JP3088535B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP3088535B2
JP3088535B2 JP03335753A JP33575391A JP3088535B2 JP 3088535 B2 JP3088535 B2 JP 3088535B2 JP 03335753 A JP03335753 A JP 03335753A JP 33575391 A JP33575391 A JP 33575391A JP 3088535 B2 JP3088535 B2 JP 3088535B2
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広光 川瀬
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Ricoh Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法などに用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電荷像現像用トナーは、天然樹
脂あるいは合成樹脂からなる結着樹脂に、カ−ボンブラ
ックあるいは顔料、染料等の着色剤を分散させた微粉末
が用いられている。その製法は、樹脂媒体に着色剤、電
荷制御剤などのトナー特性付与剤とを溶融混練し、この
混合組成物を冷却後粉砕し、粉砕物を分級することによ
り目的とする粒径範囲のトナーを製造する方法が一般的
である。上記方法で得られるトナーはカーボンブラッ
ク、極性制御剤の分散性には優れているため広く用いら
れているが、混練操作、粉砕操作、分級操作を経て作成
されるため工程が複雑である。近年電子写真の高画質化
のため粒径の小さなトナーが要求されているが、このよ
うなトナーを得るためには、混練法によると分級を何度
も繰り返さなくてはならないため歩留まりが悪くなり、
トナーの製造コストが高くなるという欠点を有してい
る。
【0003】そこで、分級工程を必要としない小粒径の
トナーを効率良く製造する方法として例えば、特公昭38
-10231号、同47-51830号、同51-14895号、特開昭53-177
35号、同53-17736号、および同53-17737号等の公報に記
載されているように、重合法による方法が提案されてい
る。この方法は水溶液中に水不溶性単重体、着色剤など
の添加剤および重合開始剤を加えた組成物をホモミキサ
−などで高速剪断撹拌により懸濁させ重合するものであ
る。この方法では、小粒径トナーを比較的容易に製造す
ることができ、粉砕性を考慮しなくて良いため、長時間
使用してもトナーは微粉化しないため現像剤の長寿化を
計ることができ、かつ高画質化が可能であるという特徴
を有する。しかしながら、懸濁重合法によるトナーは着
色剤、極性制御剤などのトナー特性付与物の分散が悪い
こと、小粒径ではあるが、粒径分布が広い等の欠点を有
する。
【0004】この他、小粒径トナーを得るための方法と
して、特公昭57-494号、同61-13945号に記載されている
ように、顔料および極性制御剤を内部に含有する核粒子
を噴霧製造法により形成する方法があるが、この方法で
は粒径制御が非常に困難であり、造粒後に分級処理を必
要とするという欠点を有する。小粒径で粒径分布の狭い
トナーを得る方法として特開昭58-106554号、同61-1896
5および同61-275766号にあるように粒径分布の狭い粒子
上に着色剤やトナー特性付与物を付着させるか、または
コーティングさせていわゆるコアーシェル構造のトナー
を製造する方法がある。この方法によるトナーは着色剤
などが表面に偏せきするため電気特性の面で問題があ
る。
【0005】また、別のトナー製造方法として樹脂粒子
を染料溶液中に浸漬して染着する方法が提案されている
(特開昭50-46333号、特開平1-103631号、特開昭50-154
736号、同61228458、同63-106667号、同64-90454号公
報)。この方法は、製造工程が少ないことから好ましい
方法であるが、例えば特開昭61-228458により得られる
トナーは粒径分布が非常にシャープであり高解像度の画
像を得られるものの、小粒径化に伴うクリーニング不良
の問題が十分に解決されていないため連続使用時に地汚
れやトナー飛散等の問題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、トナ
ーサイズに重合された樹脂粒子を多層に重ね定着させる
場合、低エネルギーで定着し、かつ地汚れがなく、連続
使用時においても初期画像と同等の忠実度の高い画像の
得られるトナーを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、重合工程にお
いて連鎖移動剤を分割添加して樹脂粒子を形成し、かつ
その粒子径と軟化温度を特定の範囲に設定することによ
り目的に適うトナーが得られることを見出し本発明に至
った。即ち本発明トナーは、 (1)1種または2種以上のビニル単量体を重合し造粒
した後、着色された樹脂粒子からなる静電荷像現像用ト
ナーにおいて、前記樹脂粒子が連鎖移動剤を重合工程に
おいて分割添加して製造されたものであって、体積平均
径(Dv)が4〜12μmであり、かつ体積平均径と個
数平均径(Dp)の比が1.00≦(Dv/Dp)≦1.2の範囲であ
り、高化式フローテスタ−による軟化温度が80度以下
であることを特徴とするものである。 (2)とくに前記樹脂粒子をスチレン(St)とアクリ
ル酸メチル(MA)を用い、両者を重量比で80/20以上
で重合するとき好適なトナーとすることができる。
【0008】本発明のトナーに使用される樹脂粒子は、
分散重合法によって得られ、これを浸染した後、極性制
御剤を打ち込み処理してトナー化されるものである。
【0009】本発明においてトナーサイズの粒子径と
は、コールターマルチサイザ−(コールターエレクトロ
ニクス社製)において20μmのアパーチャーチュウブ
を用いた時(アパーチャーカレント等の設定はオートマ
チックで設定した際)の3万個以上のカウント値におけ
る体積平均粒子径(Dv)と個数平均粒子径(Dp)の比が
1.00≦(Dv/Dp)≦1.2であり、Dvが4〜12μmの範囲
にある粒子径のことを意味する。トナーの粒径分布とし
てはDv/Dp≦1.2が望ましくトナー粒径(Dv)はシステム
にマッチした粒径のものを使用することが要求され、鮮
明な高画質を得るためのトナーサイズとしては10μm
以下であることが望ましい。より好ましくは7.5μm
以下であることが望まれる。
【0010】本発明でいう軟化温度(Ts)とは、粒子
を高化式フローテスター(島津製作所製)を用いてプラ
ンジャーによる10Kg/cm2の荷重下および昇温速度3°
C/分の加熱下にシリンダー内のサンプル1cm3を直径
0.5mm、長さ1mmのノズルより押出した時、プランジャ
ーが次第に降下し、粒子が圧縮されてシリンダー内の空
隙が消失し、外観上、1個の均一な透明体または相とな
る温度である。
【0011】このような樹脂粒子の形成時および種粒子
の成長反応時に用いる単量体の希釈剤として用いる親水
