JP2007156008A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 樹脂混練物を水性媒体中で分散させて造粒することによってトナーを得る溶融乳化法において、所望の特性を有するトナーを安定して製造することのできるトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも結着用樹脂と着色剤とを混練して得た樹脂混練物と、分散剤および水を含む水性媒体とを混合した後、得られた混合物を、容器2の内方に混合物吐出孔9が形成されたスクリーン4を備え、スクリーン4によって形成される撹拌空間3aにロータ5を備える撹拌装置1を用いて撹拌する。これによって、混合物吐出孔9から混合物が吐出される際に剪断力および衝突力を生じさせることができるので、樹脂混練物の造粒性を低下させることなく、ヒータ13による水性媒体の加熱温度を低下させることができる。よって、造粒時に樹脂混練物中に含まれる着色剤などの分散状態および組成が変化することを防ぎ、所望の特性を有するトナーを安定して製造することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電子写真法などによる画像形成過程において静電荷像などの現像に用いられるトナーの製造方法に関する。
電子写真法によって画像を形成する電子写真方式の画像形成装置では、たとえば電子写真感光体(以後、単に「感光体」とも称する)の表面に種々の手段によって静電荷像を形成した後、トナーを供給して静電荷像を現像し、形成されたトナー像を紙などの転写材に転写して定着させることによって画像が形成される。静電荷像の現像に用いられるトナー(以後、「静電荷像現像用トナー」と称する)は、結着用の樹脂に着色剤、帯電制御剤などの添加剤が分散されて成る。トナーは、摩擦帯電によって帯電され、現像ローラなどに担持されて感光体表面に供給される。
近年、画質の向上を目的として、トナーの小粒径化が進められており、体積平均粒径がたとえば3〜8μm程度と小さいトナーが用いられるようになっている。トナーの製造には、結着用樹脂、着色剤などを混練した後、得られた樹脂混練物を乾式粉砕することによってトナーを得る、いわゆる粉砕法が広く用いられている。しかしながら、粉砕法では、得られるトナーの粒径が小さくなるほど、粒子形状が不定形になり、粉体流動性が極端に悪化するという問題がある。トナーの粉体流動性が悪いと、現像時にトナーを感光体表面に安定して供給することができず、画質が低下するなどの問題が生じる。
また、粉砕法によって得られるトナーは、比較的幅の広い粒度分布を有するので、帯電性能にばらつきを生じ易い。帯電性能がばらついたトナーを用いて画像を形成すると、転写材への転写時に、帯電量が不足して転写材に転写されないトナーが発生し、画像濃度の低下などが生じる。粉砕法においてトナーの帯電性能のばらつきを抑えるためには、粉砕による造粒後に分級を行ない、粒度分布の幅を狭くする必要があるけれども、分級によってトナーの収率が低下し、製造原価が高くなるという別の問題が生じる。
このように粉砕法には種々の問題があることから、湿式法によるトナーの製造が検討されている。湿式法としては、たとえば、
(イ)懸濁安定剤によって水中に分散させた結着用樹脂のモノマーを着色剤の存在下に重合させ、生成する結着用樹脂粒子中に着色剤を包含させてトナーを得る懸濁重合法(たとえば、特許文献1および2参照)、
(ロ)結着用樹脂のモノマーを乳化重合させて得た樹脂粒子の水分散液と、着色剤の水分散液などとを混合して凝集粒子を形成し、この凝集粒子を加熱融合してトナーを得る乳化重合凝集法、
(ハ)水分散性樹脂および着色剤を有機溶媒に溶解または分散させ、これに撹拌下に該水分散性樹脂の解離基を中和する中和剤および水を加え、着色剤などを内包する樹脂滴を生成させ、これを転相乳化させてトナーを得る転相乳化法、
(ニ)結着用樹脂および着色剤を含むトナー材料を結着用樹脂が溶解可能な有機溶媒中に溶解または分散させ、得られた溶液または分散液と、無機分散剤たとえばリン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの難水溶性アルカリ土類金属塩などの水分散液とを混合して造粒を行った後、有機溶媒を除去してトナーを得る溶解懸濁法、
(ホ)結着用樹脂および着色剤などを結着用樹脂が溶解可能な非水溶性有機溶媒に溶解または分散させ、得られた溶液または分散液を水性分散液中に乳化分散させた後、有機溶媒を除去してトナーを得る乳化分散法などが提案されている。
しかしながら、(イ)〜(ホ)の方法には以下のような問題がある。たとえば、(イ)の懸濁重合法および(ロ)の乳化重合凝集法などの重合法では、水中で重合反応を行なうので、結着用樹脂として使用可能な樹脂がラジカル重合によって生成することのできるビニル重合体に限定されるという問題がある。トナーの定着性およびカラートナーとして用いる場合の透明性を考慮すると、結着用樹脂としてはビニル重合体よりもポリエステル樹脂を用いることが好ましい。このように、結着用樹脂はトナーに求められる特性に応じて適宜選択されることが好ましい。このため、ビニル重合体に限定されず、種々の樹脂を用いてトナーを製造することのできる方法が求められる。
また、重合法には、トナー粒子の内部に結着用樹脂のモノマー、重合開始剤、懸濁安定剤などが残留し、トナー粒子の帯電性能のばらつきを引起すという問題もある。帯電性能のばらつきを抑えるためには、これらの残留物を除去することが必要であるけれども、トナー粒子の内部に入り込んだモノマー、重合開始剤、懸濁安定剤などを除去することは非常に困難である。また、(ロ)の乳化重合凝集法には、結着用樹脂と着色剤などとを凝集させて加熱融合させることによってトナーを製造するので、均一な組成のトナー粒子を安定して形成することができないという問題もある。
また、(ハ)の転相乳化法、(ニ)の溶解懸濁法および(ホ)の乳化分散法では、結着用樹脂を溶解または分散させるために有機溶媒を用いるので、環境問題への対応から溶媒回収装置が必要となり、製造設備が大掛かりなものになるという問題がある。(ハ)〜(ホ)の方法では、結着性樹脂として使用可能な樹脂が、解離基を有する水分散性樹脂または有機溶媒に可溶な樹脂に限定されるという問題もある。
これらの問題を解決するための技術として、結着用樹脂および着色剤などのトナー組成物を溶融混練した後、得られた樹脂混練物と分散剤を含む水性媒体とを混合し、得られた混合物中の水性媒体を加熱しながら混合物を撹拌することによって樹脂混練物を分散させて造粒してトナーを得る、いわゆる溶融乳化法が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。溶融乳化法によれば、種々の樹脂を結着用樹脂として用いることができるので、所望の特性を有するトナーを容易に製造することができる。
特開平8−305084号公報(第4−5頁,第1−2図) 特許第3466872号公報(第3−5頁,第1−2図) 特開2005−165039号公報(第4,8−9頁)
前述の特許文献3などに開示の溶融乳化法によれば、種々の樹脂を結着用樹脂として用いることができ、所望の特性を有するトナーを製造することが可能である。しかしながら、所望の特性を有するトナーをより確実に得るという観点からは、特許文献3に開示の技術にも改良の余地がある。
溶融乳化法では、樹脂混練物と水性媒体との混合物中の水性媒体を加熱して樹脂混練物を軟化させ、軟化した樹脂混練物を撹拌装置で解砕して分散させることによって造粒する。このとき、水性媒体の加熱温度によっては、樹脂混練物の溶融粘度が低下しすぎて、樹脂混練物に含まれる着色剤、離形剤、帯電制御剤などの各成分の凝集が起こり、分散性が低下する恐れがある。また、樹脂混練物に分散された着色剤などの各成分が樹脂混練物から脱離し、得られるトナーの組成が所望の組成から変化する恐れもある。樹脂混練物における各成分の分散性または組成が変化すると、所望の特性が得られないという問題が生じる。このため、所望の特性を有するトナーを得るという観点からは、水性媒体の加熱温度は低い方が好ましい。しかしながら、水性媒体の加熱温度が低くなるほど、樹脂混練物が溶融しにくくなり、造粒できなくなる可能性が高くなる。また、造粒できたとしても、体積平均粒径を静電荷像現像用トナーとして好適な3〜8μm程度にすることは困難であり、また粒径分布も幅の広いものになる。
前述の特許文献1および2には、造粒性を高めるために、重合性単量体、着色剤および重合開始剤を含む重合性単量体組成物を水系分散媒体中でロータとそれを取囲むスクリーンとによって生じる剪断力などの作用によって造粒した後、懸濁重合によって重合させることが提案されている。しかしながら、特許文献1および2に開示の技術は、懸濁重合法に関するものであり、溶融乳化法については考慮していないので、特許文献1および2に開示の技術をそのまま溶融乳化法に適用することはできない。
本発明の目的は、樹脂混練物を水性媒体中で分散させて造粒することによってトナーを得る溶融乳化法において、所望の特性を有するトナーを安定して製造することのできるトナーの製造方法を提供することである。
本発明は、少なくとも結着用樹脂と着色剤とを混練する混練工程と、
混練によって得られた樹脂混練物と、分散剤および水を含む水性媒体とを混合し、得られた混合物中の水性媒体を予め定める設定温度に加熱するとともに混合物を撹拌することによって、前記水性媒体中に着色剤含有樹脂粒子を生成させる造粒工程と、
生成された着色剤含有樹脂粒子を前記水性媒体から分離する分離工程とを含み、
造粒工程では、
前記混合物を収容する容器と、容器内の空間を混合物が撹拌される撹拌空間と撹拌空間外の空間とに分ける撹拌空間形成部材であって撹拌空間と撹拌空間外の空間とを連通させる混合物吐出孔が形成された撹拌空間形成部材と、撹拌空間に収容される混合物を撹拌する撹拌手段とを備える撹拌装置を用いて、前記混合物を撹拌することを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、撹拌空間形成部材の混合物吐出孔は、スリット状に形成されることを特徴とする。
また本発明は、撹拌手段は、軸線まわりに回転する回転軸部材と、回転軸部材の外周面部に設けられ回転軸部材の半径方向外方に延びる羽根部材とを有することを特徴とする。
また本発明は、羽根部材の回転周速度が、3.7m/sを超え、40m/s以下であることを特徴とする。
また本発明は、撹拌空間形成部材は、撹拌手段の回転軸部材の回転軸線に略平行な軸線まわりに、該回転軸部材の回転方向と逆方向に回転されることを特徴とする。
また本発明は、回転軸部材の回転数に対する撹拌空間形成部材の回転数の比率(撹拌空間形成部材の回転数/回転軸部材の回転数)が、0.50以上、0.95以下であることを特徴とする。
また本発明は、造粒工程における水性媒体の設定温度が、前記混合物に含まれる樹脂混練物の軟化温度Tm(℃)から20℃を減算した値(Tm−20[℃])以上であることを特徴とする。
また本発明は、造粒工程における水性媒体の設定温度において、樹脂混練物の損失弾性率G”が、10Pa以下であることを特徴とする。
また本発明は、分散剤が、水に溶解する物質であることを特徴とする。
