JP2006235030A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非重合法によるトナーの製造方法で、粒子形状の制御を容易して、微粉砕粒子量の少ない、シャープな粒度分布を有するトナーを、工業的に、生産性高く且つ安定的に製造することのできる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、タービン又はローターの外径が90mmを超える回転剪断撹拌手段で高速回転剪断撹拌することによって生じる50,000sec−1〜100,000sec−1の速度勾配で、トナー原料の混練物を含む水系分散液を高剪断処理して造粒し、該造粒物の洗浄に際して、撹拌翼及び濾過材を備えた洗浄容器内で該濾過材を振動させながら前記造粒物から加圧下で水系分散液及び/又は洗浄液を除去する操作を複数回行って、繰り返し洗浄した洗浄造粒物からトナーを得ることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、タービン又はローターの外径が90mmを超える回転剪断撹拌手段で高速回転剪断撹拌することによって生じる50,000sec−1〜100,000sec−1の速度勾配で、トナー原料の混練物を含む水系分散液を高剪断処理して造粒し、該造粒物の洗浄に際して、撹拌翼及び濾過材を備えた洗浄容器内で該濾過材を振動させながら前記造粒物から加圧下で水系分散液及び/又は洗浄液を除去する操作を複数回行って、繰り返し洗浄した洗浄造粒物からトナーを得ることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真法に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関し、更に詳しくは、脆弱性のない粉砕法によって得られたシャープな粒度分布を有するトナー粒子を効率よく製造する静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
従来、電子写真法は、多数の方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。一般には、光導電性物質を利用して種々の手段で静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、次いでトナーを用いて該潜像を現像し、必要に応じて紙等の被転写媒体にトナー画像を転写しする。その後、トナー画像を、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気等により定着させて複写物を得ている。
またトナーを用いて現像する方法或いは、トナー画像を定着する方法は、従来各種の方法が提案されている。トナーの製造方法は、熱可塑性樹脂中に、染料及び顔料等の着色剤、荷電制御剤等の添加剤を含有させて溶融混練して均一に分散して樹脂着色剤分散体とする。そして、粉砕機及び分級機を使用して所望の粒径を有するトナーとする。このような粉砕法により得られたトナー(以下、粉砕トナーと称す)が現像に使用される。
またトナーを用いて現像する方法或いは、トナー画像を定着する方法は、従来各種の方法が提案されている。トナーの製造方法は、熱可塑性樹脂中に、染料及び顔料等の着色剤、荷電制御剤等の添加剤を含有させて溶融混練して均一に分散して樹脂着色剤分散体とする。そして、粉砕機及び分級機を使用して所望の粒径を有するトナーとする。このような粉砕法により得られたトナー(以下、粉砕トナーと称す)が現像に使用される。
上記の製造方法によれば、かなり優れたトナーを製造することができるが、ある種の制限、即ち、トナー用材料の選択範囲に対する制限がある。例えば、上記樹脂着色剤分散体は、経済的に使用可能な製造装置で粉砕し得るように、十分に脆いものでなければならない。ところが、これらの要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、該分散体を実際に高速で粉砕した場合に、形成される粒子の粒経分布範囲が広くなり易い。特に、微粉砕粒子が比較的大きな割合で含まれるという問題が生じる。
更に、脆性の高い材料から得られる粉砕トナーは、複写機等の現像器中で微粉砕乃至は粉化を受け易い。また従来の製造方法は、着色剤等の固体粒子を樹脂中に完全に均一分散することは困難である。分散の程度によって、画像形成時におけるカブリの増大、画像濃度の低下、混色性或いは透明性の不良の原因となる。このため、着色剤の分散には十分な注意を払わなければならない。また粉砕粒子の破断面に着色剤が露出すると、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
更に、脆性の高い材料から得られる粉砕トナーは、複写機等の現像器中で微粉砕乃至は粉化を受け易い。また従来の製造方法は、着色剤等の固体粒子を樹脂中に完全に均一分散することは困難である。分散の程度によって、画像形成時におけるカブリの増大、画像濃度の低下、混色性或いは透明性の不良の原因となる。このため、着色剤の分散には十分な注意を払わなければならない。また粉砕粒子の破断面に着色剤が露出すると、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
一方、上記の粉砕トナーの問題点を克服するため、懸濁重合法によるトナーを初めとして、各種の重合法によるトナーやその製造方法が提案されている(例えば、特許文献2、3、及び4を参照)。懸濁重合法は、重合性単量体、着色剤及び重合開始剤、更に必要に応じて、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成物とする。次に、分散安定剤を含有する連続相(例えば、水相)中に、重合性単量体組成物を適当な撹拌機を用いて分散させて懸濁させ、同時に重合反応を行わせることによって所望の粒径を有するトナー粒子を得る。
この方法では、粉砕工程を全く含まないため、粉砕法による場合のような脆性が必要ではなく、樹脂として軟質材料を使用することができる。また粒子表面への着色剤の露出を生じることもなく、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。トナーの粒度分布も比較的シャープなことから、分級工程を省略しても、或いは分級処理を行ったとしても、高収率でトナーが得られる。更に、離型剤として有効な低軟化点物質を多量にトナー中に内包化させたコア/シェル構造を有するものを容易に得ることができるので、耐オフセット性に優れたトナーが得られる。
この方法では、粉砕工程を全く含まないため、粉砕法による場合のような脆性が必要ではなく、樹脂として軟質材料を使用することができる。また粒子表面への着色剤の露出を生じることもなく、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。トナーの粒度分布も比較的シャープなことから、分級工程を省略しても、或いは分級処理を行ったとしても、高収率でトナーが得られる。更に、離型剤として有効な低軟化点物質を多量にトナー中に内包化させたコア/シェル構造を有するものを容易に得ることができるので、耐オフセット性に優れたトナーが得られる。
粉砕法トナーの製造上の問題点を克服するために、重合性単量体、重合開始剤、着色剤、分散安定剤等からなる組成物を水などの溶媒中に分散させ、同時に重合反応を行わせて所望の粒径を得る懸濁重合法がある(例えば、特許文献5及び6を参照)。また予め乳化重合等の分散重合で小粒径の樹脂乳化物を作り、それに着色剤や荷電制御剤の添加剤等を加え温度や塩析等の操作で特定条件を選んで凝集させることにより極めて分布の狭いトナー粒子を製造する乳化重合/凝集法が提案されている(例えば、特許文献7、8、及び9)。
