JPH05181315A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH05181315A
JPH05181315A JP3360168A JP36016891A JPH05181315A JP H05181315 A JPH05181315 A JP H05181315A JP 3360168 A JP3360168 A JP 3360168A JP 36016891 A JP36016891 A JP 36016891A JP H05181315 A JPH05181315 A JP H05181315A
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JP
Japan
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polymerization
organic liquid
toner
particles
polymer
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Pending
Application number
JP3360168A
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English (en)
Inventor
Hiromitsu Kawase
広光 川瀬
Koichi Kato
弘一 加藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 分散重合法によって得られた重合完結前の重
合粒子表面にエマルジョンワックスを付着させた後、重
合を完結させ、その後重合粒子を染着してなるトナー。 【効果】 熱ロール定着において優れた耐オフセット性
を有し、且つ流動性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録、
静電印刷などにおいて形成される静電荷像(静電潜像)
を現像するためのトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真法又は静電記録法等にお
いては、光導電性感光体又は誘電体等よりなる潜像担持
体上に形成された静電潜像を現像するために、現像スリ
ーブ等トナー供給ローラ上でブレード等によって薄層化
され、且つ適当に帯電され微粉末化されたトナーを用い
て現像し、必要に応じて紙等の被複写材にトナー画像を
転写した後、加熱圧力、溶剤蒸気等によって定着し、複
写物が得られる。
【0003】トナー像の定着方法としては種々あるが、
熱効率が高いこと及び高速定着が可能であることから、
紙に転写されたトナー像を熱ロール間に通して定着を行
なう、熱ロール定着方式が広く採用されている。しか
し、この方法ではロール表面にトナーが付着移行する、
いわゆるオフセット現象が発生し易い。
【0004】そのため、オフセット現象を防止するた
め、熱ロール表面にシリコーンオイル等の離型オイルを
塗布したり、あるいはトナー中に低分子量ポリプロピレ
ン等の離型剤を含有させる方法がとられている。しか
し、前者の方法では、定着装置にオイル塗布装置を設け
るためコストアップになり、更に、定着時に離型オイル
に起因する臭気が発生するという問題がある。また、後
者の方法では、トナーの流動性、耐熱性に悪影響を及ぼ
すという難点があり、その上トナー粒子内部に離型剤を
含有させることが難しいという問題点もある。そこで、
このような問題を解決するために、特開昭56−144
436号公報には離型剤が外添されたトナーが提案され
ており、また、特開昭63−300245号公報には、
定着用樹脂及び染顔料あるいは更に荷電制御剤を含有す
るトナーとエマルジョンワックスを混合し、トナー表面
にワックス類を付着させることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、離型剤が外
添されたトナーは、使用時に離型剤がキャリア等の摩擦
帯電付与材を汚染し、帯電低下を引き起こしたり、ある
いは感光体に離型剤がフィルミングし、感光体の特性不
良を引き起こし、画質の低下をもたらしたりなどする。
また、エマルジョンワックスの混合により表面にワック
スが付着した場合は、エマルジョンワックスに含有され
ている界面活性材の影響で、トナーの流動性が著しく低
下する。このため、現像部でのキャリアとの撹拌が充分
に行なわれず、トナー飛散等が発生し、不良画像の原因
になる。
【0006】従って、本発明の目的は、このような問題
を解決した、即ち熱ロール定着においてシリコーンオイ
ル等の離型オイルを用いることなくオフセット現象を防
止し、且つ流動性の優れたトナーを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、分散重合法により得られた粒子表面にエ
マルジョンワックスを付着させ、更に重合し、その後着
色してなるトナーが、上記目的に適合することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、親水性有機液体中
に該有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これに前
記有機液体には溶解するが、生成する重合体は前記有機
液体にて膨潤するか若しくはほとんどが溶解しないビニ
ル単量体を加えて重合させ、得られた粒子表面にエマル
ジョンワックスを付着後、更に重合を続けて得られる2
段重合樹脂粒子を染着してなるものであることを特徴と
する静電荷像現像用トナーが提供される。
【0009】本発明のトナーは、分散重合法によって得
られた粒子表面にエマルジョンワックスを付着させた
後、更に重合し、その後着色させるということにより、
オフセット現象を防止し、且つ流動性の優れたものとな
る。
【0010】以下、本発明のトナーについて詳しく説明
する。本発明のトナーの母体となる樹脂粒子は、重合途
中で生成粒子表面にエマルジョンワックスを付着させる
工程を含む2段分散重合によって製造される。即ち、本
発明における樹脂粒子は、親水性有機液体中に該有機液
体に溶解する高分子分散剤を加え、更にこれに前記有機
液体には溶解するが、生成する重合体は前記有機液体に
て膨潤するか若しくはほとんどが溶解しないビニル単量
体の少なくとも一種を加えて重合する方法において、重
