JP6024140B2 - 静電荷像現像用マゼンタトナー - Google Patents

静電荷像現像用マゼンタトナー Download PDF

Info

Publication number
JP6024140B2
JP6024140B2 JP2012066915A JP2012066915A JP6024140B2 JP 6024140 B2 JP6024140 B2 JP 6024140B2 JP 2012066915 A JP2012066915 A JP 2012066915A JP 2012066915 A JP2012066915 A JP 2012066915A JP 6024140 B2 JP6024140 B2 JP 6024140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
dispersion
colorant
particles
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012066915A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012215859A (ja
Inventor
柳堀昭彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2012066915A priority Critical patent/JP6024140B2/ja
Publication of JP2012215859A publication Critical patent/JP2012215859A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6024140B2 publication Critical patent/JP6024140B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真法、静電写真法等に用いられる静電荷像現像用マゼンタトナーに関する。
電子写真装置や静電記録装置の画像形成装置において、感光体上に形成される静電潜像は、トナーにより現像される。次いで、形成されたトナー像は、必要に応じて紙等の転写材上に転写された後、加熱、加圧等により定着される。
そして、このような画像形成装置において、デジタルフルカラー複写機やデジタルフルカラープリンターが実用化されている。
デジタルカラー複写機では、カラー画像原稿を、ブルー(B)、グリーン(G)およびレッド(R)の各フィルターで色分解した後、オリジナルのカラー原稿に対応した20〜70μmのドット径からなる静電潜像を、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各トナーを用い、減法混色法を利用してフルカラー画像を形成している。
これまで、マゼンタトナー用の着色剤としては、キナクリドン系顔料、モノアゾ系顔料、ペリレン系顔料等が用いられており、これらの中でも、耐光性、耐熱性に優れている点から、キナクリドン系顔料が広く用いられている。
しかし、上記キナクリドン系顔料の欠点として、発色性が低いことが挙げられ、この欠点を改良するために、C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19からなる固溶体(特許文献1)や、該顔料を用いたトナー(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、キナクリドン系顔料は、樹脂中への分散が難しく、この点は上記固溶体でも改善されず、トナーとしての発色性、帯電量特性に悪影響を及ぼしていた。すなわち、充分な画像濃度を得ることが難しく、一方で、画像濃度を高くするために顔料の添加量を増やすと、分散性の悪さからくる帯電特性の悪化、およびその結果としてカブリをはじめとする画質の悪化が生じるという問題があった。
一方、その優れた特性から広く用いられるようになってきている乳化重合凝集法トナーにおいては、トナー母粒子の製造工程において、着色剤を分散液として用いる必要があり、キナクリドン系顔料の持つ上記欠点がより顕著となる傾向にあった。
近年、フルカラー画像の高画質化、高精細化への要求は益々高くなってきており、乳化重合凝集法トナーの総合的に優れた特性を利用するためには、乳化重合凝集法トナーで顕著に現れる上記マゼンタトナーの問題点を解決する必要があった。
特開平2−123373号公報 特開平10−123760号公報
本発明の課題は、キナクリドン系顔料の欠点である発色性と分散性を改良し、発色が良く帯電特性に優れたマゼンタトナーを提供することにある。これにより、優れた画質と連続実写時の画質安定性に優れたマゼンタトナーを提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決するために検討を重ね、C.I.Pigment Red 122と、C.I.Pigment Violet 19との固溶体において、一次粒子のアスペクト比を1以上3以下にすることにより上記問題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、少なくとも着色剤分散液および樹脂粒子分散液を凝集・融着してなり、かつ、ワックスを含有する静電荷像現像用トナーであって、着色剤として、一次粒子のアスペクト比が1以上3以下である、C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体を用いることを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナーに存する。
本発明によれば、耐光性、耐熱性に優れたキナクリドン系顔料の長所を生かしつつ、高い分散性が要求される「少なくとも着色剤分散液および樹脂粒子分散液を凝集・融着してなるトナー」であっても、すなわち乳化重合凝集法およびその変法であっても、製造過程における着色剤の分散液中の分散性や、トナーの結着樹脂中への分散性に優れた静電荷像現像用マゼンタトナーが提供できる。
その結果、帯電特性に優れ、連続実写でも画質の安定した静電荷像現像用マゼンタトナーが提供できる。
実施例で用いた湿式ミル(ビーズミル)の一例を示す縦断面図である。 実施例で用いた湿式ミルによる着色剤分散液の循環分散処理サイクルの一例を示す概略図である。
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーは、少なくとも、着色剤、樹脂およびワックスを含有し、その他必要に応じて、ワックス分散助剤、帯電制御剤、外添剤等を含有していてもよい。以下、「静電荷像現像用マゼンタトナー」を、単に「トナー」または「マゼンタトナー」と略記する場合がある。
