JPH08160660A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法

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JPH08160660A
JPH08160660A JP33185394A JP33185394A JPH08160660A JP H08160660 A JPH08160660 A JP H08160660A JP 33185394 A JP33185394 A JP 33185394A JP 33185394 A JP33185394 A JP 33185394A JP H08160660 A JPH08160660 A JP H08160660A
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toner
release agent
developing
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JP33185394A
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Kenkichi Muto
憲吉 武藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流動性、耐オフセット性、離型性、転写性、
定着性、耐久性にすぐれ、高濃度で鮮明な画像が得られ
る静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供するこ
と。 【構成】 着色樹脂粒子表面に離型剤微粒子を固着(好
ましくしは埋設)させてなる静電荷像現像用トナーにお
いて、前記離型剤微粒子として離型剤を含有すビニル単
量体を水系に乳化し重合して得られたビニル重合体被覆
及び/又は含浸離型剤微粒子を使用する。特に、前記離
型剤微粒子として、体積平均粒径が0.3μm以下であ
るもの、離型剤/ビニル重合体比が1:05〜1:3で
あるもの、ビニル重合体のガラス転移温度が60〜10
0℃であるものが好ましい。また、前記トナーに更に含
フッ素アンモニウム塩を付着させたものも好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、静電記録法等に用いられる静電荷像現像用トナー及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真法、又は静電印刷法等
においては、潜像担持体上に種々の方法によって形成さ
れた静電潜像を現像するために適当に帯電されたトナー
を用いて現像し、必要に応じて紙等の被複写材にトナー
画像を転写した後、加熱、圧力等によって定着し、複写
物を得るものである。電子写真感光体や静電記録体上に
形成された静電潜像を現像する手段としては、現在では
乾式現像法が多く利用されている。
【0003】乾式現像法には、結着樹脂中に染顔料等の
着色剤、更に必要により離型剤、帯電制御剤等を分散さ
せたトナーが用いられるが、このトナーをブレード、ロ
ーラー等の帯電部材と接触させトナーに帯電を付与しロ
ーラー等の上に薄膜を形成させ、静電潜像に近接又は接
触させ静電潜像を現像する一成分現像法と、前記トナー
を磁性粉キャリアと混合しトナーに帯電を付与しマグネ
ットブラシとして静電潜像と接触させ静電潜像を現像す
る二成分現像法がある。いずれの場合もトナーに付与さ
れる帯電は、均一で且つ適当な量であることが必要であ
る。
【0004】最近高画質が得られ、且つ高耐久性である
トナーが要求されている。この為には、前記トナーに小
粒径であること、粒度分布が狭いこと、表面形状が滑ら
かであること及び帯電制御剤が均一に分散されているこ
とが要求される。即ち、粒径は解像力、シャープ度、ハ
ーフトーン再現性などに影響し、粒度分布巾が広いと特
定粒径の選択現像が生じ、耐久性に支障をきたす。表面
形状はそれが滑らかでない場合、現像部撹拌時のストレ
スにより、表面にて部分粉砕が生じて超微粉体が発生
し、それが二成分現像剤においてはキャリアへの融着、
帯電劣化を引き起こし、一成分現像剤においてはトナー
薄膜用部材への融着が生じ、白スジの原因となる。
【0005】また、潜像担持体上から被複写材上に転写
されたトナー像を定着する方式としては、加熱ローラー
による圧着加熱方式が一般的である。この方法は熱効率
がよく、高速定着が可能であるが、熱ローラー表面とト
ナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像
の一部が熱ローラー表面に付着し、そのローラー表面の
トナーが被定着材に再び付着することにより複写画像を
汚染する所謂オフセット現像を発生せしめることがあ
る。この現象を防止する目的で、定着ローラー表面をト
ナーに対して離型性の優れたシリコンゴムやフッ素樹脂
で形成し、更にその表面にシリコーンオイル等の離型性
液体を供給している。この方法はトナーのオフセットを
防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用
液体が、加熱、蒸発し、不快臭を与えることや、またオ
フセット防止液体を供給するための装置が必要となる等
の問題があった。これを解決する為に、トナーに離型性
のある樹脂を含有する方法(特公昭52−3304号公
報)があるが、この内添方式では離型剤をトナー中に比
