JPH10156219A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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Publication number
JPH10156219A
JPH10156219A JP31785696A JP31785696A JPH10156219A JP H10156219 A JPH10156219 A JP H10156219A JP 31785696 A JP31785696 A JP 31785696A JP 31785696 A JP31785696 A JP 31785696A JP H10156219 A JPH10156219 A JP H10156219A
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JP
Japan
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fine particles
colored fine
basket
mixture
filter cake
Prior art date
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Pending
Application number
JP31785696A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Kushino
光雄 串野
Isato Ikeda
勇人 池田
Nobuaki Urashima
伸晃 浦島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP31785696A priority Critical patent/JPH10156219A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真用トナー等の着色微粒子と溶媒とを
含む混合物から、容易に効率よく低コストで、不純物を
含まないように着色微粒子を分離させることである。 【解決手段】 着色微粒子の分離方法は、平均粒子径5
0μm以下の着色微粒子と溶媒とを含む混合物から前記
着色微粒子を分離させる方法であって、側面に多数の貫
通孔を有し回転可能なバスケットと前記バスケットの内
側面を被覆するろ材とを備えた遠心ろ過機に前記混合物
を加え、遠心効果が100〜1000Gとなるように前
記バスケットを回転させて前記溶媒の除去および洗浄を
行い、前記着色微粒子を含む固形分濃度50%以上のろ
過ケーキを分離させる方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色微粒子の分離
方法、着色微粒子および電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真用トナー等の着色微粒子
は、画質を向上させ高解像度化を図るために、粒子径を
より小さくすることが求められている。このため、製造
方法が乾式法から湿式法へと転換されている。乾式法
は、重合、粉砕、分級等による製造する方法であるのに
対して、湿式法では、懸濁重合、乳化重合等の重合手段
が用いられるので、より小さい粒子径のものが得られる
からである。しかも、湿式法において着色微粒子を得る
ためには、着色微粒子、水等を含んだ重合後の反応混合
物に対して固−液分離を行って、着色微粒子を分離する
必要がある。
【0003】固−液分離の具体例として、特開平8−1
37131号公報にはデカンターを用いて着色微粒子を
分離することが記載されている。しかしながら、デカン
ターでは固−液分離効率が悪いため、分離後に得られる
着色微粒子を含んだろ過ケーキの固形分濃度は約40%
と非常に低く、これを乾燥するのには時間もコストもか
かる。また、着色微粒子に付着した不純物を除去するた
めに、通常はデカンター内で水洗浄も行われるが、これ
についても固−液分離効率が悪いので不純物の除去は不
十分であり、得られる着色微粒子の環境安定性等の物性
は良好ではない。不純物の除去を完全に行うために、ろ
過ケーキを再び水に投入して固−液分離を何度も行う
と、工程が煩雑となり、しかも多量の排水が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、着色微粒子と溶媒とを含む混合物から、容
易に効率よく低コストで、不純物を含まないように着色
微粒子を分離させることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、種々の実験を重ねた結果、粒子径が
小さい着色微粒子について、特定の装置を用い、その運
転条件を制御することによって、着色微粒子を分離精製
できるという知見を得て、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明の着色微粒子の分離方法は、平均粒子径50
μm以下の着色微粒子と溶媒とを含む混合物から前記着
色微粒子を分離させる方法であって、側面に多数の貫通
孔を有し回転可能なバスケットと前記バスケットの内側
面を被覆するろ材とを備えた遠心ろ過機に前記混合物を
加え、遠心効果が100〜1000Gとなるように前記
バスケットを回転させて前記溶媒の除去および洗浄を行
い、前記着色微粒子を含む固形分濃度50%以上のろ過
ケーキを分離させる方法である。
【0006】本発明の着色微粒子は、上記分離方法で得
られる着色微粒子である。本発明の電子写真用トナー
は、上記着色微粒子を含んでなる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の着色微粒子の分離方法
は、平均粒子径50μm以下の着色微粒子と溶媒とを含
む混合物から着色微粒子を分離させる方法である。混合
物としては、平均粒子径50μm以下の着色微粒子と溶
媒とを含むものであれば特に限定はないが、たとえば、
懸濁重合法、分散重合法、液中造粒法等で得られる着色
微粒子と溶媒とを含む混合物を挙げることができる。
【0008】液中造粒法としては、たとえば、(1)マ
イクロ懸濁重合法または乳化重合法によって得られるサ
ブミクロン微粒子を造粒させる方法や、(2)溶剤に溶
かしたり、熱をかけて樹脂を樹脂液に変換し、溶媒中で
懸濁造粒させる方法等を挙げることができる。以下、懸
濁重合法について詳しく説明する。
【0009】懸濁重合法は、重合性単量体を、たとえ
ば、水系溶媒等の中で懸濁させ、重合させる方法であ