しかしながら、これらの分散系で重合粒子を経てトナー化する製造方法の場合、分散安定剤・界面活性剤が用いられる。また凝集時には電解質や更なる界面活性剤の添加を行うこともある。そのため合成直後のトナー粒子の表面にはこれらの成分が付着しており、このままでは帯電特性・誘電特性等が極めて悪く、吸水性も高い。従って、かかる製造法によって得られたトナー(以下、重合法トナーと称す)については、洗浄工程が不可欠となる。また、洗浄後は乾燥工程も必要となる。
分散系で重合粒子を経てトナー化する製造方法では、得られたトナー粒子は、水等の溶媒中にスラリーとして存在する。洗浄工程では、先ず、このスラリーの固−液分離を行い、次に洗浄液を加えトナー粒子を再分散させて洗い、また固−液分離を行う。この作業を繰り返して、分散剤等のトナーとして悪影響を及ぼす添加物を除く。
分散系で重合粒子を経てトナー化する製造方法では、得られたトナー粒子は、水等の溶媒中にスラリーとして存在する。洗浄工程では、先ず、このスラリーの固−液分離を行い、次に洗浄液を加えトナー粒子を再分散させて洗い、また固−液分離を行う。この作業を繰り返して、分散剤等のトナーとして悪影響を及ぼす添加物を除く。
固−液分離の具体例として、デカンターを利用したトナーの分離法が記載されている(例えば、特許文献10を参照)。しかし、デカンターの固−液分離効率は低く、分離後に得られるトナーの濾過ケーキの固形分濃度は約40%と極めて悪く、次の乾燥工程では時間とコストがかかる。また、洗浄もデカンター内で行っているが、分離効率の悪さから不要添加物(不純物)の除去のために多量の洗浄水を発生させ、排水処理にも大きな負担が生じる。
また、遠心式の濾過機を用い、洗浄後の固形分濃度を60〜80%と高めて乾燥効率を改善する固−液分離法も発表されている(例えば、特許文献11を参照)。しかし、この製造法ではバケット内面に硬く貼り付いた濾過ケーキを掻き取り装置を用いて掻き落とす必要がある。掻き落としたケーキの塊をそのまま乾燥すると融着したままの大きな乾燥物が得られる危険が高いので、乾燥の前後に別途に解砕工程も必要となる。
また、落としたトナーケーキはベルトコンベア等で乾燥装置に送る必要もあり、その際には塵や埃等の混入を防ぐような対策も必要になる。
この他に、掻き取り装置を不要としたフィルタープレスによる固−液分離法も提案されているが、解砕工程の必要や異物混入防止の問題では遠心式と何ら変わりなく、むしろ洗浄時に再スラリー化のための貯槽・スラリー移送配管・ポンプ等を用いることから、設備全体の複雑さは増し、大きなコスト負担にもなることも課題である。
また、落としたトナーケーキはベルトコンベア等で乾燥装置に送る必要もあり、その際には塵や埃等の混入を防ぐような対策も必要になる。
この他に、掻き取り装置を不要としたフィルタープレスによる固−液分離法も提案されているが、解砕工程の必要や異物混入防止の問題では遠心式と何ら変わりなく、むしろ洗浄時に再スラリー化のための貯槽・スラリー移送配管・ポンプ等を用いることから、設備全体の複雑さは増し、大きなコスト負担にもなることも課題である。
更に、濾過乾燥機を用いたトナーの洗浄、濾過、乾燥方法が提案されている(例えば、特許文献12、13、14、及び15)。この方法の場合、濾布の目詰まりを生じ易い為に、生産性を向上させるために透気量の大きな濾材をつかう必要があるが、それでは近年のトナー小粒子径化のものに対応しきれず、濾液に大量のトナー成分が流出し、廃水処理され、余計な廃棄物を生じて環境負荷をあげる。
溶融混練したトナーでは、所望の粒径を有するトナー粒子を適宜に得る場合、その際の粒度分布の制御は、水系等の分散媒の調製工程を含む造粒工程で行われ、具体的には、高速回転剪断撹拌手段により行われる。例えば、高速回転剪断撹拌手段を用いた製造方法として、ローターが4,500〜21,500回転/分(好ましくは10,000回転/分以上)で回転する撹拌羽根と、それをとり囲むスクリーンにより生じる作用により粒度分布を任意に制御して小粒径トナーを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献16)。
しかしながら、上記のような高速回転剪断撹拌手段においては、処理量の少ない小型のものの撹拌性能を処理量の大きい大型のものにスケールアップしようとすると、撹拌翼径の5乗、回転数の3乗に比例した撹拌所要動力が必要となるため、これに応じた設計が必要となり、装置上の制約が生じる。更に、大型のものにスケールアップすると撹拌に伴う発熱量が大きくなるので、トナー成分が過大な熱を受け、不均一な粒子が生じ易くなる。また、微粒子径が多くなった場合には、静電荷像現像用トナーとして使用したとき、現像器からの飛散を起こして、画像上に筋を発生させるなどの弊害が生じる。
また、前述したように合成直後のトナー粒子を洗浄する方法、或いは引続き乾燥する方法については、従来法の場合、固−液分離が悪いとか、乾燥に手間がかかる等いろいろな問題点がある。
また、前述したように合成直後のトナー粒子を洗浄する方法、或いは引続き乾燥する方法については、従来法の場合、固−液分離が悪いとか、乾燥に手間がかかる等いろいろな問題点がある。
従って、本発明の目的は、非重合法によるトナーの製造方法で、粒子形状の制御を容易して、微粉砕粒子の少ない、シャープな粒度分布を有するトナーを、工業的に、生産性高く且つ安定的に製造することのできる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。また本発明の別の目的は、定着性、耐オフセット性に優れ、フルカラー画像としての特性が充分に満足された高品位画像を形成し得るトナーを得ることのできる静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
本発明者は、タービン又はローターの外径が90mm以上の回転剪断撹拌手段で高速回転剪断撹拌することによって生じる50,000sec−1〜100,000sec−1の速度勾配で、水系分散液に分散させたトナー原料の混練ペレットを高剪断処理することによって造粒すると、シャープな粒度分布を有するトナーを、工業的に、生産性高く且つ安定的に製造できること、また、その後、洗浄工程で濾過材を振動させながら、加圧下に得られた造粒物から洗浄液を除去する操作を複数回行って、且つ第二回以降の操作では容器内で濾滓に洗浄液を加えてスラリーを形成させてトナーの洗浄を行うと、定着性、耐オフセット性に優れ、フルカラー画像としての特性が充分に満足された高品位画像を形成し得るトナーを得ることができることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、以下の構成又は構造を特徴とするものである。
即ち、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、以下の構成又は構造を特徴とするものである。
(1)少なくとも樹脂、及び着色剤が含まれる混合物を溶融混練して、該混練物を水系分散液と共に、タービン又はローターの外径が90mm以上の回転剪断撹拌手段で高速回転剪断撹拌することによって生じる50,000sec−1〜100,000sec−1の速度勾配で高剪断処理することによって造粒し、該造粒物の洗浄に際して、撹拌翼及び濾過材を備えた洗浄容器内で該濾過材を振動させながら前記造粒物から加圧下で水系分散液及び/又は洗浄液を除去する操作を複数回行って、且つその第二回目以降の操作では容器内で濾滓に洗浄液を加えてスラリーとし、繰り返し洗浄した洗浄造粒物からトナーを得ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(2)洗浄工程において、造粒物と分離した洗浄液の電気伝導度が、50μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄をする上記(1)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(3)濾過材の透気度が0.1〜2.9cc/cm2・分(JIS L1079規定)である上記(1)記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(4)上記(1)に記載の高剪断処理により得られた造粒物を洗浄、濾過工程終了後、乾燥工程に入る段階で造粒物ケーキの含水率が35%以下(ケット法)になるようにして、撹拌翼で該ケーキを解砕すると同時に濾過材を振動させて流動させながら真空乾燥することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(5)濾過材の振動数/振幅を200ヘルツ以上/0.1mm以上とする濾過/乾燥方法を含む上記(1)〜(4)の何れかに記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
