の説明において、「前」とは釣り糸を繰り出す方向を示し、具体的には図1の左が「前」であり、右が「後」である。また、図1の紙面直交方向において、スピニングリール10を後方から覧て左側が「左」であり、右側が「右」である。
スピニングリール10は、釣り竿の長手方向に沿う第1軸X回りに釣り糸を巻き取るレバーブレーキ型(ロータ制動型)のリールである。スピニングリール10は、リール本体12と、ハンドル14と、スプール16と、ロータ18と、第1回転伝達機構20と、制動レバー22と、ロータ制動機構24と、クラッチ切換部材26と、クラッチ機構28と、クラッチ制御機構30と、第2回転伝達機構32と、を備える。また、スピニングリール10は、逆転禁止機構34をさらに備える。制動レバー22は、制動操作部材の一例である。
リール本体12は、竿装着部12aを有する。ハンドル14は、リール本体12の側部に回転可能に設けられる。スプール16は、リール本体12に前後方向に移動可能に支持される。ロータ18は、リール本体12に対して回転可能であり、スプール16に釣り糸を巻き付けるように構成される。第1回転伝達機構20は、ハンドル14の回転をロータ18に伝達する回転伝達経路20aを有する。制動レバー22は、リール本体12に移動可能に設けられる。ロータ制動機構24は、制動レバー22の操作に応じてロータ18を制動する。クラッチ切換部材26は、リール本体12に移動可能に設けられる。クラッチ機構28は、第1回転伝達機構20の回転伝達経路20aに設けられ、クラッチ切換部材26によって、ハンドル14の回転をロータ18に伝達するオン状態と、伝達しないオフ状態と、に切り換え可能である。クラッチ制御機構30は、クラッチ機構28を、クラッチ切換部材26の移動に応じてオン状態とオフ状態とに制御する。第2回転伝達機構32は、クラッチ機構28よりもハンドル14側で回転伝達経路20aに設けられ、ハンドル14の回転に応じてハンドル14の回転をロータ18に伝達する。逆転禁止機構34は、第1回転伝達機構20の後述するピニオンギア46の糸巻き取り方向と逆の方向の回転を禁止する。
<リール本体の構成>
リール本体12は、例えばマグネシウム合金製又はアルミニウム合金製である。リール本体12は、釣り竿に装着される前後に長い竿装着部12aと、竿装着部12aと間隔を隔てて配置されたリールボディ12bと、竿装着部12aとリールボディ12bとを連結する脚部12cと、を有する。リールボディ12bは、内部に機構装着空間を有し、脚部12cと一体形成され側部が開口する。リールボディ12bの開口は、蓋部材(図示せず)によって塞がれる。リールボディ12b及び蓋部材の後部は、ガード部材12dにより覆われる。脚部12cの前面には、制動レバー22を収容するための装着溝12eが形成される。装着溝12eは、断面が概ね三日月形状に形成される。リールボディ12bの内部には、図1に示すように、第1回転伝達機構20が設けられる。
<ハンドルの構成>
ハンドル14は、ハンドルアーム14aと、ハンドルアーム14aの先端に回転自在に設けられるハンドル把手14bと、ハンドルアーム14aの基端に一体回転可能に連結されたハンドル軸14cと、を有する。ハンドル軸14cは、後述する駆動軸42に一体回転可能かつ着脱可能に連結される。
<スプールの構成>
スプール16は、釣り糸が外周面に巻き付けられるものである。スプール16は、オシレーティング機構21によって、リール本体12に対して前後に往復移動する。スプール16は、スプール軸17の先端に、ドラグ機構19を介して回転可能に装着される。スプール軸17は、オシレーティング機構21に連結され、ハンドル14の回転に応じて、前後に往復移動する。なお、スプール16は、スプール軸17に回転不能に連結されてもよい。オシレーティング機構21は、第1回転伝達機構20に連結される。
<ロータの構成>
ロータ18は、リール本体12に対して回転可能に設けられる。ロータ18は、装着部48と、装着部48に揺動自在に支持された釣り糸案内用のベールアーム49と、を有する。装着部48は、リール本体12に対して回転可能な壁部48aと、壁部48aと一体形成され、内周面48cを有する筒部48bと、を有する。また、装着部48は、筒部48bの後部から前方に延びる第1アーム部48d及び第2アーム部48eを有する。第1アーム部48d及び第2アーム部48eは、筒部48bの後部の周方向の対向した位置に対向して設けられる。壁部48aの中央部には貫通孔48gを有するボス部48fが形成される。この貫通孔48gにスプール軸17及び後述するピニオンギア46が貫通する。第1アーム部48dの先端と第2アーム部48eの先端部に、ベールアーム49が揺動自在に設けられる。このベールアーム49により釣り糸がスプール16に案内される。
<第1回転伝達機構の構成>
第1回転伝達機構20は、ハンドル14が一体回転可能に固定される駆動軸42と、駆動ギア44と、駆動ギア44に噛み合うピニオンギア46と、を有する。駆動軸42は、前後方向と食い違う左右方向に沿って配置され、ハンドル14が一体回転可能に連結される。駆動軸42は、リールボディ12b及び蓋部材に回転自在に支持される。駆動ギア44は、駆動軸42に一体回転可能に設けられる。
ピニオンギア46は、筒状に形成される。ピニオンギア46は、中間部と後部とで軸受23a、23bによりリールボディ12bに回転自在に支持される。図2に示すように、ピニオンギア46の前部46aには、雄ねじ部46bと、第1非円形部46cと、が形成される。雄ねじ部46bには、ロータ18を連抜け止めするための筒状のナット25がねじ込まれる。第1非円形部46cは、制動部材50に一体回転可能に係合する平行に形成された一対の面取り部46d(図3参照)を有する。ナット25は、ロータ18を回転自在に支持し、かつスプール軸17を支持する。ピニオンギア46の後部46eには、駆動ギア44にかみ合う歯部46fが形成される。ナット25の外周部には、ロータ18を回転自在に支持する軸受27及び軸受29が設けられる。ナット25の内周部には、スプール軸17とピニオンギア46との隙間を確保するための軸受31が装着される。
<制動レバーの構成>
図1に示すように、制動レバー22は、第1軸Xと食い違う第2軸Y方向にリール本体12の脚部12cに装着された支持軸33によりリール本体12に第2軸Y回りに揺動自在に支持される。制動レバー22は、ばね部材35によって、竿装着部12aと離反する方向に付勢される。