較的多量に含有させなければ十分な効果が得られず、更
に、結着樹脂と離型剤の相溶性の悪さから、均一に混
合、分散し難い等の問題があった。
【0006】更にまた、従来のトナーの一般的な製造方
法、即ち樹脂、染・顔料、離型剤、帯電制御剤を溶融混
練し、機械式あるいは空気衝突式の粉砕機にて粉砕、分
級を行なう方法で製造されたトナーにおいては、特に小
粒径で狭粒度分布のものを得ようとした場合、生産能力
や収率が著しく低下し、コスト高になるのはもちろん、
粒径を小さくする程、内部添加剤の分散不均一によるト
ナー帯電特性不良が発生する。また、粉砕で得られた粒
子の表面形状はかなり突起物が多く、キャリアあるいは
トナー薄膜化用部材への融着が生じ易くなる。更に、本
来トナー表面で機能を発揮する高価な帯電制御剤等がト
ナー内部にも含有されており、高コストになるという欠
点もある。
【0007】これら問題を解決する為に、特開昭63−
11955号、特開昭63−30861号、特開昭63
−61265号、特開昭63−244053号等の公報
にトナー外層に低融点ワックス、ポリオレフィン等の離
型剤を用いた離型剤層を設けたトナー及びその製造方法
が開示されている。しかし、これに用いる離型剤微粒子
を得ることは困難であり、このトナーは表面が低分子量
の離型剤で被われてしまうため、トナーの流動性が著し
く悪化し、現像部でのトナー供給が円滑に行えなかった
り、潜像担持体上から被複写材上へのトナーの転写が円
滑に行えないという問題がある。
【0008】また、特開昭63−300245号公報に
は、水系の離型剤ワックスエルマジョンにトナーを混合
し離型剤微粒子を固着させたトナーが開示されており、
この方法ではワックス微粒子は容易に得られるものの、
このトナーも前記の如く流動性、転写性に問題があるば
かりでなく、現像剤中に離型剤の脱離が起り離型性が失
われ、その上脱離した離型剤微粒子がキャリア、感光体
を汚染するという問題があった。また、これら離型剤を
表面に固着させたトナーは、充分な流動性、転写性を得
る為には無機微粉体などの流動化剤を多量に必要とし、
その流動化剤が感光体等に付着することによるスジ状の
画像抜け等の悪影響を及ぼすという問題があった。
【0009】これらの問題を解決する為に特開平1−1
85665号、特開平1−257853号公報等には、
離型剤を含有する樹脂微粒子を作りこれをトナー表面に
固着させたトナーが開示されているが、離型剤が樹脂で
被覆されているのでトナーの流動性、転写性は改良され
るものゝ、離型剤を含有する樹脂微粒子を得る工程が極
めて繁雑であるばかりでなく、微細な粒径の粒子を得る
ことが困難であり、且つ離型剤に対し多量の樹脂で被覆
されている為、充分な離型性が得られないという問題が
あった。
【0010】また、特開平2−264266号公報には
樹脂微粒子と離型剤微粒子の混合物を機械的衝撃力によ
りトナー表面に固着する方法が開示されているが、この
方法では機械的衝撃力により離型剤微粒子がトナー表面
に圧延され、トナーの流動性、転写性は充分に改良され
ないという問題があった。また、特開平4−18266
1号、特開平4−182666号公報等には、樹脂微粒
子と離型剤微粒子をトナー表面に付着させ、樹脂微粒子
を溶解する溶剤で処理して離型剤を含む被覆層を形成す
る方法が開示されているが、この方法は処理の工程が繁
雑であり、且つ離型剤が樹脂により被覆され、トナーの
流動性、転写性は改良されるものゝ、充分な離型性は得
られないという問題があった。
【0011】また、本発明者は離型剤エマルジョンに重
合性ビニル単量体と水溶性重合開始剤を添加し重合して
得られたビニル重合体で被覆及び/又は含浸された離型
剤微粒子を着色樹脂粒子に固着させたトナーの製造方法
を開示しているが、この方法は転写性を改良するのに優
れた効果があったが、トナーの耐久性が充分でないとい
う問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の問題点を解決し、流動性にすぐれ高濃度で鮮明な画像
が得られ、耐オフセット性、離型性、転写性、定着性、
耐久性にすぐれた静電荷現像用トナー及びその製造方法
(特に該トナーを製造するための離型剤微粒子の工業的
に有利な製造方法を含む)を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、着色樹
脂粒子表面に離型剤微粒子を固着させてなる静電荷像現
像用トナーにおいて、前記離型剤微粒子が離型剤を含有
するビニル単量体を水系に乳化し重合して得られたビニ
ル重合体被覆及び/又は含浸離型剤微粒子であることを
特徴とする静電荷像現像用トナーが提供され、また着色
樹脂粒子表面に離型剤微粒子の少なくとも一部を埋設さ
せてなる静電荷像現像用トナーにおいて、前記離型剤微
粒子が離型剤を含有するビニル単量体を水系に乳化し重
合して得られたビニル重合体被覆及び/又は含浸離型剤
微粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナーが
提供される。
【0014】更に、本発明によれば、離型剤を含有する
ビニル単量体を水溶性界面活性剤を用いて水系に乳化
し、これを重合してビニル重合体被覆及び/又は含浸離
型剤微粒子を得た後、該離型剤微粒子を着色樹脂粒子表
面に固着させることを特徴とする静電荷像現像用トナー
の製造方法が提供され、また離型剤を含有するビニル単
量体を水溶性界面活性剤を用いて水系に乳化し、これを
重合してビニル重合体被覆及び/又は含浸離型剤微粒子