る。前記重合性単量体としては、通常の懸濁重合法にお
いて使用されるものであれば、特に制限はなく、たとえ
ば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メ
トキシスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−
フェニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロス
チレン、p−クロロスチレン等のスチレン系単量体;ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等の
(メタ)アクリル系単量体;エチレン、プロピレン、ブ
チレン等のオレフィン系樹脂;アクリル酸、メタクリル
酸、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン
等のその他の単量体等が挙げられる。これらの2種以上
を混合して用いてもよい。これらのうち、スチレン系単
量体および/または(メタ)アクリル酸エステル系単量
体を主成分とするものが好ましい。スチレン系単量体と
(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを併用して重合
させて、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体を含む着色微粒子を製造することができる。後述の
電子写真用トナーとして、このようにして得られた着色
微粒子を必須成分として含むものは、低温定着性および
貯蔵安定性に優れるため好ましい。重合性単量体が、5
0重量%以上のスチレンと(メタ)アクリル酸エステル
系単量体との混合物であると、トナーの熱特性が優れる
ようになるためさらに好ましい。
【0010】重合性単量体を懸濁重合させて着色微粒子
を得る際に、上記重合性単量体以外に他の重合体、たと
えばポリエステル等を存在させてもよく、重合度を調整
するために、連鎖移動剤等の公知の添加剤を適宜配合し
てもよい。また、分子間に、架橋構造を有する樹脂粒子
を得ようとする場合には、重合性二重結合基を分子中に
複数個有する架橋剤を前記重合性単量体とともに共重合
させてもよい。
【0011】架橋剤としては、たとえば、ジビニルベン
ゼン、ジビニルナフタレンや、これらの誘導体等の芳香
族ビニル化合物;トリアクリル酸トリメチロールプロパ
ン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル
酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレン
グリコール、ジメタクリル酸デカエチレングリコール、
ジメタクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジメタ
クリル酸ペンタコンタデカエチレングリコール、ジメタ
クリル酸1,3−ブチレン、メタクリル酸アリル、トリ
メタクリル酸トリメチロールプロパン、テトラメタクリ
ル酸ペンタエリッストール、ジメタクリル酸フタル酸ジ
エチレングリコール等の架橋性(メタ)アクリル化合
物;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジ
ビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のビニル基
を2個有する化合物やビニル基を3個以上有する化合物
等が挙げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよ
い。さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレン、不飽和
ポリエステル、クロロスルホン化ポリオレフィン等を用
いてもよい。
【0012】懸濁重合に用いられる重合開始剤として
は、たとえば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、
過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、
オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、キュメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハ
イドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイド
ロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤;2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス
(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビ
ス(2,2,3−トリメチルブチロニトリル)、2,
2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、2,2’−アゾビス(4−メチキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)
イソブチロニトリル、4,4−アゾビス(4−シアノバ
レリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレ
ート等のアゾ系開始剤が挙げられる。これらの2種以上
を混合して用いてもよい。
【0013】重合開始剤の使用量は、重合性単量体10
0重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜
10重量部である。懸濁重合は着色微粒子を製造するた
めに、通常、着色剤の存在下で行われる。着色剤は、有
機顔料、無機顔料のいずれでもよく、これらの混合物で
あってもよい。
【0014】無機顔料としては、たとえば、カーボンブ
ラック、アルミナ、二酸化チタン、チタン酸バリウム、
チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸
ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケ
イ灰石、ケイソウ土、各種無機酸化物顔料、酸化クロ
ム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化
マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸
