JP2010224527A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 湿式法により製造したトナー母粒子を含む分散液からトナー母粒子を濾過する工程において、トナー母粒子を効率的に捕集し洗浄して、高収率でトナー母粒子を回収するとともに、分散液に含まれる不純物によるトナー性能低下を回避する遠心分離機、及び濾過、洗浄方法を提供し、クリーニング不良を生じず、画像白地部の汚れ、装置内の飛散、スジ、かすれ等を抑制しつつ、画質を改良でき、長期使用時の汚れ等の問題を改良し、かつ画像安定性に優れたトナーの製造を提供する。
【解決手段】 濾布を備えた遠心分離機を用いて、ワックスを含有するトナー母粒子を含む分散液から、トナー母粒子を濾過及び洗浄して得られるトナーであって、該濾布材質と上記トナー母粒子に含有されるワックスが下記式(1)を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法を用いることにより解決した。
|[濾布材質の溶解度パラメーター]−[トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラ
メーター]|≧4 (1)
【選択図】 なし
【解決手段】 濾布を備えた遠心分離機を用いて、ワックスを含有するトナー母粒子を含む分散液から、トナー母粒子を濾過及び洗浄して得られるトナーであって、該濾布材質と上記トナー母粒子に含有されるワックスが下記式(1)を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法を用いることにより解決した。
|[濾布材質の溶解度パラメーター]−[トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラ
メーター]|≧4 (1)
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真方式の複写機やプリンターなどの画像形成装置に用いられる静電荷像現像用トナーに関し、トナー母粒子を効率的に、かつ、トナー性能を損なわずに濾過、洗浄されたトナー、トナーの製造方法に関する。
詳しくは、湿式法により得られたトナー母粒子を、遠心分離機を用いて濾過、洗浄して得られたトナーの製造方法に関する。
詳しくは、湿式法により得られたトナー母粒子を、遠心分離機を用いて濾過、洗浄して得られたトナーの製造方法に関する。
電子写真法において従来一般に広く用いられてきた静電荷像現像用トナーは、スチレン/アクリレート系共重合体あるいはポリエステル等の各種バインダー樹脂に、カーボンブラックや顔料のような着色剤、必要に応じて帯電制御剤、磁性体を含む混合物を押出機により溶融混練し、ついで粉砕・分級することによって製造されてきた。しかし、このような混練/粉砕法で得られる従来の粉砕トナーは、トナーの粒径制御に限界があり、実質的に10μm以下、特に8μm以下の平均粒径のトナーを歩留まり良く製造することが困難であり、電子写真に要求される高解像度化を達成するためには十分なものとは言えなかった。
また、低温定着性を達成するために、混練時に低軟化点のワックスをトナー中にブレンドする方法が提案されているが、混練/粉砕法に於いては5%程度のブレンドが限界であり、十分な低温定着性能のトナーを得ることができなかった。また、溶融混練してから得られるフレークを機械的に粉砕してトナーとする場合には、歩留まりが悪く、粒度分布も広いものとなる。特に小粒径のトナーを得ようとする場合にはこの傾向は著しい。
近年、これらの混練/粉砕法の問題点を改善する方法として、(a)水系媒体中に重合性単量体、重合開始剤、着色剤等を懸濁分散した後に重合させてトナー母粒子を製造する懸濁重合法、(b)重合開始剤、乳化剤等を含有する水性媒体中に重合性単量体を乳化し、攪拌下に重合性単量体を重合して得られた重合体一次粒子の分散液に、着色剤等を添加して前記重合体一次粒子を凝集、熟成してトナー母粒子を製造する乳化重合凝集法、(c)あらかじめ、ポリマー、着色剤等を溶媒に溶解、分散した溶解分散液(トナー組成の溶解分散液)を水系媒体中に分散させ、これを加熱又は減圧等によって溶媒を除去することにより、トナー母粒子を製造する溶解懸濁法等が提案されている。
これらの湿式法を用いれば混練/粉砕法と比べ原料の分散の制御が容易であり、小粒径で、且つ粒度分布が狭いトナーを得ることができることから、上述の高解像度化の要求に応えることができる。
特に乳化重合凝集法は、小粒径トナーや粒度分布の狭いトナーを得るのに適しているだけでなく、トナー形状の制御も容易である利点を有している。
特に乳化重合凝集法は、小粒径トナーや粒度分布の狭いトナーを得るのに適しているだけでなく、トナー形状の制御も容易である利点を有している。
乳化重合凝集法によりトナーを製造する場合、乳化重合により得られる粒子径0.05μm〜0.5μm程度の重合体一次粒子を含む樹脂分散液に、必要に応じて、顔料や電荷制御剤等を加え、更に電解質等を加えて凝集させ、3〜9μm程度の粒子凝集体とし、さらに必要に応じて他の添加物を加え、重合体一次粒子のガラス転移温度以上の温度で熟成し、粒子凝集体を形成する粒子同士を融着させ、トナー母粒子を得る。このようにして得られたトナー母粒子を、濾過、洗浄、乾燥して、必要に応じて外添処理などを施して製品のトナーを得る。
上記の高解像度化の要求に応えるには小粒径トナーが望ましいが、他方、湿式法で製造
されるトナー母粒子の粒径が小さくなるにつれて、トナー母粒子を分散媒と濾過するにあたって効率的に捕集することが困難となる。また、トナー母粒子の粒径が小さくなるにつれて、トナー母粒子単位重量あたりのトナー母粒子表面積が増し、トナー母粒子表面の状態によって、トナー性能が影響を受け易くなる。そのため、トナー母粒子を濾過、洗浄するにあたっては、トナー母粒子を効率的に捕集し、さらにトナー母粒子と不純物とを効果的に分離して、トナー母粒子表面の汚染を回避する必要がある。
されるトナー母粒子の粒径が小さくなるにつれて、トナー母粒子を分散媒と濾過するにあたって効率的に捕集することが困難となる。また、トナー母粒子の粒径が小さくなるにつれて、トナー母粒子単位重量あたりのトナー母粒子表面積が増し、トナー母粒子表面の状態によって、トナー性能が影響を受け易くなる。そのため、トナー母粒子を濾過、洗浄するにあたっては、トナー母粒子を効率的に捕集し、さらにトナー母粒子と不純物とを効果的に分離して、トナー母粒子表面の汚染を回避する必要がある。
液状分散媒体からトナー母粒子を濾過する方法として、連続式ベルトフィルター、サイホンピラー型セントリフュージで脱水及び洗浄を行なうことにより、分散安定剤として使用した難水溶性金属化合物に起因する残留金属イオンを低減させて、優れた画像特性のトナーを得ること提案されている(特許文献1)。しかしながら、残留金属イオン以外の成分の濾過が十分ではなく、これら成分に起因したトナー性能低下が発生する。また、トナー母粒子が小粒径である場合の濾過について、その方法や効果について十分な検討がなされていなかった。
また、フィルタープレスでトナー母粒子の洗浄を行なうことが提案されている(特許文献2、特許文献3)。この提案された装置を用いて、トナーの製造を行なう場合、液状分散媒体からトナー母粒子を濾過して得られたケーキの含水率が40重量%よりも高いときには、ケーキ中の水分が大気中の不純物を吸着するため、再度洗浄する手間が発生してしまう。また、時間をかけて含水率を20重量%以下にした場合、ケーキが硬化してしまうため、機械的に解砕する必要がある。このような解砕を数回繰返した場合、摩擦によりトナーの形状や表面特性が損なわれ、帯電特性の劣化及びクリーニング性に問題が発生していた。
また、水系媒体中で合成されるトナーの濾過を、真空式のベルトフィルターにより行ない、含水率35%以下の重合法トナーを製造する方法が開示されている(特許文献4)。しかしながら、真空式のベルトフィルターで濾過処理した場合、ケーキの含水率を均一にするために、ケーキにクラックが起こらない条件で濾過する必要がある。そのような条件で濾過した場合には、ケーキ含水率が高くなり、ケーキのフィルターからの剥離性が悪く、作業効率を低下させるという欠点があり、トナー母粒子表面に残留する不純物を完全に除去できず、トナーの帯電特性が不均一になりやすい問題が発生する。
本発明は、湿式法により製造したトナー母粒子を含む分散液からトナー母粒子を濾過、洗浄する工程において、トナー母粒子を効率的に濾過・捕集、又は洗浄し、高収率でトナー母粒子を回収するとともに、分散液に含まれる不純物による性能低下を回避したトナーの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の製造方法によって、トナー母粒子の濾過、洗浄時の濾布の目詰まりを抑制し、生産性を向上させることを目的とする。
また、本発明の製造方法によって、トナー母粒子の濾過、洗浄時の濾布の目詰まりを抑制し、生産性を向上させることを目的とする。
本発明者らは、濾布と特定の関係であるワックスを含有したトナー、特定の濾布を備え
た遠心分離機を用いたトナーの製造方法により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
1.ワックスを含有するトナー母粒子を含む分散液から、遠心分離機を用いて、トナー母粒子を濾過及び洗浄する工程を含むトナーの製造方法であって、該遠心分離機は回転可能なバスケットを有し、回転可能なバスケットの内側面に濾布を備え、該濾布と上記トナー母粒子に含有されるワックスとが下記式(1)を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
|[濾布材質の溶解度パラメーター]−[トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラ
メーター]|≧4 (1)
2.遠心分離機のバスケットを、遠心加速度400G以上、2000G以下で回転して分散液を
濾布面に供給して固液分離し、トナー母粒子のケーキ層を形成した後、洗浄水を供給することを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
3.トナー母粒子の体積中位径が4μm以上、7μm以下であることを特徴とする前記1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
た遠心分離機を用いたトナーの製造方法により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
1.ワックスを含有するトナー母粒子を含む分散液から、遠心分離機を用いて、トナー母粒子を濾過及び洗浄する工程を含むトナーの製造方法であって、該遠心分離機は回転可能なバスケットを有し、回転可能なバスケットの内側面に濾布を備え、該濾布と上記トナー母粒子に含有されるワックスとが下記式(1)を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
|[濾布材質の溶解度パラメーター]−[トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラ
メーター]|≧4 (1)
2.遠心分離機のバスケットを、遠心加速度400G以上、2000G以下で回転して分散液を
濾布面に供給して固液分離し、トナー母粒子のケーキ層を形成した後、洗浄水を供給することを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
3.トナー母粒子の体積中位径が4μm以上、7μm以下であることを特徴とする前記1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明者らは、湿式法によるトナー母粒子生成過程において、生成過程で添加される界面活性剤等、特にトナー母粒子に取り込まれなかったワックスが、濾過に用いる濾布に付着することで、濾布の目詰まりをおこし、濾過速度及び洗浄効果を低下させていること、さらにトナー母粒子に取り込まれなかったワックス等が、トナー表面に付着すると、トナーの保存安定性や画像特性などに悪影響を与えることを見出し、濾布と特定の関係を持つワックスを含有するトナー母粒子及びトナーの製造方法を用いることにより上記課題を解決できることを見出した。
本発明によれば、濾過、洗浄時において、トナー母粒子及び、その分散液(スラリー)に含まれるトナー母粒子に取り込まれなかったワックス、生成過程で添加される界面活性剤等の不純物による濾布の目詰まりを抑制することができる。目詰まりの抑制によって、生産性が高まり、トナーの品質を安定化することができる。
湿式法によるトナーの製造方法においては、粉砕法トナー母粒子に対して、ワックスなどを相当量含有させることができる利点を有するが、その反面、トナー母粒子生成過程においてトナー母粒子に取り込まれなかったワックスや、その他、生成過程で添加される界面活性剤などがトナー母粒子を含む液状媒体中に不純物として存在する。それらの不純物が、トナー母粒子表面から効果的に分離除去されないと、トナー母粒子表面を汚染する。
湿式法によるトナーの製造方法においては、粉砕法トナー母粒子に対して、ワックスなどを相当量含有させることができる利点を有するが、その反面、トナー母粒子生成過程においてトナー母粒子に取り込まれなかったワックスや、その他、生成過程で添加される界面活性剤などがトナー母粒子を含む液状媒体中に不純物として存在する。それらの不純物が、トナー母粒子表面から効果的に分離除去されないと、トナー母粒子表面を汚染する。
ワックスがトナー母粒子表面に付着することでトナー同士が凝集したり、クリーニング不良を招いたり、また親水性の物質が表面に付着していると、トナーの保存性が悪化する。さらに、不純物の付着により、トナー母粒子の表面状態の均一性が損なわれ、トナーの帯電量分布がブロードとなる。特に高湿下などの、トナーが帯電しにくい環境下では、カブリ、トナー飛散、画像濃度低下などが発生しやすくなる。従って、トナー母粒子を含む分散液中に存在する不純物を、効果的にトナー母粒子から分離することが重要である。
本発明において湿式法により製造されたトナー母粒子とは、湿式法等のトナー製造方法により、水などの液状媒体内において重合体粒子として形成されたトナー母粒子を意味する。湿式法とは、トナー母粒子の製造工程において水等の分散媒等を用いる静電荷像現像用トナーの製造方法であり、例えば、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法等が挙げられる。
湿式法の工程において、トナー母粒子は分散媒中に分散した分散液(スラリー)の状態で得られる。トナー母粒子は、分散液を濾過することで、分散媒と濾過され、洗浄され、
その後、乾燥工程において乾燥され、必要に応じて外添処理などを施されて静電荷像現像用トナーとして使用される。
トナー母粒子の濾過、洗浄においては、例えば、トナー母粒子の捕集性、耐目詰まり性、ケーキ形成性、通水性、濾布取替え時の簡便性などが要求される。これらの要求特性を同時に満たすことは容易ではなく、特に、小粒径の粒子においては、容易ではない。
その後、乾燥工程において乾燥され、必要に応じて外添処理などを施されて静電荷像現像用トナーとして使用される。
トナー母粒子の濾過、洗浄においては、例えば、トナー母粒子の捕集性、耐目詰まり性、ケーキ形成性、通水性、濾布取替え時の簡便性などが要求される。これらの要求特性を同時に満たすことは容易ではなく、特に、小粒径の粒子においては、容易ではない。
また、濾過、洗浄工程で処理されるトナー母粒子の分散液(スラリー)中には、トナー母粒子だけでなく、各製造過程で使用される原材料、界面活性剤、添加剤などに由来するさまざまな副生物、夾雑物などの不純物が存在するため、これらの不純物が濾過、洗浄で適切に除去されないと、トナーの性能は劣悪なものとなる。
不純物の除去が不十分なトナーは、保存安定性が悪く、画像形成時において、カブリ画像濃度変動、トナー飛散、長期間使用時の画質悪化等が発生するため好ましくない。
不純物の除去が不十分なトナーは、保存安定性が悪く、画像形成時において、カブリ画像濃度変動、トナー飛散、長期間使用時の画質悪化等が発生するため好ましくない。
本発明のトナー、トナーの製造方法、及び遠心分離機により、トナー母粒子分散液から、トナー母粒子と不純物を適切に濾過することができ、保存性及び画像形成の良好なトナーを得ることができる。
本発明は、遠心分離機の濾布材質と、トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラメーターを特定の関係とすることで、濾布への遊離ワックス等の付着による濾過速度低下を抑制することができることを見出した。
本発明は、遠心分離機の濾布材質と、トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラメーターを特定の関係とすることで、濾布への遊離ワックス等の付着による濾過速度低下を抑制することができることを見出した。
2つの物質の吸着や接着といった現象は、物質表面への濡れ性が重要である。この「濡れ性」が良い場合は接着し易く、お互いの物質の溶解度パラメーターが近い。溶解度パラメーターの値が近いもの同士、つまり物質の持つ極性が近い物同士は界面張力が小さくなって接着力が大きくなる。
本発明は、濾布材質とトナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラメーターの値が離れた物同士の組み合わせを選択することで、濾布への遊離ワックス等の付着を抑制し、濾過速度低下を防ぐことが出来ることを見出したものである。
