JP5043486B2 - 重合体微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、重合体微粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、特定の分散安定剤を使用した分散重合法による粒子径分布の狭い重合体微粒子の製造方法に関する。本発明の方法により得られた重合体微粒子は、シード重合法のシード粒子や、電子工業分野(例えば、LCDスペーサー、銀塩フィルム用表面改質剤、磁気テープ用フィルム改質剤及び感熱紙走行安定剤等)、塗料/インク/接着剤分野(例えば、レオロジーコントロール剤、艶消し剤等)、医療分野(例えば、抗原抗体反応検査用粒子等)、化粧品分野(例えば、滑り剤、体質顔料等)、樹脂分野(例えば、不飽和ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、樹脂改質剤等)で使用される重合体粒子の製造原料として使用可能である。
重合体粒子の製造方法としては、懸濁重合法、乳化重合法及び分散重合法が知られている。
懸濁重合法は、分散安定剤を含む水中で、機械的攪拌によりビニル単量体の分散油滴を形成し、油溶性重合開始剤によりビニル単量体の重合を行う方法である。
乳化重合法は、水溶性重合開始剤を用いて界面活性剤ミセル中でビニル単量体の重合を行う方法である。
分散重合法は、ビニル単量体を溶解するが、ビニル単量体から生成する重合体は溶解しない溶媒中で、溶媒に可溶の重合開始剤を用いて、ビニル単量体の重合を行う方法である。
懸濁重合法、乳化重合法及び分散重合法では、粒子径分布が広いものしか得ることができない。粒子径分布が狭い重合体粒子を得る方法として、シード粒子(重合体微粒子)にビニル単量体を吸収させ、その後ビニル単量体を重合させる、いわゆるシード重合法がある。
シード重合法で、粒子径分布が狭い粒子を得るには、使用する重合体微粒子の粒子径分布を狭くする必要がある。重合体微粒子の製造方法として、懸濁重合法は、粒子径分布が狭い重合体微粒子を製造する場合、重合体微粒子の平均粒子径を10μm以下にすることが工業的に困難である。
これに対し、ソープフリー重合法、分散重合法等により重合体微粒子を製造する方法が知られている(例えば、特公昭63−32500号公報(特許文献1)や特公平6−92443号公報(特許文献2))。
重合体微粒子が吸収するビニル単量体の量を多くできれば、得られる重合体粒子の粒子径を大きくすることができる。吸収する量を多くする方法として、重合を連鎖移動剤の存在下で行うことにより重合体微粒子の分子量を低くする方法が知られている。
しかしながら、ソープフリー重合法では重合体微粒子は、狭い粒子径分布を有するが、重合のメカニズム上、平均粒子径を1μm以上にすることが困難である。
一方、分散重合法で製造された重合体微粒子は、平均粒子径が1〜10μmであり、粒子径分布が狭い粒子である。しかし、分散重合法は、重合の進行に伴い生成した重合体が析出するというメカニズムにより重合体微粒子が形成される。このため、分散重合時に、連鎖移動剤を使用すると重合速度の低下や重合体微粒子の合着といった問題も起こる。その結果、単分散性が高く分子量を低下させた重合体微粒子を得ることは困難である。
これらの課題を解決するため、特開平1−249806号公報(特許文献3)では、ポリメタクリル酸を分散安定剤として使用してビニル単量体を重合させ、得られた粒子を洗浄することにより、1〜20μmの粒子径で、かつ単分散粒子径分布(重量平均粒子径/数平均粒子径<1.2をいう)の重合体微粒子を得られることが示されている。
特公昭63−32500号公報 特公平6−92443号公報 特開平1−249806号公報
上記方法では、スチレンのような極性の低い(疎水性の)ビニル単量体では効果が認められるものの、メタクリル酸メチルのような極性の高いエステル系単量体では粒子径分布が広くなるという課題があった。
本発明の発明者等は、分散重合法に使用する分散安定剤を検討したところ、メタクリル酸とメタクリル酸エステルとを特定の割合で重合させた共重合体を分散安定剤として使用すれば、ビニル単量体の種類に影響されることなく、粒子径分布の揃った重合体微粒子を安定に製造できることを見い出すことにより本発明に至った。
かくして本発明によれば、メタクリル酸とメタクリル酸エステルとを重量比85/15〜60/40で重合させて得られる共重合体を含む分散安定剤の存在下、ビニル単量体及び前記分散安定剤は溶解するが、前記ビニル単量体から生成する重合体は実質的に溶解しない溶媒中で前記ビニル単量体を重合させることで平均粒子径1〜10μmの重合体微粒子を得ることからなり、前記メタクリル酸エステルが、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸低級アルキルエステルであり、前記ビニル単量体が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とする重合体微粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、粒子径分布の揃った重合体微粒子を安定かつ容易に製造できる。
