JP5821215B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は静電荷像現像用トナーとその製造方法に関するものである。
従来、静電荷像現像用トナーの製造方法は、粉砕法、重合法に大別される。粉砕法では、樹脂、着色剤等の原料を混合、混練し、冷却工程を経、ジェットミル等で微粉砕後分級し、必要に応じて添加剤を加えた後、篩別後容器に充填し製品となる。また、重合法では、モノマー、ワックス等の原料を重合し、着色剤、帯電制御剤等を加え、必要に応じて、得られた重合粒子を凝集した後に脱水・洗浄・乾燥工程を経て、必要に応じて添加剤を加えた後に容器に充填し製品となる。
重合法のトナー製造の洗浄工程においては、特許文献1等に例示されるように、洗浄後のトナー粒子と洗浄液との固液分離のために、フィルタを用いるのが一般的であり、フィルタープレスや遠心分離機などの装置が用いられる。また、固液分離されたトナー粒子を、新たに水系媒体に再分散する工程と、再分散された粒子を第2の固液分離工程で分離する方法も提案されている(特許文献2)。
特開2004−258609号公報 特開2009−69594号公報
洗浄工程においてはトナー粒子のケーキ層を形成し、洗浄液により不要成分を洗い流す場合、洗浄液は上流側から下流側へ流れることで不要成分を移動させて洗浄するため、不要成分含有量には上流側から下流側へ濃度勾配ができる。下流側の方に不要成分が多く残る問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、下流側に過剰に残る不要成分を効率よく取り除き、良好な性能のトナーを得ることを目的とする。
本発明者は、前記の不要成分は、トナー中に取り込まれずに残存したり、遊離したりしてしまった原料樹脂粒子やワックス粒子が主であることを突き止め、このワックス粒子を効率的に除去することが不可欠と考えて検討を重ねた結果、本発明に至った。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)水系媒体中にトナー粒子を含有する分散液から、トナー粒子のケーキ層を形成し、洗浄液を該ケーキ層に通液し洗浄後に固液分離をする静電荷像現像用トナーの製造方法において、洗浄液を通液した下流側の部分のケーキ層を少なくとも含むケーキ層を再度洗浄することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(2)洗浄液を通液した下流側の部分のケーキ層を少なくとも含むケーキ層を洗浄前のトナー粉体と混合した後、再度洗浄することを特徴とする(1)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(3)固液分離を遠心脱水により行うことを特徴とする(1)又は(2)記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(4)該トナー粒子を含有する分散液が、トナー粒子を重合法又はケミカルミリング法
により製造したものであることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(5)重合後に小さな粒子を凝集一体化させることによりトナー粒子を製造することを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(6)該トナー粒子がパラフィンワックスを含有することを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(7)洗浄対象のトナー粒子分散液が界面活性剤を0.05〜3.0質量%含有することを特徴とする(1)から(6)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(8)洗浄液を通液後に、上流側ケーキ層は物理的に除去し、残った下流側ケーキ層を再度洗浄することを特徴とする(1)から(7)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(9)(1)から(8)のいずれかに記載の方法で得られた静電荷像現像用トナー。
本発明のトナーは、不要成分がよく除去されているので フィルミングなどの画像不良
が発生せず、良好な画像品質を確保できる。
また、そのトナーを作るに当たり、過剰な洗浄液量や洗浄時間、エネルギーを必要とせず、適量の液、時間、エネルギーで製造できる。
本発明における遠心脱水型洗浄機による洗浄の様子を示す概念図。 本発明において、洗浄後、下流側を残し、上流側を製品回収する様子を示す概念図。
静電荷像現像用トナーの製造方法とその方法により製造されたトナーに関する本発明は、通常、重合トナーやケミカルミリングトナーの製造プロセスなどトナー粉体を液体で湿らせたり、液体中にトナーが分散したりした状態で洗浄液により不要成分を洗いだす場合に採用することができる。
重合トナーの製造方法は、懸濁重合法と乳化重合法とに大別される。本発明はケミカルミリングトナーの製造やいずれの重合方法にも適用可能であるが、ここでは主に、乳化重合法によって得られる重合トナーを例として説明する。
