JPH06199957A - 樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

樹脂粒子の製造方法

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JPH06199957A
JPH06199957A JP4362160A JP36216092A JPH06199957A JP H06199957 A JPH06199957 A JP H06199957A JP 4362160 A JP4362160 A JP 4362160A JP 36216092 A JP36216092 A JP 36216092A JP H06199957 A JPH06199957 A JP H06199957A
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JP
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parts
polymerization
vinyl monomer
particles
fluorine
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JP4362160A
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English (en)
Inventor
Keiko Shiraishi
桂子 白石
Yuji Yamashita
裕士 山下
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 含フッ素ビニル単量体の少なくとも1種とフ
ッ素を含有しないビニル単量体の少なくとも1種とを分
散共重合させる。好ましくは、フッ素を含有しないビニ
ル単量体を重合させ、更に含フッ素ビニル単量体を添加
して重合させる。また、−SO2単位を有する含フッ素
ビニル単量体を用いること、あるいは含フッ素ビニル単
量体をアニオン性若しくはカチオン性単量体と共に添加
することは非常に好ましい。 【効果】 本方法によると、小粒径で粒子径分布の狭い
フッ素含有共重合体が得られ、該粒子からは、高画質化
を達成することができ、しかもオフセットによる地汚れ
がなく、定着ローラーへの巻き付きもないトナーが得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は樹脂粒子の製造方法に関
し、更に詳しくは乾式トナー用として有用なフッ素系共
重合体樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】親水性有機液体中に該有機液体に溶解す
る高分子分散剤を加え、更にこれに前記有機液体には溶
解するが、生成する重合体は前記有機液体にて膨潤する
か若しくはほとんどが溶解しないビニル単量体の少なく
とも1種を加えて重合する、いわゆる、分散重合法は知
られており、この重合法によると小粒径で且つ粒径分布
の狭い球状樹脂粒子が得られる。
【0003】このような小粒径で且つ粒径分布の狭い球
状粒子は、例えば、電子写真感光体や静電記録体などの
上に形成された静電潜像(静電荷像)を現像するための
乾式トナー用として有用である。即ち、分散重合法で製
造した樹脂粒子を親水性有機液体中に分散された状態で
着色し、乾燥して得られる小粒径トナーは、高画質化を
達成し得るものとして期待されている。
【0004】と言うのは、従来のトナーの一般的な製造
方法、即ち樹脂、染顔料、帯電制御剤を溶融混練し、機
械式あるいは空気衝突式の粉砕機にて粉砕、分級を行な
う方法で製造されたトナーにおいては、特に小粒径で狭
い粒度分布のものを得ようとした場合、生産能力や収率
が著しく低下し、コスト高になるのはもちろん、粒径を
小さくする程、帯電制御剤の分散不均一によるトナー帯
電特性不良が発生するし、また粉砕で得られた粒子の表
面形状はかなり突起物が多く、キャリアあるいはトナー
薄膜化用部材への融着が生じ易くなるという欠点がある
ためである。
【0005】なお、粉砕工程を必要としない重合法によ
る製造方法としては、着色顔料及び帯電制御剤を内部に
含有する核体粒子を形成する懸濁重合法もあるが、この
方法では小粒径で且つ粒度分布の狭いものを安定的に製
造することが困難であり、分級工程を必要とするので、
小粒径トナー製造用には適さない。
【0006】一方、電子写真では、静電潜像をトナーで
現像し、紙などに転写した後定着するが、その際の定着
方法としては、加熱された定着ローラーの間に紙を通す
定着法が一般的である。定着の際、トナーの一部が定着
ローラーに付着し画像を汚すオフセット現象や、黒ベタ
部の多い画像で定着後に定着ローラーと紙が分離されず
に巻き付いてしまう現象が生じることがある。それらの
現象を防ぐために、定着ローラーに離型剤としてシリコ
ンオイルを塗布する方法があるが、そのためにはオイル
タンクを備えなければならない。しかし、オイルタンク
を備えることは近年の省スペース化の傾向に反してい
る。そこで、定着ローラーにオイルを塗布するのではな
く、トナー自体に離型性を持たせることによって、定着
ローラーとトナーが定着された紙との離型性を高める方
法の開発が盛んである。
【0007】トナーへ離型性を付与するには、混練粉砕
法によるトナーでは、ポリエステル、ポリプロピレン等
の離型性にすぐれた樹脂を混練分散する方法で得られ
る。一方、重合法によるトナーでは、粉砕混練法で添加
したような樹脂を重合で取り込むことは困難であるが、
粒子表面に付着させることは可能である。しかし、粒子
表面に付着させる作業とそのための装置が必要であり、
時間とコストがかかるという欠点がある。
【0008】なお、離型性樹脂を用いなくても、重合性
単量体の組成や架橋成分を限定することにより、トナー
に離型性をもたせる方法もある(特開昭63−3099
68号、特開昭59−218459号公報)。この方法
によれば、重合だけの作業でオフセットは防止できる
が、巻き付きも併せて防止できるような離型性を持たせ
ることはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから明らか
なように、分散重合法により得られる樹脂粒子は、小粒
径トナー用として非常に有用なものであるが、離型性及
び流動性の面で満足されるものではない。本発明者ら
は、先に充分な離型性及び流動性を持つものとするに
は、樹脂粒子中、特にその表面にフッ素が含まれるもの
とすれば良いことを見出した(特願平3−203960
号)。ただ、含フッ素ビニル単量体からの重合体はガラ
ス転移点が高いものが多く、高い定着エネルギーを要す
る場合が多くなったり、あるいは価格が高いという難点
がある。
【0010】従って、本発明の目的は、上記課題が解決
された、即ち、充分な離型性と流動性を有し、乾式トナ
ーとしたときにオフセットと巻き付きの両方を防止でき
るものが得られる、小粒径で且つ粒子径分布の狭い樹脂
粒子を安定して得ることができる樹脂粒子の製造方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、親水性
有機液体中に該有機液体に溶解する高分子分散剤を加
え、更にこれに前記有機液体には溶解するが、生成する
重合体は前記有機液体にて膨潤するか若しくはほとんど
が溶解しない含フッ素ビニル単量体の少なくとも1種と
フッ素を含有しないビニル単量体の少なくとも1種とを
加えて重合することを特徴とする樹脂粒子の製造方法が
提供され、また該方法において、フッ素を含有しないビ
ニル単量体の少なくとも1種を重合させ、該重合系に更
に含フッ素ビニル単量体の少なくとも1種を添加して重
合を進行させることを特徴とする樹脂粒子の製造方法が
提供され、更に前記含フッ素ビニル単量体が−SO2
を有するものであるか、又はアニオン性若しくはカチオ
ン性単量体と共に添加することとした前記樹脂粒子の製
造方法が提供される。
【0012】本発明の方法により製造される樹脂粒子
は、小粒径で且つ粒子径分布の狭いものであるが、ここ
で言う狭い粒子径分布とは、コールターマルチサイザー
(コールターエレクトロニクス社製)において100μ
mのアパチャーチューブを用いた時、アパチャーカレン
ト等の設定はオートマチックで測定した際の(3万個以
上のカウント値)体積平均粒子径(dv)と個数平均粒
子径(dn)の比が1.00≦(dv/dn)≦1.1
5の範囲の粒子径分布を意味する。特に小粒径且つ狭粒
子径分布のトナーを得るという観点から、本発明の方法
において、重合終了後の粒子径分布がdv/dn≦1.