本発明は、濾布材質とトナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラメーターの値が離れた物同士の組み合わせを選択することで、濾布への遊離ワックス等の付着を抑制し、濾過速度低下を防ぐことが出来ることを見出したものである。
本発明のトナーは、湿式法により製造され、トナー母粒子にワックスを含有する。ワックスを含有するトナー母粒子を含む分散液から、トナー母粒子の濾過及び洗浄を行う。
トナー母粒子の濾過及び洗浄には、濾布を備えた遠心分離機を用い、該濾布と上記トナー母粒子に含有されるワックスが下記式(1)を満足する。
|[濾布材質の溶解度パラメーター]−[トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラ
メーター]|≧4 (1)
本発明における溶解度パラメーターは、溶解度パラメーターをδ、モル蒸発熱潜熱をΔH、モル体積Vとするとき、δ=√((ΔH−RT)/V)により求められる。本発明の溶
解度パラメーターは、溶媒−溶質間に作用する力を分子間力のみとモデル化し、液体分子を凝集させる相互作用が分子間力のみであると考え、液体の凝集エネルギーは蒸発エンタルビーと等価であるとし、Hildebrandらによって定義されたものである。
トナー母粒子の濾過及び洗浄には、濾布を備えた遠心分離機を用い、該濾布と上記トナー母粒子に含有されるワックスが下記式(1)を満足する。
|[濾布材質の溶解度パラメーター]−[トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラ
メーター]|≧4 (1)
本発明における溶解度パラメーターは、溶解度パラメーターをδ、モル蒸発熱潜熱をΔH、モル体積Vとするとき、δ=√((ΔH−RT)/V)により求められる。本発明の溶
解度パラメーターは、溶媒−溶質間に作用する力を分子間力のみとモデル化し、液体分子を凝集させる相互作用が分子間力のみであると考え、液体の凝集エネルギーは蒸発エンタルビーと等価であるとし、Hildebrandらによって定義されたものである。
溶剤の場合はこの式から溶解度パラメーター(δ)を実験的に求められるが、ポリマーの場合は揮発しない為に、一般にSmallの式:δ=d/MΣGを用いて算出する(d:密度、M:ポリマーの分子量、G:原子団・基に固有の定数)。また、Hansenらによって主なポリマーの代表的な値は表1に示すような一覧表として公表されている(J.Brandrup, E.H.Immergut: Polymer Handbook, 3rd Ed., VII/519〜590)。
本発明において、濾布の溶解度パラメーターとトナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラメーターの各絶対値の差は4以上であることが好ましい。また、特に5以上が好ましい。上記範囲であることにより、濾布へのワックス成分の付着を防止することができる。また、上記範囲より小さいと、濾布を構成する繊維等とワックス成分との親和性が高まり、繊維一本一本の表面にワックス成分が被覆される様に付着し、濾布全体で繊維間の隙間が狭くなることで濾過の速度が低下してしまう。また、上限は特に限定されず、その差が大きいほど、濾布の繊維等とワックス成分の親和性が低くなり好ましい。
本発明のトナー母粒子の体積中位径は4μm以上が好ましく、4.5μm以上が更に好ましい。また、7μm以下が好ましく、6.8μm以下が更に好ましい。この範囲であれば、高画質の画像を十分に得ることができる。さらにトナー母粒子の体積中位径が本範囲のような小粒径である場合に、特に本発明が効果を発揮する。
なお、体積中位径の測定方法は後述の実施例に記載の通りである。
なお、体積中位径の測定方法は後述の実施例に記載の通りである。
本発明のトナーの平均円形度は0.93以上が好ましく、0.94以上が更に好ましい。一般的に円形度が高いとするトナーは転写効率がよい。円形度の高い球形トナーはトナー相互又は種々の部材とのひっかかりが少ないため帯電ローラでの機械的シェアが小さく、表面の形状変化が軽微である。また、トナー母体自体の流動性が高いため、外添された無機粉体の量が変化しても流動性が大きく変化しにくい。このように球形トナーはトナーの劣化が少ない形状因子を持っている。さらに、感光ドラムからの離型性に優れるため転写効率が優れており、画像濃度を十分に確保することができるとともに転写残トナーを少なくすることができる。このような理由から、高速印刷機に使用されるトナーとしては円形度の高いトナーを使用することが望ましいのである。
しかしながら、平均円形度が高いトナーは、E−SPARTアナライザーで計測した弱帯電トナー率WST[%]が増加する傾向にあり、トナー飛散が悪化することがある。更に転写残トナーをクリーニングブレードでかき取る際に当該クリーニングブレードをすり抜け安く、画像を汚す原因となる。高速印刷する場合には、当該作用効果はより顕著になる。従って、本発明のトナーの平均円形度は0.98以下が好ましく、より好ましくは0.96以下である。
更に、粒径が小さく、且つ、円形度が高いトナーにおいては、クリーニングブレードでのかき取りが困難であり、トナーがクリーニングブレードを抜け易いため、特に円形度に応じて粒子径分布を制御することが大切である。
なお、トナー円形度の測定方法は、後述の実施例に記載の通りである。
本発明の遠心分離機は、湿式法により製造されたワックスを含有するトナー母粒子を含
む分散液から、トナー母粒子を濾過および洗浄する遠心分離機である。遠心分離機は回転可能なバスケットを有し、回転可能なバスケットの内側面に濾布を備え、該濾布材質と上記トナー母粒子に含有されるワックスとが上記式(1)を満足する関係にある。
なお、トナー円形度の測定方法は、後述の実施例に記載の通りである。
本発明の遠心分離機は、湿式法により製造されたワックスを含有するトナー母粒子を含
む分散液から、トナー母粒子を濾過および洗浄する遠心分離機である。遠心分離機は回転可能なバスケットを有し、回転可能なバスケットの内側面に濾布を備え、該濾布材質と上記トナー母粒子に含有されるワックスとが上記式(1)を満足する関係にある。
本発明の遠心分離機は、回転可能なバスケットを有することが好ましく、バスケットを回転しながら分散液を濾布面に供給して濾過する。
本発明の遠心分離機のバスケットの内側面には、濾布を備えていることが好ましい。濾布の材質は特に限定されず、トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラメーターとの関係によって選択される。
本発明の遠心分離機のバスケットの内側面には、濾布を備えていることが好ましい。濾布の材質は特に限定されず、トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラメーターとの関係によって選択される。
本発明の製造方法は、トナーが小粒径である場合に特に効果を発揮する。
遠心分離機によって濾過するトナー母粒子が、小粒径である場合、濾過、洗浄工程において分散液からトナー母粒子を濾過する際に、トナー母粒子が濾布を通り抜ける、いわゆる目漏れにより収率が低下することがある。目漏れを防止するためにある程度は濾布の通気度を小さくする必要があるが、濾布繊維へのワックス成分の付着等が僅かでも強まると、濾布の目詰まりが発生しやすい。その結果、生産性が低下することとなる。
遠心分離機によって濾過するトナー母粒子が、小粒径である場合、濾過、洗浄工程において分散液からトナー母粒子を濾過する際に、トナー母粒子が濾布を通り抜ける、いわゆる目漏れにより収率が低下することがある。目漏れを防止するためにある程度は濾布の通気度を小さくする必要があるが、濾布繊維へのワックス成分の付着等が僅かでも強まると、濾布の目詰まりが発生しやすい。その結果、生産性が低下することとなる。
さらに、濾布の通気度を小さくすると、洗浄時の洗浄水供給速度も制限されるため、洗浄時間が長くなり生産性が低下する。濾布の通気度を変えるだけでは、目漏れによる収率低下の回避と生産性低下の防止の両立を図ることは難しい。
本発明の遠心分離機を用いることで、上記小粒径トナー特有の課題を解決することができ、目詰まりを低減すると共に、高生産性を実現することができる。
本発明の遠心分離機を用いることで、上記小粒径トナー特有の課題を解決することができ、目詰まりを低減すると共に、高生産性を実現することができる。
本発明の遠心分離機は、バスケットが横型である遠心分離機が好ましい。横型の遠心分離機では濾過によりバスケットの側壁の濾布上に、濾過された厚さが均一なトナー母粒子ケーキ層が形成されるため、濾過に引き続き行う洗浄において、本発明の濾布の特性と相俟って均一で効果的な洗浄が実現できる。
本発明の遠心分離機は、密閉型であることが好ましい。開放型の遠心分離機を用いて濾過するときには、高速運動するスラリーが外気に曝されるため、スラリー中に空気を巻き込んで円滑な濾過が困難になったり、濾過されたトナー母粒子であるケーキが外気に曝されることにより、トナー母粒子の表面が変質したりするので好ましくない。密閉型の遠心分離機は、このような不具合が生じる恐れが少ないため好都合である。
本発明の遠心分離機は、密閉型であることが好ましい。開放型の遠心分離機を用いて濾過するときには、高速運動するスラリーが外気に曝されるため、スラリー中に空気を巻き込んで円滑な濾過が困難になったり、濾過されたトナー母粒子であるケーキが外気に曝されることにより、トナー母粒子の表面が変質したりするので好ましくない。密閉型の遠心分離機は、このような不具合が生じる恐れが少ないため好都合である。
本発明の遠心分離機は、サイホン機構を備えていることが好ましい。サイホン機構とは、遠心濾過と真空濾過とを併せて実施できる構造であり、濾液をサイホン管により吸引することにより濾布下に真空を発生させ、遠心力とともに真空を同時に利用することができるものである。
サイホン機構は、真空濾過によるアシスト効果に加え、サイホンを上げて遠心分離機内に形成された篩別物が層として形成された基礎層の解しが可能になる事で、繰り返して使用される基礎層の固化を抑制できること、さらに、同時にサイホンを上げて水面を上げてスラリー給液をすると、ケーキ層の形成面がより均一になり、ケーキ層がより均一化して洗浄濾過時のムラがほぼ無くなること、さらにケーキ層形成までの時間が短縮されること等から、サイホン機構を備えていることが好ましい。
サイホン機構は、真空濾過によるアシスト効果に加え、サイホンを上げて遠心分離機内に形成された篩別物が層として形成された基礎層の解しが可能になる事で、繰り返して使用される基礎層の固化を抑制できること、さらに、同時にサイホンを上げて水面を上げてスラリー給液をすると、ケーキ層の形成面がより均一になり、ケーキ層がより均一化して洗浄濾過時のムラがほぼ無くなること、さらにケーキ層形成までの時間が短縮されること等から、サイホン機構を備えていることが好ましい。
本発明の遠心分離機の濾布をバスケットに固定する固定具は、バックル形式又はラチェット付き金属ベルトであることが好ましい。特に大型の遠心分離機において、濾布を機内に装着することが容易となり、濾布交換に要する時間を短縮することができる。通常用いられているゴムケーブルを濾布と共に、機内の溝へ押し込むことで濾布が装着される方式であると、溝への押し込みにむらが発生しやすく、全体的な濾布の弛みが不均一となり、トナー母粒子分散液中の不純物が適切に除去されない場合がある。
本発明において、遠心分離機で濾過するにあたっては、内側面に濾布を備えたバスケットを遠心加速度400G以上、好ましくは600G以上、で回転させ、分散液を濾布面に
供給して固液分離し、トナー母粒子のケーキ層を形成することが好ましい。また、3000G以下、更には2000G以下で回転させることが好ましい。
遠心加速度が大きすぎると、基礎層が劣化し、固化することによって濾過の効率が低下する場合がある。また、遠心加速度が小さすぎると、ケーキ層という濾過抵抗に対して、遠心力不十分となり、濾過速度が低くなる場合がある。
供給して固液分離し、トナー母粒子のケーキ層を形成することが好ましい。また、3000G以下、更には2000G以下で回転させることが好ましい。
遠心加速度が大きすぎると、基礎層が劣化し、固化することによって濾過の効率が低下する場合がある。また、遠心加速度が小さすぎると、ケーキ層という濾過抵抗に対して、遠心力不十分となり、濾過速度が低くなる場合がある。
トナー母粒子のケーキ層を形成した後は、引き続きバスケットを回転しながら濾布面上に形成されたトナー母粒子ケーキ層に洗浄水を供給して洗浄することが、製造効率及び洗浄性の観点から好ましい。
本発明において、トナー母粒子を含む分散液から、トナー母粒子を濾過する工程以前のトナーの製造方法については、特に限定されないが、湿式法が好ましい。
本発明において、トナー母粒子を含む分散液から、トナー母粒子を濾過する工程以前のトナーの製造方法については、特に限定されないが、湿式法が好ましい。
湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法など重合法等が挙げられ、特に限定されない。
本発明において、懸濁重合法の製造方法としては、後述する結着樹脂の単量体中に着色剤、重合開始剤、ワックス、そして必要に応じて極性樹脂、荷電制御剤や架橋剤などの添加剤を加え、均一に溶解又は分散させた単量体組成物を調製する。この単量体組成物を、分散安定剤等を含有する水系媒体中に分散させる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行い、重合を行うことによりトナー母粒子を得ることができる。
本発明において、懸濁重合法の製造方法としては、後述する結着樹脂の単量体中に着色剤、重合開始剤、ワックス、そして必要に応じて極性樹脂、荷電制御剤や架橋剤などの添加剤を加え、均一に溶解又は分散させた単量体組成物を調製する。この単量体組成物を、分散安定剤等を含有する水系媒体中に分散させる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行い、重合を行うことによりトナー母粒子を得ることができる。
乳化重合凝集法の製造方法としては、乳化重合により得られた結着樹脂単量体の重合体一次粒子、着色剤分散系、ワックス分散液等を作製しておき、これらを水系媒体中に分散させ加熱等を行うことにより凝集工程、さらに熟成工程を経て、トナー母粒子を得ることができる。
本発明のトナー母粒子は、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスを含有し、その他必要に応じて、帯電制御剤、外添剤などを含有していても良い。
本発明のトナー母粒子は、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスを含有し、その他必要に応じて、帯電制御剤、外添剤などを含有していても良い。
本発明において、トナーに含有される結着樹脂としては、従来トナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を適宜用いることができる。例えば、単量体としては、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に酸性単量体と称すことがある)、塩基性基を有する重合性単量体(以下、単に塩基性単量体と称することがある)、酸性基も塩基性基も有さない重合性単量体(以下、その他の単量体と称することがある)のいずれの重合性単量体も使用することができる。
乳化重合凝集法の場合、乳化重合工程では、通常、乳化剤の存在下、水系媒体中で重合性単量体を重合するが、この際、反応系に重合性単量体を供給するにあたって、各単量体は別々に加えても、予め複数種類の単量体を混合しておいて同時に添加しても良い。また、単量体はそのまま添加しても良いし、予め水や乳化剤などと混合、調整した乳化液として添加することもできる。
酸性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性単量体、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性単量体等が挙げられる。また、塩基性単量体としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性
単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性単量体及び塩基性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性単量体を用いるのが好ましく、より好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸であるのがよい。
単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性単量体及び塩基性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性単量体を用いるのが好ましく、より好ましくはアクリル酸及び/又はメタクリル酸であるのがよい。
結着樹脂を構成する全重合性単量体100重量部中に占める酸性単量体および塩基性単量体の合計量は、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、更に好ましくは1重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
その他の重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等が挙げられ、重合性単量体は、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