合完結前に一旦重合を停止し、生成粒子表面にエマルジ
ョンワックスを付着させた後、更に重合を再開し完結さ
せるということにより製造される(以下こうして得られ
て粒子を樹脂粒子Aと呼ぶ)。なお、1段目の重合は、
通常重合率50〜95%程度で停止することが好まし
い。
【0011】なお、樹脂粒子Aの製造方法としては、あ
らかじめ、目的の粒子径よりは小さいが粒度分布の狭い
重合体を利用して、前記の系にて成長させる反応も含ま
れる。成長反応に利用する単量体は、種粒子を製造した
ものと同じ単量体でもまた別の単量体でも良いが、重合
体は親水性有機液体に溶解してはならない。
【0012】種粒子の形成時及び種粒子の成長反応時に
用いる単量体の希釈剤として用いる親水性有機液体とし
ては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、変
性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert
−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フ
ルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コール等のアルコール類;メチルセロソルブ、セロソル
ブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
等のエーテルアルコール類などが挙げられる。これらの
有機液体は、単独で若しくは二種以上の混合物で用いる
ことができる。
【0013】なお、アルコール類及びエーテルアルコー
ル類以外の有機液体で、上述のアルコール類及びエーテ
ルアルコール類と併用することで、有機液体の生成重合
体粒子に対して溶解性をもたせない条件下で種々SP値
を変化させ、重合条件を変え、生成される粒子の大き
さ、種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制すること
が可能である。この場合の併用する有機液体としては、
ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;四塩化
炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルグリコ
ール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサン等のケトン類;ぎ酸ブチル、酢
酸ブチル、プロビオン酸エチル、セロソルブアセテート
等のエステル類;ぎ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸類;
ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モ
ノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド等の硫黄、窒素含有有機化合
物類;その他水も含まれる。
【0014】種粒子製造時又は成長粒子の製造時に使用
される高分子分散剤の適当な例としては、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の
カルボン酸類;例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル
等の水酸基を有するアクリル系単量体類;例えばビニル
メチルエーテル等のビニルアルコールとのエーテル類;
例えば酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリルアミ
ド類などの単独又は共重合体系や、ポリオキシエチレン
系、セルロース類などが挙げられるが、特に下記一般式
化1で表わされるカルボン酸基を含有するモノマー単位
をもつ高分子化合物(即ち、その単独重合体、共重合体
又はその無水物)が、粒子表面へのエマルジョンワック
スの付着性の面から、好ましい。
【化1】 (ここで、R1及びR2はH原子又はCH3基を表わし、
またXはカルボン酸基を有する炭化水素基を表わす。)
【0015】上記一般式化1で表わされるモノマー単位
としては、不飽和モノカルボン酸としては、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シ
アノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸などが挙げ
られ、また不飽和ジカルボン酸の例としては、フマール
酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン
酸又はその無水物などが挙げられる。
【0016】これらの高分子分散剤は、使用する親水性
有機液体、目的とする重合体粒子の種及び種粒子の製造
か成長粒子の製造により適宜選択されるが、特に重合体
粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合体粒子
表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体
への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体
的に粒子同士の反発を高めるために、分子鎖がある程度
の長さのもの、好ましくは、分子量が1万以上のものが
選ばれる。しかし、あまり分子量が高いと、液粘度の上
昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の
粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要
する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、
目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させてお
くことも、安定化には効果がある。
【0017】本発明におけるビニル単量体とは、親水性
有機液体に溶解可能なものであり、例えばスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、
p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどの
スチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸
モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのアクリル酸若しくはメタクリル酸誘
導体などからなる単独又は相互の混合物及びこれらを5
0重量%以上含有し、これらと共重合し得る単量体との
相互の混合物を意味する。
【0018】また、本発明における重合体は、低温定着
に適した熱特性を有し、且つ耐オフセット性を高める為
に、重合性の二重結合を二個以上有するいわゆる架橋剤
の存在下に重合させたものであっても良い。好ましく用
いられる架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニル
ナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化
合物、その他エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリ
コールメタクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート、アリルメタクリレート、tert−ブチル
アミノエチルメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリ
レートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N
−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスル
フィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合物お
よび三個以上のビニル基を持つ化合物が挙げられ、これ
らは単独又は混合物等で用いられる。
【0019】このように架橋された種粒子を用いて成長
重合反応を引き続いて行なった場合には、成長する重合
体粒子の内部が架橋さたものとなる。また、一方で成長
反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有さ
せた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られ
る。
【0020】前記単量体の重合開始剤としては、例えば
2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ
系重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパー
オキシド、tert−ブチルパーオクトエートなどの過
酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムのような過硫化物
系開始剤あるいはこれにチオ硫酸ナトリウム、アミンな
どを併用した系が用いられる。なお、重合開始剤濃度
は、ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重
量部が好ましい。
【0021】樹脂粒子Aを得るための重合条件は、重合
体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせて、親水
性有機液体中の高分子分散剤及びビニル単量体の濃度及
び配合比が決定される。一般に粒子の平均粒径を小さく
しようとするならば、高分子分散剤の濃度を高く、ま
た、平均粒径を大きくしようとするならば、高分子分散
剤の濃度が低く設定される。一方、粒径分布を非常に鋭
くしようとするならば、ビニル単量体濃度を低く、ま
た、比較的広い分布でも良い場合は、ビニル単量体濃度
は高く設定される。
【0022】樹脂粒子Aの製造は、親水性有機液体に高
分子分散剤を完全に溶解した後、一種又は二種以上のビ
ニル単量体、重合開始剤、その他必要に応じて無機微粉
末、界面活性剤、染料、顔料等を添加し、30〜300
rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速で、
しかもパドル型よりもタービン型の撹拌翼を用いて、槽
内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用い
た開始剤の分解速度に対応した温度にて加熱し、重合す
ることによって行なわれる。なお、重合初期の温度が生
成する粒径に大きな影響を与えるため、単量体を添加し
た後に温度を重合温度まで上げ、開始剤を小量の溶媒に
溶解して投入するのが望ましい。重合の際には、窒素ガ
ス、アルゴンガス等の不活性気体にて、反応容器内の空
気中酸素を充分に追い出す必要がある。若し、酸素パー
ジが不充分であると、微粒子が発生し易い。
【0023】重合を高重合率域で行なうには、5〜40
時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒子径
分布の状態で重合を停止させたり、また重合開始剤を順
次添加したり、高圧下で反応を行なうことにより、重合
速度を速めることができる。
【0024】本発明においては、以上のようにして得ら
れる樹脂粒子に対し、重合が完結する前に一旦重合を停
止し、生成粒子表面にエマルジョンワックスを付着させ
る。このエマルジョンワックスの付着は、特に下記一般
式化2で表わされるアクリルアミド誘導体のアミン塩の
存在下に行なうことが、ワックスの付着性の面から、非
常に好ましい。
【化2】 (ここで、R1,R2,R3,Y及びZはそれぞれ次のも
のを表わす。 R1,R2,Y:H原子又はCH3基、 R3:飽和炭化水素基、 Z:Cl,Br又はI各原子。)
【0025】上記一般式化2で表わされるアクリルアミ
ド誘導体のアミン塩の具体例としては、例えば、アクリ
ルアミドメチルアンモニウムクロライド、アクリルアミ
ドエチルトリメチルアンモニウムブロマイド、メタアク
リルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、メタアクリルアミドプロピルアンモニウムアイオラ
イド等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0026】本発明で用いるエマルジョンワックスは、
一般的な方法で作成されたものであり、また使用するワ
ックスは、離型性を示すものであればなんでもよく、カ
ルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワッ
クス、ホホバワックス、ポリプロピレン等を用いること
ができる。また、乳化剤の活性剤としては、アニオン性
あるいはノニオン性のものが望ましく、これらを混合し
てHLB(hydrophile−lypophile
−balance)を使用するワックスにあわせて調合
し使用される。界面活性剤の配合の仕方及びその量で、
ワックスエマルジョンの粒径はコントロールされる。こ
の方法により、サブミクロン〜2μm程度のエマルジョ
ンワックスを作成することが可能である。
【0027】なお、使用するエマルジョンワックスの大
きさは、その体積平均径(Dv)と樹脂粒子の体積平均
径(D′v)との比Dv/D′vが、Dv/D′v≦1
/10であることが付着性の面から好ましい。
【0028】本発明においては、前記のようにして得ら
れた樹脂粒子Aは、続いて染着される。染着は従来公知
の方法によって行なうことができるが、特に次のように
して行なうのが好ましい。即ち、樹脂粒子Aを溶解しな
い有機溶媒中に樹脂粒子Aを分散し、この前後に前記溶
媒に対する染料の溶解度[D1]及び前記樹脂粒子の樹
脂に対する染料の溶解度[D2]の関係が[D1]/[D
2]≦0.5である染料を前記溶媒中に溶解して、該染
料を前記樹脂粒子中に浸透させて着色し、その後前記溶
媒を除去するというものであり、この方法により、樹脂
粒子Aの深部まで染料が浸透(拡散)したトナーを効率
良く製造することができる。
【0029】この染着方法の実施に当って、染料を溶解
した有機溶媒中に樹脂粒子Aを分散させた後、液温度を
樹脂粒子Aのガラス転移温度以下に保持、撹拌すること
が好ましい。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例え
ばホモミキサー、マグネチックスタラー等を用いて撹拌
すればよい。また、分散重合等で重合終了時得られるス
ラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子Aが分散して
いる状態の溶液に、染料を直接添加して前記の条件にて
加熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の
場合は、樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。
【0030】染着に使用する染料としては、使用する有
機溶媒への該染料の溶解度〔D1〕と樹脂粒子Aを構成
する樹脂への該染料の溶解度〔D2〕との比〔D1〕/
〔D2〕が、0.5以下であることが好ましく、特に
〔D1〕/〔D2〕を0.2以下とすることが好ましい。
【0031】染料としては、上記の溶解特性を満たせ
ば、特に制限はないが、カチオン染料、アニオン染料等
の水溶性染料は、環境変動が大きい恐れがあり、又トナ
ーの抵抗が低くなり、転写率が劣化する恐れがあるの
で、バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好まし
く、特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応
じて数種の染料を併用することもできる。染着される染
料と樹脂粒子Aとの比率(重量)は、着色度に応じて任
意に選択されるが、通常は樹脂粒子100重量部に対し
て、染料1〜50重量部が好ましい。
【0032】例えば、染着溶媒にSP値の高いメタノー
ル、エタノール等のアルコール類を使用し、樹脂粒子A
としてSP値9程度のスチレン/アクリル系樹脂を使用
した場合、使用し得る染料としては、例えば、以下のよ
うな染料が挙げられる。 C.I. SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,100,102,103,105) C.I. SOLVENT Orange(2,7,13,14,66) C.I. SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,1
49,150,151,157,158) C.I. SOLVENT VIOLET(31,32,33,37) C.I. SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,91,94,95,104) C.I. SOLDENT GREEN(24,25) C.I. SOLDENT Brown(3,9)等。
【0033】市販染料では例えば、保土谷化学工業社の
竪染SOT染料Yellow-1,3,4、Orange-1,2,3、Scarlet-1、
Red-1,2,3、Brown-2、Blue-1,2、Violet-1、Green-1,2,
3、Black-1,4,6,8やBASF社のsudan染料、Yellow-140,15
0、Orange-220、Red-290,380,460、Blue-670や三菱化成
社のダイアレジン、Yellow-3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange
-HS,G、Red-GG,S,HS,A,K,H5B、Violet-D、Blue-J,G,N,
K,P,H3G,4G、Green-C、Brown-Aやオリエント化学社のオ
イルカラー、Yellow-3G,GG-S,#105、Orange-PS,PR,#20
1、Scarlet-#308、Red-5B、Brown-GR,#416、Green-BG,#
502、Blue-BOS,IIN、Black-HBB,#803,EE,EX、住友化学
工業社のスミプラスト、ブルーGP,OR、レッドFB,3B、イ
エローFL7G,GC、日本化薬社のカヤロン、ポリエステル
ブラックEX-SF300、カヤセットRed-BのブルーA-2R等を
使用することができる。もちろん、染料は樹脂粒子Aと
染着時に使用する溶媒の組合せで適宜選択されるため、
上記例に限られるものではない。
【0034】染料を樹脂粒子Aに染着させるために用い
る有機溶媒としては、使用する樹脂粒子Aが溶解しない
もの、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には有
機溶媒の溶解性パラメーター〔SP値〕と使用する樹脂
粒子の〔SP値〕との差が1.0以上、好ましくは2.