本発明に用いる着色剤は、C.I.Pigment Red 122と、C.I.Pigment Violet 19との固溶体であり、該着色剤の一次粒子のアスペクト比が1以上3以下である。「固溶体」には、「混晶」も含まれる。
本発明におけるアスペクト比は次のように定義される。すなわち、「アスペクト比」は、粒子の短径と長径の長さの比(長径の長さを短径の長さで割った値)である。ここで、「短径」とは、測定対象である粒子の2次元視野内に投影される粒子像について、その輪郭に接する2本の平行線間の最小距離である。「長径」とは、測定対象である粒子の2次元視野内に投影される粒子像について、その輪郭に接する2本の平行線で、短径方向に直角方向の最大距離である。
粒子が針状又は棒状結晶の場合、「短径」は「粒子直径」とも言い、「長径」は「粒子長さ」とも言う。
このように定義された「アスペクト比」は、3次元の粒子を2次元に投影して得られた像から観察され、粒子の異方性を規定する尺度である。
本発明における「アスペクト比」は以下のように測定され、以下のように測定されたものとして定義される。
着色剤を適当な溶媒中で超音波分散させる。その後、該分散液を平面基板上に滴下し、溶媒を乾燥させた後、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)にて視野内を撮影してから、二次元画像上の凝集体を構成する着色剤一次粒子100個を無作為に選び、各粒子ごとに長径と短径を測定し、各粒子ごとに長径の長さを短径の長さで除した値(粒子長さ/粒子直径)を求め、100個の数値の平均値を「アスペクト比」とする。
本発明におけるマゼンタ着色剤は、一次粒子のアスペクト比が1以上3以下であることが必須である。好ましくは1以上2.7以下であり、より好ましくは1以上2.5以下であり、特に好ましくは1以上2.3以下であり、更に好ましくは1以上2.0以下である。
一次粒子のアスペクト比の上限が上記値であると、着色剤の凝集力が小さくなり、トナー母粒子中への分散が良好となる。そのため、帯電性が均一になり安定になり、また、着色力が充分となる。一次粒子のアスペクト比が1以上3以下であるマゼンタ着色剤(マゼンタ顔料)を用いると、分散時に粘度を低く抑えることが容易となる。
更に言えば、アスペクト比は1に近い程良い。アスペクト比が1に近いほど3次元的には立方体に近づき、針状粒子と比較して相対的に着色剤の形状は球に近い形となる。アスペクト比を1に近づけることにより、トナー中への分散が良好となり、前記した問題が解決でき、前記した効果が発揮される。
一次粒子のアスペクト比が1以上3以下である「C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体」の製造には公知の方法が利用できる。すなわち、アスペクト比を1に近づけるための処理としては、製造時に、ソルベントミリング等の公知の方法による湿式摩砕や要すれば加熱処理を行う、アトライタ等を用いて公知の方法により乾式摩砕や要すれば加熱処理を行う、等が挙げられる。
本発明におけるマゼンタ着色剤は、乳化重合凝集法およびその変法(詳細は後述)で製造したトナーに特に好適である。乳化重合凝集法およびその変法に採用した場合には、特に、トナー中に均一に着色剤粒子を含有させることができ、高い画像濃度を提供することができる。更に、得られるトナーにおいては、発生する微粉の量を低減することができ、良好な画像を提供することができる。
本発明者は、キナクリドン系顔料粒子の形状が、一般には針状または棒状であるため、従来は樹脂中への分散が難しく、この点は上記固溶体でも改善されず、トナーとしての発色性、帯電量特性に悪影響を及ぼしていたことを見出した。すなわち、そのために充分な画像濃度を得ることが難しかったと考えた。
一方で、画像濃度を高くするために、キナクリドン系顔料やキナクリドン系顔料の固溶体の含有量を増やすと、分散性の悪さに起因する帯電特性の悪化や、その結果としてカブリ発生等の画質の悪化が生じるという問題があった。
しかも、マゼンタ顔料の分散性以外では優れた特性を有する乳化重合凝集法トナーまたはその変法においては、トナー母粒子の製造工程において、着色剤を分散液として用いる必要があり、すなわち、トナー中の樹脂に対する分散性のみならず、着色剤分散液(顔料分散液)としての分散性も高いことが必須となるので、一般に針状または棒状であるキナクリドン系顔料粒子やキナクリドン系顔料の固溶体粒子の持つ上記欠点がより顕著にあった。
本発明は、かかるキナクリドン系顔料と乳化重合凝集法トナーとの組み合わせにおける上記問題点を、着色剤(顔料)の一次粒子のアスペクト比の観点から解決するものである。
本発明のマゼンタトナーは、着色剤として、C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体を用いるが、上記固溶体中の、C.I.Pigment Red 122と、C.I.Pigment Violet 19の質量比率が、
[C.I.Pigment Red 122]:[C.I.Pigment Violet 19]=95:5〜65:35
の範囲であることが好ましく、93:7〜76:24の範囲であることがより好ましく、90:10〜80:20の範囲であることが特に好ましい。
C.I.Pigment Red 122の割合の上限が上記であると、アスペクト比が小さくなり、すなわち3以下になりやすく、固溶体としての特徴である低粘度分散液が達成できる。一方、C.I.Pigment Red 122の下限が上記であると、凝集力が強くなりすぎることがなく、分散性が良く、増粘しない。
乳化重合凝集法およびその変法で使用する場合には着色剤である顔料を乳化分散する必要がある。その場合、着色剤分散液中の着色剤の体積中位径Dv1(μm)と温度25℃における粘度η(cP)との関係は、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
η<50440×(Dv1)−14920×(Dv1)+1390・・・・(1)
式(1)は、ηがDv1の2次関数であり、下に凸の曲線で表されることを意味し、以下のことを表わす。
すなわち、顔料が安定して分散され、分散後に弱凝集を生起する、いわゆるフロッキュレーションを生じない場合、粒子が分散剤によって分散媒中に個々に存在し、その結果、分散液のトータルの粘度は、分散媒本来の粘度に微粒子が加わった体積充填効果で説明される。
一方、分散が進行し粒子が小粒子径化した場合、特に有機顔料では新しい結晶面が露出する。こうした結晶面は一般的に分散剤の吸着性が悪く、顔料の分散安定性を欠きやすく、粒子間でフロッキュレーションを生じやすい。簡単な再解砕(例えば、アンカー翼等での攪拌、ホモジナイザー等での短時間攪拌等)で、再び分散エネルギーを加えると再分散はするものの、系全体の流動性はフロッキュレーションのない粘度に下げるほどには至らない場合が多い。すなわち、粒子径が小さいと、粒子間に形成されるネットワーク構造により、分散液全体の粘度は急激に上昇することとなる。