本発明によれば、トナーは、混練工程と造粒工程と分離工程とを経て製造される。混練工程では、少なくとも結着用樹脂と着色剤とを混練することによって、樹脂混練物を得る。造粒工程では、混練工程で得られた樹脂混練物と分散剤および水を含む水性媒体(以後、「分散剤含有水性媒体」とも称する)とを混合し、得られた混合物中の水性媒体を予め定める設定温度に加熱するとともに混合物を特定の撹拌装置を用いて撹拌することによって、水性媒体中に着色剤含有樹脂粒子を生成させる。分離工程では、造粒工程で生成された着色剤含有樹脂粒子を水性媒体から分離する。ここで、「水性媒体を予め定める設定温度に加熱する」とは、少なくとも水性媒体の温度を設定温度に上昇させるために加熱する意味であって、混合物中の水性媒体の温度が設定温度である場合には水性媒体を設定温度よりも低い温度にならないように加熱することを含む。
造粒工程において撹拌に使用される撹拌装置は、容器と撹拌空間形成部材と撹拌手段とを含み、樹脂混練物と分散剤含有水性媒体との混合物を容器に収容し、撹拌空間形成部材によって形成される容器内の撹拌空間で撹拌手段によって撹拌する。撹拌空間形成部材には容器内の撹拌空間と撹拌空間外の空間とを連通させる混合物吐出孔が形成されているので、撹拌空間に収容される混合物を撹拌手段で撹拌することによって、混合物吐出孔を通して混合物を断続的に容器内の撹拌空間外の空間に吐出させることができる。これによって、混合物吐出孔から吐出される混合物と撹拌空間に残留する混合物との間に剪断力を生じさせることができる。また、混合物吐出孔から吐出された混合物と撹拌空間外の空間に収容されている混合物との間に衝突力を生じさせることができる。よって、撹拌装置の動作条件および分散剤を適宜選択することによって、混合物に含まれる樹脂混練物を容易に解砕することができるので、樹脂混練物の造粒性を低下させることなく、造粒工程において水性媒体が加熱される温度である水性媒体の設定温度(以後、「造粒温度」とも称する)を低下させることができる。したがって、造粒工程において樹脂混練物に含まれる着色剤などの分散性および組成が変化することを防ぐことができるので、所望の特性を有するトナーを安定して製造することができる。
ここで、「着色剤含有樹脂粒子」とは、少なくとも着色剤を含有する樹脂粒子のことであり、混練工程において結着用樹脂と着色剤とともに帯電制御剤、離形剤などの添加剤が混練されて樹脂混練物中に含有される場合にはこれらの添加剤をも含有する樹脂粒子のことである。また、「トナー」とは、造粒工程で生成される着色剤含有樹脂粒子(以後、「トナー粒子」とも称する)に表面改質剤などの外添剤が外添されない場合にはトナー粒子そのもののことであり、トナー粒子に表面改質剤などの外添剤が外添される場合にはトナー粒子と外添剤とを含む組成物のことである。
また本発明によれば、撹拌空間形成部材の混合物吐出孔はスリット状に形成される。このことによって、たとえば体積平均粒子径が3〜8μm程度と小さい着色剤含有樹脂粒子を容易に得ることができる。また、撹拌空間内の混合物を混合物吐出孔から安定して吐出させることができるので、樹脂混練物の造粒をより効率的に行なうことができる。
また本発明によれば、撹拌手段は、軸線まわりに回転する回転軸部材の外周面部に設けられる羽根部材によって撹拌空間に収容される混合物を撹拌する。このことによって、撹拌空間内の混合物を均一に撹拌し、撹拌空間外の空間に順次吐出させることができるので、着色剤含有樹脂粒子の粒径分布の広がりを抑えることができる。したがって、たとえば帯電性能などのばらつきがなく、静電荷像現像用トナーとして好適なトナーを得ることができる。
また本発明によれば、羽根部材の回転周速度は3.7m/sを超え、40m/s以下である。ここで、「羽根部材の回転周速度」とは、「羽根部材の最大外径から算出される値」のことである。羽根部材の回転周速度が3.7m/sを超え、40m/s以下であれば、混合物吐出孔から吐出される混合物が吐出される際に生じる剪断力および衝突力を、樹脂混練物の造粒に好適なものとすることができる。したがって、混合物に含まれる樹脂混練物の造粒をより確実に行なうことができる。
また本発明によれば、撹拌空間形成部材は、撹拌手段の回転軸部材の回転軸線に略平行な軸線まわりに、回転軸部材の回転方向と逆方向に回転される。このことによって、撹拌空間形成部材と撹拌手段の羽根部材とを逆方向に回転させることができるので、撹拌空間形成部材の混合物吐出孔から吐出される混合物の流れが、撹拌空間形成部材の混合物吐出孔が形成される混合物吐出孔部を除く部分で遮断される頻度を高めることができる。これによって、混合物により強力な剪断力および衝突力を付与することができるので、樹脂混練物をより効率的に造粒することができる。したがって、体積平均粒径がたとえば3〜8μm程度と小さい着色剤含有樹脂粒子をより容易に生成させることができる。
また本発明によれば、回転軸部材の回転数に対する撹拌空間形成部材の回転数の比率(撹拌空間形成部材の回転数/回転軸部材の回転数)は、0.50以上、0.95以下である。このことによって、混合物吐出孔から吐出される混合物の流れが遮断される頻度を、混合物に樹脂混練物の造粒に好適な剪断力および衝突力を加えることのできるものとすることができるので、体積平均粒子径がたとえば3〜8μm程度と小さい着色剤含有樹脂粒子をより容易に生成させることができる。
また本発明によれば、造粒工程において、水性媒体は、混合物に含まれる樹脂混練物の軟化温度Tm(℃)から20℃を減算した値(Tm−20[℃])以上の温度に加熱される。このことによって、樹脂混練物を造粒に好適な軟化状態にすることができるので、樹脂混練物の造粒をより確実に行なうことができる。
また本発明によれば、造粒工程における水性媒体の設定温度において、樹脂混練物の損失弾性率G”は、10Pa以下である。このことによって、樹脂混練物の造粒をより容易に行なうことができる。
また本発明によれば、分散剤含有水性媒体に含有される分散剤は、水に溶解する物質であるので、樹脂混練物と分散剤含有水性媒体との混合物中に溶解した状態で含まれる。このことによって、造粒工程において、分散剤が固体状態で混合物中に含まれる場合のように分散剤から気泡が発生することを防ぐことができるので、樹脂混練物の造粒を効率的に行なうことができる。また、分散剤のトナー粒子への残留を防ぐことができるので、帯電性能などのばらつきのない均一な特性を有するトナーを容易に得ることができる。
図1は、本発明の実施の一態様であるトナーの製造方法の手順を示すフローチャートである。本発明のトナーの製造方法は、少なくとも混練工程と造粒工程と分離工程とを含む。本実施態様では、さらに水性媒体調製工程と冷却工程と洗浄工程と乾燥工程とが含まれる。すなわち、本実施態様によるトナーの製造方法は、混練工程(ステップs1)と、水性媒体調製工程(ステップs2)と、造粒工程(ステップs3)と、冷却工程(ステップs4)と、分離工程(ステップs5)と、洗浄工程(ステップs6)と、乾燥工程(ステップs7)とを含む。本実施態様によるトナーの製造は、ステップs0で開始され、ステップs1またはステップs2に移行する。ステップs1の混練工程およびステップs2の水性媒体調製工程は、いずれが先に行なわれてもよい。また、ステップs6の洗浄工程は、ステップs4の冷却工程の後であってステップs5の分離工程の前に行なわれてもよい。
[混練工程]
ステップs1の混練工程では、少なくとも結着用樹脂および着色剤を含むトナー組成物を溶融混練し、樹脂混練物を得る。トナー組成物は、帯電制御剤、離形剤などの添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は、結着用樹脂および着色剤とともに混練されて、樹脂混練物中に分散される。
(a)結着用樹脂
結着用樹脂としては、加熱によって溶融可能な樹脂であれば特に制限されず用いることができる。
結着用樹脂の軟化温度は、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、150℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃以上150℃以下である。結着用樹脂の軟化温度が150℃を超えると、着色剤および添加剤などとの混練が困難になり、着色剤および添加剤などの分散性が低下する恐れがある。また、得られるトナーの転写材への定着性が低下し、定着不良が発生する恐れがある。結着用樹脂の軟化温度が60℃未満であると、結着用樹脂のガラス転移温度(Tg)が常温に近いものになりやすく、トナーが画像形成装置の内部で熱凝集を起こし、印刷不良、装置の故障などを誘発する可能性がある。
結着用樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、得られるトナーの定着性および保存安定性などを考慮すると、30℃以上80℃以下であることが好ましい。結着用樹脂のガラス転移温度(Tg)が30℃未満であると、保存安定性が不充分になり、画像形成装置内部でのトナーの熱凝集が起こりやすくなり、印刷不良が発生する恐れがある。また、ホットオフセット現象が発生する可能性もある。結着用樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃を超えると、定着性が低下し、定着不良が発生する恐れがある。
結着用樹脂の分子量は、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるけれども、重量平均分子量で5000以上500000以下であることが好ましい。結着用樹脂の重量平均分子量が5000未満であると、その機械的強度がトナー用の結着用樹脂に必要な機械的強度よりも低くなり、得られるトナー粒子が現像装置内部での撹拌などによって粉砕され、その形状が変化し、帯電性能にばらつきが生じる恐れがある。結着用樹脂の重量平均分子量が500000を超えると、着色剤および添加剤などとの混練が困難になり、着色剤および添加剤の分散性が低下する恐れがある。また、結着用樹脂のガラス転移温度(Tg)が80℃を超えやすく、定着性が低下し、定着不良が発生する恐れがある。ここで、結着用樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(略称GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
結着用樹脂の具体例としては、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、得られるトナー粒子の粉体流動性、低温定着性などを考慮すると、ポリエステル樹脂が好ましい。また、ポリエステル樹脂は、透光性にも優れ、二次色再現性に優れるカラートナーを実現することができるので、カラートナー用の結着用樹脂として好適である。
ポリエステル樹脂としては、特に制限されず公知のものを使用でき、たとえば、多塩基酸類と多価アルコール類との縮重合物が挙げられる。ここで、多塩基酸類とは、多塩基酸およびその誘導体、たとえば多塩基酸の酸無水物またはエステル化物などのことである。また、多価アルコール類とは、ヒドロキシル基を2個以上有する化合物のことであり、アルコール類およびフェノール類のいずれをも含む。
多塩基酸類としては、ポリエステル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類などが挙げられる。多塩基酸類は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