バリウム、炭酸カルシウム、シリカ微粉体、炭化ケイ
素、窒化ケイ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化
チタン、酸化セリウム等の粉末または粒子が挙げられ、
これらの2種以上を混合して用いてもよい。これら無機
顔料は、チタンカップリング剤、シランカップリング剤
や高級脂肪酸金属塩等の公知の疎水化処理剤で処理され
たものであってもよい。
【0015】有機顔料としては、たとえば、ネーブルス
イエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエロー
G、ハンザーイエロー10G、ベンジジンイエローG、
ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パ
ーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄
色顔料;キリブテンオレンジ、パーマネントオレンジR
K、ベンジシンオレンジG、インダスレンブリリアント
オレンジGK等の橙色顔料;パーマネントレッド4R、
リソールレッド、ピラゾロンレッド4R、ウオッチング
レッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアンカー
ミン6B、エオミンレーキ、ローダミンレーキB、ブザ
リンレーキ、ブリリアンカーミンB等の赤色顔料;ファ
ストバイオレット、メチルバイオレットレーキ等の紫色
顔料;アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレー
キ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブル
ー、フタロシアニンブルー部分塩化物、ファストスカイ
ブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;ピラ
カイトグリーンレーキ、ファイナルイエログリーンG等
の緑色顔料等が挙げられ、これらの2種以上を混合して
用いてもよい。
【0016】着色剤の使用量は、重合性単量体100重
量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜15重量
部である。磁性を有する着色微粒子を得るために、たと
えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉体
や、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の金属酸
化物の粉体等の磁性粉の存在下で懸濁重合することがで
きる。これら磁性粉は、単独または前記顔料と併用して
着色剤として使用できることもある。
【0017】磁性粉の使用量は、重合性単量体100重
量部に対して3〜200重量部、好ましくは5〜100
重量部である。懸濁重合は、着色剤および/または磁性
粉の存在下で必ずしも行う必要はなく、懸濁重合後に得
られた微粒子に対して、着色剤や磁性粉で表面処理およ
び/または分散処理を行って、微粒子を着色したり、磁
性を微粒子に付与させて、着色微粒子としてもよい。
【0018】懸濁重合は、オフセット防止剤や、電荷制
御剤の存在下で行ってもよく、オフセット防止剤や、電
荷制御剤を含む着色微粒子が得られる。オフセット防止
剤としては特に限定はないが、たとえば、環状法軟化点
80〜180℃の重合体が挙げられる。環状法軟化点8
0〜180℃の重合体としては、たとえば、重量平均分
子量1000〜45000、好ましくは重量平均分子量
2000〜6000程度のポリオレフィン、すなわち、
ポリオレフィンワックスが挙げられる。
【0019】ポリオレフィンワックスとしては、たとえ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等の
単独の重合体;エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン共重合体、エチレン−ペンテン共重合体、エ
チレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン−
プロピレン−ブテン共重合体等のオレフィン共重合体;
オレフィンと以下のその他の単量体との共重合体等が挙
げられ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】上記その他の単量体としては、たとえば、
ビニルメチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、
ビニルフェニルエーテル等のビニルエーテル類;ビニル
アセテート、ビニルブチレート等のビニルエステル類;
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチ
レン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、テトラクロロエチ
レン等のハロオレフィン類;メチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタク
リレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタク
リレート、ステアリルメタクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチ
ルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
アクリロニトリル、N,N−ジメチルアクリルアミド
等のアクリル酸誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸等の有機酸類;ジエ
チルフマレート、β−ピネン等が挙げられ、これらの2
種以上を混合して用いてもよい。
【0021】オフセット防止剤は、上記ポリオレフィン
以外に、天然または合成のパラフィンワックス類、特に
融点60〜70℃の高融点パラフィンワックス類;ステ
アリン酸の亜鉛塩、バリウム塩、鉛塩、コバルト塩、カ
ルシウム塩、マグネシウム塩等のステアリン酸金属塩;
オレフィン酸の亜鉛塩、マンガン塩、鉛塩、鉄塩等のオ
レフィン酸金属塩;パルチミン酸の亜鉛塩、コバルト
塩、マグネシウム塩等の脂肪酸金属塩;炭素数17以上
の高級脂肪酸金属塩;ミリシルアルコール等の高級アル
コール類;ステアリン酸グリセリド、パルミチン酸グリ
セリド等の多価アルコールエステル類;ミリシルステア