その他の重合性単量体としては、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−n−ノニルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド等が挙げられ、重合性単量体は、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
更に、結着樹脂を架橋樹脂とする場合、上述の重合性単量体と共にラジカル重合性を有する多官能性単量体が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。また、反応性基をペンダントグループに有する重合性単量体、例えばグリシジルメタクリレート、メチロールアクリルアミド、アクロレイン等を用いることも可能である。中でもラジカル重合性の二官能性重合性単量体が好ましく、ジビニルベンゼン、ヘキサンジオールジアクリレートが特に好ましい。これら多官能性重合性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよい。
本発明において、必要に応じて公知の重合開始剤を用いることができ、重合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用する事ができる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4‘−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロペーオキサイド、等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2‘−アゾビス−イソブチロニトリル、等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせても良い。
本発明では、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤の具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン、等があげられる。連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して0〜5重量%用いられる。
また、本発明では、必要に応じて公知の懸濁安定剤を使用することができる。懸濁安定
剤の具体的な例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、一種或いは二種以上を組み合わせて用いてもよく、重合性単量体100重量部に対して1重量部以上、10重量部以下の量で用いてもよい。
剤の具体的な例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、一種或いは二種以上を組み合わせて用いてもよく、重合性単量体100重量部に対して1重量部以上、10重量部以下の量で用いてもよい。
重合開始剤および懸濁安定剤は、何れも、重合性単量体添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
本発明において、結着樹脂を乳化重合で重合する場合、用いる乳化剤としては公知のものが使用できるが、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる一種又は二種以上の乳化剤を併用して用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
本発明において乳化剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対して0.1重量部以上、10重量部以下で用いられることが好ましい。また、これらの乳化剤に、例えば、部分或いは完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の一種或いは二種以上を保護コロイドとして併用することができる。
本発明において、乳化重合により得られる重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、通常3μm以下、好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下である。粒径が小さすぎると、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合があり、大きすぎると、凝集して得られるトナー粒子の粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
本発明の着色剤としては公知の着色剤を任意に用いることができる。着色剤の具体的な例としては、カーボンブラック、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料など、公知の任意の染顔料を単独あるいは混合して用いることができる。フルカラートナーの場合にはイエローはベンジジンイエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔料、マゼンタはキナクリドン、モノアゾ系染顔料、シアンはフタロシアニンブルーをそれぞれ用いるのが好ましい。着色剤は、重合体一次粒子100重量部に対して3重量部以上、20重量部以下となるように用いることが好ましい。
乳化重合凝集法における着色剤の配合は、通常、凝集工程で行われる。重合体一次粒子の分散液と着色剤粒子の分散液とを混合して混合分散液とした後、これを凝集させて粒子
凝集体とする。着色剤は、乳化剤の存在下で水中に分散した状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の体積平均粒径が0.01以上、より好ましくは0.05μm以上であり、3μm以下、より好ましくは1μmである。
凝集体とする。着色剤は、乳化剤の存在下で水中に分散した状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の体積平均粒径が0.01以上、より好ましくは0.05μm以上であり、3μm以下、より好ましくは1μmである。
本発明のトナーに用いられるワックスは、本発明の濾布との溶解度パラメーターの関係を満たすものを選択すればよく、公知のワックスを任意に単独ないしは併用して使用することができるが、具体的には低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス、パラフィンワックス、ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス、水添ひまし油カルナバワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有するシリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸、長鎖脂肪酸アルコール、ペンタエリスリトール等の長鎖脂肪酸多価アルコール、及びその部分エステル体、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、等が例示され、好ましくは、パラフィンワックスまたはフィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系、エステル系ワックス、シリコーン系ワックスが挙げられる。
本発明において、ワックスの量は、トナー100重量部中に1重量部以上であることが好ましく、より好ましくは2重量部以上、さらに好ましくは5重量部以上である。また、40重量部以下であることが好ましく、より好ましくは35重量部以下、さらに好ましくは、30重量部以下である。トナー中のワックス含有量が少なすぎると、高温オフセット性等の性能が十分でない場合があり、多すぎると、耐ブロッキング性が十分でなかったり、ワックスがトナーから漏出することにより装置を汚染したりする場合がある。
本発明において帯電制御剤を用いる場合には、公知の任意のものを単独ないしは併用して用いることができ、例えば、正帯電性帯電制御剤として4級アンモニウム塩、塩基性・電子供与性の金属物質が挙げられ、負帯電性帯電制御剤として金属キレート類、有機酸の金属塩、含金属染料、ニグロシン染料、アミド基含有化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物及びそれらの金属塩、ウレタン結合含有化合物、酸性もしくは電子吸引性の有機物質が挙げられる。
また、本発明の製造方法で得られる静電荷像現像用トナーをカラートナー又はフルカラートナーにおける黒色トナー以外のトナーとして使用する場合には、無色ないしは淡色でトナーへの色調障害がない帯電制御剤を用いることが好ましく、例えば、正帯電性帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物が、負帯電性帯電制御剤としてはサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウムなどとの金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物が好ましい。
本発明において、乳化重合凝集法を用いてトナー中に帯電制御剤を含有させる場合は、乳化重合時に重合性単量体等とともに帯電制御剤を添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等とともに凝集工程で添加するか、重合体一次粒子及び着色剤等を凝集させてほぼ目的とする粒径となった後に添加する等の方法によって配合することができる。これらのうち、帯電制御剤を界面活性剤を用いて水中で分散させ、体積平均粒径0.01μm以上、3μm以下の分散液として凝集工程に添加することが好ましい。
乳化重合凝集法において、凝集は通常、攪拌装置を備えた槽内で行われるが、加熱する方法、電解質を加える方法と、これらを組み合わせる方法とがある。重合体一次粒子を攪拌下に凝集して目的とする大きさの粒子凝集体を得ようとする場合、粒子同士の凝集力と攪拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、加熱するか、或い
は電解質を加えることによって凝集力を大きくすることができる。
は電解質を加えることによって凝集力を大きくすることができる。
本発明において、電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、有機塩、無機塩のいずれでも良いが、具体的には、NaCl、KCl、LiCl、Na2SO4、K2SO4、Li2SO4、MgCl2、CaCl2、MgSO4、CaSO4、ZnSO4、Al2(SO4)3、Fe2(SO4)3、CH3COONa、C6H5SO3Na等が挙げられる。これらの
うち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
うち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
本発明において、電解質の添加量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100重量部に対して、0.05重量部以上が好ましく、0.1重量部以上が更に好ましい。また、25重量部以下が好ましく、更には15重量部以下、特に10重量部以下が好ましい。添加量が少なすぎると、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しないなどの問題を生じる場合があり、添加量が多すぎると、急速な凝集となりやすく粒径の制御が困難となり、得られた凝集粒子中に粗粉や不定形のものが含まれるなどの問題を生じる場合がある。電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、20℃以上、更に好ましくは30℃以上であり、70℃以下、更に好ましくは60℃以下である。
電解質を用いないで加熱のみによって凝集を行う場合の凝集温度は、重合体一次粒子のガラス転移温度をTgとすると、(Tg−20)℃以上が好ましく、(Tg−10)℃以上が更に好ましい。また、Tg以下が好ましく、(Tg−5)℃以下が好ましい。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナーの粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナーの粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
上述の凝集処理後の粒子凝集体表面に、必要に応じて樹脂微粒子を付着または固着した粒子を形成することも出来る。粒子凝集体表面に性状を制御した樹脂微粒子を付着または固着することにより、得られるトナーの帯電性や耐熱性を向上できる場合があり、さらには、本発明の効果を一層顕著とすることができる。
樹脂微粒子として重合体一次粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂微粒子を用いた場合、定着性を損なうことなく、耐ブロッキング性の一層の向上が実現できるので好ましい。該樹脂微粒子の体積平均粒径は、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上が更に好ましい。また、3μm以下、さらに1.5μm以下が好ましい。樹脂微粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。
樹脂微粒子として重合体一次粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂微粒子を用いた場合、定着性を損なうことなく、耐ブロッキング性の一層の向上が実現できるので好ましい。該樹脂微粒子の体積平均粒径は、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上が更に好ましい。また、3μm以下、さらに1.5μm以下が好ましい。樹脂微粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。
樹脂微粒子は、通常、界面活性剤により水または水を主体とする液中に分散した分散液として用いるが、帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後に樹脂微粒子を加えることが好ましい。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子のTg以上、より好ましくはTgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくはTgより80℃高い温度以下、より好ましくはTgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子のTg以上、より好ましくはTgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくはTgより80℃高い温度以下、より好ましくはTgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
なお、凝集工程以降、好ましくは熟成工程以前又は熟成工程中の段階で、界面活性剤を添加するか、pH値を上げることが好ましい。ここで用いられる界面活性剤としては、重
合体一次粒子を製造する際に用いることのできる乳化剤から一種以上を選択して用いることができるが、特に重合体一次粒子を製造した際に用いた乳化剤と同じものを用いることが好ましい。界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、更に好ましくは3重量部以上であり、また、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を添加するか、pH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後の粗大粒子生成を抑制できる場合がある。
合体一次粒子を製造する際に用いることのできる乳化剤から一種以上を選択して用いることができるが、特に重合体一次粒子を製造した際に用いた乳化剤と同じものを用いることが好ましい。界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、更に好ましくは3重量部以上であり、また、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下、更に好ましくは10重量部以下である。凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を添加するか、pH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後の粗大粒子生成を抑制できる場合がある。
熟成工程での加熱処理により、凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化がなされ、凝集体としてのトナー粒子形状も球形に近いものとなる。熟成工程前の粒子凝集体は、重合体一次粒子の静電的あるいは物理的凝集による集合体であると考えられるが、熟成工程後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着しており、トナー粒子の形状も球状に近いものとすることが可能となる。この様な熟成工程によれば、熟成工程の温度及び時間等を制御することにより、重合体一次粒子が凝集した形状である葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナーを製造することができる。