多価アルコール類としてもポリエステル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。ここで、ビスフェノールAとは、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンのことであり、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物としては、たとえば、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物としては、たとえば、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが挙げられる。多価アルコール類は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ポリエステル樹脂は、通常の縮重合反応によって合成することができる。たとえば、有機溶媒中または無溶媒下で、触媒の存在下に多塩基酸類と多価アルコール類とを重縮合反応、具体的には脱水縮合反応させることによって合成することができる。このとき、多塩基酸類の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用い、脱メタノール重縮合反応を行なってもよい。多塩基酸類と多価アルコール類との重縮合反応は、生成するポリエステル樹脂の酸価および軟化温度が所定の値となったところで終了させればよい。この重縮合反応において、多塩基酸類と多価アルコール類との配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、得られるポリエステル樹脂の末端に結合するカルボキシル基の含有量、ひいては得られるポリエステル樹脂の酸価を調整することができ、また軟化温度などの他の物性値を調整することもできる。
アクリル樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、アクリル系モノマーの単独重合体、アクリル系モノマーとビニル系モノマーとの共重合体が挙げられる。その中でも、酸性基を有するアクリル樹脂が好ましい。アクリル系モノマーとしては、アクリル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。これらのアクリル系モノマーは、置換基を有してもよく、置換基を有するアクリル系モノマーとしては、たとえば、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基を有するアクリル酸エステル系またはメタクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。アクリル系モノマーは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。ビニル系モノマーとしても公知のものを使用でき、たとえば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、臭化ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの脂肪族ビニル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル系単量体などが挙げられる。ビニル系モノマーは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
アクリル系樹脂は、たとえば、アクリル系モノマーの1種もしくは2種以上、またはアクリル系モノマーの1種もしくは2種以上とビニル系モノマーの1種もしくは2種以上とを、ラジカル開始剤の存在下に、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などで重合させることによって製造することができる。酸性基を有するアクリル樹脂は、たとえば、アクリル系モノマーまたはアクリル系モノマーとビニル系モノマーとを重合させるに際し、酸性基もしくは親水性基を含有するアクリル系モノマーおよび/または酸性基もしくは親水性基を有するビニル系モノマーを併用することによって製造できる。
ポリウレタン樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ポリオールとポリイソシアネートとの付加重合物が挙げられる。その中でも、酸性基または塩基性基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。酸性基または塩基性基を有するポリウレタン樹脂は、たとえば、酸性基または塩基性基を有するポリオールと、ポリイソシアネートとを付加重合反応させることによって合成することができる。酸性基または塩基性基を有するポリオールとしては、たとえば、ジメチロールプロピオン酸、N−メチルジエタノールアミンなどのジオール類、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオールなどの3価以上のポリオール類などが挙げられる。ポリオールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネートは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
エポキシ樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとから合成されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールとホルムアルデヒドとの反応生成物であるフェノールノボラックとエピクロルヒドリンとから合成されるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールとホルムアルデヒドとの反応生成物であるクレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとから合成されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。その中でも、酸性基または塩基性基を有するエポキシ樹脂が好ましい。酸性基または塩基性基を有するエポキシ樹脂は、たとえば、前述のエポキシ樹脂をベースとし、このベースのエポキシ樹脂にアジピン酸、無水トリメリット酸などの多価カルボン酸またはジブチルアミン、エチレンジアミンなどのアミンを付加または付加重合させることによって製造することができる。
これらの結着用樹脂は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が併用されてもよい。また同一種の樹脂であっても、分子量、単量体組成などのいずれか1つまたは複数が異なる樹脂を複数種併用することができる。
(b)着色剤
結着用樹脂と混合される着色剤としては、トナー用着色剤として用いられる公知の染料、有機系顔料、無機系顔料などをいずれも使用できる。着色剤の具体例としては、以下の各色の着色剤が挙げられる。なお以下において、C.I.とは、カラーインデックス
(Color Index)のことである。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイトなどの磁性フェライトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド184などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
これらの着色剤は、1種が単独で使用されてもよく、また色の異なる2種以上が併用されてもよい。また、同色系の複数の着色剤を併用することもできる。結着用樹脂に対する着色剤の使用割合は特に制限されず、結着用樹脂および着色剤の種類、得ようとするトナー粒子に要求される特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、結着用樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上20重量部以下であることが好ましく、より好ましくは5重量部以上15重量部以下である。着色剤の使用割合が0.1重量部未満であると、充分な着色力が得られず、所望の画像濃度を有する画像を形成するのに要するトナー量が増加し、トナーの消費量が増大する可能性がある。着色剤の使用割合が20重量部を超えると、樹脂混練物中における着色剤の分散性が低下し、均一なトナーが得られない可能性がある。
(c)添加剤
添加剤としては、帯電制御剤、離形剤などの一般的なトナー用添加剤を用いることができる。帯電制御剤としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カリックスアレン類、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、有機金属錯体、キレート化合物、サリチル酸亜鉛などのサリチル酸の金属塩、スルホン酸基、アミノ基などのイオン性基を有するモノマーを単独重合または共重合させた高分子化合物などが挙げられる。帯電制御剤は、1種が単独で用いられてもよく、また2種以上が併用されてもよい。帯電制御剤の配合量は特に制限されず、結着用樹脂、着色剤などの他の成分の種類および含有量、作製しようとするトナーに要求される特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択することができるけれども、好ましくは、結着用樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上5重量部以下である。
離形剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえばワックスなどが挙げられる。ワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックスなどの合成ワックス、モンタンワックスなどの石炭系ワックス、パラフィンワックスなどの石油系ワックス、アルコール系ワックス、エステル系ワックスなどが挙げられる。離形剤は、1種が単独で使用されてもよく、また2種以上が併用されてもよい。離形剤の配合量は特に制限されず、結着用樹脂、着色剤などの他の成分の種類および含有量、作製しようとするトナーに要求される特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択することができるけれども、好ましくは、結着用樹脂100重量部に対して、5重量部以上10重量部以下である。離形剤の配合量が5重量部未満であると、低温定着性および耐ホットオフセット性の向上効果が充分に発揮されない恐れがある。離形剤の配合量が10重量部を超えると、樹脂混練物中における離形剤の分散性が低下し、均一な特性を有するトナーが得られない可能性がある。また、トナーが感光体などの静電荷像を担持する像担持体の表面に皮膜状に融着するフィルミングと呼ばれる現象が発生しやすくなる恐れがある。
