JP4422885B2 - 重合法トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷潜像を顕在化する画像形成方法やトナージェット記録法などに用いられる重合法トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱・圧力などにより転写材上にトナー画像を定着して複写物又は印刷物を得るものである。
【0003】
また、トナーを用いて現像する方法あるいは、トナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案されている。
【0004】
従来、これらの目的に使用するトナーは、一般的に熱可塑性樹脂中に染料または顔料からなる着色剤を溶融混練し、均一に分散させた後、微粉砕装置により微粉砕し、微粉砕物を分級機により分級して所望の粒径を有するトナーを製造してきた。
【0005】
この製造方法ではかなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、すなわち、トナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなければならない。ところがこれらの要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、該分散体を実際に高速で微粉砕した場合、形成された粒子の粒経範囲が広くなりやすく、特に比較的大きな割合で微粒子がこれに含まれるという問題が生じる。
【0006】
更に、このように脆性の高い材料から得られるトナーは、複写機等の現像器中で更なる微粉砕乃至は粉化を受けやすい。また、この方法では、着色剤等の固体微粒子を樹脂中に完全に均一分散することは困難であり、その分散の度合によっては、画像形成時におけるカブリの増大、画像濃度低下、混色性あるいは透明性の不良の原因となるので、着色剤の分散には十分な注意を払わなければならない。また、粉砕粒子の破断面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
【0007】
一方、これら粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、特公昭36−10231号、同43−10799号および同51−14895号公報等による懸濁重合法トナーを初めとして、各種重合法トナーやその製造方法が提案されている。例えば、懸濁重合法トナーでは、重合性単量体、着色剤及び重合開始剤、更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、該単量体組成物を分散安定剤を含有する媒体、例えば、水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、濾別、乾燥して所望の粒径を有するトナー粒子を得る。この方法では、粉砕工程が全く含まれないため、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の露出が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度分布が比較的シャープなことから分級工程を省略または、分級したとしても、高収率でトナーが得られる。
【0008】
しかしながら、重合体トナーは媒体中で直接トナー粒子を生成させるため、トナー表面が媒体の影響を受けやすい。
【0009】
例えば、媒体が水系媒体の場合、一般に極性の高い極性樹脂や荷電制御剤は、トナー表面近傍に局在化しやすくなる。その結果として粉砕トナーと比較して、非常に少量の荷電制御剤で、均一で高い帯電性をトナーに付与できるが、荷電制御剤のような極性の高い材料は、極一部ではあるが、水系媒体中へ溶解してしまうものもある。そのため、重合反応終了後の媒体からトナー粒子を濾別する工程で、非常に注意を払う必要がある。
【0010】
即ち、如何に、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄するかということが重要である。即ち、各トナー粒子の表面が均一に洗浄されていないと、トナーの帯電量分布がブロードとなり、特に、高温多湿下などの、トナーが帯電しにくい環境下では、画像濃度低下、カブリ等の問題が発生しやすくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、こうした問題点を解消して、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄でき、得られたトナーによって画像を形成した場合において、高い画像濃度が安定して維持され、カブリの発生等を生じない優れた画像特性を有するトナーが得られる重合法トナーの製造法方を提供することである。
【0012】
更に本発明の目的は、高温多湿の環境下においても安定して高品質画像を得ることができ、耐久性のあるトナーが得られる重合法トナーの製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
【0014】
即ち、本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、媒体中で重合して着色重合体粒子を生成させた後、媒体から着色重合体粒子を濾別し、濾別した着色重合体粒子に洗浄液を加えリスラリーし、該リスラリー液から着色重合体粒子を再濾別し、再濾別した着色重合体粒子を乾燥して重合法トナーを製造する方法であり、
該リスラリー工程が、送液ポンプによって送液される流路内で行われ、