制動レバー22は、図1に一点鎖線で示す所定制動位置と、実線で示す制動解除位置より竿装着部12aに接近した二点鎖線で示す制動解除位置と、の間で揺動自在にリール本体12に取り付けられる。制動解除位置は、第5位置の一例であり、所定制動位置は第6位置の一例である。なお、制動レバー22は、通常は、ばね部材35及び回転規制部52の機構によって、図1に実線で示す制動解除位置と一点鎖線で示す所定制動位置とのいずれかに位置決めされる。
制動レバー22は、操作部22aと、レバー取付部22bと、制動作用部22cと、を有する。操作部22aは、釣り人が制動レバー22を制動操作するように構成される。レバー取付部22bは、脚部12cの装着溝12eに支持軸33によって、第2軸Y回りに揺動自在に支持される。制動作用部22cは、レバー取付部22bから延び、制動部材50を第1制動シュー51に向けて移動させる。
操作部22aは、例えば、アルミニウム合金製の部材であり、鍛造により製造される。操作部22aは、レバー取付部22bに着脱自在に連結される。操作部22aは、レバー取付部22bへの連結部分から竿装着部12aに沿ってベールアーム49の外方付近まで前方に延びた後、径方向外方と前方とに分岐して延び、さらに径方向外方に分岐した先端が前方に向けて湾曲した形状である。操作部22aの前方に湾曲した形状の部分が引き込み操作部22dである。引き込み操作部22dは、例えば、釣り竿を持つ手(例えば左手)の人差し指で引き込み操作して操作力に応じてロータ18を制動する際に使用される。引き込み操作部22dを引き込み操作すると、クラッチ機構28がオフ状態からオン状態に切り換わる。
また、レバー取付部22bから前方に延びる部分が第1押し込み操作部22eであり、レバー取付部22bに連結される部分が第2押し込み操作部22fである。第1押し込み操作部22e及び第2押し込み操作部22fは、回転規制部52を動作させるために使用される。第1押し込み操作部17eは、釣り竿を持つ手の人差し指で押し込み操作する際に使用される。第2押し込み操作部22fは、釣り竿を持つ手の中指で押し込み操作する際に使用される。第1押し込み操作部22e及び第2押し込み操作部22fを押し込み操作すると、クラッチ機構28がオン状態からオフ状態に切り換わる。
レバー取付部22b及び制動作用部22cは、C字状に湾曲して一体形成された、例えば、ステンレス合金製の板状の部材である。レバー取付部22bには、脚部12cに両端支持された支持軸33が嵌合し、制動レバー22が第2軸Y回りに揺動する。
制動作用部22cの先端は、制動部材50を構成する後述するラジアル転がり軸受60の内周側に対向して配置される。また、制動作用部22cには、クラッチ切換部材26の先端が係合する概ね楕円形の係止孔22gが形成される。制動レバー22は、操作されていない場合は、ばね部材35によって付勢されて、図1に実線で示すように、制動解除位置に配置される。制動レバー22は、制動解除状態と、所定制動状態とに切り換える操作を行うためにも使用される。制動解除状態では、クラッチ機構28がオフ状態になる。所定制動状態では、クラッチ機構28はオン状態になる。
<ロータ制動機構の構成>
ロータ制動機構24は、図2、図3、図4及び図5に示すように、制動部材50と、環状の第1制動シュー51と、回転規制部52と、を有する。制動部材50は、筒部48bの内周面48cに対向して配置される。制動部材50は、ピニオンギア46と一体回転可能に連結される。制動部材50は、制動レバー22によって筒部48bの内周面48cに向けて押圧される有底筒状の部材を含む。制動部材50は、移動部材54と、ドラム部材56と、第1付勢部材58と、ラジアル転がり軸受60と、を有する。
移動部材54は、ピニオンギア46に対して一体回転可能、かつ図2に示す第1位置と、第1位置よりも前方の図3に示す第2位置と、に前後移動可能である。移動部材54は、第1移動部材62と、第2移動部材64と、を有する。第1移動部材62は、ピニオンギア46に一体回転可能かつ軸方向移動不能に連結された筒状の部材である。第1移動部材62は、内周面にピニオンギアの第1非円形部46cに一体回転可能に係合する非円形孔62aを有する。第1移動部材62は、外周面に、第2移動部材64及び逆転禁止機構34が一体回転可能に連結される第2非円形部62bと、大径の鍔部62cと、を有する。
第2移動部材64は、第1移動部材62に一体回転可能かつ軸方向移動自在に連結される。第2移動部材64は、ドラム部材56が径方向に移動自在に連結される円板状の部材である。第2移動部材64は、第1移動部材62に一体回転可能かつ軸方向移動自在に連結される連結筒部64aと、連結筒部64aの外周部に段付き円板状に一体形成され、ドラム部材56及び回転規制部52が取り付けられる取付部64bとを有する。取付部64bの外周部は、連結筒部64aよりも前方に配置されたフランジ部64cと、フランジ部64cよりも小径の筒状部64dと、を有する。筒状部64dには、回転規制部52が装着される。取付部64bの内周側には、環状のばね掛け突起64eが形成される。
ドラム部材56は、図2に実線で示す第3位置と、第3位置よりも径方向外方の破線で示す第4位置と、の間で径方向に移動自在に移動部材54に連結される。ドラム部材56は、例えばアルミニウム合金製の有底筒状の部材である。ドラム部材56は、制動レバー22によって押圧され、第4位置において第1制動シュー51に接触可能である。ドラム部材56は、第1筒部56aと、第2筒部56bと、底面56cと、ばね保持部56dと、を有する。第1筒部56aは、第1制動シュー51に接触可能である。第2筒部56bは、第1筒部56aよりも小径であり、ラジアル転がり軸受60を収納するために設けられる。底面56cは、ドラム部材56を第2移動部材64の取付部64bに一体回転可能に取り付けるように構成される。ばね保持部56dは、ドラム部材56の内周部に後方に凹んで形成される。
底面56cには、図6に示すように、ドラム部材56及び回転規制部52を取付部64bに取り付けるための取付孔56eが形成される。取付孔56eを後述する第3ディスク部材66cの突出部66eが貫通する。取付孔56eの内径は、突出部66eの外径よりも大きい。この実施形態では、取付孔56eの内径は、突出部66eの外径の1.4倍から1.6倍の大きさである。これによって、ドラム部材56が制動レバー22によって押圧されて第3位置と第4位置との間で移動可能になる。