性有機液体としては、たとえばメチルアルコール、エチ
ルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、sec−ブチルアル
コール、tert−アミルアルコール、3−ペンタノー
ル、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロ
ヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフ
ルフリアルコール、エチレングリコール、グリセリン、
ジエチレングリコ−ル等のアルコール類、メチルセロソ
ルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコ−ルモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル等のエーテルアルコール類などが挙げら
れる。これらの有機液体は一種もしくは二種以上の混合
物を用いることができる。
【0012】なお、アルコール類およびエーテルアルコ
ール類以外の有機液体で上述のアルコ−ル類およびエ−
テルアルコール類と併用することで、有機液体の生成重
合体粒子に対して溶解性をもたせない条件下で種々のS
P値を変化させ、重合条件を変え生成される粒子の大き
さおよび種粒子同士の合一および新粒子の発生を抑制す
ることが可能である。これらの併用する有機液体として
は、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、四
塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン等
のハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグ
リコール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエー
テル類、メチラール、ジエチルアセタール等のアセター
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、ギ酸ブチル、
酢酸、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等の
エステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸類、ニト
ロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエ
タノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド等の硫黄、窒素含有有機化合物類、
その他水も含まれる。上記、親水性有機液体を主体とし
た溶媒に下記無機質イオン 及びその他の無機質イオンが存在した状態で重合を行な
っても良い。また重合開始時と重合途中、重合末期とそ
れぞれ混合溶媒の種類および組成を変化させ生成する重
合体粒子の平均粒子径、粒子径分布、乾燥条件などを調
節することができる。
【0013】種粒子製造時または成長粒子の製造時の分
散安定剤の適当な例としては、例えばアクリル酸、メタ
クリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン
酸または無水マレイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含
有するアクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アク
リル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒド
ロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸γβ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコー
ルモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノ
メタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エス
テル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチ
ロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド等、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエ
ーテル類例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルプロピエーテルなど、またはビニルアル
コールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル
類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニ
ル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド、あるいはこれらのメチロール化合物、
アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸
クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビ
ニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、また
はその複累環を有するものなどのホモポリマーまたは共
重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピ
レンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル、ポリキシエチレンラ
ウリフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリル
フェニルエーテル、ポリキシエチレンノニルフェニルエ
ーテルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースなどのセルロース類、または上記親水性モノ
マーとスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
等のベンゼン核を有するものまたはその誘導体またはア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重合
体、さらに、架橋性モノマー例えばエチレングリコール
ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどとの
共重合体も使用可能である。
【0014】これらの高分子化合物分散剤は、使用する
親水性有機液体、目的とする重合体粒子の種および種粒
子の製造が成長粒子の製造により適宜選択されようが、
特に重合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で重