送液ポンプの吸い込み側配管に設けられた供給口から着色重合体粒子を送液ポンプの吸い込み圧を利用して配管内に吸い込み、吸い込まれた着色重合体粒子と配管内を流れる洗浄液とを、流路内に設けられた回転する撹拌羽根又は固定羽根によって混合して、リスラリー液を逐次製造することを特徴とする重合法トナーの製造方法に関する。
【0015】
また、本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する媒体中で重合して着色重合体粒子を生成させた後、該着色重合体粒子を含む懸濁液中に酸又はアルカリを加えて分散安定剤を媒体に溶解せしめ、媒体から未洗浄の着色重合体粒子を濾別し、濾別した未洗浄の着色重合体粒子に洗浄液を加えリスラリーし、該リスラリー液から洗浄済の着色重合体粒子を再濾別し、再濾別した洗浄済の着色重合体粒子を乾燥して重合法トナーを製造する方法であり、
該リスラリー工程が、送液ポンプによって送液される流路内で行われ、
送液ポンプの吸い込み側配管に設けられた供給口から未洗浄の着色重合体粒子を送液ポンプの吸い込み圧を利用して配管内に吸い込み、吸い込まれた着色重合体粒子と配管内を流れる洗浄液とを、流路内に設けられた回転する撹拌羽根又は固定羽根によって混合して、リスラリー液を逐次製造することを特徴とする重合法トナーの製造方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0017】
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄するためには、該着色樹脂粒子を媒体から濾別・洗浄する方法が大きく影響を与えていることを見出した。
【0018】
本発明の重合法トナーの製造方法は、少なくとも重合性単量体中に離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、溶解又は分散する工程と、単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中で、分散せしめ、単量体組成物からなる液滴を所望のトナー粒子のサイズが得られるまで造粒する工程と、重合性単量体組成物を、媒体中で重合してトナー粒子を生成させる工程と、反応終了後、pH調整をして分散安定剤を溶解せしめる工程と、生成したトナー粒子をろ過・洗浄する工程と、ろ過・洗浄されたトナー粒子を乾燥する工程とを有する。
【0019】
本発明に用いられる好ましい単量体としては、具体的には、スチレン,o(m−、p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(JohnWiley&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じ、一方75℃を超える場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
【0020】
外殻樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが外殻樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000〜100000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100を示す外殻樹脂が本発明には好ましい。
【0021】
本発明においては、コア/シェル構造を有するトナーを製造する場合、低軟化点物質を内包化せしめるため、外殻樹脂中に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。
【0022】
本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、外殻樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中にあまり含まないものが特に好ましい。仮に多くの不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においては、外殻樹脂層を形成する単量体と架橋反応が起き、特に、フルカラー用トナーとしては、極めて高分子量になり四色トナーの混色には不利となり好ましくない。
【0023】
また、本発明においては、トナーの表面にさらに最外殻樹脂層を設けても良い。該最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上のため外殻樹脂層のガラス転移温度以上に設計されること、さらに定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。また、該最外殻樹脂層には帯電性向上のため極性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
【0024】
該最外殻層を設ける方法としては、特に限定されるものではないが例えば以下のような方法が挙げられる。
1.重合反応後半、または終了後、反応系中に必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を溶解、分散したモノマーを添加し重合粒子に吸着させ、重合開始剤を添加し重合を行う方法。
2.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマーからなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を反応系中に添加し、重合粒子表面に凝集、必要に応じて熱等により固着させる方法。