体積充填率が一定の場合、反対に粒子径が大きくなってくる場合を想定すると、分散された顔料は一般的に形状異方性を持つ場合が多い。小粒径の場合はその一次分散径は球に近い形状であるが、マゼンタに代表される有機顔料は、結晶構造を有し、分散径が大きくなると元々の針状や棒状等の異方性のある構造がそのまま残存する確率が高くなる。形状異方性がある場合は、粒子間の摩擦や結合が生じやすくなり、このため、粒子径が大きくなると分散液の粘度を上昇させる要因となる。
以上のように、分散粒子の粒子径が小さい場合及び大きい場合は、分散系全体の粘度は上昇し、このため、体積中位径Dv1(μm)に対する着色剤分散液の粘度の値は、下に凸の放物線に近い曲線を描き、すなわち、数式的には、上記式(1)のような2次関数で表されるのである。
式(1)を満たすことは、特に凝集力の強いマゼンタ着色剤が、乳化重合凝集法およびその変法でトナー母粒子を製造する際、着色剤分散液として良好な分散状態であることを示し、高画質の画像が得られるトナーを製造するための着色剤分散液の「体積中位径と粘度との関係」である。また、式(1)を満たす着色剤分散液を用いて得られるトナーは、特に凝集力の強いマゼンタ着色剤が、トナー母粒子中に良好な分散状態で分散される。
着色剤粒子を含む着色剤分散液において、式(1)を満たす場合、着色剤粒子が再凝集して分散液の性能劣化を招くことが抑制できる。特に、製造後に長期間放置しても、着色剤粒子の再凝集が抑制されて、性能劣化を避けられる。
再凝集した場合、攪拌エネルギーを加えても再分散しなくなる、あるいは一時的に回復してもすぐに再凝集してしまい、ますます着色剤分散液の性能劣化の問題が顕在化する場合があるが、式(1)を満たす場合、そのようなことが起こり難い。
本発明において、着色剤分散液中の着色剤の体積中位径Dv1は、0.10μm以上であることが好ましく、0.11μm以上であることがより好ましく、0.12μm以上であることが特に好ましい。
また、0.16μm以下であることが好ましく、0.15μm以下であることがより好ましく、0.14μm以下であることが特に好ましい。
顔料の着色剤としての能力は、顔料を構成する分子の分子吸光係数と顔料粒子の表面積に依存する。同じ顔料で比較すれば分子吸光係数は同じなので、着色力は後者のみに依存し、また表面積は粒子径に反比例するので、粒子が小さいほど着色力は高くなる。同じ質量%ならば粒子径が小さいほど着色力は高くなるので、少ない量で効果的に着色できることとなる。
一方、着色剤分散液中の着色剤の体積中位径Dv1の下限が上記であると、耐光性が良好となり、また分散安定性も良好となることから再凝集による分散液の粘度上昇が生じない。このことは、かかるマゼンタ顔料を静電荷像現像用トナーに応用した場合、トナー樹脂の着色力が向上することにより、その分、顔料(着色剤)の量を減少させて配合することができ、そのためトナー表面に露出した顔料によるトナー帯電性能の悪化や印字特性の悪化を招かないようになる。
一方、着色剤分散液中の着色剤の体積中位径Dv1の上限が上記であると、先に記したような理由で生じる増粘が生じず、保管時に分散した粒子が沈降し難い等、着色剤分散液としての安定性が向上し、着色力が増大する。
着色剤分散液中の着色剤の体積中位径Dv1(μm)は、動的光散乱法により測定され、着色剤の体積粒度分布累積カーブが50%となる点の粒径である。
まず、着色剤分散液中の着色剤粒子の体積粒度分布は、動的光散乱法により測定される。この方式は、微小に分散された粒子のブラウン運動の速さを、粒子にレーザー光を照射してその速度に応じた位相の異なる光の散乱(ドップラーシフト)を検出して粒度分布を求めるものである。これら着色剤の体積中位径Dv1(μm)の値は、水系中に着色剤が安定に分散しているときの値であり、分散前の粉体としての着色剤、ウエットケーキの粒径を意味していない。
上記の体積中位径Dv1(μm)については、動的光散乱方式を用いた超微粒子粒度分布測定装置(日機装社製、UPA−EX150、以下、「UPA」と略記する)を用いて以下の設定にて行い、以下の設定で測定したものとして定義される。
測定上限 :6.54μm
測定下限 :0.0008μm
チャンネル数:52
測定時間 :100秒
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 :N/A(適用しない)
粒子形状 :非球形
密度 :1(g/cm
分散媒種類 :WATER
分散媒屈折率:1.333
なお、測定時は、UPSの使用説明書におけるサンプル濃度指数が0.01〜0.1の範囲になるように着色剤分散液を純水で希釈し、超音波洗浄器等で分散処理した試料で測定する。
本発明における体積中位径Dv1(μm)は、上記の体積粒度分布の結果を小粒径側から累積して体積累積分布(カーブ)を得て、50体積%となる点の粒径として計測されるものである。
着色剤分散液の粘度η(cP)は、コーンプレート型回転粘度計、すなわちE型粘度計を用いて、温度25℃で、後述の実施例に記載の方法で測定し、そのように測定したものとして定義される。
また、粘度η(cP)は、別の測定方法で測定した値と、上記条件でE型粘度計を用いて測定した値との相関を予めとっておいて、別の測定方法で測定した値から換算してもよい。かかる「別の測定方法」としては、JIS規格等で通常広く使用される器具や装置を使用して測定される。例えば、毛細管式粘度計や落球式粘度計等の古典的な器具や、一般的に広く使用される回転型粘度計(回転体の形により共軸二重円筒型、単一円筒型(B型粘度計))があるが、顔料を分散させた塗料によく使用される溶液は非ニュートン流体である場合が多いので、E型粘度計と同じ回転型粘度計の使用が推奨される。
このうち、比較的最近の装置では価格がやや高いものの、自由に回転数を変えられる汎用性の高い装置として粘弾性測定装置(いわゆるレオメータ)等の周波数印加型粘度計も使用できる。また、JIS規格としては認められていないものの、最近の装置として振動型のプローブを使用してより手軽に測定できる振動型粘度計も挙げられる。
これらの装置で使用される測定治具やプローブについてはそれぞれの粘度範囲で最適な形状や大きさがあり、それらを適度に選択することが正確に粘度を測定するには必要である。
着色剤分散液の粘度η(cP)の下限は、25℃で1cP以上であることが好ましい。また、上限は500cP以下であることが好ましく、より好ましくは300cP以下、特に好ましくは200cP以下である。着色剤分散液の粘度η(cP)の上限が上記であると、流動性が良好で、分散液が均一になる。また、トナー母粒子の製造に用いたときにラテックス溶液や着色剤分散液等の原料分散液を混合したときに、流動性の良い均一な混合液となりトナー特性の悪化を招かない。