(6)真空乾燥する操作において、容器及び3枚以上の翼を有する撹拌翼を加温し、加温温度(ジャケット温度、攪拌翼温度)が、造粒樹脂のガラス転移温度の(Tg)+0℃〜(Tg)+10℃の範囲とすることを特徴とする上記(4)記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(3)濾過材の透気度が0.1〜2.9cc/cm2・分(JIS L1079規定)である上記(1)記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(4)上記(1)に記載の高剪断処理により得られた造粒物を洗浄、濾過工程終了後、乾燥工程に入る段階で造粒物ケーキの含水率が35%以下(ケット法)になるようにして、撹拌翼で該ケーキを解砕すると同時に濾過材を振動させて流動させながら真空乾燥することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(5)濾過材の振動数/振幅を200ヘルツ以上/0.1mm以上とする濾過/乾燥方法を含む上記(1)〜(4)の何れかに記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
(6)真空乾燥する操作において、容器及び3枚以上の翼を有する撹拌翼を加温し、加温温度(ジャケット温度、攪拌翼温度)が、造粒樹脂のガラス転移温度の(Tg)+0℃〜(Tg)+10℃の範囲とすることを特徴とする上記(4)記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(7)上記(1)〜(6)の何れかの記載の製造方法で得られたトナーであって、該トナーの質量平均粒径が3〜8μmで、粒度分布における2.0μm未満のものが50個数%以下である静電荷像現像用トナー。
(8)トナーがイエロー、マゼンタ、シアンまたはブラックの何れかの着色剤を含有するカラートナーである上記(7)記載の静電荷像現像用トナー。
(8)トナーがイエロー、マゼンタ、シアンまたはブラックの何れかの着色剤を含有するカラートナーである上記(7)記載の静電荷像現像用トナー。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法にあっては、タービン又はローターの外径が90mm以上の回転剪断撹拌手段で高速回転剪断撹拌することによって、生じる50,000sec−1〜100,000sec−1の速度勾配で、水系分散液に分散させたトナー原料の混練物を高剪断処理することによって造粒するので、トナー中の低粒径の粒度が少なくなり、定着性、耐オフセット性に優れ、フルカラー画像としての特性が充分に満足された高品位画像が得られるトナーを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも樹脂、及び着色剤が含まれる混合物を溶融混練したものをトナー原料としている。トナーの性能を改良する目的で、混合物には樹脂、及び着色剤以外のものが含まれていても良い。特に、混合物が荷電制御剤(又は荷電制御剤)及びワックス(定着離型剤等として)を含むものである。
樹脂としては、トナーに使用される一般的な結着樹脂であれば良い。具体的には、ポリエステル系類、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂等の重合体および共重合体を例示することができる。本発明では特に汎用されているポリエステル系樹脂が挙げられる。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも樹脂、及び着色剤が含まれる混合物を溶融混練したものをトナー原料としている。トナーの性能を改良する目的で、混合物には樹脂、及び着色剤以外のものが含まれていても良い。特に、混合物が荷電制御剤(又は荷電制御剤)及びワックス(定着離型剤等として)を含むものである。
樹脂としては、トナーに使用される一般的な結着樹脂であれば良い。具体的には、ポリエステル系類、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルケトン系樹脂等の重合体および共重合体を例示することができる。本発明では特に汎用されているポリエステル系樹脂が挙げられる。
着色剤は、黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用いて黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15;3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15;3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し、更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤がカラートナーの場合、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から適宜に選択される。
着色剤の添加量は、例えば、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤の場合と異なり、樹脂100質量部に対し40〜150質量部添加して用いることが好ましい。
着色剤の添加量は、例えば、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤の場合と異なり、樹脂100質量部に対し40〜150質量部添加して用いることが好ましい。
荷電制御剤は上記の混合物に必ずしも必要としないが、トナーの荷電調整上、添加することが好ましい。荷電制御剤としては、従来公知のものを何れのものも利用できる。例えば、カラートナーの場合は、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤を用いることが好ましい。更に、重合阻害性がなく、水系への可溶化物のない荷電制御剤を用いることが特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系として、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。本発明では特にアルキルサリチル酸金属塩が挙げられる。カラー用としては、無色のアルキルサリチル酸の金属塩が望ましい。
そして、これらの荷電制御剤は、樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部程度用いることが好ましい。しかしながら、本発明においては、上記したような荷電制御剤の添加は必須ではなく、例えば、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤーとの摩擦帯電を利用し、或いは、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においては、ブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することで、トナー中に必ずしも荷電制御剤を含有させる必要はなくなる。荷電制御剤は、トナーに使用される一般的な荷電制御剤であれば良い。