3.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマーからなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を乾式で機械的にトナー粒子表面に固着させる方法。
【0025】
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
【0026】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
【0027】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレット2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0028】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15;3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0029】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
【0030】
本発明に用いられる着色剤は、カラートナーの場合、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0031】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり樹脂100質量部に対し4〜150質量部添加して用いられる。
【0032】
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、カラートナーの場合は、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸,ナフトエ酸,ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸,カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部が好ましい。
【0033】
本発明で使用される重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。
【0034】
該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20質量%添加され用いられる。開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。また、重合度を制御するため公知の架橋剤・連鎖移動剤・重合禁止剤等を更に添加し用いる事も可能である。
【0035】
本発明のトナー製造方法においては、重合時に用いる分散安定剤を、酸又はアルカリに可溶な無機化合物とするのが好ましい。更に、該無機化合物はリン酸化合物であることが好ましい。リン酸化合物としては、例えば、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,等が挙げられる。これらの分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用することが好ましい。
【0036】
更に、該分散安定剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有す分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に好ましい分散安定剤を得ることができる。また、これら分散安定剤の微細化のため0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。
【0037】
該界面活性剤として、具体的には、市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0038】
本発明の重合法トナーの製造方法は、具体的には以下のように行われる。
【0039】
少なくとも重合性単量体中に低軟化物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水等の媒体中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。
【0040】
懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0041】
好ましくは単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
【0042】
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。
【0043】
反応終了後、pH調整をし、分散安定剤を溶解せしめ、生成したトナー粒子を洗浄、ろ過により回収し、乾燥する。
【0044】
ここで、分散安定剤の除去が重要である。該重合法に用いる分散安定剤は一般にトナーの帯電性能を著しく低下させるため、該分散剤を除去する必要がある。分散剤の除去が不完全であると、トナーが帯電しにくい環境下では、画像濃度低下、カブリ等の問題が発生しやすくなる。
【0045】
分散安定剤の除去方法としては、媒体からの濾別前に酸またはアルカリを加えて媒体中に溶解させ、媒体と共に濾別することが一般的である。ここで、濾別後のトナー表面には若干の媒体が付着している。そして、この媒体中には先の分散安定剤が溶解しており、この分散安定剤を溶解した媒体が付着しているトナーを後工程で乾燥すると、媒体のみ除去され、溶解していた分散安定剤は濃縮されトナー表面に固着する。従って、濾別後のトナー表面に付着している媒体中の分散安定剤濃度を下げることが重要となる。