合体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性
有機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。ま
た立体的に粒子同士の反発を高めるために、分子量があ
る程度の大きさのもの、好ましくは、分子量が1万以上
のものが選ばれる。しかしあまり分子量が高いと、液粘
度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重
合体の粒子表面への析出確立のばらつきを与えるため注
意を要する。また上記の高分子化合物分散剤の単量体を
一部、目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存さ
せておくことも安定化には効果がある。
【0015】また、これら高分子化合物分散剤と併用し
て、コバルト鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、スズ、
鉛、マグネシウム等の金属またはその合金(特に1μm
以下の粒径が好ましい)、また酸化鉄、酸化銅、酸化ニ
ッケル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化硅素などの酸化物
の無機化合物微粉体、高級アルコ−ル硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホ
ン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤、アル
キルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリア
ミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、ア
ルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチル
アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウ
ム塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩
化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン
界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導
体等の非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型〔例え
ばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチル
アミノエチル)グリシン〕等のアミノ酸型やベタイン型
の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の安定
性および粒径分布の改良を更に高めることができる。
【0016】一般に種粒子製造時の高分子安定剤の使用
量は、目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種
類によって異なるが、親水性有機液体に対し。0.1〜
15wt%、更に好ましくは、1〜5wt%が好ましい。高
分子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する重合体
粒子は比較的大径のものが得られ、濃度の高い場合に
は、小粒径のものが得られるが、15wt%を越えて用い
ても小粒径化への効果は少ない。以上挙げた高分子分散
安定剤、および必要なら無機微粉末、顔料、界面活性剤
は種粒子の製造の際に必要であるのはもちろんである
が、成長反応の際には粒子同士の合一を防ぐ目的で添加
するビニル単量体溶液や種粒子分散液に存在させて重合
を行なってもよい。初期に生成する粒子は親水性有機液
体中と重合体粒子表面に平衡を保って分配された高分子
分散安定剤によって安定化されるが、未反応のビニル単
量体が親水性有機液体中にかなり存在する場合はいくぶ
ん膨潤された粘着性を持ち、高分子分散安定剤の立体的
反発力に打ち勝って凝集してしまう。さらに、極端に親
水性有機液体に対して単量体の量が多い場合は、生成す
る重合体が完全に溶解してしまい重合がある程度進行し
ないと析出してこない。この場合の析出の状態は粘着性
の高い塊状物を形成する様式をとる。したがって、粒子
を製造する時の単量体の親水性有機液体に対する量はお
のずと制限されることになり、親水性有機液体の種類に
よって多少異なるが、単量体/親水性有機液体が、およ
そ1以下、好ましくは0.7以下が適当である。
【0017】本発明において、単量体とは親水性有機液
体に溶解可能なものであり、例えばスチレン、0-メチル
スチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-
メチルスチレン、p-エチルスチレン、2.4-ジメチルスチ
レン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p
-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノ
ニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチ
レン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-ク
ロルスチレン、3.4-ジクロルスチレンなどのスチレン
類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸-n-オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、、ア
クリル酸フェニル、α-クロルアクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸-n-オクテル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸−2−エチル
ヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェ
ニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル
酸ジエチルアミノエチルなどのα-メチル脂肪酸モノカ
ルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタ
クリル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル類などからな
る単独または相互の混合物およびこれらと共重合し得る
単量体との相互の混合物を意味する。
【0018】また、本発明における重合体は、耐オフセ
ット性を高めるために、重合性の二重結合を二個以上有
するいわゆる架橋剤と存在させて重合し、架橋重合して
も良い。好ましく用いられる架橋剤として、ジビニルベ
ンゼン、ジビニルナフタレンおよびそれらの誘導体であ
る芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコールジ
メタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレー
ト、トリエチレングリコ−ルメタクリ3レート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレ
ート、tert-ブチアミノエチルメタクリレート、テトラ
エチレングリコ−ルメタクリレート、1,3-ブタンジオ−
ルジメタクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エス
テル、N,N-ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビ
ニルスルフィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル
化合物および三個以上のビニル基を持つ化合物が単独ま
たは混合物等で用いられる。このように架橋された種粒
子を用いて成長重合反応を引き続いて行なった場合に
は、成長する重合体粒子の内部が架橋されたものとな
る。また、一方で成長反応に用いるビニル単量体溶液に
上述の架橋剤を含有させた場合には粒子表面が硬化され
た重合体が得られる。
【0019】粒子の重合条件は重合体粒子の目標平均粒
径、目標粒径分布に合わせて親水性有機液体中の高分子
分散剤およびビニル単量体の濃度および配合比が決定さ
れる。一般に粒子の平均粒子径を小さくしようとするな
らば、高分子分散剤の濃度を高く、また、平均粒子径を
大きくしようとするならば、高分子分散剤の濃度が低く
設定される。一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとす
るならばビニル単量体濃度を低く、また、比較的広い分
布でも良い場合は、ビニル単量体濃度は高く設定され
る。
【0020】粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分
散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上のビ
ニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉
末、界面活性剤、染料、顔料等を添加し、30〜300
rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速で、し
かもパドル型よりもタ−ビン型の撹拌翼を用いて、槽内
の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用いた
開始剤の分解速度に対応した温度にて加熱し重合が行な
われる。なお、重合初期の温度が生成する粒子径に大き
な影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合
温度まで上げ、開始剤を小量の溶媒に溶解して投入した
方が望ましい。
【0021】重合の際には窒素ガス、アルゴンガス等の
不活性気体にて反応容器内の空気中酸素を十分に追い出
す必要がある。もし、酸素バ−ジが不十分であると微粒
子が発生しやすい。重合を高重合率域で行なうには5〜
40時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒
子径分布の状態で重合を停止させたり、また、重合開始
剤を順次添加したり、高圧下で反応を行なうことにより
重合速度を速めることができる。重合終了後は、そのま
ま染着工程に用いても良いし、沈降分離、遠心分離、デ
カンテーションなどの操作により不必要な微粒子、残存
モノマー、高分子分散安定剤などを除いた後に、重合体
スラリーとして回収し、染着を行なっても良いが、分散
安定剤を除去しない方が染着系の安定性は高く、不要な
凝集が抑制される。
【0022】本発明における染着は次のようなものであ
る。即ち、樹脂粒子Aを溶解せしめない有機溶媒中に樹
脂粒子Aを分散し、この前または後に前記溶媒中に染料
を溶解せしめた後、前記染料を樹脂粒子A中に浸透させ
着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染着トナーを
製造する方法において、染料として、前記染料の前記有
機溶媒に対する溶解度〔D1〕および前記樹脂粒子Aの
樹脂に対する前記染料の溶解度〔D2〕の関係が、
〔D1〕/〔D2〕≦0.5となる染料を選択使用すると
いうものであり、これにより樹脂粒子Aの深部まで染料
が浸透(拡散)したトナーを効率良く製造することがで
きるものである。この方法は、染料を溶解した有機溶媒
中に樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラ
ス転移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これ
により樹脂粒子の凝集を防ぎ染着することが可能とな
る。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例えばホモミ
キサー、マグネチックスターラー等を用いて撹拌すれば
よい。また、分散重合等で重合終了時得られるスラリ
ー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している状
態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件にて加熱
撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の場合
は樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後のスラリ
ーを乾燥する方法としては、特に限定はされないが、瀘
別した後に減圧乾燥あるいは瀘別しないで直接減圧乾燥
すればよい。本発明において瀘別した後に乾燥または減
圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集はほとんどなく、
投入した樹脂粒子の粒度分布をほとんど損なわないで再
現する。
【0023】染着に使用する染料としては、使用する有
機溶媒への該染料の溶解度〔D1〕より樹脂粒子を構成
する樹脂への該染料の溶解度の比〔D1〕/〔D2〕が
0.5以下である必要がある。さらに〔D1〕/〔D2
が0.2以下とすることが好ましい。染料としては、上
記の溶解特性を満たせば、特に制限はないが、カチオン
染料、アニオン染料等の水溶性染料は環境変動が大きい
恐れがあり、またトナーの抵抗が低くなり、転写率が低
化する恐れがあるので、バット染料、分散染料、油溶性
染料の使用が好ましく、特に油溶性染料が好ましい。ま
た、所望の色調に応じて数種の染料を併用することもで
きる。染着される染料と樹脂粒子との比率(重量)は、
着色度に応じて任意に選択されるが、通常は樹脂粒子10
0重量部に対して、染料1〜50重量部の割合で用いるの
が好ましい。例えば、染着溶媒にSP値の高いメタノー
ル、エタノール等のアルコール類を使用し、樹脂粒子と
してSP値が9程度のスチレン−アクリル系樹脂を使用