0以上のものが使用される。例えば、スチレン/アクリ
ル系樹脂に対しては、〔SP値〕が高いメタノール、エ
タノール、n−プロパノール等のアルコール系か、ある
いは〔SP値〕が低いn−ヘキサン、n−ヘプタン等を
使用する。もちろん〔SP値〕の差があまりに大きすぎ
ると、樹脂粒子Aに対する濡れが悪くなり、樹脂粒子の
良好な分散が得られないため、〔SP値〕差は2〜5が
好ましい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を下記の実施例によって更に具
体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。なお、以下に示す部はすべて重量基準である。
【0036】実施例1 恒温水槽中で回転する密閉可能な四つ口セパラブルフラ
スコに、次の物を仕込んだ。 メタノール 100部 スチレン/無水マレイン酸共重合体 5部 (分子量4万;BASF社製) 容器を60℃の湯浴中でゆるやかに撹拌し、約2時間で
分散安定剤としてのスチレン/無水マレイン酸共重合体
を完全に溶解させた。
【0037】上記分散剤を溶解したメタノール溶液25
0部を、恒温水槽中で回転する密閉可能な四つ口セパラ
ブルフラスコに移した後、次の組成物を添加した。 スチレン 65部 アクリル酸メチル 35部 ドデシルメルカプタン 0.5部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 0.5部
【0038】容器を回転させることにより混合させなが
ら、容器内にN2ガスを吹き込むことにより酸素を追い
出し(残存酸素濃度0.1%以下になるまで)、その後
水槽を60℃に保ち、毎分100回転で撹拌しながら重
合を行なった。この時、開始剤として2,2−アゾビス
イソブチロニトリル2.0部を用いて重合を開始し、2
4時間で重合を終了した。重合終了時の重合率は、ガス
クロマトグラフィーで内部標準法による測定の結果、9
3.4%であった。コールターマルチサイザーによる2
0μmパーチャーチューブでの粒径分布測定では、粒子
個数5万カウントで体積平均径5.119μm、個数平
均径4.9390μm、その比が1.02であった。
【0039】ここで、エマルジョンワックス(体積平均
径Dv=0.111μm、固形分27%)を、マイクロ
シリンジを用い11部添加した。更に、下記のモノマー
メタノール溶液を添加した。 メタノール 15部 メタアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド 15部 (日東化学工業社製) ここで、分散液の一部をサンプリングしてSEMで表面
状態を観察したところ、樹脂粒子表面にエマルジョンワ
ックスがきれいに付着していた。
【0040】更に、 メタノール 5部 2,2−アゾビスイソブチロニトリル 0.03部 をマイクロシリンジを用いて添加し、更に24時間重合
を続けた。この重合液を重合液Aとする。
【0041】オイルブラック860(オリエント化学社
製)1.0部をメタノール20部に加え、50℃に加熱
溶解後、室温まで冷却し、1μmのミクロフィルターで
濾別した濾液を、重合液A140部に加えた。その後5
0℃で2時間撹拌し、その後分散液を室温まで冷却し、
遠心沈降し、上澄みを除き、メタノール50部、水50
部の混合溶媒に再分散する操作を3回行なった。濾別後
風乾し、40℃で6時間減圧乾燥することにより、本発
明のトナーを得た。
【0042】このトナーの流動性をパウダーテスター法
(目開き74、45及び22μmのメッシュをこの順に
重ね、トナー2gを74μmのメッシュに入れ振幅1m
mで30秒振動させ、流動性及び凝集度を調べる方法)
で評価したところ、流動性は良好であった。
【0043】次に、このトナーとキャリアを混合して現
像剤を作製し、リコー社製デジタル複写機イマジオ42
0の現像部のシリコンオイル塗布部分を取り外して定着
オフセット試験を行なったところ、オフセットすること
なく良好な画像が得られた。
【0044】実施例2〜3 実施例1において、エマルジョンワックスとして体積平
均径Dv=0.3及び0.45のものを使用したこと以
外は、実施例1と同様の操作を行なって、本発明のトナ
ーを作成した。得られたトナーについて、流動性及び定
着オフセット試験を行なった。その結果、流動性及び定
着性に関して良好な結果が得られた。
【0045】実施例4 実施例1において、分散安定剤として、スチレン/無水
マレイン酸共重合体5部の代わりに、メチルビニルエー
