JP5184805B2 - ポリマー微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリマー微粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、特定の重合転化率の段階で連鎖移動剤を添加する分散重合法によるポリマー微粒子の製造方法に関する。本発明の方法により得られたポリマー微粒子は、シード重合法のシード粒子や、電子工業分野(例えば、LCDスペーサー、銀塩フィルム用表面改質剤、磁気テープ用フィルム改質剤及び感熱紙走行安定剤等)、塗料/インク/接着剤分野(例えば、レオロジーコントロール剤、艶消し剤等)、医療分野(例えば、抗原抗体反応検査用粒子等)、化粧品分野(例えば、滑り剤、体質顔料等)、樹脂分野(例えば、不飽和ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、樹脂改質剤等)で使用されるポリマー粒子の製造原料として使用可能である。
ポリマー粒子の製造方法としては、懸濁重合法、乳化重合法及び分散重合法が知られている。
懸濁重合法は、分散安定剤を含む水中で、機械的攪拌によりビニル単量体の分散油滴を形成し、油溶性重合開始剤によりビニル単量体の重合を行う方法である。
乳化重合法は、水溶性重合開始剤を用いて界面活性剤ミセル中でビニル単量体の重合を行う方法である。
分散重合法は、ビニル単量体を溶解するが、ビニル単量体から生成するポリマーは溶解しない溶媒中で、溶媒に可溶の重合開始剤を用いて、ビニル単量体の重合を行う方法である。
懸濁重合法、乳化重合法及び分散重合法では、粒子径分布が広いものしか得ることができない。粒子径分布が狭いポリマー粒子を得る方法として、シード粒子(ポリマー微粒子)にビニル単量体を吸収させ、その後ビニル単量体を重合させる、いわゆるシード重合法がある。
シード重合法で、粒子径分布が狭い粒子を得るには、使用するポリマー微粒子の粒子径分布を狭くする必要がある。ポリマー微粒子の製造方法として、懸濁重合法は、粒子径分布が狭いポリマー微粒子を製造する場合、ポリマー微粒子の平均粒子径を10μm以下にすることが工業的に困難である。
これに対し、ソープフリー重合法、分散重合法等によりポリマー微粒子を製造する方法が知られている(例えば、特公昭63−32500号公報(特許文献1)や特公平6−92443号公報(特許文献2))。
ポリマー微粒子が吸収するビニル単量体の量を多くできれば、得られるポリマー粒子の粒子径を大きくすることができる。吸収する量を多くする方法として、重合を連鎖移動剤の存在下で行うことによりポリマー微粒子の分子量を低くする方法が知られている。
しかしながら、ソープフリー重合法ではポリマー微粒子は、狭い粒子径分布を有するが、重合のメカニズム上、平均粒子径を1μm以上にすることが困難である。
一方、分散重合法で製造されたポリマー微粒子は、平均粒子径が1〜10μmであり、粒子径分布が狭い粒子である。しかし、分散重合法は、重合の進行に伴い生成したポリマーが析出するというメカニズムによりポリマー微粒子が形成される。このため、分散重合時に、連鎖移動剤を使用すると重合速度の低下やポリマー微粒子の合着といった問題も起こる。その結果、単分散性が高く分子量を低下させたポリマー微粒子を得ることは困難である。
これらの課題を解決するため、特開平6−228212号公報(特許文献3)には、いわゆる分散重合を行うに際し、媒体中に連鎖移動剤としてビス(ジエチルチオカルバモイル)ジスルフィドを存在させることを特徴とするポリマー微粒子の製造方法が示されている。
また、特開平9−12610号公報(特許文献4)には、分散重合を行うに際し、水と親水性有機液体とからなる媒体中に溶解する重合開始剤とエチレン性不飽和単量体の重量比が5〜40:95〜60、かつ水と親水性有機液体の重量比が1〜50:99〜50であるポリマー微粒子の製造方法が示されている。
特公昭63−32500号公報 特公平6−92443号公報 特開平6−228212号公報 特開平9−12610号公報
しかしながら、特許文献3の方法では、重合の初期段階より連鎖移動剤が添加されるため、重合速度の低下や生成粒子の合一といった課題がある。また、得られる粒子に関しても、分子量の低下が不十分であることや初期段階より連鎖移動剤を系に添加しているため、実質的には、2μm程度以下の比較的小さな粒子径の粒子しか得られないという課題があった。
一方、特許文献4の方法では、分子量を低下させるために、単量体と開始剤の重量比が95〜60:5〜40と、非常に多量の重合開始剤を投入する必要があり、重合の制御が難しいという課題や重合終了後においても多量の重合開始剤が系内に残存しているという課題があった。
本発明の発明者等は、分散重合法において、ビニル単量体の重合転化率が特定の範囲内で、連鎖移動剤を添加することで、低分子量で、粒子径分布の揃ったポリマー微粒子を安定に製造できることを見い出すことにより本発明に至った。