本発明に用いられるマゼンタ着色剤の真密度は、JIS K 5101−11−1:2004に規定されるピクノメーター法で測定される顔料粒子の真密度として、2.0g/cm以下が好ましく、1.9g/cm以下がより好ましく、1.8g/cm以下が特に好ましい。また、1.2g/cm以上が好ましく、1.3g/cm以上が特に好ましい。
真密度の上限が上記であれば、特に水系媒体中での沈降性が良化する傾向にある。また、真密度の下限が上記であれば、乳化重合樹脂を用いる場合、樹脂との密度差が小さく、トナー凝集時に密度差による分布の不均一を招かず、組成分布が均一となる。
本発明のマゼンタトナーに用いるマゼンタ着色剤(C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体)の量は、トナー100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、7質量部以上が特に好ましい。また、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下が特に好ましい。マゼンタ着色剤の配合量が前記範囲を満足する場合、帯電性や発色力、耐光性に優れたトナーが得られる。
着色剤分散液の分散剤としては公知のものが使用できる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、カルボン酸基を含む化合物として、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類が挙げられる。
また、硫酸エステル基を含む化合物として、オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等が挙げられる。
スルホン酸基を含む化合物として、ラウリルスルホネート、ドデシルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネート等のアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物;モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類が挙げられる。
また、リン酸基を含む化合物として、ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類が挙げられる。
コハク酸基を含む化合物として、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク酸ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;等が挙げられる。
特に、スルホン酸基を持つ界面活性剤の使用が好ましいが、スルホン酸基を有する化合物として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、またアルキル基が直鎖構造の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。中でもスルホン酸基とアルキル基を同時に有するような化合物が好ましく、この場合、アルキル鎖長は炭素数が短く疎水性が低く比較的水に溶けやすい、炭素数が12から18までを使用することが好ましく、中でも炭素数が12であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを使用することが好ましい。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類;等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;等が挙げられる。中でもポリオキシエチレンアルキルエーテルの使用が好ましい。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルアミンオキサイド、N−アルキル−β−アラニン、アルキルカルボキシベタイン、ドデシルアミンオキサイド、ドデシルスルフォベタイン、ドデシルベタイン;等が挙げられる。
界面活性剤由来のイオン性官能基については、前述のようにアニオン性、カチオン性があり、それぞれトナーの製造に使用することができる。特に、高分散性等の性能、製造コスト、品質、安定性、毒性等の面から、スルホン酸基を有するアニオン性界面活性剤が好ましく、乳化、分散、重合、凝集等、湿式法のすべての工程で用いることができるが、中でも乳化重合時には、その使用が特に好ましい。
一方で、スルホン酸基とアルキル基を同時に有するようなイオン性界面活性剤は、本来は疎水性が高い構造なので、水系で製造・洗浄した場合にトナーの内部や表面に残存しやすく、残存したイオン性官能基はトナーの帯電を下げ、画像を悪化させるので、使用できる量には制限がある。
着色剤と媒体の種類に応じて界面活性剤の物性は最適化されていなければならず、かつ最終的にトナー製造工程で着色剤として使用する時には、トナー製造条件において最も好ましい物性を維持しなければならない。同時にトナーとしての帯電特性、トナー印字物性等を妨害することがあってはならない。着色剤の分散を安定化させるには、着色剤表面に吸着した界面活性剤分子の荷電による電気二重層の形成や立体反発力が必要である。電気二重層を形成させるためには界面活性剤をイオン性とするのが好ましい。しかし、イオン性分子を使用した場合、この界面活性剤がトナー製造の最終工程まで残存すると、トナーの帯電特性に悪影響を及ぼす。
以上の点から、着色剤分散液中の界面活性剤としては、非イオン性(ノニオン性)界面活性剤が少なくとも含まれることが好ましい。すなわち、着色剤分散液の分散媒が、少なくともノニオン性界面活性剤を含む静電荷像現像用マゼンタトナーが好ましい。ノニオン性界面活性剤を含むとトナーの帯電特性が良好になる。
また、立体反発力を効率よく発揮させるために、着色剤の表面物性や媒体の物性に応じて最適な組成を設計しやすいような構造、すなわち親・疎水性バランス(HLB値)や温度特性(曇点)を制御できるノニオン性界面活性剤の使用が好ましい。
本発明において、着色剤分散に用いるノニオン性界面活性剤の親水基部分は、ポリオキシエチレンであることが好ましい。また、着色剤分散に用いるノニオン性界面活性剤の疎水基部分は、アルキルエーテルであることが好ましい。先に述べたように、アニオン性界面活性剤の使用量には制限があり、かつ着色剤分散液の着色剤の粒度分布を最適化する必要がある。
これら両者を満たす、すなわち、着色剤の分散液からトナー中に持ち込まれるアニオン性界面活性剤量を低減するため、ノニオン性界面活性剤を着色剤の分散に用いることが好ましい。