【0046】
媒体中の分散安定剤濃度を下げる方法としては、濾別後の湿潤トナーに水等の洗浄液を加え洗浄液中の分散安定剤濃度を小さくした上で再濾別し、付着液体中の分散安定剤量を小さくする方法があり、必要により洗浄液添加、濾別の工程を数回繰り返すことにより所望する分散安定剤の残存許容量以下にすることが可能である。
【0047】
ここで、濾別に用いる濾過装置としては、洗浄機能を兼ね備えた濾過装置が、設備投資金額、設置スペースの点で優れるため好ましく用いられてきた。洗浄機能を兼ね備えた濾過装置としては、フィルタープレスや特開平08−160661号公報に開示されるベルトフィルター等がある。しかしながら、これらの装置では洗浄液を加える際にトナーがケーキ状であるため洗浄液とトナーを混合できず、トナーの洗浄が不均一になりやすいという懸念点があり、昨今の高精細・高耐久の印字品質を要求される一部の高品質トナーにおいては、濾過・洗浄方法の見直しが求められていた。
【0048】
上記のような高品質トナーは、特開平08−160661号公報に開示される如く媒体から濾別した湿潤トナーを、水やアルコール等の洗浄液中に再分散させリスラリー液とした後に再濾別することで、トナーの洗浄性が均一となり達成することができる。
【0049】
リスラリー方法としては、予め所定量の洗浄液が貯蔵されているタンク等の容器中に、湿潤トナーを一括投入して一定時間撹拌・混合してから取り出す方法いわゆるバッチ式リスラリー法が一般的である。リスラリー前後の濾過装置としては、前記したフィルタープレスやベルトフィルターに加え、遠心分離機やデカンター等の固液分離専用機も用いることができる。
【0050】
しかしながら、バッチ式リスラリー法は、大容量のリスラリータンクが必須なので、設置スペース上の制約、スケールアップ時には撹拌均一性低下に伴う洗浄均一性低下という問題があった。また、前工程の濾過装置が連続処理装置である場合には洗浄前湿潤トナー用バッファータンクが、後工程の濾過装置が連続処理装置である場合にはリスラリー液用バッファータンクが新たに必要になる等、工程の不連続性を生じ余計な設備投資が必要となるという問題があった。
【0051】
そこで本発明者等は、実質的に連続処理のリスラリー方式を考案し、上記のような設置スペースの問題、スケールアップに伴う問題を解消した。
【0052】
即ち、自重もしくは送液ポンプ等により洗浄液の流れを生み出し、該洗浄液の流れ中に洗浄前湿潤トナーを少量づつ投入して、洗浄液とトナーのリスラリー液を作製する。洗浄液の流れとしては、連続流、脈動流、断続流のいずれでも良く、リスラリー液の濃度が一定となるよう洗浄液の流れに合わせて洗浄前湿潤トナーを連続もしくは断続的に供給すればよい。
【0053】
洗浄液は、一般的には水や媒体そのものを用いることが好ましい。洗浄液と洗浄前湿潤トナーの混合比率は、トナーの組成、重合反応中のトナーと媒体の質量比(媒体質量/乾燥状態トナー質量)、前後の濾過装置の性状、求めるトナーの洗浄レベルによって異なり、洗浄液質量/乾燥状態トナー質量の比で、0.5〜重合反応中のトナーと媒体の質量比の10倍の間から選べるが、一般的には1〜重合反応中のトナーと媒体の質量比の2倍の間とすることが一般的である。
【0054】
リスラリー液を混合する方法としては、配管中に回転する撹拌羽根やスタティックミキサー等の固定羽根を設けて混合状態を向上させる方法がある。撹拌羽根を回転させる方法としては、独立して動力源を設けても良いが送液ポンプの送液羽根そのもの、もしくは送液羽根と同軸上に設けられ動力源を同じくする撹拌羽根を用いることが経済上好ましい。
【0055】
撹拌羽根を送液ポンプの動力で回転させる場合、送液ポンプ内で洗浄液とトナーを混合させる関係上、洗浄前湿潤トナーの供給口は送液ポンプの吸込み側に設ける必要がある。吸込み側配管に洗浄前湿潤トナーの供給口を設けると吸込み圧を利用して洗浄前湿潤トナーを洗浄液に混合することができるので、洗浄前湿潤トナーの供給口の位置は装置構成上可能な限り送液ポンプに近づけることが好ましい。
【0056】
上記のように、送液ポンプと撹拌羽根と洗浄前湿潤トナー供給口が一体化された装置としては、パウブレンダー(オサメ工業株式会社)、スーパーショックディゾルバー(株式会社ノリタケカンパニー)等がある。
【0057】
また、回転する撹拌羽根や固定羽根で混合したリスラリー液は、そのまま再ろ別して乾燥しても良いが、本リスラリー装置を循環して再撹拌したり、別のリスラリー装置で再撹拌してから、再濾別・乾燥することもできる。
【0058】
本発明の特徴であるトナー粒子のろ過・洗浄方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0059】
図4は、従来のトナー製造装置の一例の概略図を示す。図4に示すリスラリー装置2は、洗浄液14を貯蔵した容器中に洗浄前湿潤トナー13を一括投入し、撹拌羽根27等によって撹拌し所定の時間が経過した後、全量が次工程へ送られる。
【0060】
これに対し、図1〜3は、本発明に使用するトナー製造装置の一例の概略図を示している。
【0061】