を得た後、該離型剤微粒子を着色樹脂粒子に付着させ分
散媒により着色樹脂粒子を膨潤させて離型剤微粒子の少
なくとも一部を着色樹脂粒子表面に埋設させることを特
徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法が提供させ
る。
【0015】即ち、本発明は、着色剤を含有した樹脂粒
子表面に、ビニル重合体が被覆及び/又は含浸された離
型剤微粒子を固着(好ましくは埋設)させてなる静電荷
像現像用トナーに関するものである。また、本発明の静
電荷像現像用トナーは、まず離型剤を重合性ビニル単量
体に溶解し、これに必要により油溶性重合開始剤を溶解
し、界面活性剤を用いこれら混合物を水相に乳化しエマ
ルションとする。これに必要により水溶性重合開始剤を
添加し、不活性ガス雰囲気下加熱し、ビニル重合体で被
覆及び/又は含浸された離型剤微粒子を得る。次に、こ
うして得られた離型剤微粒子を着色樹脂粒子表面に固着
(好ましくは埋設)させることによって得られる。
【0016】一般に、トナー表面に存在する離型剤は、
複写工程で加わる熱、圧力により可塑化し粘着性を生
じ、トナー同士の付着力が増加し流動性・転写性を低下
させるが、本発明によるビニル重合体が被覆及び/又は
含浸された離型剤微粒子をトナー(着色樹脂粒子)表面
に固着させることにより、熱圧力によるトナー同士の付
着を防止することが可能となり、且つ定着時の加熱によ
り離型剤は容易にトナー表面に溶出するので、流動性・
転写性にすぐれ、且つ離型性にすぐれた静電荷現像用ト
ナーを得ることができる。
【0017】本発明に用いられる着色樹脂粒子は着色剤
と樹脂を混練粉砕して得られる粒子、又は着色剤を含有
した重合性単量体を懸濁重合して得られる粒子を用いる
ことも出来るが、分散重合法で得られた樹脂粒子を着色
した粒子が粒径分布の狭い小粒径の粒子が容易に得られ
る点から好ましい。分散重合は原料のビニル単量体は溶
解するがこれから生成する重合体は溶解しない溶媒中で
該溶媒に溶解する分散安定剤の存在下、重合開始剤を添
加して重合する方法である。ビニル単量体は、スチレ
ン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、ジビニルベンゼン、
エチレングリコールジメタクリレート、ブタンジオール
ジメタクリレート等のトナーのバインダー樹脂として公
知のものが用いられる。また、分子量を調節する為に、
n−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を用いてもよ
い。重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド等が用いられる。溶媒としては、親水
性溶媒が好ましく、例えばメタノール、エタノール等が
好ましい。これら親水性液体には必要により、水又は溶
解可能な親油性溶媒を混合してもよい。分散安定剤とし
ては、親水性基を有する単量体の単独重合体、又はこれ
と他の単量体との共重合体で親水性有機溶媒に可溶なも
のが好ましく用いられる。親水性基を有する単量体とし
ては、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、ビニルピ
リジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチ
レンイミン等が挙げられる。
【0018】樹脂粒子の製造は、親水性有機液体に高分
子分散安定剤を溶解した後、一種又は二種以上の単量体
を添加し、反応容器内を窒素、アルゴン等の不活性ガス
で置換した後、重合開始剤を添加し槽内の流れが均一に
なるように撹拌しながら、用いた開始剤の分解速度に対
応した温度に加熱し、重合することにより行なうことが
できる。得られた樹脂粒子は表面に着色剤を固着し、着
色樹脂粒子とすることもできるが、染料により着色する
ことが定着性の点から好ましい。染着は樹脂粒子を溶解
しない有機溶媒に樹脂粒子を分散し、この前又は後に該
溶媒中に染料を溶解した後、液温度を樹脂粒子のガラス
転移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これに
より樹脂粒子の内部まで染料が浸透したトナーを効率よ
く製造できる。また、分散重合等で重合終了後得られる
スラリーに染料を直接添加して、前記の条件で加熱撹拌
してもよい。
【0019】樹脂粒子に対する染料の割合は着色度に応
じて任意に選択されるが、通常は樹脂粒子100重量部
に対し1〜20重量部用いられる。使用される染料は、
例えば染着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノール
等のアルコール類を使用し、樹脂粒子としてSP値9程
度のスチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、使用し
得る染料としては、例えば、以下のような染料が挙げら
れる。 C.I.SOLVENT YELLOW(6,9,1
7,31,35,100,102,103,105) C.I.SOLVENT ORANGE(2,7,1
3,14,66) C.I.SOLVENT RED(5,16,17,1
8,19,22,23,143,145,146,14
9,150,151,157,158) C.I.SOLVENT VIOLET(31,32,
33,37) C.I.SOLVENT BLUE(22,63,7
