JP7149217B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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リール本体の小型化を図る従来技術として、特許文献1に開示されたものが知られている。この特許文献1の魚釣用スピニングリールは、リール本体の限られた内部スペースに、ロータの回転機構やスプール往復動装置等の巻取駆動機構を収容して、スプール軸の軸方向の小型化を図っている。
また、特許文献1の魚釣用スピニングリールは、ボディと別体に形成され、スプール往復動装置の構成部材の少なくとも一部を支持する支持部材を備えている。支持部材は、ボディの外側部に設けられた取付部に対して取り付けられ、固定部材で抜け止め固定されている。
また、保護カバーは、後部開口部を通じて後方に配置されたプール往復動装置の一部を覆ってストローク長を確保できるとともに、膨出部がボディの外側面に露出した内部機構の一部を覆って他の部材の介在を排除できるので、他のボディの前後方向(軸方向)の寸法の短縮化及びボディの左右方向の寸法の短縮化を同時に実現できる。
また、一つの保護カバーで後部開口部及びボディの外側面に露出した内部機構の一部を覆うことができるので、部品点数も少なくなり、組立工程も減少する。したがって製造コストの低減を図ることができる。
このように構成することによって、内部機構の一部を、スプール往復動装置に求められる機能に特化した形状や材質を選択して構成でき、同時にボディの左右方向の寸法の短縮化や、製造コストの低減を図ることができる。
このように構成することによって、スプール往復動装置の設計の自由度が高まる。
図1に示すように、魚釣用スピニングリール1は、ハンドル5aを備えるリール本体10と、ハンドル5aの巻き取り操作により回転するロータ2と、ハンドル5aの巻き取り操作により前後方向に往復運動するスプール3と、を備えている。
ボディ11の後部には、シール部材31(図2参照)を介して保護カバー30が装着されている。
駆動軸筒7の前端7a及びスプール軸8の前端8aは、図4に示すように、ボディ11の前部11aの前方に突出している。そして、駆動軸筒7の前端にロータ2(図1参照)が取り付けられ、スプール軸8の前端にスプール3(図1参照)が取り付けられている。
一方、駆動軸筒7の後端7b及びスプール軸8の後端8bは、図2に示すように、ボディ11内に配置されている。また、駆動軸筒7の後部には、ピニオンギャ7cが一体に形成されている。
以上から、ハンドル5aを巻き取り操作すると、ハンドル軸5及びドライブギャ6が回転し、その回転駆動力がピニオンギャ7cに伝達し、駆動軸筒7及びロータ2が回転する。
連動歯車54は、後記する支持部材40によって回転自在に支持されている。
図2に示すように、右壁部21は、前後方向及び上下方向に延在する板状の壁部であり、側面視で回転軸O1を中心とする略円形状に形成されている。
右壁部21の内側面(左側面)には、ボディ11の強度を向上させるため、左方に突出するリブ21aが形成されている。リブ21aは、スプール往復動装置50のガイド軸の前端を支持するとともに、軸受7dを介して駆動軸筒7の後端7bを支持している。また、リブ21aは、カラー8cを介してスプール軸8を摺動自在に支持している。
支持部材40の軸方向中央部には、外周面から突出するフランジ41が形成されている。フランジ41は右壁部21の内側面(孔縁部)に係止している。
支持部材40の右端部(外側面23に露出される側)には、カシメ部42が形成されている。カシメ部42は、支持部材40の円柱状の端部(頭部)がカシメ加工によって径方向外方に変形した部分である。カシメ部42は、右壁部21の外側面23(ワッシャ26a)に係止している。この係止によって、支持部材40が右壁部21に抜け止め固定されている。なお、ワッシャ26aに対して支持部材40のカシメ部42が当接しているので、カシメ作業によるボディ11の破損が生じ難い。
本実施形態では、後部開口部18を通じてスプール往復動装置50の連動歯車54の一部、ストローク位置が最後端位置にあるときの摺動子52の一部が、ボディ11の後部から後方へ突出している。つまり、後部開口部18は、これらの部材が挿通配置される大きさおよび形状を備えている。なお、これらの部材が後部開口部18を通じてボディ11の後方に突出するので、その分、収容空間S1は、コンパクトな大きさとなっている。