10のものを得るのが好ましい。また、dvは1〜20
μmのものを得るのが好ましく、特にdv<10μmの
粒子から高解像度の画像再現に適したトナーを得ること
ができる。このような小粒径且つ狭粒子径分布の樹脂粒
子が本発明方法により、容易に得られる。
【0013】以下、本発明の樹脂粒子の製造方法につい
て、詳しく説明する。本発明の樹脂粒子の製造方法は、
親水性有機液体中に該有機液体に溶解する高分子分散剤
を加え、更にこれに前記有機液体には溶解するが、生成
する重合体は前記有機液体にて膨潤するか若しくはほと
んどが溶解しない含フッ素ビニル単量体とフッ素を含有
しないビニル単量体の各々の少なくとも1種を加えて重
合することを特徴とする。本発明方法には、あらかじ
め、目的の粒子径よりは小さいが粒子径分布の狭い重合
体を利用して、前記の系にて成長させる反応も含まれ
る。成長反応に利用する単量体は、種粒子を製造したも
のと同じ単量体でもまた別の単量体でも良いが、重合体
は親水性有機液体に溶解してはならない。
【0014】本発明においては、種粒子の形成時及び種
粒子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤として、且つ
生成重合体粒子の分散媒として、親水性有機液体が用い
られる。該有機液体は、原料ビニル単量体を溶解し、し
かも生成重合体粒子を溶解しないものである。このよう
な液体としては、例えばメチルアルコール、エチルアル
コール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t
ert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、
オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキ
サノール、フルフリルアルコール、エチレングリコー
ル、グリセリン、ジエチレングリコール等のアルコール
類;メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコ
ール類などが挙げられる。これらの有機液体は1種若し
くは2種以上の混合物を用いることができる。
【0015】なお、アルコール類及びエーテルアルコー
ル類以外の有機液体で、上述のアルコール類及びエーテ
ルアルコール類と併用することで、有機液体の生成重合
体粒子に対して溶解性を持たせない条件下で種々SP値
を変化させ、重合条件を変え、生成される粒子の大き
さ、種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制すること
が可能である。この場合の併用する有機液体としては、
ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;四塩化
炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等のハ
ロゲン化炭化水素類;エチルエーテル、ジメチルグリコ
ール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類;メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール
類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサン等のケトン類;ギ酸ブチル、酢
酸ブチル、プロピオン酸エチル、セルソルブアセテート
等のエステル類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸
類;ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン
等の硫黄、窒素含有有機化合物類;その他水も含まれ
る。
【0016】上記、親水性有機液体を主体とした溶媒
に、SO4 2-、NO2 -、PO4 3-、Cl-、Na+、K+、
Mg2+、Ca2+、その他の無機質イオンが存在した状態
で重合を行なってもよい。また、重合開始時、重合途
中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化
させ、生成する重合体粒子の平均粒子径、粒子径分布、
乾燥条件などを調節することができる。
【0017】本発明において、粒子製造時に使用される
高分子分散剤の適当な例としては、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタ
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレ
イン酸又は無水マレイン酸等の酸類;水酸基を含有する
アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸
β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシ
プロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノア
クリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリ
ル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グ
リセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ルア
クリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等;ビ
ニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、
例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルプロピルエーテル等;ビニルアルコールとカルボ
キシ基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドある
いはこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニ
ルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、
エチレンイミン等の窒素原子又はその複素環を有するも
の等のホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレ
ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリ
オキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレン
アルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオ
キシエチレン系;並びにメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の
セルロース類が挙げられる。
【0018】また、上記親水性モノマーとスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン等のベンセン核を有
するもの、その誘導体又はアクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメ
タクリ酸誘導体などとの共重合体;更には、架橋性モノ
マー例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリ
ル、ジビニルベンゼンなどとの共重合体も使用可能であ
る。
【0019】これらの高分子分散剤は、使用する親水性
有機液体、目的とする重合体粒子の種及び種粒子の製造
か成長粒子の製造により適宜選択されるが、特に重合体
粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合体粒子
表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体
への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体
的に粒子同士の反発を高めるために、分子鎖がある程度
の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のものが選
ばれる。しかし、あまり分子量が高いと、液粘度の上昇
が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の粒
子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要す
る。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、目