8,83〜86,91,94,95,104) C.I.SOLVENT GREEN(24,25) C.I.SOLVENT BROWN(3,9)等。
【0020】また、ビニル重合体が被覆及び/又は含浸
された離型剤微粒子は、離型剤を重合性ビニル単量体に
必要により加熱し溶解し、更に必要により油溶性開始剤
を溶解し、界面活性剤を用い水相に乳化し、更に必要に
より水溶性重合開始剤を添加し、不活性ガス雰囲気で加
熱することにより容易に製造することができる。このよ
うにして得られた微粒子は微小粒径で、着色樹脂粒子に
均一に付着させることが可能である。
【0021】ここでいう離型剤とは、熱ローラー定着を
行なう際に溶融し熱ローラーと被定着材上のトナーの付
着を防止する効果を有する物質であれば何でもよく、即
ち前記のオフセット現象を防止する効果を有する全ての
物質を意味する。これら物質の具体例としては、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、酸化ポリプロピレン、酸化ポ
リエチレン等の数平均分子量が1000〜20000の
低分子量ポリオレフィン、キャンデリラ、カルナウバ、
ライス、木ろう、ホホバ等の植物系天然ワックス、モン
タン、セレシン、オゾケライト等の鉱物系天然ワック
ス、パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトリラクタ
ム等の石油系ワックス、及びその変性ワックス。パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の固体高級脂肪酸、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、
パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の高級脂
肪酸アルカリ金属塩、亜鉛塩、アルミニウム塩、ステア
リン酸オクタデシル、グリセリンモノステアレート等の
高級脂肪酸エステル、ラウリル酸アミド、ステアリン酸
アミド、N,N′−エチレンビスオレフィン酸アミド、
N,N−エチレンビスステアリン酸アミド等のアミド
類。ジヘプタデシルケトン、ジウンデシルケトン等のケ
トン類が挙げられる。
【0022】これら離型剤は、重合性ビニル単量体と必
要により加熱し混合する。離型剤と重合性ビニル単量体
の割合は、1:0.3〜1:5、好ましくは1:0.5
〜1:3である。離型剤は重合性ビニル単量体と混合す
る事により溶融時の粘度が低下し乳化が容易となる。ま
た、この時用いられる重合性ビニル単量体は単一の単量
体でも単量体の混合物でも良いが、これから生成する重
合体のTgが60℃〜100℃であることが好ましい。
Tgが60℃未満ではトナーの耐熱保存性が不良とな
り、100℃より高いとトナーの定着性が低下する。こ
ゝで用いられる重合性ビニル単量体の例としては、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル
酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、ビニルト
ルエン、スチレン等が挙げられる。
【0023】離型剤と重合性ビニル単量体の混合物にそ
の重量の10%〜50%のノニオン系、アニオン系、カ
チオン系界面活性剤の一種又は二種と混合し、強制的に
撹拌しながら離型剤が溶解する温度以上に保ち熱水を除
々に添加し、冷却することにより離型剤と重合性単量体
の混合物のエマルションを得ることが出来る。この時用
いられる界面活性剤は、そのイオン性が後に述べる水溶
性重合開始剤のイオン性と同種の場合は重合が充分に行
なわれない場合もあるので、水溶性重合開始剤のイオン
性に影響を受けずに重合が行えるノニオン系界面活性剤
を用いることが好ましい。また、離型剤と重合性ビニル
単量体の混合物に油溶性重合開始剤を添加して乳化して
も良いが、乳化の過程での加熱により、あるいはエマル
ションの保存中に重合開始剤が分解し重合反応が起きる
可能性がある点から余り好ましくない。この点から次に
述べる方法により重合することが好ましい。即ち、常法
により作成された離型剤含有の重合性ビニル単量体のエ
マルションをフラスコに採り、不活性ガスで置換し昇温
と水溶性重合開始剤を添加することにより重合が行なわ
れる。こゝで用いられる水溶性重合開始剤の例として
は、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−(2−
ヒドロキシエチル)プロピオンアミド}、2,2′−ア
ゾビス{2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン}ジハイドロクロライド、4,4′−アゾビス−4−
シアノヴァレリックアシッド及びそのアルカリ金属塩、
アンモニウム塩等が挙げられる。これら重合開始剤はビ
ニル単量体に対し0.5重量%〜5重量%用いられる。
重合は、40℃〜80℃で8時間〜24時間で行なう。
重合時の撹拌は50rpm〜300rpmでおだやかに
撹拌すれば良く、重合温度、撹拌条件を適切に設定すれ
ば安定な微粒子のエマルションが得られる。得られるエ
マルション粒子の粒径は樹脂粒子に均一に付着し固着さ
せる為に0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下に
する。
【0024】重合処理された離型剤エマルションは、着
色樹脂粒子分散液と混合することにより離型剤含有樹脂