した場合、使用し得る染料としては、例えば、以下のよ
うな染料が挙げられる。 C.I. SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,100,102,103,105) C.I. SOLVENT orange(2,7,13,14,66) C.I. SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,1
49,150,151,157,158) C.I. SOLVENT VIOLET(31,32,33,37) C.I. SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,91,94,95,104) C.I. SOLVENT GREEN(24,25) C.I. SOLVENT BROWN(3,9)等。
【0024】市販染料では例えば、保土谷化学工業社の
愛染SOT染料Yellow-1.3,4,、Orange-1.2,3、Scarlet-
1、Red-1,2.3、Brown-2、Blue-1,2、Violet-1、Green-
1,2,3、Black-1,4,6,8やBASF社のsudan染料、Yellow-14
0,150、Orange-220、Red-290,380,460、Blue-670や三菱
化成社のダイアレジン、Yellow-3G,F,H2G,HG,HC,HL、Or
ange-HS,G、Red-GG,S,HS,A,K,H5B、Violet-D、Blue-J,
G,N,K,P,H3G,4G、Green-C、Brown-Aやオリエント化学
(株)のオイルカラー、Yellow-3G,GG-S,#105、Orange-P
S,PR,,#201、Scarlet-#308、Red-5B、Brown-GR,#416、G
reen-BG,#502、Blue-BOS, HN、Black-HBB,#803,EE,EX、
住友化学工業社のスミプラスト、ブル−GP,OR、レッドF
B,3B、イエローFL7G,GC、日本化薬社のカヤロン、ポリ
エステルブラックEX-SH300、カヤセットRed-BのブルーA
-2R等を使用することができる。もちろん染料は樹脂粒
子と染着時に使用する溶媒の組み合わせで適宜選択され
るため、上記例に限られるものではない。
【0025】染料を樹脂粒子に染着させるために用いる
有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないも
の、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解
性パラメーター(SP値)との差が1.0以上、好まし
くは2.0以上のものが使用される。例えば、スチレン
−アクリル系樹脂粒子に対しては、(SP値)が高いメ
タノール、エタノール、n-プロパノール等のアルコール
系かあるいは(SP値)が低いn-ヘキサン、n-ヘプタン
等を使用する。もちろん(SP値)の差があまりに大き
すぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くなり、樹脂粒子
の良好な分散が得られないため、最適な(SP値)差は
2〜5が好ましい。
【0026】染料を溶解した有機溶媒中に樹脂粒子を分
散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下に
保ち、撹拌することが好ましい。これにより、樹脂粒子
の凝集を防ぎ染着することが可能となる。撹拌の方法は
市販されている撹拌機、例えばホモミキサー、マグネチ
ックスタラー等を用いて撹拌すればよい。また、分散重
合等で重合終了時得られるスラリー、つまり有機溶媒中
に重合樹脂粒子が分散している状態の分散液に、染料を
直接添加して前記の条件にて加熱撹拌してもよい。加熱
温度がガラス転移温度超過の場合は樹脂粒子同士の融着
が生じてしまう。染着後のスラリーを乾燥する方法とし
ては、特に限定はされないが、瀘別した後に減圧乾燥あ
るいは瀘別しないで直接減圧乾燥すればよい。本発明に
おいて瀘別した後に風乾または減圧乾燥して得られた着
色粒子は、凝集はほとんどなく、投入した樹脂粒子の粒
度分布をほとんど損なわないで再現する。
【0027】染着工程を経て作られる着色粒子をトナー
化するため、粒子に荷電制御剤を含ませる方法としては
次のようなものがある。即ち、 (1)樹脂粒子の染着工程において有機溶媒中に染料と
共に荷電制御剤を溶解させておくことにより、染着後有
機溶剤を除去した後にその樹脂粒子表面部分に荷電制御
剤を残留付着させる。 (2)あるいは、染着後の乾燥した樹脂粒子の表面に荷
電制御剤粒子を機械的に打ち込み処理してもよい。 また、打ち込みの際、補助的に加熱してもよい。この場
合、荷電制御剤粒子の大きさは、1μm以下とすること
により樹脂粒子表面に、特に現像剤中で容易に離脱しな
い程度に強固に打ち込まれる。また、荷電制御剤と着色
樹脂粒子の比率は、現像手段によってトナーに要求され
る荷電量が異なるので、任意に選択される。通常は着色
樹脂粒子100重量部に対し0.1〜0.5重量部が好まし
い。0.1重量部未満では、帯電コントロールの効果が
あまりにも小さく、逆に50重量部を越えると定着性に悪
影響を及ぼす。打ち込みの方法としては、着色樹脂粒子
と荷電制御剤粒子をあらかじめ混合しておき、次に機械
的エネルギーを与える。混合方法はボールミル、Vブレ
ンダー、ヘンシェルミキサー等のようなものでもよい。
機械的エネルギーを与える方法としては、高速で回転す
る羽根によって混合物に衝撃を加える方法、高速気流中
に混合物を投入し粒子を加速させ、粒子同士または混合
粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などにより、着色
樹脂粒子表面に荷電制御剤を付着固定化させる方法であ
る。具体的な装置としては、オングミル(ホソカワミク
ロン(株))、およびI式ミル(ニホンニューマチック
工業)で通常の粉砕の場合より粉砕エアー圧を下げた装
置、ハイブリダイゼーションシステム((株)奈良機械
製作所)、自動乳鉢などが挙げられる。荷電制御剤の具
体例としては以下のものが挙げられる。
【0028】ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を
含むアジン系染料(特公昭42-1647)、塩基性染料〔例
えば、C.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yel
low3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9
(C.I.42500)、C.I.Basic Violet1(C.I.42535)、C.I.Bas
ic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45
170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Bl
ue 1 (C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.