ワックスは、トナーに使用される一般的なワックスであれば、その使用が限られるものではない。具体的には、モンタン酸エステルワックス、カルナバワックス等の天然ワックス、高圧法ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ワックス、シリコーン系ワックス、フッ素系ワックス等が挙げられる。ワックスは、結着樹脂100質量部に対して1〜30質量部が好ましい。本発明では特にカルナバワックスが使用される。
本発明の製造方法に係る第1製造工程(混合・溶融混練)は上述の混合物を溶融混練により十分に分散処理することである。混合機及び混練機は、トナーの製造に使用される一般的なものであれば特にその使用を制限しない。また本発明は粉砕法を採用しており、粉砕法は溶融混練時に低温度で高いシェア(shear;剪断)を加えることが可能なオープンロール方式の混練機を用いることにより、高含有の顔料又は相当量のワックス類を混合物に添加した場合であっても、十分な分散状態を得ることが出来るので、特に望ましい。このような混練機の構成の一例を示すと、例えば、原料を搬送する為の溝と原料を加熱する加熱部とを有する第1混練ロール、及び搬送溝と原料を冷却する冷却部とを有する第2混練ロールが、間隙を置いて平行に配置され、第1混練ロール及び第2混練ロールを異なる方向に回転させ、原料が間隙を通過するときに剪断力を加えるものがある。
本発明に係るトナーの第1製造工程では、結着樹脂、着色剤、又は予め結着樹脂中に着色剤を予備分散させた所謂マスターバッチ組成物等の主成分に、必要に応じて荷電制御剤、ワックス類及び分散剤等の添加材料を混合機で乾式混合した後、熱溶融混練して均一分散させる工程で行う。
本発明に係るトナーの第1製造工程では、結着樹脂、着色剤、又は予め結着樹脂中に着色剤を予備分散させた所謂マスターバッチ組成物等の主成分に、必要に応じて荷電制御剤、ワックス類及び分散剤等の添加材料を混合機で乾式混合した後、熱溶融混練して均一分散させる工程で行う。
具体的な混合機は、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、メカノミル(岡田精工社製)等のヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、コスモシステム(川崎重工業社製)等の装置を用いれば良い。
混練機は、TEM−100B(東芝機械製),PCM−65/87(池貝製)等の1軸若しくは2軸のエクストルーダー、又はニーディックス(三井鉱山社製)等のオープンロール方式のものを用いれば良い。特に溶融混練操作においては、添加剤を効率良く分散させる為に、溶融時の樹脂粘度が下がり過ぎないよう、低温度での高シェア混練が望ましく、特にオープンロール方式のもの等が望ましい。
混練機は、TEM−100B(東芝機械製),PCM−65/87(池貝製)等の1軸若しくは2軸のエクストルーダー、又はニーディックス(三井鉱山社製)等のオープンロール方式のものを用いれば良い。特に溶融混練操作においては、添加剤を効率良く分散させる為に、溶融時の樹脂粘度が下がり過ぎないよう、低温度での高シェア混練が望ましく、特にオープンロール方式のもの等が望ましい。
本発明の第2製造工程(高速回転剪断撹拌)に使用する高速回転剪断撹拌機は、タービン又はローターの外径が90mm以上のものである。攪拌機が高速回転剪断撹拌することによって生じる50,000sec−1〜100,000sec−1の速度勾配で、上述の混練ペレット又は混練塊を含む水系分散液を高剪断処理することによって造粒するものである。
混練物と共に添加する水系分散液は水を単独使用しても良く、また、アルコールなどの一部又は全部を水系分散液として使用しても良い。また、造粒を助けるために高分子界面活性剤などを添加しても良い。
高速回転剪断攪拌機はホモミキサー、ホモジナイザー等で総称されている撹拌機であり、該撹拌機では、高速回転する特殊形状のタービンまたはローターと、回転部から2mm以下のクリアランスを隔ててその外周部に設置されたステーターまたはスクリーンとから構成されている。そして、周速約1m/秒〜約40m/秒で高速回転するタービンまたはローターと、ステーターまたはスクリーンとの間で生じる剪断力、圧力変動、キャビテーション、衝突力、ポテンシャルコア等の機械的エネルギーによって撹拌を行う。
混練物と共に添加する水系分散液は水を単独使用しても良く、また、アルコールなどの一部又は全部を水系分散液として使用しても良い。また、造粒を助けるために高分子界面活性剤などを添加しても良い。
高速回転剪断攪拌機はホモミキサー、ホモジナイザー等で総称されている撹拌機であり、該撹拌機では、高速回転する特殊形状のタービンまたはローターと、回転部から2mm以下のクリアランスを隔ててその外周部に設置されたステーターまたはスクリーンとから構成されている。そして、周速約1m/秒〜約40m/秒で高速回転するタービンまたはローターと、ステーターまたはスクリーンとの間で生じる剪断力、圧力変動、キャビテーション、衝突力、ポテンシャルコア等の機械的エネルギーによって撹拌を行う。
以上のような高速回転剪断撹拌を可能とする高速回転剪断撹拌機としては、上市されているものとしては、具体的には、T.Kホモミキサー(特殊機化工業(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)、ポリトロンホモジナイザー(KINEMATICA)、スープラトン(月島機械(株)製)等の機種が挙げられる。これらの高速回転剪断撹拌機による撹拌条件については、高速回転するタービンまたはローターの周速をxm/秒、タービンまたはローターとステーターまたはスクリーンとのクリアランスをymmとしたときに、x/(y×10−3)・sec−1で求められる速度勾配で表わすことができる。
従って、第2製造工程は、上記の撹拌機の高速回転剪断撹拌によって水系分散液中に生じる50,000sec−1を超える速度勾配の高剪断下で、混練物を湿式粉砕する。即ち、高速回転剪断撹拌が50,000sec−1未満の速度勾配を与えた場合は、混練ペレット又は塊を目的粒子径まで小さくするための粉砕エネルギーが得られない。このため、製造されるトナーの粒度分布が幅広くなり、静電荷像現像用トナーとして使用したときに現像器からの飛散を起こし、画像上にムラを発生させる。
また、高速回転剪断攪拌機が100,000sec−1を超える速度勾配を与えるには、タービン又はローターの径を90mm未満としなければならい。このような径では、大量処理ができなくなる。
また、高速回転剪断攪拌機が100,000sec−1を超える速度勾配を与えるには、タービン又はローターの径を90mm未満としなければならい。このような径では、大量処理ができなくなる。
高速回転剪断攪拌機のタービンまたはローターの径は、90mm以上の範囲のものである。タービン又はローター径が90mm未満では既に述べたように、速度勾配を生じる高剪断を得ることが可能であるが、大量の処理ができない。
本発明の第3製造工程(洗浄工程)は、実質的に必要な成分を含んだ造粒物(トナー粒子)を製造した後に、洗浄剤を用いて造粒物表面に付着した分散剤等の不必要な成分を取り除くための一連の操作を含む工程である。洗浄工程は、撹拌翼及び濾過材を有する容器を用いて行う。造粒物は上述の水系分散液、或いは、新たに洗浄剤を加えたスラリーの状態のものを洗浄する。
洗浄に際して、撹拌翼及び濾過材を備えた洗浄容器内で該濾過材を振動させながら、上述の造粒物から加圧下で水系分散液及び/又は洗浄液を除去する操作を複数回行う。またその第二回目以降の操作では容器内で濾滓に洗浄液を加えてスラリーとし、繰り返し洗浄する。
造粒物の一連の洗浄工程は同一の容器内で行うことが好ましい。一連の洗浄工程とは、具体的には、造粒物、及び水系分散液、及び/又は洗浄液を撹拌する操作、及び支持する濾板と共に濾過材を振動させながらそのスラリーを加圧濾過し、造粒物から洗浄液を分離する操作である。濾過材の振動、即ちそれを支持する濾板の振動は、濾過方向の垂直方向に対してほぼ水平方向に振動させる。振動子の振動数/振幅としては、200Hz以上/0.1mm以上、特に200Hz以上/1.0mm以上、とすることが好ましい。振動数/振幅が小さいと充分な濾過速度の向上が期待できない。