微粒子を着色樹脂粒子表面に均一に付着することができ
る。着色樹脂粒子への微粒子の付着は単に混合して起こ
る場合もあるが、次のいずれかの方法により強固に付着
することができる。付着方法としては(1)酸又はアル
カリ添加し、pHを調整する方法、(2)アニオン界面
活性剤又はカチオン界面活性剤を添加する方法、(3)
電解質を添加する方法等がある。これらの方法により、
条件を適正に設定することにより均一に付着することが
できる。
【0025】離型剤微粒子を均一に付着された着色樹脂
微粒子分散液は、後工程での離型剤微粒子の脱離を防止
する為に加熱処理することが好ましい。加熱処理を40
℃〜70℃の範囲で1時間〜8時間行なった後洗浄乾燥
することにより、離型剤微粒子が強固に付着した離型剤
層を有するトナーを製造することができる。特に着色樹
脂粒子を膨潤し得る液体中で加熱することにより、離型
剤含有微粒子は着色樹脂粒子表面に埋設され、現像剤作
製時及び現像時に加わる衝撃によっても微粒子が脱離す
ることがなく転写率が向上するので好ましい。着色樹脂
粒子に対する離型剤の割合は、0.5重量%〜5重量
%、好ましくは1重量%〜3重量%である。0.5重量
%より少ないと離型効果が充分でなく、5重量%より多
いと流動性・転写性が低下する。この為、離型剤含有樹
脂微粒子の着色樹脂粒子に対する割合は、微粒子中に含
有される離型剤と樹脂との割合により変化させなければ
ならない。
【0026】また、必要により離型剤含有樹脂微粒子を
固着させたトナー表面に帯電制御剤微粒子、帯電性樹脂
微粒子を固着させても良いが、下記化合物(1)、化合
物(2)、化合物(3)で示される含フッ素4級アンモ
ニウム塩で処理し、負帯電性を付与することが好まし
い。これら含フッ素4級アンモニウム塩は、離型剤含有
重合性ビニル単量体微粒子の重合に用いられる重合開始
剤が分解により酸性基を生ずる場合に、重合分子未端の
酸性基と含フッ素4級アンモニウム塩が結合し、トナー
に負帯電性を付与することが出来る。
【0027】
【化1】 (たゞし、上記式中のRf 基は含フッ素基、好ましくは
直鎖又は分岐を有するパーフロロアルキル基、パーフロ
ロアルケニル基を示し、R1,R2,R3,R4,R5は低
級アルキル基、X-は無機又は有機の陰イオンであ
る。)また、離型剤を含有するビニル単量体としてフル
オロアルキル(メタ)アクリレートを用いることによっ
てもトナーに負帯電性を付与することが出来る。
【0028】上記のように作製したトナーは、流動化剤
と混合して用いても良い。流動化剤はシリカ、疎水性シ
リカ、酸化チタン、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の公
知のものが用いられる。流動化剤の添加量はトナーの
0.1重量%〜5重量%、好ましくは0.5重量%〜3
重量%である。混合方法としては、Vブレンダー、ボー
ルミル等の一般的な混合装置を使用すれば良い。
【0029】更に、本発明のトナーを二成分系現像剤と
して用いる場合には、キャリアと混合して用いられる。
本発明に使用し得るキャリアとしては公知のものが使用
可能であり、例えば、鉄、マグネタイト、ヘマタイト、
フェライト等の磁性を有する粉体、ガラスビーズ等が挙
げられる。これら粉体の粒径は50μm〜200μmで
ある。特にこれら粉体がシリコーン樹脂で被覆されたキ
ャリアが好ましく用いられる。キャリアに対しトナーを
0.5重量%〜5重量%添加し、先に挙げた一般的な混
合装置で混合し現像剤を作成する。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、以下に示す部、%は重量部、重量%を表わ
す。
【0031】〈離型剤含有ビニル単量体エマルションの
製造例〉 製造例E1 カルナウバワックス10部とスチレン20部をビーカー
に入れ、80℃に加熱し、カルナウバワックスをスチレ
ンに溶解した。この温度を保ち、これにポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル5部を加え混合した。これ
に85℃に加温したイオン交換水90部を激しく撹拌し
ながら除々に添加した。これを85℃に保ちホモミキサ
ーで30分撹拌した後、急冷しエマルションを得た。こ
のエマルションの粒径をレーザー散乱式粒度計(DLS
700 大塚電子社製)で測定した所、体積平均粒径
0.16μm、個数平均粒径0.14μmであった。
【0032】製造例E2 カルナウバワックスとスチレンの混合時に2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル2部を加えた他は、製造例E
1と同じ方法でスチレンに油溶性重合開始剤を溶解した
エマルションを得た。この時のエマルションの粒径は、
体積平均粒径0.16μm、個数平均粒径0.14μm
であった。
【0033】製造例E3 製造例E1のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル2部の代りに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル1部とNa・ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテルサルフェート1部を用いた他は、製造例E1と
同じ方法でエマルションを得た。この時のエマルション
の体積平均粒径0.14μm、個数平均粒径は0.12