かくして本発明によれば、ビニル単量体は溶解するが、前記ビニル単量体から生成するポリマーは実質的に溶解しない溶媒中で、前記ビニル単量体の重合転化率が10%以上、30%未満の段階で、前記溶媒中に連鎖移動剤を添加しつつ、前記ビニル単量体を重合させることにより、平均粒子径1〜10μmのポリマー微粒子を得ることからなり、
前記ビニル単量体が、(メタ)アクリル酸エステルであり、
前記溶媒が、水とアルコールの混合溶媒であり、
前記連鎖移動剤が、メルカプタン類から選択されることを特徴とするポリマー微粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、低分子量で、粒子径分布の揃ったポリマー微粒子を安定かつ容易に製造できる。
本発明の方法により得られたポリマー微粒子は、シード重合法のシード粒子や、電子工業分野(例えば、LCDスペーサー、銀塩フィルム用表面改質剤、磁気テープ用フィルム改質剤及び感熱紙走行安定剤等)、塗料/インク/接着剤分野(例えば、レオロジーコントロール剤、艶消し剤等)、医療分野(例えば、抗原抗体反応検査用粒子等)、化粧品分野(例えば、滑り剤、体質顔料等)、樹脂分野(例えば、不飽和ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、樹脂改質剤等)で使用されるポリマー粒子の製造原料として使用可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用できるビニル単量体としては、特に限定されず、当該分野で公知のビニル単量体をいずれも使用できる。特に、ビニル単量体は、ビニル基を1つ有する単量体を含むことが好ましい。更に、ビニル単量体には、ビニル基を1つ有する単量体以外に、2以上のビニル基を有する他の単量体(以下、他の単量体)が含まれていてもよい。他の単量体は、ビニル基を1つ有する単量体へのコポリマー成分として使用できる。
具体的には、ビニル基を1つ有する単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ低級アルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;スチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン及びそのアルキル置換体;酢酸ビニルのような脂肪酸のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上混合して用いてもよい。この内、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。なお、(メタ)アクリルとは、メタクリル又はアクリルを意味する。
上記以外のその他のビニル単量体の例としては、上記のビニル単量体と共重合するものであれば特に限定されない。他のビニル単量体としては、具体的には、(メタ)アクリル酸のフェニルエステル、テトラヒドロフルフリルエステル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエステル、2−クロロエチル等のハロゲン含有エステル;クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のハロゲン置換スチレン及びその誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルアルコール及びそのエステル又はエーテル類;ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸等が挙げられる。
また、本発明で用いられる溶媒とは、ビニル単量体を溶解するが、ビニル単量体から生成するポリマーは実質的に溶解しないものである。溶媒の選択は、使用するビニル単量体の種類、所望するポリマー微粒子の平均粒子径及び粒子径分布に応じて適宜選択することが好ましい。
溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート等のエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類及びエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ニトロベンゼン等の含窒素化合物;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;等の溶媒及び水が挙げられる。これら溶媒は、単独でも使用してもよく、二種類以上混合して使用してもよい。
上記溶媒中、アルコール類、エーテル類が特に好ましい。また、アルコール類としては、脂肪族低級アルコールが好ましい。
また、本発明において生成するポリマーが凝集、変形、融着することなく粒子の形態をとるために、上記溶媒に可溶な分散安定剤を用いることが好ましい。