的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させておく
ことも、安定化には効果がある。
【0020】一般に種粒子製造時の高分子分散剤の使用
量は、目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種
類によって異なるが、通常は親水性有機液体に対し、
0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。
高分子分散剤の濃度が低い場合には、生成する重合体粒
子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合に
は、小粒径のものが得られるが、10重量%を越えて用
いても小粒径化への効果は少ない。
【0021】また、これら高分子分散剤と共に、無機化
合物微粉体、界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子
の安定化及び粒子径分布の改良を更に高めることができ
る。これらの高分子分散剤及び必要に応じて添加される
無機微粉末、顔料、界面活性剤は、種粒子の製造の際に
必要であるのはもちろんであるが、成長反応の際に粒子
同士の合一を防ぐ目的で、添加するビニル単量体溶液や
種粒子分散液に存在させて、重合を行なっても良い。
【0022】初期に生成する粒子は、親水性有機液体中
と重合体粒子表面に平衡を保った分配された高分子分散
剤によって安定化されるが、未反応のビニル単量体が親
水性有機液体中にかなり存在する場合は、いくぶん膨潤
され粘着性を持ち、高分子分散剤の立体的反発力に打ち
勝って凝集してしまう。更に、極端に親水性有機液体に
対して単量体の量が多い場合は、生成する重合体が完全
に溶解してしまい、重合がある程度進行しないと析出し
てこない。この場合の析出の状態は粘着性の高い塊状物
を形成する様式をとる。従って、粒子を製造する時の単
量体の親水性有機液体に対する量は、おのずと制限され
ることになり、親水性有機液体の種類によって多少異な
るが、およそ100重量%以下、好ましくは50重量%
以下が適当である。
【0023】本発明においては、原料単量体として、フ
ッ素を含有しないビニル単量体と含フッ素ビニル単量体
とが使用される。本発明において使用されるフッ素を含
有しないビニル単量体は、親水性有機液体に溶解可能な
ものであり、その具体例としては、例えば、下記のもの
が挙げられる。これら単量体は単独で、又は相互の2種
以上の混合物で、あるいはこれらを50重量%以上含有
し、これらと共重合し得る単量体との混合物で使用され
る。
【0024】スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,
4−ジクロルスチレンなどのスチレン類;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステ
ル類;アクリロニトリル、メタクリロニトニル、アクリ
ルアミドなどのアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導
体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニルなどのハ
ロゲン化ビニル類など。
【0025】また、本発明で使用される含フッ素ビニル
単量体としては、例えば以下のものが挙げられる。 CF2=CF2,CH2=CF2,CH2=CHF,CHF
=CHF,CH2=CF−CH3,CH2=CH−CF3
CF2=CF−CF3,CCl2=CF2,CFCl=CH
2,CFCl=CF2,CH2=CH−CH2(CF2)n
H(n=2〜8),CH2=CH−COOCF3,CH2
=CF−COOCH2CH2F,CH2=CH−COOC
2CF2CHFCF3,CH2=CH−COOCH2(C
23CHF3,CH2=CH−COOCH2(CF2)n
H(n=2〜8), CH2=CH−COOCH2CH2OCH2CF3,CH2
CHCOOCH2CH2OCF2CHF2,CH2=CHC
OOCH2CF2CF2O(CF23CF3,CH2=CH
OCO(CF2)nF(n=1〜8),CH2=CHCO
OCH2CH2OCH2CF2CF2H,CF2=CF−C6
5,CClF=CF−C65,CF2=CF−C64
CH3,CH2=CH−C64−F,CH2=CH−C6
4−CF3,CH2=CH−C65,CH2=CF−COO
CH3,CH2=CH2OCH2CF3CH2=CH−C64−CH2OCOC715,CH2=C
H−C64−OC3nF6n-1(n=1〜3),CF3(C
2)nCH2CH2OCOCH=CHCOOCH2CH
2(CF2)nCF3(n=1〜8),
【0026】特に−SO2基を持つものとしては、次の
ものが挙げられる。
【0027】また、本発明においては、重合性の二重結
合を2個以上有するいわゆる架橋剤を存在させて重合
し、架橋重合してもよい。この場合、好ましく用いられ
る架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
リン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、
その他エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールメタクリレート、トリエチレングリコール
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、アリルメタクリレート、tert−ブチルアミノ
エチルメタクリレート、テトラエチレングリコールメタ
クリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレー
ト、などのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−
ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフ
ィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合物及び
3個以上のビニル基を持つ化合物などが挙げられ、これ
らは単独又は混合物などで用いられる。
【0028】このように架橋された種粒子を用いて成長
重合反応を引き続いて行なった場合には、生成する重合
体粒子の内部が架橋されたものとなる。また、一方で成
長反応に用いるビニル単量体溶液に上述の架橋剤を含有
させた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られ
る。
【0029】本発明においては、平均分子量を調節する
ことを目的として、連鎖移動定数の大きな化合物を共存
させて重合を行なってもよい。このような化合物として
は、例えばメルカプト基を持つ低分子化合物や四塩化炭
素、四臭化炭素などが挙げられる。
【0030】本発明で使用される重合開始剤としては、
使用される溶媒に可溶の通常のラジカル開始剤が使用さ
れる。例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオ
クトエートなどの過酸化物系開始剤、過硫酸カリウムの
ような過硫化物系開始剤あるいはこれにチオ硫酸ナトリ
ウム、アミン等を併用した系などが用いられている。重
合開始剤濃度はビニル単量体100重量部に対して0.
1〜10重量部が好ましい。
【0031】重合は親水性有機液体に高分子分散剤を完
全に溶解した後、1種又は2種以上のビニル単量体、重
合開始剤等を添加し、反応槽内の流れが均一になるよう
な速度で撹拌しながら、用いた開始剤の分散速度に対応
した温度に加熱して行なう。なお、重合初期の温度が生
成する粒子径に大きな影響を与えるため、単量体を添加
した後に温度を重合温度まで上げ、開始剤を少量の溶媒
に溶解して投入するのが望ましい。更に、この時の重合
開始剤濃度を一定の範囲に制限することにより、初期に
生成する核体粒子を安定に合成することができる。重合
開始時の濃度は好ましくは0.1重量%以下であり、よ
り粒子を安定化させ再現性良く合成するためには、0.
05%以下であることが好ましい。
【0032】初期に形成された核の成長速度を早めるた
めに、また高重合率域まで反応を進め、所望の分子量の
重合体を得るために、核形成後、系に存在する未反応の
ビニル単量体に対して0.1重量%以上の開始剤を添加
し、重合反応を進めることが必要である。もちろん、追
加する開始剤は、核体形成時に用いたものと同一であっ
ても、また違っても、あるいは2種以上混合して用いて
も良い。重合の際には窒素ガス、アルゴンガス等の不活
性気体にて反応容器の空気中酸素を充分に追い出す必要
がある。もし、酸素パージが不充分であると微粒子が発
生し易い。
【0033】重合を高重合率域で行なうには、5〜40
時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径分布の状