レート、ミリシルパルミテート等の脂肪酸エステル類;
モンタン酸部分ケン化エステル等の脂肪酸部分ケン化エ
ステル類;ステアリン酸、パルミチン酸、モンタン酸等
の高級脂肪酸類;エチレンビスステアロイルアミド等の
脂肪酸アミド等を含むものであってもよい。
【0022】電荷制御剤としては特に限定はないが、た
とえば、ニグロシン、モノアゾ染料、亜鉛、ヘキサデシ
ルサクシネート、ナフトエ酸のアルキルエステル、アル
キルアミド、ニトロフミン酸、N,N−テトラメチルベ
ンジジン、トリアジン、サリチル酸金属錯体等が挙げら
れ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。電荷制
御剤の添加は、懸濁重合開始前や懸濁重合中に限られる
ものではなく、懸濁重合終了後に添加を行ってもよい。
【0023】懸濁重合における懸濁粒子の安定化を図る
ために、懸濁重合を分散安定剤存在下に行ってもよい。
分散安定剤としては、たとえば、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、トラガント、デンプン、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル
酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペン
タデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ア
リル−アルキル−ポリエーテルスルホン酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプロ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸
ナトリウム、3,3’−ジスルホンジフェニル尿素−
4,4’−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6
−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン
−アゾ−ジメチルアニリン、2,2’,5,5’−テト
ラメチル−トリフェニルメタン−1,1’−ジメチル−
アゾ−ビス−β−ナフトール−ジスルホン酸ナトリウ
ム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアル
キルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンア
ルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン
フェニルエーテル硫酸アンモニウム、アルカリスルホン
酸ナトリウム、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮
合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン
縮合物のナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキ
レート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、
ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチル
トリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメ
チルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチ
ルアンモニウムクロライド等の界面活性剤;アルギン酸
塩、ゼイン、カゼイン、硫酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウ
ム、タルク、粘土、ケイソウ土、ベントナイト、水酸化
チタン、水酸化トリウム、金属酸化物粉末等が挙げら
れ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】上記分散安定剤を用いることによって着色
微粒子の粒子径を調節することができ、分散安定剤の種
類や、添加量を適宜選択して、着色微粒子の粒子径を1
〜50μm、好ましくは3〜20μmに調節することが
できる。分散安定剤として水溶性高分子を用いる場合
は、重合性単量体組成物100重量部に対して0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。一
方、分散安定剤として界面活性剤を用いる場合は、重合
性単量体100重量部に対して0.01〜5重量部、好
ましくは0.05〜3重量部である。
【0025】上記懸濁重合によって、平均粒子径50μ
m以下の着色微粒子と溶媒とを含む混合物が得られる
が、着色微粒子は、その種類や粒子径分布によってダイ
ラタンシー性を呈することがある。特にこのダイラタン
シー性は、平均粒子径50μm以下、特に20μm以下
の着色微粒子において顕著に発現することがあり、以下
に詳しく述べる遠心ろ過の妨げになることがある。そこ
で、前記着色微粒子を含む混合物に対して凝集操作を行
うことで、前記着色微粒子を2次凝集等させて、混合物
が前記着色微粒子の凝集体をさらに含むようにすると、
混合物中の粒子分布が変化し、見かけの粒子径が大きく
なるので、遠心ろ過を円滑に行うことが可能になるため
好ましい。また、ダイラタンシー性を顕著に呈しない場
合でも凝集操作を行うと、ろ過および水洗浄が容易かつ
低コストで行われるようになるため好ましい。
【0026】上記凝集操作は、着色微粒子を2次凝集等
させるものであれば特に限定はなく、たとえば、凝集剤
を添加する操作を挙げることができる。凝集剤として
は、着色微粒子および分散安定剤とは逆の極性の物質;
着色微粒子が溶解しない有機溶媒;酸および水溶性多価
金属塩;疎水性シリカ、疎水性チタニア、疎水性ジルコ
ニア等の疎水性微粒子等が挙げられ、これらの2種以上
を混合して用いてもよい。これらを添加することによっ
て、着色微粒子の2次凝集を生じさせることができる。
【0027】凝集剤の添加量は、混合物に含まれる着色
微粒子100重量部に対して、0.01〜50重量部、
好ましくは0.02〜30重量部、さらに好ましくは
0.05〜10重量部である。次に、液中造粒法として
乳化重合を行う場合、まず、乳化重合によってサブミク
ロンの大きさの超微粒子を得た後、着色剤や、適宜磁性
粉等を添加して凝集操作を行って、着色微粒子が得られ