湿式法により得られたトナー母粒子は、トナー母粒子と分散媒とを含む分散液から遠心分離機を用いてトナー母粒子を濾過および洗浄する工程に供される。
濾過および洗浄する工程においては、例えば、トナー母粒子の捕集性、耐目詰まり性、ケーキ層の形成性、通水性、濾布取替え時の簡便性などが要求される。これらの要求特性を同時に満たすことは容易ではなく、特に、湿式法で得られるトナー母粒子は小粒径の粒子であるため、同時に満たすことが困難である。
濾過および洗浄する工程においては、例えば、トナー母粒子の捕集性、耐目詰まり性、ケーキ層の形成性、通水性、濾布取替え時の簡便性などが要求される。これらの要求特性を同時に満たすことは容易ではなく、特に、湿式法で得られるトナー母粒子は小粒径の粒子であるため、同時に満たすことが困難である。
また、濾過および洗浄する工程で処理されるトナー母粒子分散液(スラリー)中には、トナー母粒子だけでなく、各製造過程で使用される原材料、界面活性剤、添加剤などに由来するさまざまな副生物、夾雑物などの不純物が存在するため、これらの不純物を濾過、洗浄工程で適切に除去する効果的な濾過、洗浄が行われないときには、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの性能は劣悪なものとなる。すなわち、不純物が適切に除去されていないトナー母粒子から得られるトナーは、保存安定性の点で劣る傾向がある上、画像形成するときには、画像にカブリを生じる、画像形成時の温度・湿度変化によって画像濃度などの画質変動がある、画像形成装置内でトナーが飛散する、長期間使用したときに一定した画質の画像が得られないなど、画像形成特性の点で好ましくない結果をもたらすことになる。そのため、不純物を十分に除去できる濾過、洗浄が望まれる。
本発明技術は、これらの各々の要求特性をみたす濾過、洗浄を実現するものである。
トナー母粒子と分散媒とを含む分散液に含まれる不純物は、未反応の原材料、トナー母粒子に取り込まれなかったワックス、副生物、重合体などの破片、反応装置や製造雰囲気などから混入する夾雑物など多様であり、分散媒中に可溶な物質や微細な不溶物など多様な形態で存在する。
トナー母粒子と分散媒とを含む分散液に含まれる不純物は、未反応の原材料、トナー母粒子に取り込まれなかったワックス、副生物、重合体などの破片、反応装置や製造雰囲気などから混入する夾雑物など多様であり、分散媒中に可溶な物質や微細な不溶物など多様な形態で存在する。
これらの不純物を効果的に除去するためには、トナー母粒子を濾過および洗浄する工程ではトナー母粒子を湿潤状態に保つことが好ましい。そのため、濾過によってケーキ層を形成した後は、ケーキを遠心分離機から取り出すことなく洗浄することが好ましい。
本発明において、洗浄水は脱塩水や蒸留水、水道水などを用いることが好ましく、特に、電気伝導度が1μS/cm以下の脱塩水を用いることが好ましい。脱塩水としては電気伝導度が0.5μmS/cm以下のものが更に好ましく、0.2μS/cm以下のものが最も好ましい。電気伝導度のより小さい脱塩水を用いれば、洗浄の繰り返し回数を低減す
ることができる。洗浄水の温度は、トナー母粒子の性状を損ねない常温の範囲で選択される。
本発明において、洗浄水は脱塩水や蒸留水、水道水などを用いることが好ましく、特に、電気伝導度が1μS/cm以下の脱塩水を用いることが好ましい。脱塩水としては電気伝導度が0.5μmS/cm以下のものが更に好ましく、0.2μS/cm以下のものが最も好ましい。電気伝導度のより小さい脱塩水を用いれば、洗浄の繰り返し回数を低減す
ることができる。洗浄水の温度は、トナー母粒子の性状を損ねない常温の範囲で選択される。
濾過により形成されたトナー母粒子ケーキ層の良好な通水性は、洗浄の過程においても維持されるため、比較的少量の洗浄水の使用での洗浄が可能であり、短い洗浄時間での洗浄が可能である。
濾過および洗浄する工程を経たトナー母粒子は、乾燥され、必要に応じて外添処理などを施されてトナーとなる。
濾過および洗浄する工程を経たトナー母粒子は、乾燥され、必要に応じて外添処理などを施されてトナーとなる。
乾燥は、従来トナーの乾燥に用いられる公知の方法を用いることができ、例えば振動型流動乾燥法や循環型流動乾燥法など流動乾燥法、気流乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法、スプレードライ法、フラッシュジェット法などが挙げられる。
乾燥の温度、風量、減圧度等の操作条件は、着色粒子のTg、使用する装置の形状、機構、大きさ等をもとに、適宜最適化される。
乾燥の温度、風量、減圧度等の操作条件は、着色粒子のTg、使用する装置の形状、機構、大きさ等をもとに、適宜最適化される。
本発明のトナーには、トナーの流動性向上や帯電制御性向上のために、必要により外添微粒子を添加することができ、そのような外添微粒子としては、各種無機または有機微粒子の中から適宜選択して使用することができる。
無機微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化セリウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、リン酸カルシウム等のリン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等を用いることができる。有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子を用いることができる。
無機微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化セリウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、リン酸カルシウム等のリン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等を用いることができる。有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子を用いることができる。
これら外添微粒子の中では、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック等が好適に使用される。また、外添微粒子は、前記の無機または有機微粒子の表面を、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーンワニス、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤等の処理剤によって疎水化などの表面処理が施されているものを使用することもできる。外添微粒子は二種以上を併用することもできる。
本発明の外添微粒子は、平均粒径0.001μm以上が好ましく、より好ましくは0.005μm以上である。また、3μm以下が好ましく、より好ましくは1μmである。また、異なる粒径のものを複数種類配合することもできる。外添微粒子の平均粒径は電子顕微鏡観察により求めることができる。
また、外添微粒子は、異なる二種以上を併用することもでき、表面処理されたものと表面処理されていないものを併用することや、異なる表面処理がされたものを併用することもでき、正帯電性のものと負帯電性のものを適宜組み合わせて使用することもできる。
また、外添微粒子は、異なる二種以上を併用することもでき、表面処理されたものと表面処理されていないものを併用することや、異なる表面処理がされたものを併用することもでき、正帯電性のものと負帯電性のものを適宜組み合わせて使用することもできる。
本発明の外添微粒子の含有量は、トナー粒子100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、好ましくは5重量部以下、より
好ましくは3重量部以下である。
外添微粒子の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることの出来る装置による方法等が挙げられる。
好ましくは3重量部以下である。
外添微粒子の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることの出来る装置による方法等が挙げられる。
本発明の製造方法により得られる静電荷像現像用トナーは、トナー粒子をキャリアとともに用いる二成分系現像剤、又は、キャリアを使用しない磁性もしくは非磁性一成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下の例で「部」とあるのは「重量部」を意味する。また、実写試験は以下の方法により行った。
各粒子径、円形度、電気伝導度等は次のように測定した。
各粒子径、円形度、電気伝導度等は次のように測定した。
<トナー母粒子の体積中位径、個数中位径の測定方法と定義>
外添工程を経て、最終的に得られたトナーの測定前処理として次の様にした。内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカーの底部にのみトナー及び20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラーを用いてトナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間攪拌した。この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にした。
外添工程を経て、最終的に得られたトナーの測定前処理として次の様にした。内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にビーカーの底部にのみトナー及び20%DBS水溶液を入れた。次に、スパチュラーを用いてトナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間攪拌した。この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らない様にした。
続いて、分散媒アイソトンIIを30g添加し、スパチュラーを用いて2分間攪拌し全体を目視で均一な溶液とした。次に、長さ31mm直径6mmのフッ素樹脂コート回転子をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて400rpmで20分間分散させた。この際、3分間に1回の割合でスパチュラーを用いて気液界面とビーカーの縁に目視で観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み均一な分散液となるようにした。続いて、これを目開き63μmのメッシュで濾過し、得られたろ液を「トナー分散液」とした。
なお、トナー母粒子の製造工程中の粒径の測定については、凝集中のスラリーを63μmのメッシュで濾過したろ液を「スラリー液」とした。
粒子の体積中位径はベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径1
00μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフトで、KD値は118 .5として測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものをトナー母粒子の体積中位径とした。また、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径とした。トナー母粒子の体積中位径を個数中位径で除した値を粒径分布とした。
粒子の体積中位径はベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径1
00μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」又は「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフトで、KD値は118 .5として測定した。測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものをトナー母粒子の体積中位径とした。また、個数基準での統計値をもとに算出したものを個数中位径とした。トナー母粒子の体積中位径を個数中位径で除した値を粒径分布とした。
<1μm以下の粒子の体積中位径の測定方法>
日機装社製「マイクロトラックUPA(ultra particle analyzer)」(以下、「UP
A」と略記する)を用いて常法に従って測定した値として定義される。
<平均円形度の測定方法と定義>
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社(旧東亜医用電子社)製、FPIA2100)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:2000〜2500個
以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である2000〜2500個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
日機装社製「マイクロトラックUPA(ultra particle analyzer)」(以下、「UP
A」と略記する)を用いて常法に従って測定した値として定義される。
<平均円形度の測定方法と定義>
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社(旧東亜医用電子社)製、FPIA2100)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:2000〜2500個
以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である2000〜2500個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
<電気伝導度の測定方法>
電気伝導度の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて、取扱説明書通り常法に従って行った。
電気伝導度の測定は、導電率計(横河電機社製のパーソナルSCメータモデルSC72と検出器SC72SN−11)を用いて、取扱説明書通り常法に従って行った。
<ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1の調製>
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、溶解度パラメーター16(MPa)1/2)27部(16.3kg)、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20
質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱して、ホモミキサー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用い、20MPaの加圧条件で90分間循環乳化した。
パラフィンワックス(日本精鑞社製HNP−9、溶解度パラメーター16(MPa)1/2)27部(16.3kg)、ステアリルアクリレート(東京化成社製)2.8部、20
質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)1.9部、脱塩水68.3部を90℃に加熱して、ホモミキサー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用い、20MPaの加圧条件で90分間循環乳化した。
次いで25MPaに加圧して循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均径が250nmになるまで分散して、ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1(エマルション固形分濃度=30.3質量%)を作製した。この操作を3回繰り返して、約180Lの、ワックス・長鎖重合性単量体分散液を得た。
<重合体一次粒子分散液A1の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1 35.6部(171.0kg)、脱塩水259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記ワックス・長鎖重合性単量体分散液A1 35.6部(171.0kg)、脱塩水259部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、上記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は275nmであり、固形分濃度は21.6質量%であった。
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.7部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は275nmであり、固形分濃度は21.6質量%であった。
<シリコーンワックス分散液A2の調製>
アルキル変性シリコーンワックス(熱特性:融点ピーク温度77℃、融解熱量97J/g、融解ピーク半値幅10.9℃、結晶化温度61℃、結晶化ピーク半値幅17.0℃、溶解度パラメーター15(MPa)1/2)27部(540g)、20%DBS水溶液1.