態で重合を停止させたり、また重合開始剤を順次添加し
たり、高圧下で反応を行なうことにより重合速度を速め
ることができる。
【0034】本発明においては、原料単量体として、フ
ッ素を含まないビニル単量体の少なくとも1種と、含フ
ッ素ビニル単量体の少なくとも1種とが用いられるが、
粒子が形成され、成長していく過程で含フッ素ビニル単
量体を添加することが好ましい。なお、重合が終了して
いる重合液中に含フッ素ビニル単量体を添加して、再び
重合を始めるということも可能である。樹脂粒子中にフ
ッ素が含まれることは粒子の表面エネルギーを下げ、離
型性、流動性などに優れた効果を発揮する。
【0035】分散重合においては、重合初期の粒子の核
生成時のビニル単量体の組成が、分散剤濃度、溶媒種な
どとともに、粒子径分布にかなり影響を与える。そし
て、初期に形成された分布が重合終了時の分布を決める
といってよいため、初期に粒径分布を制御することは大
切である。一般的に分散重合法によると、他の重合法と
比較して粒径分布は狭くなる。ところが、含フッ素ビニ
ル単量体が初期から存在すると、粒子径分布が広がり、
更には安定性が悪くなり、凝集体となる場合がある。そ
のため、含フッ素ビニル単量体は、粒子の核が生成し粒
子径がある程度まで成長し、安定になっている状態の時
に添加することが望ましい。核生成時以降に添加された
含フッ素ビニル単量体は、未反応のビニル単量体との共
重合体となり、離型性を持った共重合体として粒子中に
存在する。しかし、未反応のビニル単量体が少ない場合
は、含フッ素ビニル単量体の重合体として存在し、粒子
中に同量の離型性重合体を存在させるためには、高価な
含フッ素ビニル単量体をより多く必要とする。そのた
め、含フッ素ビニル単量体は、未反応のビニル単量体が
存在する重合液に添加するか、あるいは他のビニル単量
体とともに、添加することが望ましい。
【0036】このようにして重合された粒は、離型性を
もたせることが可能である。しかし、含フッ素ビニル単
量体はその重合体のガラス転移点が高いものが多く、全
体がフッ素を含んだ均一の共重合体となると、定着エネ
ルギーが高くなる場合がある。ところが、−SO2を持
つ含フッ素ビニル単量体を添加することにより、新たに
重合された共重合体は添加前の共重合体と相溶しない。
そのため、粒子中及び粒子表面に、トナーとしたときに
定着し易い部分と、オフセット及び巻き付き防止に効果
のある部分とが共存し、定着を阻害することなく効果を
発揮する。この方法によれば、含フッ素ビニル単量体以
外のビニル単量体の選択範囲が広がり、他の手段を用い
なくても、低温定着でオフセットの発生しないトナーが
得られる。
【0037】−SO2を持つ含フッ素ビニル単量体以外
でも、含フッ素ビニル単量体をアニオン又はカチオン性
のビニル単量体とともに添加することにより、添加前の
共重合体と相溶しない共重合体を新たに重合することが
可能である。この方法によれば、含フッ素ビニル単量体
は限定されることがなく、更に離型性効果の高い含フッ
素ビニル単量体も使用でき、トナーとしたときの離型性
も高まる。これらの場合、後から添加するビニル単量体
の量と添加時間によっては、粒子表面はすべてフッ素を
含んだ重合体となってしまう場合も考えられるため、粒
子の成長がある程度鈍った時点で、好ましくは重合率が
70%以上になった時点で添加すればよい。
【0038】含フッ素ビニル単量体とともに添加するア
ニオン性又はカチオン性ビニル単量体のうち、アニオン
性ビニル単量体の好ましい例としては、不飽和カルボン
酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸
モノマーなどが挙げられる。これらの具体例を挙げる
と、不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマール酸、シトラコン酸、ケイ皮酸、ブテントリカル
ボン酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、テトラヒドロ
テレフタル酸等の不飽和カルボン酸類や、イタコン酸モ
ノブチルエステル、マレイン酸モノメチルエステル、マ
レイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチル
エステル等のハーフエステル類や、無水マレイン酸、無
水イタコン酸等の不飽和二塩基酸の無水物などがある。
【0039】不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチ
レンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル
酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン
酸エステル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸
の硫酸モノエステル、アリルスルホコハク酸、アリルス
ルホコハク酸オクチル、ビニルスルホン酸、2−スルホ
エチル(メタ)アクリレート、及びその塩などがある。
【0040】また、不飽和リン酸モノマーとしては、ビ
ニルホスホン酸、ビニルホスフェート、アシッドホスホ
キシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ア
シッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、アシ
ッドホスホキシプロピル(メタ)アクリレート、ビス
(メタアクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル
−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフ
ェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、
ジブチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェー
ト、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェ
ート、ジオクチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルホスフェート、モノ−(2−メタクリロイルオキシ
エチル)アシッドホスフェートなどがある。
【0041】カチオン性ビニル単量体の好ましい例とし
ては、アミノ基を有する脂肪族アルコールの(メタ)ア
クリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、N原子上
でアルキル基によりモノ−若しくはジ−置換された(メ
タ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸アミ
ド、Nを環員とする複素環基で置換されたビニル化合
物、N,N−ジアリル−アルキルアミン、モノ−若しく
はジ−アルキルアミノ基を有するスチレン類、モノ−若
しくはジ−アルキルアミノ基を有するビニルエーテル
類、あるいはこれらを4級化したものなどが挙げられ
る。
【0042】アミノ基若しくはアルキルアミノ基を有す
る脂肪族アルコールの(メタ)アクリル酸エステルの例
としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、3−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。
【0043】(メタ)アクリル酸アミドあるいはN上で
モノ−若しくはジ−アルキル置換された(メタ)アクリ
ル酸アミドとしては、アクリルアミド、N−ブチルアク
リルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリ
ジルアクリルアミド、N−(N′,N′−ジメチルアミ
ノエチル)アクリルアミド、N−(N′,N′−ジメチ
ルアミノエチル)メタクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、N−
(N′,N′−ジエチルアミノエチル)アクリルアミ
ド、N−(N′,N′−ジエチルアミノエチル)メタク
リルアミド、N−(N′,N′−ジメチルアミノプロピ
ル)アクリルアミド、N−(N′,N′−ジメチルアミ
ノプロピル)メタクリルアミド、N−(N′,N′−ジ
エチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N′,
N′−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリ
ルアミド、N−メチルアミノエチルアクリルアミド、N
−メチルアミノエチルメタクリルアミド等が挙げられ
る。
【0044】Nを環員として有する複素環基で置換され