ドラム部材56は、周方向の少なくとも一カ所に他の部分よりも重い回転バランス調整部57を有する。回転バランス調整部57は、アルミニウムよりも比重が大きい、たとえなステンレス合金、鉛、等の金属製の部材である。回転バランス調整部57は、クラッチ機構28がオフ状態の場合に、ハンドル14の糸巻き取り方向の回転をロータに伝達するために設けられる。
第1付勢部材58は、図6に示すように、ばね線材を湾曲させて構成される。第1付勢部材58は、第1円弧部58aと、第2円弧部58bと、ばね部58cと、を有する。第1円弧部58aは、ドラム部材56のばね保持部56dに保持される。第2円弧部58bは、第1円弧部58aの内周側に配置され、第2移動部材64のばね掛け突起64eに保持される。ばね部58cは、第1円弧部58aと第2円弧部58bとを径方向と交差するように斜めにつなぐ。具体的には、第1円弧部58aの端部から第2円弧部58bにつながる折線で構成される。遠心力によってドラム部材56が径方向外方に移動すると、ばね部58cが変形する。
ラジアル転がり軸受60は、制動レバー22とドラム部材56の間に配置される。ラジアル転がり軸受60は、ドラム部材56の第1筒部56aの内周面に配置される。ラジアル転がり軸受60は、制動レバー22の制動作用部22cに制動部材50の糸繰り出し方向の回転力を作用させないために設けられる。ラジアル転がり軸受60は、例えば止め輪73によって軸方向の移動が規制される。
環状の第1制動シュー51は、制動部材50の外周面50aに接触可能に、筒部48bの内周面48cに固定される。第1制動シュー51は、例えばポリアセタール等の合成樹樹脂製の環状部材である。第1制動シュー51の内周面及びドラム部材56の第1筒部56aの外周面の少なくともいずれかには、摩擦係数を高める処理が施される。例えば、ポリウレタン及びポリテトラフルオロエチレンの特性を使用した表面コーティング、摩擦係数が高い粘着テープの貼り付け等の処理が施される。また、ドラム部材56及び第1制動シュー51の少なくとのいずれかを、高摩擦係数を有する耐摩耗性合金製にしてもよい。
回転規制部52は、クラッチ機構28がオン状態のときに、ロータ18の糸繰り出し方向の回転を規制する。本実施形態では、ロータ18の糸繰り出し方向の回転に所定の制動力を付与する。回転規制部52は、筒状部64dに装着される複数(例えば3枚)の例えば金属製の第1ディスク部材66a、第2ディスク部材66b、及び第3ディスク部材66cと、を有する。また、回転規制部52は、例えばフェルト製またはカーボン製の複数(例えば2枚)の第1ドラグディスク67a及び第2ドラグディスク67bを有する。第1ドラグディスク67aは、第1ディスク部材66aと第2ディスク部材66bの間に配置される。第2ドラグディスク67bは、第2ディスク部材66bと第3ディスク部材66cの間に配置される。第2ディスク部材66bは、扁平有底筒状に形成される。したがって、断面は扁平U字状に形成される。第3ディスク部材66cは、第1ディスク部材66a及び第2ディスク部材66bよりも内径が小さい。
第3ディスク部材66cの内周部には、貫通孔66dを有する複数(例えば3つ)の突出部66eが周方向に間隔を隔てて形成される。貫通孔66dには、ドラム部材56及び回転規制部52を取付部64bに取り付けるための取付ボルト36が貫通する。突出部66eは、プレス加工によって筒状に突出して形成される。突出部66eの突出長さは、ドラム部材56の底面56cの厚みよりも長い。これによってドラム部材56は、径方向に移動自在に取付部64bに装着される。取付ボルト36は、第2移動部材64の取付部64bにねじ込まれる。取付ボルト36は、突出部66eを介して第3ディスク部材66cを第1ディスク部材66aに向けて押圧する。この取付ボルト36の締め付け力を調整することによって、回転規制部52の所定制動力を調整できる。
<クラッチ切換部材の構成>
クラッチ切換部材26は、図4及び図5に示すように、制動レバー22に連動してクラッチ機構28をオン状態とオフ状態とに切り換える。クラッチ切換部材26は、リールボディ12bの前面に設けられる揺動支持部38に揺動自在に支持される。クラッチ切換部材26は、トグルばね40によって、図4に示すクラッチオン位置と、図5に示すクラッチオン位置と、に保持される。また、トグルばね40は、クラッチ切換部材26を介して、制動レバー22を、図1に一転鎖線で示す所定制動位置と、実線で示す制動解除位置と、に保持する。クラッチ切換部材26は、ロータ18の筒部48b内にC字状に湾曲して配置される板状部材である。クラッチ切換部材26は、揺動支持部38に固定された揺動軸45に揺動自在に装着される。クラッチ切換部材26の基端26aは、係止孔22gに係止されており、クラッチ切換部材26は、制動レバー22が制動解除位置操作されるとクラッチオフ位置に配置され、所定制動位置に操作されるとクラッチオン位置に配置される。クラッチ切換部材26の湾曲した先端26bにトグルばね40が取り付けられる。クラッチ切換部材26は、先端26bには、後述するクラッチカム74の連結部材74dが係合する連結スリット26cが径方向内側に形成される。
<クラッチ機構の構成>
クラッチ機構28は、図2及び図3に示すように第1係合部68と、第1係合部68に一体回転可能に係合する第2係合部70と、を有する。第1係合部68及び第2係合部70は、逆方向の鋸歯状に形成される。第1係合部68は、回転規制部52のいずれかのディスク部材に形成される。本実施形態では第2ディスク部材66bの端部に形成される。第2係合部70は、ロータ18の壁部48aに後面に装着された環状部材71の端部に形成される。クラッチ機構28は、オン状態の場合、第1係合部68と第2係合部70とがかみ合う。クラッチ機構28は、オフ状態の場合、第1係合部68と第2係合部70とが離反する。クラッチ機構28は、移動部材54が壁部48aに接近及び離反することによって、オン状態とオフ状態とに切り換わる。
<クラッチ制御機構の構成>
クラッチ制御機構30は、外周面にカム溝72aを有するカム受け部72と、カム溝72aに係合するカムピン74aを有するクラッチカム74と、第2付勢部材76と、を有する。カム受け部72は、リール本体12に設けられ、内部に逆転禁止機構34が収納される筒状部材である。カム受け部72は、クラッチ切換部材26の揺動軸45に延びる回り止めアーム72bを有し、揺動軸45によって回り止めされる。カム溝72aは、第1カム部の一例である。カム溝72aは、周方向及び軸方向に交差するようにカム受け部72の外周面に斜めに形成される。
