JP3238720B2 - トナー - Google Patents

トナー

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JP3238720B2
JP3238720B2 JP14331591A JP14331591A JP3238720B2 JP 3238720 B2 JP3238720 B2 JP 3238720B2 JP 14331591 A JP14331591 A JP 14331591A JP 14331591 A JP14331591 A JP 14331591A JP 3238720 B2 JP3238720 B2 JP 3238720B2
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広光 川瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用トナーに関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体や静電記録体などの上に
形成された静電潜像を現像する手段としては、液体現像
剤を用いる方法(湿式現像法)と、結着樹脂中に染料、
顔料等の着色剤、更には必要に応じて帯電制御剤等を分
散させたトナーあるいはこのトナーを固体キャリアと混
合した一成分型ないし二成分型乾式現像剤を用いる方式
(乾式現像法)とが一般に採用されている。そして、こ
れら方式にはそれぞれ長所・短所があるが、現在では、
乾式現像法が多く利用されている。
【0003】ところで、高画質、高耐久性をもたらすた
めには、前記トナーに小粒径であること、粒度分布が狭
いこと、表面形状が滑らかであること及び帯電制御剤が
均一に分散されていることなどが要求される。即ち、粒
径は解像力、シャープ度、ハーフトーン再現性などに影
響し、粒度分布巾が広いと特定粒径の選択現像が生じ、
耐久性に支障をきたす。表面形状はそれが滑らかでない
場合、現像部攪拌時のストレスにより、表面にて部分粉
砕が生じて超微粉体が発生し、それが二成分型現像剤に
おいてはキャリアへの融着、帯電劣化を引き起こし、一
成分型現像剤においてはトナー薄膜用部材への融着が生
じ、白スジの原因となる。又、帯電制御剤のトナーにお
ける不均一分散は地汚れを発生させる。
【0004】従来のトナーの一般的な製造方法、即ち樹
脂、染・顔料、帯電制御剤を溶融混練し、機械式あるい
は空気衝突式の粉砕機にて粉砕、分級を行なう方法で制
御されたトナーにおいては、特に小粒径で狭い粒度分布
のものを得ようとした場合、生産能力や収率が著しく低
下し、コスト高になるのはもちろん、粒径を小さくする
程、帯電制御剤の分散不均一によるトナー帯電特性不良
が発生する。又、粉砕で得られた粒子の表面形状はかな
り突起物が多く、キャリアあるいはトナー薄膜化用部材
への融着が生じ易くなる。更に、本来トナー表面で機能
を発揮する高価な帯電制御剤等がトナー内部にも含有さ
れており、高コストになるという欠点もある。
【0005】そこで、高画質、高耐久性をもたらすトナ
ー及びその製造方法に関し、多くの提案がなされてい
る。例えば、着色顔料及び帯電制御剤を内部に含有する
核体粒子を懸濁重合法により形成すること(特公昭51−
14895号、特公昭47−51830号各公報)が提案されている
が、この方法は表面に付着する分散安定剤、界面活性剤
等の除去が困難で帯電劣化を起し易く、しかも内部含有
重合では小粒径且つ狭粒度分布(10μm以下)のものを
安定的に製造することが困難である。
【0006】又、顔料及び帯電制御剤を内部に含有する
核体粒子を噴霧造粒法により形成すること(特公昭57−
494号、特公昭56−13945号各号公報)が提案されている
が、この方法は粒径制御が非常に困難で、造粒後に分級
処理を必要とするとか、あるいはホットオフセット発生
防止に有効な高分子レジンを使用できないなどという欠
点を有している。
【0007】これに対し、小粒径で粒子径分布の狭いト
ナーを簡単に得る方法として特開昭58−106554、昭61−
18965、昭61−275766等粒子径分布の狭い粒子の上に着
色物質やトナー特性付与物質を付着、コーティングさせ
ていわゆるコアーシェル構造のトナーを製造しようとす
る試みが行われたが、着色物質他が表面に存在する為
に、電気的特性及び耐久性に劣っていた。特開昭61−22
8458には、分散重合で製造した粒子に染料を付与し、着
色する試みが述べられているが、染料が粒子内で均一に
着色されているかは不明で、粒子表面に安定剤が恒久的
に付着している為、摩擦帯電制御は安定剤の極性に依存
し、環境変動に対し不安定であるという不具合が生じて
いた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、デジ
タル潜像に適したライン再現性、網点再現性、ハーフト
ーン再現性に優れた高品質画像を形成するトナーを提供
する事にある。又、環境変動が少なくランニングにおけ
る粒径変動のない帯電量分布がシャープなトナーを提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するための鋭意検討した結果、トナー粒子が特
定の粒径分布の範囲内にあって、かつ該粒子の長径と短
径との比を特定の範囲に保持することが有効であること
を知見し、本発明に至った。
【0010】すなわち、本発明は、粒子の表面から内部
にわたって均一に染着されている、体積平均粒子径(dv)
と個数平均粒子径(dn)の比が1.00≦(dv/dn)≦1.15の範
囲にあり、かつ長径(a)と短径(b)の比が1.00≦(a/b)≦
1.20の粒子が全体の90%以上を占め、dvが1〜20μmであ
るトナーである。
【0011】本発明のトナーに使用される樹脂粒子を製
造するには、粒子径分布の狭い重合体の製造方法、例え
ば、シード乳化重合方法、二段階膨潤による重合方法、
均一相からの相分離を利用する液滴製造方法、などが使
用できるが簡便に一工程で粒度分布の狭い重合体粒子が
得られる事と、後に行なわれる染着工程を考慮すると分
散重合法が好ましい。分散重合法によって得られた樹脂
粒子を用いると染着処理、及び帯電制御剤の打ち込み処
理を行っても狭い粒度分布は保持される。
【0012】本発明において、狭い粒度分布とは、コー
ルターマルチサイザー(コールターエレクトロニクス社
製)において100μmのアパーチャーチューブを用いた
時、アパーチャーカレント等の設定はオートマチックで
測定した際の(3万個以上のカウント値)体積平均粒子
径(dv)と個数平均粒子径(dn)の比が1.00≦(dv/dn)≦1.1
5の範囲の粒度分布を意味する。重合終了後の粒度分布
としては、dv/dnが1.10以下が望ましい。粒度分布がブ
ロードであると粒子の着色が不均一に行なわれる。
【0013】又、本発明のトナー粒子においては、その
長径(a)と短径(b)の比a/bが1.00≦(a/b)≦1.20である粒
子が全体の90%以上を占めるという条件を満たしていな
くてはならず、更に前記のdvが1〜20μmの範囲でなけれ
ばならない。これらの条件を満たしていない場合には、
デジタル方式で書き込まれた潜像に対し、高耐久性で解
像度が高く、ハーフトーン再現性に優れた画像が得られ
ない。特にa/b>1.20の場合、粒子表面の突起等が現像
剤中で微粉砕され易く、長寿命化が困難である。好まし
くは、100≦(a/b)≦1.10の粒子が90%以上を占めること
である。又、drが20μm以下、特に10μm以下のトナーが
高解像度の画像再現に最適である。重合体粒子としては
ガラス転移点が40〜90℃で重量平均分子量が0.5〜10万
で100万以上の高分子量成分又は架橋成分が重量で5〜50
%含まれている事が熱ローラーによる定着性と耐オフセ
ット性を確保する意味で好ましい。
【0014】樹脂粒子は親水性有機液体に該親水性有機
液体に溶解する高分子分散剤を加え、これに該親水性有
機液体には溶解するが、生成する重合体は該親水性有機
液体にて膨潤されるか、ほとんどが溶解しない一種又は
二種以上のビニル単量体を加えて重合することにより製
造される。あらかじめ、目的の粒子径よりは小さいが粒
度分布の狭い重合体を利用して上述の系にて成長させる
反応も含まれる。成長反応に利用する単量体は種粒子を
製造したものと同じ単量体でもまた別の単量体でも良い
が、重合体は親水性有機液体に溶解してはならない。
【0015】このような方法により得られた重合体分散
液は、後記する染着工程において、そのまま使用するこ
とができ、製造工程の簡素化に寄与する。
【0016】本発明における種粒子の形成時及び種粒子
の成長反応時に用いる単量体の希釈剤として用いる親水
性有機液体としては、例えばメチルアルコール、エチル
アルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−アミルアルコール、3−ペンタノール、オク
チルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノ
ール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリル
アルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチ
レングリコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、
セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
等のエーテルアルコール類などがあげられる。