重合トナーの通常の製造方法としては先ず原料となるモノマー、ワックス等を重合開始剤と必要に応じて連鎖移動剤の存在下に水中で重合槽を用いて重合し、顔料等の着色剤や帯電制御剤等の補助原料を加え、加熱して重合体粒子を凝集・溶融、冷却固化した後に種々の添加剤を加えてトナー材料を得る。トナー原料としてはモノマーおよびワックスが必須成分として使用されるが、必要に応じて例えば着色剤や帯電制御剤やその他のトナー特性付与剤を使用することができる。
本発明で用いられるモノマーとしては、重合トナーに用いられるモノマーであれば特に限定されるものではなく、種々の公知の酸性極性基あるいは塩基性極性基を有するモノマーを用いることが出来る。酸性極性基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸、等のカルボキシル基を有するモノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノマー等が挙げられる。
また、塩基性極性基を有するモノマーとしては、アミノスチレン及びその4級塩、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、等の窒素含有複素環含有モノマー、ジメチルアミノエチ
ルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、及び、これらのアミノ基を4級化したアンモニウム塩を有する(メタ)アクリル酸エステル、更には、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、アクリル酸アミドを挙げることができる。
その他のコモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。この中で、スチレン、ブチルアクリレート等が特に好ましい。
これらのモノマーは単独または混合して用いられるが、その際、重合後に得られる重合体のガラス転移温度が40〜80℃となるよう決定することが好ましい。ガラス転移温度が高すぎると定着強度が弱くなり、フルカラートナーにおいては、OHPシートに印字した際の透明性の悪化や普通紙においても光沢の低下が問題となることがあり、一方、重合体のガラス転移温度が低すぎる場合は、トナーの保存安定性が悪くなりすぎて問題を生じる。特に、酸性極性基を持つモノマーとしてアクリル酸が、その他のモノマーとしてスチレン、アクリル酸エステル、及びメタクリル酸エステルが好適に使用される。
ワックスとしては、重合トナーに用いられる公知のワックス類の任意のものを使用することができるが、具体的には低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス、パラフィンワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス、水添ひまし油カルナバワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有するシリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸、長鎖脂肪酸アルコール、ペンタエリスリトール等の長鎖脂肪酸多価アルコール、及びその部分エステル体、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が例示される。これらのワックスの中で定着性を改善するためにより好ましいのは、融点が100℃以下のワックスであり、更に好ましいワックスの融点は40〜90℃の範囲、特に好ましいのは50〜80℃の範囲である。融点が100℃を越えると定着温度低減の効果が乏しくなる。
乳化重合法において、ワックス微粒子を、上記ワックスを公知のカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤の中から選ばれる少なくともひとつの乳化剤の存在下で乳化して得る。これらの界面活性剤は2種以上を併用してもよい。
カチオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、等が挙げられる。
また、アニオン界面活性剤の具体例としては、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
さらに、ノニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレ
ンエーテル、モノデカノイルショ糖等があげられる。
使用する重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4‘−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロペーオキサイド、等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2‘−アゾビス−イソブチロニトリル、等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができるが、その様な連鎖移動剤の具体的な例としては、t―ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン、等があげられる。連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して0〜5質量%用いられる。