分散安定剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリメチルビニルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)等のホモポリマー、各種ランダムコポリマー、グラフトコポリマー、ブロックコポリマー等の合成高分子;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の天然高分子誘導体;等が挙げられる。
更に、上記分散安定剤に加えて、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン型やアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチル塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジウム塩、塩化ベンゾトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤等を用いてもよい。
また、本発明では、必要に応じて重合開始剤が使用できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系重合開始剤;t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソブチレート及び過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物系重合開始剤又はこれらにアミン、重亜硫酸ナトリウム等の還元剤を添加した系;等を挙げられる。重合開始剤は、ビニル単量体に対し、0.05〜10重量%使用することが好ましく、0.1〜5重量%使用することがより好ましい。
本発明では、ポリマー微粒子の分子量を低下させるために、連鎖移動剤が使用される。連鎖移動剤としては、メルカプタン類、アルファメチルスチレンダイマー、インデン等が挙げられる。中でもメルカプタン類が好適である。
メルカプタン類としては、ノルマルオクチルメルカプタン、ノルマルドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、ベンジルメルカプタン等の芳香族メルカプタン類、メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル等のメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。中でも、ノルマルオクチルメルカプタン、ノルマルドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類が好適である。連鎖移動剤を使用することで、分子量を低下できる(ここで、分子量は重量平均分子量を意味する)。
また、上記連鎖移動剤の補助剤として、エチル(ジ)スルフィド、ブチル(ジ)スルフィド等のアルキル(ジ)スルフィド類、ビス(ジメチルチオカルバモイル)スルフィド、等のビス(ジアルキルチオカルバモイル)スルフィド類及びビス(ジアルキルチオカルバモイル)ジスルフィド類、フェニル(ジ)スルフィド等の芳香族(ジ)スルフィド類等を用いてもよい。(ジ)スルフィドは、スルフィド又はジスルフィドを意味する。
連鎖移動剤の添加割合は、ビニル単量体に対して0.01〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。添加割合が0.01重量%未満になると分子量低下効果が不十分になるので好ましくなく、また15重量%を超えると生成するポリマー微粒子の形状、平均粒子径及び粒子径分布が悪影響を受けることがあり、また工業的にも不経済であるため好ましくない。
連鎖移動剤は、ビニル単量体の重合転化率が10%以上、30%未満の段階で溶媒に添加される。連鎖移動剤は、所定の重合転化率に達した時点で、一括、分割、連続で媒体に添加できる。重合転化率が10%未満の段階で添加した場合には粒子径分布のバラツキが見られるので好ましくなく、また30%以上の段階で添加した場合には分子量の低下効果が見られないので好ましくない。より好ましい連鎖移動剤の添加時の重合転化率の範囲は、15〜25%である。
ポリマー微粒子の製造は、分散安定剤、及び必要により他の剤(例えば、界面活性剤、補助剤等)を溶解した溶媒中に、ビニル単量体と、必要により重合開始剤を添加して得られた重合系を、攪拌下にて加熱し、上記範囲の重合転化率の際に連鎖移動剤を添加することにより行なうことができる。本発明では、連鎖移動剤の種類及び使用量、重合温度、重合開始剤の種類及び使用量を選択することにより種々の分子量のポリマー微粒子を得ることができる。
製造時に酸素が存在すると重合遅延が生じることがあるため、重合系の雰囲気は、窒素、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。
