JPH06332229A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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Publication number
JPH06332229A
JPH06332229A JP5139575A JP13957593A JPH06332229A JP H06332229 A JPH06332229 A JP H06332229A JP 5139575 A JP5139575 A JP 5139575A JP 13957593 A JP13957593 A JP 13957593A JP H06332229 A JPH06332229 A JP H06332229A
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JP
Japan
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particles
toner
resin
dispersion
acid
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Application number
JP5139575A
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English (en)
Inventor
Akihiro Koban
昭宏 小番
Kenkichi Muto
憲吉 武藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP5139575A priority Critical patent/JPH06332229A/ja
Publication of JPH06332229A publication Critical patent/JPH06332229A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 離型性、流動性、耐久性に優れ、均一で安定
した帯電性能を有し、高品質画像を形成しうる静電荷像
現像用トナーを提供する。 【構成】 着色剤と熱可塑性樹脂を主成分とする着色粒
子(芯粒子)A表面に、離型剤と帯電制御性熱可塑性樹
脂(アニオン性基を有する樹脂の該アニオン性基に含フ
ッ素第4級アンモニウム塩を反応させたもの等)とから
なる被覆層Bにより実施的に被覆したことを特徴とする
静電荷現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電記録
法、静電印刷法などに用いられる静電荷現像用トナーに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真法、または静電記録法等
においては、または誘電体等によりなる潜像担持体上に
種々の方法によって形成された静電潜像を現像するため
に、適当に帯電されたトナーを用いて現像し必要に応じ
て紙等の被複写材にトナー画像を転写した後、加熱圧力
等によって定着し、複写物を得るものである。潜像担持
体上から被複写材上に転写されたトナー像を定着する方
法としては、加熱ローラーによる圧着加熱方式が一般的
である。
【0003】この方法は熱効率がよく、高速定着が可能
であるが、熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加
圧下で接触するためにトナー像の一部が熱ローラー表面
に付着し、そのローラー表面のトナーが被定着材に再び
付着することにより複写画像を汚染する所謂オフセット
現象を発生せしめることである。この現象を防止する目
的で定着ローラー表面をトナーに対して離型性の優れた
シリコンゴムやフッ素樹脂で形成し、さらにその表面に
シリコーンオイル等の離型性液体を供給しているが、こ
の方法はトナーのオフセットを防止する点では極めて有
効であるが、オフセット防止用液体が、加熱、蒸発し、
不快臭を与えることや、またオフセット防止液体を供給
するための装置が必要となる等の問題があった。これを
解決するためにトナーに離型性のある樹脂を含有する方
法(特公昭52−3304号)や、これらの方法を組み
合わせて行う方法がある。しかしこの内添方式では離型
剤をトナー中に比較的多量に含有させなければ十分な効
果が得られず、さらに、結着樹脂と離型剤の相溶性の悪
さから、均一に混合、分散し難いという問題がある。
【0004】これらの問題を解決するために、上記離型
剤を外添によりトナーに加えることが知られている。特
開昭63−11955号にはトナーと低融点ワックスを
ボールミル等で混合し、トナー表面にワックスをコーテ
ィングする方法が開示されているが、この方式ではトナ
ー表面が低分子量の離型剤で被われてしまうため、トナ
ーが良好な帯電特性を持ち得なく、経時変化や使用環境
の変化に対して安定な現像が不能となり、さらにトナー
の流動性が著しく悪化するため現像部でのトナー供給が
円滑に行えなかったり、流動性の改良のために無機微粉
体などの補助材料を多量に必要とし、その流動性改質材
料が感光体等に付着することによるスジ状の画像抜け等
の悪影響を及ぼす。
【0005】また一方では、特開昭63−61265
号、特開昭64−54458号にはトナーとポリエチレ
ン樹脂やポリエチレン微粉末を混合する方法が開示され
ているが、この方式では、トナーと遊離した離型剤が存
在し、オフセット現象を防止する効果が弱く、また、遊
離した離型剤により感光体やキャリアなどを汚染する等
の欠点がある。また特開昭63−41861号では8μ
mのトナーに2μmのポリプロピレンを混合し加熱加圧
下で表面に密着させる方法や、特開昭63−24405
3号ではトナーに対して粒径比0.2以下の離型性粒子
を機械的衝撃により表面に固定化する方法が提案されて
いる。しかし、トナー粒子に遊離した離型剤が無い状態
で固着させるためには、離型剤の粒径はトナー粒径の1
/10以下である必要があるため特開昭63−4186
1号の方法では十分でない。また、トナーに一般的に使
用される低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレ
ンは通常公知の方法では粉砕されず、特開昭63−24
4053号に記載の、溶剤に溶解し、その溶液を他の溶
剤に混合せしめて析出させる方法や、冷却して析出させ
る方法では、一部微粒状になるが凝集物ができてしま
い、解砕されず、トナー中に凝集体として残存してしま
うという欠点があり、また加熱噴霧による方法ではせい
ぜい数μmの大きさが限度である。このように低分子量
のポリオレフィン類は微粒子状の粉体として得られない
のが現状である。
【0006】また、特開昭63−300245号には離
型剤にエマルジョンワックス類を用いて、液体中で結着
樹脂表面に担持する方法が開示されているが、この方法
はトナー粒子の表面組成を均一なものにすることはでき
るものの、表面に低分子量離型剤成分が暴露し、離型剤
成分が他の部材と直接接触するため、トナーの帯電特性
への影響や、感光体、キャリアなどの汚染、流動性の悪
化等の同様の悪影響を生ずる問題を有する。さらに特開
平1−25783号では、ソープフリー乳化重合で作成
され、オフセット防止剤を含有した微小粒子を表面に担
持する方法が開示されているが、この方法では、トナー
粒子の安定な帯電性を付与することは困難である。又、
経時及び温湿度変化に対して帯電量が変化してしまうと
いう問題を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、離型
性、流動性、耐久性に優れ、均一で安定した帯電性能を
有し、高品質画像を形成する静電荷現像用トナーを提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明者が鋭意研究したところ、下記のトナーによ
って達成できることを見い出した。即ち、本発明によれ
ば、 1.着色剤と熱可塑性樹脂を主たる成分とする芯粒子A
表面に、離型剤と帯電制御性熱可塑性樹脂とからなる被
覆層Bにより実質的に被覆するように設けたことを特徴
とする静電荷現像用トナーが提供され、また、 2.前記被層Bを構成する帯電制御性熱可塑性樹脂が、
アニオン性基を有する樹脂の該アニオン性基に含フッ素
4級アンモニウム塩を反応させたものであることを特徴
とする前記静電荷現像用トナーが提供され、特に、 3.該アニオン性基がスルホン酸基であることを特徴と
する前記静電荷現像用トナーが提供され、更にまた、 4.前記被覆層Bが、微粒子B−nを機械的衝撃力およ
び、または、熱により固着させたことを特徴とする前記
静電荷現像用トナーである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる着色剤と熱可塑性樹脂を主成分とする着色粒
子(芯粒子)Aは従来の着色剤と結着樹脂を混練、粉砕
して得られた粒子、着色剤含有単量体を界面重合して得
られた粒子なども使用できるが、小粒子で且つ粒径分布
のせまい粒子が容易に得られる点から分散重合により得
られる樹脂粒子を着色したものを用いるのが好ましい。
分散重合はビニル単量体は溶解するが、これから生成す
る重合体は溶解しない溶媒中で、外溶媒に溶解する分散
安定剤の存在下、重合する方法である。
【0010】樹脂粒子A−1 本発明における樹脂粒子A−1は次のようなものであ
る。即ち、樹脂粒子A−1は、体積平均粒径(Dv)と
個数平均粒径(Dp)の比が1.00≦(Dv/Dp)
≦1.20の範囲にあり、Dvが1〜10μmである。
該樹脂粒子A−1は、親水性有機液体に該親水性有機液
体に溶解する高分子分散剤を加え、これに該親水性有機
液体には溶解するが、生成する重合体は該親水性有機液
体にて膨潤されるか、ほとんどが溶解しない一種又は二