る。なお、乳化重合で着色微粒子を製造するのに用いら
れる着色剤および磁性粉としては、前述のものが用いら
れる。
【0028】乳化重合後の凝集操作は、超微粒子が凝集
する操作であれば特に限定はないが、たとえば、酸、多
価金属塩、アルカリ金属塩等の電解質物質の添加;疎水
性微粒子の添加;逆イオン性微粒子の添加等の公知の方
法によって行われる。着色剤の添加量は、サブミクロン
の大きさの超微粒子を含んだ乳化重合物固形分100重
量部に対して、1〜20重量部である。また、磁性粉の
添加量は、乳化重合物固形分100重量部に対して、3
〜200重量部である。
【0029】次に、液中造粒法として溶媒中で懸濁造粒
させる方法を行う場合、各種樹脂を溶剤に溶解させた
り、各種樹脂を加熱して溶融させて液状にして、各種樹
脂を加熱して溶融させて液状にして、各種樹脂を溶解し
ない溶媒中に分散させた懸濁液を得る。ここで、各種樹
脂を溶剤に溶解させた場合は、懸濁液を加熱し、樹脂液
滴中から溶剤を除去することによって樹脂粒子が得られ
る。また、各種樹脂を加熱して溶融させた場合は、懸濁
液を冷却して懸濁液温度を下げることによって樹脂粒子
が得られる。
【0030】前記各種樹脂としては、溶剤に溶解した
り、加熱して溶融して、液状になる物質であれば特に限
定はなく、たとえば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリ
ル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、
ポリプロピレン系樹脂、ポリブチレン系樹脂、エポキシ
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられ、これらの
2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】上記樹脂を懸濁造粒させる方法で、着色剤
や磁性粉等の添加時期については特に限定はないが、各
種樹脂を溶解させたり溶融させる時にこれらを添加し、
分散させるのが好ましい。なお、樹脂を懸濁造粒させて
着色微粒子を製造するのに用いられる着色剤および磁性
粉としては、前述のものが用いられる。次に、着色微粒
子の分離に用いられる遠心ろ過機としては、側面に多数
の貫通孔を有し回転可能なバスケットとこのバスケット
の内側面を被覆するろ材とを備えたものであれば特に限
定はなく、たとえば、図1に示す遠心ろ過機7を挙げる
ことができる。遠心ろ過機7では、回転可能なバスケッ
ト1が縦型の構造(縦型バスケット)となっており、遠
心ろ過後に得られる着色微粒子を含むろ過ケーキは底部
から排出される構造(底部排出構造)となっている。遠
心ろ過機7は、回転可能なバスケット1と、バスケット
1の内側面を被覆するろ材9と、ろ過ケーキに含まれる
着色微粒子を洗浄するための洗浄液をバスケット1に供
給する洗浄用シャワーリングノズル2と、着色微粒子と
溶媒とを含む混合物をバスケット1に供給する給液パイ
プ3と、バスケット1を回転させるモーター4と、ろ材
9に付着したろ過ケーキを掻取る掻取装置5と、ろ過ケ
ーキを遠心ろ過機7から取り出すろ過ケーキ排出口6と
を備えている。
【0032】バスケット1はその側面に多数の貫通孔8
を有しており、この貫通孔8を通じて、混合物に含まれ
る溶媒や、ろ過ケーキに含まれる着色微粒子を洗浄液で
洗浄した後の洗液が、バスケット1の外に排出されるよ
うになっている。遠心ろ過機7を用いて着色微粒子を分
離させる操作については、遠心ろ過機7のバスケット1
での遠心効果が100〜1000Gとなるように回転さ
せて、混合物を加え、混合物に含まれる溶媒を除去し、
洗浄を行って、着色微粒子を含む固形分濃度50%以上
のろ過ケーキを分離させるものであれば、特に限定はな
いが、より容易に効率よく低コストで、不純物を含まな
いように着色微粒子を分離させるためには、混合物供給
・脱液工程と、洗浄・脱液工程と、掻取工程とを含む以
下に詳しく説明する遠心ろ過操作が好ましい。
【0033】混合物供給・脱液工程は、バスケット1を
回転させながら、給液パイプ3を通じて平均粒子径50
μm以下の着色微粒子と溶媒とを含む混合物をバスケッ
ト1に供給し、遠心力によって溶媒をバスケット1から
排出させ、着色微粒子を含むろ過ケーキをろ材9の内表
面に付着させる工程である。洗浄・脱液工程は、バスケ
ット1を回転させながら洗浄用シャワーリングノズル2
から洗浄液を導入して、混合物供給・脱液工程において
ろ材9の内表面に付着したろ過ケーキを洗浄し、遠心力
によって洗浄した後の洗液をバスケット1から排出さ
せ、ろ過ケーキから懸濁安定剤等の不純物を除去する工
程である。なお、洗浄・脱液工程は、より精製された着
色微粒子を得るために、複数に分けて行ってもよい。
【0034】洗浄液としては、着色微粒子を洗浄できる
液体であれば特に限定はなく、たとえば、水;メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブ
チルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコー
ル、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール等のアル
コール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン、ミネラルスピリット等の石油系溶剤等が挙げら
れ、これらの2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】掻取工程は、掻取装置5を用いて、洗浄・
脱液工程後のろ材9の内表面に付着したろ過ケーキを掻
取って、ろ過ケーキ排出口6から取り出す工程である。
ろ材は、前記溶媒や洗液は通過させるが、着色微粒子を
含むろ過ケーキを通過させないものが用いられる。ろ材
としては、ろ過ケーキに含まれる平均粒子径50μm以
下の着色微粒子を分離させる目開きを有するものであれ
ば特に限定はなく、たとえば、ポリプロピレン、テトロ
ン、ナイロン、綿、ビニロン等の材質のものを挙げるこ
とができる。ろ材の目開きの程度については限定はない
が、好ましくは通気量500cc/cm2 ・min以
下、さらに好ましくは300cc/cm2 ・min以
下、最も好ましくは200cc/cm2 ・min以下で
ある。ろ材の目開きの程度が通気量500cc/cm2
・min以上であると、平均粒子径50μm以下の着色
微粒子がろ材を通過し、着色微粒子の分離回収率が低下
するとともに、ろ過後の溶媒や洗液に着色微粒子が混じ