クラッチカム74は、カム受け部72に回動可能かつ軸方向移動自在に連結される。クラッチカム74は、内周面にカムピン74aが形成されたカム筒74bと、カム筒74bの外周面に皿状に一体形成された押圧部74cを有する。カムピン74aは、第2カム部の一例である。カム筒74bの後端面には、クラッチ切換部材26に連結される、例えばピン形状の連結部材74d(図4及び図5参照)が設けられる。押圧部74cは、カム受け部72に対してピニオンギア46の軸回りに回転可能である。クラッチカム74は、クラッチ切換部材26のクラッチオン位置とクラッチオフ位置の揺動に応じて、連結部材74dと連結スリット26cとの係合によって所定量回動する。これによって、押圧部74cが移動部材54を第1位置(図2参照)から第2位置(図3参照)に向けて押圧する。
第2付勢部材76は、移動部材54の第2移動部材64を第2位置から第1位置に向けて付勢する。クラッチ機構28は、移動部材54が第2位置に配置されると、オン状態になり、第1位置に配置されるとオフ状態になる。
<第2回転伝達機構の構成>
第2回転伝達機構32は、前述したように、クラッチ機構28よりもハンドル14側で回転伝達経路20aに設けられ、ハンドル14の回転に応じてハンドル14の回転をロータ18に伝達する。本実施形態では、制動部材50の回転をロータ18に伝達する。具体的には、ドラム部材56に設けられた回転バランス調整部57と、によって構成される。回転バランス調整部57をドラム部材56に設けることによって、ドラム部材56は以下のように動く。クラッチオフ状態でロータ18が糸繰り出し方向に回転する場合には、ドラム部材56に遠心力が作用しないので、ドラム部材56による負荷は生じない。一方、ハンドル14の回転によって、ドラム部材56が糸巻き取り方向に回転すると、ドラム部材56の回転バランス調整部57が遠心力によってドラム部材56を第3位置から第4位置に径方向外方に移動させる。これによって、第1制動シュー51にドラム部材56が接触し、ドラム部材56を介してハンドル14の回転がロータ18に伝達され、ロータ18が糸巻き取り方向に回転する。ここでは、ドラム部材56によって、第2回転伝達機構32を構成できるので、第2回転伝達機構32の構成が簡素である。
<逆転禁止機構の構成>
逆転禁止機構34は、ピニオンギア46の糸巻き取り方向と反対方向の回転を禁止する。これによって、ピニオンギア46と第1回転伝達機構20によって連結されたハンドル14の糸繰り出し方向が禁止される。逆転禁止機構34は、本実施形態では、ローラクラッチ34aを含む。ローラクラッチ34aは、内輪遊転型のものである。ローラクラッチ34aは、内輪34bと、外輪34cと、複数の転動体34dと、を有する。内輪34bは、移動部材54に一体回転可能に連結される。外輪34cは、回転不能なカム受け部72に回転不能に連結される。転動体34dは、内輪34bと外輪34cの間に転動自在に装着される。
<スピニングリールの動作及び操作>
キャスティング時には、ベールアーム49を糸開放姿勢側に倒し、キャスティングすることにより、スプール16の外周から釣り糸が繰り出される。糸巻取時には、制動レバー22を制動解除位置から所定制動位置に操作してクラッチ機構28をオン状態にする。この状態で、ハンドル14を糸巻き取り方向に回転させると、ベールアーム49が図示しない戻し機構により糸巻き取り姿勢に戻る。ハンドル14の回転力は、駆動軸42、駆動ギア44を介してピニオンギア46に伝達される。ピニオンギア46に伝達された回転力は、移動部材54及びクラッチ機構28を介してロータ18に伝達される。このとき、ドラム部材56もロータ18と同じ糸巻き取り方向に回転するので、ドラム部材56が筒部48bの内周面に接触してもロータ18の回転に影響を与えない。ピニオンギア46が回転すると、スプール軸17が前後方向に往復移動する。
制動レバー22を操作しなければ、制動レバー22はトグルばね40の作用により所定制動位置に保持され、ロータ18の糸繰り出し方向の回転が回転規制部52によって所定制動力で制動される。
ロータ18を逆転させて魚とやりとりする時には、制動レバー22の引き込み操作部22dをたとえば人差し指により竿装着部12a側に引き込み操作して制動力を調整する。これによって、クラッチ機構28はオフ状態になり、ロータ18は自由回転可能な状態になる。
釣り糸が魚により引かれてロータ18が糸繰り出し方向に逆転すると、制動レバー22を制動解除位置から竿装着部12aに向けて引き込み操作してロータ18を制動する。また、ロータ18が糸繰り出し方向に回転すると、その回転は、クラッチ機構28によって遮断されピニオンギア46には伝達されない。このため、ロータ18が糸繰り出し方向に回転してもハンドル14が糸繰り出し方向に回転しない。
クラッチ機構28がオフ状態の場合に釣り場を移動するため等に釣り糸を巻き取りたいときは、ハンドル14を糸巻き取り方向に回転させる。この回転によって、ドラム部材56が糸巻き取り方向に回転し第2回転伝達機構32が動作する。ドラム部材56が回転すると遠心力によって、ドラム部材56は第3位置から第4位置に移動する。ドラム部材56が第4位置に移動すると、ドラム部材56が第1制動シュー51に接触してロータ18が糸巻き取り方向に回転する。これによって、クラッチ機構28がオフ状態であっても、ハンドル操作だけデカ立てで釣り糸をスプール16に巻き付けできる。釣り糸を巻き付けると、第1押し込み操作部22eまたは第2押し込み操作部22fを操作して所定制動位置の制動レバー22を操作すれば、クラッチ機構28がオン状態になる。これによって、常時繰糸り出し方向の回転が禁止されたピニオンギア46にロータ18が連結され、ハンドル14から手を離しても釣り糸がスプール16から繰り出されない。
<第2実施形態>
図7に示す第2実施形態に係るスピニングリール110では、第2回転伝達機構132の構成が第1実施形態と異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。なお、第2実施形態以降の説明では、第1実施形態と実質的に同様な構成の部材については、第1実施形態と同じ符号を図面に付してその説明を省略する。また第1実施形態と異なるが、対応する部材については、下二桁の符号が同じ三桁の符号を付して説明する。