μmであった。
【0034】製造例E4〜E11 製造例E1と同じ方法で表1に記載のエマルションを作
製した。但し、表1中の%はエマルション中のそれぞれ
の成分の%を表わす。また、離型剤とビニル単量体の合
計の%を一定にした。
【0035】
【表1】
【0036】〈離型剤含有ビニル単量体エマルションの
重合〉 製造例P1 製造例E1で得られたエマルション100部を撹拌装
置、冷却管、チッ素導入管を備えたフラスコに採取し、
チッ素置換を行ない昇温し、液温を60℃に保った。こ
れに水12部に溶解した過硫酸カリウム0.16部を添
加した後、チッ素気流下60℃で12時間加熱し、カル
ナウバワツクス含有のポリスチレンエマルションを得
た。このエマルションの粒径は体積平均粒径0.14μ
m、個数平均粒径0.13μmであった。また、このエ
マルションを室温で風乾し、更に80℃で8時間減圧乾
燥し、重合前後の固型分量の増加からスチレンの重合率
を求めた所80%であった。
【0037】製造例P2 製造例E2で得られたエマルション100部を製造例P
1の装置に採取し、チッ素置換を行ない、60℃で12
時間加熱した。得られたエマルションの体積平均粒径
0.15μm、個数平均粒径0.14μmであった。ま
た、重合率は45%であった。
【0038】製造例P3 製造例P1の過硫酸カリウムの代りに、4,4′−アゾ
ビス−4−シアノヴァレリックアシッドのナトリウム塩
0.192部を用いた他は、製造例P1と同じ方法で重
合エマルションを得た。このエマルションの体積平均粒
径0.14μm、個数平均粒径0.13μmであった。
また、重合率は83%であった。
【0039】製造例P4〜P12 製造例P1のエマルションE1の代りに製造例E3〜E
11のエマルションを用い、且つ過硫酸カリウムをビニ
ル単量体重量の1%を用いた他は、製造例P1と同じ方
法で重合エマルションを得た。得られたエマルション粒
子の粒径及び重合率は次の通りであった。
【0040】
【表2】
【0041】〈着色樹脂粒子の製造例〉下記のように分
散重合法で芯粒子を製造した。撹拌翼、冷却器を取り付
けた500ccの三つ口フラスコに、メタノール320
gを入れ、スチレン/無水マレイン酸共重合体(平均分
子量4万)6.4gを少量ずつ撹拌しながら添加し、完
全に溶解させた。更に、スチレン25.6g、n−ブチ
ルメタクリレート6.4g、2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル0.2gを添加し、完全に溶解させた。撹
拌しながらフラスコ内を乾燥アルゴンガスでパージし、
1時間放置した。60℃±0.1℃の恒温水槽中で20
0rpmの撹拌速度で撹拌しながら重合を開始した。加
熱後15分すると液は白濁し始め、20時間重合後も白
濁した安定な分散液であった。重合率は98%に達して
いることをエチルベンゼンを内部標準としてガスクロマ
トグラフィーにより確認した。
【0042】得られた分散液を冷却し、遠心分離機にて
2000rpmで遠心分離すると重合体粒子は完全に沈
降し、上部の液は透明であった。上澄液を除き新たにメ
タノール200gを加え、1時間撹拌洗浄した。遠心分
離したメタノールで洗浄する操作を繰り返し、最後に水
で洗浄し、1μmのミクロフィルターにて濾過を行なっ
た。濾液は透明であり、1μm以下の粒子は全くないこ
とが確認された。濾別したものは1昼夜風乾し、24時
間、50℃にて減圧乾燥し、95%の収率で白色粉末の
スチレン/n−ブチルメタクリレート共重合体粒子を得
た。得られた粒子の体積平均粒径は7.0μmであり、
5.25〜8.75μmの粒径を持つ重合粒子(A)の
重量分率は98%であった。また、該樹脂のTgは65
℃であった。メタノール200cc中にオイルブラック
803[オリエント化学(株)製]1gを溶解した後、
濾過し、該濾液に重合粒子(A)を24g加えて分散さ
せ、50℃で1時間加熱撹拌した。その後分散液を室温
まで冷却し、濾別した後、乾燥し、着色樹脂粒子を得
た。
【0043】〈トナーの製造〉 実施例1 前記着色樹脂粒子30部を50%メタノール水溶液70
部に添加し分散した。これに製造例P1で得られた重合
エマルション7.5部(ワックス分0.6部)を加え撹
拌し、これに0.4%ステアリンアミンアセテート水溶
液10部を加え撹拌した。ワックス付着粒子を光学顕微
鏡で観察した所、ワックス微粒子が着色樹脂粒子表面に
均一に付着していた。この分散液を50℃で30分加熱
撹拌しワックス微粒子を固定化した。この液を吸引濾過
後50%メタノール水溶液に再分散する洗浄操作を2回
行なった後、吸引濾過し35℃で減圧乾燥しトナー粉体
を得た。
【0044】実施例2 実施例1のエマルション固定化時の分散媒を水7.5
部、メタノール52.5部の混合液を用い、且つ固定化
の温度、時間を50℃、4時間とした他は、実施例1と
同様の操作でエマルション微粒子を表面に埋設したトナ
ー粉体を得た。このトナーを光学顕微鏡(1000倍)
で観察した所、表面が僅か凹凸のある光沢ある球形粒子
であった。
【0045】実施例3 実施例2で得られたトナー10部を50%メタノール水
溶液に分散した。これに化合物1の含フッ素4級アンモ
ニウム塩0.1部を溶解し、50℃で1時間加熱した後
この液を吸引濾過後50%メタノール水溶液に再分散し
30分室温で撹拌した後、吸引濾過し35℃で減圧乾燥
しトナー粉体を得た。
【0046】実施例4〜14 実施例2のエマルションをP2〜P12に代え、且つワ