【0017】これ等の有機液体は一種もしくは二種以上
の混合物を用いることができる。なお、アルコール類、
及びエーテルアルコール類以外の有機液体で上述のアル
コール類及びエーテルアルコール類と併用することで、
有機液体の生成重合体粒子に対して溶解性を持たせない
条件下で種々SP値を変化させ、重合条件を変え生成さ
れる粒子の大きさ及び種粒子同士の合一及び新粒子の発
生を抑制することが可能である。これらの併用する有機
液体としては、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化
水素類、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロ
ムエタン等のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、
ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、メチラール、ジエチルアセタール等
のアセタール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、ギ
酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソル
ブアセテート等のエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸等の酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチ
ルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチル
スルホキシド、ジメチルホルムアミド等の硫黄、窒素含
有有機化合物類、その他水も含まれる。
【0018】上記、親水性有機液体を主体とした溶媒に
SO4 2~、NO2~、PO4 3~、Cl~、Na+、K+、Mg
2+、Ca2+、その他の無機質イオンが存在した状態で重
合を行っても良い。
【0019】又、重合開始時と重合途中、重合末期とそ
れぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ生成する重合
体粒子の平均粒子径、粒子径分布、乾燥条件等を調節す
ることができる。
【0020】種粒子製造時又は成長粒子の製造時の分散
安定剤の適当な例としては、例えばアクリル酸、メタク
リル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル
酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸
又は無水マレイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含有す
るアクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル
酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキ
シプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノ
アクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタク
リル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、
グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロ−ル
アクリルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミド等、
ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類
例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ピニルプロピルエーテル等、又はビニルアルコールとカ
ルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロ
ライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類、
ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾー
ル、エチレンイミン等の窒素原子、又はその複素環を有
するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエ
チレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、
ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピ
レンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポ
リオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセ
ルロース類、または上記親水性モノマーとスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン等のベンゼン核を有
するもの又はその誘導体又はアクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくは
メタクリル酸誘導体との共重合体、更に、架橋性モノマ
ー例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリ
ル、ジビニルベンゼン等との共重合体も使用可能であ
る。
【0021】これらの高分子化合物分散剤は、使用する
親水性有機液体、目的とする重合体粒子の種及び種粒子
の製造か成長粒子の製造により適宜選択されようが、特
に重合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で重合
体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有
機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。ま
た、立体的に粒子同士の反発を高める為に、分子鎖があ
る程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のも
のが選ばれる。しかしあまり分子量が高いと、液粘度の
上昇が著しく、操作性、攪拌性が悪くなり、生成重合体
の粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を
要する。
【0022】又、先に挙げた高分子化合物分散剤の単量
体を一部目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存
させておくことも安定化には効果がある。
【0023】又、これら高分子化合物分散剤と併用し
て、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、ス
ズ、鉛、マグネシウム等の金属又はその合金(特に1μ
以下が好ましい)又、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素等の酸化物の無機化
合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル
ベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、
リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤、アルキルアミ
ン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪
酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルト
リメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニ
ウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピ
リジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼ
トニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性
剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非
イオン界面活性剤。例えばアラニン型(例えばドデシル
ジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチ
ル)グリシン)等のアミノ酸型やベタイン型の両性界面
活性剤を併用しても、生成重合体粒子の安定化及び粒子
径分布の改良を更に高めることができる。
【0024】一般に種粒子製造時の高分子分散剤の使用
量は目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種類
によって異なるが、親水性有機液体に対し、0.1〜10重
量%更に好ましくは1〜5重量%が好ましい。高分子分散
安定剤の濃度が低い場合には生成する重合体粒子は比較
的大径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒子が得
られるが、10重量%を越えて用いても小径化への効果は
少ない。