重合温度は、ビニル単量体の種類及び量、重合開始剤の種類及び量等によって適宜決定される。
本発明の方法より得られるポリマー微粒子の平均粒子径は1〜10μmの範囲にある。更に、本発明の方法では、標準偏差を平均粒子径で除した値である変動係数(CV値)が10%以下と粒子径分布の狭いポリマー微粒子を得ることができる。
加えて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算重量平均分子量において、例えば、5000〜50000の範囲の分子量のポリマー微粒子を得ることができる。より好ましい重量平均分子量は10000〜50000の範囲である。
特に、平均粒子径が3〜10μmと比較的大きく、重量平均分子量が10000〜50000のポリマー微粒子を好適に得ることができる。
本発明の方法により得られたポリマー微粒子は、シード重合法のシード粒子や、電子工業分野(例えば、LCDスペーサー、銀塩フィルム用表面改質剤、磁気テープ用フィルム改質剤及び感熱紙走行安定剤等)、塗料/インク/接着剤分野(例えば、レオロジーコントロール剤、艶消し剤等)、医療分野(例えば、抗原抗体反応検査用粒子等)、化粧品分野(例えば、滑り剤、体質顔料等)、樹脂分野(例えば、不飽和ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、樹脂改質剤等)で使用されるポリマー粒子の製造原料として使用可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中の各種値の測定方法を下記する。
(平均粒子径及び変動係数(CV値))
得られた重合体微粒子を走査型電子顕微鏡により観察し、任意の50個について粒子径を計測し、計測結果から平均粒子径(X)及び粒子径の標準偏差(σ)を計算し、次式に代入することにより変動係数(CV値)を算出する。
CV値(%)=(σ/X)×100
(重合転化率)
反応混合液からサンプリングした試料の重量Aと、重合停止剤を含む有機溶媒溶液(t−ブチルカテコールを含むメタノール溶液)に前記試料を添加して重合反応を停止した後、100℃のオーブン中に2時間放置し、測定した不揮発分の重量Bとに基づいて以下の式により重合転化率を算出する。
重合添加率=A/(B×(反応器に仕込んだ原料中の単量体の重量比率))×100
(分子量の測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を測定する。その測定方法は次の通りである。なお、重量平均分子量(Mw)はポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を、数平均分子量(Mn)はポリスチレン(PS)換算数平均分子量を意味する。
試料50mgをテトラヒドロフラン(THF)10ミリリットルに溶解させ、非水系0.45μmのクロマトディスクで濾過した上でクロマトグラフを用いて測定する。クロマトグラフの条件は下記の通りとする。
液体クロマトグラフ:東ソー社製、商品名「ゲルパーミエーションクロマトグラフ HLC−8020」
カラム:東ソー社製、商品名「TSKgel GMH−XL−L」φ7.8mm×30cm×2本
カラム温度:40℃
キャリアーガス:テトラヒドロフラン(THF)
キャリアーガス流量:1ミリリットル/分
注入・ポンプ温度:35℃
検出:RI
注入量:100マイクロリットル
検量線用標準ポリスチレン:昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:1030000と東ソー社製、重量平均分子量:5480000、3840000、355000、102000、37900、9100、2630、870
(固有粘度)
50ml三角フラスコに試料(分散安定剤)0.2gを精秤し、20mlのメタノールを加えて溶解して試料溶液を得る。次いで、30±0.1℃の恒温水槽にて、オストワルド粘度計を用い試料溶液の落下秒数を測定する。同時にメタノールの落下秒数も測定する。得られた結果から、固有粘度を次式により算出する。
η=3{{t/to1/3−1}/C
式中、ηは固有粘度、tは試料溶液の落下秒数、t0はメタノールの落下秒数、Cは試料溶液中の分散安定剤の濃度g/100mlを意味する。
実施例1
2Lの反応器にメタノール635g、イオン交換水225g、分散剤としてメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比8/2の共重合体(固有粘度〔η〕=0.493)の20%メタノール溶液50g、メタクリル酸メチル(MMA)100gを加えて攪拌し、窒素置換した。次いで、60℃に昇温して2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を2g加えて反応を開始した。