9部、脱塩水71.1部をステンレス容器に入れ90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)で10分間攪拌した。次いでこの分散液を99℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて45MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで測定しながら体積平均径が240nmになるまで分散してシリコーンワックス分散液H2(エマルション固形分濃度=27.3%)を作製した。
アルキル変性シリコーンワックス(熱特性:融点ピーク温度77℃、融解熱量97J/g、融解ピーク半値幅10.9℃、結晶化温度61℃、結晶化ピーク半値幅17.0℃、溶解度パラメーター15(MPa)1/2)27部(540g)、20%DBS水溶液1.
9部、脱塩水71.1部をステンレス容器に入れ90℃に加熱してホモミキサー(特殊機化工業社製 マークII fモデル)で10分間攪拌した。次いでこの分散液を99℃に加熱し、ホモジナイザー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用いて45MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで測定しながら体積平均径が240nmになるまで分散してシリコーンワックス分散液H2(エマルション固形分濃度=27.3%)を作製した。
<重合体一次粒子分散液A2の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、シリコーンワックス分散液A2を23.3部(93.1kg)、20%DBS水溶液1.0部、脱塩水324部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アス コルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。こ
れらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とする。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、シリコーンワックス分散液A2を23.3部(93.1kg)、20%DBS水溶液1.0部、脱塩水324部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アス コルビン酸水溶液3.2部を一括添加した。こ
れらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とする。
下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を、重合開始から5時間かけて、また、下記の「開始剤水溶液」を重合開始から6時間かけて添加し、その後、更に攪拌しながら内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 92.5部(370.0kg)
アクリル酸ブチル 7.5部
アクリル酸 0.5部
トリクロロブロモメタン 0.5部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.0部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 18.9部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A2を得た。ナノトラックを用
いて測定した体積平均径(Mv)は290nmであり、固形分濃度は19.0質量%であった。
[着色剤微粒子分散液]
ピグメントブルーの水分散液(EP−750 Blue GA、大日精化製、固形分24.0%)を用いた。前述の方法で測定した体積平均粒径は135nmであった。
[重合性モノマー類等]
スチレン 92.5部(370.0kg)
アクリル酸ブチル 7.5部
アクリル酸 0.5部
トリクロロブロモメタン 0.5部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.0部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 18.9部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液A2を得た。ナノトラックを用
いて測定した体積平均径(Mv)は290nmであり、固形分濃度は19.0質量%であった。
[着色剤微粒子分散液]
ピグメントブルーの水分散液(EP−750 Blue GA、大日精化製、固形分24.0%)を用いた。前述の方法で測定した体積平均粒径は135nmであった。
<トナー母粒子Aの製造:トナースラリーAの生成>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程を実施することによりトナースラリーAを製造した。
重合体一次粒子分散液A1 固形分として90部 (分散液A1:309.0kg/固形分:66.74kg)
重合体一次粒子分散液A2 固形分として10部
着色剤微粒子分散液 着色剤固形分として4.4部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0.15部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、101rpmで攪拌させて、硫酸カリウムの5質量%水溶液を、K2SO4として0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤微粒子分散液を5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程を実施することによりトナースラリーAを製造した。
重合体一次粒子分散液A1 固形分として90部 (分散液A1:309.0kg/固形分:66.74kg)
重合体一次粒子分散液A2 固形分として10部
着色剤微粒子分散液 着色剤固形分として4.4部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0.15部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、101rpmで攪拌させて、硫酸カリウムの5質量%水溶液を、K2SO4として0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤微粒子分散液を5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
その後、脱塩水100部を30分かけて連続添加してから、回転数101rpmのまま内温を48.0℃に70分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで、30分毎に1℃昇温した後(0.03℃/分)、53.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径を測定し5.12μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温53.0℃、回転数101rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を10分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子のDv50が5.24μmであった。
○シェル被覆工程
その後、内温53.0℃、回転数101rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を10分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子のDv50が5.24μmであった。
○円形化工程
続いて、そのままの回転数のまま20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら83℃に昇温し、その後、30分毎に1℃昇温させ89℃まで昇温して、3.5時間かけて平均円形度が0.941になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、50分かけて20℃まで冷却し、スラリーAを得た。このとき、粒子の体積中位径は5.29μm、個数中位径は4.86μm、分布(体積中位径)/(個数中位径)は1.09、平均円形度は0.942であった。
続いて、そのままの回転数のまま20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら83℃に昇温し、その後、30分毎に1℃昇温させ89℃まで昇温して、3.5時間かけて平均円形度が0.941になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、50分かけて20℃まで冷却し、スラリーAを得た。このとき、粒子の体積中位径は5.29μm、個数中位径は4.86μm、分布(体積中位径)/(個数中位径)は1.09、平均円形度は0.942であった。
<トナー母粒子Aの製造:トナースラリーの洗浄/横型遠心分離装置による洗浄>
○粗大粒子の濾過
得られたスラリーAを全量、目開き24μmの篩を装着した湿式電磁篩振盪機(AS200/株式会社レッチェ)を用いて、粗大粒子の除去を目的に濾過処理を行い、攪拌装置つきのタンクにて一旦蓄えた。
○粗大粒子の濾過
得られたスラリーAを全量、目開き24μmの篩を装着した湿式電磁篩振盪機(AS200/株式会社レッチェ)を用いて、粗大粒子の除去を目的に濾過処理を行い、攪拌装置つきのタンクにて一旦蓄えた。
○基礎ケーキ層の形成
その後、このスラリーを、濾布(ポリエステル TR815C、中尾フィルター工業/厚み0.3mm/通気度48(cc/cm2/min)、溶解度パラメーター21.5(MPa)1/2)が装着された横型遠心分離機(Hz40Si型/三菱化工機株式会社)へ、加速度8
00G条件で回転させた状態にて7リットル分だけ供給し、当該スラリーの固液分離を行った。ケーキ層が形成されるまでは着色したスラリー液が濾液出口から漏れたので、着色分がなくなるまで別に濾液を回収した。上澄み液が無くなって乾固したケーキ層の面が露出してから30秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った後、6.67リットル/分の量のイオン交換水(電気伝導度1.0μS/cm)を供給し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで洗浄した。尚、漏れ出した量は乾燥ケーキにして、53g
相当だった。
その後、このスラリーを、濾布(ポリエステル TR815C、中尾フィルター工業/厚み0.3mm/通気度48(cc/cm2/min)、溶解度パラメーター21.5(MPa)1/2)が装着された横型遠心分離機(Hz40Si型/三菱化工機株式会社)へ、加速度8
00G条件で回転させた状態にて7リットル分だけ供給し、当該スラリーの固液分離を行った。ケーキ層が形成されるまでは着色したスラリー液が濾液出口から漏れたので、着色分がなくなるまで別に濾液を回収した。上澄み液が無くなって乾固したケーキ層の面が露出してから30秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った後、6.67リットル/分の量のイオン交換水(電気伝導度1.0μS/cm)を供給し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで洗浄した。尚、漏れ出した量は乾燥ケーキにして、53g
相当だった。
目標伝導度以下になったら、そのままの回転で3分間振り切って十分に固液分離を行った。このときのバスケット内のケーキ層の厚みは7mmであった。
○スラリー供給
遠心分離機バスケット内に均一に基礎ケーキ層が形成されたことを確認した後、再び加速度800Gでバスケットを回転させ、その状態でスラリーAをタンクよりバスケット内に14リットル供給した。
○スラリー供給
遠心分離機バスケット内に均一に基礎ケーキ層が形成されたことを確認した後、再び加速度800Gでバスケットを回転させ、その状態でスラリーAをタンクよりバスケット内に14リットル供給した。
○1次洗浄
上澄み液が無くなって乾固したケーキの面が露出してから30秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った後、6.67リットル/分の量のイオン交換水(電気伝導度1.0μS/cm)を供給し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで洗浄した。この時の供給水量を時間ごとに記録した。また、濾過速度が低下して、供給水量が濾過水量を超えるとバケットリム幅を超えて水が溢れてしまうので、適宜供給を止めて調整した。ただし、所定伝導度になるまではケーキの面が露出しないよう水層が必ず存在するように、供給水量を調整した。
上澄み液が無くなって乾固したケーキの面が露出してから30秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った後、6.67リットル/分の量のイオン交換水(電気伝導度1.0μS/cm)を供給し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで洗浄した。この時の供給水量を時間ごとに記録した。また、濾過速度が低下して、供給水量が濾過水量を超えるとバケットリム幅を超えて水が溢れてしまうので、適宜供給を止めて調整した。ただし、所定伝導度になるまではケーキの面が露出しないよう水層が必ず存在するように、供給水量を調整した。
○硝酸洗浄
上記1次洗浄で所定伝導度に達したらイオン交換水の供給を停止し、水面が下がってケーキ面が露出したら30秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った。直ぐに続けて、5規定硝酸水28gを15.5リットルのイオン交換水で希釈した希薄硝酸水を、遠心分離機に6.67リットル/分の速度で供給して、ケーキ層を洗浄した。供給は前述の通り、溢れない様に適宜止めたり再開したりしながら、全量を入れた。
上記1次洗浄で所定伝導度に達したらイオン交換水の供給を停止し、水面が下がってケーキ面が露出したら30秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った。直ぐに続けて、5規定硝酸水28gを15.5リットルのイオン交換水で希釈した希薄硝酸水を、遠心分離機に6.67リットル/分の速度で供給して、ケーキ層を洗浄した。供給は前述の通り、溢れない様に適宜止めたり再開したりしながら、全量を入れた。
○2次洗浄
希薄硝酸水を入れ終わってから、水面が下がってケーキ面が露出したら30秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った。その後、続けて6.67リットル/分の量のイオン交換水を供給し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで洗浄した。供給は前述の通り、溢れない様に適宜止めたり再開したりしながら、所定伝導度になるまで給液と遠心濾過を継続した。
希薄硝酸水を入れ終わってから、水面が下がってケーキ面が露出したら30秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った。その後、続けて6.67リットル/分の量のイオン交換水を供給し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで洗浄した。供給は前述の通り、溢れない様に適宜止めたり再開したりしながら、所定伝導度になるまで給液と遠心濾過を継続した。
○最終振り切りとケーキ排出
上記2次洗浄で所定伝導度に達したらイオン交換水の供給を停止し、水面が下がってケーキ面が露出したら300秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った。振り切り終了時間が到達したら、高速回転のまま掻き取り用のステライト刃をケーキ面に当てて、ケーキ層を掻き取った。装置前面蓋に付随しているケーキ排出口に回収袋を取り付け、落ちてきた粉状のケーキを回収した。この時、装置内のケーキ層は7mmの厚み分を残した。
上記2次洗浄で所定伝導度に達したらイオン交換水の供給を停止し、水面が下がってケーキ面が露出したら300秒間、800Gの加速度のまま振り切りを行った。振り切り終了時間が到達したら、高速回転のまま掻き取り用のステライト刃をケーキ面に当てて、ケーキ層を掻き取った。装置前面蓋に付随しているケーキ排出口に回収袋を取り付け、落ちてきた粉状のケーキを回収した。この時、装置内のケーキ層は7mmの厚み分を残した。