本発明の方法により得られた重合体微粒子は、シード重合法のシード粒子や、電子工業分野(例えば、LCDスペーサー、銀塩フィルム用表面改質剤、磁気テープ用フィルム改質剤及び感熱紙走行安定剤等)、塗料/インク/接着剤分野(例えば、レオロジーコントロール剤、艶消し剤等)、医療分野(例えば、抗原抗体反応検査用粒子等)、化粧品分野(例えば、滑り剤、体質顔料等)、樹脂分野(例えば、不飽和ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、樹脂改質剤等)で使用される重合体粒子の製造原料として使用可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用できるビニル単量体としては、特に限定されず、当該分野で公知のビニル単量体をいずれも使用できる。特に、ビニル単量体は、ビニル基を1つ有する単量体を含むことが好ましい。更に、ビニル単量体には、ビニル基を1つ有する単量体以外に、2以上のビニル基を有する他の単量体(以下、他の単量体)が含まれていてもよい。他の単量体は、ビニル基を1つ有する単量体への共重合体成分として使用できる。
具体的には、ビニル基を1つ有する単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシ低級アルキルエステル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体;スチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン及びそのアルキル置換体;酢酸ビニルのような脂肪酸のビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。この内、(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。なお、(メタ)アクリルとは、メタクリル又はアクリルを意味する。
上記以外のその他のビニル単量体の例としては、上記のビニル単量体と共重合するものであれば特に限定されない。他のビニル単量体としては、具体的には、(メタ)アクリル酸のフェニルエステル、テトラヒドロフルフリルエステル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエステル、2−クロロエチル等のハロゲン含有エステル;クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のハロゲン置換スチレン及びその誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリルアルコール及びそのエステル又はエーテル類;ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸等が挙げられる。
また、本発明で用いられる溶媒とは、ビニル単量体及び以下の分散安定剤を溶解するが、ビニル単量体から生成する重合体は実質的に溶解しないものである。溶媒の選択は、使用するビニル単量体の種類、所望する重合体微粒子の平均粒子径及び粒子径分布に応じて適宜選択することが好ましい。
溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール(イソプロピルアルコール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート等のエステル類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類及びエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ニトロベンゼン等の含窒素化合物;二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;等の溶媒及び水が挙げられる。これら溶媒は、単独でも使用してもよく、二種類以上混合して使用してもよい。
上記溶媒中、アルコール類、エーテル類が特に好ましい。また、アルコール類としては、脂肪族低級アルコールが好ましい。
また、本発明では、メタクリル酸とメタクリル酸エステルとを重量比90/10〜60/40で重合させて得られる共重合体が分散安定剤として使用される。この分散安定剤は、溶媒に可溶である。この分散安定剤をしようすることで、生成する重合体が溶媒中で凝集、変形、融着することを防ぐことができる。メタクリル酸とメタクリル酸エステルとを重量比が、上記範囲をはずれる場合には、最終的に得られる重合体微粒子の粒子径分布が広くなるため好ましくない。好ましい重量比は、85/15〜70/30である。
更には、分散安定剤は、0.4〜0.8の固有粘度〔η〕を有することが好ましい。この範囲の固有粘度を有することで、最終的に得られる重合体粒子の粒子径分布を狭くできる。
共重合体を構成するメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のアルキル基の炭素数が4までのメタクリル酸低級アルキルエステルが挙げられる
上記分散安定剤を得る方法としては、特に限定されることなく、公知の方法をいずれも使用できる。例えばメタノールのような有機溶剤中で、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等の重合開始剤を用い、メタクリル酸とメタクリル酸エステルとをラジカル重合することにより得ることが可能である。
また、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸単量体を共重合させて分散安定剤を含む重合系に、続いてビニル単量体を添加した後、重合することで、連続して重合体微粒子を生成させてもよい。
分散安定剤の使用量は、ビニル単量体の総量の1〜40重量%であることが好ましい。1重量%未満では、重合中の重合安定性が悪くなり、凝固物が多量に発生することがあるので好ましくない。40重量%を越えると、平均粒子径が小さくなってしまうことがあるので好ましくない。より好ましい使用量は5〜30重量%である。