樹脂混練物は、たとえば、前述の結着用樹脂および着色剤の適量、ならびに前述の帯電制御剤などの各種添加剤を添加する場合にはその添加剤の適量を、混合機で乾式混合した後、結着用樹脂の軟化温度以上、熱分解温度未満の温度、具体的には80〜200℃程度、好ましくは100〜150℃程度に加熱して溶融混練することによって得ることができる。なお結着用樹脂、着色剤などのトナー組成物は、乾式混合することなく、そのまま溶融混練されてもよい。しかしながら、本実施態様のように乾式混合した後に溶融混練を行なう方が、結着用樹脂への着色剤などの各成分の分散性を向上させ、得られるトナーの帯電性能などの特性を一層均一にすることができるので好ましい。
乾式混合に用いられる混合機としては、公知の混合機を使用することができ、たとえば、ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサー(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。溶融混練には、ニーダー、二軸押出機、二本ロールミル、三本ロールミル、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を用いることができ、このような混練機としては、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーディックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機などが挙げられる。溶融混練は、複数の混練機を用いて行なっても構わない。
このようにして得られる樹脂混練物の軟化温度は、たとえば80℃以上150℃以下であり、好ましくは100℃以上130℃以下である。また樹脂混練物は、後述するステップs3の造粒工程において分散剤含有水性媒体が加熱される温度(以後、「造粒温度」とも称する)における損失弾性率G”が、10Pa以下であることが好ましい。この理由については後述する。造粒温度における樹脂混練物の軟化温度および溶融粘度は、たとえば、樹脂混練物に含まれる各成分の種類および混合割合などを適宜選択することによって調整することができる。
[水性媒体調製工程]
ステップs2の水性媒体調製工程では、分散剤および水を含有する水性媒体(以後、「分散剤含有水性媒体」と称する)を調製する。分散剤含有水性媒体中において、分散剤は、水に溶解した状態であっても、分散された状態であってもよいが、後述するステップs3の造粒工程における樹脂混練物の造粒を効率的に行なうためには、水に溶解した状態であることが好ましい。すなわち、分散剤としては、水に溶解する物質を用いることが好ましい。水に溶解しない物質を分散剤として用いた場合、樹脂混練物と分散剤含有水性媒体との混合物中に分散剤が固体として存在するので、造粒工程において分散剤が沸騰石と同様に働き、分散剤表面に微小な気泡が発生し、この気泡が活性点になって発泡が起こり、撹拌装置内部全体の撹拌の流れ、ひいては樹脂混練物への剪断が阻害され、造粒できなくなる恐れがある。分散剤として水に溶解する物質を用いることによって、造粒工程において分散剤から気泡が発生することを防ぐことができるので、樹脂混練物の造粒を効率的に行なうことができる。また、水に溶解する物質は、後述するステップs6の洗浄工程において容易に除去することができるので、得られたトナーへの分散剤の残留を防ぐことができるという利点も有する。
水に溶解可能な分散剤としては、たとえば、水溶性高分子化合物、界面活性剤などが挙げられる。水溶性高分子化合物としては、たとえば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体などのスチレン−ビニルカルボン酸系共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体アンモニウム塩、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体アンモニウム塩などのスチレン−ビニルカルボン酸系共重合体塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシセルロースなどが挙げられる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤のいずれを用いてもよく、具体例としては、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなどが挙げられる。分散剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
前述の水に溶解可能な分散剤の中でも、水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、その中でもスチレン−ビニルカルボン酸系共重合体が好適に用いられる。界面活性剤を用いる場合、ステップs3の造粒工程において混合物の泡立ちが生じ、樹脂混練物の造粒が阻害される恐れがある。分散剤として水溶性高分子化合物を用いることによって、界面活性剤を用いた場合のような泡立ちを防ぎ、ステップs3の造粒工程における樹脂混練物の造粒をより効率的に行なうことができる。
水溶性高分子化合物は、重量平均分子量が5000以上50000以下であることが好ましく、5000以上20000以下であることがさらに好ましい。水溶性高分子化合物の重量平均分子量が5000未満であると、水溶性高分子化合物中に未反応のモノマーが残存する場合があり、分散剤として充分に機能しない恐れがある。水溶性高分子化合物の重量平均分子量が50000を超えると、水溶性が悪くなり、樹脂混練物の造粒が阻害される恐れがある。ここで、水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(略称GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
分散剤含有水性媒体中における分散剤の含有量、すなわち分散剤の濃度は、特に制限されず、広い範囲から適宜選択することができるけれども、樹脂混練物と分散剤含有水性媒体との混合の際の操作性、造粒された着色剤含有樹脂粒子の分散安定性などを考慮すると、室温(25℃程度)の分散剤含有水性媒体中において、分散剤含有水性媒体全量の5重量%以上40重量%以下であることが好ましい。分散剤の濃度が5重量%未満であると、後述するステップs3の造粒工程において樹脂混練物に対する分散剤の好適な使用割合を実現するために多量の分散剤含有水性媒体が必要になるので、樹脂混練物と分散剤含有水性媒体との混合操作が煩雑になる。分散剤の濃度が40重量%を超えると、分散剤含有水性媒体の粘度が高くなり、気泡が発生しやすくなるので、樹脂混練物の造粒が阻害される恐れがある。
分散剤含有水性媒体は、たとえば、前述の分散剤の適量を、水に溶解または分散させることによって調製することができる。水としては、導電率が20μS/cm以下である水を用いることが好ましい。導電率が前記範囲内にある水は、たとえば、活性炭法、イオン交換法、蒸留法、逆浸透法などによって調製することができる。また、これらの方法のうち、2種以上を組合せて導電率が前記範囲内にある水を調製してもよい。また、市販の純水製造装置、たとえば野村マイクロ・サイエンス株式会社製のミニピュアTW−300RU(商品名)などを用いて調製することもできる。
[造粒工程]
ステップs3の造粒工程では、ステップs1の混練によって得た樹脂混練物と、ステップs2で調製した分散剤含有水性媒体とを混合した後、得られた混合物中の分散剤含有水性媒体を予め定める設定温度に加熱するとともに混合物を撹拌することによって、樹脂混練物を造粒し、分散剤含有水性媒体中にトナー粒子である着色剤含有樹脂粒子を生成させる。本実施態様では、樹脂混練物を造粒するための混合物の加熱および撹拌は、図2および図3に示す撹拌装置1を用いて行なわれる。
図2は、本実施態様によるトナーの製造に好適に用いられる撹拌装置1の構成を簡略化して示す部分断面図である。図3は、図2に示すスクリーン4の部分を拡大して示す図である。図3は、図2に示す切断面線I−Iを含む仮想平面における部分断面図である。図3では、図2に示すヒータ13は、図面が錯綜して理解が困難になるので、記載を省略する。また図3では、図2に示す容器2を簡略化して記載する。撹拌装置1は、基本的に、樹脂混練物と分散剤含有水性媒体との混合物を収容する容器2の内方に設けられ、容器2内の空間を混合物が撹拌される撹拌空間3aと撹拌空間外の空間3bとに分ける撹拌空間形成部材であるスクリーン4と、撹拌空間3aに収容される混合物を撹拌する撹拌手段であるロータ5とを含んで構成される。
容器2は、耐圧性を有しかつ外部との熱の授受が遮断されるように形成される。容器2には、図示しない圧力調整弁が設けられる。圧力調整弁によって容器2内の圧力を調整することができる。
ロータ5は、軸線6まわりに回転可能な回転軸部材7と、回転軸部材7の外周面部に設けられ、回転軸部材7の半径方向外方に延びる羽根部材8とを含む。本実施形態において回転軸部材7は、円柱形状に形成される。回転軸部材7は、図示しない駆動手段によって、回転軸線6まわりに矢符Aで表される周方向一方に回転駆動される。
羽根部材8は、回転軸部材7の軸線方向一方に向かうにつれて回転軸部材7の周方向一方に向かって延びるように形成され、回転軸部材7の回転に伴って矢符Aで表される周方向一方に回転される。また羽根部材8の周方向一方側の表面部は、曲面状に形成され、回転軸部材7に固定される基端部8aから遊端部8bに向かうにつれて回転軸線6との成す角度が大きくなっている。本実施形態においてロータ5は、複数の羽根部材8を有し、複数の羽根部材8は、回転軸部材7の周方向に一定の間隔を空けて離隔して設けられる。回転軸部材7および羽根部材8は、たとえばステンレス鋼などの剛性材料によって一体的に形成される。
ロータ5によれば、回転軸部材7を回転軸線6まわりに矢符A方向である周方向一方に回転させることによって、羽根部材8を周方向一方に回転させ、撹拌空間3aに収容される混合物を撹拌することができる。
スクリーン4は、ロータ5の羽根部材8を取囲むように、羽根部材8から離隔して設けられる。スクリーン4は、たとえばステンレス鋼などの剛性材料によって形成される。スクリーン4の形状は、スクリーン4と羽根部材8との間隔Dが、羽根部材8の回転方向全周にわたって一定になり、かつ回転軸部材7の軸線方向全体にわたって一定になるように、羽根部材8の形状に応じて選択される。本実施形態では、ロータ5の羽根部材8が回転軸部材7の軸線方向一方に向かうにつれて回転軸部材7の周方向一方に向かって延びるように形成されているので、スクリーン4は、ロータ5の回転軸部材7の軸線方向他方に向かうにつれて断面積が小さくなるような截頭円錐筒状に形成される。ここで、スクリーン4と羽根部材8との間隔Dとは、スクリーン4と羽根部材8との最短距離のことである。スクリーン4と羽根部材8との間隔Dは、特に制限されるものではない。
スクリーン4には、撹拌空間3aと撹拌空間外の空間3bとを連通させる混合物吐出孔9が形成されている。なお図2では、図が錯綜して理解が困難になるので、混合物吐出孔9を線で表している。本実施形態において混合物吐出孔9は、ロータ5の回転軸部材7の回転軸線6を含む仮想平面に略平行に延びるスリット状に形成されている。ここで、用語「略平行」とは「平行」を含む。