I.Basic Blue 5(C.I.42140)、 C.I.Basic Blue 7(C.I.4
2595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue
24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.B
asic Blue 26(C.I.44045)、C.I.BasicGreen (C.I.4204
0)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基
性染料のレーキ顔料(レーキ化剤としては、鱗タングス
テン酸、鱗モリブデン酸、鱗タングステンモリブデン
酸、タンニン酸、ラウリン酸、フェリシアン化物、フェ
ロシアン化物など)、C.I.Solvent Black 3 (C.I.2615
0)、ハンザイエローG (C.I.11680)、C.I.Moldlant Blac
k 11、C.I.Pigment Black 1、ベンゾルメチル−ヘキサ
デシルアンモニウムクロライド、デシルートリメチルア
ンモニウムクロライド、あるいはジブチルまたはジオク
チルなどのジアルキルチン化合物、ジアルキルチンポレ
ート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を有するビニ
ル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等の
ポリアミン樹脂、特公昭41-20153号、特公昭43-27596
号、同44-6397号、同45-26478号に記載されているモノ
アゾ染料の金属錯塩、特公昭55-42752号、特公昭58-415
08号、特公昭58-7384号、特公昭59-7385号に記載されて
いるサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、
ダイカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金
属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料などがあ
げられる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例と比較例によってさら
に詳しく説明する。 (分散安定剤溶液の調製)恒温水槽中で回転する密閉可
能な反応容器内に次の物を仕込んだ。 メタノール 100重量部 ポリビニルピロリドン 5重量部 容器を室温でゆるやかに撹拌し約1時間でポリビニルビ
ロリドンを完全に溶解させた。
【0030】実施例1〜3 上記ポリビニルピロリドンを分散安定剤として溶解した
メタノール溶液250重量部を恒温水槽中で回転する密
閉可能な反応容器内に移し次の物を仕込んだ。 スチレン 80重量部 アクリル酸メチル 20重量部 ドデシルメルカプタン 1.0重量部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 容器を回転させることにより混合させながら、容器内に
ガスを吹き込むことにより完全に空気を追い出し、
容器を密閉した。その後水槽を60度に保ち、毎分10
0回転で撹拌しながら重合を行った。この時、開始剤と
しては2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2. 0
重量部を用い重合を開始した。重合開始から3時間後、
1.0重量部のドデシルメルカプタンをメタノール30
重量部に希釈して30分程度で重合系に添加した。な
お、この時の重合率はガスクロマトグラフィーで内部標
準法による測定の結果15%であった。さらに重合を続
け24時間で重合を終了した。重合終了時の重合率はガ
スクロマトグラフィーで内部標準法による測定の結果9
4.3%であった。コールターマルチサイザーによる2
0μmアパチャーチューブでの粒径分布測定では、粒子
個数5万カウントで体積平均径が6.732μm、個数
平均径6.600μmその比が1.02であった。この
重合体を樹脂粒子No.1とする。
【0031】一部サンプリングして遠心沈降により粒子
を精製し、乾燥した後、粒子の軟化点を測定したところ
80℃であった。同様の仕込処方にして重合開始から3
時間後2.0重量部および4.0重量部のドデシルメル
カプタンをメタノール30重量部に希釈して30分程度
で重合系に添加し粒子を作成した。これらの重合体を樹
脂粒子No.2およびNo.3とする。
【0032】実施例4〜5 つぎに仕込処方を次のようにして上記と同様の方法で重
合粒子No.4およびNo.5を作成した。この時の開始剤量
は2.5重量部とした。 スチレン 90重量部 アクリル酸メチル 10重量部 ドデシルメルカプタン 1.0重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンはNo.4およ
びNo.5においてそれぞれ3重量部および5重量部とし
た。
【0033】実施例6 仕込処方を次のようにして先ほどと同様の方法で重合粒
子No.6を作成した。この時の開始剤量は2.5重量部使
用した。 スチレン 95重量部 アクリル酸メチル 5重量部 ドデシルメルカプタン 1.0重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンは5重量部と
した。
【0034】実施例7 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.7を作成した。