図1において、酸又はアルカリを加え分散安定剤が媒体中に溶解しているトナー懸濁液11は、第1濾過装置1により媒体12と洗浄前湿潤トナー13に固液分離する。得られた洗浄前湿潤トナー13は、必要により図示しない解砕装置で解砕した後、リスラリー装置2において水等の洗浄液14と混合されリスラリー液15となる。得られたリスラリー液15は、第2濾過装置3により洗浄液16と洗浄済湿潤トナー17とに固液分離する。第1濾過装置1と第2濾過装置2は別個に設けても、1台で兼用しても良い。得られた洗浄済湿潤トナーは、必要により図示しない解砕装置で解砕した後、次工程に送ることもできるが、希望する洗浄レベルによっては数回のリスラリー、再濾別を繰り返してから次工程に送っても良い。
【0062】
図2は、本発明のリスラリー装置2の一例を示す断面図である。図2に示すリスラリー装置2は、送液羽根23が回転して吸込み側配管21から吐出し側配管25へ流体を移送する送液ポンプを主体としている。吸込み側配管21には洗浄液14が供給され、図中矢印の方向に流れている。また、吸込み側配管21には洗浄前湿潤トナー13の供給口22が設けられ、洗浄液14の流れによって生じる吸込み効果によって、洗浄前湿潤トナー13が洗浄液14中に逐次混合されていく。洗浄前湿潤トナー13と洗浄液14の混合比を一定にする必要がある場合には、洗浄前湿潤トナー13の供給量を制御する手段28を設けても良い。制御方法としては、供給口の径、ダンパーの開閉、オーガー等による定量供給手段などがある。該混合液は送液羽根23によって、吐出し側配管25に移送されると同時に逐次混合されリスラリー液15となる。このとき、吐出し側配管25の手前にスクリーンメッシュ等のフィルター24を設けても良い。フィルター24は、洗浄前湿潤トナー24の凝集体が通過することを防いだり、リスラリー装置2内に背圧を生じさせて送液羽根23による混合効果を向上させる機能も有する。
【0063】
図3は、本発明のリスラリー装置2の別の一例を示す断面図である。図3に示すリスラリー装置2は、重力又は図示しない動力源により洗浄液14の流れを作成し、該洗浄液14が流れる配管中に洗浄前湿潤トナー13の供給口22を設け、洗浄液14の流れによって生じる吸込み効果によって、洗浄前湿潤トナー13が洗浄液14中に逐次混合されていく。洗浄前湿潤トナー13と洗浄液14の混合比を一定にする必要がある場合には、図2と同様に洗浄前湿潤トナー13の供給量を制御する手段28を設けても良い。該混合液は固定羽根26によって混合されリスラリー液15となる。
【0064】
得られた洗浄済湿潤トナーは、流動層乾燥機、気流乾燥機、真空乾燥機などの乾燥機で乾燥される。
【0065】
本発明のトナーには、各種トナー性能付与のために、外添剤を添加しても良い。使用される外添剤としては、例えば、金属酸化物(酸化アルミニウム,酸化チタン,チタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,酸化マグネシウム,酸化クロム,酸化錫,酸化亜鉛,など)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)・カーボンブラック・シリカなどが用いられる。
【0066】
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは0.05〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0067】
トナーの平径粒径及び粒度分布の測定装置としては、コールターカウンタTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。
【0068】
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。
【0069】
試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0070】
また、本発明における含水率は含水粒子5gをアルミ皿に採取し、それを精秤(A[g])し、105℃に設定した乾燥機に1時間放置し、冷却後精秤(B[g])し、以下の式で計算した値である。
【0071】
含水率=((A−B)/A)×100[%]
【0072】
【実施例】
以上、本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、もちろん、これによって本発明が何ら限定されるものではない。
【0073】
[実施例1]
イオン交換水700質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、クレアミックスCLS−30S(エム、テクニック社製)を用いて、4500rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、リン酸カルシウム塩を含む水系媒体を得た。
【0074】
一方、
Figure 0004422885
上記処方を60℃に加温し、均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0075】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミックスにて4500rpmで15分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。
【0076】
その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、80℃/減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウム塩を溶解させた後、ベルトフィルターにより固液分離した。得られた洗浄前湿潤トナーは、含水率27%のケーキ状であった。該洗浄前湿潤トナーを解砕した後、図2に示すリスラリー装置を用いて、1150質量部のイオン交換水と混合してリスラリー液を作製した後、ベルトフィルターを用いて再び固液分離した。