先述のワックス類を乳化剤の存在下に分散してエマルションとし、樹脂のシード重合に供する。エマルション中のワックス粒子の平均粒径は、0.01μm 〜3μm が好ましく、さらに好ましくは0.03〜1μm、特に0.05〜0.8μmのものが好適に用いられる。なお、平均粒径は、例えばマイクロトラックUPA(日機装社製)を用いて測定することができる。ワックス粒子の平均粒径が大きすぎる場合にはシード重合して得られる重合体粒子の平均粒径が大きくなりすぎる傾向があり、トナーとして高解像度を要求される用途には不適当な場合がある。また、ワックス粒子の平均粒径が小さすぎる場合には、シード重合後の重合体一次粒子中のワックス含有量が低くなりすぎるためワックスの効果が低くなる傾向がある。
ワックスエマルションの存在下でシード重合をするに当たっては、逐次、極性基を有するモノマー(酸性極性基を有するモノマーもしくは塩基性官能基有するモノマー)、及び、その他のモノマーを添加する事により、ワックスを含有するエマルション内で重合を進行させる。この際、モノマー同士は別々に加えても良いし、予め複数のモノマー混合しておいて添加しても良い。更に、モノマー添加中にモノマー組成を変更することも可能である。また、モノマーはそのまま添加しても良いし、予め水や界面活性剤などと混合、調整した乳化液として添加することもできる。界面活性剤としては、前記の界面活性剤から1種又は2種以上の併用系が選択される。
シード重合を進行させるにあたっては、乳化剤を一定量ワックスエマルションに添加してもかまわない。また重合開始剤の添加時期は、モノマー添加前、モノマーと同時添加、モノマー添加後のいずれでも良く、またこれらの添加方法の組み合わせであっても構わない。
以上の様にして得られる重合体一次粒子は、実質的にワックスを包含した形の重合体粒子であるが、そのモルフォロジーとしては、コアシェル型、相分離型、オクルージョン型、等いずれの形態をとっていてもよく、またこれらの形態の混合物であってもよい。特に好ましいのはコアシェル型である。ワックスは、通常、バインダー樹脂100質量部に対して1 質量部〜40質量部で用いられ、好ましくは2質量部〜35質量部、更に好ましくは5質量部〜30質量部で用いられる。また、本発明の趣旨をはずれない範囲では、ワックス以外の成分、例えば顔料、帯電制御剤、等を同時にシードとして用いても構わない。さらに着色剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させて用いても構わない。
重合体一次粒子の平均粒径は、通常0.05μm〜3μmの範囲であり、好ましくは0.1μm〜1μm、更に好ましくは0.1μm〜0.5μmである。なお、平均粒径は、例えば先述のマイクロトラックUPAを用いて測定することができる。粒径が小さすぎる
と凝集速度の制御が困難となる傾向がある。また、大きすぎると凝集して得られるトナー粒径が大きくなり、トナーとして高解像度を要求される用途には不適当な場合がある。
上記のようにして得られた重合体一次粒子は、凝集工程において、攪拌槽で攪拌しながら必要に応じて上記の添加剤等を加えながら、質量平均粒径が約3〜12μm、好ましくは約5〜10μmの範囲になるように凝集粒子を生成させる。
重合、凝集工程では攪拌翼を有する公知の攪拌槽が使用できる。粒子同士の凝集をより強固にするために加熱処理を行ってもよい。
なお、上記の重合工程において重合体一次粒子を得る際に、顔料等の着色剤をワックスと同時にシードとして用いたり、着色剤をモノマー又はワックスに各々溶解又は分散させて用いたりしても構わないが、凝集工程で重合体一次粒子と同時に着色剤一次粒子を凝集させて会合粒子を形成し、重合トナーとすることが好ましい。この時、ワックスを内包化した重合体一次粒子が用いられるが、必要に応じて2種類以上の重合体一次粒子を用いても良い。また、ここで用いられる着色剤としては、無機顔料又は有機顔料、有機染料のいずれでも良く、またはこれらの組み合わせでも良い。これらの具体的な例としては、カーボンブラック、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料など、公知の任意の染顔料を単独あるいは混合して用いることができる。フルカラートナーの場合にはイエローはベンジジンイエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔料、マゼンタはキナクリドン、モノアゾ系染顔料、シアンはフタロシアニンブルーをそれぞれ用いるのが好ましい。着色剤は、通常、バインダー樹脂100質量部に対して3〜20質量部となるように用いられる。
これらの着色剤も乳化剤の存在下で水中に乳化させエマルションの状態で用いるが、平均粒径としては、0.01〜3μm のものを用いるのが好ましい。