洗浄に際して、撹拌翼及び濾過材を備えた洗浄容器内で該濾過材を振動させながら、上述の造粒物から加圧下で水系分散液及び/又は洗浄液を除去する操作を複数回行う。またその第二回目以降の操作では容器内で濾滓に洗浄液を加えてスラリーとし、繰り返し洗浄する。
造粒物の一連の洗浄工程は同一の容器内で行うことが好ましい。一連の洗浄工程とは、具体的には、造粒物、及び水系分散液、及び/又は洗浄液を撹拌する操作、及び支持する濾板と共に濾過材を振動させながらそのスラリーを加圧濾過し、造粒物から洗浄液を分離する操作である。濾過材の振動、即ちそれを支持する濾板の振動は、濾過方向の垂直方向に対してほぼ水平方向に振動させる。振動子の振動数/振幅としては、200Hz以上/0.1mm以上、特に200Hz以上/1.0mm以上、とすることが好ましい。振動数/振幅が小さいと充分な濾過速度の向上が期待できない。
洗浄工程に使用される容器は、撹拌翼、濾過材、濾板、及び振動子を有している。洗浄工程に付される造粒物は、十分なスラリー状とするための分散剤を含んでもよい。
洗浄工程の最初の操作としては、(A)スラリーを加圧濾過して造粒物から液を分離する操作(以下、加圧濾過する操作と称することがある)、又は(B)スラリーに洗浄液を加えて撹拌する操作(以下、単に撹拌する操作と称することがある)、の何れかが行われる。
(A)の濾過材を振動させながら加圧濾過する操作を最初にした場合、造粒物は、液とほぼ分離されており、通常、ケーキ状の造粒物塊となっている。
次に、この造粒物塊に洗浄液を加えて撹拌する操作が行われる。
また、濾過材を振動させながら(B)の撹拌する操作を最初に行った場合、造粒物、水系分散液、洗浄液を含むスラリーの状態であるので、次には、造粒物を、溶媒及び洗浄液から分離するために、加圧濾過の操作が行われる。
尚、加圧濾過する操作における加圧とは、容器内の圧力を洗浄液の排出口側の圧力に対して大きくするという意味であり、従って、容器内を加圧する場合の他、排出口側を減圧する場合も含む。
洗浄工程の最初の操作としては、(A)スラリーを加圧濾過して造粒物から液を分離する操作(以下、加圧濾過する操作と称することがある)、又は(B)スラリーに洗浄液を加えて撹拌する操作(以下、単に撹拌する操作と称することがある)、の何れかが行われる。
(A)の濾過材を振動させながら加圧濾過する操作を最初にした場合、造粒物は、液とほぼ分離されており、通常、ケーキ状の造粒物塊となっている。
次に、この造粒物塊に洗浄液を加えて撹拌する操作が行われる。
また、濾過材を振動させながら(B)の撹拌する操作を最初に行った場合、造粒物、水系分散液、洗浄液を含むスラリーの状態であるので、次には、造粒物を、溶媒及び洗浄液から分離するために、加圧濾過の操作が行われる。
尚、加圧濾過する操作における加圧とは、容器内の圧力を洗浄液の排出口側の圧力に対して大きくするという意味であり、従って、容器内を加圧する場合の他、排出口側を減圧する場合も含む。
以後、洗浄液を加えて撹拌する操作(この場合の攪拌は絶対必要なものではなく、静置濾過としてもよい)と、振動加圧濾過する操作を交互に、それぞれ2回以上の複数回行われる。造粒物を十分に洗浄するためには、これらの操作をそれぞれ3回以上行うのが好ましく、5回以上行うのが更に好ましい。操作の回数が多ければ多い方が洗浄という点では好ましいが、濾液の電気伝導度が50μS/cm以下となるまで実施することが好ましい。
洗浄工程で使用する撹拌翼は、加圧濾過する操作と、解砕する操作を行うことができるものが良く、従来公知のものが使用できる。好ましくは3枚羽根以上で、羽根内部に熱媒を通せるようにしたものがよい。
具体的には、WDフィルター((株)ニッセン)、フィルタードライヤー(神鋼パンテック(株))、ロゼンムンドータナベフィルタードライヤー(タナベウィルテック(株))製などである。
上記の撹拌翼は、加圧濾過する操作を行う際に、更に造粒物(ケーキ状の造粒塊)を撹拌翼により押圧し、造粒物からの洗浄液について分離を促進することが出来るので、洗浄工程の繰り返し回数を少なくすることができる。
具体的には、WDフィルター((株)ニッセン)、フィルタードライヤー(神鋼パンテック(株))、ロゼンムンドータナベフィルタードライヤー(タナベウィルテック(株))製などである。
上記の撹拌翼は、加圧濾過する操作を行う際に、更に造粒物(ケーキ状の造粒塊)を撹拌翼により押圧し、造粒物からの洗浄液について分離を促進することが出来るので、洗浄工程の繰り返し回数を少なくすることができる。
濾過材は、トナー粒子が透過せず洗浄液が透過するように設計された有孔の板或いは布状の材料が用いられ、その透気度は0.1〜2.9cc/cm2・分(JIS L1079)のものが好ましい。透気度が小さすぎると濾過速度が低下し、大きすぎると濾液への固形分の流出が増えて好ましくない。
加圧濾過操作を行う際に、併せて撹拌翼で造粒物を押圧する場合には、濾過材は、容器の下面に位置していることが好ましい。
加圧濾過操作を行う際に、併せて撹拌翼で造粒物を押圧する場合には、濾過材は、容器の下面に位置していることが好ましい。
洗浄液は、造粒物を溶解せず常態で液状のものを用いることができるが、水、又は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール、或いはこれらの混合物が好ましく用いられる。
また、洗浄の度合いを電気伝導度で測定する場合には、主成分が水である洗浄液が用いられ、中でも、電気伝導度が1μS/cm以下の蒸留水が好ましい。
電気伝導度のより小さい脱塩水を用いれば、洗浄工程の繰り返し回数を低減することができる。尚、脱塩水の電気伝導度の下限は0であり、理論上電気伝導度0のものを用いるのが良い、現状では電気伝導度0の脱塩水は工業的に得るのは困難であって、実際の下限値は、測定限界以下のものである。
また、洗浄の度合いを電気伝導度で測定する場合には、主成分が水である洗浄液が用いられ、中でも、電気伝導度が1μS/cm以下の蒸留水が好ましい。
電気伝導度のより小さい脱塩水を用いれば、洗浄工程の繰り返し回数を低減することができる。尚、脱塩水の電気伝導度の下限は0であり、理論上電気伝導度0のものを用いるのが良い、現状では電気伝導度0の脱塩水は工業的に得るのは困難であって、実際の下限値は、測定限界以下のものである。
また、洗浄の度合いを電気伝導度で測定する場合には、濾過された洗浄剤の電気伝導度が、好ましくは50μS/cm以下となるまで、更に好ましくは10μmS/cm以下となるまで、最も好ましくは5μmS/cm以下となるまで洗浄工程を繰り返すのが望ましい。
本発明の製造方法の第4製造工程(乾燥工程)は、洗浄後の同一の容器で乾燥しても良く、また別の乾燥装置を使用して乾燥しても良い。
例えば、上述と同一容器内で乾燥する場合は、スムージングにより固まったケーキを撹拌翼を逆回転させながら解砕する。次いで、装置外周のジャケット部等に温水を張って内部温度を一定温度にして乾燥する。このような乾燥温度は、好ましくは上述したように樹脂、即ち結着樹脂のガラス転移温度(Tg)+0からガラス転移温度(Tg)+10℃の範囲になるように調整することが好ましい。また、系内を好ましくは10mmHg以下の減圧下にし濾過材を振動させながら乾燥する。
例えば、上述と同一容器内で乾燥する場合は、スムージングにより固まったケーキを撹拌翼を逆回転させながら解砕する。次いで、装置外周のジャケット部等に温水を張って内部温度を一定温度にして乾燥する。このような乾燥温度は、好ましくは上述したように樹脂、即ち結着樹脂のガラス転移温度(Tg)+0からガラス転移温度(Tg)+10℃の範囲になるように調整することが好ましい。また、系内を好ましくは10mmHg以下の減圧下にし濾過材を振動させながら乾燥する。
乾燥工程に入る前段階のケーキ水分率としては、35質量%以下、特に25〜35質量%以下とすることが好ましい。水分量が多すぎると乾燥に時間が掛かりすぎ、水分値が低すぎるとケーキが圧密されて、これも乾燥時間を長くしてしまう。