【0025】以上挙げた高分子分散安定剤、及び必要な
らば無機微粉末、顔料、界面活性剤は種粒子の製造の際
に必要であるのは勿論であるが、成長反応の際に粒子同
士の合一を防ぐ目的で添加するビニル単量体溶液や種粒
子分散液に存在させて重合を行っても良い。
【0026】初期に生成する粒子は親水性有機液体中と
重合体粒子表面に平衡を保って分配された高分子分散剤
安定剤によって安定化されるが、未反応のビニル単量体
が親水性有機液体中にかなり存在する場合はいくぶん膨
潤され粘着性を持ち、高分子分散安定剤の立体的反発力
にうち勝って凝集してしまう。
【0027】更に極端に親水性有機液体に対して単量体
の量が多い場合は、生成する重合体が完全に溶解してし
まい重合がある程度進行しないと析出してこない。この
場合の析出の状態は粘着性の高い塊状物を形成する様式
をとる。
【0028】したがって粒子を製造する時の単量体の親
水性有機液体に対する量はおのずと制限されることにな
り、親水性有機液体の種類によって多少異なるが、およ
そ100重量%以下、好ましくは50重量%以下が適当であ
る。
【0029】本発明において、単量体とは、親水性有機
液体に溶解可能なものであり、例えばスチレン、0−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−
ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert
−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n
−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n
−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メ
トキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルス
チレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル
酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカル
ボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタク
リル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニ
ル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類などからなる
単独または相互の混合物及びこれらを50重量%以上含有
し、これらと共重合し得る単量体との相互の混合物を意
味する。
【0030】又、本発明における重合体は、耐オフセッ
ト性を高めるために重合性の二重結合を二個以上有する
いわゆる架橋剤を存在させて重合し、架橋重合としても
良い。
【0031】好ましく用いられる架橋剤として、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体で
ある芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレー
ト、トリエチレングリコールメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレー
ト、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラ
エチレングリコールメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エ
ステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、
ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなど全てのジビ
ニル化合物及び三個以上のビニル基を持つ化合物等が単
独又は混合物等で用いられる。
【0032】このように架橋された種粒子を用いて成長
重合反応をひき続いて行った場合には、生成する重合体
粒子の内部が架橋されたものとなる。又、一方で成長反
応に用いるビニル単量体溶液に上述の架橋剤を含有させ
た場合には粒子表面が硬化された重合体が得られる。
【0033】又、平均分子量を調節する事を目的として
連鎖移動定数の大きな化合物を共存させて重合を行って
も良い。例えば、メルカプト基を持つ低分子化合物や四
塩化炭素、四臭化炭素等が挙げられる。
【0034】前記単量体の重合開始剤として用いるもの
は、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系
重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオ
キシド、tert−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物
系重合開始剤、過硫酸カリウムの様な過硫化物系開始剤
あるいはこれにチオ硫酸ナトリウム、アミン等を併用し
た系等が用いられている。
【0035】重合開始剤濃度はビニル単量体100重量部
に対して0.1〜10重量部が好ましい。粒子の重合条件は
重合体粒子の目標、平均粒子径、目標粒子径分布に合わ
せて、親水性有機液体中の高分子分散剤及びビニル単量
体の濃度及び配合比が決定される。
【0036】一般に粒子の平均粒子径を小さくしようと
するならば、高分子分散剤の濃度を高く、又、平均粒子
径を大きくしようとするならば、高分子分散剤の濃度が
低く設定される。
【0037】一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとす
るならばビニル単量体濃度を低く、又、比較的広い分布
でも良い場合は、ビニル単量体濃度は高く設定される。
【0038】粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分
散安定剤を完全に溶解した後、1種または2種以上のビ
ニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉
末、界面活性剤、染料、顔料等を添加し、30〜300rpmの
通常の攪拌にて好ましくはなるべく低速で、しかもパド
ル型よりもタービン型の攪拌翼を用いて、槽内の流れが
均一になるような速度で攪拌しながら用いた開始剤の分
解速度に対応した温度にて加熱し重合が行われる。な
お、重合初期の温度が生成する粒子径に大きな影響を与
えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上
げ、開始剤を少量の溶媒に溶解して投入した方が望まし
い。
【0039】重合の際には窒素ガス、アルゴンガス等の
不活性気体にて反応容器内の空気中酸素を充分に追い出
す必要がある。もし、酸素パージが不充分であると微粒
子が発生し易い。
【0040】重合を高重合率域で行うには5〜40時間の
重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒子径分布の
状態で重合を停止させたり、又、重合開始剤を順次添加
したり、高圧下で反応を行うことにより重合速度を速め
ることができる。
【0041】重合終了後は、そのまま染着工程に用いて
も良いし、沈降分離、遠心分離、デカンテーション等の
操作により不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分散
安定剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収
し、染着を行っても良いが、分散安定剤を除去しない方
が染着系の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。し
かし精製を行なう場合は、染着に最も適した溶媒に置換
することが可能というメリットもある。
【0042】染料を樹脂粒子に染着させるために用いる
有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないも
の、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解
性パラメータ(SP値)と使用する樹脂粒子の(SP
値)との差が1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用
される。例えば、スチレン−アクリル系樹脂に対して
は、(SP値)が高いメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール等のアルコール系かあるいは(SP値)が低
いn−ヘキサン、n−ヘプタン等を使用する。もちろん
(SP値)の差が大きいと、樹脂粒子に対する濡れが悪
くなり、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適
な[SP値]差は2〜5が好ましい。
【0043】染着に使用する染料は、使用する有機溶媒
に対する溶解度(D1)と樹脂を溶解し得る有機溶媒に
対する溶解度(D2)の比(D1)/(D2)が0.5以
下であれば、どのような染料でも良いが、染着されたあ
とのトナーの粉体抵抗を高く維持するためには、分散染
料、油溶性染料及びバット染料が好ましい。抵抗が低い
場合は転写率が劣化する恐れがある。
【0044】染着の方法としては、有機溶媒中に染料を
分散溶解させ、その後樹脂粒子を分散させる。染料の樹
脂粒子に対する重量比率は、着色度に応じて決定すれば