種以上のビニル単量体を加えて重合することにより製造
される。またあらかじめ、目的の粒子径よりは小さいが
粒度分布の狭い重合体を利用して上述の系にて成長させ
る反応も含まれる。成長反応に利用する単量体は種粒子
を製造したものと同じ単量体でもまた別の単量体でも良
いが、重合体は親水性有機液体に溶解してはならない。
Dvが10μm以上では十分な高画質化は達成されず、
1μm以下ではクリーニング性が不十分となる。Dv/
Dpが1.20以上ではDvにもよるが十分な画質化が
達成されなくなる場合がある。
【0011】親水性有機液体 本発明における種粒子の形成時および種粒子の成長反応
時に用いる単量体の希釈剤として用いる親水性有機液体
としては、たとえばメチルアルコール、エチルアルコー
ル、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t
ert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチ
ルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノー
ル、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルア
ルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレ
ングリコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、セ
ロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル等のエーテルアルコール類などが挙げられる。
【0012】これらの有機液体は一種もしくは二種以上
の混合物を用いることができる。なお、アルコール類、
及びエーテルアルコール類以外の有機液体で上述のアル
コール類及びエーテルアルコール類と併用することで、
有機液体の生成重合体粒子に対して溶解性をもたせない
条件下で種々SP値を変化させ、重合条件を変え生成さ
れる粒子の大きさ及び種粒子同士の合一及び新粒子の発
生を抑制することが可能である。
【0013】これらの併用する有機液体としては、ヘキ
サン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、四塩化炭
素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコー
ル、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサン等のケトン類、ギ酸ブチル、酢
酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート
等のエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸類、
ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モ
ノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド等の硫黄、窒素含有有機化合
物類、その他、水も含まれる。
【0014】上記、親水性有機液体を主体とした溶媒に
SO42-、NO2-、PO43-、Cl-、Na+、K+、M
2+、Ca2+、その他の無機質イオンが存在した状態で
重合を行ってもよい。また、重合開始剤と重合途中、重
合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ生
成する重合体粒子の平均粒子径、粒子径分布、乾燥条件
などを調節することができる。
【0015】分散安定剤 種粒子製造時または成長粒子の製造時の分散安定剤の適
当な例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α
−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコ
ン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水
マレイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含有するアクリ
ル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル
酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エ
ステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリ
ンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルア
ルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類例えば
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
プロピルエーテル等、または、ビニルアルコールとカル
ボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリル
アミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、あるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸ク
ロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド
類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダ
ゾール、エチレンイミン等の窒素原子、またはその複素
環を有するものなどのホモポリマーまたはコポリマー、
例えば、アラニン〔例えばドデシル(アミノエチル)グ
リシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン〕等のア
ミノ酸型やベタイン型の両性界面活性剤を併用しても、
生成重合体粒子の安定性及び粒径分布の改良を更に高め
ることができる。
【0016】一般に種粒子製造時の高分子安定剤の使用
量は、目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種
類によって異なるが、親水性有機液体に対し、0.1〜
10重量%、更に好ましくは、1〜5重量%が好まし
い。高分子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する
重合体粒子は比較的大径のものが得られ、濃度の高い場
合には、小粒径のものが得られるが、10重量%を越え
て用いても小粒径化への効果は少ない。以上挙げた高分
子分散安定剤、及び必要なら無機微粉末、顔料、界面活
性剤は種粒子の製造の際に必要であるのはもちろんであ
るが、成長反応の際に粒子同士の合一を防ぐ目的で添加
するビニル単量体溶液や種粒子分散液に存在させて重合
を行ってもよい。
【0017】初期に生成する粒子は親水性有機液体中と
重合体粒子表面に平衡を保って分配された高分子分散安
定剤によって安定化されるが、未反応のビニル単量体が
親水性有機液体中にかなり存在する場合はいくぶん膨潤
された粘着性を持ち、高分子分散安定剤の立体的反発力
に打ち勝って凝集してしまう。更に、極端に親水性有機
液体に対して単量体の量が多い場合は、生成する重合体
が完全に溶解してしまい重合がある程度進行しないと析
出してこない。この場合の析出の状態は粘着性の高い塊
状物を形成する様式をとる。従って、粒子を製造する時
の単量体の親水性有機液体に対する量はおのずと制限さ
れることになり、親水性有機液体の種類によって多少異
なるが、単量体/親水性有機液体がおよそ1以下、好ま
しくは1/2以下が適当である。
【0018】単量体 本発明において、単量体とは親水性有機液体に溶解可能
なものであり、例えばスチレン、O−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチル
スチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、
3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸
n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニ
ル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタ
クリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミ
ノエチル等のα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル
類、アクロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルア
ミド等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、塩化
ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニル等の
ハロゲン化ビニル類等からなる単独または相互の混合物
及びこれらを50重量%以上含有し、これらと共重合し
得る単量体との相互の混合物を意味する。
【0019】架橋剤 また、本発明における重合体は、耐オフセット性を高め
るために、重合性の二重結合を二個以上有するいわゆる
架橋剤を存在させて重合し、架橋剤重合してもよい。好