また、ノニオン性界面活性剤では、親水基部分および疎水基部分があることで、親・疎水性バランスや分子量等、最も分子構造を設計しやすく、着色剤、媒体及び界面活性剤の3者間の相互作用を最適化しやすい。
本発明のトナーは、着色剤として、一次粒子のアスペクト比が1以上3以下である「前記の2種の顔料の固溶体」を用いるが、そこに、上記したノニオン性界面活性剤を着色剤分散液の分散剤として組み合わせることによって、顔料分散性が特に優れ、発色力が良好で耐久性・耐刷性および環境特性の良いトナーが得られるという相乗効果が発揮される。
本発明においては、分散後の着色剤粒子の安定性を長く保持するため、ノニオン性界面活性剤を1種又は2種以上用いることが好ましく、他の界面活性剤と併用する場合でも少なくともノニオン性界面活性剤を含むようにするのが好ましい。
着色剤の分散に用いる界面活性剤の使用量は、水100質量部に対して、下限は、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が特に好ましい。また、上限は、15質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
界面活性剤の使用量の上限が上記であると、着色剤の微細化が容易になり、前記式(1)を満たすような「着色剤の粒度分布」が得られやすくなり、また、界面活性剤の使用量の下限が上記であると、分散後の着色剤粒子の再凝集を抑止できる。
ノニオン性界面活性剤の量は、マゼンタ着色剤100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることが特に好ましい。また、50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることが特に好ましい。
使用量が多すぎると、着色剤の微細化が困難になり、所望の着色剤の粒度分布が得られなくなる場合があり、また、少なすぎると、分散後の着色剤粒子の再凝集を抑止できない場合がある。
本発明の着色剤の分散に用いるノニオン性界面活性剤のHLB値は、10以上であることが好ましく、10.5以上がより好ましく、11以上が特に好ましい。また、17以下であることが好ましく、16.5以下がより好ましく、16以下が特に好ましい。
HLB値が小さすぎる場合は、疎水性が高すぎるため、界面活性剤が水媒体に均一に分散できない、あるいは分散に時間を要し製造効率が低下する等の問題が生じる場合がある。
一方、HLB値が大きすぎる場合は、親水性が高く、着色剤との親和性を維持できず、分散安定性が低下するため、引き続くトナー製造プロセスで顔料間の凝集が生じ、トナーの微粉量の増加、着色剤のトナー表面への頭出しに伴う帯電性能悪化等を招く場合がある。
本発明の親・疎水性バランスをあらわすHLB値(Hydrophile-Lipophile Balance)は、ノニオン性界面活性剤の親水基部分および疎水基部分のそれぞれの鎖長比より求めることができる。
ノニオン性界面活性剤分子全体としての親・疎水性は、ノニオン性界面活性剤の曇点にも影響を及ぼす。「曇点」とは水に溶解したノニオン性界面活性剤溶液の温度を上昇させたときに、急に系全体が白濁して界面活性能を失い、界面活性剤が細かな油滴となって析出する温度である。
HLB値は親水基の分子量と全体の分子量との比で表され、HLBが小さい、すなわち疎水性基のバランスが大きいと、水に対する溶解度や曇点が低下する。界面活性剤の性質として、消泡作用やW/O型乳化物を作製するのに用いられる。
一方、HLBが大きい、すなわち親水性基のバランスが大きいと、水に対する溶解度や曇点が上昇する。界面活性剤の性質として、可溶化作用、洗浄作用、O/W型乳化物を作製するのに用いられる。
本発明に用いられるノニオン性界面活性剤の曇点は、90℃以上であることが好ましく、94℃以上であることがより好ましく、98℃以上であることが特に好ましい。また、120℃以下であることが好ましく、115℃以下であることがより好ましく、110℃以下であることが特に好ましい。
曇点が高すぎる場合は、界面活性剤の分散能が急激に低下し、着色剤間の凝集が生じやすくなり、保存安定性が悪化する場合がある。更に、トナー製造プロセスにおいても着色剤間の凝集が生じやすくなり、トナーの微粉量の増加、着色剤のトナー表面への頭出しに伴う帯電性能悪化等を招く場合がある。またトナーを温水等で洗浄した場合に、温度に対する溶解性が低下するため、洗浄性が悪化する等の問題を生じる場合がある。
一方、曇点が低すぎる場合は、界面活性剤の親水性が高すぎる場合がある。親水性が高いと顔料の分散が安定化し過ぎて、トナー製造プロセスにおいて顔料が凝集しにくくなり、顔料がトナーに取り込まれないことによる微粉量の増加、着色剤のトナー表面への付着に伴う帯電性能悪化等を招く傾向がある。
本発明の着色剤の分散に用いる界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤が主体となるが、一方でノニオン性界面活性剤のみに限定するものではなく、また同じノニオン性界面活性剤でも1種類に限定されるわけではない。着色剤自体の分散安定性を維持するために、あるいは乳化重合を用いる場合、乳化重合されたラテックスとの凝集性の制御のため、複数の界面活性剤を使用して調整することが可能であるし、トナーへの残存が許容される量の範囲でアニオン性の界面活性剤を使用してもよい。このとき、分散安定化の機構として、電気二重層による反発効果を利用してもよい。
本発明において、着色剤の分散に用いるアニオン性界面活性剤の量は、着色剤100質量部に対して0.5質量部以下であることが好ましく、0.2質量部以下であることがより好ましく、0.1質量部以下であることが特に好ましい。アニオン性界面活性剤の量が多すぎる場合、トナー内部や表面に残存するアニオン性界面活性剤量が増加し、トナーの帯電特性や画像特性が悪化する場合がある。
本発明における着色剤分散液の調製は、公知の方法が使用できるが、湿式ミル(ビーズミル)を用いて行うことが好ましく、円筒形のステータと、ステータの一端に設けられる着色剤分散液の供給及び着色剤分散液の排出口と、ステータ内に充填されるメディアと供給口より供給された着色剤分散液を攪拌混合するロータと、排出口と通じる排出路入口に連結され、かつロータと一体をなして回転するか、または、ロータとは別個に独立して回転し、遠心力の作用ならびにスクリーン構造によりメディアと着色剤分散液に分離して、着色剤分散液を排出口より排出させるセパレータとよりなる湿式ミルを用いることが好ましい。また、前記湿式ミルが、セパレータを回転駆動するシャフトの軸周りを上記排出口と通ずる中空な排出路を有するものであるのがより好ましい。