帯電制御剤としては、公知の任意のものを単独ないしは併用して用いることができる。カラートナー適応性(帯電制御剤自体が無色ないしは淡色でトナーへの色調障害がないこと)を勘案すると、正荷電性としては4級アンモニウム塩化合物が、負荷電性としてはサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物等が好ましい。その使用量はトナーに所望の帯電量により決定すれば良いが、通常はバインダー樹脂100質量部に対し0.01〜10質量部用い、更に好ましくは0.1〜10質量部用いる。
更に、重合体一次粒子を得る際に、帯電制御剤をワックスと同時にシードとして用いたり、帯電制御剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させて用いても構わないが、重合体一次粒子と同時に帯電制御剤一次粒子を凝集させて会合粒子を形成し、重合トナーとすることが好ましい。この場合、帯電制御剤も水中で平均粒径0.01〜3μmのエマルションとして使用する。
添加する時期は、重合体一次粒子と着色剤一次粒子を凝集させる工程で同時に添加して凝集させても良いし、これらの一次粒子が会合して2次粒子が生成した段階で加えても良いし、さらには粒径が最終的な重合トナーの粒径まで会合粒子が成長した後に添加しても良い。
重合トナーを製造するに当たっては、凝集粒子の粒径が実質的に最終的なトナーの粒径まで成長した後に、更に同種又は異なった種類のバインダー樹脂エマルションを添加し、粒子を表面に付着させることにより、表面近傍のトナー性状を修飾する事も可能である。
以上のようにして得られた凝集粒子の分散液は50℃以下まで冷却され、フィルタを用いて濾過により固液分離することにより、トナー粒子のケーキを得る。さらにトナー粒子のケーキに対し、洗浄液を懸洗することでトナー粒子を洗浄する。この洗浄工程においては、トナー粒子に付着する不純物を低減し、幅広い環境に渡ってトナーの性能を発揮できるという点で、電気伝導度が2μS/cm以下のイオン交換水を用いて懸洗するのが望ましい。より好ましくは、1μS/cm以下のイオン交換水を用いると洗浄程度はより厳密に管理できる。濾液の電気伝導度が5μS/cm以下になるまで懸洗するのが望ましい。より好ましくは2μS/cm以下まで懸洗するのが望ましく、さらにはイオン交換水の電導度に0.2〜0.5μS/cmを加えた値以下になるまで懸洗できれば望ましい。しかしながら、よりきれいの洗うためには大量のイオン交換水を必要とするので トナー製品としての実用上の性能と折り合いを付けた範囲にとどめることが望ましい。
イオン交換水や濾液の電気伝導度は、通常の電気伝導度計により測定することができ、測定器の一例として「CM−25R」(東亜ディーケーケー製)を挙げることができる。フィルタとしては、SUS316Lなどの金属ワイヤーを織ったメッシュや、ポリエステルやポリプロピレンなどの繊維を織って作成した布、不織布、濾紙などが挙げられるが、取り扱いが楽で比較的耐久性の高い布製のフィルタを装着したフィルタープレスや遠心分離器などが、濾過装置として好ましい。
この洗浄工程により、洗浄液に容易に溶解するような不要成分は比較的容易に洗い流すことができるが、溶解しない固体微小粒子の不要成分 や 洗浄液には溶解しないが、界面活性剤の存在により乳化状態で存在している不要成分は、容易に洗い流すことはできない。
これらの洗い流し難い不要成分は、ケーキ層中を洗浄液の流れの上流側から下流側へトナー粒子の隙間を通りながら徐々に移動していく。移動途中で狭い部分で詰まりトラップしてしまう場合もある。さらに乳化状態の不要成分をイオン交換水などで洗っている場合、界面活性成分が洗い落とされ、移動途中に解乳化のような状態となり、より洗い難くなってしまう場合もある。即ち、これらの洗い流し難い不要成分は、ケーキ層中の上流側より下流側により濃縮した状態で残存する場合がある。
洗浄工程について、遠心脱水型洗浄機を用いて、より具体的に説明する(図1)。遠心脱水の回転円筒(4)の内壁に濾布(3)を敷く。高速回転により遠心力がかかった状態でトナー粒子を含有した分散液を注液し、トナー粒子のケーキ層(2)を形成する。ケーキ層(2)の形成に当たっては、液体成分を遠心力で濾布、回転円筒の外側に飛ばして(5)、トナー粒子のみを残してケーキ層を形成しても良い。また、実施例で使用した三菱化工機社製ピーラーセントリフュージHZ160L(サイホン付き)型の場合は、サイホン機構によって液体成分が外側に飛ばないようにして、液体成分も回転円筒内部に残した状態で、液体成分とトナー粒子の真比重差を利用し、遠心分離機の原理でトナー粒子のケーキ層(2)を形成しても良い。ケーキ層形成後、サイホンによる液体成分の保持を解き、液体成分を外側へ飛ばす(5)。その後、イオン交換水などの洗浄液(1)を内側から注液し、遠心力で脱水洗浄済み液(5)を飛ばして、洗浄する。
固体微小粒子の不要成分としては、前記の重合体一次粒子と着色剤一次粒子の内、凝集せず残った残存粒子、凝集中に再度遊離した粒子などがある。
乳化状態で存在している不要成分としては、前記のワックス乳化物でのシード重合の際、モノマー成分と殆ど出会わず、ワックス成分リッチのまま残ってしまったもの、凝集中にトナー粒子から浸み出して来たワックス成分などがある。