得られた含水ケーキは3.18kgであり、また水分量は市販の熱天秤方式の測定器で測定したところ、38.3%であった。従って、乾燥ケーキとしては、1.96kgとなった。これは、投入スラリー量とスラリー濃度から算出された量2.14kgと比較することで、収率が得られるが、その値は91.6%であった。また、スラリー給液からケーキ排出終了までの時間は35分23秒、希薄硝酸水も含めた総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は46.1リットルとなった。これを洗浄1サイクル目とした。
引き続き、遠心分離機を再稼動させて、スラリーAを14リットル供給するところから、上記と同様にして掻き取りまでを行ったところ、含水ケーキが3.21kg、含水率38.1%、乾燥ケーキ換算で1.99kgが得られ、その収率は92.8%であった。そ
の時間は36分51秒、総洗浄水量は87.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は44.0リットルとなった。これを洗浄2サイクル目とした。
の時間は36分51秒、総洗浄水量は87.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は44.0リットルとなった。これを洗浄2サイクル目とした。
同様にして、引き続きスラリー洗浄を行ったところ、含水ケーキが3.17kg、含水率38.5%、乾燥ケーキ換算で1.95kgが得られ、その収率は91.0%であった。その時間は37分28秒、総洗浄水量は87.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は44.9リットルとなった。これを洗浄3サイクル目とした。
同様にして、引き続きスラリー洗浄を行ったところ、含水ケーキが3.13kg、含水率38.3%、乾燥ケーキ換算で1.93kgが得られ、その収率は90.2%であった。その時間は38分53秒、総洗浄水量は85.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は44.3リットルとなった。これを洗浄4サイクル目とした。
同様にして、引き続きスラリー洗浄を行ったところ、含水ケーキが3.13kg、含水率38.3%、乾燥ケーキ換算で1.93kgが得られ、その収率は90.2%であった。その時間は38分53秒、総洗浄水量は85.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は44.3リットルとなった。これを洗浄4サイクル目とした。
<トナー母粒子Aの製造:ケーキの乾燥工程>
上記洗浄工程で得られたケーキ層をステンレス製バットに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥することにより、トナー母粒子Aを得た。
<トナーAの製造:外添工程>
得られたトナー母粒子A2500gに、外添剤としてクラリアント社製H2000シリカ15.5gとテイカ社製SMT150IBチタニア微粉末6.2gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーAを得た。
上記洗浄工程で得られたケーキ層をステンレス製バットに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥することにより、トナー母粒子Aを得た。
<トナーAの製造:外添工程>
得られたトナー母粒子A2500gに、外添剤としてクラリアント社製H2000シリカ15.5gとテイカ社製SMT150IBチタニア微粉末6.2gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーAを得た。
<トナー母粒子Bの製造>
「トナー母粒子Aの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」、「円形化工程」及び「洗浄工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Bを得た。
「トナー母粒子Aの製造」の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程・洗浄工程・乾燥工程において、「コア材凝集工程」、「シェル被覆工程」、「円形化工程」及び「洗浄工程」を下記の様に変更したこと以外は全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Bを得た。
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、101rpmで攪拌させて、第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO4・7H2Oとして0.52部を5分かけて添加し、その後、着色剤微粒子分散液を5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。その後、脱塩水100部を30分かけて連続添加してから、回転数101rpmのまま内温を53.0℃に80分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで、30分毎に0.3℃昇温した後(0.01℃/分)、55.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径を測定し6.88μmまで成長させた。
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液A1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、101rpmで攪拌させて、第一硫酸鉄の5質量%水溶液をFeSO4・7H2Oとして0.52部を5分かけて添加し、その後、着色剤微粒子分散液を5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。その後、脱塩水100部を30分かけて連続添加してから、回転数101rpmのまま内温を53.0℃に80分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで、30分毎に0.3℃昇温した後(0.01℃/分)、55.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径を測定し6.88μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温55.0℃、回転数101rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を10分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子の体積中位径が7.34μmであった。
○円形化工程
続いて、回転数を70rpmに下げてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら90℃に昇温し、その後、10分毎に1℃昇温させ94℃まで昇温して、2時間かけて平均円形度が0.940になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、50分かけて20℃まで冷却し、スラリーBを得た。このとき、粒子の体積中位径は7.18μm、個数中位径は6.56μm、(体積中位径)/(個数中位径)は1.09、平均円形度は0.941であった。
その後、内温55.0℃、回転数101rpmのまま、重合体一次粒子分散液A2を10分かけて連続添加してそのまま60分保持した。このとき、粒子の体積中位径が7.34μmであった。
○円形化工程
続いて、回転数を70rpmに下げてから、20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら90℃に昇温し、その後、10分毎に1℃昇温させ94℃まで昇温して、2時間かけて平均円形度が0.940になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、50分かけて20℃まで冷却し、スラリーBを得た。このとき、粒子の体積中位径は7.18μm、個数中位径は6.56μm、(体積中位径)/(個数中位径)は1.09、平均円形度は0.941であった。
<トナー母粒子Bの製造:トナースラリーの洗浄/横型遠心分離装置による洗浄>
「濾布」、「粗大粒子の濾過」、「基礎ケーキ層の形成」、「スラリーの供給」、「1次洗浄」、「硝酸洗浄」、「2次洗浄」及び「最終振り切りとケーキ層排出」の各工程は、実施例1と同様な操作を行った。尚、基礎ケーキ層の形成時点での漏れ量は、乾燥ケーキ換算で5g程度だった。
「濾布」、「粗大粒子の濾過」、「基礎ケーキ層の形成」、「スラリーの供給」、「1次洗浄」、「硝酸洗浄」、「2次洗浄」及び「最終振り切りとケーキ層排出」の各工程は、実施例1と同様な操作を行った。尚、基礎ケーキ層の形成時点での漏れ量は、乾燥ケーキ換算で5g程度だった。
洗浄1サイクル目の結果は、含水ケーキが3.01kg、含水率30.5%、乾燥ケーキ換算で2.09kgが得られ、その収率は97.7%であった。その時間は25分43秒、総洗浄水量は100.5リトッル、乾燥1kg当たりの洗浄水量は48.0リットルとなった。
洗浄2サイクル目の結果は、含水ケーキが2.95kg、含水率29.5%、乾燥ケーキ換算で2.08kgが得られ、その収率は97.1%であった。その時間は25分09秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は43.5リットルとなった。
洗浄2サイクル目の結果は、含水ケーキが2.95kg、含水率29.5%、乾燥ケーキ換算で2.08kgが得られ、その収率は97.1%であった。その時間は25分09秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は43.5リットルとなった。
洗浄3サイクル目の結果は、含水ケーキが3.06kg、含水率31.7%、乾燥ケーキ換算で2.09kgが得られ、その収率は97.6%であった。その時間は25分03秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は43.3リットルとなった。
洗浄4サイクル目の結果は、含水ケーキが3.09kg、含水率32.0%、乾燥ケーキ換算で2.10kgが得られ、その収率は98.1%であった。その時間は25分48秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は43.1リットルとなった。
洗浄4サイクル目の結果は、含水ケーキが3.09kg、含水率32.0%、乾燥ケーキ換算で2.10kgが得られ、その収率は98.1%であった。その時間は25分48秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は43.1リットルとなった。
洗浄5サイクル目の結果は、含水ケーキが3.05kg、含水率31.1%、乾燥ケーキ換算で2.10kgが得られ、その収率は98.1%であった。その時間は25分41秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は43.1リットルとなった。
洗浄6サイクル目の結果は、含水ケーキが3.03kg、含水率30.3%、乾燥ケーキ換算で2.11kgが得られ、その収率は98.6%であった。その時間は25分40秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は42.9リットルとなった。
洗浄6サイクル目の結果は、含水ケーキが3.03kg、含水率30.3%、乾燥ケーキ換算で2.11kgが得られ、その収率は98.6%であった。その時間は25分40秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は42.9リットルとなった。
<トナーBの製造>
その後、外添剤としてH2000シリカの量を12.5gに変更し、SMT150IBチタニア微粉末の量を5.0gに変更した以外は、「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーBを得た。
その後、外添剤としてH2000シリカの量を12.5gに変更し、SMT150IBチタニア微粉末の量を5.0gに変更した以外は、「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーBを得た。
「トナー母粒子Aの製造」の「洗浄工程」を下記の様に変更したこと以外は、全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Cを得た。
<トナー母粒子Cの製造:トナースラリーの洗浄/横型遠心分離装置による洗浄>
「濾布」、「粗大粒子の濾過」、「基礎ケーキ層の形成」、「スラリーの供給」、「1次洗浄」、「硝酸洗浄」、「2次洗浄」及び「最終振り切りとケーキ排出」の各工程は、実施例1と同様な操作を行った。ただし、「基礎ケーキ層」としては実施例2で使用したトナースラリーBを用い形成し、それ以降のサイクル洗浄を行ったトナースラリーは、スラリーAを用いた。尚、基礎ケーキ層の形成時点での漏れ量は、乾燥ケーキ換算で5g程度だった。
<トナー母粒子Cの製造:トナースラリーの洗浄/横型遠心分離装置による洗浄>
「濾布」、「粗大粒子の濾過」、「基礎ケーキ層の形成」、「スラリーの供給」、「1次洗浄」、「硝酸洗浄」、「2次洗浄」及び「最終振り切りとケーキ排出」の各工程は、実施例1と同様な操作を行った。ただし、「基礎ケーキ層」としては実施例2で使用したトナースラリーBを用い形成し、それ以降のサイクル洗浄を行ったトナースラリーは、スラリーAを用いた。尚、基礎ケーキ層の形成時点での漏れ量は、乾燥ケーキ換算で5g程度だった。
洗浄1サイクル目の結果は、含水ケーキが3.32kg、含水率38.5%、乾燥ケーキ換算で2.04kgが得られ、その収率は95.3%であった。その時間は29分43秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は44.3リットルとなった。
洗浄2サイクル目の結果は、含水ケーキが3.35kg、含水率38.4%、乾燥ケーキ換算で2.06kgが得られ、その収率は96.3%であった。その時間は31分21秒、総洗浄水量は88.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は42.9リットルとなった。
洗浄2サイクル目の結果は、含水ケーキが3.35kg、含水率38.4%、乾燥ケーキ換算で2.06kgが得られ、その収率は96.3%であった。その時間は31分21秒、総洗浄水量は88.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は42.9リットルとなった。
洗浄3サイクル目の結果は、含水ケーキが3.34kg、含水率38.0%、乾燥ケーキ換算で2.07kgが得られ、その収率は96.7%であった。その時間は31分58秒、総洗浄水量は87.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は42.3リットルとなった。
洗浄4サイクル目の結果は、含水ケーキが3.28kg、含水率37.6%、乾燥ケーキ換算で2.05kgが得られ、その収率は95.7%であった。その時間は32分02秒、総洗浄水量は87.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は42.8リットルとなった。
洗浄4サイクル目の結果は、含水ケーキが3.28kg、含水率37.6%、乾燥ケーキ換算で2.05kgが得られ、その収率は95.7%であった。その時間は32分02秒、総洗浄水量は87.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は42.8リットルとなった。
<トナーCの製造>
「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーCを得た。
「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーCを得た。
(比較例1)
「洗浄工程」を下記の様に変更したこと以外は、全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Dを得た。
「洗浄工程」を下記の様に変更したこと以外は、全て実施例1の「トナー母粒子Aの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Dを得た。