上記湿式ミルは、いわゆるビーズミルであり、円筒形をなす密閉型のステータと、ステータの軸心に配置されてモータにより回転駆動されるピン、ディスク或いはアニュラータイプのロータよりなり、ミル内にメディアビーズを充填した状態で、分散媒及びマゼンタ着色剤粒子からなる着色剤分散液を供給し、ロータを回転駆動してメディアとマゼンタ着色剤分散液を攪拌混合し、着色剤分散液の粉砕を行うものである。
上記の着色剤粒子を含む着色分散液の製造方法の例を図1、図2により説明する。図1は、湿式ミル(ビーズミル)の一例を示す縦断面図である。図1における湿式ミルは、縦または横向きの円筒形である。ここでは横型で説明する。円筒形部分は、ミル冷却のための冷却水が通されるジャケット6を備えたステータ7と、ステータ7の軸心に位置してステータの本体への取り付け部(根元部)において回転可能に軸承されると共に、軸承部にメカニカルシールを備え、かつ根元部の軸周りを中空な排出路8としたシャフト5と、シャフト根元から端部に沿った方向に径方向に突設されるピンないしディスク状のロータ9と、シャフト軸周り部に固着され、メディア分離のための回転遠心スクリーンによるセパレータ4と、ステータ根元部にシャフト5の脇に設けられる着色剤分散液プレミックス品の供給口10と導入口11からなっている。セパレータ4は、シャフト5と共に回転して入り込んだメディアと分散液に遠心力を付与し、その比重差によりメディアを径方向外方に飛ばす一方、スクリーンで濾過した分散液をシャフト5の軸周りの排出路8を通って排出させるようになっている。
このセパレータ4は、メディアと分散液に遠心力を付与し、メディアとスラリーの比重差により比重の重いメディアを径方向外方に撥ね飛ばす一方、さらにスクリーンで濾過してメディアを完全に分離することで分散液をシャフトの周りの排出路より排出させるようになっている。スクリーン方式なので、ビーズがステータから排出されることはなく、微小メディアを採用することができる。流量ならびに処理量を増大させることができ、分離性能の経時的な変化もないから長期にわたって安定して運転できるうえ、微少メディアを使用できるため、微粉砕が可能である等の利点を有している。
図2は、本発明に関わる湿式ミルによる着色剤分散液の循環分散処理サイクルの一例を示す概略図である。図2において、分散媒とマゼンタ着色剤粒子などのプレミックス品を貯蔵する原料タンク1より原料ポンプ2で抜き出されたマゼンタ着色剤分散液スラリーは、横型の湿式ミル3に供給され、該ミル3でメディアと共に攪拌されることにより粉砕されたのち、セパレータ4でメディアを分離してシャフト5の軸周りを通って排出され、タンク1に戻される経路を辿り、循環粉砕されるようになっている。循環分散処理は、結合の強い凝集粒子(aggregate)の解砕や、粒度分布の均一化に用いられる。
本発明においては、メディアビーズの選択が重要である。特に、好ましい顔料粒子の粒度分布を得るためには、メディアの直径を1mm以下とすることが好ましく、0.5mm以下とすることがより好ましく、0.2mm以下がとすること最も好ましい。下限値としては、0.1mm以上であることが好ましい。前記範囲を超えるビーズの場合には、一般的には衝突による破壊力は高いので、時間が経過すると着色剤粒子の超微粒子部分を増やす傾向にある。さらに分散時間が長時間に及び生産効率の悪化を招く。また小さいと超微粒子部分がすぐに形成されると同時に、時間が経過しても破壊力が弱いので粗粉が残り続けて、好ましい粒度分布が得られないことが多い。同時に、それらの超微粒子部分は実際には直ぐに再凝集して粗大化するので、結局のところ、好ましい粒度分布を達成できない場合がある。また、大粒径のビーズは顔料粒子の粉砕が進むにつれて粉砕効率が低下し、メディアビーズの接触点(作用点)が減ることになり好ましい粒度分布を達成することが出来ない場合がある。なお、メディアビーズは単分散球形粒子であって、その直径のバラツキはほとんど無視し得る。
前記メディアビーズの材質は、公知のものが使用可能であるが、例えば、以下のようなものが挙げられる。
・ジルコニア(ZrO)、真密度6.0g/cm
・シリカ、真密度2.6g/cm
・ガラス、真密度2.5g/cm
・酸化チタン、真密度4.3g/cm
・銅球、真密度8.9g/cm
・珪酸ジルコニア(ZrSiO)、真密度3.8g/cm
この中でも、メディアと着色剤粒子の分離をスムーズに行うためには、両者にある程度の密度差があった方が好ましいので、メデイアの真密度は5以上であるのが好ましい。そして、メディアと着色剤粒子(2.0g/cm未満)との密度の差が3以上あるのが一層好ましい。上記したメディアの中でも、ジルコニア(ZrO)が耐磨耗性、耐衝撃性が高く、製造工程で破砕しにくいのでコンタミネーションを防ぐ意味からも好ましい。また、メディアの充填率は粉砕能力とも大いに関連があり、ステータ有効内容積(ステータの全内容積からセパレータとロータが占める容積を除いた粉砕室容積)に対して65〜95%が好ましく、70〜90%であるのがより好ましい。
着色剤分散液プレミックスは、前記のメディアによる粉砕の前に、予め水、界面活性剤、顔料をプロペラ翼、アンカー翼などを備えた攪拌機やホモミキサー、ホモジナイザーなどにて予備分散させることにより得られる。該プレミックス品中の着色剤の粒子径は、コールター法やレーザー回折法などにより測定して体積累積分布50%径で100μm以下としておくのが後に好適な粒度分布が得られ易いので好ましい。
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーにおいては、トナー母粒子に含有されるワックスが、炭化水素系ワックスおよび/または下記一般式(1)で表されるネオペンチルポリオールエステルであって、該炭化水素系ワックスが、炭素数40以上の成分が炭化水素系ワックス全体に対して60質量%以上であり、かつ、炭素数40以上の成分のうち非ノルマル体成分が炭素数40以上の炭化水素系ワックス全体に対して10質量%以上70質量%以下であるものであることが好ましい。
Figure 0006024140
[式(1)中、Rは2〜8価のネオペンチルポリオール残基、Rは炭素数13〜25の直鎖アルキル基、mは2〜8の整数である。]
以下、上記一般式(1)で表されるネオペンチルポリオールエステルを、単に「ネオペンチルポリオールエステル」と略記する。
また、本発明における「炭化水素系ワックス」とは、実質的に炭素と水素のみからなるワックスを言う。
本発明のトナーに用いられるワックスは、「炭化水素系ワックス」および/または「エステルワックスの一種である上記一般式(1)で表されるネオペンチルポリオールエステル」であることが好ましい。「その他のワックスの含有」は、本発明から排除はされないが、本発明のトナーに用いられるワックスには、炭化水素系ワックスおよび上記一般式(1)で表されるネオペンチルポリオールエステルのみを含有することが好ましい。