この際、真空側にはバグフィルター及び窒素ガスの噴出弁を備えた経路を設け、乾燥トナー粒子の真空側への飛散を防止し、一定時間毎にフィルターにパルス噴射をして容器内に飛散トナーを戻すことが好ましい。乾燥時間は、絞りきり水分量、振動子による振動条件などにより適宜選択する。
尚、乾燥終了後は温度を下げて、例えば乾燥窒素ガスで復圧しながら、缶体側部の排出口より造粒物、即ち、所定粒径及び粒径分布を有したトナーを取り出す。振動子の振動数/振幅としては、200Hz以上/1mm以上とすることが好ましい。振動数/振幅が小さいと充分な乾燥時間の短縮が行えず好ましくない。
この際、真空側にはバグフィルター及び窒素ガスの噴出弁を備えた経路を設け、乾燥トナー粒子の真空側への飛散を防止し、一定時間毎にフィルターにパルス噴射をして容器内に飛散トナーを戻すことが好ましい。乾燥時間は、絞りきり水分量、振動子による振動条件などにより適宜選択する。
尚、乾燥終了後は温度を下げて、例えば乾燥窒素ガスで復圧しながら、缶体側部の排出口より造粒物、即ち、所定粒径及び粒径分布を有したトナーを取り出す。振動子の振動数/振幅としては、200Hz以上/1mm以上とすることが好ましい。振動数/振幅が小さいと充分な乾燥時間の短縮が行えず好ましくない。
本発明の製造方法で得られるトナーは、イエロー、マゼンタ、シアンまたはブラックの着色剤を含む、ブラックトナー及びカラートナーである。これらのトナーは、質量平均粒子径が3〜8μm、粒度分布における2.0μm以下のものの割合が50個数%以下であるものである。特に、2.0μm以下のものの割合が40個数%以下であることが好ましい。
上記の各種トナー特性付与を目的として使用される外添剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の質量平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。ここでいう添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。
外添剤としては、例えば、以下のようなものが用いられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物、窒化ケイ素などの窒化物、炭化ケイ素などの炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、カーボンブラックやシリカなどが挙げられる。これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは、0.05〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、又、複数併用してもよい。又、夫々、疎水化処理を行ったものを用いることがより好ましい。
外添剤としては、例えば、以下のようなものが用いられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物、窒化ケイ素などの窒化物、炭化ケイ素などの炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、カーボンブラックやシリカなどが挙げられる。これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは、0.05〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、又、複数併用してもよい。又、夫々、疎水化処理を行ったものを用いることがより好ましい。
平均粒径や粒度分布の測定等、各種の測定方法は以下の従来からの測定方法を採用することができる。トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能である。本発明では例えば、コールターマルチサイザーを用い、更に、個数分布及び体積分布を出力するためのインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続したものを用いる。測定の際に用いる電解液には、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製して用いる。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用できる。測定法としては、上記の電解水溶液約100ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは、アルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、前記したコールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、粒度分布から求めた体積基準の質量平均粒径(各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求める。また2.0μm以上のトナーの個数を測定して個数%を求める。
次に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例によって制限されるものではない。尚、文中に「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準を表す。
<製造の第1工程>
(混練物1〜3)
結着樹脂として、ガラス転移温度Tg=60℃、1/2フロー軟化温度Tm=110℃のポリエステル樹脂、予め結着樹脂中に40質量%の濃度で予備混練分散させた各色顔料の混練物、及び電荷制御剤をヘンシェルミキサーに投入し、10分間混合した原材料混合物を得る。製造トナーの所望の顔料濃度に応じて、各組成材料は、下記に示す条件を満たす量をそれぞれ投入する。
ポリエステル系樹脂84質量部、上記の顔料混練物10質量部、カルナバワックス(軟化点83℃)4質量部、及び荷電制御剤(アルキルサリチル酸金属塩)2質量部とする。
尚、顔料は、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15−3を、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー74を用いた。それぞれ混合物1、混合物2、及び混合物3とした。
結着樹脂の1/2フロー軟化点温度Tmは、高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500)を用い、サンプルの半分が流出する温度を測定したものである(試料:1g、昇温速度:6℃/分、荷重:20kg/cm2、ノズル:1mmφ×1mm)。
<製造の第1工程>
(混練物1〜3)
結着樹脂として、ガラス転移温度Tg=60℃、1/2フロー軟化温度Tm=110℃のポリエステル樹脂、予め結着樹脂中に40質量%の濃度で予備混練分散させた各色顔料の混練物、及び電荷制御剤をヘンシェルミキサーに投入し、10分間混合した原材料混合物を得る。製造トナーの所望の顔料濃度に応じて、各組成材料は、下記に示す条件を満たす量をそれぞれ投入する。
ポリエステル系樹脂84質量部、上記の顔料混練物10質量部、カルナバワックス(軟化点83℃)4質量部、及び荷電制御剤(アルキルサリチル酸金属塩)2質量部とする。
尚、顔料は、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15−3を、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー74を用いた。それぞれ混合物1、混合物2、及び混合物3とした。
結着樹脂の1/2フロー軟化点温度Tmは、高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500)を用い、サンプルの半分が流出する温度を測定したものである(試料:1g、昇温速度:6℃/分、荷重:20kg/cm2、ノズル:1mmφ×1mm)。