るようになって、新たに排水処理の問題が生じることが
ある。
【0036】なお、上記遠心ろ過操作は、上記と同じ縦
型バスケットを備えるが、排出については上部から行う
構造の遠心ろ過機(図示せず)を用いて行ってもよい
し、横型のバスケットを備えた構造の遠心ろ過機(図示
せず)を用いて同様の操作を行うこともできる。バスケ
ットの回転は、遠心力場内に作用する力の大小を示し、
遠心加速度と重力加速度との比で定義される遠心効果が
100〜1000G(無次元数)となるように行われ、
混合物中に含まれる溶媒が除去されるとともに、洗浄液
で洗浄される。この結果、遠心ろ過によって得られるろ
過ケーキの厚みは均一になり、高いろ過率で良好な洗浄
効果が得られるようになる。遠心効果は、さらに好まし
くは200〜800G、最も好ましくは300〜700
Gである。遠心効果が100G未満であると、遠心力が
弱くなり、混合物に含まれる溶媒や、ろ過ケーキに含ま
れる着色微粒子を洗浄した後の洗液と、ろ過ケーキとの
分離が不十分となり、ろ過ケーキの固形分濃度が低くな
ってしまうし、混合物中に含まれることがある懸濁安定
剤等の不純物が水洗浄で十分に除去されずにろ過ケーキ
に残存するようになる。一方、遠心効果が1000Gを
超えると、遠心力が強いためろ過効果は高くなるが、混
合物を連続してバスケットに供給する場合、混合物に含
まれる溶媒は瞬時にろ過され、ろ過ケーキはろ材表面に
すぐに堆積するため、ろ過ケーキの厚みは不均一になり
やすく、洗浄も均一に行うことができなくなる。さら
に、ろ過ケーキに含まれる着色微粒子は強い遠心力によ
って高圧で圧せられるため、着色微粒子の破壊、破損が
起こることがある。
【0037】このようにして得られる着色微粒子を含ん
だろ過ケーキの固形分濃度は、50%以上であり、好ま
しくは60%以上、さらに好ましくは65%以上であ
る。固形分濃度が50%未満と、懸濁安定剤等の不純物
が水洗浄で十分に除去されずにろ過ケーキに残存するよ
うになり、さらに洗浄が必要になったり、ろ過ケーキを
乾燥させるのに長時間かかったりするため好ましくな
い。
【0038】本発明の分離方法で得られる着色微粒子
は、電子写真用トナーの他、ゴム用添加用塗料用添加
剤、インク用添加剤、紙用添加剤、マット剤、艶消し
剤、光拡散剤、感熱転写用インクリボンコート剤、感熱
転写用インキ、磁気記録媒体用バックコート剤、粉体塗
料、スペーサー材、着色剤等の幅広い用途に応用するす
ることができる。
【0039】本発明の電子写真用トナーは、上記分離方
法で得られる着色微粒子を含んでなる。電子写真用トナ
ーは、着色微粒子を必須成分として含み、疎水性シリ
カ、疎水性チタニア等の疎水性微粒子を含有する流動化
剤をさらに含むものであってもよい。電子写真用トナー
の帯電保持率は特に限定はないが、70%以上である
と、電子写真用トナーの表面に付着した不純物は少な
く、上記分離方法で十分に電子写真用トナーは精製さ
れ、湿度等の影響を受けにくく、環境安定性が高くなる
ため好ましい。
【0040】電子写真用トナー中に含まれる着色微粒子
(以下、「電子写真用トナー中に含まれる着色微粒子」
を「着色微粒子A」ということがある。)としては、上
記分離方法で得られるものであれば、特に着色微粒子A
中に含まれる成分について限定はないが、スチレン−ア
クリル系樹脂を主成分とし、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂をさらに含むことがあり、ガラス転移温度が50
〜75℃(好ましくは60〜79℃)である樹脂Aを必
須成分として含むと、トナーの熱溶融特性や機械的特性
に優れるため好ましい。
【0041】着色微粒子Aは、上記樹脂A以外に、カー
ボンブラックや、ブラック、イエロー、マジェンダ、シ
アン等の色の各種有機顔料の着色剤;帯電制御剤;ワッ
クス等を適宜配合してもよい。なお、着色微粒子Aが帯
電制御剤を含むと、帯電量を一定に保つことが可能にな
る。着色微粒子Aがワックスを含むと、熱ロール定着方
式において、樹脂Aが熱ロールに付着するのを防止する
ことができる。
【0042】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と
併せて説明するが、本発明は下記実施例に限定されな
い。また、下記実施例および比較例中「部」は「重量
部」を示す。 (実施例1)スチレン3400部、n−ブチルアクリレ
ート600部、ジビニルベンゼン1部、カーボンブラッ
ク(三菱化学(株)製、MA−100R)400部、オ
レイン酸アミノオレエート20部、電荷制御剤(保土谷
化学工業(株)製、スピロンブラックTRH)11部お
よびアゾビスバレロニトリル120部をバッチ式サンド
ミルに添加し、分散処理を行ってカーボンブラックを均
一に分散させた重合性単量体組成物を得た。得られた重
合性単量体組成物と、0.2%ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル硫酸アンモニウム水溶液4500
部との混合液を、エバラマイルダー((株)荏原製作所
製)に入れ、8000rpmで1回通過させて懸濁液を
得た。この懸濁液を窒素雰囲気下で重合粒子が沈降しな
い程度に全体を均一に攪拌しながら、75℃で6時間重
合させて着色微粒子(1)を製造した。
【0043】重合液中の着色微粒子濃度は20%であ
り、その粒子径は、コールターマルチサイダーII(コ
ールター社製)で測定すると、体積平均粒子径6.5μ
mであった。単位体積当たり攪拌所要動力0.5kw/
3 で重合液を攪拌しながら、この重合液に10%疎水
性シリカ(日本アエロジル社製、R−972)のメタノ
ール分散液220部を添加し、70℃まで昇温して着色
微粒子を凝集させ、常温まで冷却して凝集スラリーを得
た。
【0044】ろ布(岡田帆布(株)製、通気量192c
c/cm2 ・min)をバスケットの内側面にセットし
た遠心ろ過機((株)田邊鉄工所製、O−20型)を用
意し、バスケットを遠心効果300Gで回転させなが
ら、凝集スラリー20kgを3分間で供給し、2分間脱
液を行った。ついで、常温の脱イオン水10kgを1分
間でシャワリングノズルから供給して洗浄を行い、最後
に2分間脱水してろ過ケーキを得た。
【0045】得られたろ過ケーキは、ろ布に均一な厚み
で堆積し、その固形分濃度は82%であった。ろ過ケー
キを掻取装置で掻き落とし回収して、振動流動減圧乾燥
機を用いて50℃で3時間乾燥し、3.28kgの乾燥
物を得た。この乾燥物をピンミルで解砕し、着色微粒子
(1)を得た。解砕後の着色微粒子(1)の体積平均粒
子径は6.5μmであり、重合後と同じであった。