更に、上記分散安定剤に加えて、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン型やアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチル塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジウム塩、塩化ベンゾトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤等を用いてもよい。
また、本発明では、必要に応じて重合開始剤が使用できる。重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ系重合開始剤;t−ブチルヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソブチレート及び過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物系重合開始剤又はこれらにアミン、重亜硫酸ナトリウム等の還元剤を添加した系;等を挙げられる。重合開始剤は、ビニル単量体に対し、0.05〜10重量%使用することが好ましく、0.1〜5重量%使用することがより好ましい。
重合体微粒子の分子量を低下させるために、連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、ノルマルオクチルメルカプタン、ノルマルドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類、ベンジルメルカプタン等の芳香族メルカプタン類、メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル等のメルカプトプロピオン酸エステル類等のメルカプタン系連鎖移動剤が挙げられる。中でも、ノルマルオクチルメルカプタン、ノルマルドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類を好適である。これら連鎖移動剤を使用することで、分子量を低下できる(ここで、分子量は重量平均分子量を意味する)。
また、上記連鎖移動剤の補助剤として、エチル(ジ)スルフィド、ブチル(ジ)スルフィド等のアルキル(ジ)スルフィド類、ビス(ジメチルチオカルバモイル)スルフィド、等のビス(ジアルキルチオカルバモイル)スルフィド類及びビス(ジアルキルチオカルバモイル)ジスルフィド類、フェニル(ジ)スルフィド等の芳香族(ジ)スルフィド類等を用いてもよい。(ジ)スルフィドは、スルフィド又はジスルフィドを意味する。
重合体微粒子の製造は、分散安定剤、及び必要により他の剤(例えば、界面活性剤、連鎖移動剤、補助剤等)を溶解した溶媒中に、ビニル単量体と、必要により重合開始剤を添加して得られた重合系を、攪拌下にて加熱することにより行なうことができる。
製造時に酸素が存在すると重合遅延が生じることがあるため、重合系の雰囲気は、窒素、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気にすることが好ましい。
重合温度は、ビニル単量体の種類、量、重合開始剤の種類、量等によって適宜決定される。
本発明の方法より得られる重合体微粒子の平均粒子径は1〜10μmの範囲にある。更に、本発明の方法では、標準偏差を平均粒子径で除した値である変動係数(CV値)が10%以下と粒子径分布の狭い重合体微粒子を得ることができる。
本発明の方法により得られた重合体微粒子は、シード重合法のシード粒子や、電子工業分野(例えば、LCDスペーサー、銀塩フィルム用表面改質剤、磁気テープ用フィルム改質剤及び感熱紙走行安定剤等)、塗料/インク/接着剤分野(例えば、レオロジーコントロール剤、艶消し剤等)、医療分野(例えば、抗原抗体反応検査用粒子等)、化粧品分野(例えば、滑り剤、体質顔料等)、樹脂分野(例えば、不飽和ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、樹脂改質剤等)で使用される重合体粒子の製造原料として使用可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、実施例5、8及び9は、参考例である。なお、実施例及び比較例中の各種値の測定方法を下記する。
(平均粒子径及び変動係数(CV値))
得られた重合体微粒子を走査型電子顕微鏡により観察し、任意の50個について粒子径を計測し、計測結果から平均粒子径(X)及び粒子径の標準偏差(σ)を計算し、次式に代入することにより変動係数(CV値)を算出する。
CV値(%)=(σ/X)×100
(固有粘度)
50ml三角フラスコに試料(分散安定剤)0.2gを精秤し、20mlのメタノールを加えて溶解して試料溶液を得る。次いで、30±0.1℃の恒温水槽にて、オストワルド粘度計を用い試料溶液の落下秒数を測定する。同時にメタノールの落下秒数も測定する。得られた結果から、固有粘度を次式により算出する。
η=3{{t/to1/3−1}/C
式中、ηは固有粘度、tは試料溶液の落下秒数、t0はメタノールの落下秒数、Cは試料溶液中の分散安定剤の濃度g/100mlを意味する。