第2回転伝達機構132は弾性体製のアーム部材180と、アーム部材180に固定された磁石182と、を有する。アーム部材180は、制動部材50の外周面50aと筒部48bの内周面48cとの間に配置される。アーム部材180は、ドラム部材56の外周面50aに一端が固定され、ドラム部材56の外周面50aに沿うように湾曲する。磁石182は、筒部48bの内周面48cと対向して配置される。
このような構成の第2実施形態に係るスピニングリール110では、ロータ18が糸繰り出し方向に回転しても磁石182に遠心力が作用しないので、磁石182による負荷は生じない。一方、制動部材50が糸巻き取り方向に回転すると、図8に示すように、遠心力によって磁石182がロータ18の筒部48bの内周面48cに接近し、磁石182とロータ18とが相対運動した場合に生じる磁力によって、ロータ18が糸巻き取り方向に引っ張られる。これによって、ハンドル14の糸巻き取り方向の回転をロータ18に伝達できる。ここでは磁力によって非接触でハンドル14の回転をロータに伝達できる。ハンドル14の回転が止まると、アーム部材180の弾性によって、図7に示す位置に磁石182は戻る。
<第3実施形態>
図9及び図10に示す第3実施形態に係るスピニングリール210では、第2回転伝達機構232の構成が第1実施形態と異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
第2回転伝達機構232は、少なくとも一つ(例えば2つ)の第2制動シュー284と、第3付勢部材286と、を有する。第2制動シュー284は、第1制動シュー51を押圧可能な、図10に二点鎖線で示す第7位置と、第1制動シュー51から離反した、図10に実線で示す第8位置と、に径方向移動自在にドラム部材256に設けられる。第2制動シュー284は、例えば、ポリウレタン、ポリアセタール及びポリテトラフルオロエチレンドラム等の合成樹脂製である。第2制動シュー284は、円弧状に形成され、第1制動シュー51に接触可能な接触部284aと、接触部284aよりも幅及び厚みが小さいガイド部284bと、を有する。ガイド部284bは、ドラム部材256の第2筒部256bに形成されたガイド溝256fによって径方向移動自在に案内される。
ドラム部材256は、第3付勢部材286は、遠心力によって第7位置に移動した第2制動シュー284を第8位置に戻す。第3付勢部材286は、金属製のばね線材をC字状に湾曲して形成される。第3付勢部材286は、第2制動シュー284に引っ掛けられ、第2制動シュー284を第8位置に付勢する。第1制動シュー251は第1実施形態のものよりも前後方向の長さが長く、ドラム部材256と第2制動シュー284に接触可能である。
このような構成の第3実施形態に係るスピニングリール210では、ロータ18が糸繰り出し方向に回転する場合にはドラム部材256に遠心力が作用しないので、第2制動シュー284は第8位置に保持され、第2制動シュー284による負荷は生じない。一方、ハンドル14の回転によってドラム部材256が糸巻き取り方向に回転すると、第2制動シュー284が遠心力によって第8位置から第7位置に移動し、第1制動シュー251を押圧する。これによって、第2制動シュー284を介してロータ18が糸巻き取り方向に回転する。ここでは、第2制動シュー284によって、第2回転伝達機構232を構成できるので、ドラム部材256の回転をロータ18に確実に伝達できる。
<他の実施形態>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組合せ可能である。
(a)上記実施形態では、クラッチ切換部材26を制動レバー22と連動するように構成したが、本発明はこれに限定されない。クラッチ切換部材を制動レバー22と独立して操作できるようにしてもよい。
(b)上記実施形態では、クラッチ機構28をピニオンギア46とロータ18の間に設けたが、本発明はこれに限定されない。クラッチ機構は、第1回転伝達機構20の回転伝達経路20aであればどこに設けてもよい。例えば、駆動ギアとピニオンギアの間、駆動軸と駆動ギアの間に設けてもよい。
(c)上記実施形態では、回転規制部52にクラッチ機構28の第1係合部を設けたが、本発明はこれに限定されない。第1係合部を移動部材に設けてもよい。
(d)上記実施形態では、ラジアル転がり軸受を60介してドラム部材56を押圧してロータ18を制動したが、本発明はこれに限定されない。制動レバー22でドラム部材56を直接押圧してもよい。
<特徴>
上記実施形態は、下記のように表現可能である。
(A)スピニングリール10は、釣り糸を前方に繰り出すリールである。スピニングリール10は、リール本体12と、ハンドル14と、スプール16と、ロータ18と、第1回転伝達機構20と、制動レバー22と、ロータ制動機構24と、クラッチ切換部材26と、クラッチ機構28と、クラッチ制御機構30と、第2回転伝達機構32と、を備える。
リール本体12は、竿装着部12aを有する。ハンドル14は、リール本体12の側部に回転可能に設けられる。スプール16は、リール本体12に前後方向に移動可能に支持される。ロータ18は、リール本体12に対して回転可能であり、スプール16に釣り糸を巻き付けるように構成される。第1回転伝達機構20は、ハンドル14の回転をロータ18に伝達する回転伝達経路20aを有する。制動レバー22は、リール本体12に移動可能に設けられる。ロータ制動機構24は、制動レバー22の操作に応じてロータ18を制動する。クラッチ切換部材26は、リール本体12に移動可能に設けられる。クラッチ機構28は、回転伝達経路20aに設けられ、クラッチ切換部材26によって、ハンドル14の回転をロータ18に伝達するオン状態と、伝達しないオフ状態と、に切り換え可能である。クラッチ制御機構30は、クラッチ機構28を、クラッチ切換部材26の移動に応じてオン状態とオフ状態とに制御する。第2回転伝達機構32は、クラッチ機構28よりもハンドル14側で回転伝達経路20aに設けられ、ハンドル14の回転に応じてハンドル14の回転をロータ18に伝達する。
このスピニングリール10では、クラッチ機構28がオン状態の場合には、第1回転伝達機構20を介してハンドル14の回転がロータ18に伝達され、釣り糸が、スプール16に巻き取られる。また、クラッチ機構28をオフ状態にすればロータ18が糸繰り出し方向に回転してもハンドルは回転しない。クラッチ機構28がオフ状態の場合にハンドル14を糸巻き取り方向に回すと、第2回転伝達機構32がハンドル14の回転をロータ18に伝達し、ロータ18を糸巻き取り方向に回転させることができる。ここでは、クラッチ機構28よりもハンドル14側で、回転伝達経路20aに第2回転伝達機構32を設けている。このため、クラッチ機構28がオフ状態であっても、クラッチ機構28をオン状態に操作することなく、ハンドル14を回転させるだけで、ハンドル14の回転をロータ18に伝達できる。これによって、クラッチ機構28を有するスピニングリール10において、クラッチ機構28がオフ状態であっても、軽負荷の場合は通常のスピニングリールと同様に制動レバー22を操作せずに釣り糸を巻き取れるようになる。