この時の開始剤量は2.5重量部使用した。 スチレン 80重量部 アクリル酸メチル 20重量部 ドデシルメルカプタン 0.38重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンは1.62重
量部とした。
【0035】実施例8 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.8を作成した。
この時の開始剤量は2.5重量部使用した。 スチレン 80重量部 アクリル酸メチル 20重量部 ドデシルメルカプタン 1.7重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンは0.3重量
部とした。
【0036】以上実施例1〜8により作成した樹脂粒子
No.1〜8の結果を表1にまとめた。この表からわかる
ように樹脂粒子径は仕込の連鎖移動剤量に依存してお
り、仕込量が多い程粒子径が大きくなっていることがわ
かる。さらに、連鎖移動剤を転化率が15%以上の時に分
割添加することにより、粒子径およびその分布をほぼ保
ったまま粒子の軟化点を低下することが出来る。連鎖移
動剤の仕込量で粒径が決定され、粒子径およびその分布
をほぼ保ったまま粒子の軟化点を低下する原因は明かで
はないが、次のように考えられる。本重合法はモノマー
は溶解するがポリマーは溶解しない有機溶媒中(メタノ
ール)で行っている。重合初期にはポリマー粒子は安定
に存在できる粒径になるまで合一を繰り返し、その後
は、核の数を変えることなくモノマーを吸収して重合を
続け核ポリマーが成長し均一な粒径分布を保った粒子が
得られるものであるとすれば、本重合法における核粒子
は転化率が15%以上になると安定するため、一定量以下
の分割添加された連鎖移動剤による新たな粒子の発生よ
りも核粒子に吸収されたほうが安定であるため、粒子径
およびその分布をほぼ保ったまま重合が進行するためで
あると思われる。
【0037】オイルブラック800を30.0重量部をエタノ
ール20重量部を加え加熱溶解後、冷却し1μmのミクロ
フィルターで瀘別した瀘液10重量部を調整した。このよ
うに調製したそれぞれの瀘液100重量部中に樹脂粒子No.
1〜8をそれぞれ40重量部加え、50度で2時間撹拌し、
その後分散液を室温まで冷却し、遠心沈降し、上澄みを
除きメタノール50重量部、水50重量部の混合溶媒に再分
散する操作を3回行った。瀘別後風乾し、40度で6時間
減圧乾燥することにより、オイルブラック860で着色さ
れた樹脂粒子を得た。この着色樹脂粒子100重量部にス
ピロンブラックTHR(保土ヶ谷化学製)0.5重量部をオー
スターブレンダーで5分間撹拌した後、ハイブリダイゼ
ーションNHS-1(奈良機械製作所製)にて回転数7000rpm
で5分間処理してトナー1〜8を得た。
【0038】これらのトナーについてリコー複写機FT-5
510により画像評価を行った。得られた画像の解像度は
7.1本/mm、また、3万枚のランニングにおいても画
像は劣下せず鮮明な画像を初期のまま保持していた。ま
た、これらの画像サンプルを塩ビマットにはさみ50℃の
環境下に1週間放置したが、塩ビマットにトナーは融着
しなかった。
【0039】比較例1 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.9を作成した。
この時の開始剤量は2.0重量部使用した。 スチレン 80重量部 アクリル酸メチル 20重量部 ドデシルメルカプタン 3重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 重合開始から約3時間を経過したところで凝集が始ま
り、重合体を粒子として取り出すことができなかった。
実施例2の場合との違いは、ドデシルメルカプタンの添
加方法のみであるが3重量部を初めから仕込んであるた
め凝集した。
【0040】比較例2 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.10を作成した。
この時の開始剤量は2.5重量部使用した。 スチレン 90重量部 アクリル酸メチル 10重量部 ドデシルメルカプタン 4重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 この場合も連鎖移動剤を分割添加していないため凝集が
発生した。
【0041】比較例3 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.11を作成した。
この時の開始剤量は2.5重量部使用した。 スチレン 95重量部 アクリル酸メチル 10重量部 ドデシルメルカプタン 6重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 この場合も連鎖移動剤を分割添加していないため凝集が
発生した。
【0042】比較例4 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.12を作成した。
この時の開始剤量は2.0重量部使用した。 スチレン 80重量部 アクリル酸メチル 20重量部 ドデシルメルカプタン 1重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンは5.5重量
部とした。重合開始から約6時ほど経過すると微粒子の
発生がめだち得られた粒子のコールターマルチサイザー
による20μmアパーチャーチューブでの粒径分布測定で
は、粒子個数5万カウントで体積平均径が6.002μm、個