ましく用いられる架橋剤として、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビ
ニル化合物、その他エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレ
ングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、アリルメタクリレート、tert−
ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラエチレング
リコールメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメ
タクリレート等のジエチレン性カルボン酸エステル、
N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニ
ルスルフィド、ジビニルスルホン等全てのジビニル化合
物及び三個以上のビニル基を持つ化合物が単独または混
合物等で用いられる。このように架橋された種粒子を用
いて成長重合反応を引き続いて行なった場合には、成長
する重合体粒子の内部が架橋されたものとなる。また、
一方で成長反応に用いるビニル単量体溶液上に上述の架
橋剤を含有させた場合には粒子表面が硬化された重合体
が得られる。
【0020】連鎖移動剤 また、平均分子量を調節することを目的として連鎖移動
定数の大きな化合物を共存させて重合を行なってもよ
い。例えば、メルカプト基を持つ低分子化合物や四塩化
炭素、四臭化炭素等が挙げられる。
【0021】重合開始剤 前記単量体の重合開始剤として用いるものは、例えば、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系
重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオ
キシド、tert−ブチルパーオクトエート等の過酸化
物系重合開始剤、過硫酸カリウムの様な過硫化物系重合
開始剤あるいはこれにチオ硫酸ナトリウム、アミン等を
併用した系が用いられている。重合開始剤濃度はビニル
単量体100重量部に対して0.1〜10重量%が好ま
しい。
【0022】重合条件 粒子の重合条件は重合体粒子の目標、平均粒径、目標粒
径分布に合わせて、親水性有機液体中の高分子分散剤及
びビニル単量体の濃度及び配合比が決定される。一般に
粒子の平均粒子径を小さくしようとするならば、高分子
分散剤の濃度を高く、また、平均粒子径を大きくしよう
とするならば、高分子分散剤の濃度が低く設定される。
一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとするならばビニ
ル単量体濃度を低く、また、比較的広い分布でもよい場
合には、ビニル単量体濃度は高く設定される。粒子の製
造は親水性有機液体に、高分子分散安定剤を完全に溶解
した後、一種または二種以上のビニル単量体、重合開始
剤、その他必要ならば無機微粉末、界面活性剤、染料、
顔料等を添加し、30〜300rpmの通常の攪拌に
て、好ましくはなるべく低速で、しかもバドル型よりも
タービン型の攪拌翼を用いて、槽内の流れが均一になる
ような速度で攪拌しながら、用いた開始剤の分解速度に
対応した温度にて加熱し重合が行なわれる。なお、重合
初期の温度が生成する粒子径に大きな影響を与えるた
め、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、開
始剤を少量の溶媒に溶解して投入した方が望ましい。
【0023】重合の際には窒素ガス、アルゴンガス等の
不活性気体にて反応容器内の空気中酸素を充分に追い出
す必要がある。もし、酸素パージが不充分であると微粒
子が発生し易い。重合を高重合率域で行なうには5〜4
0時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒子
径分布の状態で重合を停止させたり、また、重合開始剤
を順次添加したり、高圧下で反応を行なうことにより重
合速度を速めることができる。重合終了後は、そのまま
染着工程に用いてもよいし、沈降分離、遠心分離、デカ
ンテーション等の操作により不必要な微粒子、残存モノ
マー、高分子分散安定剤などを除いた後に、重合体スラ
リーとして回収し、染着を行なってもよいが、分散安定
剤を除去しない方が染着系の安定性は高く、不要な凝集
が抑制される。
【0024】染着工程 本発明における染着は次のようなものである。即ち、樹
脂粒子A−1を溶解せしめない有機溶媒中に樹脂粒子A
−1を分散し、この前又は後に前記溶媒中に染料を溶解
せしめた後、前記染料を樹脂粒子A−1中に浸漬させ着
色せしめた後、前記有機溶媒を除去して着色粒子Aを製
造する方法において、染料として、前記染料の前記有機
溶媒に対する溶解度〔D1〕及び前記樹脂粒子A−1の
樹脂に対する前記染料の溶解度〔D2〕の関係が、
〔D1〕/〔D2〕≦0.5となる染料を選択使用すると
いうものであり、これにより、樹脂粒子Aの深部まで染
料が浸透(拡散)した着力粒子Aを効率よく製造するこ
とができるものである。本発明において溶解度は、25
℃の温度で測定されたものと定義される。尚、染料の樹
脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶解度と全く同
じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で含有させるこ
とができる最大量を意味する。この溶解状態、或は染料
の析出状態の観察は顕微鏡を用いることにより容易に行
なうことができる。樹脂に対する染料の溶解性を知るに
は、上記した直接観察による方法の代りに、間接的な観
察方法によってもよい。この方法は樹脂と溶解度係数が
近似する液体即ち、樹脂をよく溶解する溶媒を用い、こ
の溶媒に対する染料の溶解度を、樹脂に対する溶解度と
して定めてもよい。
【0025】染料 染着に使用する染料としては、使用する有機溶媒への該
染料の溶解度〔D1〕より樹脂粒子A−1を構成する樹
脂への該染料の溶解度の比〔D1〕/〔D2〕が0.5以
下である必要がある。更に〔D1〕/〔D2〕が0.2以
下とすることが好ましい。染料としては、上記の溶解特
性を満たせば、特に制限はないが、カチオン染料、アニ
オン染料等の水溶性染料は、環境変動が大きい虞れがあ
り、又トナーの抵抗が低くなり、転写率が劣化する虞れ
があるので、パット染料、分散染料、油溶性染料の使用
が好ましく、特に油溶性染料が好ましい。また、所望の
色調に応じて数種の染料を併用することもできる。染着
される染料と樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応
じて任意に選択されるが、通常は樹脂粒子100重量部
に対して、染料1〜50重量部の割合で用いるのが好ま
しい。
【0026】例えば、染料溶媒にSP値の高いメタノー
ル、エタノール等のエタノール類を使用し、樹脂粒子と
してSP値9程度のスチレン−アクリル系樹脂を使用し
た場合、使用し得る染料としては、例えば、以下のよう
な染料が挙げられる。 C.I.SOLVENT YELLOW(6,9,1
7,31,35,100,102,103,105) C.I.SOLVENT orange(2,7,1
3,14,66) C.I.SOLVENT RED(5,16,17,1
8,19,22,23,143,145,146,14
9,150,151,157,158) C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,
33,37) C.I.SOLVENT BLUE(22,63,7
8,83〜86,91,94,95,104) C.I.SOLVENT GREEN(24,25) C.I.SOLVENT BROWN(3,9)等。
【0027】市販染料では例えば、保土谷化学工業社の
愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orang
e−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,
2,3、Brown−2、Blue−2、Violet
−1、Green−1,2,3、Black−1,4,
6,8やBASF社のsudan染料、Yellow−
140,150、Orange−220、Red−29
0,380,460、Blue−670や三菱化成社の
ダイアレジン、Yellow−3G,F,112G,1
1G,11C,111、Orange−HS,G、Re
d−GG,S,11S,A,K,115B、Viole
t−D、Blue−J,G,N,K,P,113G,4
G、Green−C、Brown−Aやオリエント化学
(株)のオイルカラー、Yellow−3G,GG−
S,♯105、Orange−PS,PR,♯201、
Scarlet−♯308、Red−5B、Brown
−GR,♯416、Green−BG,♯502、Bl
ue−BOS,11N、Black−11BB,♯80
3,EE,EX、住友化学工業社製のスミプラスト、ブ
ルーGP,ORレッドFB,3B、イエローFL7G,
GC、日本化薬社のカヤロン、ポリエステルブラックE
X−S11300、カヤセットRed−BのブルーA−
2R等を使用することができる。もちろん、染料は樹脂
粒子A−1と染着時に使用する溶媒の組合せで適宜選択
されるため、上記例に限られるものではない。
【0028】染着用有機溶媒 染料を樹脂粒子A−1に染着させるために用いられる有
機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないもの、
或は若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解性パラメ
ーター〔SP値〕との差が1.0以上、好ましくは2.