(B)第2回転伝達機構32は、ハンドル14の回転に応じて発生する遠心力によって、回転を伝達してもよい。この構成によれば、遠心力を利用してハンドル14の回転をロータ18に伝達するので、第2回転伝達機構32の構成が簡素になる。
(C)第1回転伝達機構20は、駆動軸42と、駆動ギア44と、ピニオンギア46と、を有してもよい。駆動軸42は、前後方向と食い違う左右方向に沿って配置されハンドル14が一体回転可能に連結される。駆動ギア44は、駆動軸42に一体回転可能に設けられる。ピニオンギア46は、前後方向に沿って配置され、駆動ギア44にかみ合う。クラッチ機構28は、ピニオンギア46とロータ18との間に配置される。この構成によれば、ロータ18とピニオンギア46との間の空間に余裕がある場所にクラッチ機構28が設けられるので、クラッチ機構28を配置しやすくなる。
(D)スピニングリール10は、ピニオンギア46の糸巻き取り方向と逆の方向の回転を禁止する逆転禁止機構34をさらに備えてもよい。この構成によれば、クラッチ機構28のオン状態及びオフ状態にかかわらず、ハンドル14の逆の方向の回転を禁止できる。
(E)ロータ18は、リール本体12に対して回転可能な円板状の壁部48a、及び壁部48aの外周側に一体形成される筒部48bを含む装着部48を有してもよい。ロータ制動機構24は、制動部材50と、環状の第1制動シュー51とを備えてもよい。制動部材50は、筒部48bの内周面48cに対向して配置される。制動部材50は、ピニオンギア46と一体回転可能に連結される。制動部材50は、制動レバー22によって筒部48bの内周面48cに向けて押圧される有底筒状の部材である。環状の第1制動シュー51は、制動部材50の外周面50aに接触可能に、筒部48bの内周面48cに設けられる。
この構成によれば、ロータ18が糸繰り出し方向に回転したとき、制動レバー22を操作すると、制動部材50が筒部48bの内周面48cに向けて押圧され、第1制動シュー51に摩擦係合する。このとき、制動レバー22に加える操作力を調整することによって、ロータ18の糸繰り出し方向の回転に対する制動力を調整できる。
(F)制動部材50は、移動部材54と、ドラム部材56と、第1付勢部材58と、を有してもよい。移動部材54は、ピニオンギア46に対して一体回転可能、かつ第1位置と、第1位置よりも前方の第2位置と、に前後移動可能である。ドラム部材56は、第3位置と、第3位置よりも径方向外方の第4位置と、の間で径方向に移動自在に連結される。ドラム部材56は、制動レバー22によって押圧され、第1制動シュー51に接触可能である。第1付勢部材58は、ドラム部材56を第4位置から第3位置に向けて付勢し、かつ第3位置に保持する。
この構成によれば、制動レバー22によってドラム部材56を第1制動シュー51に向けて押圧すると、ドラム部材56は第3位置から第4位置に移動する。これによって、ドラム部材56の外周面50aが第1制動シュー51を押圧し、ドラム部材56がロータ18を制動する。制動レバー22による押圧を解除すると、ドラム部材56は第1付勢部材58によって第3位置に戻り、かつ第3位置で保持される。ここでは、第4位置に移動したドラム部材56が、制動操作が終わると第1付勢部材58によって第3位置に保持される。このため、ドラム部材56を移動させる構成が簡素になる。
(G)制動部材50は、制動レバー22とドラム部材56の間に配置されたラジアル転がり軸受60をさらに有してもよい。この場合には、ロータ18を制動するとき、ラジアル転がり軸受60の内輪60aを制動レバー22が押圧するので、制動レバー22に回転方向の力が作用しない。このため、制動レバー22の周方向の曲げ剛性を低くでき、制動レバー22の軽量化を図れる。
(H)移動部材54は、第1移動部材62と、第2移動部材64と、を有してもよい。第1移動部材62は、ピニオンギア46に一体回転可能かつ軸方向移動不能に連結された筒状の部材である。第2移動部材64は、第1移動部材62に一体回転可能かつ軸方向移動自在に連結され、ドラム部材56が径方向に移動自在に取り付けられる円板状の部材である。この構成によれば、クラッチ機構28がオン状態の場合、ピニオンギア46の回転が第1移動部材62及び第2移動部材64を介してロータ18及びドラム部材56に伝達される。また、クラッチ機構28がオフ状態の場合、ロータ18が糸繰り出し方向に回転してもハンドル14に回転が伝達されない。
(I)ロータ制動機構24は、クラッチ機構28がオン状態の場合、ロータ18の糸繰り出し方向の回転を規制する回転規制部52を有する。この構成によれば、クラッチ機構28がオンしているときに、仕掛けに魚がかかっても回転規制部52がロータ18の糸繰り出し方向の回転を規制できる。このため、ロータ18の回転による無駄な糸繰り出し動作が生じにくくなる。
(J)回転規制部52は、移動部材54と、ドラム部材56と、の間に設けられる複数のディスク部材66を有してもよい。この構成によれば、ディスク部材66同士の摩擦によって、クラッチ機構28がオン状態の場合、ロータ18の糸繰り出し方向の回転を制動できる。
(K)回転規制部52は、ロータ18の糸繰り出し方向の回転を所定の制動力で制動してもよい。この構成によれば、クラッチ機構28がオン状態の場合、ロータ18の糸繰り出し方向の回転を所定の制動力で制動できる。
(L)クラッチ機構28は、第1係合部68と、第2係合部70と、を有してもよい。第1係合部68は、複数のディスク部材66のいずれか一つに設けられる。第2係合部70は、壁部48aに設けられ、第1係合部68に係合してピニオンギア46とロータ18と、を一体回転可能に連結する。この構成によれば、クラッチ機構28と回転規制部52とを共用するので、クラッチ機構28及び回転規制部52の構成が簡素化する。