よいが、通常は樹脂粒子100重量部に対して1〜50重量部
を使用する。有機溶媒中に染料と樹脂粒子を分散させた
後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下で且つガラ
ス転移温度よりも20℃低い温度以上に保ち、30分〜1時
間程度攪拌することが望ましい、攪拌の方法は市販され
ている攪拌機、例えばホモミキサー、マグネチックスタ
ラー等を用いて攪拌すればよい。
【0045】又、分散重合等で重合終了時得られるスラ
リー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している
状態の溶液に、染料を直接添加して前記の条件にて加熱
攪拌してもよい。
【0046】粒子は、分散安定剤により安定化されてお
り、染着温度を樹脂のガラス転移温度以上に上げても粒
子同士の凝集、融着はおこらず、染着効率(使用した染
料のうち樹脂中に取り込まれる割合)も高くなる。
【0047】染着に使用する染料としては、染着時に使
用する溶媒への溶解度(D1)と、該樹脂粒子を溶解し
得る有機溶媒への溶解度(D2)の比(D1)/(D
2)が0.5以下であることが必要であるが、(D1)/
(D2)が0.2以下であることが特に好ましい。該樹脂
粒子を溶解し得る有機溶媒への溶解度(D2)は、樹脂
粒子を最も良く溶解する溶媒を実験的に、あるいはSP
値から決定し、溶解度(D2)を求めることが望まし
い。樹脂を良く溶かす溶媒(樹脂のSP値±2のSP値
を持つことが望ましい)に対する染料の溶解度が高いこ
とは、すなわち樹脂と染料の親和性が高いことを意味す
る。(D1)/(D2)が0.5以上ではまったく染着し
ないか、着色が内部まで行われず不充分である。
【0048】染料としては、上記の溶解特性を満たせ
ば、特に制限はないが、カチオン染料、アニオン染料等
の水溶性染料は、環境変動が大きい恐れがあり、又トナ
ーの抵抗が低くなり、転写率が劣化する恐れがある。従
って、バット染料、分散染料、油溶性染料が好ましく、
特に油溶性染料が好ましい。
【0049】又、着色に応じて数種の染料を併用するこ
ともできる。染着される染料と樹脂粒子との比率(重
量)は、着色度に応じて任意に選択されるが通常は樹脂
粒子100重量部に対して、染料1〜50重量部が好ましい。
【0050】本発明における染料は、樹脂粒子及び染着
時に使用する溶媒により適宜選択することができるが、
例えば、染着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノー
ル等の、アルコール類を使用し、SP値9程度のスチレ
ン−アクリル系樹脂を使用した場合、樹脂は染着溶媒に
溶解しない。しかし、SP値9程度のアセトン、トルエ
ン、ベンゼン等の有機溶媒には、よく溶解する。
【0051】この場合、使用し得る染料としては例え
ば、 C.I. SOLVENT YELLOW (6,9,17,31,35,100,102,103,1
05) C.I. SOLVENT ORANGE (2,7,13,14,66) C.I. SOLVENT RED (5,16,17,18,19,22,23,143,14
5,146,149,150,151,157,158) C.I. SOLVENT VIOLET (31,32,33,37) C.I. SOLVENT BLUE (22,63,78,83〜86,191,194,1
95,104) C.I. SOLVENT GREEN (24,25) C.I. SOLVENT BROWN (3,9) 等が好ましい。
【0052】市販染料では例えば、保土ケ谷化学の愛染
SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、R
ed−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−
1,2,3、Black−1,4,6,8やBASFのSudan染料Yellow−146,
150、Orange−220、Red−290,380,460、Blue−670や三
菱化成のダイアレジンYellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Ora
nge−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−
J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−Aやオリエント化
学工業のオイルカラーYellow−3G,GG-S,#105、Orange−
PS,PR,#201、Scarlet−#308、Red−5B、Brown−GR,#41
6、Green−BG,#502、Blue−BOSII,N、Black−HBB,#80
3,EB,EX、住友化学工業のスミプラストブルーGP,OR、レ
ッドFB,3B、イエローFL7G,GC、日本化薬カヤロンポリエ
ステルブラックEX−SF300、カヤセットRed−B、ブルー
A-2R、等を使用することができる。
【0053】もちろん、染料は、樹脂粒子と染着時に使
用する溶媒の組合わせで適宜選択されるため、上記例に
限られるものではない。
【0054】染着工程を終了後は、分散安定剤、残存モ
ノマー、極微小粒子、及び未染着染料を除く必要があ
る。フィルターによる濾過、遠心沈降分離、液体サイク
ロン等による分離を行なえば良い。分散安定剤はこの処
理により実質的に除去され、摩擦帯電性に対する影響は
ほとんどなくなる。得られたものが湿ったケーキ状のも
のならば、ロータリーキルン、振動流動乾燥機などで乾
燥され、スラリー状ならば、スプレードライヤー、流動
床式乾燥機等が利用できる。
【0055】乾燥時に帯電制御剤、離形性向上剤、流動
性向上剤をスラリー又はケーキと混合することにより、
粒子表面に均一に付着させる事ができる。
【0056】以上のようにして得られた乾燥染着樹脂粒
子は、必要に応じてその表面に機械的に帯電制御剤が打
ち込まれる。
【0057】打ち込みの方法としては、着色樹脂粒子と
帯電制御剤をあらかじめ混合しておき、次に機械的エネ
ルギーを与える。混合方法はボールミル、Vブレンダ
ー、ヘンシェル等どのようなものでもよい。機械的エネ
ルギーを与える方法としては、高速で回転する羽根によ
って混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物
を投入し粒子を加速させ、粒子同士又は粒子を適当な衝
突板に衝突させる方法等がある。具体的に装着として
は、メカノフュージョン(ホソカワミクロン(株))、
工式ミル(日本ニューマチック工業)で通常の粉砕の場
合より、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼ
イション−システム((株)奈良機械製作所)、自動乳
鉢などが挙げられる。
【0058】なお、前記したよう、本工程において帯電
制御剤が打ち込まれたトナーに、更に流動化剤を加え、
混合してもよい、混合方法としては、Vブレンダー、ボ
ールミル等の一般的な混合装置を使用すればよい。
【0059】帯電制御剤は、上述の処理の後に1μm以
下の一次粒子となるものが好ましい。また、表面で一部
樹脂と、熱による融合が生じておれば、ランニング中帯
電制御剤がトナー表面から離脱し、ドラム、又は二成分
現像剤のキャリア、一成分現像プロセスにおけるスリー
ブへの移動が防止でき、長寿命、高耐久性のトナーが期
待できる。帯電制御剤と着色化樹脂粒子との比率は、理
想的には単分子的に表面を覆えば良いが、通常0.01〜10
重量部好ましくは0.1〜5重量部(着色樹脂粒子100部に
対し)使用される。
【0060】本発明において機械的打ち込みとは、機械
的なエネルギーを着色樹脂粒子及び帯電制御剤に与え、
帯電制御剤を着色樹脂粒子表面に固定化することをい
う。又、機械的エネルギーの他に、補助的に加熱し、熱
エネルギーを与えて帯電制御剤を固定化させることもで
きる。
【0061】本発明における帯電制御剤としては、以下
に示すものが挙げられる。
【0062】ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基
を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性
染料(例えば、C.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.
Basic Yellow 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Ba
sic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.4253
5)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Viole
t 14 (C.I.42520)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.
I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.4
2140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blu
e 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue24(C.I.52030)、C.I.B
asic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.