【0046】温度23℃で、湿度60%および90%の
条件下に24時間放置して、着色微粒子(1)の帯電保
持率を測定すると、湿度60%では帯電保持率90%、
湿度90%では帯電保持率89%であり、帯電保持率は
湿度の影響をほとんど受けず、重合に使用された懸濁安
定剤(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸アンモニウム)等は完全に除去されたことを示してい
る。
【0047】この着色微粒子(1)を電子写真用トナー
(1)として用い、これに疎水性シリカ(同前)を0.
3%添加し、シリコーン樹脂コートフェライトキャリア
でトナー濃度が4%になるように調整して、二成分現像
剤を作製した。この二成分現像剤を複写機(東芝(株)
製、レオドライ7610)にセットし、複写テストを行
うと、鮮明な解像度の良好な画像が得られ、カブリも認
められなかった。
【0048】実施例1および以下の実施例、比較例で
は、帯電保持率は以下のようにして測定した。直径50
mm、深さ2.5mmの凹部を有する真鍮製容器に、着
色微粒子粉体約5gを均一に充填した後、表面を平滑に
し、温度23℃で、湿度60%および90%の条件下に
24時間静置した。この真鍮製容器をアースされた試料
台に置き、着色微粒子粉体表面にコロナチャージして強
制帯電させ、着色微粒子粉体の表面電位を表面電圧計で
測定し、強制帯電後5分間の帯電保持率を測定し、以下
の計算式で強制帯電後の帯電保持率を算出した。 帯電保持率=(強制帯電後5分の表面電位)/(強制帯
電直後の表面電位)×100 (実施例2)実施例1で用いた0.2%ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム水溶液
を、0.04%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
と4%リン酸カルシウムとを含んだ水に変更する以外
は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行って、着色微
粒子(2)を製造した。
【0049】重合液中の着色微粒子濃度は20%であ
り、その粒子径は、実施例1と同様の方法で測定する
と、体積平均粒子径10μmであった。この重合液に塩
酸を添加してリン酸カルシウムを溶解させた。次に、ろ
布(岡田帆布(株)製、通気量54cc/cm2 ・mi
n)をバスケットの内側面にセットした遠心ろ過機(同
前)を用意し、バスケットを遠心効果700Gで回転さ
せながら、凝集スラリー20kgを3分間で供給し、2
分間脱液を行った。ついで、常温の脱イオン水20kg
を2分間でシャワリングノズルから供給して洗浄を行
い、最後に5分間脱水してろ過ケーキを得た。
【0050】得られたろ過ケーキは、ろ布に均一な厚み
で付着し、その固形分濃度は75%であった。ろ過ケー
キを掻取装置で掻き落とし回収して、振動流動減圧乾燥
機を用いて50℃で4時間乾燥し、3kgの乾燥物を得
た。この乾燥物をピンミルで解砕し、着色微粒子(2)
を得た。解砕後の着色微粒子(2)の体積平均粒子径は
10μmであり、重合後と同じであった。
【0051】実施例1と同じ条件で着色微粒子(2)の
帯電保持率を測定すると、湿度60%では帯電保持率8
6%、湿度90%では帯電保持率82%であり、帯電保
持率は湿度の影響をほとんど受けず、十分に洗浄された
ことを示している。実施例1と同様にして、この着色微
粒子(2)を電子写真用トナー(2)として用いて複写
テストを行うと、鮮明な解像度の良好な画像が得られ、
カブリも認められなかった。 (実施例3)過硫酸カリウム20部を溶解させた0.2
%ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ア
ンモニウム水溶液6000部を準備し、70℃で攪拌し
ながらこの水溶液に、スチレン3200部、n−ブチル
アクリレート600部およびメチルメタアクリレート2
00部を含む重合性単量体組成物を2時間かけて滴下
し、続けて熟成反応を4時間行い、固形分40%の乳化
重合物を得た。
【0052】得られた乳化重合物のうちの4000部、
カーボンブラック(同前)400部および電荷制御剤
(同前)11部をアトライターを用いて60分間攪拌し
て分散処理した混合物を、残りの乳化重合物に添加し
た。さらに、単位体積当たり攪拌所要動力0.5kw/
3 で攪拌しながら、10%疎水性シリカ(同前)のメ
タノール分散液440部を添加し、75℃まで昇温して
着色微粒子を凝集させて凝集粒子径5〜10μmに成長
したのを光学顕微鏡で確認した後、常温まで冷却して凝
集スラリーを得た。
【0053】ろ布(岡田帆布(株)製、通気量72cc
/cm2 ・min)をバスケットの内側面にセットした
遠心ろ過機(同前)を用意し、バスケットを遠心効果5
00Gで回転させながら、凝集スラリー20kgを3分
間で供給し、2分間脱液を行った。ついで、常温の脱イ
オン水15kgを2分間でシャワリングノズルから供給
して洗浄を行い、最後に5分間脱水してろ過ケーキを得
た。
【0054】得られたろ過ケーキは、ろ布に均一な厚み
で付着し、その固形分濃度は77%であった。ろ過ケー
キを掻取装置で掻き落とし回収して、振動流動減圧乾燥
機を用いて50℃で4時間乾燥し、3.1kgの乾燥物
を得た。この乾燥物をピンミルで解砕し、着色微粒子
(3)を得た。解砕後の着色微粒子(3)の体積平均粒
子径は8.5μmであった。
【0055】温度23℃で、湿度60%および90%の
条件下に24時間放置して、着色微粒子(2)の帯電保
持率を測定すると、湿度60%では帯電保持率78%、
湿度90%では帯電保持率75%であり、帯電保持率は
湿度の影響をほとんど受けず、十分に洗浄されたことを
示している。実施例1と同様にして、この着色微粒子
(3)を電子写真用トナー(3)として用いて複写テス
トを行うと、鮮明な解像度の良好な画像が得られ、カブ
リも認められなかった。
【0056】
【表1】
【0057】(比較例1)実施例1と同じろ布をセット
した遠心ろ過機を用意し、バスケットを遠心効果80G
で回転させながら、実施例1と同じ方法で得られた凝集
スラリー20kgを4分間で供給し、5分間脱液を行っ
た。ついで、常温の脱イオン水10kgを2分間でシャ
ワリングノズルから供給して洗浄を行い、最後に5分間
脱水してろ過ケーキを得た。
【0058】得られたろ過ケーキは、ろ布に均一な厚み
で付着していたが、その固形分濃度は42%であった。
ろ過ケーキを掻取装置で掻き落とし回収して、振動流動
減圧乾燥機を用いて50℃で乾燥するのに10時間要