<トナー母粒子Dの製造:トナースラリーの洗浄/フィルタープレス装置による洗浄>
○スラリー供給
振動篩で粗大粒子を濾過処理したスラリーAを、濾布(P91C/厚み0.99mm/通気度20(cc/cm2/min) 、溶解度パラメーター18.8(MPa)1/2/敷島カンバス)が装着されたフィルタープレス装置(単室式 φ310mm×1室/濾過面積0.087m2/容積1.6リットル)に、自動圧力調整式プランジャーポンプを使用して、濾過
圧力0.1MPaで5リットルを圧入をした。濾過前半の濾液の着色が濃く、濾布を通過して漏れ出す粒子分が多かったので、着色時間帯分の濾液は別取りした。また、漏れが多いために濾室内に規定量ケーキが貯まらなかった。更にスラリーAを5リットル追加したが、それでも足りないため、着色していた別取り分の濾液を再度装置に圧入しリサイクル濾過をした。
○スラリー供給
振動篩で粗大粒子を濾過処理したスラリーAを、濾布(P91C/厚み0.99mm/通気度20(cc/cm2/min) 、溶解度パラメーター18.8(MPa)1/2/敷島カンバス)が装着されたフィルタープレス装置(単室式 φ310mm×1室/濾過面積0.087m2/容積1.6リットル)に、自動圧力調整式プランジャーポンプを使用して、濾過
圧力0.1MPaで5リットルを圧入をした。濾過前半の濾液の着色が濃く、濾布を通過して漏れ出す粒子分が多かったので、着色時間帯分の濾液は別取りした。また、漏れが多いために濾室内に規定量ケーキが貯まらなかった。更にスラリーAを5リットル追加したが、それでも足りないため、着色していた別取り分の濾液を再度装置に圧入しリサイクル濾過をした。
○直接濾過、洗浄工程
引き続き、ポンプから装置スラリー給液口までの配管部残りのスラリーを残さず装置内に押し込むために、イオン交換水(電気伝導度1.0μS/cm)を供給し、濾過圧力0.3MPaを掛けて圧入しながら2分間洗浄した。その際に出てきた濾液の重量は5.70kgであった。
引き続き、ポンプから装置スラリー給液口までの配管部残りのスラリーを残さず装置内に押し込むために、イオン交換水(電気伝導度1.0μS/cm)を供給し、濾過圧力0.3MPaを掛けて圧入しながら2分間洗浄した。その際に出てきた濾液の重量は5.70kgであった。
○予備圧搾濾過工程
次に、装置内の濾室筐体と袋状の濾布との間に設置されているダイアフラムに圧搾空気(0.3MPa)を送り、ダイアフラムが膨らむことで濾布袋を一方向に押し付け、濾布内のケーキを60秒間搾った。これによって、濾液が191g出てきた。
○貫通濾過、洗浄1工程
圧搾空気を抜いた後、ダイアフラムと濾布の間にイオン交換水を前述のポンプで濾過圧力0.3MPa掛けながら供給し、ダイアフラム側濾布面→ケーキ層→筐体側濾布面→筐
体排水口という流れで洗浄水を通し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで濾過、洗浄した。この時の濾液量は17.77kgであった。
次に、装置内の濾室筐体と袋状の濾布との間に設置されているダイアフラムに圧搾空気(0.3MPa)を送り、ダイアフラムが膨らむことで濾布袋を一方向に押し付け、濾布内のケーキを60秒間搾った。これによって、濾液が191g出てきた。
○貫通濾過、洗浄1工程
圧搾空気を抜いた後、ダイアフラムと濾布の間にイオン交換水を前述のポンプで濾過圧力0.3MPa掛けながら供給し、ダイアフラム側濾布面→ケーキ層→筐体側濾布面→筐
体排水口という流れで洗浄水を通し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで濾過、洗浄した。この時の濾液量は17.77kgであった。
○貫通濾過、洗浄2工程(希硝酸洗浄)
引き続き、5規定硝酸水18gを10.0リットルのイオン交換水で希釈した希薄硝酸
水を、前述のポンプで濾過圧力0.3MPa掛けながら供給し、上記洗浄1工程と同じ流し方で濾過、洗浄を行った。この時の濾液量は9.94kgであった。
○貫通濾過、洗浄3工程
希硝酸を流し終わったら、引き続き、イオン交換水を前述のポンプで濾過圧力0.3MPa掛けながら供給し、洗浄1工程と同じ流れで洗浄水を通し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで濾過、洗浄した。この時の濾液量は33.21kgであった。
引き続き、5規定硝酸水18gを10.0リットルのイオン交換水で希釈した希薄硝酸
水を、前述のポンプで濾過圧力0.3MPa掛けながら供給し、上記洗浄1工程と同じ流し方で濾過、洗浄を行った。この時の濾液量は9.94kgであった。
○貫通濾過、洗浄3工程
希硝酸を流し終わったら、引き続き、イオン交換水を前述のポンプで濾過圧力0.3MPa掛けながら供給し、洗浄1工程と同じ流れで洗浄水を通し、濾液の電気伝導度が5.0μS/cm以下になるまで濾過、洗浄した。この時の濾液量は33.21kgであった。
○圧搾濾過工程
次に、ダイアフラムに圧搾空気(0.7MPa)を送り、濾布内のケーキを2分間搾った。これによって、濾液が52g出てきた。
○圧搾貫通ブローと脱滓工程
最後に水分を落とすため、貫通洗浄で使用した経路からブローエアー(0.2MPa)を濾室筐体内に3分間吹き付けて、濾布とケーキから水分を更に除いた。この時の濾液量は278gであった。ブロー停止後、プレス圧を解いて開盤して、ケーキを装置から取り外して回収した。
次に、ダイアフラムに圧搾空気(0.7MPa)を送り、濾布内のケーキを2分間搾った。これによって、濾液が52g出てきた。
○圧搾貫通ブローと脱滓工程
最後に水分を落とすため、貫通洗浄で使用した経路からブローエアー(0.2MPa)を濾室筐体内に3分間吹き付けて、濾布とケーキから水分を更に除いた。この時の濾液量は278gであった。ブロー停止後、プレス圧を解いて開盤して、ケーキを装置から取り外して回収した。
得られた含水ケーキ重量は931gで、そのケーキの含水率は28.4%、概算の乾燥ケーキ量は667gとなった。これは投入スラリー量とスラリー濃度から算出された量1540gと比較することで、収率が得られるが、その値は43.3%であった。また、スラリー給液からケーキ脱滓終了までの時間は111分、希薄硝酸水も含めた総濾液量は67.1kgであり、これはほぼ総洗浄液量と見なせるので、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量にすると100.7リットルとなった。
<トナーDの製造>
「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーDを得た。
(比較例2)
<トナーDの製造>
「トナーAの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーDを得た。
(比較例2)
「トナー母粒子Dの製造」において使用したスラリーをスラリーBに、「洗浄工程」を下記の様に変更したこと以外は、全て比較例1の「トナー母粒子Dの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Eを得た。
<トナー母粒子Eの製造:トナースラリーの洗浄/フィルタープレス装置による洗浄>
○スラリー供給
比較例1に記載の装置・濾布・ポンプを使用して、スラリーBを初めは5リットル、追加で2リットル供給して、更にリサイクル濾過をした。その他の操作は、比較例1と同様に行った。濾液の着色は初期に多く見られた。
○スラリー供給
比較例1に記載の装置・濾布・ポンプを使用して、スラリーBを初めは5リットル、追加で2リットル供給して、更にリサイクル濾過をした。その他の操作は、比較例1と同様に行った。濾液の着色は初期に多く見られた。
○直接濾過、洗浄工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は7.01kgであった。
○予備圧搾濾過工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は174gであった。
○貫通濾過、洗浄1工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は11.73kgであった。
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は7.01kgであった。
○予備圧搾濾過工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は174gであった。
○貫通濾過、洗浄1工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は11.73kgであった。
○貫通濾過、洗浄2工程(希硝酸洗浄)
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は10.21kgであった。
○貫通濾過、洗浄3工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は50.80kgであった。
○圧搾濾過工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は61gであった。
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は10.21kgであった。
○貫通濾過、洗浄3工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は50.80kgであった。
○圧搾濾過工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は61gであった。
○圧搾貫通ブローと脱滓工程
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は348gであった。また、得られた含水ケーキ重量は914gで、そのケーキの含水率は22.9%、概算の乾燥ケーキ量は704g、収率は65.3%であった。また、スラリー給液からケーキ脱滓終了までの時間は112分、総洗浄液量は80.3kg、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量にすると114.0リットルとなった。
比較例1と同様に行った。その際に出てきた濾液の重量は348gであった。また、得られた含水ケーキ重量は914gで、そのケーキの含水率は22.9%、概算の乾燥ケーキ量は704g、収率は65.3%であった。また、スラリー給液からケーキ脱滓終了までの時間は112分、総洗浄液量は80.3kg、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量にすると114.0リットルとなった。
<トナーEの製造>
「トナーBの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーEを得た。
「トナーBの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーEを得た。
<ワックス分散液F1の調製>
エステル系ワックス(日油社製ユニスターH−476、溶解度パラメーター23.4(MPa)1/2)30部(20kg)、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)2.7部、脱塩水67.3部を90℃に加熱して、ホモミキサー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用い、10MPaの加圧条件で90分間循環乳化した。
エステル系ワックス(日油社製ユニスターH−476、溶解度パラメーター23.4(MPa)1/2)30部(20kg)、20質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)2.7部、脱塩水67.3部を90℃に加熱して、ホモミキサー(ゴーリン社製、15−M−8PA型)を用い、10MPaの加圧条件で90分間循環乳化した。
次いで20MPaに加圧して循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均径が200nmになるまで分散して、ワックス分散液F1(エマルション固形分濃度=30.6質量%)を作製した。この操作を3回繰り返して、約200Lの、ワックス分散液を得た。
<重合体一次粒子分散液F1の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記ワックス分散液F1 42.2部(189.9kg)、脱塩水365部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で70℃に昇温した。
その後、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アス コルビン
酸水溶液3.2部を一括添加した。これらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とし、その時から下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物、及び下記の「開始剤水溶液」を重合開始直後から5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から1.5時間掛けて90℃まで昇温すると同時に、下記の「追加開始剤水溶液」を3時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.9部
トリクロロブロモメタン 0.5部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.3部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 9.3部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 9.3部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液F1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は215nmであり、固形分濃度は18.9質量%であった。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、上記ワックス分散液F1 42.2部(189.9kg)、脱塩水365部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で70℃に昇温した。
その後、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アス コルビン
酸水溶液3.2部を一括添加した。これらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とし、その時から下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物、及び下記の「開始剤水溶液」を重合開始直後から5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から1.5時間掛けて90℃まで昇温すると同時に、下記の「追加開始剤水溶液」を3時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 76.8部
アクリル酸ブチル 23.2部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 0.9部
トリクロロブロモメタン 0.5部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.3部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 9.3部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 9.3部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液F1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は215nmであり、固形分濃度は18.9質量%であった。
<重合体一次粒子分散液F2の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、20%DBS水溶液4.0部、脱塩水315部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アス コルビン酸水溶液3.