44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic G
reen4(C.I.42000)、など、これらの塩基性染料のレーキ
顔料、(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モ
リブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン
酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロ
シアン化物など)、C.I.Sovent Black 3(C.I.26150)、
ハンザイエローG (C.I.11680)、C.I.MordlantBlack 1
1、C.I.Pigment Black 1、ベンゾルメチル−ヘキサデシ
ルアンモニウムクロライド、デシル―トリメチルアンモ
ニウムクロライド、あるいはジブチル又はジオクチルな
どのジアルキルチン化合物、ジアルキルチンボレート化
合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系
ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリ
アミン樹脂、特公昭41−20153号、同43−27596号、同44
−6397号、同45−26478号に記載されているモノアゾ染
料の金属錯塩。
【0063】特公昭55−42752号、特公昭58−41508号、
特公昭58−7384号、特公昭59−7385号に記載されている
サリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイ
カルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯
体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料など。
【0064】なお、本発明においては、帯電制御剤が打
ち込まれたトナーに、流動化剤を混合することもでき
る。この場合の流動化剤としては、酸化チタン、疎水性
シリカ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム
等公知のものが用いられる。
【0065】又、必要に応じてトナー同士が保存中に凝
集して固化する現象を防じ、保護膜を設ける為に、比較
的Tgの高い微小樹脂粒子、例えばPMMA(ポリメチルメ
タクリレート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)のサブミクロンの
微粒子やポリオレフィン、脂肪酸エステル、脂肪酸金属
塩、高級アルコール類、パラフィンワックス類の離形剤
を帯電制御剤と同じく表面に打ち込むことも可能である
が、その際、再結晶、粉砕、乳化等の手段により微粒化
しておく事が肝要である。
【0066】製造されるトナーは実質的に球状であり、
走査型電子顕微鏡で観察された形状の投影図形の長径
(a)と短径(b)の比が1.00≦(a/b)≦1.20を満たす粒子が1
00個観察した時に90個以上含まれていることを意味す
る。
【0067】さらに、トナ−を溶解する有機液体中での
吸収スペクトルの最大ピ−ク吸光係数ε(l・g~1・104)が
0.1以上であり、最大ピ−ク吸収波長(λmax)が500〜8
00nmの範囲にあることにより黒色度の高いトナ−とな
る。
【0068】このことにより、現像剤の流動性、均一帯
電性、現像部内での粉砕による極微粒子の発生が抑えら
れ、高耐久性、高画質な画像形成用着色粒子が提供され
る。
【0069】
【実施例】
(重合体粒子分散液の製造例1)恒温水槽中で回転する
密閉可能な反応容器内に次の組成のものを仕込んだ。
【0070】 エタノール 100重量部 疎水性シリカゲル 0.5重量部 蒸留水 20重量部 ポリエチレングリコール (重量平均分子量約4万) 3重量部 容器を室温でゆっくりと回転させる事により約1時間で
ポリエチレングリコールを完全に溶解させた。次に以下
の組成のものを容器に仕込んだ。
【0071】 スチレン 10重量部 nブチルメタクリレート 2重量部 2エチルヘキシルアクリレート 1重量部 ジビニルベンゼン 0.1重量部 過酸化ベンゾイル 0.15重量部 容器を回転させることにより混合させ均一な非常に薄い
白濁した溶液を作成した。容器内にN2ガスを吹き込む
事により完全に空気を追い出し密閉した。水槽を50±0.
1℃に保ち毎分1回転で容器を回転させる事により重合
を行なった。開始すると、約10分で薄い白濁が始まり、
30分後透明性は全くなくなった。重合開始より約6時間
後容器上部の注入口よりシリンジを用いて エタノール 10重量部 ジビニルベンゼン 0.1重量部 t-ドデシルメルカプタン 0.1重量部 を仕込み、更に50±0.1℃で6時間反応させ、65℃に昇温
して6時間経過の後に室温に冷却し白濁した分散液を得
た。
【0072】一部サンプリングしてガスクロマトグラフ
イーで内部標準法による測定を行った結果、重合率は92
%に達している事を確認した。又、コールターマルチサ
イザーによる100μアパーチャーチューブでの粒度分布
測定では、粒子個数5万カウントで体積平均径が4.83μ
m、個数平均径4.61μその比が1.048であった。
【0073】遠心沈降により粒子を精製し、乾燥したポ
リマー粒子をTHFを溶離液とし排除限界が百万、10
万、1万の3本のカラムを用いて1.0ml/minの流速でG
PCにより分子量分布を測定したところ重量平均分子量
Mw=12.5万個数平均分子量Mn=2.1万、Mw/Mn=5.9
5であった。
【0074】又、ソックスレー抽出によるTHF不溶分
は12.5重量%であつた。この重合体分散液を分散液Aと
する。
【0075】(重合体分散液製造例2)前記製造例1と
同じ反応装置内に次の組成のものを仕込んだ。
【0076】 メタノール 50重量部 エタノール 50重量部 蒸留水 20重量部 ポリメタクリル酸メチル微粒子 (平均粒子径0.4μm) 0.02重量部 スチレン−無水マレイン酸共重合体 (重量平均分子量10万) 2.4重量部 容器を室温で低速で回転、攪拌させる事により、スチレ
ン無水マレイン酸共重合体を完全に溶解させた。次に以
下の組成のものをシリンジにより注入した。
【0077】 メタクリル酸メチル 15重量部 メタクリル酸n−ブチル 5重量部 アクリル酸エチル 2.5重量部 エチレングリコールジメタクリレート 0.2重量部 過酸化ベンゾイル 0.3重量部 容器を転倒回転させることにより混合し、均一な極くわ
ずか白濁した溶液を調製した。Arガスを溶液中にバブル
する事により系内の酸素濃度を0.05%以下にした。次に
水槽を60±0.1℃に保持し、毎分1回転で容器を回転さ
せる事により反応を開始させると約20分で白濁が強まり
始めた。昇温してから2時間後、一部サンプリングしコ
ールターマルチサイザー(100μmアパーチャーチュー
ブ)にて粒子径を測定すると、dv=2.15μm、dn=2.11
μm、dv/dn=1.019であった。12時間反応させる事によ
り、dv=4.32μm、dn=4.19μm、dv/dn=1.031の粒子径