下流側により濃縮した状態で残存した不要成分を上流側並にきれいになるまでさらに洗うためには、洗浄液も時間もエネルギーも過剰に必要となる。不要成分は上記のような状
態で残存しているので、当初よりもさらに洗い落し難くなっている。このような不要成分を多く含んだトナーは、感光体へのフィルミングが発生しやすかったり、適正な摩擦帯電が得られず画像欠陥を生じ易い。
そこで、既にきれいに洗えたケーキ層上流側のトナーは洗浄完了とし、次の工程へと進む。下流側だけを再度きれいになるように洗うことが効率的にかつより性能の良いトナーを製造できる。前述の通り、洗い難い不要成分は上流側から下流側へ勾配を持って残存量が増しているようある。従って、より下流側程再洗浄することが望ましく、下流側20質量%以下の範囲は再洗浄することが望ましく。下流側10質量%以下の範囲はより再洗浄すべき部分である。
ケーキ層下流側を再度洗浄するに当たっては、ケーキ層内の粒子がそのままの位置で固定されたまま洗浄するより、再度液体中に分散させた後、再洗浄した方が効率的に残存不要成分を取り除くことができる。
トナー粒子も残存不要成分も疎水性寄りである場合が多く、液体への再分散においては、前もって界面活性剤を添加したり、後からでも添加した方が、効率的に残存不要成分を取り除くことができる。
遠心脱水型洗浄機などを用いる場合(図2)、回転円筒(4)を回しながら、掻き落としブレード(6)などを当ててケーキ層(2)を剥ぎ取り製品回収する(7)方法の場合、回転円筒壁面(濾布)(3,4)と掻き落としブレード(6)を精密に水平に当てることができるので 再洗浄が必要な下流側だけを精密に残し、上流側だけをまず回収できるの
でより効率的である。
ケーキ層下流側を剥がし回収する工程においては、液体シャワーを用いると粉体が攪乱され、再洗浄が効率的に実行できる。
このようにして回収した下流側複数回分を溜めてから、再洗浄をしても良い。または、次回洗浄バッチ分のトナー分散液と混合し再洗浄しても良い。トナー分散液には界面活性剤が添加されている場合が多いので、前記の通りの理由により下流側分の再洗浄には効率的である。
遠心脱水型洗浄機などで掻き落としブレード(6)などでケーキ層上流側だけを回収できる場合、残った下流側は剥がさず、その上から次回バッチ分トナー分散液を加えて、洗浄を行ってもよい。この時点で 残った下流側は再度洗浄されることになるが、これは本
発明に該当しない。次回バッチ分の不要成分がこの下流側へ移動してくるため、本発明で言う再洗浄の効果は小さいと考えるからである。
一方、掻き落としブレード(6)で製品回収する(7)場合、下流側は複数回繰り返し使用できる。下流側は毎回剥がしても良いし、複数回毎に剥がしてもよい。この剥がして改めて洗い直す場合、本発明に該当する。
フィルタープレスの場合、逆洗浄できるばあいもある。その場合、不要成分が最終的に溜まり易い場所、両サイドだったり、中央だったりが、本明細書で定義する下流側にあたる。
洗浄工程によって得られたトナー粒子のケーキは、気流乾燥機、流動乾燥機又は真空乾燥機あるいはこれらの組み合わせによる乾燥機を用いて乾燥させることによって、重合トナーを得ることが出来る。
本発明のトナーは、必要により流動化剤等の添加剤と共に用いることができ、そのような流動化剤としては、具体的には、疎水性シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の微粉末を挙げることができ、通常、バインダー樹脂100質量部に対して、0.01〜5質
量部、好ましくは0.1〜3質量部用いられる。
また、各種のトナー特性付与剤として、流動性および耐凝集性の向上のために、チタニア、アルミナ、シリカ等の無機微粒子を使用することができる。
これらのトナー特性付与剤は、バインダー樹脂100質量部当たり、通常0.1〜10質量部の割合で使用される。更に、トナーが磁性トナーである場合には、フェライト、マグネタイトを始め、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性元素を含む合金又は化合物などの磁性粒子を含有することができる。磁性粒子は、バインダー樹脂100質量部当たり、通常、20〜70質量部の割合で使用される。
上記のトナー特性付与剤を重合トナーに外添処理する場合には、それぞれを所定量配合の上、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速攪拌機等で攪拌・混合をするのが良い。その際に、外添処理機内部で発熱があり、凝集物が生成しやすくなることがあるので、外添処理機周囲を水等で冷却するなどの手段で温度調節をしても良い。その場合には、外添処理機内部の温度を重合トナーの樹脂のガラス転移温度より低め、具体的には、5〜20℃、好ましくは10℃程度低めにするのが良い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら制限されるものではない。
(参考例1)
<ワックスエマルジョンAの製造>