2部を一括添加した。これらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とする。
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、20%DBS水溶液4.0部、脱塩水315部を仕込み、窒素気流下で90℃に昇温し、攪拌しながら8%過酸化水素水溶液3.2部、8%L(+)−アス コルビン酸水溶液3.
2部を一括添加した。これらを一括添加した時から5分後の時点を「重合開始」とする。
下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を、重合開始から5時間かけて、また、下記の「開始剤水溶液」を重合開始から6時間かけて添加し、その後、更に攪拌しながら内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン 88.0部
アクリル酸ブチル 12.0部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 0.5部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 3.0部
脱塩水 64.9部[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 18.9部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液F2を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は110nmであり、固形分濃度は19.2質量%であった。
[着色剤微粒子分散液]
実施例1と同じく、ピグメントブルーの水分散液(EP−750)を用いた。
[重合性モノマー類等]
スチレン 88.0部
アクリル酸ブチル 12.0部
アクリル酸 1.5部
トリクロロブロモメタン 0.5部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 3.0部
脱塩水 64.9部[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液 18.9部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液 18.9部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液F2を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は110nmであり、固形分濃度は19.2質量%であった。
[着色剤微粒子分散液]
実施例1と同じく、ピグメントブルーの水分散液(EP−750)を用いた。
<トナー母粒子Fの製造:トナースラリーFの生成>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程を実施することによりトナースラリーFを製造した。
重合体一次粒子分散液F1 固形分として95部 (分散液B1:332.8kg/固形分:62.9kg)
重合体一次粒子分散液F2 固形分として 5部
着色剤微粒子分散液 着色剤固形分として4.6部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0.10部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として8部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積1000L、内径850mm)に重合体一次粒子分散液F1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、102rpmで攪拌させて、硫酸鉄の5質量%水溶液を、FeSO4として0.11部を1分かけて連続添加してから、着色剤微粒子分散液を5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程(コア材凝集工程・シェル被覆工程)・円形化工程を実施することによりトナースラリーFを製造した。
重合体一次粒子分散液F1 固形分として95部 (分散液B1:332.8kg/固形分:62.9kg)
重合体一次粒子分散液F2 固形分として 5部
着色剤微粒子分散液 着色剤固形分として4.6部
20%DBS水溶液 コア材凝集工程では、固形分として0.10部
20%DBS水溶液 円形化工程では、固形分として8部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積1000L、内径850mm)に重合体一次粒子分散液F1と20%DBS水溶液を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、102rpmで攪拌させて、硫酸鉄の5質量%水溶液を、FeSO4として0.11部を1分かけて連続添加してから、着色剤微粒子分散液を5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
その後、硫酸アルミの0.5重量%水溶液を、Al2(SO4)3として0.4部を30分かけて連続添加してから、回転数102rpmのまま内温を50.0℃に80分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで、30分毎に1℃昇温した後(0.03℃/分)、52.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径を測定し6.90μmまで成長させた。
○シェル被覆工程
その後、内温52.0℃、回転数102rpmのまま、重合体一次粒子分散液F2を10分かけて連続添加し、更に硫酸アルミの0.5重量%水溶液を、Al2(SO4)3として0.1部を5分かけて添加。滴下終了時に内温を1℃昇温して60分保持した。このとき、粒子のDv50が7.35μmであった。
その後、内温52.0℃、回転数102rpmのまま、重合体一次粒子分散液F2を10分かけて連続添加し、更に硫酸アルミの0.5重量%水溶液を、Al2(SO4)3として0.1部を5分かけて添加。滴下終了時に内温を1℃昇温して60分保持した。このとき、粒子のDv50が7.35μmであった。
○円形化工程
続いて、回転数を70rpmに落として、20%DBS水溶液(固形分として8部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら90℃に昇温し、その後、10分毎に1℃昇温させ96℃まで昇温して、2.0時間かけて平均円形度が0.951になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、50分かけて20℃まで冷却し、スラリーFを得た。このとき、粒子の体積中位径は7.01μm、個数中位径は6.26μm、分布(体積中位径)/(個数中位径)は1.12、平均円形度は0.953であった。
続いて、回転数を70rpmに落として、20%DBS水溶液(固形分として8部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら90℃に昇温し、その後、10分毎に1℃昇温させ96℃まで昇温して、2.0時間かけて平均円形度が0.951になるまで、この条件で加熱及び攪拌を続けた。その後、50分かけて20℃まで冷却し、スラリーFを得た。このとき、粒子の体積中位径は7.01μm、個数中位径は6.26μm、分布(体積中位径)/(個数中位径)は1.12、平均円形度は0.953であった。
<トナー母粒子Fの製造:トナースラリーの洗浄/横型遠心分離装置による洗浄>
「濾布」のみをポリプロピレン系濾布(PPG501G、中尾フィルター工業/厚み0.4mm/通気度22(cc/cm2/min)、溶解度パラメーター18.8(MPa)1/2)に
交換した以外は、「粗大粒子の濾過」、「基礎ケーキ層の形成」、「スラリーの供給」、「1次洗浄」、「硝酸洗浄」、「2次洗浄」及び「最終振り切りとケーキ層排出」の各工程は、実施例1と同様な操作を行った。尚、基礎ケーキ層の形成時点での漏れ量は、乾燥ケーキ換算で5g程度だった。
「濾布」のみをポリプロピレン系濾布(PPG501G、中尾フィルター工業/厚み0.4mm/通気度22(cc/cm2/min)、溶解度パラメーター18.8(MPa)1/2)に
交換した以外は、「粗大粒子の濾過」、「基礎ケーキ層の形成」、「スラリーの供給」、「1次洗浄」、「硝酸洗浄」、「2次洗浄」及び「最終振り切りとケーキ層排出」の各工程は、実施例1と同様な操作を行った。尚、基礎ケーキ層の形成時点での漏れ量は、乾燥ケーキ換算で5g程度だった。
洗浄1サイクル目の結果は、含水ケーキが2.56kg、含水率27.9%、乾燥ケーキ換算で1.85kgが得られ、その収率は90.0%であった。その時間は23分59秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥1kg当たりの洗浄水量は49.0リットルとなった。
洗浄2サイクル目の結果は、含水ケーキが2.74kg、含水率31.9%、乾燥ケーキ換算で1.87kgが得られ、その収率は91.0%であった。その時間は26分18秒、総洗浄水量は92.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は49.6リットルとなった。
洗浄2サイクル目の結果は、含水ケーキが2.74kg、含水率31.9%、乾燥ケーキ換算で1.87kgが得られ、その収率は91.0%であった。その時間は26分18秒、総洗浄水量は92.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は49.6リットルとなった。
洗浄3サイクル目の結果は、含水ケーキが2.88kg、含水率33.7%、乾燥ケーキ換算で1.91kgが得られ、その収率は93.1%であった。その時間は25分03秒、総洗浄水量は93.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は49.0リットルとなった。
洗浄4サイクル目の結果は、含水ケーキが2.99kg、含水率32.0%、乾燥ケーキ換算で2.10kgが得られ、その収率は98.1%であった。その時間は25分48秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は43.1リットルとなった。
洗浄4サイクル目の結果は、含水ケーキが2.99kg、含水率32.0%、乾燥ケーキ換算で2.10kgが得られ、その収率は98.1%であった。その時間は25分48秒、総洗浄水量は90.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は43.1リットルとなった。
<トナーFの製造>
「トナーBの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーFを得た。
「トナーBの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーFを得た。
(比較例3)
「トナー母粒子Fの製造」の「洗浄工程」を下記の様に変更したこと以外は、全て実施例4の「トナー母粒子Fの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Gを得た。
「トナー母粒子Fの製造」の「洗浄工程」を下記の様に変更したこと以外は、全て実施例4の「トナー母粒子Fの製造」と同様の操作によりトナー母粒子Gを得た。
<トナー母粒子Gの製造:トナースラリーの洗浄/横型遠心分離装置による洗浄>
「濾布」のみを実施例1と同じくポリエステル系濾布 TR815Cを用いた以外、「粗大粒子の濾過」、「基礎ケーキ層の形成」、「スラリーの供給」、「1次洗浄」、「硝酸洗浄」、「2次洗浄」及び「最終振り切りとケーキ排出」の各工程は、実施例4と同様な操作を行った。尚、基礎ケーキ層の形成時点での漏れ量は、乾燥ケーキ換算で5g程度だった。
「濾布」のみを実施例1と同じくポリエステル系濾布 TR815Cを用いた以外、「粗大粒子の濾過」、「基礎ケーキ層の形成」、「スラリーの供給」、「1次洗浄」、「硝酸洗浄」、「2次洗浄」及び「最終振り切りとケーキ排出」の各工程は、実施例4と同様な操作を行った。尚、基礎ケーキ層の形成時点での漏れ量は、乾燥ケーキ換算で5g程度だった。
洗浄1サイクル目の結果は、含水ケーキが2.94kg、含水率28.5%、乾燥ケーキ換算で2.10kgが得られ、その収率は98.1%であった。その時間は49分03秒、総洗浄水量は155.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は74.0リットルとなった。
洗浄2サイクル目の結果は、含水ケーキが3.04kg、含水率34.4%、乾燥ケーキ換算で1.99kgが得られ、その収率は93.1%であった。その時間は61分33秒、総洗浄水量は135.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は67.9リットルとなった。
洗浄2サイクル目の結果は、含水ケーキが3.04kg、含水率34.4%、乾燥ケーキ換算で1.99kgが得られ、その収率は93.1%であった。その時間は61分33秒、総洗浄水量は135.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は67.9リットルとなった。
洗浄3サイクル目の結果は、含水ケーキが3.04kg、含水率33.7%、乾燥ケーキ換算で2.02kgが得られ、その収率は94.1%であった。その時間は73分39秒、総洗浄水量は125.5リトッル、乾燥ケーキ1kg当たりの洗浄水量は62.3リットルとなった。
<トナーGの製造>
「トナーFの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーGを得た。
<トナーGの製造>
「トナーFの製造」と同じ外添工程の操作によりトナーGを得た。
上記表2の結果からも明らかなように、本発明を満たす実施例1〜4に示した製造方法
によって、従来の製造方法より処理速度と収率、そしてトナー母粒子1kg当りの使用水量のいずれの項目でも、高速且つ高効率であることを示した。また、7μm粒径のトナー
よりも洗浄速度の遅くなる5μm粒径のトナー洗浄でも、本発明の要綱である基礎層に7
μm粒径のトナーをプレコートすることで、処理速度と収率、サイクルによる速度低下の防止という面で改善効果が明確に現れた(実施例1と及び実施例3)。一方で、請求項1の範囲外の濾布とトナー母粒子の組合せでは、遠心分離機を用いた洗浄でもサイクルによる速度低下と洗浄水量の増加傾向が顕著となり、製造上好ましくないことが明確であった(比較例3)。
によって、従来の製造方法より処理速度と収率、そしてトナー母粒子1kg当りの使用水量のいずれの項目でも、高速且つ高効率であることを示した。また、7μm粒径のトナー
よりも洗浄速度の遅くなる5μm粒径のトナー洗浄でも、本発明の要綱である基礎層に7
μm粒径のトナーをプレコートすることで、処理速度と収率、サイクルによる速度低下の防止という面で改善効果が明確に現れた(実施例1と及び実施例3)。一方で、請求項1の範囲外の濾布とトナー母粒子の組合せでは、遠心分離機を用いた洗浄でもサイクルによる速度低下と洗浄水量の増加傾向が顕著となり、製造上好ましくないことが明確であった(比較例3)。
Claims (3)
- ワックスを含有するトナー母粒子を含む分散液から、遠心分離機を用いて、トナー母粒子を濾過及び洗浄する工程を含むトナーの製造方法であって、該遠心分離機は回転可能なバスケットを有し、回転可能なバスケットの内側面に濾布を備え、該濾布と上記トナー母粒子に含有されるワックスとが下記式(1)を満足することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
|[濾布材質の溶解度パラメーター]−[トナー母粒子に含有されるワックスの溶解度パラ
メーター]|≧4 (1) - 遠心分離機のバスケットを、遠心加速度400G以上、2000G以下で回転して分散液を濾
布面に供給して固液分離し、トナー母粒子のケーキ層を形成した後、洗浄水を供給することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。 - トナー母粒子の体積中位径が4μm以上、7μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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