し、1.68kgの乾燥物を得た。この乾燥物をピンミ
ルで解砕し、比較用着色微粒子(1)を得た。解砕後の
比較用着色微粒子(1)の体積平均粒子径は6.5μm
であった。
【0059】温度23℃で、湿度60%および90%の
条件下に24時間放置して、比較用着色微粒子(1)の
帯電保持率を測定すると、湿度60%では帯電保持率6
2%、湿度90%では帯電保持率40%であり、帯電保
持率は湿度の影響を強く受けており、洗浄が不十分であ
ったことを示している。この比較用着色微粒子(1)を
比較用電子写真用トナー(1)として用いて複写テスト
を行うと、鮮明な解像度の画像ではあったが、カブリが
認められた。 (比較例2)実施例1と同じろ布をセットした回転速度
を速くする目的で改造した遠心ろ過機を用意し、バスケ
ットを遠心効果1100Gで回転させながら、実施例1
と同じ方法で得られた凝集スラリー20kgを2分間で
供給し、2分間脱液を行った。ついで、常温の脱イオン
水10kgを1分間でシャワリングノズルから供給して
洗浄を行い、最後に2分間脱水してろ過ケーキを得た。
【0060】得られたろ過ケーキはろ布に不均一な厚み
で付着し、凝集スラリーの供給ノズル部付近で厚く積層
しており、その固形分濃度は85%であった。ろ過ケー
キを掻取装置で掻き落とし回収して、振動流動減圧乾燥
機を用いて50℃で2.5時間乾燥し、3.4kgの乾
燥物を得た。この乾燥物をピンミルで解砕し、比較用着
色微粒子(2)を得た。解砕後の比較用着色微粒子
(2)の体積平均粒子径は6.5μmであった。
【0061】温度23℃で、湿度60%および90%の
条件下に24時間放置して、比較用着色微粒子(2)の
帯電保持率を測定すると、湿度60%では帯電保持率5
3%、湿度90%では帯電保持率38%であり、帯電保
持率は湿度の影響を強く受けており、洗浄が不十分であ
ったことを示している。この比較用着色微粒子(2)を
比較用電子写真用トナー(2)として用いて複写テスト
を行うと、鮮明な解像度の画像ではあったが、カブリが
認められた。 (比較例3)実施例1と同じ懸濁重合を行い、比較用着
色微粒子の濃度20%の重合液を得た。
【0062】遠心分離機(同前)を用意し、遠心効果1
500Gで回転させながら、上記重合液を供給して固−
液分離を行ってろ過ケーキを得た。得られたろ過ケーキ
を脱イオン水10kgに再分散させ、洗浄、遠心分離機
での固−液分離を3度行った。得られたろ過ケーキの固
形分濃度は45%であった。これを振動流動減圧乾燥機
を用いて50℃で乾燥するのに9時間要し、1.8kg
の乾燥物を得た。この乾燥物をピンミルで解砕し、比較
用着色微粒子(3)を得た。
【0063】温度23℃で、湿度60%および90%の
条件下に24時間放置して、比較用着色微粒子(3)の
帯電保持率を測定すると、湿度60%では帯電保持率3
5%、湿度90%では帯電保持率21%であり、帯電保
持率は湿度の影響を強く受けており、洗浄が不十分であ
ったことを示している。この比較用着色微粒子(3)を
比較用電子写真用トナー(3)として用いて複写テスト
を行うと、鮮明な解像度の画像は得られず、カブリが認
められた。 (比較例4)実施例2と同じ懸濁重合を行い、比較用着
色微粒子を含む重合液を得た。
【0064】遠心分離機(同前)を用意し、遠心効果2
000Gで回転させながら、上記重合液を供給して固−
液分離を行ってろ過ケーキを得た。得られたろ過ケーキ
を脱イオン水20kgに再分散させ、洗浄、遠心分離機
での固−液分離を3度行った。得られたろ過ケーキの固
形分濃度は39%であった。これを振動流動減圧乾燥機
を用いて50℃で乾燥するのに10時間要し、1.56
kgの乾燥物を得た。この乾燥物をピンミルで解砕し、
比較用着色微粒子(4)を得た。
【0065】温度23℃で、湿度60%および90%の
条件下に24時間放置して、比較用着色微粒子(4)の
帯電保持率を測定すると、湿度60%では帯電保持率4
2%、湿度90%では帯電保持率33%であり、帯電保
持率は湿度の影響を強く受けており、洗浄が不十分であ
ったことを示している。この比較用着色微粒子(4)を
比較用電子写真用トナー(4)として用いて複写テスト
を行うと、鮮明な解像度の画像は得られず、カブリが認
められた。
【0066】
【表2】
【0067】
【発明の効果】本発明の着色微粒子の分離方法は、着色
微粒子と溶媒とを含む混合物から、容易に効率よく低コ
ストで、不純物を含まないように着色微粒子を分離させ
ることができる。本発明の着色微粒子は、容易に効率よ
く低コストで得られ、不純物を含まない。
【0068】本発明の電子写真用トナーは、容易に効率
よく低コストで製造され、帯電保持率は湿度の影響をほ
とんど受けず、不純物を含まない。そのため、複写テス
トを行うと、鮮明な解像度の良好な画像が得られ、カブ
リも認められない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の着色微粒子の分離方法に用いられる遠
心ろ過機の概略図。
【符号の説明】
1 バスケット 2 洗浄用シャワーリングノズル 3 給液パイプ 4 モーター 5 掻取装置 6 ろ過ケーキ排出口 7 遠心ろ過機 8 貫通孔 9 ろ材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径50μm以下の着色微粒子と溶
    媒とを含む混合物から前記着色微粒子を分離させる方法
    であって、 側面に多数の貫通孔を有し回転可能なバスケットと前記
    バスケットの内側面を被覆するろ材とを備えた遠心ろ過
    機に前記混合物を加え、遠心効果が100〜1000G
    となるように前記バスケットを回転させて前記溶媒の除
    去および洗浄を行い、前記着色微粒子を含む固形分濃度
    50%以上のろ過ケーキを分離させる着色微粒子の分離
    方法。
  2. 【請求項2】前記混合物が前記着色微粒子の凝集体をさ
    らに含む請求項1に記載の着色微粒子の分離方法。
  3. 【請求項3】前記着色微粒子は液中造粒法で得られる請
    求項1または2に記載の着色微粒子の分離方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の分離方法
    で得られる着色微粒子。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の着色微粒子を含んでなる
    電子写真用トナー。
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