を持った粒子を合成した。
【0078】この分散液70重量部を反応器内に仕込み、
内部をArガスに置換した後、60℃に昇温した。反応器内
に、 エタノール 40重量部 スチレン 15重量部 nブチルメタクリレート 5重量部 過酸化ベンゾイル 0.2重量部 を均一に溶解した溶液をシリンジを用いて1時間間隔で
6等分したものを注入し(6回)最後の注入より12時間
反応させ、重合体粒子分散液を合成した。
【0079】得られた分散液を遠心沈降し、上澄を除
去、80重量部のメタノールにて再分散洗浄する操作を3
回行ない、dv=6.01μm、dn=5.83μm、dv/dn=1.030の
粒子径を持つ重合体分散液が得られた。粒子収率は90.3
%に達していることを一部サンプリングし、瀘別取得す
る事により定量した。この分散液を分散液Bとする。
【0080】GPCによる測定で、重量平均分子量15.2
万、個数平均分子量3.2万でMw/Mn=4.75であった。
【0081】又、THF未抽出分は21.3%であった。
【0082】DTAによるガラス転移点(Tg)の測定で
は、67℃にブロードなピークが見られた。フローテスタ
ーによる解析では軟化温度75℃、流動開始温度132℃で
あった。
【0083】(重合体分散液製造例3)不活性ガス導入
管、攪拌棒(角度付ファンタービン使用)、コンデンサ
ー、滴下ロート、を取り付けたフラスコにポリアクリル
酸(平均重量分子量20万) 3重量部、メタノール100重
量部、t−ブチルアルコール30重量部を入れ、攪拌しな
がら溶解させた。ついで窒素ガスを溶液中に吹き込む事
により系内の残存酸素濃度を0.1%以下とした。
【0084】窒素ガスを吹き込みながら、スチレンモノ
マー30重量部、nブチルメタクリレート10重量部、1,3
−ブタンジオールジメタクリレート0.3重量部、四塩化
炭素0.01重量部を滴下ロートより導入し、均一透明な溶
液とした。
【0085】系を40±0.1℃の恒温水中に浸し、更に1時
間100rpmで攪拌しながら昇温した。
【0086】ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部をス
チレンモノマー5重量部に溶解した溶液を約30分かけ滴
下する事により薄く白濁した分散液を製造した。40℃で
更に2時間保持し更に白濁化が強まった。
【0087】ついで、温水槽の温度を1時間かけ徐々に
60℃に昇温し、昇温後30分の後、疎水性コロイダンシリ
カ0.5重量部をメタノール5重量部に分散した液を滴下
し、10時間反応を行った。更に系を65℃に昇温し5時間
反応を続け、重合体粒子分散液を製造した。
【0088】得られた粒子はdv=7.50μm、dn=7.14μ
m、dv/dn=1.050の粒度分布を持っており、THF溶解
成分の重量平均分子量(Mw)32.5万、個数平均分子量M
n 2.5万、Mw/Mn=13.0であった。
【0089】又、THF未抽出分は18.5%でTgは65℃
軟化温度72℃流出開始温度は 128℃であった。
【0090】この樹脂分散液を分散液Cとする。
【0091】実施例1 ソルベントブラック31.0重量部をメタノール20重量部に
加熱溶解の後、冷却し1μのミクロフィルターで瀘別し
た瀘液10重量部を分散液A135重量部に加えた。
【0092】50℃で1時間攪拌し、その後分散液を室温
まで冷却し、遠心沈降し、上澄を除きメタノール50重量
部、水50重量部の混合溶媒に再分散する操作を3回実施
した。瀘別後風乾し40℃で6時間減圧乾燥する事により
黒色に着色した樹脂粒子を得た。
【0093】この着色樹脂粒子100重量部にスピロンブ
ラックTRH(保土ケ谷化学製)0.5重量部をオースター
ブレンダーで5分間攪拌した後、ハイブリダイゼイショ
ンNHS−1((株)奈良機械製作所製)にて回転数7000
rpmで5分間処理して本発明のトナーを得た。
【0094】走査型電子顕微鏡によれば、本トナーの長
径aと短径bの比が1.10以下の粒子が100個中100個ともこ
の範囲にあった。又、コールターマルチサイザーによる
分析では体積平均粒子径dv=4.83μm、個数平均粒子径
4.39μm、dv/dn=1.10であった。
【0095】本トナーについてリコー複写機FT−5510に
より画像評価を行った結果、解像力は7.1本/mm、又、
3万枚のランニングにおいても画像は劣化せず鮮明な黒
色画像を初期のまま保持した。
【0096】実施例2 重合体粒子分散液Bを環流冷却管、攪拌機をとり付けた
3つ口フラスコに130重量部入れ、100rpmで攪拌しなが
ら、疎水性コロイダルシリカ0.1重量部及びオイルブラ
ックHBB(オリエント化学製)2.4重量部及びオイル
オレンジ201(オリエント化学製)0.6重量部を徐々に添
加していくと1時間で液は黒色を呈してきた。更に室温
で10時間攪拌の後、一部サンプリングして光学顕微鏡に
より透過光で観察するとすべての粒子が均一に着色され
ていたが、光度を上げると光が透過してきた。
【0097】ウォーターバスにフラスコを浸しバスの温
度を55℃に昇温し、攪拌を続ける事により2時間保持し
て粒子中への染料の拡散を更に促した。その後、冷却
し、サンプリングして光学顕微鏡による観察では1000倍
で光度を最高にしても透過してくる光はなく粒子すべて
が均一に着色されていた。
【0098】得られた黒色分散液を50μmのフィルター
をパスさせるとフィルター上に残る残渣は全くなく、ま
たフラスコ底部には、未溶解染料が少量付着していた。
【0099】2000rpmで5分遠心沈降を施すと、沈澱層
は全く流動しなくなった。上澄を除き、メタノール80重
量部、蒸留水20重量部の混合溶媒にて攪拌により再分散
を行なうと、沈澱層は完全に再分散し、粒子同士の凝集
体は見られなかった。攪拌を2時間行ない遠心沈降を再
度行った。メタノール50重量部、蒸留水50重量部の混合
溶媒にて攪拌する事により再分散し、噴霧乾燥して黒色
粉末を得た。得られた粉体をエポキシ樹脂に分散硬化処
理させミクロトームで1μm厚にスライスし薄膜切片を
得た。光学顕微鏡(透過光)による観察によれば粒子内
部まで均一に着色化されているるのが確認された。
【0100】この着色樹脂粒子100重量部とボントロン
S−34(オリエント化学製)1.0重量部をスーパーミキ
サーにて5分間攪拌混合した後、ハイブリダイゼイショ
ンNHS−1型((株)奈良機械製作所製)にて回転数70
00rpmで5分間処理する事により表面に固定化し、本発
明のトナーを得た。このトナ−をセロハンテ−プ上に一
層になるように付着させ、そのIDを、マクベス社製の
マクベス濃度計で測定したところ、ID=1.56であっ
た。
【0101】次にこのトナ−1重量部をトルエン100重
量部に溶解し、これを濾過した溶液をトルエンで1/100
に希釈し、島津自記分光度計で吸収スペクトルを測定し
た。吸収スペクトルの最大ピ−クは620nmにあり、この
最大ピ−クでの吸光係数ε(l・g~1・104)は0.1以上で、最
大ピ−ク吸収波長(λmax)が500〜800nmの範囲にあっ
た。走査電子顕微鏡による観察では、長径と短径の比が
1.10以下の粒子が100個中98個であった。又、コールタ
ーマルチサイザーによる分析では体積平均粒子径dv=6.