【0077】
上記により得られたウエットケーキの含水率は26%であった。その後、解砕した後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。また、一連の工程は全て連続処理が可能であったため、各装置の小型化及び効率的な稼動が可能となり、従来よりも少ないコストでの処理が可能であった。
【0078】
(洗浄状態の評価)
洗浄状態は残存する分散安定剤量によって評価した。残存分散安定剤量については、蛍光X線分析装置(RIX3000)を用い定量分析した。この残存分散安定剤量の値が500ppm以下の場合は、実質的な問題はないが、500ppmを超えるとトナー帯電性が低下する。本実施例の残存分散安定剤量は、150ppmと問題ないレベルであった。
【0079】
上記で得られた該着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m2/gである疎水性シリカを1.0質量部を添加し、混合機にて混同しトナーを得た。
【0080】
本実施例において、得られたトナーの重量平均粒径は、6.8μmであった。
【0081】
(画像性能の評価)
画像性能は、高温多湿(温度30℃,湿度80%)の環境下で連続8000枚の耐久テストを行い、カブリを測定して評価した。耐久テストはキヤノン社製LBP−2030改造機を用いて行なった。紙上のカブリについては、反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製 REFLECTOMETER ODEL TC−6DS)を用いて測定した。即ち、反射濃度計で測定したプリント後の白地部の反射濃度最悪値をDsとし、プリント前の用紙について反射濃度計で測定した反射濃度平均値をDrとした時に、これらの値の差(Ds−Dr)を求め、これを紙上カブリとした。この紙上カブリ量が2%以下の場合は、実質的に紙上カブリのない良好な画像であるが、2%を超えると紙上カブリが目立つ不鮮明な画像である。本実施例では、8000枚耐久後の画像について評価したが、8000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
【0082】
[実施例2]
図3に示すリスラリー装置を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
【0083】
上記により得られたウエットケーキの含水率は26%であった。その後、解砕した後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。また、一連の工程は全て連続処理が可能であったため、各装置の小型化及び効率的な稼動が可能となり、従来よりも少ないコストでの処理が可能であった。
【0084】
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、残存分散安定剤量は190ppmと問題ないレベルであった。
【0085】
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、8000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
【0086】
[比較例1]
図4に示すリスラリー装置を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。なお、リスラリー装置における撹拌時間は、実施例1と2に揃えるべく5分間と極短時間にした。
【0087】
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、残存分散安定剤量は平均で420ppmと問題ないレベルであったものの、部分的に500ppmを超える場所が測定された。
【0088】
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、初期より8000枚に渡りカブリが2%前後を推移し、文字画像出力では許容できるレベルであるものの、写真などの高品質の画像では許容できないレベルであった。
【0089】
[比較例2]
リスラリー工程と2回目の固液分離工程を省略したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。なお、洗浄液としてのイオン交換水1150質量部は、ベルトフィルター中のケーキ状トナーにふりかけた。
【0090】
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、残存分散安定剤量は平均で460ppmと問題ないレベルであったものの、部分的に500ppmを超える場所が測定された。
【0091】
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、初期より8000枚に渡りカブリが2%前後を推移し、文字画像出力では許容できるレベルであるものの、写真などの高品質の画像では許容できないレベルであった。
【0092】
[実施例3]
イオン交換水700質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、クレアミックスCLS−30S(エム、テクニック社製)を用いて、4500rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、リン酸カルシウム塩を含む水系媒体を得た。
【0093】
一方、