得られた混合物1〜3は、三井鉱山(株)製ニーディックスMOS140−800の混練機で溶融混練分散させる。混練条件は、フロントロールの供給側温度75℃、排出側温度50℃、バックロールの供給側温度、排出側温度共に20℃、フロントロール回転数75rpm、バックロール回転数60rpm、原材料供給速度10kg/hである。尚、全てのサンプルで混練分散工程における赤外線非接触温度計による混練材料の温度は、何れの混練ポイントにおいても120℃以下である。得られたサンプルをそれぞれ混練物1、2、3とした。
(混練物4、及び5の製造)
混練物中の顔料を混練物2と同様のシアンとし、その顔料濃度が10質量%となるようにしたこと、ワックス添加量3質量部、又は10質量部に変更した以外は混練物1〜3と同様にして製造した。これを混練物4及び5とした。その配合状態を以下の表1に示した。
混練物中の顔料を混練物2と同様のシアンとし、その顔料濃度が10質量%となるようにしたこと、ワックス添加量3質量部、又は10質量部に変更した以外は混練物1〜3と同様にして製造した。これを混練物4及び5とした。その配合状態を以下の表1に示した。
<製造の第2工程>
(造粒物1)
内容積200リットルの容器中で、下記の成分を混合し、110℃に加温した後、高速回転剪断撹拌機クレアミックスCLM−30W(エム・テクニック(株)製、〔使用ローターの最長径165mm、クリアランス0.5mm〕)を用いて速度勾配85,000sec−1で撹拌した。
水910質量部、混練物1450質量部、及び高分子系界面活性剤(商品名:ジョングリル52)30質量部とする。
上記で得られた造粒物1について、コールターマルチサイザーで粒度分布を測定したところ、質量平均径が5.2μmで、2.0μm以下の粒子を測定したところ37個数%であり、微粒子が少ないことがわかった。
(造粒物1)
内容積200リットルの容器中で、下記の成分を混合し、110℃に加温した後、高速回転剪断撹拌機クレアミックスCLM−30W(エム・テクニック(株)製、〔使用ローターの最長径165mm、クリアランス0.5mm〕)を用いて速度勾配85,000sec−1で撹拌した。
水910質量部、混練物1450質量部、及び高分子系界面活性剤(商品名:ジョングリル52)30質量部とする。
上記で得られた造粒物1について、コールターマルチサイザーで粒度分布を測定したところ、質量平均径が5.2μmで、2.0μm以下の粒子を測定したところ37個数%であり、微粒子が少ないことがわかった。
(造粒物2〜5)
混練物1を混練物2〜5に変えた以外は、造粒物1と同様の方法にて造粒物2〜5を得た。そして、得られた造粒物2〜5の粒度分布をコールターマルチサイザーで測定した結果を表2に示す。
(造粒物6)
クレアミックスCLM−28W(エム・テクニック(株)製、〔使用ローターの最長径105mm、クリアランス0.5mm〕)を用いて速度勾配55,000sec−1とした以外は、造粒物1と同様の方法により、造粒物6を得た。そして、得られた造粒物6の粒度分布をコールターマルチサイザーで測定した結果を表2に示す。
混練物1を混練物2〜5に変えた以外は、造粒物1と同様の方法にて造粒物2〜5を得た。そして、得られた造粒物2〜5の粒度分布をコールターマルチサイザーで測定した結果を表2に示す。
(造粒物6)
クレアミックスCLM−28W(エム・テクニック(株)製、〔使用ローターの最長径105mm、クリアランス0.5mm〕)を用いて速度勾配55,000sec−1とした以外は、造粒物1と同様の方法により、造粒物6を得た。そして、得られた造粒物6の粒度分布をコールターマルチサイザーで測定した結果を表2に示す。
(造粒物7)
水系分散液の調製時及び造粒時の高速回転剪断撹拌手段として、クレアミックスCLM−25W(エム・テクニック(株)製、〔使用ローターの最長径85mm、クリアランス0.5mm〕)を用い、速度勾配55,000sec−1をつかった以外は、トナー粒子造粒1と同様にして、造粒物7を得た。上記で得られた造粒物をコールターマルチサイザーで粒度分布を測定した結果を表2に示す。
水系分散液の調製時及び造粒時の高速回転剪断撹拌手段として、クレアミックスCLM−25W(エム・テクニック(株)製、〔使用ローターの最長径85mm、クリアランス0.5mm〕)を用い、速度勾配55,000sec−1をつかった以外は、トナー粒子造粒1と同様にして、造粒物7を得た。上記で得られた造粒物をコールターマルチサイザーで粒度分布を測定した結果を表2に示す。
(造粒物8:比較用)
クレアミックスCLM−30Wの回転数を速度勾配35,200sec−1にした以外は、トナー粒子造粒1と同様にしてトナー粒子を得た。得られたトナー粒子について、コールターマルチサイザーで体積粒度分布を測定した結果を表2に示す。
尚、表2において造粒性は、粒度分布幅(CV)20以下を○、20〜25の範囲を△
30以上を×と範囲判定した。
クレアミックスCLM−30Wの回転数を速度勾配35,200sec−1にした以外は、トナー粒子造粒1と同様にしてトナー粒子を得た。得られたトナー粒子について、コールターマルチサイザーで体積粒度分布を測定した結果を表2に示す。
尚、表2において造粒性は、粒度分布幅(CV)20以下を○、20〜25の範囲を△
30以上を×と範囲判定した。
<第3製造工程、及び第4製造工程>
・スラリーの洗浄及び乾燥
(トナー1の製造例)
濾布(ポリプロピレン製、通気量2cc/cm2・分)を容器内下部の分離式濾盤に取り付けた3枚翼で翼内部に熱媒を通せるようにしたフィルタードライヤー(神鋼環境ソリューション社製:FD−10型、濾過面積0.1m2)に、造粒物1のスラリーを16.0kg移送した。この時のスラリー液の導電度をラコムテスター(Eutech Inst.Pte.Ltd製)で測定すると15.4mS/cmであった。
・スラリーの洗浄及び乾燥
(トナー1の製造例)
濾布(ポリプロピレン製、通気量2cc/cm2・分)を容器内下部の分離式濾盤に取り付けた3枚翼で翼内部に熱媒を通せるようにしたフィルタードライヤー(神鋼環境ソリューション社製:FD−10型、濾過面積0.1m2)に、造粒物1のスラリーを16.0kg移送した。この時のスラリー液の導電度をラコムテスター(Eutech Inst.Pte.Ltd製)で測定すると15.4mS/cmであった。
次に容器内を密閉して、振動子を350Hz、濾板振幅0.5mm(濾過方向に対して垂直)で振動させながら、1.9kg/cm2に加圧後、濾板下にある排水コックを開き加圧下で濾過を行った。この時、容器内の撹拌翼は液面より上に移動させておき、濾過の進捗に伴いケーキ面が現れて来たら、容器内へ脱イオン水30kgを加えて、10rpmで撹拌しながら加圧濾過を行った。この時の排水の導電度は、導電度は1200μS/cmであった。
更に、脱イオン水30kgを投入して、前と同じ条件で加圧濾過を行い、排水の導電度を測定した。この水洗浄を3回繰り返した後、スムージング処理し、絞り処理した。このときの導電度は、16.8μS/cmであった。
この結果から電解質や界面活性剤が充分に洗浄できたと判断した。この時の含水率は32.7%(ケット法、150℃条件、30分)であった。
更に、脱イオン水30kgを投入して、前と同じ条件で加圧濾過を行い、排水の導電度を測定した。この水洗浄を3回繰り返した後、スムージング処理し、絞り処理した。このときの導電度は、16.8μS/cmであった。
この結果から電解質や界面活性剤が充分に洗浄できたと判断した。この時の含水率は32.7%(ケット法、150℃条件、30分)であった。
次の乾燥工程では、先ずスムージングで固まったケーキを、撹拌翼を逆回転させながら解砕してケーキを解した。
それから装置外周のジャケット部及び撹拌翼内に温水を流し(温度(TJ)℃)、内部温度がガラス転移温度以下になるように調整し、30rpmで撹拌しながら系内を減圧(5〜10Torr)して造粒物を乾燥してトナーを得た。このとき、真空側にはバグフィルター(テトロン(登録商標)製、通気量200cc/cm2・分)と窒素ガスの噴出弁を備えた経路を設け、乾燥トナーの真空側への飛散を防止し、一定時間毎にフィルターにパルス噴射をして容器内に飛散トナーを戻すようにした。