ックス分が0.06部になるように重合エマルションの
量を変えた他は、実施例2と同様の操作で離型剤含有樹
脂微粒子を着色樹脂表面に埋設しトナーを得た。実施例
のトナーの構成・処理方法を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】比較例1 〈離型剤エマルションの製造例〉カルナウバワックス
(融点78〜84℃)10部とポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル2部をビーカーに入れ、85℃で加
熱撹拌し溶融混合した。これに90℃に加温したイオン
交換水28部を激しく撹拌しながら添加した。これを8
5℃に保ちホモミキサーで30分撹拌しエマルションを
得た。冷却後、イオン交換水を加え、固形分濃度20%
に調整した。このエマルションの粒径レーザー散乱式粒
度計(DLS700 大塚電子社製)で測定した所、体
積平均粒径0.12μm、個数平均粒径0.11μmで
あった。
【0049】〈トナーの製造〉上記カルナウバワックス
エマルション3.6部、(ワツクス分0.6部)を用
い、実施例1と同じ方法でワックス微粒子を表面に固着
させたトナーを得た。
【0050】比較例2 撹拌装置、冷却管、窒素導入管を備えた四つ口フラスコ
にイオン交換水320部、過硫酸カリウム0.4部を秤
りとり窒素置換を行ない昇温し70℃に保ち、低分子量
ポリプロピレン(ビスコール660p、三洋化成社製)
12部を添加したスチレン80部、メタクリル酸1.6
部を投入し、70℃で8時間重合した。この結果、多量
の塊状物、凝集物が生成したが、これを遠心沈降によっ
て除去し懸濁部分を採取し、固型分濃度5%に調整し
た。懸濁部分の体積平均粒径は0.43μm、個数平均
粒径は0.21μmであった。
【0051】〈トナーの製造〉この分散液93.6部
(ワツクス分0.6部)を用い、実施例1と同じ方法で
カルナウバワックス含有ポリスチレン微粒子を表面に固
着させたトナーを得た。
【0052】〈実施例及び比較例のトナーの評価〉トナ
ー2部と疎水性シリカ0.02部をミキサーで混合し
た。これをシリコーン被覆フェライトキャリア98部と
ターブラミキサーで混合し現像剤を得た。この現像剤を
用いPPC(イマジオ420、リコー社製)で離型剤で
あるシリコーンオイルを塗布しないで画像評価及び転写
率の測定を行なった。それらの結果を表4に示す。な
お、評価、測定は以下の方法によった。
【0053】複写試験法 (離型性)全面黒(黒ベタ)画像を複写し分離爪の爪跡
の発生状態(爪跡の長さ)を5段階評価した。 5=爪跡発生なし 4=爪跡1mm未満 3=爪跡1mm以上10mm未満 2=爪跡10mm以上20mm未満 1=爪跡20mm以上 (定着性)イマジオ420の定着装置(条件一定)で定
着後、黒ベタ画像を描画試験機にかけ画像の脱離状態を
5段階で評価した。 5=描画部分の大部分が剥離していない。 4=描画部分が点状に剥離している。 3=描画部分が破線状に剥離している。 2=描画部分が全部剥離し、剥離の巾が狭い。 1=描画部分が全部剥離し、剥離の巾が広い。 判定は限度見本による。 (画像濃度)直径10mmの円形画像の反射濃度をマク
ベス濃度計で測定した。 (画像のシャープ性)ドット画像を光学顕微鏡で観察し
画像の状態を5段階評価した。 5=トナーがドット部分のみに存在し輪郭が明瞭。 4=トナーの大部分がドット部分に存在するが輪郭はや
や不明瞭。 3=トナーがドット部分に多く存在するが輪郭が不明
瞭。 2=トナーの散りが大であるがドットの存在は判別でき
ない。 1=トナーの散りが大でドットの存在が判別できない。 判定は限度見本による。 (転写率)転写率は全面黒で現像し転写途中で機械を停
止し、感光体上の未転写部及び転写部のトナーを重量既
知、面積一定の粘着紙に移しとり重量を秤り、〔(未転
写部のトナー重量−転写部のトナー重量)/未転写部の
トナー重量〕×100を転写率とした。
【0054】
【表4】
【0055】現像に用いたものと同様の方法で現像剤を
作成し、トナーの帯電量を測定した。その結果を表5に
示す。なお、測定は以下の方法により行なった。 帯 電 量 シリコーンコートフェライトキャリアと
10分間混合し、ブローオフ測定装置で測定した。 低温・低湿 15℃、10%RHに2時間現像剤を放
置後測定した。 常温・常湿 25℃、30%RHに2時間現像剤を放
置後測定した。 高温・高湿 30℃、90%RHに2時間現像剤を放
置後測定した。
【0056】
【表5】
【0057】また、疎水性シリカを混合したトナー10
gをスクリューびんに入れ、タッピング後50℃、24
時間保存後、針入度計の針入深さにより評価した(充分
な耐熱保存性を得るためには、針入深さ10mm以上が
必要)。その結果を表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】結果の説明 (1)比較例1のトナーは露出した離型剤の影響により
離型性は充分であるが、転写率の低下が著しい。また、
比較例2のトナーは離型剤に対する樹脂の割合が著しく
大である為、転写率は充分であるが離型性が失われる。 (2)実施例のトナーは全般に転写率・離型性とも良好
であるが、 離型剤を含有する樹脂微粒子を表面に埋設したトナ
ーは、微粒子が表面から突出している程度が少なく衝撃
による影響を低減出来るため、微粒子を単に表面に固着
させたトナーに比し転写率は向上し離型性は同等であ
る。 離型剤を含有する樹脂微粒子の体積平均粒径が0.