0以上のものが使用される。例えば、スチレン−アクリ
ル系樹脂粒子に対しては、〔SP値〕が高いメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール等のアルコール系か
或は〔SP値〕が低いn−ヘキサン、n−ヘプタン等を
使用する。もちろん〔SP値〕の差があまりに大きすぎ
ると、樹脂粒子A−1に対する漏れが悪くなり、樹脂粒
子A−1の良好な分散が得られないため、最適な〔SP
値〕差は2〜5が好ましい。
【0029】染着工程 染料を溶解した有機溶媒中に樹脂粒子A−1を分散させ
た後、液温度を樹脂粒子A−1のガラス転移温度以下に
保ち、攪拌することが好ましい。これにより、樹脂粒子
A−1中への染料の浸透速度を早めることができ、約3
0分〜1時間程度で充分着色された樹脂粒子A−1を得
ることが可能となる。攪拌の方法は市販されている攪拌
機、例えばホモミキサー、マグネチックスタラー等を用
いて攪拌すればよい。また、分散重合等で重合終了時得
られるスラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分
散している状態の分散液に、染料を直接添加して前記の
条件にて加熱攪拌してもよい。加熱温度がガラス転移温
度超過の場合は樹脂粒子A−1同士の融着が生じてしま
う。染着後のスラリーを乾燥する方法としては、特に限
定はされないが、濾別した後に減圧乾燥あるいは濾別し
ないで直接減圧乾燥すればよい。本発明において濾別し
た後に風乾又は減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集
は殆どなく、投入した樹脂粒子A−1の粒度分布を殆ど
損なわない粒度分布を有する。
【0030】次に離型剤と帯電制御性熱可塑性樹脂から
なる被覆層Bについて詳細に説明する。該被覆層Bは、
離型剤と帯電制御熱可塑性樹脂を主成分とする微粒子B
−nを後述する方法によって着色粒子Aに付着させたも
のである。
【0031】離型剤 微粒子B−nに含まれる、ここでいう離型剤とは熱ロー
ラー定着を行なうに際し熱ローラーと被定着材上のトナ
ーの付着を防止する効果を有する物質であれば何でもよ
く、つまりは前記のオフセット現象を防止する効果を有
する全ての物質を意味する。例えば低分子量のポリオレ
フィン類や次記に示すワックス類、その他である。カル
ナウバロウ、蜜ロウ、カンデリラロウ、サトウキビロ
ウ、ミツロウ、鯨ロウ、セラックロウ、羊毛ロウ等の繊
維のロウ:モンタンロウ、パラフィンロウ、ミクロクリ
スタリンワックス等の鉱物あるいは石油系ロウ:パルミ
チン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘ
ン酸等の炭素数6乃至22の固体高級脂肪:オレイン酸
アミド、H−ヒドロキシエチル−ヒドロキシステアロア
ミド、N,N−エチレン−ビス−ステアロアミド、N,
N−エチレン−ビス−リシノ−ルアミド、N,N−エチ
レン−ビス−ヒドロキシステアリルアミド等の炭素数6
乃至22の高級(以下、高級という用語は上述した炭素
数6乃至22の意味で使用するものとする)脂肪酸のア
ミド類:例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン
酸カルシウムの如き高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩等の金属塩:
パルミチン酸ヒドラジド、ステアリン酸ヒドラジド等の
高級脂肪酸のヒドラジド:ミリスチレン酸のP−ヒドロ
キシアニリド、ステアリン酸のp−ヒドロキシアニリド
の如き高級脂肪酸のp−ヒドロキシアニリド:ラウリン
酸のβ−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩、ステア
リン酸のβ−ジエチルアミノエチルエステル塩酸塩の如
き高級脂肪酸のβ−ジエチルアミノエチルエステル塩酸
塩:ステアリン酸アミド−ホルムアルデヒド縮合物、パ
ルミチン酸アミド−ホルムアルデヒド縮合物の如き高級
脂肪酸アミド−ホルムアルデヒド縮合物:アスファル
ト、ギルソナイト等の石油系残渣、ニトリルゴム、塩化
ゴム等のゴム類、フィッシャートロプシェワックスおよ
び誘導体、などの合成炭化水素、ポリエチレングリコー
ル、ステアリン酸ソルビトールなどの脂肪酸エステルと
グリセライド、塩素化パラフィン、塩素化プロピレンな
どハロゲン化炭化水素、硬化キャスター油、硬化牛脂油
等。
【0032】本発明で使用される微粒子B−nに前記離
型剤と同時に、含まれる熱可塑性樹脂としては、従来公
知のものを広く使用することができる。例えばポリスチ
レン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体
の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、
スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトル
エン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、
スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アク
リル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレ
ン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルエチルケ
トン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレ
ン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル
メタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアク
リル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェ
ノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系
石油樹脂、塩素化パラフィンが単独あるいは混合して使
用できる。
【0033】又、これら熱可塑性樹脂には、極性基を有
する単量体を共重合、もしくは単独で重合することによ
り帯電性を付与することが可能である。正帯電性を有す
るものとしては含チッ素極性官能基、すなわちアミド、
置換アミドを有すビニル系単量体が好ましく用いられ
る。正帯電性ビニル単量体としては、例えばN,N’−
ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N’−ジエ