混合物吐出孔9は、第1混合物吐出孔9aと、第1混合物吐出孔9aよりも長手方向の長さが大きい第2混合物吐出孔9bとを含む。本実施の形態において第1混合物吐出孔9aは、複数個がスクリーン4の周方向に離隔して形成されている。また第2混合物吐出孔9bは、複数個がスクリーン4の周方向に離隔して形成されている。本実施形態では、第1混合物吐出孔9aは、第2混合物吐出孔9bよりも多数が形成され、一定の間隔を空けて形成される第2混合物吐出孔9b同士の間に、複数の第1混合物吐出孔9aが一定の間隔を空けて離隔して形成されている。第1混合物吐出孔9aおよび第2混合物吐出孔9bの幅は、特に制限されるものではない。
スクリーン4は、ロータ5の回転軸部材7の軸線方向に延びるように設けられるスクリーン支持体12によって回転可能に支持される。本実施形態においてスクリーン4は、回転軸線方向一方側の端部がスクリーン支持体12に嵌合可能に形成され、スクリーン支持体12に嵌合されて支持される。
スクリーン支持体12は、スクリーン4に嵌合される先端部寄りの部分が筒状に形成される。スクリーン支持体12の筒状に形成される部分(以後、筒状部と称する)12aは、本実施形態では円筒状に形成される。スクリーン支持体12の筒状部12aは、スクリーン4によって区画される撹拌空間外の空間3bをさらに区画する。スクリーン支持体12の筒状部12aには、筒状部12aの内方の空間と筒状部12aの外方の空間とを連通させる混合物供給孔12bが形成されている。撹拌空間外の空間3bに収容される混合物は、ロータ5の羽根部材8の回転によって、混合物供給孔12bを通して筒状部12aの内方の空間に流入し、撹拌空間3aに流入する。
またスクリーン4は、回転軸線方向他方側の端部が嵌合可能に形成され、ロータ5の回転軸部材7の軸線方向に延びるように設けられるスクリーン回転軸部材10に嵌合されて支持される。スクリーン回転軸部材10は、ロータ5の回転軸部材7の回転軸線6に略平行な軸線11まわりに回転可能に設けられ、図示しない駆動手段によって回転軸線11まわりに回転駆動される。スクリーン4は、スクリーン回転軸部材10の回転駆動によって回転軸線11まわりに回転される。本実施形態では、スクリーン4の回転軸線11は、回転軸部材7の回転軸線6に略一致する。ここで、用語「略一致」とは「一致」を含む。またスクリーン4は、回転軸線11まわりに、ロータ5の回転軸部材7の回転方向Aと逆方向、すなわち矢符Bで表される周方向他方に回転される。
撹拌装置1は、ロータ4の回転軸部材7の軸線方向他方が鉛直方向に一致するように設置されて使用される。撹拌装置1は、さらに、容器2に収容される混合物を加熱する加熱手段であるヒータ13と、容器2に収容される水性媒体の温度を測定する温度測定手段である温度計14と、制御手段15とを含む。ヒータ13は、たとえばロータ5の回転軸部材7の回転方向一方に巻回されるコイルによって実現される。温度計14は、容器2の内方に突出するように設けられる。制御手段15は、撹拌装置1の各部の動作を制御する。具体的には、制御手段15はヒータ13の動作を制御する。制御手段14には温度計14の出力が与えられる。制御手段15は、温度計14の出力結果に基づいてヒータ15の動作を制御する。制御手段15は、たとえばマイクロコンピュータによって実現される。また撹拌装置1には、容器2の開口部を覆うようにメカニカルシール16が設けられる。メカニカルシール16を設けることによって、容器2を密閉状態にすることができる。
図2に示す撹拌装置1は、分散機または乳化機として市販されており、市販品としては、たとえばエム・テクニック株式会社製のクレアミックス(商品名)などが挙げられる。
本実施態様による造粒工程は、具体的には撹拌装置1を用いて以下のように行なわれる。まず、撹拌装置1の容器2に、樹脂混練物および分散剤含有水性媒体を投入する。投入された樹脂混練物および分散剤含有水性媒体は、スクリーン4によって形成される撹拌空間3aおよび撹拌空間外の空間3bに収容される。
樹脂混練物および分散剤含有水性媒体は、別々に容器2に投入されてもよいけれども、予め混合されて混合物として容器2に投入されることが好ましい。これによって、混合物の均一性を高めることができるので、粒径分布の幅が狭く、均一な粒径を有する着色剤含有樹脂粒子を容易に造粒することができる。樹脂混練物としては、結着用樹脂、着色剤などのトナー組成物を溶融混練したものを溶融状態のまま用いてもよいし、溶融混練後に冷却して得た固化物をそのまま、または再度加熱して溶融状態に戻したものを用いてもよい。
次いで、メカニカルシール16によって容器2内を密閉状態とし、ヒータ13による混合物の加熱を開始するとともに、ロータ5の回転軸部材7およびスクリーン4の回転駆動を開始する。本実施態様では、スクリーン4は、ロータ5の回転軸部材7の回転方向と逆方向に回転される。撹拌空間3aでは、ロータ5の回転軸部材7の回転駆動に伴って羽根部材8が回転され、これによって混合物が撹拌され、混合物に運動エネルギが付与される。撹拌空間3aで撹拌されて運動エネルギを得た混合物は、スクリーン4の混合物吐出孔9が形成される混合物吐出孔部では混合物吐出孔9を通して撹拌空間外の空間3bに吐出され、スクリーン4の混合物吐出孔部以外の部分では撹拌空間外の空間3bに吐出されず、スクリーン4に衝突する。このため、撹拌空間外の空間3bに吐出される混合物の流れは、スクリーン4の混合物吐出孔部以外の部分で遮断され、断続的な流れとなる。すなわち、撹拌装置1では、撹拌空間3aに収容される混合物をロータ5で撹拌することによって、混合物吐出孔9を通して混合物を断続的に撹拌空間外の空間3bに吐出させることができる。
このように撹拌空間3aに収容される混合物を撹拌空間外の空間3bに断続的に吐出させることによって、混合物吐出孔9から撹拌空間外の空間3bに吐出される混合物と撹拌空間3aに残留する混合物との間に剪断力を生じさせることができる。特に本実施態様では、ロータ5の羽根部材8は、回転軸部材7の軸線方向一方に向かうにつれて回転軸部材7の周方向一方に向かって延びるように形成されており、スクリーン4の混合物吐出孔9は、回転軸部材7の回転軸線6を含む仮想平面に略平行に延びるように形成されているので、強力な剪断力を生じさせることができる。また、混合物吐出孔9から吐出された混合物は、撹拌空間外の空間3bにもともと収容されていた混合物に衝突するので、混合物吐出孔9から吐出された混合物と、もともと撹拌空間外の空間3bに収容されていた混合物との間に衝突力を生じさせることができる。
混合物はヒータ13によって加熱されているので、混合物中の樹脂混練物は軟化状態にあり、混合物吐出孔9から吐出される際に生じる剪断力と衝突力とによって解砕されて造粒される。撹拌空間外の空間3bに吐出された混合物は、ロータ5の回転によって容器2の内表面部に沿って流動し、再度スクリーン支持体12の混合物供給孔12bおよび筒状部12aの内方の空間を通して撹拌空間3aに流入する。このように混合物を循環させて撹拌することによって、樹脂混練物を繰返し解砕することができる。このようにして樹脂混練物は解砕されて分散剤含有水性媒体中に分散される。これによって、分散剤含有水性媒体中にトナー粒子である着色剤含有樹脂粒子が生成される。
このように本実施態様では、混合物吐出孔9から混合物が吐出される際に剪断力および衝突力を生じさせることができるので、混合物中の樹脂混練物を容易に解砕することができる。よって、たとえば水性媒体の設定温度を樹脂混練物の軟化温度よりも低くした場合であっても、樹脂混練物を造粒することができる。すなわち本実施態様では、樹脂混練物の造粒性を低下させることなく、水性媒体の設定温度を低下させることができる。これによって、造粒工程において、樹脂混練物に含まれる着色剤、帯電制御剤および離形剤などの各成分の凝集が生じることを防ぐことができるので、これらの成分の分散状態を、混練工程で樹脂混練物を調製したときの状態に維持することができる。また、樹脂混練物からの各成分の脱離を防止することができるので、トナー粒子である着色剤含有樹脂粒子の組成が樹脂混練物の組成から変化することを防ぐことができる。したがって、所望の特性を有するトナーを安定して製造することができる。また、造粒工程における水性媒体の設定温度を低下させることができることは、ヒータ13による水性媒体の加熱に要するエネルギおよび後述する冷却工程における水性媒体の冷却に要するエネルギの低減にもつながり、消費電力量を削減することができるという点においても好ましい。
樹脂混練物の造粒をより確実に行なうためには、ロータ5の羽根部材8の回転周速度(以後、単に「周速度」とも称する)は、3.7m/sを超えることが好ましい。これによって、撹拌空間3aにおいて羽根部材8の回転によって混合物に付与される運動エネルギを好適なものとすることができるので、混合物吐出孔9から混合物が吐出される際に、混合物中の樹脂混練物を解砕するのに充分な剪断力および衝突力を混合物に生じさせることができる。よって、樹脂混練物の造粒をより確実に行なうことができる。以後、羽根部材の周速度をロータの周速度ということがある。
羽根部材8の周速度が3.7m/s以下であると、混合物吐出孔9から吐出される際に生じる剪断力および衝突力が不足して樹脂混練物の造粒が困難になる可能性がある。また、所望の粒径および粒度分布を有する粒子を造粒するために必要な時間が増加し、生産性が低下する恐れがある。
羽根部材8の周速度の上限は特に制限されないけれども、羽根部材8の周速度は、40m/s以下であることが好ましい。羽根部材8の周速度が40m/sを超えると、回転軸部材7および羽根部材8の回転運動による発熱量が大きくなり、撹拌空間3aにおいて水性媒体がヒータ13による加熱温度以上の温度に加熱される恐れがある。このため、容器2内の水性媒体の温度調整が困難になり、造粒工程における水性媒体の加熱温度を低下させることによって樹脂混練物中の各成分の分散性および組成の変化を抑えることができるという本発明の効果を充分に発揮させることができなくなる可能性がある。
また本実施態様では、スクリーン4とロータ5の回転軸部材7とは逆方向に回転されるので、スクリーン4とロータ5の羽根部材8とは逆方向に回転される。よって、スクリーン4が静止している場合およびスクリーン4と羽根部材8とが同方向に回転される場合に比較して、混合物吐出孔9から吐出される混合物の流れが遮断される頻度を高めることができる。これによって、混合物吐出孔9から吐出される際に混合物に付与される剪断力および衝突力を高めることができるので、樹脂混練物をより効率的に造粒することができる。したがって、体積平均粒径がたとえば3〜8μm程度と小さい着色剤含有樹脂粒子をより容易に生成させることができる。
ロータ5の回転軸部材7の回転数に対するスクリーン4の回転数の比率(スクリーン4の回転数/回転軸部材7の回転数)は、0.50以上であることが好ましい。これによって、混合物吐出孔9から吐出される混合物の流れが遮断される頻度を好適なものとし、混合物に対して樹脂混練物の造粒に好適な剪断力および衝突力を付与することができる。回転軸部材7の回転数に対するスクリーン4の回転数の比率が0.50未満であると、スクリーン4を回転させることによる効果が充分に発揮されず、所望の粒径および粒度分布を有する着色剤含有樹脂粒子を得ることが困難になる可能性がある。