パラフィンワックス(HNP9:日本精蝋製 融点77℃)27質量部(720kg)、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、アニオン性界面活性剤20質量%水溶液(ネオゲンS−20D:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液 第一工業製薬製、以下、「20%DBS水溶液」と略す)1.9質量部と共に、イオン交換水68.3質量部に加え90℃に加熱して、ホモミキサー(APV社製)を用い、28MPaの加圧条件で180分間循環乳化し、パラフィンワックスのエマルジョン(以下、「ワックスエマルジョンA」と略す)を作製した。なお、マイクロトラックUPAで測定した体積平均粒径(mv)は0.25μmであった。

ワックスの融点は、セイコーインスツルメンツ製DSC−20を用いて、昇温速度10℃/minで測定を行い、DSCカーブにおいて最大の吸熱を示すピークの頂点の温度とした。
<重合体一次粒子エマルジョンB1の製造>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記ワックスエマルジョンAを35.6質量部(1670kg)、イオン交換水259質量部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。表1の<重合性モノマー類等>と<乳化剤水溶液>との混合物を5時間かけて添加した。前記混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、「重合開始」の30分後から、前記の操作と併行して<開始剤水溶液−1>を4.5時間かけて添加した。前記混合物と<開始剤水溶液−1>の添加が終了後、<開始剤水溶液−2>を2時間かけて添加した。<開始剤水溶液−2>の添加が終了した後も更に攪拌を続け、内温90℃のまま1時間保持した。
[表1]
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.75質量部
アクリル酸ブチル 23.25質量部
アクリル酸 1.5質量部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7質量部
トリクロロブロモメタン 1.0質量部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0質量部
イオン交換水 67.1質量部
[開始剤水溶液−1]
8質量%過酸化水素水溶液 15.52質量部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.52質量部
[開始剤水溶液−2]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.21質量部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子エマルジョンB1を得た。マイクロトラックUPAを用いて測定した体積平均粒径(mv)は0.28μmであり、固形分濃度は21.3質量%であった。
<重合体一次粒子エマルジョンB2の製造>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に20%DBS水溶液を1.72質量部(117.4kg)、イオン交換水を309質量部仕込
み、窒素気流下で攪拌しながら、90℃に昇温した。表2の<開始剤水溶液−3>を一括添加した。
その後も攪拌を続けたまま、表2の<重合性モノマー類等>と<乳化剤水溶液>との混合物を5時間かけて添加した。また、前記混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、前記の操作と併行して<開始剤水溶液−4>を重合開始から6時間かけて添加した。<開始剤水溶液−4>の添加が終了した後も更に攪拌を続け、内温90℃のまま1時間保持した。
[表2]
[重合性モノマー類等]
スチレン 100.0質量部
アクリル酸 0.5質量部
トリクロロブロモメタン 0.63質量部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0質量部
イオン交換水 66.0質量部
[開始剤水溶液−3]
8質量%過酸化水素水溶液 3.2質量部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 3.2質量部
[開始剤水溶液−4]
8質量%過酸化水素水溶液 18.9質量部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9質量部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子エマルジョンB2を得た。マイクロトラックUPAを用いて測定した体積平均粒径(mv)は0.15μmであり、固形分濃度は19.7質量%であった。
<トナー粒子分散液の製造>
表3の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程を実施することによりコアシェル型の構造を持ったトナー粒子の分散液を得た。
[表3]
重合体一次粒子エマルジョンB1 固形分として90質量部