チルアミノ(メタ)アクリレート、N,N’−ジメチル
アミノメチル(メタ)アクリレート等のアミノ(メタ)
アクリル系単量体、N,N’−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ(メタ)
アクリルアミド系単量体が挙げられる。
【0034】又、アニオン性基を導入することで負の帯
電性を付与することができる。特にスルホン酸基はその
強い負の帯電性から好ましく用いられる。又、これらス
ルホン酸基はアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン
塩等の塩の形で存在することも可能である。又、フルオ
ロアルキル基を有する単量体を共重合した樹脂を用いる
ことも有効である。アニオン性基の導入は樹脂の合成の
際に、過硫酸塩等のアニオン性基を有する重合性開始剤
の切片や、アニオン性基を有する分散安定剤、乳化剤を
用いて副次的に導入する方法もあるが、重合時にアニオ
ン性基を有する単量体を共重合する方法が好ましい。こ
れらアニオン性基を有する単量体の具体例としては(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸オキシエチルアシ
ッドホスフェート、スチレンスルホン酸、(メタ)アク
リル酸−2−スルホエチル、(メタ)アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホニックアシッド及びこれらの
アルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0035】微粒子B−nは着色粒子A表面に付着せし
めて用いるためにその粒径が着色粒子Aの粒径より小粒
径であることが必要であり、その粒径は着色粒子Aの平
均粒径の1/10以下であることが好ましい。
【0036】微粒子B−nは前記離型剤と樹脂を従来公
知の方法で溶融、混練した後、乾式または湿式粉砕する
方法、重合性単量体に離型剤を溶解、または微分散し、
懸濁重合する方法などでも可能であるが、液体中に該混
合物溶液を乳化する方法が容易である。即ち、例えば前
記離型剤、及び樹脂をそれらいずれをも完全に溶解する
疎水性有機液体に溶解し、必要であれば加熱を行い、該
溶液に乳化剤を混合し、その後、水もしくは温水を徐々
に添加攪拌した後、減圧下で該有機液体を留去する方法
で容易に得られる。
【0037】ここでいう疎水性有機液体とは、水と混和
性が低く、離型剤及び樹脂を完全に溶解するもの全てを
意味し、一般公知の有機液体全てが使用できる。更にこ
こでいう乳化剤とは一般公知の乳化剤、分散剤、界面活
性剤等の全てを意味し、例えば、アニオン性界面活性剤
としては、脂肪酸塩、ロジン塩、ナフテン塩、エーテル
カルボン酸塩、アルケニルコハク酸塩、N−アシルサル
コシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、硫酸第一アルキ
ル塩、硫酸第二アルキル塩、硫酸アルキルポリオキシエ
チレン塩、硫酸アルキルフェニルポリオキシエチレン
塩、硫酸モノアシルグリセリン塩、アシルアミノ硫酸エ
ステル塩、硫酸油、硫酸化脂肪酸アルキルエステル等の
カルボン酸の塩類。α−オレフィンスルホン酸塩、第二
アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸、アシルイセ
チオン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン酸、ジア
ルキルスルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェ
ニルエーテルジスルホン酸塩、石油スルホン酸塩、リグ
ニンスルホン酸塩等のスルホン酸の塩類、リン酸アルキ
ル塩、リン酸アルキルポリオキシエチレン塩等のリン酸
エステルの塩類、また、シリコーン系アニオン性界面活
性剤としてスルホン酸変性、カルボキシル変性したもの
等が挙げられる。
【0038】フッ素系界面活性剤としてペルフルオロア
ルキルカルボン酸塩、ペルフルオロアルキルスルホン酸
塩、ペルフルオロアルキルリン酸エステル、ペルフルオ
ロアルキルトリメチルアンモニウム塩等、その他にも脂
質系、バイオサーファクタント、オリゴソープ等の一般
公知の全ての界面活性剤が挙げられる。
【0039】又、カチオン性界面活性剤としては第一級
アミン塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、N−
アルキルポリアルキレンポリアミン塩、脂肪酸ポリエチ
レンポリアミド、アミド、アミン塩等のアルキルアミ
ン、アシルアミンの塩類、アルキルトリメチルアンモニ
ウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル
ジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジウム
塩、アシルアミノエチルメチルジエチルアンモニウム
塩、アシルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウ
ム塩、アシルアミノプロピルジエメチルヒドロキシエチ
ルアンモニウム塩、アシルアミノエチルピリジウム塩、
ジアシルアミノエチルアンモニウム塩等の第四級アンモ
ニウム塩もしくはアミド結合を有するアンモニウム塩、
ジアシロキシエチルメチルヒドロキシエチルアンモニウ
ム塩、アルキルオキシメチルピリジウム塩等のエステ
ル、エーテル結合を有するアンモニウム塩アルキルイミ
ダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダ
ゾリン、1−アシルアミノエチル−2−アルキルイミダ
ゾリウム塩等のイミダゾリン、イミダゾリウム塩、アル
キルポリオキシエチレンアミン、N−アルキルアミノプ
ロピルアミン、N−アルキルポリエチレンポリアミン、
N−アシルポリエチレンポリアミン、脂肪酸トリエタノ
ールアミンエステル等のアミン有導体。その他にも脂質
系、パイオサーファクタント、オリゴソープ等の一般公
知のすべてのカチオン性界面活性剤等が使用できる。
【0040】非イオン性界面活性剤としては、アルキル
ポリオキシエチレンエーテル、アルキルポリオキシエチ
レン、ポリオキシプロピレンエーテル、脂肪酸ポリオキ
シエチレンエステル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビ
タンエステル、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビトール
エステル、ポリオキシエチレンひまし油、アルキルポリ
オキシエチレンアミンおよびアミド等のポリオキシエチ