[分散安定剤の製造例1]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸(MAA)160g、メタクリル酸メチル(MMA)40g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.493のメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例2]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸160g、メタクリル酸メチル40g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.3gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.898のメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例3]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸160g、メタクリル酸メチル40g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.703のメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例4]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸160g、メタクリル酸メチル40g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.35のメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例5]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸180g、メタクリル酸メチル20g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.769のメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例6]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸140g、メタクリル酸メチル60g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.724のメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例7]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸120g、メタクリル酸メチル80g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.622のメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例8]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸170g、メタクリル酸ラウリル30g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.497のメタクリル酸−メタクリル酸ラウリル共重合体のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例9(比較)]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸200g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.745のポリメタクリル酸のメタノール溶液を得た。
[分散安定剤の製造例10(比較)]
2Lの反応器にメタノール800g、メタクリル酸100g、メタクリル酸メチル100g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4gを投入し、55℃にて24時間反応を行い、固有粘度〔η〕=0.571のメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体のメタノール溶液を得た。
上記製造例1〜10の原料使用量及び分散安定剤の固有粘度を表1にまとめる。
Figure 0005043486
[実施例1]
2Lの反応器にメタノール635g、イオン交換水225g、分散安定剤として上記製造例1のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比80/20の共重合体(固有粘度〔η〕=0.493)の20%メタノール溶液50g、メタクリル酸メチル100gを加えて攪拌し、窒素置換した。次いで、60℃に昇温して2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを2g加えて反応を開始した。
60℃、7時間反応させた後、室温まで冷却した反応液を、300メッシュのスクリーンを通したが凝集粒子は見られなかった。この濾液の一部をとり遠心分離し、沈降した重合体微粒子を取り出した。得られた微粒子にメタノールを加えて洗浄、遠心分離の操作を2回繰り返すことで、微粒子の洗浄をおこなった。
更に、得られた微粒子を室温乾燥した後、微粒子を走査型電子顕微鏡で観察して画像による解析に付した。その結果、得られた微粒子の平均粒子径は3.75μm、CV値は6.2%であった。
[実施例2]
分散安定剤として上記製造例2のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比80/20の共重合体(固有粘度〔η〕=0.898)の20%メタノール溶液50gを使用する他は実施例1と同様に反応、精製して重合体微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は6.35μm、CV値7.3%であった。
[実施例3]
分散安定剤として上記製造例3のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比80/20の共重合体(固有粘度〔η〕=0.703)の20%メタノール溶液50gを使用する他は実施例1と同様に反応、精製して重合体微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は5.81μm、CV値は6.5%であった。