重合体一次粒子エマルジョンB2 固形分として10質量部
着色剤(ピグメントイエロー74) 分散液 着色剤固形分として6.7質量部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0.05質量部
円形化工程では、固形分として6質量部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子エマルジョンB1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で5分間ゆっくりと攪拌混合した。続いて攪拌速度を上げ、第一硫酸鉄の0.5%水溶液をFeSO・7HOとして0.52質量部を5分間かけて添加し、5分間保持した。次に着色剤分散液を8分かけて連続添加し、5分間保持した後、イオン交換水20質量部を3分かけて連続添加してから、5分間保持した。
その後、高速を保持したまま内温を54℃まで96分かけて昇温した。次いで、その状
態で130分保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径(Dv50)を測定したところ、6.8μmまで成長した。
○シェル被覆工程
その後、重合体一次粒子エマルジョンB2を13分かけて連続添加してそのまま40分保持した。このとき、粒子のDv50は7.0μmであった。
○円形化工程
続いて、20%DBS水溶液(固形分として6質量部)を仕込む。次にコア材凝集工程以降の水分を含む全仕込み質量の0.04倍の質量のイオン交換水を計15分かけて添加した後、98℃に昇温し、その後、120分保持した。その後、90分かけて30℃まで冷却し、トナー粒子分散液を得た。この時トナー粒子のDv50は6.9μm、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000(シスメックス社製)を用いて測定した平均円形度は0.968であった。
<トナー粒子の洗浄>
このトナー粒子分散液に対し、遠心脱水式洗浄機として三菱化工機社製ピーラーセントリフュージHZ160L(サイホン付き)型を用い、以下の条件で洗浄した。
・円筒ろ布 面積5.0平方メートル 材質ポリエステル
・回転数 950rpm、 遠心力 800G
・トナー粒子分散液のトナー成分濃度:16.6質量%
・トナー粒子分散液の投入量:1.4立方メートル
本条件の分散液投入量で厚さ約8cmのケーキ層が形成され、8立方メートルのイオン交換水により洗浄した。
円筒ろ布との距離10mmに設定したブレードを当て上流側のケーキ層を回収、上流側ケーキ層を採取し、目標例で使用した。
<下流層の回収>
ブレードで上流側をかき取った残りの下流側ケーキ層をノズルから噴き出すイオン交換水のシャワーで剥ぎ取った。シャワー水0.4立方メートルを流したところで終了とした。KETT固形分質量よりこの0.4立方メートル中に約14Kgのトナー粒子が分散していた。
<再洗浄>
下流層回収液を小型遠心脱水機((株)コクサン製:H−130G型)に流し、乾燥質量約2Kg強の相当のケーキ層が形成させた。さらにイオン交換水0.2立米を流し再洗浄した。
<トナー製造、評価>
再洗浄したトナーを乾燥、外添、プリント試験を実施したところ、OPC感光体にフィルミングが少し観察された。プリント物にも点状画像不良が僅かに見られたが、許容レベルであった。
(比較例1)
<脱水>
実施例1で調達した下流層回収液を小型遠心脱水機(H−130G型)に流し、乾燥質量約2Kg強の相当のケーキ層が形成させた。実施例1とは異なり、洗浄水の注水はせず、脱水したのみで終了した。
<トナー製造、評価>
実施例1同様に乾燥、外添、プリント試験を実施したところ、OPC感光体にフィルミングが観察された。プリント物にも点状画像不良が多く見られ、不可レベルであった。
(参考例2)
<再洗浄>
実施例1で調達した下流層回収液を小型遠心脱水機(H−130G型)に流し、乾燥質量約2Kg強の相当のケーキ層が形成させた。0.2%濃度DBS溶液10リットルで洗浄し、さらにイオン交換水0.2立米を流し再洗浄した。

<トナー製造、評価>
実施例1同様に乾燥、外添、プリント試験を実施したところ、OPC感光体にフィルミングはなく、プリント物にも画像不良はなかった。
(目標例)
実施例1で確保した上流側ケーキ層の一部を実施例1同様に乾燥、外添、プリント試験を実施したところ、OPC感光体にフィルミングはなく、プリント物にも画像不良はなかった。 実施例1、実施例2、比較例1でプリント試験を行った下流側ケーキ層には採取時点、再洗浄前の状態では、上流側より異物が多く含まれていることを示唆する。
(実施例3)
<下流層の回収>
実施例1で調達したトナー粒子分散液を用い、実施例1と同様に洗浄し、実施例1と同様に下流層を回収した。イオン交換水のシャワー水0.5立方メートルを流したところで終了とした。KETT固形分質量よりこの0.5立方メートル中に約16Kgのトナー粒子が分散していた。
<分散液と下流層回収液の混合、洗浄>