たビニル化合物の例としては、ビニルピリジン、ビニル
ピロリドン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−エ
チル−5−ビニルピリジン等が挙げられる。また、N,
N−ジアリルアルキルアミンの例としては、N,N−ジ
アリルメチルアミン、N,N−ジアリルエチルアミン等
が挙げられる。
【0045】アルキルアミノ基を有するスチレン類とし
ては、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン、N,N
−ジメチルアミノエチルスチレン、N,N−ジエチルア
ミノエチルスチレン等が挙げられる。また、アルキルア
ミノ基を有するビニルエーテル類としては、2−ジメチ
ルアミノエチルビニルエーテル、2−ジエチルアミノエ
チルビニルエーテル等が挙げられる。
【0046】また、これらをアルキル基の炭素数4以下
の硫酸ジアルキルやメタンスルホン酸、ベンゼンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸等のアルキル基の炭素数18
以下のアルキル又はアリールスルホン酸のアルキルエス
テルや塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化ベン
ジル、そしてアルキル基の炭素数18以下のハロゲン化
アルキル等の公知の4級化剤で4級化したものなどが挙
げられる。
【0047】また、カチオン性、アニオン性双方の性質
を備えた両性イオン性単量体も好ましい例として含むこ
とができる。例えば、N,N−ジメチル−N−メタクリ
ロキシエチル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニ
ウムベタイン、N,N−ジメチル−N−メタクリルアミ
ド−プロピル−N−(3−スルホプロピル)−アンモニ
ウムベタイン、1−(3−スルホプロピル)−2−ビニ
ルピリジニウムベタイン、あるいはN−(ビニルベンジ
ル)タウリン、N−メチル−N−(ビニルベンジル)タ
ウリン、N−(イソプロペニルベンジル)タウリン、N
−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロピル)タウリ
ン、2−[N−(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロ
ピル)]タウリン、N−(2−ヒドロキシ−3−アリロ
キシプロピル)タウリンなども含まれる。
【0048】含フッ素ビニル単量体、あるいは含フッ素
ビニル単量体及びアニオン性又はカチオン性のビニル単
量体とともに添加するビニル単量体は、添加前のビニル
単量体と同じでもまた異なってもよい。含フッ素ビニル
単量体の添加量は、添加時期及び一緒に添加するビニル
単量体の有無種類によって異なり、含フッ素ビニル単量
体の添加時間が早いほど、また一緒に添加するビニル単
量体の量が多いほど多く必要となる。しかし、−SO2
を持つ含フッ素ビニル単量体あるいはアニオン性又はカ
チオン性のビニル単量体とともに添加する場合は、それ
以外の場合より少ない量で同じ効果を発揮することがで
きる。
【0049】この場合、生成する−SO2を持つ含フッ
素ビニル単量体あるいはアニオン性又はカチオン性のビ
ニル単量体との共重合体は、比較的極性が高い場合が多
いため、親水性有機液体に溶解しないように、その使用
量は、ビニル単量体の種類と使用量に基づいて決定され
る。好ましくはビニル単量体に対し、1〜30重量%用
いられるが、もちろんそれ以外の量を用いてもよい。
【0050】含フッ素ビニル単量体を添加する場合は、
該ビニル単量体だけで添加してもよいが、その量が多い
場合重合液内の粘度が高くなり、凝集体を発生し易くな
るため、親水性有機液体に希釈して添加することが好ま
しい。この時の親水性有機液体は、添加前後で同じでも
異なってもよい。また、更に安定性を増すために、高分
子分散剤を溶かした親水性有機液体を用いてもよい。
【0051】重合終了後は、沈降分離、遠心分離、デカ
ンテーション等の操作により、不必要な微粒子、残存モ
ノマー、高分子分散剤などを除いた後に、重合体スラリ
ーとして回収される。但し、得られた樹脂粒子からトナ
ーを製造する場合には、重合終了後の重合系をそのまま
染着処理に供しても良いし、また上記のように精製処理
を行なった後に、染着処理に供しても良い。重合系をそ
のまま染着処理する場合には、高分子分散剤が存在する
ため染着系の安定性が高く、不要な凝集が抑制されると
いう利点がある。一方、精製を行なった場合には、染着
に最も適した溶媒に置換することが可能という利点があ
る。
【0052】本発明によって得られたフッ素含有共重合
体粒子は高画質化用小粒径トナー製造用として極めて有
用である。即ち、本発明で製造された樹脂粒子を親水性
有機液体中に分散された状態で着色し、乾燥することに
よって、高画質化を達成し得る小粒径且つ狭粒子径分布
のトナーが得られる。以下、このトナー製造のための染
着処理について説明する。
【0053】染料を樹脂粒子に染着させるために用いる
有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないも
の、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解
性パラメータ〔SP値〕と使用する樹脂粒子の〔SP
値〕との差が1.0以上、好ましくは2.0以上のもの
が使用される。例えば、スチレン/アクリル系樹脂に対
しては、〔SP値〕が高いメタノール、エタノール、n
−プロパノール等のアルコール系かあるいは〔SP値〕
が低いn−ヘキサン、n−ヘプタン等を使用する。もち
ろん〔SP値〕の差が大きいと、樹脂粒子に対する濡れ
が悪くなり、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、
最適な〔SP値〕差は2〜5が好ましい。
【0054】染着に使用する染料は、使用する有機溶媒
に対する溶解度〔D1〕と樹脂を溶解し得る有機溶媒に
対する溶解度〔D2〕の比〔D1〕/〔D2〕が0.5
以下であれば、どのような染料でも良いが、染着された
あとのトナーの粉体抵抗を高く維持するためには、分散
染料、油溶性染料及びバット染料が好ましい。抵抗が低
い場合は転写率が劣化する恐れがある。
【0055】染着の方法としては、有機溶媒中に染料を
分散溶解させ、その後樹脂粒子を分散させる。染料の樹
脂粒子に対する重量比率は、着色度に応じて決定すれば
よいが、通常は樹脂粒子100重量部に対して1〜50
重量部を使用する。有機溶媒中に染料と樹脂粒子を分散
させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下で且
つガラス転移温度よりも20℃低い温度以上に保ち、3
0分〜1時間程度撹拌することが望ましい。撹拌の方法
は市販されている撹拌機、例えばホモミキサー、マグネ
チックスターラー等を用いて撹拌すればよい。
【0056】また、分散重合等で重合終了時得られるス
ラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散してい
る状態の溶液に、染料を直接添加して前記の条件にて加
熱撹拌してもよい。
【0057】粒子は、高分子分散剤により安定化されて
おり、染着温度を樹脂のガラス転移温度以上に上げても
粒子同士の凝集、融着はおこらず、染着効率(使用した
染料のうち樹脂中に取り込まれる割合)も高くなる。
【0058】染着に使用する染料としては、染着時に使
用する溶媒への溶解度〔D1〕と、該樹脂粒子を溶解し
得る有機溶媒への溶解度〔D2〕の比〔D1〕/〔D
2〕が0.5以下であることが必要であるが、〔D1〕
/〔D2〕が0.2以下であることが特に好ましい。該
樹脂粒子を溶解し得る有機溶媒への溶解度〔D2〕は、
樹脂粒子を最も良く溶解する溶媒を実質的に、あるいは
SP値から決定し、溶解度〔D2〕を求めることが望ま
しい。樹脂を良く溶かす溶媒(樹脂のSP値±2のSP
値を持つことが望ましい)に対する染料の溶解度が高い
ことは、すなわち樹脂と染料の親和性が高いことを意味
する。〔D1〕/〔D2〕が0.5以上ではまったく染
着しないか、着色が内部まで行われず不充分である。
【0059】染料としては、上記の溶解特性を満たせ
ば、特に制限はないが、カチオン染料、アニオン染料等
の水溶性染料は、環境変動が大きい恐れがあり、またト
ナーの抵抗が低くなり、転写率が劣化する恐れがある。
従って、バット染料、分散染料、油溶性染料が好まし
く、特に油溶性染料が好ましい。また、着色に応じて数
種の染料を提供することもできる。
【0060】染着される染料と樹脂粒子との比率(重
量)は、着色度に応じて任意に選択されるが通常は樹脂
粒子100重量部に対して、染料1〜50重量部が好ま
しい。
【0061】使用する染料は、樹脂粒子及び染着時に使
用する溶媒により適宜選択することができるが、例え