レン付加物。脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ポリグ
リセリンエステル、脂肪酸ショ糖エステル等の多価アル
コール及びアルキロールアミド、またはポリエーテル変
性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシポ
リエーテル変性、アルコール変性、フッ素変性、アミノ
変性、メルカプト変性、エポキシ変性、アリル変性とい
ったシリコン系、もしくはペルフルオロアルキルエチレ
ンオキサイド付加物といったフッ素系の界面活性剤、そ
の他にも脂質系、バイオサーファクタント、オリゴソー
プ等の一般公知の全ての非イオン性界面活性剤を意味
し、これらを単独もしくは相互の混合物として使用でき
る。又、分散重合の説明に列記した分散剤も全て用いる
ことができる。
【0041】又、微粒子B−n表面に解離性官能基を導
入して帯電制御を行う場合、解離性樹脂微粒子は一般に
親水性が高くなり、特に高温、高湿時に帯電量が低下す
る現象がみられるが、このアニオン性基に含フッ素四級
アンモニウム塩を反応させることにより高温、高湿時に
おいても帯電が低下することがなく、安定して高い負帯
電性を得ることができる。
【0042】含フッ素四級アンモニウム塩は直鎖または
分岐を有していてもよく、フルオロアルキル基、フルオ
ロアルケニル基を有する四級アンモニウム塩が全て含ま
れるが特に下記(化1)、(化2)、(化3)で示され
る構造を有する含フッ素四級アンモニウム塩が好ましく
用いられる。
【化1】
【化2】
【化3】 (ただし、式中、Rfは含フッ素基、好ましくは直鎖又
は分岐を有するパーフロロアルキル,パーフロロアルケ
ニルを示し、R1、R3、R5は低級アルキル基、R2、R
4は低級アルキレン基、X-は無機又は有機の陰イオンで
ある。) 又、これら含フッ素四級アンモニウム塩単独、又は複数
種を相互に混合して用いることも可能である。
【0043】これら含フッ素四級アンモニウム塩の微粒
子B−nへの反応は、微粒子B−nを溶解せしめない親
水性有機溶媒、水、又はそれら相互の混合物中に溶解し
た四級アンモニウム塩を溶解し、同液体中に微粒子Bを
浸漬し、必要により加熱することにより容易に実現され
る。このときに微粒子Bを予めこの四級アンモニウム塩
の溶解液で処理したものを用いても、着色粒子A表面に
微粒子B−1の付着した構成を調製した後に処理を行っ
てもよい。また同溶解液をスプレー等を用いて微粒子B
−nに噴霧したり、予め固体の含フッ素四級アンモニウ
ム塩やアミン無機酸塩と微粒子を混合したものに前記溶
媒を付与したり、もしくは同固体混合物に機械的な衝撃
力を付与して表面に固定したり、加熱等により粒子表面
の熱的な融解を生じさせ吸着させることも可能である。
【0044】前記着色粒子A上に微粒子B−nを被覆す
る方法は、着色粒子Aと微粒子B−nを粉体で混合する
方法でも可能であるが、液体中に分散状態の微粒子B−
1を用いる方が調製は容易であるため好ましい。即ち、
例えば着色粒子Aを水または着色粒子Aを溶解せしめな
い溶液中に分散させ、微粒子B−nを添加し攪拌混合
し、必要によりpHの調整、イオン性界面活性剤、イオ
ン性高分子の添加、電解質を混和させることにより付着
を促進させてもよい。又、加熱や超音波照射などの何ら
かの物理的なエネルギーを付与することも可能である。
着色粒子Aに対する微粒子B−nの割合は、100:1
〜100:20、好ましくは100:30〜100:1
5である。更に微粒子Bを被覆した着色粒子は加熱また
は着色粒子Aの良溶媒を添加することによって被覆層B
を形成することが可能であり、これによりトナーの耐久
性が著しく向上するため好ましい。
【0045】又、機械的衝撃力を加えて被覆層を形成し
てもよい。機械的衝撃力を与える方法としては、高速で
回転する羽によって該混合粒子に衝撃を与える方法、高
速気流中に該混合粒子を投入し加速させ、粒子同志また
は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。こ
れに用いる装置としては、例えばオングミル(細川ミク
ロン(株))、及びI式ミル(日本ニューマチック工
業)で通常の粉砕の場合より粉砕エアー圧を下げた装
置、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械
製作所)、自動乳鉢等が挙げられる。
【0046】又、被覆粒子を液体中で作成する場合な
ど、分散液の乾燥工程で被覆層Bを形成することも可能
であり、例えば通常の溶媒乾燥より熱風温度を高温にし
たスプレードライヤーや媒体流動装置MSD((株)奈
良機械製作所)、流動層乾燥装置スラリードライヤー
(大河原製作所)等が用いられる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、以下に示す「部」及び「%」はいずれも重量基準
である。又、以下に表現する離型剤被覆粒子とは着色粒
子A表面に微粒子B−1が被覆された粒子を示す。複合
粒子とは離型剤被覆粒子に、更に樹脂粒子Cを被覆した
粒子を示す。複合粒子表面に何らかの固定化処理を施し
たものをトナーとする。
【0048】トナー用着色粒子A分散液の作成 (分散安定剤溶液の作成)恒温槽内に設置され、攪拌装
置、滴下ロート、窒素導入管、冷却管、温度計を備えた
密閉可能な反応容器内に次の物を仕込んだ。 メタノール 100重量部 分散安定剤 7重量部 容器を室温でゆるやかに攪拌し約1時間で分散剤を完全
に溶解させた。この時、分散安定剤としては、メチルビ
ニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の部分メチルエ
ステル(共重合比1:1平均重量分子量4万)を用い
た。
【0049】(樹脂粒子A−1分散液の製造例)分散安
定剤を溶解したメタノール溶液250重量部を恒温槽中
で回転する密閉可能な反応容器内に移し次の物を仕込ん
だ。 スチレン 60重量部 メタクリル酸メチル 40重量部 ドデシルメルカプタン 1.0重量部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 攪拌混合しながら、容器内にN2ガスを吹き込むことに
より完全に空気を追い出し、容器を密閉した。その後水
槽を60度に保ち、毎分100回転で攪拌しながら重合
を行った。この時、開始剤としては2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル2.0重量部を用い重合を開始し
た。更に重合を続け24時間で重合を終了した。コール
ターマルチサイザーによる20μmパーチャーチューブ
での粒径分布測定では、粒子個数5万カウントで体積平
均径が5μm、個数平均径6.600μm、その比が