テル/無水マレイン酸共重合体5部を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして重合を行なった。得られた重
合粒子の重合率は、ガスクロマトグラフィーで内部標準
法による測定の結果、95.4%であった。コールター
マルチサイザーによる20μmパーチャーチューブでの
粒径分布測定では、粒子個数5万カウントで体積平均径
が5.229μm、個数平均径5.130μm、その比
が1.02であった。
【0046】上記の他は、実施例1と同様の方法で本発
明のトナーを作成した。得られたトナーについて、流動
性及び定着オフセット試験を行なった。その結果、流動
性及び定着性に関して良好な結果が得られた。
【0047】実施例5 実施例1において、エマルジョンワックスを粒子表面に
付着させる時に使用したメタアクリルアミドプロピルト
リメチルアンモニウムクロライドの代わりに、メタクリ
アミドエチルアンモニウムアイオライドを使用したこと
以外は、実施例1と同様の操作を行なって、本発明のト
ナーを作成した。得られたトナーについて、流動性及び
定着オフセット試験を行なった。その結果、流動性及び
定着性に関して良好な結果が得られた。
【0048】得られたトナーの流動性及びオフセット性
について評価した結果をまとめると、表1のようにな
る。
【表1】
【0049】
【発名の効果】本発明の静電荷像現像用トナーは、母体
となる樹脂粒子を分散重合によって製造し、しかも重合
完結前にエマルジョンワックスを粒子表面に付着させた
後、重合を完結させ、その後に染着してなるものとした
ことから、熱ロール定着において優れた耐オフセットを
有し、且つ流動性の優れたものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性有機液体中に該有機液体に溶解す
    る高分子分散剤を加え、これに前記有機液体には溶解す
    るが、生成する重合体は前記有機液体にて膨潤するか若
    しくはほとんどが溶解しないビニル単量体を加えて重合
    させ、得られた粒子表面にエマルジョンワックスを付着
    後、更に重合を続けて得られる2段重合樹脂粒子を染着
    してなるものであることを特徴とする静電荷像現像用ト
    ナー。
  2. 【請求項2】 前記高分子分散剤が下記一般式化1で表
    わされるモノマー単位を有する高分子化合物であること
    を特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。 【化1】 (ここで、R1及びR2はH原子又はCH3基を表わし、
    またXはカルボン酸基を有する炭化水素基を表わす。)
  3. 【請求項3】 前記エマルジョンワックスを粒子表面に
    付着させる際に、下記一般式化2で表わされるアクリル
    アミド誘導体のアミン塩を用いることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。 【化2】 (ここで、R1,R2,R3,Y及びZはそれぞれ次のも
    のを表わす。 R1,R2,Y:H原子又はCH3基、 R3:飽和炭化水素基、 Z:Cl,Br又はI各原子。)
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US6939657B2 (en) 2002-06-27 2005-09-06 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method of manufacturing polymer resin particles for use in toners
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US8076051B2 (en) 2004-06-15 2011-12-13 Ricoh Company Limited Method for preparing resin and particulate material, toner prepared by the method, developer including the toner, toner container, and process cartridge, image forming method and apparatus using the developer

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