ば、染着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノール等
の、アルコール類を使用し、SP値9程度のスチレン/
アクリル系樹脂を使用した場合、樹脂は染着溶媒に溶解
しない。しかし、SP値9程度のアセトン、トルエン、
ベンゼン等の有機溶媒には、よく溶解する。
【0062】この場合、使用し得る染料としては、例え
ば C.I.SOLVENT YELLOW(6,9,1
7,31,35,100,102,103,105) C.I.SOLVENT ORANGE(2,7,1
3,14,66) C.I.SOLVENT RED(5,16,17,1
8,19,22,23,143.145,146,14
9,150,151,157,158) C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,
33,37) C.I.SOLVENT BLUE(22,63,7
8,83〜86,191,194,195,104) C.I.SOLVENT GREEN(24,25) C.I.SOLVENT BROWN(3,9)が好ま
しい。
【0063】市販染料では、例えば保土ケ谷化学の愛染
SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−
1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,
3、Brown−2、Blue−1,2、Violet
−1、Green−1,2,3、Black−1,4,
6,8やBASFのSudan染料Yellow−14
6,150、Orange−220、Red−290,
380,460、Blue−670や三菱化成のダイア
レジンYellow−3G,F,H2G,HG,HC,
HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,H
S,A,K,H5B、Violet−D、Blue−
J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、
Brown−Aやオリエント化学工業のオイルカラーY
Ellow−3G,GG−S,#105、Orange
−PS,PR,#201、Scarlet−#308,
Red−5B,Brown−GR,#416、Gree
n−BG、#502、Blue−BOS、IIN、Bla
ck−HBB,#803,EB,EXや住友化学工業の
スミプラストブルーGP,OR、レッドFB,3B、イ
エローFL7G,GC、日本化薬カヤロンポリエステル
ブラックEX−SF300、カヤセットRed−B、ブ
ルーA−2R、等を使用することができる。もちろん、
染料は、樹脂粒子と染着時に使用する溶媒の組合わせで
適宜選択されるため、上記例に限られるものではない。
【0064】染着工程を終了後は、分散安定剤、残存モ
ノマー、極微小粒子、及び未染着染料を除く必要があ
る。フィルターによる濾過、遠心沈降分離、液体サイク
ロン等による分離を行なえば良い。得られたものが湿っ
たケーキ状のものならば、ロータリーキルン、振動流動
乾燥機などで乾燥され、スラリー状ならばスプレードラ
イヤー、流動床式乾燥機等が使用できる。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下に示す部及び%はいずれも重量基準である。
【0066】また、参考例、参考比較例中のトナーの評
価において、各項目は次のようにして評価した。 定着エネルギーの評価…まず、複写機を定着温度が標
準設定温度の±30℃の範囲で変更できるように改造
し、定着温度の異なる定着画像を得る。この画像の黒ベ
タ部を砂消しゴムで5回こすり(クロックメータ−によ
る)、その反射濃度が0.8以上となる温度を定着温度
として、定着エネルギーを算出した。 オフセットの有無…定着エネルギーの評価のために得
られた画像に、オフセットによる汚れがないかどうか調
べた。 巻き付きの有無…黒ベタ画像という巻き付きにとって
厳しい条件で行ない、標準設定温度で定着された画像が
スムーズに排出されるかどうかを調べた。
【0067】実施例1 撹拌翼、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管を取り付け
た密閉可能な反応容器を恒温水槽内に取り付け、この反
応容器内に次の組成のものを仕込んだ。 メタノール 108部 ポリビニルピロリドン 6部 撹拌翼を回転させポリビニルピロリドンを完全に溶解さ
せた。次に、以下の組成のものを容器内に仕込んだ。 スチレン 32部 2−エチルヘキシルアクリレート 6部 n−ブチルメタクリレート 2部 ブタンジオールジメタクリレート 1.2部 チオグリセリン 0.6部
【0068】引き続き撹拌翼を回転させながら、容器内
に窒素ガスを吹き込み、完全に酸素を追い出したところ
で、水槽内を65±0.1℃に昇温し、次のものを添加
して重合を開始した。 アゾビスイソブチロニトリル 0.6部 メタノール 12部 重合開始から6時間後、次のものを滴下ロートで滴下し
た。添加直前の重合液を一部サンプリングして重合率を
重量法により算出したところ、55.3%であった。 CH2=CH−COOCH2(CF22H 4部 滴下終了後すぐに、メタノール0.1部に溶かしたアゾ
ビスイソブチロニトリル0.04部を添加した。その後
18時間反応を続けた後に室温に冷却して分散液を得
た。
【0069】得られた重合体粒子について、コールター
マルチサイザー(100μmアパチャーチューブ)にて
粒度分布測定を行なったところ、体積平均粒子径7.5
4μm、個数平均粒子径6.66μm、その比が1.1
32でシャープな粒子径分布を有する重合体粒子であっ
た。
【0070】比較例1 実施例1と同様の方法で重合を行なったが、途中で含フ
ッ素ビニル単量体を添加することなく20時間重合を続
けた後に、室温に冷却して分散液を得た。得られた重合
体粒子について、コールターマルチサイザー(100μ
mアパチャーチューブ)にて粒度分布測定を行なったと
ころ、体積平均粒子径7.46μm、個数平均粒子径
6.61μm、その比が1.129でシャープな粒子径
分布を有する重合体粒子であった。
【0071】比較例2 実施例1と同様の方法で重合を行ない、6時間後に含フ
ッ素ビニル単量体の代わりに次に架橋剤を添加した。 ブタンジオールジメタクリレート 0.2部 メタノール 0.5部 添加直前の重合液を一部サンプリングして重量法により
重合率を算出したところ56.2%であった。その後1
8時間反応を続けた後に室温に冷却して分散液を得た。
【0072】得られた重合体粒子について、コールター
マルチサイザー(100μmアパチャーチューブ)にて
粒度分布測定を行なったところ、体積平均粒子径7.4
8μm、個数平均粒子径6.57μm、その比が1.1
39でシャープな粒子径分布を有する重合体粒子であっ
た。
【0073】参考例1及び参考比較例1〜2 実施例1及び比較例1〜2で重合された各分散液から8
0部をフラスコにとり、蒸留水20部を混合し、スター
ラー撹拌している中に、次の染料粉体を少量づつ30分
かけて投入した。 オイルブラック860 1.8部 オイルオレンジ201 0.45部 染料投入後、そのまま室温で10時間撹拌した。
【0074】この染着液を75μmのフィルターに通し
て、未溶解染料の凝集物を取り除いた。その後染着液を
遠心沈降し、上澄みを取り除き、メタノール70部、蒸
留水30部の混合溶媒に再分散するという作業を2回行
ない、最後にメタノール50部、蒸留水50部の混合溶
媒に再分散した。濾別後風乾し黒色に着色した樹脂粒子
を得た。この着色樹脂粒子100部と酸化チタン0.3
部とをボールミルで10分間撹拌してトナーを得た。
【0075】これらのトナーについて評価を行なった。
トナー3部、キャリア97部を撹拌混合して現像剤とし
た。画像評価はリコー社製複写機FT−4820(オイ
ルレス機)によって行なった。実施例1の粒子からのト
ナーで得られた画像は、解像度、ハーフトーン再現性と
もに優れていた。また、定着エネルギーは0.20ca
l/cm2と低く、オフセットによる画像汚れや巻き付
きもなかった。比較例1の粒子からのトナーで得られた
画像は、解像度、ハーフトーン再現性ともに優れてい
た。また、定着エネルギーは0.20cal/cm2
低いが、オフセットによる画像汚れが発生してしまっ
た。比較例2の粒子からのトナーで得られた画像は、解
像度、ハーフトーン再現性ともに優れていた。架橋剤が
添加されたために、オフセットによる画像汚れはなかっ
た。しかし、巻き付きにはならなかったが、定着ローラ
ーと定着された紙とが分離しにくかったらしく、分離爪
でこすられた跡が見えた。また、定着エネルギーも0.
27cal/cm2まで上がってしまった。