1.02であった。この重合体の分散液を樹脂粒子A−
1分散液、分散されている樹脂粒子を樹脂粒子A−1と
する。
【0050】(樹脂粒子A−1の着色)オイルブラック
860を30.0重量部にタノール20重量部を加え加
熱溶解後、冷却し1μmのミクロフィルターで瀘別し瀘
液10重量部を調製した。このように調製したそれぞれ
の瀘液100重量部中に樹脂粒子NO.1〜3をそれぞ
れ40重量部を加え、50度で2時間攪拌し、その後分
散液を室温まで冷却し、遠心沈降し、上澄みを除きメタ
ノール50重量部、水50重量部の混合溶媒に再分散す
る操作を3回行ないオイルブラック860で着色された
樹脂粒子Aの分散液を得た。これを着色粒子分散液A、
分散している粒子を着色粒子Aとする。
【0051】微粒子B分散液体の製造例 (樹脂微粒子B−1の製造例) ST−BA−AA 攪拌装置、滴下ロート、窒素導入管、冷却管、温度計を
備えたフラスコにイオン交換水95部を仕込み、昇温、
窒素置換の後、温度を65℃に保ち、回転数200rp
mで攪拌を行い、スチレン19部、スチレンスルホン酸
ナトリウム塩2部、アクリル酸ブチル9部、アクリル酸
1部の混合物を4時間かけて滴下した。またイオン交換
水5部に溶解した過硫酸カリウム0.04部を6時間か
けて添加した。この後11時間加熱した後、80℃で3
時間加熱し重合を終了し、重合粒子の分散液を得た。更
にこの粒子分散液を遠心分離により分散媒を置換する洗
浄を2回行い遊離の無機塩及び水溶性オリゴマーを除去
した後、乾燥して樹脂粉体を得た。続いて、オイルバス
中に設置した攪拌装置、冷却管、滴下ロートを備えた密
閉可能な容器に得られた樹脂粉体1部、離型剤としてカ
ルナウバワックス1号品1部、シクロヘキサン20部を
入れ徐々に加温し70℃で完全に溶解下後、攪拌しなが
ら非イオン性界面活性剤ポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル(平均オキシエチレン付加モル数=15)
4重量部を加え完全に溶解した。その後、攪拌しながら
65℃の水30重量部を徐々に添加した。液温を50℃
に保ち30分間攪拌した後、攪拌しながら25℃まで放
冷し乳化液を得る。更に、この乳化液をエバポレータで
減圧蒸留しシクロヘキサンを留去して樹脂微粒子B−1
分散液を得た。この粒子の粒径は体積平均粒径0.31
μm、数平均粒径0.26μmであった。
【0052】(樹脂微粒子B−2の製造例) ST−
BA−demaAA 樹脂微粒子B−1と同様の装置を用いて、仕込みの単量
体をスチレン19部、スチレンスルホン酸ナトリウム塩
2部、アクリル酸ブチル9部、N,N−ジエチルアミノ
メチルメタクリレート2部を用いた他の条件は樹脂微粒
子B−1の場合と同様にして重合粒子の分散液を得た。
更にこの粒子分散液を微粒子B−1の製造例と同様に洗
浄し、樹脂微粒子B−2分散液を得た。この粒子の粒径
は体積平均粒径0.28μm、数平均粒径0.26μm
であった。 (樹脂微粒子B−3の製造例) ST−BA−S B−1と同様の装置を用いて、仕込みの単量体をスチレ
ン19部、スチレンスルホン酸ナトリウム塩2部、アク
リル酸ブチル9部、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸2部を用いた他の条件は同様にして重
合粒子の分散液を得た。更にこの粒子分散液を樹脂微粒
子B−1の製造例と同様に洗浄し、樹脂微粒子B−3分
散液を得た。この粒子の粒径は体積平均粒径0.29μ
m、数平均粒径0.24μmであった。
【0053】微粒子被覆粒子分散液の製造例 (カチオン性界面活性剤溶液の作成)カチオン性界面活
性剤であるステアリンアミンアセテートを水とメタノー
ルの混合溶液(混合重量比1:1)に溶解し濃度0.4
重量%の界面活性剤溶液Aを調製した。同様に濃度1重
量%の下記化2で示される化合物1溶液を作成した。こ
れを界面活性剤溶液Bとする。
【化2】 (式中、R5、R2、R3、X-は前記と同じ)
【0054】微粒子被覆粒子の製造例1 別の容器で着色粒子A分散液を固形分30重量%となる
ように水とメタノールの混合溶液(混合重量比1:1)
にて希釈した分散液100重量部に対して25℃恒温下
で回転攪拌しながら前記微粒子分散液B−1を微粒子固
形分が着色粒子固形分に対して6重量部となるよう添加
して十分に攪拌した。次に、前記界面活性剤水溶液10
重量部を徐々に滴下混合し、25℃恒温下で1時間攪拌
して着色粒子表面に離型剤粒子が被覆した混合粒子の分
散液体を得た。この混合粒子の分散液を微粒子被覆粒子
1分散液とする。次いで、得られた分散液を濾過し、得
られたケーキを水とメタノール混合溶液(混合重量比
1:1)の適量に再分散する洗浄を2回行い、ケーキを
乾燥して微粒子被覆粒子を得た。この粒子はハイブリダ
イザーNHS−1型((株)奈良機械製作所)にて回転
数7500回転で2分間滞留させ、固定化処理を行い、
微粒子被覆粒子1を得た。
【0055】微粒子被覆粒子の製造例2〜3 用いる微粒子分散液が異なる以外は全て微粒子被覆粒子
の製造例1と同様にして微粒子被覆粒子2〜3を得た。
【0056】微粒子被覆粒子の製造例4 界面活性剤溶液A10重量部を徐々に滴下混合し、25
℃恒温下で1時間攪拌するまでは微粒子被覆粒子の製造
例1と同様にして微粒子被覆粒子分散液5を得た。更に
この分散液に界面活性剤溶液Bを50部を徐々に添加
し、25℃で1時間攪拌した。その後、製造例1と同様
に洗浄、乾燥、固定化処理を行い、微粒子被覆粒子4を
得た。
【0057】微粒子被覆粒子の製造例5 界面活性剤溶液A10重量部を徐々に滴下混合し、25
℃恒温下で1時間攪拌するまでは微粒子被覆粒子の製造
例3と同様にして微粒子被覆粒子分散液5を得た。更に
この分散液に界面活性剤溶液Bを50部を徐々に添加
し、25℃で1時間攪拌した。その後、製造例3と同様
に洗浄、乾燥、固定化処理を行い、微粒子被覆粒子5を
得た。
【0058】(トナーの製造例) トナーの製造例 微粒子被覆粒子1〜5のそれぞれ100部に対して流動
性付与剤として疎水性シリカを1.0重量部加えミキサ
ーにて30秒間混合してトナー1〜5を得た。
【0059】実施例1〜5 粒径100μmのシリコーンフェライトキャリア97重
量部とトナーの製造例で作成した各トナーの3重量部を
ボールミルにて20分間混合攪拌し現像剤を作成し画像
評価、耐久性テスト(10万枚)、等を行い評価した結
果を表1に示す。以下、作成した全てのトナーを用いて
同様に現像剤を作成し、同一条件で評価を行った。結果
を合わせて表1に示す。
【0060】比較例1 オイルバス中に設置した、攪拌装置、冷却管、滴下ロー
トを備えた密閉可能な容器にカルナウバワックス(1
号)26重量部を入れ徐々に加温し100℃で溶融した