(M)クラッチ制御機構30は、カム受け部72と、クラッチカム74と、第2付勢部材76と、を有してもよい。カム受け部72は、カム溝72aを有し、リール本体12に設けられる。クラッチカム74は、第1カム部と第2カム部との係合によって、クラッチ切換部材の移動に応じて、リール本体に対してピニオンギアの軸回りに回転可能かつ軸方向に移動し、移動部材54を第2位置から第1位置に向けて押圧する。第2付勢部材76は、移動部材54を第1位置から第2位置に向けて付勢する。クラッチ機構28は、移動部材54が第2位置に配置されるとクラッチ機構28オン状態になり、第1位置に配置されるとクラッチ機構28がオフ状態になってもよい。
この構成によれば、クラッチ切換部材26の移動によって移動部材54を第1位置と第2位置との間で移動させてクラッチ機構28を切り換えることができる。また、クラッチカム74によって移動部材54を押圧した場合に第1係合部68と第2係合部70とが係合不能な状態であっても、両者が相対回転すれば、第2付勢部材76によって、第1係合部68と第2係合部70とを係合させてクラッチ機構28をオン状態にすることができる。
(N)制動レバー22は、リール本体12に揺動自在に装着され、制動解除位置と制動解除位置よりも竿装着部12aから離反す所定制動位置とに保持され、かつ制動解除位置から竿装着部12aに接近する方向に揺動自在であり、操作が終わると制動解除位置に戻るように構成されてもよい。クラッチ切換部材26は、制動レバー22が制動解除位置から所定制動位置に移動すると、移動部材54が第2位置から第1位置に移動するように、制動レバー22及びクラッチカム74に連結されてもよい。この構成によれば、制動レバー22によってクラッチ切換部材26を操作できるので、クラッチ操作が容易である。
(O)ドラム部材56は、周方向の少なくとも一カ所に他の部分よりも重い回転バランス調整部57を有してもよい。第2回転伝達機構32は、遠心力によって、ドラム部材56を径方向外方に移動させて第1制動シュー51に接触させることによって、ハンドル14の回転をロータ18に伝達してもよい。
この構成によれば、ロータ18が糸繰り出し方向に回転する場合にはドラム部材56に遠心力が作用しないので、ドラム部材56による負荷は生じない。一方、ドラム部材56が糸巻き取り方向に回転すると、ドラム部材56の回転バランス調整部57がドラム部材56を偏芯させる。これによって、第1制動シュー51にドラム部材56が接触し、ドラム部材56を介してロータ18が糸巻き取り方向に回転する。ここでは、ドラム部材56によって、第2回転伝達機構32を構成できるので、第2回転伝達機構32の構成が簡素である。
(P)第2回転伝達機構132は、弾性体製のアーム部材180と、アーム部材180の他端に固定された磁石182と、を有してもよい。アーム部材180は、ドラム部材56の外周面50aと筒部48bの内周面48cとの間に配置され、ドラム部材56の外周面50aに一端が固定され、ドラム部材56の外周面50aに沿うように湾曲してもよい。
この構成によれば、ロータ18が糸繰り出し方向に回転しても磁石182に遠心力が作用しないので、磁石182による負荷は生じない。一方、ドラム部材56が糸巻き取り方向に回転すると、遠心力によって磁石182がロータ18の筒部48bの内周面48cに接近し、磁石182とロータ18とが相対運動した場合に生じる磁力によって、ロータ18が糸巻き取り方向に引っ張られる。これによって、ハンドル14の糸巻き取り方向の回転をロータ18に伝達できる。ここでは磁力によって非接触でハンドル14の回転をロータ18に伝達できる。
(Q)第2回転伝達機構232は、少なくとも一つの第2制動シュー284と、第3付勢部材286と、を有してもよい。少なくとも一つの第2制動シュー284は、第1制動シュー51を押圧可能な第7位置と、第1制動シュー51から離反した第8位置と、に径方向移動自在にドラム部材256に設けられてもよい。第3付勢部材286は、遠心力によって第7位置に移動した第2制動シュー284を第8位置に戻してもよい。
この構成によれば、ロータ18が糸繰り出し方向に回転する場合にはドラム部材256に遠心力が作用しないので、第2制動シュー284は第8位置に保持され、第2制動シュー284による負荷は生じない。一方、ドラム部材256が糸巻き取り方向に回転すると、第2制動シュー284が遠心力によって第8位置から第7位置に移動し、第1制動シュー51を押圧する。これによって、第2制動シュー284を介してロータ18が糸巻き取り方向に回転する。ここでは、第2制動シュー284によって、第2回転伝達機構232を構成できるので、ドラム部材256の回転をロータ18に確実に伝達できる。
10 スピニングリール
12 リール本体
12a 竿装着部
14 ハンドル
16 スプール
18 ロータ
20 第1回転伝達機構
20a 回転伝達経路
22 制動レバー
24 ロータ制動機構
26 クラッチ切換部材
28 クラッチ機構
30 クラッチ制御機構
32、132、232 第2回転伝達機構
34 逆転禁止機構
42 駆動軸
44 駆動ギア
46 ピニオンギア
48 装着部
48a 壁部
48b 筒部
48c 内周面
50 制動部材
50a 外周面
51 第1制動シュー
52 回転規制部
54 移動部材
56、256 ドラム部材
57 回転バランス調整部
58 第1付勢部材
60 ラジアル転がり軸受
62 第1移動部材
64 第2移動部材
66 ディスク部材
68 第1係合部
70 第2係合部
72 カム受け部
74 クラッチカム
76 第2付勢部材
180 アーム部材
182 磁石
284 第2制動シュー
286 第3付勢部材

Claims (17)

  1. 釣り糸を前方に繰り出すスピニングリールであって、
    竿装着部を有するリール本体と、
    前記リール本体の側部に回転可能に設けられるハンドルと、
    前記リール本体に前後方向に移動可能に支持されたスプールと、
    前記リール本体に対して回転可能であり、前記スプールに釣り糸を巻き付けるように構成されるロータと、
    前記ハンドルの回転を前記ロータに伝達する回転伝達経路を有する第1回転伝達機構と、
    前記リール本体に移動可能に設けられる制動操作部材と、
    前記制動操作部材の操作に応じて前記ロータの釣り糸繰り出し方向の回転を制動するロータ制動機構と、
    前記リール本体に移動可能に設けられるクラッチ切換部材と、
    前記回転伝達経路に設けられ、前記第1回転伝達機構により前記ハンドルの回転を前記ロータに伝達するオン状態と、伝達しないオフ状態と、に前記クラッチ切換部材によって切り換え可能なクラッチ機構と、