回転軸部材7の回転数に対するスクリーン4の回転数の比率(スクリーン4の回転数/回転軸部材7の回転数)の上限は特に制限されるものではないけれども、撹拌装置1を安定して動作させるという観点からは、回転軸部材7の回転数に対するスクリーン4の回転数の比率は、0.95以下であることが好ましい。混合物吐出孔9から混合物が吐出される際に生じる剪断力および衝突力は、ロータ5の羽根部材8によって混合物に付与される運動エネルギが大きいほど、大きくなるので、ロータ5の羽根部材8の周速度を規定する回転軸部材7の回転数は、大きいほど好ましい。よって、スクリーン4の回転数を回転軸部材7の回転数よりも大きくする、すなわち回転軸部材7の回転数に対するスクリーン4の回転数の比率を、1.00を超える値にすることは効率的でない。また、回転軸部材7の回転数に対するスクリーン4の回転数の比率が0.95を超えると、ロータ5およびスクリーン4を安定して回転させることができず、ロータ5またはスクリーン4が支持体から脱離する可能性がある。したがって、回転軸部材7の回転数に対するスクリーン4の回転数の比率は、0.95以下であることが好ましい。
造粒工程における水性媒体の設定温度、すなわち造粒温度は、混合物に含まれる樹脂混練物の軟化温度Tm(℃)から20℃を減算した値(Tm−20[℃])以上であることが好ましい。造粒温度が、樹脂混練物の軟化温度Tm(℃)から20℃を減算した値(Tm−20[℃])よりも小さいと、樹脂混練物が充分に軟化されず、造粒が困難になる恐れがある。また、所望の粒径および粒度分布を有する着色剤含有樹脂粒子(トナー粒子)を生成させるのに要する時間が増加し、生産性が低下する可能性がある。造粒温度は、樹脂混練物の軟化温度Tm(℃)から20℃を減算した値(Tm−20[℃])以上であれば、小さいほど好ましい。ただし、造粒温度は、樹脂混練物に含まれる結着用樹脂などの各成分が熱分解されないように、樹脂混練物の熱分解温度未満に選択される。ここで、樹脂混練物の熱分解温度とは、樹脂混練物に含まれる各成分の熱分解温度のうち、最も低い値のことである。
また、樹脂混練物の造粒をより確実に行なうためには、造粒温度における樹脂混練物の損失弾性率G”は、前述のように10Pa以下であることが好ましい。換言すると、造粒温度は、樹脂混練物の損失弾性率G”が10Pa以下になるように選択されることが好ましい。造粒温度における樹脂混練物の損失弾性率G”が10Paを超えると、造粒が困難になる可能性がある。また、所望の粒径および粒度分布を有するトナー粒子を造粒するために要する時間が増加し、生産性が低下する恐れがある。
造粒温度における樹脂混練物の溶融粘度の下限は、特に制限されるものではないが、樹脂混練物が軟化しすぎて、樹脂混練物中に分散された着色剤、帯電制御剤、離形剤などの各成分の凝集が起こり、分散性が低下する恐れや、樹脂混練物中に含まれる成分の脱離が生じ、得られる着色剤含有樹脂粒子の組成が、混練工程で調製されたときの樹脂混練物の組成から変化する恐れがあるため、低すぎないことが好ましい。
ここで、損失弾性率G”とは、動的粘弾性測定によって測定される複素弾性率Gの虚数部のことである。
撹拌装置1による水性媒体の加熱および混合物の撹拌は、容器2内を加圧状態にして行なうことが好ましい。これによって、水性媒体中に含まれる水の沸点を下げることができるので、水性媒体を沸騰させることなく、100℃以上に加熱することができる。したがって、気泡の発生による剪断力および衝突力の低下を防ぎ、樹脂混練物の造粒をより効率的に行なうことができる。容器2内の圧力は、容器2に設けられる図示しない圧力調整弁によって調整することができる。容器2内の圧力は、たとえば0.1MPa(約1atm)以上1MPa(約10atm)以下である。ここで、加圧状態とは、大気圧(1atm)よりも圧力が高い状態のことである。
ただし、容器2内の圧力が高くなりすぎると、混合物中で発生した気泡が消失せずに圧力で微細化されて系内に封じ込められ、樹脂混練物の造粒が阻害される恐れがあるので、容器2内の圧力は、所望の造粒温度において混合物の沸騰を抑えることのできる最小限の圧力であることが好ましい。よって、容器2内の圧力は、水性媒体の加熱温度、すなわち造粒温度に応じて適宜選択される。たとえば、造粒温度が120℃である場合、容器2内の圧力は0.2MPa(約2atm)程度に調整される。なお、造粒温度が100℃未満である場合には、容器2内は加圧されなくてもよい。
また、本実施態様では、バッチ式で造粒を行なうので、連続式で造粒を行なう場合に比べて、容器2内の混合物の温度、ひいては水性媒体の温度をより厳密に制御することができる。したがって、樹脂混練物の造粒をより効率的に行なうことができる。また、所望の特性を有するトナーをより安定して製造することができる。
撹拌装置1による混合物の撹拌時間は、特に制限されず、ロータ5の回転数、スクリーン4の回転数、樹脂混練物中の結着用樹脂の種類および使用量、分散剤含有水性媒体中の分散剤の種類および濃度、水性媒体の加熱温度(造粒温度)などに応じて、広い範囲から適宜選択することができる。
分散剤含有水性媒体の使用量は、分散剤の濃度に応じ、分散剤の使用量が樹脂混練物100重量部に対して5重量部以上200重量部以下になるように選択されることが好ましい。分散剤の使用量が5重量部未満であると、生成される着色剤含有樹脂粒子の粗大化を充分に防止することができず、得られるトナー粒子の粒子径および粒度分布幅が大きくなる恐れがある。分散剤の使用量が200重量部を超えると、分散剤含有水性媒体の粘度が高くなり過ぎて、生成された着色剤含有樹脂粒子を分散剤含有水性媒体中に安定に分散させることができなくなる恐れがある。
また、樹脂混練物との混合操作、後述する着色剤含有樹脂粒子の洗浄操作および単離操作などを効率良く実施するという観点から、分散剤含有水性媒体は、樹脂混練物100重量部に対して100重量部以上2000重量部以下の割合で使用されることが好ましい。すなわち、分散剤含有水性媒体における分散剤の濃度は、前述の樹脂混練物に対する分散剤の好適な使用割合および分散剤含有水性媒体の好適な使用割合を満足するように決定されることが好ましい。
以上に述べた本実施態様では、撹拌空間3a内の混合物を撹拌する撹拌手段として、回転運動を利用して混合物を撹拌する撹拌手段であるロータ5を用いる。撹拌手段としては、これに限定されず、たとえば往復運動または揺動運動を利用して混合物を撹拌する撹拌手段を用いてもよいけれども、本実施態様のように回転運動を利用して混合物を撹拌する撹拌手段を用いることが好ましい。これによって、撹拌空間3a内の混合物を均一に撹拌し、撹拌空間外の空間3aに順次吐出させることができるので、撹拌空間3a内に残留する混合物が生じることを防ぐことができる。よって、容器2に収容される混合物全体にわたって樹脂混練物を均一に分散させることができるので、着色剤含有樹脂粒子の粒径分布の広がりを抑えることができる。したがって、帯電性能などのばらつきのない静電荷像現像用トナーとして好適なトナーを得ることができる。
また本実施態様では、ロータ5の羽根部材8は、周方向一方側の表面部が曲面状に形成され、回転軸部材7に固定される基端部8aから遊端部8bに向かうにつれて回転軸線6との成す角度が大きくなっているけれども、羽根部材8の構成はこれに限定されるものではない。たとえば、羽根部材は、周方向一方側の表面部が平面状に形成され、回転軸部材7に固定される基端部8aから遊端部8bに向かって回転軸線6と一定の角度を成していてもよい。しかしながら、本実施態様のように周方向一方側の表面部が曲面状に形成される羽根部材8を有するロータ5を用いる方が好ましい。周方向一方側の表面部が曲面状に形成される羽根部材8を有するロータ5は、周方向一方側の表面部が平面状に形成される羽根部材を有するロータに比べ、鉛直上方から下方に向かって混練物を押出そうとする力が大きく、混練物に対してより大きな剪断力を与えることができるので、ロータ5を用いる方が、混練物の造粒をより容易に行なうことができる。
また本実施態様では、混合物吐出孔9はスリット状に形成される。混合物吐出孔9の形状は、スリット状に限定されるものではなく、たとえば円形状または正方形状であってもよいけれども、本実施態様のようにスリット状であることが好ましい。混合物吐出孔9をスリット状に形成することによって、樹脂混練物を細かく解砕することができるので、たとえば体積平均粒径が3〜8μm程度と小さいトナー粒子を容易に得ることができる。また、撹拌空間3aから混合物を安定して吐出させることができるので、樹脂混練物の造粒を効率的に行なうことができる。
また本実施態様では、スクリーン4を回転させて混合物の撹拌を行なうけれども、スクリーン4は回転させなくてもよい。しかしながら、本実施態様のようにスクリーン4を回転させて混練物の撹拌を行なう方が、樹脂混練物に対してより大きな剪断力を与えることができ、樹脂混練物の造粒をより容易に行なうことができるので好ましい。
以上のようにして、樹脂混練物と分散剤含有水性媒体との混合物を加熱および撹拌して樹脂混練物を造粒することによって、混合物中にトナー粒子である着色剤含有樹脂粒子を生成させ、ステップs4に進む。
[冷却工程]
ステップs4の冷却工程では、造粒された着色剤含有樹脂粒子を含有する混合物(以後、水性スラリーとも称する)を冷却する。水性スラリーの冷却は、ステップs3の造粒工程において着色剤含有樹脂粒子を生成させた後に、加熱を停止して、冷媒を用いて強制的に冷却する強制冷却またはそのまま放冷する自然冷却によって行なわれることが好ましい。たとえば、前述の図2に示す撹拌装置1の容器2内の混合物を冷却する冷却手段を設けることによって、造粒工程に引続いて冷却工程を行なうことができる。
造粒工程では、樹脂混練物と分散剤含有水性媒体との混合物中の分散剤含有水性媒体を加熱して、樹脂混練物を溶融状態にすることによって造粒するので、生成された直後の着色剤含有樹脂粒子は、溶融状態にあり、粘着性を有する。この状態では、着色剤含有樹脂粒子同士が付着し合って粗大化しやすいけれども、本実施態様では、前記混合物中には、着色剤含有樹脂粒子とともに分散剤が含まれているので、着色剤含有樹脂粒子は分散剤によって安定化されており、分散剤含有水性媒体中に均一に分散されている。よって、冷却工程では、着色剤含有樹脂粒子の粗大化は発生せず、着色剤含有樹脂粒子は、分散剤含有水性媒体中に均一に分散された状態で、形状および大きさを保持したまま冷却させることができる。したがって、体積平均粒子径がたとえば3〜8μm程度と小さく、かつ粒度分布が狭く、均一な形状および大きさを有するトナー粒子を得ることができる。
混合物(水性スラリー)の冷却は、撹拌下に行なうことが好ましい。混合物を撹拌せずに冷却すると、分散剤含有水性媒体の温度が樹脂混練物の軟化温度Tm以上の温度であるときに、分散剤による分散安定効果が充分に発揮されず、着色剤含有樹脂粒子同士が互いに融着する恐れがある。よって、冷却工程においても、混合物(水性スラリー)の撹拌を継続することが好ましい。
また、分散剤含有水性媒体の加熱温度を100℃以上として加圧下で樹脂混練物の造粒を行なった場合には、冷却工程においても加圧を継続することが好ましい。分散剤含有水性媒体の温度が100℃以上であるときに、加圧を停止して容器2内の圧力を大気圧に戻すと、水性スラリーが沸騰し、気泡が多数発生するので、その後の処理が困難になる。容器2内の圧力は、容器2内の混合物の温度が50℃以下になったときに大気圧に戻すことが好ましく、容器2内の混合物が室温(25℃程度)まで冷却された後に大気圧に戻すことがさらに好ましい。
[分離工程]