なお、後部開口部18の内側には、図5(b)に示すように、スプール往復動装置50の図示しないガイド軸を挿通する挿通孔21gが開口形成されている。
保護カバー30は、ボディ11の後部下部に配置される基部34と、基部34の後端から後方斜め上方へ延在する後傾部36と、後傾部36の上端から後方斜め前方へ延在する前傾部37と、を備えている。また、保護カバー30は、基部34と後傾部36と前傾部37に亘って形成された左右両側部32,33を備えている。基部34の外面および前傾部37の外面は、後方へ向けて緩やかに膨出する断面湾曲状に形成されている(図7(b)参照)。なお、後傾部36の外面は、断面凹凸状に形成されている(図7(a)参照)。
また、膨出部35は、図2に示すように、左右方向に厚みを備えており、支持部材40の端部の右側方に位置することで支持部材40を外部から保護する機能も有する。
また、膨出部35は、図6(b)に示すように、前方下方へ向けて延びる前部上縁部35b1、及び前方上方へ向けて延びる前部下縁部35b2を備えている。前部上縁部35b1は、ボディ11の凹部29の上縁部29b1の傾斜形状に対応しており、上縁部29b1に収まるように構成されている。また、前部下縁部35b2は、同じく、凹部29の下縁部29b2の傾斜形状に対応しており、下縁部29b2に収まるように構成されている。
はじめに、支持部材40のカシメ部42となる右端部(円柱状の外端部)を貫通孔17のボディ11の内部の左側から貫通孔17内に挿入し、その右端部を右壁部21の外側面23よりも外側に突出させる。次に、支持部材40の右端部を図示しない治具で打ち込み、支持部材40の右端部を潰して径方向外方に変形させカシメ部42を形成する。
これによって、支持部材40が右壁部21に固定される。
例えば、図8に示すように、膨出部35の内面35jで支持部材40の大径頭部42Aを右側方から抜け止め保持してもよい。この場合、支持部材40は、フランジ41(図3参照)を排除した形状に形成して、右壁部21の外側面23側から貫通孔17に挿し込み、大径頭部42Aを貫通孔17の開口縁部に当接させる。なお、大径頭部42Aは、環状突部25の内側に収容される大きさに形成する。
このように構成することによって、カシメ加工作業によらずに、支持部材40を組み付けることができる。
また、保護カバー30の材料としては、金属材や合成樹脂材等、種々のものを採用することができる。
10 リール本体
11 ボディ
13 側部開口部
14 蓋部材
18 後部開口部
23 外側面
30 保護カバー
35 膨出部
40 支持部材(内部機構の一部、構成部材)
40A 頭部(支持部材の端部)
42 カシメ部(支持部材の端部)
50 スプール往復動装置
Claims (3)
- ボディと、前記ボディの側部に設けられた側部開口部を閉塞する蓋部材と、を有するリール本体を備えた魚釣用スピニングリールであって、
前記ボディの後部に形成され、スプール往復動装置を構成する構成部材の少なくとも一部を受け入れて後方に配置する後部開口部と、
前記後部開口部を覆うとともに、前記後部開口部を通じて後方に配置された前記構成部材を覆う保護カバーと、を備え、
前記側部開口部と反対側となる前記ボディの側壁には、ハンドル軸と平行に延在し、前記ボディの内部に備わる内部機構の一部が挿入される貫通孔が形成されており、
前記側壁の外側面には、前記貫通孔を通じて前記内部機構の一部が露出しており、
前記保護カバーは、前記側壁の外側面に向けて前方へ膨出する膨出部を備えており、
前記膨出部は、前記外側面に露出した前記内部機構の一部を前記貫通孔の軸方向から覆っていることを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記内部機構の一部は、前記スプール往復動装置を構成する構成部材の少なくとも一部であることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記内部機構の一部は、前記ボディと別体に形成され、前記スプール往復動装置を構成する構成部材の少なくとも一部を支持する支持部材であり、
前記膨出部は、前記支持部材の端部を覆うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
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