反応開始後数分で濁り始め粒子が生成したことを確認した。反応開始30分後にn−ドデシルメルカプタンを0.5g加えた。このときの重合転化率は15%であった。更に、反応を継続し8時間目に反応系を冷却してポリマー微粒子を取り出した。取り出した粒子に凝集粒子やスケールはみられなかった。得られた粒子の平均粒子径は3.52μm、CV値は6.1%であった。またGPCによる測定で、重量平均分子量(Mw)は37000、数平均分子量(Mn)は16670、Mw/Mnは2.2であった。
実施例2
n−ドデシルメルカプタンを1.0g使用すること以外は実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。得られた粒子の平均粒子径は3.46μm、CV値は5.6%であった。また重量平均分子量は32000、数平均分子量は12200、Mw/Mnは3.5であった。
実施例3
n−ドデシルメルカプタン2gを反応開始後1時間目、すなわち重合転化率23%のときに加えること以外は実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。得られた粒子の平均粒子径は3.42μm、CV値は6.5%であった。また重量平均分子量は42350、数平均分子量は1050、Mw/Mnは4.0であった。
比較例1
n−ドデシルメルカプタンを使用しないこと以外は実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。得られた粒子の平均粒子径は3.75μm、CV値は6.4%であった。また重量平均分子量は132000、数平均分子量は38000、Mw/Mnは3.5であった。
比較例2
n−ドデシルメルカプタン0.5gを反応開始前のMMAに加えること以外は実施例1と同様に反応を開始した。反応開始後1時間目にサンプリングし、500倍拡大鏡で観察したところ粒子径1〜30μmの多分散粒子が生成していた。この結果、反応開始前からn−ドデシルメルカプタンが存在すると均一な粒子径の粒子の形成が妨げられことがわかった。
比較例3
n−ドデシルメルカプタン3gを反応開始後3時間目、すなわち重合転化率60%のときに加えること以外は実施例1と同様にしてポリマー微粒子を得た。得られた粒子の平均粒子径は3.72μm、CV値は5.9%であった。また重量平均分子量は113200、数平均分子量は13300、Mw/Mnは8.5であった。
比較例4
n−ドデシルメルカプタン3gを反応開始後2時間目、すなわち重合転化率35%のときに加えること以外は実施例1と同様にしてポリマ微粒子を得た。得られた粒子の平均粒子径は3.72μm、CV値は7.1%であった。また重量平均分子量は65720、数平均分子量は9850、Mw/Mnは6.7であった。
上記実施例及び比較例から、重合転化率が10%以上、30%未満の段階で、前記溶媒中に連鎖移動剤を添加することで、平均粒子径1〜10μmで、粒子径分布が狭く、かつ低分子量のポリマー微粒子を製造できることがわかる。
実施例4
実施例1で得られた粒子を以下のようにシード重合に付した。
2Lの反応器に鹸化度85%のポリビニルアルコール4%水溶液500g、実施例1で得られた分散液60g(ポリマー微粒子6g含有)、亜硝酸ナトリウム0.09gとを加え、120rpmで攪拌した。次いで、MMA270g、エチレングリコールジメタクリレート30g、AIBN1.5gの混合溶液にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8g、水400gを加えてホモジナイザーで乳化した溶液を、上記ポリマー微粒子を含む系に室温下10分かけて添加した。3.5時間後、加えたモノマーの液滴は全てシード粒子に吸収されたのを確認した。次いで、窒素置換した後、60℃に昇温して4時間反応して粒子を取り出し、粒子径を測定した。その結果、平均粒子径は11.8μm、CV値は7.9%であった。

Claims (3)

  1. ビニル単量体は溶解するが、前記ビニル単量体から生成するポリマーは実質的に溶解しない溶媒中で、前記ビニル単量体の重合転化率が10%以上、30%未満の段階で、前記溶媒中に連鎖移動剤を添加しつつ、前記ビニル単量体を重合させることにより、平均粒子径1〜10μmのポリマー微粒子を得ることからなり、
    前記ビニル単量体が、(メタ)アクリル酸エステルであり、
    前記溶媒が、水とアルコールの混合溶媒であり、
    前記連鎖移動剤が、メルカプタン類から選択されることを特徴とするポリマー微粒子の製造方法。
  2. 前記連鎖移動剤が、前記ビニル単量体に対して0.01〜15重量%添加される請求項1に記載のポリマー微粒子の製造方法。
  3. 前記ポリマー微粒子が、10%以下の変動係数(CV値)、10000〜50000の重量平均分子量を有する請求項1又は2に記載のポリマー微粒子の製造方法。
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