ステップs5の分離工程では、冷却後の分散剤含有水性媒体中から、着色剤含有樹脂粒子を分離し、回収する。分散剤含有水性媒体中からの着色剤含有樹脂粒子の分離は公知の方法に従って実施でき、たとえば、濾過、吸引濾過、遠心分離などによって行なうことができる。
[洗浄工程]
ステップs6の洗浄工程では、分散剤含有水性媒体中から分離された着色剤含有樹脂粒子の洗浄を行なう。着色剤含有樹脂粒子の洗浄は、分散剤および分散剤などに由来する不純物類を除去するために実施される。分散剤および前記不純物類がトナー粒子に残留すると、得られるトナー粒子の帯電性能が不安定になり、また空気中の水分の影響によって帯電性が低下する恐れもある。
着色剤含有樹脂粒子の洗浄は、たとえば水洗などによって行なうことができる。着色剤含有樹脂粒子の水洗は、導電率計などを用い、着色剤含有樹脂粒子を洗浄した後の洗浄水の導電率が100μS/cm以下、好ましくは10μS/cm以下になるまで繰返し行なうことが好ましい。これによって、分散剤および不純物類の残留をより確実に防ぎ、トナー粒子の帯電量をさらに均一にすることができる。
水洗に用いる水は、導電率20μS/cm以下の水であることが好ましい。このような水は、たとえば、活性炭法、イオン交換法、蒸留法、逆浸透法などによって調製することができる。また、これらの方法のうち、2種以上を組合せて水を調製してもよい。着色剤含有樹脂粒子の水洗は、バッチ式および連続式のいずれで実施してもよい。また洗浄水の温度は特に制限されないけれども、10〜80℃の範囲が好ましい。
なお、ステップs6の洗浄工程は、ステップs5の分離工程の前に行なわれてもよい。この場合には、たとえば、冷却後の混合物中に含まれる着色剤含有樹脂粒子を水洗することによって着色剤含有樹脂粒子の洗浄を行なうことができる。着色剤含有樹脂粒子の水洗は、導電率計などを用い、混合物から遠心分離などによって分離される上澄み液の導電率が100μS/cm以下、好ましくは10μS/cm以下になるまで繰返し行なうことが好ましい。これによって、分散剤および不純物類の残留をより確実に防ぎ、トナー粒子の帯電量をさらに均一にすることができる。
[乾燥工程]
ステップs7の乾燥工程では、洗浄後の着色剤含有樹脂粒子を乾燥させる。トナー粒子である着色剤含有樹脂粒子の乾燥は、凍結乾燥法、気流式乾燥法などの公知の方法に従って実施できる。
このようにして得られるトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができる。また、このトナー粒子に表面改質剤などの外添剤を外添して、トナー粒子の表面改質を行なうこともできる。表面改質剤としては、シリカ、酸化チタンなどの金属酸化物粒子などが挙げられる。また、これらの表面改質剤に、たとえばシランカップリング剤などによって疎水化などの表面改質処理を施したものを用いることもできる。トナー粒子に対する外添剤の使用割合は特に制限されないけれども、トナー粒子100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下であることが好ましく、1重量部以上5重量部以下であることがさらに好ましい。
以上のようにして、トナー粒子またはトナー粒子と外添剤とを含む組成物からなるトナーが得られる。このようにしてトナーが作製されると、ステップs7からステップs8に移行し、本実施態様によるトナーの製造が終了する。本実施態様によるトナーの製造方法を用いてトナーを製造することによって、分級を行なわなくても、体積平均粒子径がたとえば3〜8μm程度と小さく、かつ粒度分布の狭いトナーを得ることができる。
本発明のトナーの製造方法によって得られるトナーは、電子写真法、静電記録法などによる画像形成における静電荷像の現像、磁気記録法などによる画像形成における磁気潜像の現像などに使用することができる。特に、本発明のトナーの製造方法によって得られるトナーは、粒度分布が狭く、帯電性能にばらつきがないので、静電荷像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーとして好適に用いることができる。本発明によるトナーを用いることによって、トナーの帯電量のばらつきを抑え、画像濃度の低下、白地かぶりなどの発生を抑え、これらの画像欠陥のない高品質の画像を形成することができる。本発明によるトナーは、一成分系現像剤または二成分系現像剤として使用することができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
〔水の調製〕
以下の実施例および比較例において、分散剤含有水性媒体の調製および着色剤含有樹脂粒子(トナー粒子)の洗浄には、導電率1μS/cmのイオン交換水を用いた。このイオン交換水は、超純水製造装置(商品名:ミニピュア TW−300RU、野村マイクロ・サイエンス株式会社製)を用いて水道水から調製した。イオン交換水の導電率は、ラコムテスター EC−PHCON10(商品名、株式会社井内盛栄堂製)を用いて測定した。
〔結着用樹脂のピークトップ分子量および分子量分布指数(Mw/Mn)〕
結着用樹脂ピークトップ分子量および分子量分布指数(Mw/Mn)は、以下のようにして測定した。GPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)を用い、温度40℃において、試料の0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液を試料溶液とし、試料溶液の注入量を100mLとして、分子量分布曲線を求めた。得られた分子量分布曲線のピークの頂点の分子量をピークトップ分子量として求めた。また得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを求め、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比である分子量分布指数(Mw/Mn;以後、単に「Mw/Mn」とも表記する)を求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
〔結着用樹脂および樹脂混練物の軟化温度〕
結着用樹脂および樹脂混練物の軟化温度は以下のようにして測定した。流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−500C、株式会社島津製作所製)を用い、試料1gをシリンダに挿入し、ダイから押出されるように荷重10kgf/cmを与えながら、昇温速度毎分6℃(6℃/min)で加熱し、ダイから試料の半分が流出したときの温度を軟化温度として求めた。なお、ダイには、口径1mm、長さ1mmのものを用いた。
〔結着用樹脂のガラス転移温度(Tg)〕
結着用樹脂のガラス転移温度(Tg)は以下のようにして測定した。示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
〔結着用樹脂の酸価〕
結着用樹脂の酸価は以下のようにして中和滴定法によって測定した。キシレンとジメチルホルムアミドとの混合溶媒(重量比1:1)50mLに、試料5gを溶解させ、指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴加えた後、0.1モル/Lの水酸化カリウム(KOH)水溶液で滴定を行なった。試料溶液の色が無色から紫色に変化した点を終点とし、終点に達するまでに要した水酸化カリウム水溶液の量と滴定に供した試料の重量とから、酸価(mgKOH/g)を算出した。
〔結着用樹脂のテトラヒドロフラン不溶分〕
結着用樹脂のテトラヒドロフラン(略称THF)不溶分は以下のようにして測定した。試料1gを円筒濾紙に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてテトラヒドロフラン100mLを用いて6時間加熱還流して、試料中のTHFに可溶な成分(以後、THF可溶分と称する)をTHFによって抽出した。抽出されたTHF可溶分を含む抽出液から溶媒を除去した後、THF可溶分を100℃で24時間乾燥し、得られたTHF可溶分の重量W(g)を秤量した。求めたTHF可溶分の重量W(g)と、測定に用いた試料の重量(1g)とから、下記式(1)に基づいて、結着用樹脂中のTHFに不溶な成分であるTHF不溶分の割合P(重量%)を算出した。以下、この割合PをTHF不溶分と称する。
P(重量%)={1(g)−W(g)}/1(g)×100 …(1)
〔樹脂混練物の損失弾性率G”〕
樹脂混練物の損失弾性率G”は、粘弾性測定装置(商品名:レオポリマー、レオロジカル インスツルメント エービー(REOLOGICA Instruments AB)社製)にて、パラレルプレートを用いて以下のようにして測定した。パラレルプレートに試料を挟み、温度150℃で溶融させた後、パラレルプレートの間隔を1.0mmに設定し、歪を0.5、周波数を1Hzとして、温度60℃から200℃まで昇温速度3℃/分で昇温させ、測定温度間隔0.5℃で各温度における損失弾性率G”を測定し、後述する造粒温度における損失弾性率G”を求めた。
〔体積平均粒子径および変動係数〕
着色剤含有樹脂粒子(トナー粒子)の体積平均粒子径(D50)および変動係数(CV)は、粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、コールター株式会社製)を用いて測定した。測定粒子数は50000カウントとし、アパーチャ径は100μmとした。変動係数は、その値が小さいほど、粒度分布が狭いことを意味する。
(実施例1)
[混練工程]
結着用樹脂としてポリエステル樹脂A(ガラス転移温度56.7℃、ピークトップ分子量12500、Mw/Mn=2.5、酸価16、軟化温度102℃、THF不溶分0%)890部と、着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3(商品名:ブルーNo.26、大日精化工業株式会社製)50部と、帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社製)10部と、離形剤としてワックス(商品名:TOWAX161、東亜化成株式会社製)50部とを混合機(商品名:ヘンシェルミキサー、三井鉱山株式会社製)にて3分間混合分散し、原料混合物を得た。次いで、二軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用いて、シリンダ設定温度110℃、バレル回転数300回転/分(300rpm)、原料混合物供給速度20kg/時間の運転条件で、原料混合物を溶融混練し、樹脂混練物Aを調製した。得られた樹脂混練物Aの軟化温度は105℃であった。また、後述する造粒工程での造粒温度である120℃における樹脂混練物の損失弾性率G”は、1.5×10Paであった。
[水性媒体調製工程]
イオン交換水(導電率1μS/cm)に、分散剤として水溶性高分子化合物であるスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体アンモニウム塩(商品名:ジョンクリル61J、ジョンソンポリマー株式会社製、重量平均分子量13000、数平均分子量3700)を固形分濃度が10重量%になるように混合して溶解させ、分散剤含有水性媒体を調製した。分散剤の重量平均分子量および数平均分子量は、結着用樹脂と同様にして測定した。
[造粒工程]