実施例1で調達したトナー粒子分散液1.4立方メートルに この下流層回収液0.5立方メートルを混合した。この混合液を実施例1同様に遠心脱水式洗浄機に仕込みケーキ層を形成し、洗浄し、上流側ケーキ層を回収した。実施例1との違いはトナー粒子分散液に約1割の1回洗浄した下流層が混じっていて、ケーキ層が約1割ほど厚くなっていることである。
<トナー製造、評価>
この回収した上流側ケーキ層を目標例同様に乾燥、外添、プリント試験を実施したところ、OPC感光体にフィルミングはなく、プリント物にも画像不良はなかった。
(実施例4)
実施例1と同様にトナー粒子分散液を調達した。
<準備 洗浄1サイクル目>
このトナー粒子分散液を用い、上流側ケーキ層をかき取るブレードのろ布との距離を約2cmに設定した以外は同様に洗浄し、上流側ケーキ層をかき取り、厚さ約2cmの下流側ケーキ層は残した。
<準備 洗浄2サイクル目、3サイクル目>
厚さ約2cmの下流側ケーキ層の上にトナー粒子分散液1.0立方メートルを仕込み、
洗浄1サイクル目同様に洗浄と上流側ケーキ層のかき取りを2回繰り返した。
残った下流側ケーキ層は3回洗浄されたことになる一方で上流側から3回分の不要成分が移動して来ている。
<下流層の回収>
実施例3と同様に下流層を回収した。イオン交換水のシャワー水0.5立方メートルを流したところで終了とした。KETT固形分質量よりこの0.5立方メートル中に約28Kgのトナー粒子が分散していた。
<分散液と下流層回収液の混合、洗浄>
トナー粒子分散液1.3立方メートルに この下流層回収液0.5立方メートルを混合した。この混合液を洗浄1サイクル目同様に遠心脱水式洗浄機に仕込みケーキ層を形成し、洗浄し、下流側約2cm厚を残し、上流側ケーキ層を回収した。
<トナー製造、評価>
この回収した上流側ケーキ層を目標例同様に乾燥、外添、プリント試験を実施したところ、OPC感光体にフィルミングはなく、プリント物にも画像不良はなかった。
(比較例2)
実施例4の下流層回収作業に続き、残った下流層5Kgをヘラではき取り、これを30リットルのイオン交換水に再分散させた。
この下流層再分散液の一部を小型遠心脱水機(H−130G型)に流し、乾燥質量約2Kg強の相当のケーキ層が形成させた。比較例1同様、洗浄水の注水はせず、脱水したのみで終了した。
<トナー製造、評価>
実施例1同様に乾燥、外添、プリント試験を実施したところ、OPC感光体にフィルミングが観察された。プリント物にも点状画像不良が発生した。
(参考例5)
<再洗浄>
比較例2で調達した下流層再分散液の一部を小型遠心脱水機(H−130G型)に流し、乾燥質量約2Kg強の相当のケーキ層が形成させた。さらにイオン交換水0.2立米を流し再洗浄した。
<トナー製造、評価>
実施例1同様に乾燥、外添、プリント試験を実施したところ、OPC感光体にフィルミングが少し観察されたが、プリント物には画像不良は見られなかった。
本発明の静電荷像現像用トナー製造方法は、不要成分がよく除去されるので、トナーを用いて画像を形成した場合に、 フィルミングなどの画像不良が発生せず、良好な画像品
質を確保できる。また、そのトナーを作るに当たり、過剰な洗浄液量や洗浄時間、エネルギーを必要とせず、適量の液、時間、エネルギーで製造できる。従って、本発明は産業上の利用可能性が極めて高い。
1;洗浄水
2;ケーキ層
3:濾布
4:回転円筒
5:脱水洗浄済み水
6:掻き落としブレード
7:製品回収

Claims (7)

  1. 水系媒体中にトナー粒子を含有する分散液から、トナー粒子のケーキ層を形成し、洗浄液を該ケーキ層に通液し洗浄後に固液分離をする静電荷像現像用トナーの製造方法において、
    洗浄液を通液した下流側の部分のケーキ層を剥がし回収し、
    更に該回収した下流側ケーキ層と洗浄前のトナー粉体と混合した後、
    該混合物を洗浄することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 固液分離を遠心脱水により行うことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 該トナー粒子を含有する分散液が、トナー粒子を重合法又はケミカルミリング法により製造したものであることを特徴とする請求項1又2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 重合後に小さな粒子を凝集一体化させることによりトナー粒子を製造することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 該トナー粒子がパラフィンワックスを含有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 洗浄対象のトナー粒子分散液が界面活性剤を0.05〜3.0質量%含有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 洗浄液を通液後に、上流側ケーキ層は物理的に除去し、残った下流側ケーキ層を再度洗浄することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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