後攪拌しながら非イオン性界面活性剤ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル(平均オキシエチレン付加モ
ル数=15)4重量部を加え完全に溶解する。その後攪
拌しながら98℃の水70重量部を徐々に添加し1時間
攪拌した後、攪拌しながら25℃まで放冷する。その後
攪拌を停止し6時間放置後沈降物を取り除き離型剤分散
液体を得た。得られた離型剤分散液を動的光散乱計DL
S700(大塚電批(株))で測定したところ体積平均
粒径は0.151μm、個数平均粒径0.110μmで
あった。これを離型剤粒子C分散液とする。微粒子B−
1分散液の代りにこの離型剤粒子C分散液を用いる以外
は全て微粒子被覆粒子の製造例1と同様にして離型剤被
覆粒子を得た。この離型剤被覆粒子を用いて実施例と同
様にトナーを作成し、評価した。このトナーは著しく流
動性の劣るトナーであった。またランニング初期から画
像ムラが多く、ランニング1000枚で感光体表面に離
型剤と思われるフィルミングが確認された。
【0061】比較例2 樹脂粒子B−4の製造例と同様に重合粒子の分散液を作
成した。微粒子被覆粒子の製造例1において微粒子分散
液B−1の代りに該重合体粒子分散液を用いる以外はす
べて同様の操作を行い、微粒子被覆粒子を得た。この微
粒子被覆粒子を用いて実施例1と同様にトナーを作成
し、評価した。このトナーはランニング初期から画像に
スジ状の分離爪の痕跡が認められ、更に紙づまりを頻発
するトナーであった。このトナーについて実施例と同様
に評価した。
【0062】比較例3 微粒子B−1の製造例において仕込みの単量体をスチレ
ン19部、スチレンスルホン酸ナトリウム塩2部、アク
リル酸ブチル9部とする以外はすべて同様にして微粒子
B−4を得た。微粒子被覆粒子の製造例1においてこの
微粒子B−4を用いる以外はすべて同様の操作を行い、
微粒子被覆粒子を得た。この微粒子被覆粒子を用いて実
施例と同様にトナーを作成し、評価した。ランニング1
00枚で地汚れ、トナー飛散が著しく、このときの帯電
量を測定するとランニング初期に比べ著しく低下してい
た。また、温湿度変化に対して帯電量が大きく変化し、
高温高湿時には正帯電へと逆転する、信頼性に欠けるト
ナーであった。このトナーについて実施例と同様に評価
した。
【0063】比較例4 微粒子被覆粒子4の製造例において固定化処理を行わな
い以外は全て同様にして微粒子被覆粒子を得た。この微
粒子被覆粒子を用いて実施例と同様にトナーを作成し、
実施例を同様に評価した。このトナーは初期には満足さ
れる画像が得られるもののランニング1000枚目から
地汚れが発生し、複写機内部でのトナーの飛散が顕著に
なった。更に、この時の現像剤の帯電量を測定したとこ
ろ初期に比べ帯電量の低下が生じていた。
【0064】なお、表1中記載の評価方法は次のとおり
である。 ◎離型性 IMAGIO420(リコー製)にてベタ
画像を複写し、画像先端部を観察し、定着装置の分離爪
の痕跡を5段階で評価する。 (劣る)1・・・5(優れる) ◎オフセ 先端部にのみベタ画像を有するチャートを
複写し、複写画像の非画ット性 像部の汚染状態を5
段階で評価する。 (劣る)1・・・5(優れる) ◎解像力 IMAGIO420(リコー製)で現像し
たドット画像を光学顕微鏡で観察し5段階で評価をし
た。 (劣る)1・・・5(優れる) ◎流動性 メッシュにトナーを入れ、一定時間の震動
を与えた後、メッシュ上に残留しているトナー量を測
定。5段階で評価をした。 (劣る)1・・・5(優れる) ◎帯電性 シリコーンフェライトキャリアと10分間
混合し、ブローオフ測定装置で測定した。 ○低湿 15℃ 10%RHに2時間現像剤を放置後
測定した。 ○中湿 25℃ 30%RHに2時間現像剤を放置後
測定した。 ○高湿 30℃ 90%RHに2時間現像剤を放置後
測定した。 ○10万枚コピー後 IMAGIO420で10万枚
複写後のトナー帯電量を測定した。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】上記のとおり、本発明の静電荷像現像用
トナーは粒子表面に帯電制御性熱可塑性樹脂の混合物層
を担持したトナーであり、それにより従来に比べ少量の
離型剤量で充分な離型性を確保しつつ、トナーの流動
性、耐久性を著しく向上させるものである。即ち、本発
明のトナーは、 1)離型性物質を外添し、トナー表面に被覆したもので
あるから、オフセット現象や、定着ローラーと被定着材
を剥離する分離爪の痕跡が画像上に残ることがなく、且
つ、 2)離型性物質が直接、他部材と接触することによる離
型性物質の遊離や、他部材の汚染が防止でき、 3)離型性物質がトナーの帯電性に影響を及ぼさず、ト
ナーの流動性を著しく低下させることがなく、解像力、
画像再現性に優れた高品質画像を形成するトナーであっ
て、しかも均一な帯電性能を有し、帯電量の経時安定
性、環境変化に対する安定性に優れた、高い信頼性のト
ナーである。また、表面混合物層を構成する結着樹脂を
帯電制御することで芯粒子を選ばず任意に安定した帯電
量を得ることができ、且つ、含フッ素界面活性剤で処理
することにより、経時、環境に対して従来より著しく安
定な帯電量を維持することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/087 G03G 9/08 365 381

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤と熱可塑性樹脂を主成分とする着
    色粒子(芯粒子)A表面に、離型剤と帯電制御性熱可塑
    性樹脂とからなる被覆層Bにより実質的に被覆したこと
    を特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 【請求項2】 前記被覆層Bを構成する帯電制御性熱可
    塑性樹脂が、アニオン性基を有する樹脂の該アニオン性
    基に含フッ素4級アンモニウム塩を反応させたものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の静電荷現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記アニオン性基がスルホン酸基である
    ことを特徴とする請求項2記載の静電荷現像用トナー。
  4. 【請求項4】 前記被覆層Bが、微粒子B−nを機械的
    衝撃力および/または熱により着色粒子Aに固着させた
    ものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
    静電荷現像用トナー。
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