数平均径4.963μm、その比が1.33であり粒径分布が悪く
なった。これを実施例と同様の方法でトナー化し、リコ
ー製複写機FT-5510により画像評価を行ったところトナ
ー飛散がひどく解像度も劣り鮮明な画像は得られなかっ
た。
【0043】比較例5 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.13を作成した。
この時の開始剤量は2.5重量部使用した。 スチレン 90重量部 アクリル酸メチル 10重量部 ドデシルメルカプタン 1重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンは5.5重量
部とした。重合開始から約7時間ほど経過すると微粒子
の発生がめだち得られた粒子のコールターマルチサイザ
ーによる20μmアパーチャーチューブでの粒径分布測定
では、粒子個数5万カウントで体積平均径が6.221μm、
個数平均径4.567μm、その比が1.36であり粒径分布が悪
くなった。これを実施例と同様の方法でトナー化し、リ
コー複写機FT-5510により画像評価を行ったところトナ
ー飛散がひどく解像度も劣り鮮明な画像は得られなかっ
た。
【0044】比較例6 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.14を作成した。
この時の開始剤量は2.0重量部使用した。 スチレン 80重量部 アクリル酸メチル 20重量部 ドデシルメルカプタン 0.28重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンは7.2重量部
とした。得られた粒子のコールターマルチサイザーによ
る20μmアパーチャーチューブでの粒径分布測定では、
粒子個数5万カウントで体積平均径が3.841μm、個数平
均径3.802μm、その比が1.01であり粒子の軟化温度は7
4.2℃であった。これを実施例と同様の方法でトナー化
し、リコー複写機FT-5510により画像評価を行ったとこ
ろトナー飛散がひどく、地汚れが発生し鮮明な画像は得
られなかった。
【0045】比較例7 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.15を作成した。
この時の開始剤量は2.0重量部使用した。 スチレン 80重量部 アクリル酸メチル 20重量部 ドデシルメルカプタン 2.14重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンは0.86重量部
とした。得られた粒子のコールターマルチサイザーによ
る20μmアパーチャーチューブでの粒径分布測定では、
粒子個数5万カウントで体積平均径が14.521μm、個数
平均径12.202μm、その比が1.19であり粒子の軟化温度
は71.4℃であった。これを実施例と同様の方法でトナー
化し、リコー製複写機FT-5510により画像評価を行った
ところ解像度が極端に低下し、画像の解像度は7.1本/m
mを判別することはできなかった。
【0046】比較例8 仕込処方を次のようにして樹脂粒子No.16を作成した。
この時の開始剤量は2.5重量部使用した。 スチレン 75重量部 アクリル酸メチル 25重量部 ドデシルメルカプタン 1重量部 1,3-ブタンジオールジメタクリレート 1.5重量部 なお、分割添加するドデシルメルカプタンは2重量部と
した。得られた粒子のコールターマルチサイザーによる
20μmアパーチャーチューブでは、粒子個数5万カウン
トで体積平均径が7.842μm、個数平均径7.686μm、その
比が1.02であり粒子の軟化温度は70.4℃であった。しか
し、この時の重合粒子の転化率は85.7%と低く実用的で
はなかった。
【0047】
【表1】表1
【0048】(注)1.表中、連鎖移動剤の仕込量の列
で*マークのあるものは、連鎖移動剤を最初から仕込
み、分割添加を行わなかったものである。 2.同じく仕込量の列で( )内の数字は、分割添加時
の添加量を示す。なお、実施例1の場合は重合開始後、
仕込量全量を添加した。
【0049】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、比較的低軟
化点で粒子径分布の狭い樹脂粒子を形成しやすく、その
ため低エネルギー定着が可能で地汚れがなく、かつ解像
度が高く、連続使用においても画像劣化のないトナーと
することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種または2種以上のビニル単量体を重
    合し造粒した後、着色された樹脂粒子からなる静電荷像
    現像用トナーにおいて、前記樹脂粒子が連鎖移動剤を重
    合工程において分割添加して製造されたものであって、
    体積平均径(Dv)が4〜12μmであり、かつ体積平
    均径と個数平均径(Dp)の比が1.00≦(Dv/Dp)≦1.20
    の範囲であり、高化式フロ−テスタ−による軟化温度が
    80度以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナ
    ー。
  2. 【請求項2】 前記樹脂粒子をスチレン(St)とアク
    リル酸メチル(MA)を用い、その重量比をSt/MA=80/2
    0以上として形成することを特徴とする請求項1記載の
    静電荷像現像用トナー。
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