上記一般式(1)中のRは、2〜8価のネオペンチルポリオール残基であり、ネオペンチルポリオールからヒドロキシル基を除いたものを言う。ネオペンチルポリオールとしては、具体的には、例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記一般式(1)中のRは、炭素数13〜25の直鎖アルキル基である。Rは炭素間二重結合を実質的に有さないことが好ましい。また、置換基は有さないことが好ましい。すなわち、Rは直鎖飽和アルキル基であることが好ましい。
は、好ましくは炭素数15〜23の直鎖アルキル基であり、特に好ましくは炭素数17〜21の直鎖アルキル基である。Rの炭素数が少なすぎると、脂肪酸エステルとした場合、融解温度が低くなってしまい、トナーの保存安定性や帯電性が悪化してしまう場合がある。一方、Rの炭素数が多すぎると、脂肪酸エステルとした場合、融解温度が高くなり、低温定着性が損なわれ、定着温度領域が狭くなる場合がある。
上記一般式(1)中のmは2〜8の整数であるが、好ましくは3〜8の整数である。mが大きすぎると、融解温度が高くなり、低温定着性が損なわれ、定着温度領域が狭くなる場合があり、小さすぎると、融解温度が低くなり、トナーの保存安定性や帯電性が悪化してしまう場合がある。
上記一般式(1)で表されるネオペンチルポリオールエステルは、1種類でもよく、複数の異なるものを混合してもよい。
トナーの流動性は、トナーの粒径が小さくなるほど悪化する傾向にあるため、本発明における上記一般式(1)で表されるネオペンチルポリオールエステルは、体積中位径(Dv50)が4〜7μmの小粒径トナーに特に適している。
本発明においては、炭化水素系ワックスとネオペンチルポリオールエステルの質量比の範囲は、95:5〜60:40が好ましく、より好ましい範囲は90:10〜65:35であり、特に好ましい範囲は85:15〜70:30であり、更に好ましい範囲は80:20〜70:30である。
炭化水素系ワックスの質量比が多すぎる場合には、トナー中でのワックス分散が不均一になり、更にはトナー中に取り込まれないワックスが生じる場合がある。これによりトナーの流動性や帯電特性が悪化する場合がある。また、定着時にダストが多量に発生する弊害を生じる場合もある。
一方、ネオペンチルポリオールエステルの質量比が多すぎる場合には、相溶したエステルワックスがトナーのガラス転移点を下げ、高温高湿下での帯電性や保存安定性を悪化させる場合がある。トナー中の炭化水素系ワックスとエステルワックスの質量比が上記範囲にある場合に、「定着時に発生するダストの抑制」と「低温定着性と耐ブロッキング性の両立」を両立できる。
トナーの流動性は、トナーの粒径が小さくなるほど悪化する傾向にあるため、本発明の「炭化水素系ワックスとエステルワックスの質量比」は、体積中位径(Dv50)が4〜7μmの小粒径トナーに特に適している。
ネオペンチルポリオールエステルの酸価は、5mgKOH/g以下が好ましく、1mgKOH/g以下が特に好ましい。また、水酸基価は、10mgKOH/g以下が好ましく、4mgKOH/g以下が特に好ましい。
色相(Gardner)は、6以下が好ましく、3以下が特に好ましい。
透明融点は、60℃以上95℃以下が好ましく、65℃以上85℃以下が特に好ましい。
ネオペンチルポリオールエステルは、1種類でもよく、複数の異なるネオペンチルポリオールエステルを混合してもよい。
炭化水素系ワックスの平均炭素数は、30以上60以下が好ましく、35以上55以下がより好ましく、40以上50以下が特に好ましい。炭素数が多すぎるときは、トナーの低温定着性を達成できない場合があり、一方、炭素数が少なすぎるときは、保存安定性が悪化する場合、定着時にダストを発生する場合がある。
炭化水素系ワックスについては、炭化水素系ワックスの炭素数40以上の成分が炭化水素系ワックス全体に対して60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。炭素数40以上の成分の含有比率の上限については特に限定はないが、トナーの低温定着性を達成するためには、下記する非ノルマル体の成分量にもよるが、炭素数40以上の成分が、炭化水素系ワックス全体に対して95質量%以下が好ましく、90質量%以下が特に好ましい。
炭化水素系ワックス全体に対して炭素数40以上の成分が少なすぎる場合は、ダストの発生が抑制できない場合、保存安定性が悪化する、製造安定性が悪化する場合がある。一方、炭化水素系ワックス全体に対して炭素数40以上の成分が多すぎる場合は、得られるトナーの定着下限温度が上がるため、定着温度範囲が高温側になり、省エネルギー性や高速印字性能が低下してしまう場合がある。炭素数40以上の成分がほぼ100質量%の場合、特に、上記した問題点が発生する場合がある。また、たとえ下記する非ノルマル体の成分が下記の範囲内であっても、得られるトナーの定着下限温度が上がるため、上記した問題が発生する場合がある。
また、本発明における炭化水素系ワックスは、更にダストの発生を抑えるために、炭素数30以上の成分が炭化水素系ワックス全量中90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上が特に好ましい。また、100質量%でもよい。炭化水素系ワックス全体に対して炭素数30以上の成分が少なすぎる場合は、ダストの発生が抑制できない場合がある。
炭化水素系ワックスのうち、イソ体や環状体等の非ノルマル体が、炭化水素系ワックス全量中、5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、15質量%以上50質量%以下であることが特に好ましい。炭化水素系ワックス全体に占める非ノルマル体の割合が上記範囲に入っていないと、炭素数40以上の炭化水素系ワックスについて下記する問題点と同様の問題点が発生する場合がある。
炭化水素系ワックスのうちの炭素数40以上の成分のうち、イソ体や環状体等の非ノルマル体成分が、炭素数40以上の炭化水素系ワックス全体に対して10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。
本発明において、ダストの発生を抑制する点から、前記した通り、炭素数40以上の成分が炭化水素系ワックス全体に対して60質量%以上であることが好ましいが、炭素数が多くなるということは分子量が高くなるということであり、分子量が高いと、ノルマル体のみであると結晶性が高くなり、溶融粘度が上昇する。従って、非ノルマル体の割合が小さすぎる場合、ワックスの融点上昇に引きずられ、トナーの溶融粘度も上がり、トナーの定着下限温度の上昇や定着温度範囲の高温側への移動が発生し、省エネルギー性や高速印字性能が低下してしまう場合がある。
また、炭化水素系ワックスの炭素数40以上の成分のうち、非ノルマル体が、炭化水素系ワックスの炭素数40以上の成分全体の70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下がより好ましく、40質量%以下が特に好ましい。