Figure 0004422885
上記処方を60℃に加温し、均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート8質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0094】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミックスにて4500rpmで15分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。
【0095】
その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、重合開始剤の残さ物を溶解する目的で炭酸ナトリウムを添加し、80℃/減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウム塩を溶解させた後、デカンターにより固液分離した。得られた洗浄前湿潤トナーは、含水率24%の粉状であった。該洗浄前湿潤トナーを解砕せずに、図2に示すリスラリー装置を用いて、1150質量部のイオン交換水と混合してリスラリー液を作製した後、デカンターを用いて再び固液分離した。
【0096】
上記により得られたウエットケーキの含水率は25%であった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。また、一連の工程は全て連続処理が可能であったため、各装置の小型化及び効率的な稼動が可能となり、従来よりも少ないコストでの処理が可能であった。
【0097】
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、残存分散安定剤量は120ppmと問題ないレベルであった。
【0098】
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、8000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄でき、得られたトナーによって画像を形成した場合において、カブリの発生等を生じない優れた画像特性を有するトナーが得られる重合法トナーの製造法方が提供される。
【0100】
更に本発明によれば、高温多湿の環境下においても安定して高品質画像を得ることができ、耐久性のあるトナーが得られる重合法トナーの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いた濾過・洗浄工程の概略的模式図の一例である。
【図2】本発明に用いたリスラリー装置の概略的断面図の一例である。
【図3】本発明に用いたリスラリー装置の概略的断面図の一例である。
【図4】従来のリスラリー装置の概略的断面図の一例である。
【符号の説明】
1 第1濾過装置
2 リスラリー装置
3 第2濾過装置
11 媒体とトナーの懸濁液
12 媒体
13 洗浄前湿潤トナー
14 洗浄液
15 リスラリー液
16 洗浄液
17 洗浄済湿潤トナー
21 吸込み側配管
22 湿潤トナー供給口
23 送液羽根兼撹拌羽根
24 フィルター
25 吐出し側配管
26 固定羽根
27 撹拌羽根
28 湿潤トナー供給量制御手段

Claims (4)

  1. 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、媒体中で重合して着色重合体粒子を生成させた後、媒体から着色重合体粒子を濾別し、濾別した着色重合体粒子に洗浄液を加えリスラリーし、該リスラリー液から着色重合体粒子を再濾別し、再濾別した着色重合体粒子を乾燥して重合法トナーを製造する方法であり、
    該リスラリー工程が、送液ポンプによって送液される流路内で行われ、
    送液ポンプの吸い込み側配管に設けられた供給口から着色重合体粒子を送液ポンプの吸い込み圧を利用して配管内に吸い込み、吸い込まれた着色重合体粒子と配管内を流れる洗浄液とを、流路内に設けられた回転する撹拌羽根又は固定羽根によって混合して、リスラリー液を逐次製造することを特徴とする重合法トナーの製造方法。
  2. 未洗浄の着色重合体粒子を少量づつ供給する制御手段を付加して、リスラリー液を逐次製造することを特徴とする請求項1に記載の重合法トナーの製造方法。
  3. 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する媒体中で重合して着色重合体粒子を生成させた後、該着色重合体粒子を含む懸濁液中に酸又はアルカリを加えて分散安定剤を媒体に溶解せしめ、媒体から未洗浄の着色重合体粒子を濾別し、濾別した未洗浄の着色重合体粒子に洗浄液を加えリスラリーし、該リスラリー液から洗浄済の着色重合体粒子を再濾別し、再濾別した洗浄済の着色重合体粒子を乾燥して重合法トナーを製造する方法であり、
    該リスラリー工程が、送液ポンプによって送液される流路内で行われ、
    送液ポンプの吸い込み側配管に設けられた供給口から未洗浄の着色重合体粒子を送液ポンプの吸い込み圧を利用して配管内に吸い込み、吸い込まれた着色重合体粒子と配管内を流れる洗浄液とを、流路内に設けられた回転する撹拌羽根又は固定羽根によって混合して、リスラリー液を逐次製造することを特徴とする重合法トナーの製造方法。
  4. 洗浄済の着色重合体粒子に残存する分散安定剤量が、洗浄済の着色重合体粒子に対して500ppm以下であることを特徴とする請求項3に記載の重合法トナーの製造方法。
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