12μm、個数平均粒子径dn=5.72μm、dv/dn=1.070であ
った。
【0102】本トナーをリコー複写機FT−5510により画
像評価を行った結果、解像力は7.1本/mm画像濃度
は1.40、鮮明な黒色画像を示し、5万枚のランニングを
実施した後も、全く変化がなかった。
【0103】実施例3 重合体分散液Cを還流冷却管、攪拌機を設けた三ツ口フ
ラスコに100重量部入れ、テフロン性半月板状羽根にて1
20rpmで攪拌しながら疎水性コロイダルシリカ0.05重量
部とオイルレッド5B(オリエント化学製)0.5重量部
を均一混合した粉末を徐々に添加していくと、添加後約
30分で分散液はピンク色から赤色に変化した。更に室温
にて、5時間攪拌し、ウォーターバス上でバス温50℃で
2時間攪拌保持し、蒸留水20重量部を180分で滴下し、
更に1時間保持した後に冷却した。
【0104】得られた赤色分散液を30μmのフィルター
をパスさせたがフィルター上に残る粒子は全くなかっ
た。フラスコに付着している染料も全く存在しなかっ
た。
【0105】粒子の分散液は2000rpmで10分間遠心沈
降、上澄を除き、蒸留水20重量部メタノール80重量部の
混合溶媒にて攪拌、再分散する操作を二度行なうことに
より、未染着の染料及び分散剤、残存モノマーを除去し
た。
【0106】得られたスラリーを噴霧乾燥し、赤色の重
合体粉末を得た。
【0107】薄膜切片の観察により粒子内部にまで均一
に赤色着色されていることを確認した。
【0108】この着色樹脂粒子100重量部と3.5−ジ−t
−ブチルサリチル酸亜鉛1.5重量部をオースターブレン
ダーで5分間攪拌した後、バイブリダイゼーションシス
テムNHS−1型にて7000rpm、5分間処理して本発明
のトナーを得た。
【0109】得られた粒子の長径と短径の比が1.10以下
の粒子は100個中95個であった。又、体積平均粒子径dv
=7.62μm、dn=7.10μm、dv/dn=1.073の粒度分布を保
持していた。
【0110】本トナーをリコー複写機FT-5510により画
像評価を行った結果、解像力は7.1本/mmを示し、鮮明
な赤色画像が得られた。又、画像部のヌケ及びトナーの
飛散、地汚れもなかった。
【0111】一方(30℃90%RH)の高温高湿下での複写
評価も通常使用時となんら変化のない画像が得られ、現
像剤の摩擦帯電値は7.5%低下したにすぎなかった。
【0112】実施例4 オイルブラック860を30.0重量部、20.0重量部、10.0重
量部、5.0重量部、3.0重量部、1.0重量部、0.5重量部お
よび0.1重量部にそれぞれメタノ−ル20重量部を加え加
熱溶解後、冷却し1μmのミクロフィルタ−で濾別した
濾液10重量部を調製した。
【0113】このように調製したそれぞれの濾液10重量
部中に分散液A135重量部を加え、50度で1時間撹拌
し、その後分散液を室温まで冷却し、遠心沈降し、上澄
みを除きメタノ−ル50重量部、水50重量部の混合溶媒に
再分散する操作を3回行った。濾別後風乾し、40度で6
時間減圧乾燥することにより、オイルブラック860で着
色された7種類の樹脂粒子を得た。
【0114】この着色樹脂粒子100重量部にスピロンブ
ラックTHR(保土ケ谷化学製)0.5重量部をオ−スタ
−ブレンダ−で5分間攪拌した後、ハイブリダイゼ−シ
ョンNHS−1(奈良機械製作所製)にて回転数7000rp
mで5分間処理して7種類のトナ−を得た。
【0115】これらの7種類のトナ−をセロハンテ−プ
上に一層になるように付着させ、これらのIDを、マク
ベス社製のマクベス濃度計で測定した。なお、現在市販
されているリコ−製タイプ4000トナ−のIDは同様の操
作によりID=1.45であった。
【0116】次にそれぞれのトナ−1重量部をトルエン
100重量部に溶解し、これを濾過した溶液をトルエンで1
/100に希釈し、島津自記分光光度計で吸収スペクトルを
測定した。その結果、トナ−のIDが1.45以上であるた
めにはトナ−を溶解する有機液体中での吸収スペクトル
の最大ピ−クの吸光係数ε(l・g~1・104)が0.1以上であ
り、最大ピ−ク吸収波長(λmax)が500〜800nmの範囲
にあればよいことがわかった。
【0117】また、走査型電子顕微鏡によれば、本トナ
−の長径aと短径bの比が1.10以下の粒子が100個中100個
ともこの範囲にあった。又、コールターマルチサイザー
による分析では体積平均粒子径(Dv)が4.83μm、個数平
均粒子径(Dn)が4.39μm、Dv/Dn=1.10であった。
【0118】IDが1.45以上であった本トナ−について
リコ−複写機FT-5510により画像評価を行った結果、解
像力は7.1本/mm、また、3万枚のランニングにおいて
も画像は劣化せず、鮮明な黒色画像を初期のまま保持し
た。
【0119】比較例1 カーボンブラックC#44(三菱化成製) 0.8重量部 スチレン 10重量部 n−ブチルメタクリレート 2重量部 2エチルヘキシルアクリレート 1重量部 ジビニルベンゼン 0.1重量部 過酸化ベンゾイル 0.15重量部 スピロンブラックTRH 0.2重量部 をボールミルにて24時間溶解分散した。これを部分ケン
化ポリビニルアルコール3重量部、亜硝酸ナトリウム0.1
重量部、ドデシルスルホン酸ナトリウム0.1重量部を溶
解した蒸留水100重量部に加えホモミキサー(特殊機化
工業製)にて6000rpmで20分分散した。その後還流冷却
管、不活性ガス導入口を取り付けた3ツ口フラスコに攪
拌機をとり付け、得られた分散液を入れた。
【0120】フラスコを80℃の温度で100rpmで攪拌しな
がら6時間重合を行なった。得られた粒子を遠心沈降デ
カンテーションの操作により微粒子を除去し、瀘別乾燥
する事により体積平均径5.05μm、個数平均径3.94μm、
dv/dn=1.28のトナーを得た。又、長径aと短径bの比は
1.03であった。
【0121】本トナーをリコー複写機FT-5510により画
像評価を行った結果、初期の解像力は5.8本/mm、又、
3万枚のランニングにおいて、微粒トナーが飛散、感光
体へのフィルミングにより地肌汚れが発生し画像がほと
んど判読できない状態となった。
【0122】比較例2 スチレン−nブチルメタクリレート共重合体(重量比7:3) 100重量部 カーボンブラック(キャボット製モナーク880) 7重量部 スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学工業社製) 2重量部 を二軸のエクストルーダーで溶融、混練、放冷しこの混
練物を相粉砕し、工式ジェットミル(日本ニューマチッ
ク工業製)により、粉砕し、空気分級機(ターボクラシ
ファイア日清エンジニアリング(株)製)にて分級し、個
数平均粒子径5.45μm、体積平均粒子径7.20μm、比1.32
のトナーを得た。このトナーを疎水性コロイダルシリカ
0.2重量部とヘンシエルミキサーにて周速10m/secで混
合した。
【0123】得られたトナーの長径、短径の比が1.10以