【0076】実施例2 実施例1と同様の反応容器内に次のものを仕込んだ。 メタノール 90部 メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体 2部 水槽内を65℃で加熱し撹拌翼を回転させ、2時間でメ
チルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体を完全に
溶解させた。その後反応容器内を室温に下げ、次のもの
を仕込んだ。 スチレン 24部 24部 アクリル酸メチル 16部 ジビニルベンゼン 0.4部 ヘキサデシルメルカプタン 0.1部
【0077】引続き撹拌翼を回転させながら、容器内に
窒素ガスを吹き込み、完全に酸素を追い出したところ
で、水槽内を65±0.1℃に昇温して次のものを添加
した。 アゾビスイソブチロニトリル 0.01部 メタノール 0.5部 添加後約15分で系内の白濁が始まり、そのままの条件
で30分反応を続けた後、次のものを添加した。 アゾビスジメチルバレロニトリル 0.4部 メタノール 6部 添加後しばらくすると白濁が強くなり、反応が加速され
たことがわかった。その5時間後に、次のものをシリン
ジで添加した。 チオグリコール酸−2−エチルヘキシル 0.4部 メタノール 1.0部 添加から15時間後に室温に冷却し重合を停止した。こ
の時の重合率を重量法により算出したところ、95.7
%であった。
【0078】撹拌翼の回転と窒素ガスの吹き込みを続け
たまま、この重合液に次のものを滴下した。 2−(N−エチルパーフロロオクタスルホアミド)エチルアクリレート 1.2部 メチルメタクリレート 12部 メタノール 33部 その後水槽内を65±0.1℃に昇温したところで、メ
タノール4部に溶かしたアゾビスイソブチロニチリル
0.18部を添加し、再び重合を開始した。その後15
時間重合を続けた後、室温に冷却して分散液を得た。
【0079】得られた重合体粒子について、コールター
マルチサイザー(100μmアパチャーチューブ)にて
粒度分布測定を行なったところ、体積平均粒子径5.6
4μm、個数平均粒子径5.11μm、その比が1.1
04であった。
【0080】参考例2 実施例2で得られた分散液100部と蒸留水20部を混
合し、その中に次の染料を投入し、室温で1時間撹拌し
た。 オイルブラック860 1.8部 オイルオレンジ201 0.45部 その後50℃の水槽内で5時間撹拌し、一部サンプリン
グして光学顕微鏡で観察したところ、内部まで均一に黒
色となっていたため、室温に冷却して染着液とした。こ
の染着液を75μmのフィルターに通して未溶解染料の
凝集物を取り除いた。その後染着液を遠心沈降し、上澄
みを除き、メタノール50部、蒸留水50部の混合溶液
に再分散する作業を3回行ない、濾別後風乾し、トナー
を得た。
【0081】得られたトナーは、添加物を加えなくても
高い帯電量が得られ、流動性も良かった。このトナー3
部、キャリア97部を撹拌混合して現像剤とし、リコー
社製複写機IMAGIO420(定着機のオイル塗布装
置を外したもの)によって得られた画像は、解像度、ハ
ーフトーン再現性ともに優れていた。また、定着エネル
ギーは0.21cal/cm2と低く、オフセットによ
る画像汚れや巻き付きもなかった。このトナーの断面写
真から、粒子構成成分の中に異なる成分のものが点在し
ている様子が観察された。
【0082】実施例3 撹拌翼、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管を取り付け
た密閉可能な反応容器を恒温水槽内に取り付け、この反
応容器内に次の組成のものを仕込んだ。 メタノール 450部 ポリビニルピロリドン 20部 撹拌翼を回転させポリビニルピロリドンを完全に溶解さ
せた。次に、以下の組成のものを容器内に仕込んだ。 スチレン 140部 メチルアクリレート 50部 エチルアクリレート 10部 エチレングリコールジメタクリレート 2部 tert−ドデシルメルカプタン 0.4部
【0083】引続き撹拌翼を回転させながら、容器内に
窒素ガスを吹き込み、完全に酸素を追い出したところ
で、水槽内を65±0.1℃に昇温して、次のものを添
加した。 アゾビスイソブチロニトリル 0.01部 メタノール 0.5部 添加後約15分で系内の白濁が始まり、そのままの条件
で30分反応を続けた後、次のものを添加した。 アゾビスイソブチロニトリル 3部 メタノール 50部 添加後しばらくすると白濁が強くなり、反応が加速され
たことがわかった。そのまま重合を続け15時間後に室
温に冷却した。この分散液の重合率を重量法により算出
したところ78.6%であった(この分散液を分散液A
とする)。
【0084】分散液A140部を、撹拌翼、冷却コンデ
ンサー、窒素ガス導入管を取り付けた密閉可能な反応容
器内にいれ、恒温水槽内に取り付け、撹拌翼を回転させ
た。次に、下記の組成のものを、ポリビニルピロリドン
1.6部を溶かしたメタノール40部と共に、分散液A
の入っている反応容器内に滴下した。 テトラフルオロプロピルアクリレート 4部 メチルアクリレート 12部 エチレングリコールジメタクリレート 0.08部 滴下終了後、容器内に窒素ガスを吹き込み、完全に酸素
を追い出したところで、水槽内を65±0.1℃に昇温
して、次のものを添加して再び重合を開始した。 アゾビスイソブチロニトリル 0.24部 メタノール 0.5部 その後15時間重合を続けた後、室温に冷却して分散液
を得た。
【0085】得られた重合体粒子について、コールター
マルチサイザー(100μmアパチャーチューブ)にて
粒度分布測定を行なったところ、体積平均粒子径6.1
4μm、個数平均粒子径5.54μm、その比が1.1
08であった。
【0086】実施例4 まず、実施例3で得られた分散液A140部を実施例3
と同様の反応器内に入れ、恒温水槽内に取り付け、撹拌
翼を回転させた。次に、下記の組成のものを、分散液A
の入っている反応容器内に滴下した。 2−(N−エチルパーフロロオクタスルホアミド)エチルアクリレート 1.6部 スチレン 6.4部 メタノール 20部 滴下終了後、容器内に窒素ガスを吹き込み、完全に酸素
を追い出したところで、水槽内を65±0.1℃に昇温
して、次のものを添加して再び重合を開始した。 アゾビスイソブチロニトリル 0.12部 メタノール 0.3部 その後15時間反応を続けた後、室温に冷却して分散液
を得た。
【0087】得られた分散液について、コールターマル
チサイザー(100μmアパチャーチューブ)にて粒度
分布測定を行なったところ、体積平均粒子径5.78μ
m、個数平均粒子径5.09μm、その比が1.136
であった。
【0088】実施例5 まず、実施例3で得られた分散液A140部を実施例3
と同様の反応器内に入れ、恒温水槽内に取り付け、撹拌
翼を回転させた。次に、下記の組成のものを、分散液A
の入っている反応容器内に滴下した。 トリフルオロエチルメタクリレート 1.2部 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 2部 スチレン 2部 メタノール 13部 滴下終了後、容器内に窒素ガスを吹き込み、完全に酸素
を追い出したところで、水槽内を65±0.1℃に昇温
して、次のものを添加して再び重合を開始した。 アゾビスイソブチロニトリル 0.08部 メタノール 0.2部 その後15時間反応を続けた後、室温に冷却して分散液
を得た。
【0089】得られた分散液について、コールターマル
チサイザー(100μmアパチャーチューブ)にて粒度
分布測定を行なったところ、体積平均粒子径5.24μ
m、個数平均粒子径4.65μm、その比が1.127
であった。
【0090】比較例3 実施例3〜5においては、分散液Aに含フッ素ビニル単
量体を添加したが、ここでは何も添加せずに容器内に窒
素ガスを吹き込み、完全に酸素を追い出したところで、
水槽内を65±0.1℃に昇温して、次のものを添加し
て再び重合を開始した。 アゾビスイソブチロニトリル 0.08部 メタノール 0.2部 その後15時間反応を続けた後、室温に冷却して分散液
を得た。
【0091】得られた分散液について、コールターマル
チサイザー(100μmアパチャーチューブ)にて粒度
分布測定を行なったところ、体積平均粒子径5.16μ
m、個数平均粒子径4.61μm、その比が1.119
であった。
【0092】比較例4 まず、実施例3で得られた分散液A140部を実施例3
と同様の反応器内に入れ、恒温水槽内に取り付け、撹拌
翼を回転させた。次に、下記の組成のものを、分散液A
の入っている反応容器内に滴下した。 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 1.6部 スチレン 14.4部 メタノール 40部 滴下終了後、容器内に窒素ガスを吹き込み、完全に酸素
を追い出したところで、水槽内を65±0.1℃に昇温
して、次のものを添加して再び重合を開始した。 アゾビスイソブチロニトリル 0.32部 メタノール 5部 その後15時間反応を続けた後、室温に冷却して分散液
を得た。