    前記クラッチ機構を、前記クラッチ切換部材の移動に応じて前記オン状態と前記オフ状態とに制御するクラッチ制御機構と、
    前記クラッチ機構よりもハンドル側で前記回転伝達経路に設けられ、前記クラッチ機構が前記オフ状態かつ前記ロータの回転が前記ロータ制動機構によって制動されていないとき、前記ハンドルの釣り糸巻き取り方向の回転に応じて前記ハンドルの回転を前記ロータに伝達する第2回転伝達機構と、
    を備えるスピニングリール。
  2. 前記第2回転伝達機構は、前記ハンドルの回転に応じて発生する遠心力によって、前記回転を伝達する、請求項1に記載のスピニングリール。
  3. 前記第1回転伝達機構は、
    前記前後方向と食い違う左右方向に沿って配置され前記ハンドルが一体回転可能に連結される駆動軸と、
    前記駆動軸に一体回転可能に設けられる駆動ギアと、
    前記前後方向に沿って配置され、前記駆動ギアにかみ合うピニオンギアと、を有し、
    前記クラッチ機構は、前記ピニオンギアと前記ロータとの間に配置される、請求項1又は2に記載のスピニングリール。
  4. 前記ピニオンギアの糸巻き取り方向と逆の方向の回転を禁止する逆転禁止機構をさらに備える、請求項3に記載のスピニングリール。
  5. 前記ロータは、前記リール本体に対して回転可能な円板状の壁部、及び前記壁部の外周側に一体形成される筒部を含む装着部を有し、
    前記ロータ制動機構は、
    前記筒部の内周面に対向して配置され、前記ピニオンギアと一体回転可能に連結され、前記制動操作部材によって前記筒部の内周面に向けて押圧される制動部材と、
    前記制動部材の外周面に接触可能に、前記筒部の内周面に設けられた環状の第1制動シューと、を有する、請求項3又は4に記載のスピニングリール。
  6. 前記制動部材は、
    前記ピニオンギアに対して一体回転可能、かつ第1位置と、前記第1位置よりも前方の第2位置と、に前後移動可能な移動部材と、
    前記移動部材に第3位置と、前記第3位置よりも径方向外方の第4位置と、の間で径方向に移動自在に取り付けられ、前記制動操作部材によって押圧され、前記第1制動シューに接触可能なドラム部材と、
    前記ドラム部材を前記第4位置から前記第3位置に向けて付勢し、かつ前記第3位置に保持する第1付勢部材と、
    を有する、請求項5に記載のスピニングリール。
  7. 前記制動部材は、前記制動操作部材と前記ドラム部材の間に配置されたラジアル転がり軸受をさらに有する、請求項6に記載のスピニングリール。
  8. 前記移動部材は、
    前記ピニオンギアに一体回転可能かつ軸方向移動不能に連結された筒状の第1移動部材と、
    前記第1移動部材に一体回転可能かつ軸方向移動自在に連結され、前記ドラム部材が前記径方向に移動自在に連結される円板状の第2移動部材と、
    を有する、請求項6又は7に記載のスピニングリール。
  9. 前記ロータ制動機構は、前記クラッチ機構が前記オン状態の場合、前記ロータの糸繰り出し方向の回転を規制する回転規制部を有する、請求項6から8のいずれか1項に記載のスピニングリール。
  10. 前記回転規制部は、前記ロータの前記糸繰り出し方向の回転を所定の制動力で制動する、請求項9に記載のスピニングリール。
  11. 前記回転規制部は、前記移動部材と、前記ドラム部材と、の間に設けられる複数のディスク部材を有する、請求項9又は10に記載のスピニングリール。
  12. 前記クラッチ機構は、
    前記複数のディスク部材のいずれか一つに設けられる第1係合部と、
    前記壁部に設けられ、前記第1係合部に係合して前記ピニオンギアと前記ロータと、を一体回転可能に連結する第2係合部と、を有する、請求項11に記載のスピニングリール。
  13. 前記クラッチ制御機構は、
    第1カム部を有し、前記リール本体に設けられるカム受け部と、
    前記第1カム部に係合する第2カム部を有し、前記第1カム部と前記第2カム部との係合によって、前記クラッチ切換部材の移動に応じて、前記リール本体に対して前記ピニオンギアの軸回りに回転可能かつ軸方向に移動し、前記移動部材を前記第1位置から前記第2位置に向けて押圧するクラッチカムと、
    前記移動部材を前記第2位置から前記第1位置に付勢する第2付勢部材と、を有し、
    前記クラッチ機構は、前記移動部材が前記第2位置に配置されると、前記オン状態になり、前記第1位置に配置されると前記オフ状態になる、請求項6から12のいずれか1項に記載のスピニングリール。
  14. 前記制動操作部材は、前記リール本体に揺動自在に装着され、第5位置と、前記第5位置よりも前記竿装着部から離反する第6位置と、に保持され、かつ前記第5位置から前記竿装着部に接近する方向に揺動自在であり、操作が終わると前記第5位置に戻るように構成され、
    前記クラッチ切換部材は、前記制動操作部材が前記第5位置から前記第6位置に移動すると、前記移動部材が前記第1位置から前記第2位置に移動するように、前記制動操作部材及び前記クラッチカムに連結される、請求項13に記載のスピニングリール。
  15. 前記ドラム部材は、周方向の少なくとも一カ所に他の部分よりも重い回転バランス調整部を有し、
    前記第2回転伝達機構は、遠心力によって、前記ドラム部材を径方向外方に移動させて前記第1制動シューに接触させることによって、前記ハンドルの回転を前記ロータに伝達する、請求項6から14のいずれか1項に記載のスピニングリール。
  16. 前記第2回転伝達機構は、
    前記ドラム部材の外周面と前記筒部の内周面との間に配置され、前記ドラム部材の外周面に一端が固定され、前記ドラム部材の前記外周面に沿うように湾曲する弾性体製のアーム部材と、
    前記アーム部材の他端に固定された磁石と、
    を有する、請求項6から14のいずれか1項に記載のスピニングリール。
  17. 前記第2回転伝達機構は、
    前記第1制動シューを押圧可能な第7位置と、前記第1制動シューから離反した第8位置と、に径方向移動自在に前記ドラム部材に設けられた少なくとも一つの第2制動シューと、
    遠心力によって前記第7位置に移動した前記第2制動シューを前記第8位置に戻す第3付勢部材と、を有する、請求項6から14のいずれか1項に記載のスピニングリール。
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