下のものは100個中11個であった。このトナーをハイブ
リダイゼイションシステムI型(奈良機械製作所製)で
5000rpm5分間処理し、球形化を施すと、体積平均径7.4
0μm、個数平均粒子径5.60μm、比が1.32で長径、短径
の比が1.10以下のものは100個中23個であった。
【0124】このトナーをリコー複写機FT-5510により
画像評価を行った結果、解像力は5.6本/mmで、画像部
を拡大して見ると非画像部へのトナーの飛散がみられ
た。又、ベタ部の画像ヌケも生じていた。
【0125】比較例3 重合体分散液Bを遠心沈降デカンテーションメタノール
による洗浄を3回行ない、得られたスラリーを東洋ロ紙
No.4にて吸引し濾過後、風乾し、ミキサーにて解砕す
る事により重合体粒子粉末Bを得た。
【0126】 シクロヘキサン 100重量部 メチレンクロライド 200重量部 スチレン−nブチルメタクリレート共重合体(重量比7:3) 30重量部 カーボンブラック(デグサ社製) 8重量部 スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学工業社製) 2重量部 をスチールボール(5mm径)中で回転させ24時間分散し
た。得られた分散液を47μmのフィルターをパスさせ粗
大粒子及びゴミを除き黒色コーティング液を得た。
【0127】重合体粒子粉末B200重量部を流動床ミキ
サーに入れ、200torrに減圧し、流動化させた。流動床
の温度を30±5℃に保ち二流体ノズルよりボールミルに
て分散した黒色コーティング液を2時間かけて噴霧する
ことにより、黒色の粉末が得られた。コートされた粉体
は光学顕微鏡で観察したところ粒子同士の凝集はなく黒
色を呈していた。
【0128】体積平均粒子径dv=6.29μm、個数平均粒
子径dn=5.47μm、dv/dn=1.15であり、又、長径と短径
の比が1.10以下である粒子は100個中92個であった。
【0129】このトナーの薄膜切片1.0μm厚をミクロト
ームにより作成し、光学顕微鏡で観察した結果、黒色の
外殻層が形成されており、内部は透明であった。透過型
電子顕微鏡によれば外殻層の厚さは約0.2〜0.3μmと推
定された。
【0130】本トナーをリコー複写機FT-5510により画
像評価を行ったところ、画像濃度1.05と低く、又、地汚
れ及びトナー飛散が極めて多かった。
【0131】比較例4 重合体分散液C100重量部を国産遠心機(株)製遠心分離
機H 103NN型を使用して、2000rpmで10分間遠心沈降す
ると粒子は完全に沈降した。上澄を除き0.25重量%のド
デシル硫酸ナトリウム水溶液100重量部にアセトン10重
量部を加えた溶液により再分散を行った。
【0132】一方、塩化メチレン5重量部にパサイック
オイルレッド2144を1重量部攪拌して溶解させ、0.25重
量%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液100重量部に超音
波ホモジナイザーを用いて乳化、分散した。分散液滴
は、光学顕微鏡によれば1μm以下となっていた。
【0133】この染料溶液分散液を重合体粒子分散液に
加え、24時間、室温にて攪拌、混合した。その後、2000
rpm、10分遠心沈降を行ない、沈澱物を0.25重量%のド
デシル硫酸ナトリウム水溶液100重量部に再分散した。
ついで分散液に空気を吹き込むことにより、残存アセト
ン及び塩化メチレンを除去した。200メッシュの篩で分
散液を通過させ、凝集物を除去したところ、処理した重
合体平均の34%(重量)が乾燥後篩上に残った。
【0134】粒子は東京理化器機(株)製FD−81型の凍結
乾燥機により凍結乾燥を実施して回収した。
【0135】得られた粒子を走査型電子顕微鏡にて観察
すると、粒子表面が変形し、又、数ケ単位の粒子同士の
凝集が見られた。コールターマルチタイザーにより粒度
分布を測定すると、dv=11.3μm、dn=6.32μm、dv/dn
=1.79の粒子であった。又、長径と短径の比が1.10以下
である粒子は100個中18個にすぎなかった。
【0136】又、ミクロトームによりエポキシ樹脂に包
埋したサンプルを1μm厚にスライスし、光学顕微鏡にて
観察すると、粒子の着色は粒子表面近傍及び内部にても
島状に不均質に着色されていた。
【0137】本着色粒子をリコーFT-5510複写機により
画像評価を行ったところ、細線再現性及び色の鮮やかさ
に劣った。
【0138】又、高温高湿(30℃90%RH)の条件下で複
写を行なうと地肌カブリが激しく、現像剤は通常使用時
の摩擦帯電値の65%が低下していた。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のトナー
は、染料が粒子内部に均一でかつ分子状態で存在するた
め、電気特性に優れ、又、透光性が良く、OHPやカラ
ー画像の色再現性にも優れている。
【0140】又、粒度分布の非常に狭い着色粒子を使用
することにより、デジタル潜像に忠実に対応してハーフ
トーン再現性、解像力に優れている。更に現像部での粒
径選択が行なわれず、ランニング時の画質劣化がない。
【0141】又、球状に近い形状により、微粉の発生が
なく、キャリア、ブレード等への付着が抑制され、耐久
性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝呂 嘉博 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭61−228458(JP,A) 特開 昭57−102666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 G03G 9/09

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の表面から内部にわたって均一に染
    着されている、体積平均粒子径(dv)と個数平均粒子径(d
    n)の比が1.00≦(dv/dn)≦1.15の範囲にあり、かつ長径
    (a)と短径(b)の比が1.00≦(a/b)≦1.20の粒子が全体の9
    0%以上を占め、dvが1〜20μmであるトナー。
  2. 【請求項2】 粒子の表面から内部にわたって均一に染
    着されている、体積平均粒子径(dv)と個数平均粒子径(d
    n)の比が1.00≦(dv/dn)≦1.15の範囲にあり、かつ長径
    (a)と短径(b)の比が1.00≦(a/b)≦1.10の粒子が全体の9
    0%以上を占め、dvが1〜20μmであるトナー。
  3. 【請求項3】 有機液体溶液中での吸収スペクトルの最
    大ピ−ク吸光係数ε(l・g~1・104)が0.1以上であり、最大
    ピ−ク吸収波長(λmax)が500〜800nmの範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のトナ−。
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