【0093】得られた分散液について、コールターマル
チサイザー(100μmアパチャーチューブ)にて粒度
分布測定を行なったところ、体積平均粒子径6.13μ
m、個数平均粒子径5.49μm、その比が1.117
であった。
【0094】参考例3〜5及び参考比較例3〜4 実施例3〜5及び比較例3〜4で得られた各分散液80
部と蒸留水20部を混合し、その中に次の染料を投入
し、室温で1時間撹拌した。 オイルブラック860 1.8部 オイルオレンジ201 0.45部 その後50℃の水槽内で5時間撹拌し、一部サンプリン
グして光学顕微鏡で観察したところ、内部まで均一に黒
色となっていたため、室温に冷却して染着液とした。こ
の染着液を75μmのフィルターに通して未溶解染料の
凝集物を取り除いた。その後染着液を遠心沈降し、上澄
みを除き、メタノール50部、蒸留水50部の混合溶液
に再分散する作業を3回行ない、濾別後風乾し、着色樹
脂粒子を得た。
【0095】実施例3の樹脂粒子からのトナーの評価 参考例3で得られた着色樹脂粒子100部に酸化チタン
3部を添加し、ボールミルで10分間撹拌してトナーを
得た。このトナー3部、キャリア97部を撹拌混合して
現像剤とし、リコー社製複写機FT−4820によって
得られた画像は、解像度、ハーフトーン再現性ともに優
れていた。また、定着エネルギーは0.22cal/c
2と低く、オフセットによる画像汚れや巻き付きもな
かった。
【0096】実施例4の樹脂粒子からのトナーの評価 参考例4で得られた着色樹脂粒子は添加剤を加えなくて
も流動性が良かったため、乾燥だけでトナーとした。こ
のトナー3部、キャリア97部を撹拌混合して現像剤と
し、リコー社製複写機IMAGIO420(定着機のオ
イル塗布装置を除いたもの)によって得られた画像は、
解像度、ハーフトーン再現性ともに優れていた。また、
定着エネルギーは0.20cal/cm2と低く、オフ
セットによる画像汚れや巻き付きもなかった。
【0097】このトナーの断面の電子顕微鏡写真からは
粒子中に異なる種類の成分が点在していることが確認で
きた。このトナーの帯電量は−38.7μc/gであ
り、10℃、15%の低温低湿の環境では殆ど帯電量の
変化はなかった。一方、30℃、90%の高温高湿の環
境では−23.8μc/gまで帯電量は下がってしまっ
た。この帯電量が下がったトナーで画像を出したが、ト
ナー飛散や地汚れなどの問題はなかった。
【0098】実施例5の樹脂粒子からのトナーの評価 参考例5で得られた着色樹脂粒子100部に疎水性シリ
カ1部を添加し、ボールミルで10分間撹拌してトナー
を得た。添加剤の量は少なかったが充分な流動性があっ
た。このトナー3部、キャリア97部を撹拌混合して現
像剤とし、リコー社製複写機IMAGIO420(定着
機のオイル塗布装置を除いたもの)によって得られた画
像は、解像度、ハーフトーン再現性ともに優れていた。
また、定着エネルギーは0.20cal/cm2と低
く、オフセットによる画像汚れや巻き付きもなかった。
【0099】このトナーのガラス転移点を測定したとこ
ろ、メインの68℃付近のピークの他に80℃付近に僅
かだがピークがあった。このことから粒子中に異なる成
分が存在することが予想された。更に、このトナーの断
面の電子顕微鏡写真からも、粒子中の異なる種類の成分
が点在していることが確認できた。
【0100】比較例3の樹脂粒子からのトナーの評価 参考比較例3で得られた着色樹脂粒子100部に酸化チ
タン3部を添加し、ボールミルで10分間撹拌してトナ
ーを得た。このトナー3部、キャリア97部を撹拌混合
して現像剤とし、リコー社製複写機FT−4820によ
って得られた画像は、解像度、ハーフトーン再現性とも
に優れていた。また、定着エネルギーは0.21cal
/cm2と低かったが、オフセットによる画像汚れがひ
どく、また黒ベタ画像では定着部で巻き付いて排紙され
なかった。
【0101】比較例4の樹脂粒子からのトナーの評価 参考比較例4で得られた着色樹脂粒子100部に疎水性
シリカ3部を添加し、ボールミルで10分間撹拌してト
ナーを得た。このトナー3部、キャリア97部を撹拌混
合して現像剤とし、リコー社製複写機IMAGIO42
0(定着機のオイル塗布装置を除いたもの)によって得
られた画像は、解像度、ハーフトーン再現性ともに優れ
ていた。このトナーの断面の電子顕微鏡写真からは、粒
子中の異なる種類の成分が点在していることが確認でき
た。そのため定着が阻害されることはなく、定着エネル
ギーは0.21cal/cm2と低かったが、薄くオフ
セットが発生した。更に、黒ベタ画像では定着部で巻き
付いて排紙されなかった。
【0102】参考比較例5 参考比較例4で得られた着色樹脂粒子100部とカルナ
バワックス4部をオースターブレンダーで3分間撹拌し
た後、ハイブリダイゼーションシステムNHS−1型に
10000rpm5分間処理した。更に、疎水性シリカ
5部を添加しボールミルで10分間混合撹拌してトナー
を得た。このトナー3部、キャリア97部を撹拌混合し
て現像剤とし、リコー社製複写機IMAGIO420
(定着機のオイル塗布装置を除いたもの)によって画像
を出したが、転写ムラがあった。また、オフセットによ
る地汚れの発生はなく、排紙もスムーズであったが、定
着エネルギーは0.25cal/cm2と高かった。な
お、この方法によると、離型性の向上したトナーが得ら
れるが、実施例1〜5の樹脂粒子から得られるトナーと
比べ、上記のような別の作業が加わり、時間がかかると
いう難点がある。
【0103】
【発明の効果】請求項1の樹脂粒子の製造方法は、含フ
ッ素ビニル単量体の少なくとも1種とフッ素を含有しな
いビニル単量体の少なくとも1種とを分散共重合させる
ということにしたことから、小粒径で且つ粒子径分布の
狭いフッ素含有共重合体粒子が得られる。特に本方法に
よって得られる樹脂粒子はトナー製造用として有用で、
本樹脂粒子から充分な離型性と流動性を有し、しかもオ
フセットによる地汚れや定着ローラーへの巻き付きを発
生しないトナーが得られる。
【0104】請求項2の樹脂粒子の製造方法は、フッ素
を含有しないビニル単量体を重合させ、更に含フッ素ビ
ニル単量体を添加して重合を進行させるということにし
たことから、更に安定して、狭い粒子径分布の粒子が得
られるという効果が加わる。
【0105】請求項3の樹脂粒子の製造方法は、含フッ
素ビニル単量体として−SO2基を有するものを使用し
たことから、新たに形成された該ビニル単量体含有共重
合体部分が、以前に形成された共重合体部分と相溶せ
ず、本方法による樹脂粒子からのトナーは、低いエネル
ギーの定着を阻害しないものとなる。また含フッ素ビニ
ル単量体以外のビニル単量体の選択範囲が広がり、低温
定着でオフセットの発生しないトナーがより容易に得ら
れる。
【0106】請求項4の樹脂粒子の製造方法は、含フッ
素ビニル単量体をアニオン性若しくはカチオン性単量体
と共に添加するということにしたことから、添加前の共
重合体と相溶しない共重合体を新たに重合することがで
き、請求項3と同様の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/087

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性有機液体中に該有機液体に溶解す
    る高分子分散剤を加え、更にこれに前記有機液体には溶
    解するが、生成する重合体は前記有機液体にて膨潤する
    か若しくはほとんどが溶解しない含フッ素ビニル単量体
    の少なくとも1種とフッ素を含有しないビニル単量体の
    少なくとも1種とを加えて重合することを特徴とする樹
    脂粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 フッ素を含有しないビニル単量体の少な
    くとも1種を重合させ、該重合系に更に含フッ素ビニル
    単量体の少なくとも1種を添加して重合を進行させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記含フッ素ビニル単量体が−SO2
    を有するものである請求項1又は2に記載の樹脂粒子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記含フッ素ビニル単量体がアニオン性
    若しくはカチオン性単量体と共に添加される請求項1又
    は2に記載の樹脂粒子の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005085296A1 (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Nisshinbo Industries, Inc. 楕円球状有機ポリマー粒子およびその製造方法

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