3μmより大きいと、トナーに対する付着が不均一とな
り転写率が低下する。 離型剤を含有する樹脂微粒子を構成する樹脂のTg
が60℃未満では、耐熱保存性が不充分であり、100
℃より大きいと定着温度でも溶融し難くなり、定着性が
低下する。 離型剤を含有するビニル単量体を水系に乳化する為
の界面活性剤がアニオン系だと、単量体の重合率が低下
し、離型剤の被覆が不充分となり、転写率が低下するば
かりでなくトナー中に単量体が残存する恐れもある。 離型剤を含有するビニル単量体エマルションを重合
する為に油溶性開始剤を乳化時に単量体に添加すると、
乳化の過程で重合開始剤が分解し、単量体の重合率が低
下し、離型剤の被覆が不充分となり、転写率が低下する
ばかりでなくトナー中に単量体が残存する恐れもある。 離型剤を含有する樹脂微粒子中の離型剤と樹脂の比
が1:0.5未満では、離型剤の被覆が充分でなく、転
写率が低下し、比が1:3より大きいと、定着時に離型
剤の溶出が充分でなく、離型性が低下する。 離型剤を含有する樹脂微粒子を固着したトナーは、
微粒子の酸性基と外添した疎水性シリカにより常温・常
湿では有効な負帯電性を示すが、高温・高湿では水の影
響により負帯電が低下する。これに対しフッ素4級アン
モニウム塩を結合したトナーでは高温・高湿でも負帯電
が低下することはない。
【0060】
【発明の効果】請求項1の静電荷像現像用トナーは、着
色樹脂粒子表面に離型剤微粒子を固着させてなる静電荷
像現像用トナーにおいて、前記離型剤微粒子が離型剤を
含有するビニル単量体を水系に乳化し重合して得られた
ビニル重合体被覆及び/又は含浸離型剤微粒子であるも
のとしたことから、流動性、耐オフセット性、離型性、
転写性、定着性、耐久性にすぐれ、本トナーによると高
濃度で鮮明な画像が得られる。
【0061】請求項2の静電荷像現像用トナーは、着色
樹脂粒子表面に離型剤微粒子の少なくとも一部を埋設さ
せてなる静電荷像現像用トナーにおいて、前記離型剤微
粒子が離型剤を含有するビニル単量体を水系に乳化し重
合して得られたビニル重合体被覆及び/又は含浸離型剤
微粒子であるものとしたことから、微粒子がトナー表面
から突出してしる程度が少なく衝撃による影響を低減出
来るため、更に転写率が向上するという効果が加わる。
【0062】請求項3の静電荷像現像用トナーは、前記
離型剤微粒子の体積平均粒径が0.3μm以下であるも
のとしたことから、該離型剤微粒子の着色樹脂粒子に対
する固着がより均一に行なわれ、より転写率が向上する
という効果が加わる。
【0063】請求項4の静電荷像現像用トナーは、前記
離型剤微粒子のビニル重合体のガラス転移温度が60〜
100℃であるものとしたことから、良好な耐熱保存性
と良好な定着性が安定して維持されるという効果が加わ
る。
【0064】請求項5の静電荷像現像用トナーは、前記
離型剤微粒子の離型剤とビニル重合体の比が1:0.5
〜1:3であるものとしたことから、高い転写率と良好
な離型性が安定して保持されるという効果が加わる。
【0065】請求項6の静電荷像現像用トナーは、前記
トナーに、更に含フッ素4級アンモニウム塩を付着させ
てなるものとしたことから、高温、高湿下てじも負帯性
が低下しないという効果が加わる。
【0066】請求項7及び8の静電荷像現像用トナーの
製造方法は、離型剤を含有するビニル単量体を水溶性界
面活性剤を用いて水系に乳化し、これを重合してビニル
重合体被覆及び/又は含浸離型剤微粒子を得た後、該離
型剤微粒子を着色樹脂粒子表面に固着させるか、又は該
離型剤微粒子を着色樹脂粒子に付着させ分散媒により着
色樹脂粒子を膨潤させて離型剤微粒子の少なくとも一部
を着色樹脂粒子表面に埋設させるという構成にしたこと
から、簡単な方法で効率良く請求項1又は2に記載のト
ナーを製造することができる。
【0067】請求項9の静電荷像現像用トナーの製造方
法は、前記水溶性界面活性剤としてノニオン系界面活性
剤を用いたことから、高い重合率を達成できるという効
果が加わる。
【0068】請求項10の静電荷像現像用トナーの製造
方法は、離型剤を含有するビニル単量体を水系に乳化
し、ことを重合するに当たり、水溶性の重合開始剤を用
いたことから、高い重合率を達成できるという効果が加
わる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色樹脂粒子表面に離型剤微粒子を固着
    させてなる静電荷像現像用トナーにおいて、前記離型剤
    微粒子が離型剤を含有するビニル単量体を水系に乳化し
    重合して得られたビニル重合体被覆及び/又は含浸離型
    剤微粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナ
    ー。
  2. 【請求項2】 着色樹脂粒子表面に離型剤微粒子の少な
    くとも一部を埋設させてなる静電荷像現像用トナーにお
    いて、前記離型剤微粒子が離型剤を含有するビニル単量
    体を水系に乳化し重合して得られたビニル重合体被覆及
    び/又は含浸離型剤微粒子であることを特徴とする静電
    荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 前記離型剤微粒子の体積平均粒径が0.
    3μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 前記離型微粒子のビニル重合体の硝子転
    移温度が60〜100℃であることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 前記離型剤微粒子の離型剤とビニル重合
    体の比が1:0.5〜1:3であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載の静電荷像現像用
    トナーに、更に含フッ素4級アンモニウム塩を付着させ
    てなることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 離型剤を含有するビニル単量体を水溶性
    界面活性剤を用いて水系に乳化し、これを重合してビニ
    ル重合体被覆及び/又は含浸離型剤微粒子を得た後、該
    離型剤微粒子を着色樹脂粒子表面に固着させることを特
    徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  8. 【請求項8】 離型剤を含有するビニル単量体を水溶性
    界面活性剤を用いて水系に乳化し、これを重合してビニ
    ル重合体被覆及び/又は含浸離型剤微粒子を得た後、該
    離型剤微粒子を着色樹脂粒子に付着させ分散媒により着
    色樹脂粒子を膨潤させて離型剤微粒子の少なくとも一部
    を着色樹脂粒子表面に埋設させることを特徴とする静電
    荷像現像用トナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記水溶性界面活性剤がノニオン系界面
    活性剤であることを特徴とする請求項7又は8に記載の
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 離型剤を含有するビニル単量体を水系
    に乳化し、これを重合するのに用いる重合開始剤が水溶
    性であることを特徴とする請求項7又は8に記載の静電
    荷像現像用トナーの製造方法。
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