それから装置外周のジャケット部及び撹拌翼内に温水を流し(温度(TJ)℃)、内部温度がガラス転移温度以下になるように調整し、30rpmで撹拌しながら系内を減圧(5〜10Torr)して造粒物を乾燥してトナーを得た。このとき、真空側にはバグフィルター(テトロン(登録商標)製、通気量200cc/cm2・分)と窒素ガスの噴出弁を備えた経路を設け、乾燥トナーの真空側への飛散を防止し、一定時間毎にフィルターにパルス噴射をして容器内に飛散トナーを戻すようにした。
5時間加熱真空乾燥後、温度を下げて乾燥窒素で復圧してから容器体側部の排出口を開けて、撹拌翼を回転させてトナーをその排出口から押し出すような状態で取り出した。この時の仕込みスラリーの固形分に対する回収率は84%で、またコールターカウンターで測定した質量平均粒径は5.3μmで洗浄処理前と殆ど同一粒径であった。
得られたトナーに疎水性シリカを0.6質量%外添して、シャープ製AR−230改造機に連続走行試験を行ったところ、3千枚後もトナーは安定した特性を維持し、良好な画像が形成された。
得られたトナーに疎水性シリカを0.6質量%外添して、シャープ製AR−230改造機に連続走行試験を行ったところ、3千枚後もトナーは安定した特性を維持し、良好な画像が形成された。
下記の表3、及び表4に示した条件にて、トナー1と同様の操作によりトナー2〜20を得た。
トナー11については、静置洗浄であり原液濾過の後、原液濾過の進捗に伴いケーキ面が現れて来たら、完全にケーキ面が見える前に、脱イオン水30kgを加えて攪拌を停止した状態で加圧濾過を行った。他の操作方法はトナー1と同様である。尚、表中、濾過時間の判定、及び乾燥時間の判定は以下の評価に従うものである。
トナー11については、静置洗浄であり原液濾過の後、原液濾過の進捗に伴いケーキ面が現れて来たら、完全にケーキ面が見える前に、脱イオン水30kgを加えて攪拌を停止した状態で加圧濾過を行った。他の操作方法はトナー1と同様である。尚、表中、濾過時間の判定、及び乾燥時間の判定は以下の評価に従うものである。
(濾過時間の判定)
濾過操作時間の長さで判断(洗浄液の投入時間などは含まず、原液濾過、洗浄濾液が所定伝導率になるまでの洗浄濾過の時間の合計で判断)。100分以下を○、150分を△、及び200分以上を×とする。
(乾燥時間の判定)
水分率が0.3質量%以下となるまでに要した時間で判断。5時間以下を○、7時間を△、及び9時間以上を×とする。
濾過操作時間の長さで判断(洗浄液の投入時間などは含まず、原液濾過、洗浄濾液が所定伝導率になるまでの洗浄濾過の時間の合計で判断)。100分以下を○、150分を△、及び200分以上を×とする。
(乾燥時間の判定)
水分率が0.3質量%以下となるまでに要した時間で判断。5時間以下を○、7時間を△、及び9時間以上を×とする。
実施例1〜11、比較例1〜3、及び試験例1〜6については、表3、及び表4に示すとおりであり、その評価結果も示す。本発明に係るトナーの製造方法によれば、効率的に環境負荷の小さい方法で、優れた性能のトナーを得ることが出来る。また、試験例1〜6にあっては、試験例1は乾燥時の水分が40%以上である場合、試験例2では濾過材の通気量を大きくしたもの、試験例3では濾過材の通気量を小さくしたもの、試験例4、5では2枚羽根を使用したもの、試験例5では更に熱媒体を通じないものである。また、試験例6は振動条件が50Hzのものである。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法では、粒子形状の制御を容易して、微粉砕粒子量の少ない、シャープな粒度分布を有するトナーを、工業的に、生産性高く且つ安定的に製造することのでき、このようなトナーが定着性、耐オフセット性に優れ、フルカラー画像としての特性が充分に満足された高品位画像を形成し得るトナーを得ることのできる産業上の利用可能性の高いものである。
Claims (8)
- 少なくとも樹脂、及び着色剤が含まれる混合物を溶融混練して、該混練物を水系分散液と共に、タービン又はローターの外径が90mm以上の回転剪断撹拌手段で高速回転剪断撹拌することによって生じる50,000sec−1〜100,000sec−1の速度勾配で高剪断処理することによって造粒し、該造粒物の洗浄に際して、撹拌翼及び濾過材を備えた洗浄容器内で該濾過材を振動させながら、前記造粒物から加圧下で水系分散液、及び/又は洗浄液を除去する操作を複数回行って、且つその第二回目以降の操作では容器内で濾滓に洗浄液を加えてスラリーとし、繰り返し洗浄した洗浄造粒物からトナーを得ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 洗浄工程において、造粒物と分離した洗浄液の電気伝導度が、50μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄をする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 濾過材の透気度が0.1〜2.9cc/cm2・分(JIS L1079規定)である請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1に記載の高剪断処理により得られた造粒物を洗浄、濾過工程終了後、乾燥工程に入る段階で造粒物ケーキの含水率が35%以下(ケット法)になるようにして、撹拌翼で該ケーキを解砕すると同時に濾過材を振動させて流動させながら真空乾燥することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 濾過材の振動数/振幅を200ヘルツ以上/0.1mm以上とする濾過及び乾燥方法を含む請求項1〜4の何れかの項に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
- 真空乾燥する操作において、容器及び3枚以上の翼を有する撹拌翼を加温し、加温温度(ジャケット温度、攪拌翼温度)が、造粒樹脂のガラス転移温度の(Tg)+0℃〜(Tg)+10℃の範囲とすることを特徴とする請求項4記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1〜6の何れかの項に記載の製造方法で得られたトナーであって、該トナーの質量平均粒径が3〜8μmで、粒度分布における2.0μm以下のものが50個数%以下である静電荷像現像用トナー。
- トナーがイエロー、マゼンタ、シアンまたはブラックの何れかの着色剤を含有するカラートナーである請求項7記載の静電荷像現像用トナー。
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JP2005046830A JP2006235030A (ja) | 2005-02-23 | 2005-02-23 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2009244883A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Toshiba Corp | 現像剤の製造方法 |
US7713675B2 (en) | 2006-02-28 | 2010-05-11 | Sharp Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing toner |
US7781139B2 (en) * | 2005-12-02 | 2010-08-24 | Sharp Kabushiki Kaisha | Toner manufacturing method |
-
2005
- 2005-02-23 JP JP2005046830A patent/JP2006235030A/ja active Pending
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