まず、樹脂混練物A 200部と分散剤含有水性媒体(分散剤濃度10重量%)900部とを混合し、前述の図2に示す撹拌装置1に相当する撹拌装置(商品名:クレアミックス、エム・テクニック株式会社製)の容器2に投入した。容器2内の温度計14の温度が表1に示す造粒温度である120℃になるまで、ロータ5の回転数を5000rpm(5000回転/分)、スクリーン4の回転数を4500rpm(4500回転/分)として、撹拌しながら加熱した。温度計14の温度が120℃に達した時点で、ロータ5の回転数を15000rpm(150000回転/分)、スクリーン4の回転数を13500rpm(13500回転/分;ロータ5の回転数に対する比率0.90)に上昇させ、温度計14の温度を120℃に維持しながら10分間撹拌し、分散剤含有水性媒体中に樹脂混練物Aを分散させた着色剤含有樹脂粒子の水分散液を作製した。なお本実施例では、ロータ5として羽根部材の最大外径が35mmのものを用いたので、ロータ5の回転数が15000rpmのときの羽根部材の周速度は27.5m/sとなる。また、スクリーン4とロータ5とは、前述の図3に示すように逆方向に回転させた。
[冷却工程]
前述の造粒工程に引き続き、ヒータ13による加熱を停止し、水分散液を撹拌しながら温度30℃になるまで冷却した。冷却工程におけるロータ5の回転数は8000rpm(8000回転/分)、スクリーン4の回転数は7200rpm(7200回転/分)とした。
[分離工程、洗浄工程および乾燥工程]
冷却した着色剤含有樹脂粒子の水分散液を濾過し、着色剤含有樹脂粒子を分取した。分取した含水濾過物に温度25℃のイオン交換水(導電率1μS/cm)を加え、再分散、再濾過を行ない、着色剤含有樹脂粒子を洗浄した後の洗浄水の導電率が10μS/cm以下になるまで、この操作を2回繰返し、着色剤含有樹脂粒子の洗浄を行った。洗浄した着色剤含有樹脂粒子を凍結乾燥し、体積平均粒子径(D50)5.3μm、変動係数(CV)25のトナー粒子を作製した。
(実施例2)
造粒工程において、造粒温度に達した後のロータ5の回転数を12000rpm(12000回転/分)、スクリーン4の回転数を10800rpm(10800回転/分;ロータ5の回転数に対する比率0.90)にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)6.1μm、変動係数(CV)26のトナーを作製した。
(実施例3)
造粒工程において、造粒温度に達した後のロータ5の回転数を20000rpm(20000回転/分)、スクリーン4の回転数を18000rpm(18000回転/分;ロータ5の回転数に対する比率0.90)にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)4.3μm、変動係数(CV)22のトナーを作製した。
(実施例4)
造粒工程において、造粒温度に達した後のスクリーン4の回転数を7500rpm(7500回転/分;ロータ5の回転数に対する比率0.50)に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)10.2μm、変動係数(CV)31のトナーを作製した。
(実施例5)
造粒工程において、造粒温度に達した後のスクリーン4の回転数を14200rpm(14200回転/分;ロータ5の回転数に対する比率0.95)に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)5.1μm、変動係数(CV)23のトナーを作製した。
(実施例6)
造粒工程における造粒温度を85℃に変更する以外は実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)12.3μm、変動係数(CV)32のトナーを作製した。
(実施例7)
造粒工程における造粒温度を105℃に変更する以外は実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)7.1μm、変動係数(CV)25のトナーを作製した。
(実施例8)
造粒工程において、スクリーン4を回転させないこと以外は実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)22.4μm、変動係数(CV)50のトナーを作製した。
(実施例9)
造粒工程において、造粒温度に達した後のスクリーン4の回転数を6000rpm(6000回転/分;ローター5の回転数に対する比率0.40)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)18.3μm、変動係数(CV)45のトナーを作製した。
(比較例1)
造粒工程において、撹拌装置1(商品名:クレアミックス、エム・テクニック株式会社製)に代えて、撹拌装置1からスクリーン4を取除いた撹拌装置を用い、造粒温度に達するまでは、ロータの回転数を3000rpm(3000回転/分)、造粒温度に達した時点で12000rpm(12000回転/分)に上昇させて造粒を行なう以外は、実施例1と同様の操作を行ない、体積平均粒子径(D50)25.2μm、変動係数(CV)55のトナーを作製した。
(参考例1)
造粒工程において、造粒温度に達した後のロータ5の回転数を2000rpm(2000回転/分)、スクリーン4の回転数を1800rpm(1800回転/分;ロータ5の回転数に対する比率0.90)にそれぞれ変更する以外は実施例1と同様の操作を行なったが、着色剤含有樹脂粒子を得ることはできなかった。
(参考例2)
造粒工程における造粒温度を80℃に変更する以外は実施例1と同様の操作を行なったが、着色剤含有樹脂粒子を得ることはできなかった。
(参考例3)
混練工程において、結着用樹脂としてポリエステル樹脂B(ガラス転移温度53.0℃、ピークトップ分子量5940、Mw/Mn=14.5、酸価7.7、軟化温度115℃、THF不溶分0%)を使用する以外は実施例1と同様の操作を行ない、樹脂混練物Bを作製した。樹脂混練物Bの軟化温度は135℃であった。また、造粒工程における造粒温度である120℃における樹脂混練物の損失弾性率G”は、1.2×10Paであった。造粒工程においては、実施例1と同様の操作を行なったが、着色剤含有樹脂粒子を得ることはできなかった。
(参考例4)
混練工程において、結着用樹脂としてポリエステル樹脂C(ガラス転移温度58.6℃、ピークトップ分子量13500、Mw/Mn=4.4、酸価6.0、軟化温度114℃、THF不溶分0%)を使用する以外は実施例1と同様の操作を行ない、樹脂混練物Cを作製した。樹脂混練物Cの軟化温度は146℃であった。また、造粒工程における造粒温度である120℃における樹脂混練物の損失弾性率G”は、2.2×10Paであった。造粒工程においては、実施例1と同様の操作を行なったが、着色剤含有樹脂粒子を得ることはできなかった。
(参考例5)
水性媒体調製工程において、分散剤として、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体アンモニウム塩に代えて、水に不溶性の無機系分散剤である炭酸カルシウム(商品名:ルミナス、丸尾カルシウム株式会社製)を用いる以外は実施例1と同様の操作を行なったが、着色剤含有樹脂粒子を得ることはできなかった。
以上の実施例および比較例で得られたトナーの体積平均粒子径D50(μm)および変動係数(CV)を表1に示す。なお、表1に示すロータの回転数およびスクリーンの回転数は、造粒温度に達した後の数値である。また表1では、ロータ5の周速度を併せて示す。
Figure 2007156008
表1から、本発明のようにロータとスクリーンとを備える撹拌装置を用い、撹拌装置の動作条件を適宜選択することによって、造粒温度が樹脂混練物の軟化温度Tmよりも低い場合であっても、樹脂混練物の造粒を行なうことができることが判る。また、比較例1のようにスクリーンを備えない撹拌装置を用いる場合に比べて、体積平均粒子径および変動係数の小さいトナーが得られることが判る。
本発明の実施の一態様であるトナーの製造方法の手順を示すフローチャートである。 本実施態様によるトナーの製造に好適に用いられる撹拌装置1の構成を簡略化して示す部分断面図である。 図2に示すスクリーン4の部分を拡大して示す図である。
符号の説明
1 撹拌装置
2 容器
3a 撹拌空間
3b 撹拌空間外の空間
4 スクリーン
5 ロータ
6,11 回転軸線
7 回転軸部材
8 羽根部材
9 混合物吐出孔
10 スクリーン回転軸部材
12 スクリーン支持体
13 ヒータ
14 温度計
15 制御手段
16 メカニカルシール

Claims (9)

  1. 少なくとも結着用樹脂と着色剤とを混練する混練工程と、
    混練によって得られた樹脂混練物と、分散剤および水を含む水性媒体とを混合し、得られた混合物中の水性媒体を予め定める設定温度に加熱するとともに混合物を撹拌することによって、前記水性媒体中に着色剤含有樹脂粒子を生成させる造粒工程と、
    生成された着色剤含有樹脂粒子を前記水性媒体から分離する分離工程とを含み、
    造粒工程では、
    前記混合物を収容する容器と、容器内の空間を混合物が撹拌される撹拌空間と撹拌空間外の空間とに分ける撹拌空間形成部材であって撹拌空間と撹拌空間外の空間とを連通させる混合物吐出孔が形成された撹拌空間形成部材と、撹拌空間に収容される混合物を撹拌する撹拌手段とを備える撹拌装置を用いて、前記混合物を撹拌することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 撹拌空間形成部材の混合物吐出孔は、スリット状に形成されることを特徴とする請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 撹拌手段は、軸線まわりに回転する回転軸部材と、回転軸部材の外周面部に設けられ回転軸部材の半径方向外方に延びる羽根部材とを有することを特徴とする請求項1または2記載のトナーの製造方法。
  4. 羽根部材の回転周速度が、3.7m/sを超え、40m/s以下であることを特徴とする請求項3記載のトナーの製造方法。
  5. 撹拌空間形成部材は、撹拌手段の回転軸部材の回転軸線に略平行な軸線まわりに、該回転軸部材の回転方向と逆方向に回転されることを特徴とする請求項3または4記載のトナーの製造方法。
  6. 回転軸部材の回転数に対する撹拌空間形成部材の回転数の比率(撹拌空間形成部材の回転数/回転軸部材の回転数)が、0.50以上、0.95以下であることを特徴とする請求項5記載のトナーの製造方法。
  7. 造粒工程における水性媒体の設定温度が、前記混合物に含まれる樹脂混練物の軟化温度Tm(℃)から20℃を減算した値(Tm−20[℃])以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
  8. 造粒工程における水性媒体の設定温度において、樹脂混練物の損失弾性率G”が、10Pa以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
  9. 分散剤が、水に溶解する物質であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
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