[実施例4]
分散安定剤として上記製造例4のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比80/20の共重合体(固有粘度〔η〕=0.350)の20%メタノール溶液50g、を使用する他は実施例1と同様に反応、精製して重合体微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は3.91μm、CV値は5.8%であった。
[実施例5]
分散安定剤として上記製造例5のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比90/10の共重合体(固有粘度〔η〕=0.769)の20%メタノール溶液50gを使用する他は実施例1と同様に反応、精製して重合体微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径7.18μm、CV値8.1%であった。
[実施例6]
分散安定剤として上記製造例6のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比70/30の共重合体(固有粘度〔η〕=0.724)の20%メタノール溶液50gを使用する他は実施例1と同様に反応、精製して重合体微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は6.27μm、CV値7.8%であった。
[実施例7]
分散安定剤として上記製造例7のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比60/40の共重合体(固有粘度〔η〕=0.622)の20%メタノール溶液50gを使用する他は実施例1と同様に反応、精製して重合体微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は5.05μm、CV値は6.8%であった。
[実施例8]
2Lの反応器にイソプロピルアルコール(IPA)810g、分散安定剤として上記製造例3のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比80/20の共重合体(固有粘度〔η〕=0.703)の20%メタノール溶液50g、スチレン170gを加えて攪拌し、窒素置換した。次いで、70℃に昇温して2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.7g加えて反応を開始した。
70℃、24時間反応させた後、室温まで冷却した反応液を、300メッシュのスクリーンを通したが凝集粒子は見られなかった。この濾液の一部をとり遠心分離し、沈降した重合体微粒子を取り出した。得られた微粒子にメタノールを加えて洗浄、遠心分離の操作を2回繰り返すことで、微粒子の洗浄をおこなった。
更に、得られた微粒子を室温乾燥した後、微粒子を走査型電子顕微鏡で観察して画像による解析に付した。その結果、得られた微粒子の平均粒子径は2.83μm、CV値は8.3%であった。
[実施例9]
分散安定剤として製造例8のメタクリル酸とメタクリル酸ラウリル組成比85/15の共重合体(固有粘度〔η〕=0.497)の20%メタノール溶液50g、重合開始剤として過酸化ベンゾイル5.1gを使用する他は実施例8と同様に反応、精製して重合体微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は4.51μm、CV値は9.8%であった。
[比較例1]
分散安定剤として上記製造例9のメタクリル酸単独重合体(固有粘度〔η〕=0.745)の20%メタノール溶液50gを使用する他は実施例1と同様に反応を開始した。開始後1時間目に反応液をサンプリングした結果、数ミクロンから50μmの多分散粒子が生じていたので反応継続を中止した。
[比較例2]
分散安定剤として上記製造例1のメタクリル酸とメタクリル酸メチル組成比50/50の共重合体(固有粘度〔η〕=0.571)の20%メタノール溶液50gを使用する他は実施例1と同様に反応、精製して重合体微粒子を得た。得られた微粒子の平均粒子径は4.05μmであったが、CV値は20%の多分散であった。
上記実施例及び比較例の分散安定剤種、平均粒子径及びCV値を表2にまとめる。
Figure 0005043486
上記実施例及び比較例から、メタクリル酸とメタクリル酸エステルとを重量比90/10〜60/40で重合させて得られる共重合体を分散安定剤として使用すれば、平均粒子径1〜10μmでかつ粒子径分布の狭い重合体微粒子を製造できることがわかる。

Claims (2)

  1. メタクリル酸とメタクリル酸エステルとを重量比85/15〜60/40で重合させて得られる共重合体を含む分散安定剤の存在下、ビニル単量体及び前記分散安定剤は溶解するが、前記ビニル単量体から生成する重合体は実質的に溶解しない溶媒中で前記ビニル単量体を重合させることで平均粒子径1〜10μmの重合体微粒子を得ることからなり、前記メタクリル酸エステルが、炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸低級アルキルエステルであり、前記ビニル単量体が、(メタ)アクリル酸アルキルエステルであることを特徴とする重合体微粒子の製造方法。
  2. 前記ビニル単量体が、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル及び(メタ)アクリル酸ラウリルから選択される請求項1に記載の重合体微粒子の製造方法。
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