非ノルマル体の割合が大きすぎる場合、造粒時のワックス滲み出しが多くなり、トナーの流動性を悪化させてしまう場合がある。
また、トナーの流動性は、トナーの粒径が小さくなるほど悪化する傾向にあるため、本発明における炭化水素系ワックスは、体積中位径(Dv50)が4〜7μmの小粒径トナーに特に適している。
ワックスの炭素数はFID付き高温ガスクロマトグラフィー(高温GC)および質量分析計(MS)によって測定することができる。直鎖の炭素数は直鎖ポリエチレンワックスを標品にして各クロマトグラムのピークと炭素数を予め測定することで、直鎖の各炭素のピーク位置を把握しておき、また、測定サンプルの各ピークの分子量は、高温GCにて分離された各炭素成分を直結されたMSにて質量同定することで求められる。直鎖の炭素由来のピークと異なる位置に同一分子量のピークが出てくるので、それらはイソ体、環状体等の非ノルマル体成分として同定し、各ピークの面積からノルマル体と非ノルマル体の構成比(質量比)を算出することができる。
炭化水素系ワックスとしては、具体的には、例えば、分岐や環状構造の炭化水素成分が多く入ったグラフトポリマーワックス、スターポリマーワックス、マイクロクリスタリンワックス;パラフィンワックス等が挙げられるが、トナー特性とダスト低減を両立させるためには、マイクロクリスタリンワックスが好ましく、前記した炭素数、ノルマル体の構成比等の要件を満たすマイクロクリスタリンワックスが特に好ましい。
ダスト発生を抑制するという点からは、マイクロクリスタリンワックスの方がパラフィンワックスより優れているが、マイクロクリスタリンワックスはパラフィンワックスよりも定着性が悪くなる傾向がある。しかしながら、そのマイクロクリスタリンワックスを用いたときの定着性の悪さは、定着性が良くなるエステルワックスの併用で補うことができ、その結果、総合的に、ダスト発生の抑制と低温定着性との両立が実現する。従って、マイクロクリスタリンワックスとエステルワックスの併用により、相乗的に、特にダストの発生が抑制されつつ定着性の改善が見られる。
本発明における炭化水素系ワックスは、1種類でもよく、本発明の要件を満たすよう複数の異なる組成比の炭化水素系ワックスを混合してもよい。炭化水素系ワックスを2種以上用いる場合、前記「炭化水素系ワックスとエステルワックスの質量比」に用いる質量は、2種以上の炭化水素系ワックスの合計質量である。
本発明において、ワックスの総量は、トナー100質量部中に1質量部以上であることが好ましく、より好ましくは2質量部以上、特に好ましくは5質量部以上である。また、40質量部以下であることが好ましく、より好ましくは35質量部以下、特に好ましくは、30質量部以下である。トナー中のワックス含有量が上記範囲未満の場合は、低温定着性や光沢度、高温オフセット性等の性能が十分でない場合があり、前記範囲を超過する場合は、耐ブロッキング性が十分でなかったり、ワックスがトナーから漏出することにより装置を汚染したりする場合がある。
本発明におけるワックスの配合方法は、樹脂粒子分散液中の樹脂に予め分散させる方法と、ワックスを乳化して分散液とし、着色剤分散液、樹脂粒子分散液等の原料分散液と共に凝集・融着させる方法がある。
本発明者の検討によると、熱定着時に発生し、装置外に放散されるダストの原因物質は、大半がトナー中に含まれるワックス成分である。紙に転写されたトナーが定着する際に通過させる加熱された定着器によって、トナー中のワックスが溶解して離型作用を発揮するだけでなく、その一部が昇華することで「ダスト」が発生している。従って、ダストはワックス成分の物理的な昇華現象の結果であるから、ワックスの昇華そのものを抑制する方法が求められる。
ここで、本発明における「ダスト」とは、ブルーエンジェルマーク認定の測定法(RAL−UZ122−2006)に従ってフィルターで捕集し、該フィルター上に捕集された物質をいう。従って、本発明における「ダスト」とは、塵、ほこり、屑等の固体には限定されず、上記測定方法によってフィルター上に捕集された気体以外の全ての物質をいう。本発明における「ダスト」には、トナーから放散して一旦気体または液体になってフィルター上で液体または固体になって捕集されたものも含まれる。
トナーのワックスとして、非極性ワックスを用いると、結着樹脂とは馴染まずに高い離型効果が得られ、また、高疎水性であるため耐環境性でも有利であるが、分子間力が低いためにダストを抑制することは難しい場合がある。また、分子量を高めてダストを抑制する方法を用いると、高融点化してしまい、低温定着性が達成できない場合がある。
また、湿式法においては、非極性ワックスを水媒体中で取り扱うため、十分な分散安定性も要求される上に、製造中に取り込まれたワックスが、トナー中で均一に分散され、かつ樹脂に十分に包まれている必要もある。すなわち、非極性ワックスは、トナー性能を高めやすい反面、製造しにくい場合がある。
一方、ワックス分子同士やワックスと樹脂成分との間の分子間力を高めることで昇華を抑える方法もある。極性基を有するエステルワックスがその代表的例であるが、これらは、比較的低融点でも昇華性が低く、定着性能を落とさずにダストを抑えるのに有用である。しかし、樹脂との馴染みが良くなることと極性基が入ることで、造粒時のワックスの漏れ出しが抑制されて比較的容易に製造できる反面、高温高湿下での帯電性や長時間の保存安定性に大きなダメージを与えてしまうため、トナー性能自体に問題が出やすい場合がある。
本発明のトナーは、着色剤として、一次粒子のアスペクト比が1以上3以下である「特定の2種の顔料の固溶体」を用いるが、そこに、上記した「炭化水素系ワックスおよび/または前記一般式(1)で表されるネオペンチルポリオールエステル」をワックスとして組み合わせることによって、ワックス分散性が良好で、耐久性・耐刷性および環境特性に優れたトナーが得られるという相乗効果が発揮される。
また、本発明のマゼンタトナーにおいては、分散助剤として、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することで、製造工程中や水中でのワックスの分散安定性が向上し、また、トナー中のワックスの分散性が向上する。ポリグリセリン脂肪酸エステルは公知の方法で混合分散させることにより添加せしめる。ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することで、トナー中のワックス分散性が向上すると共に、当該マゼンタ顔料のトナー中の分散性も向上し、トナー性能がより一層向上する。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、前記した炭化水素系ワックスに公知の方法で混合分散させることにより添加せしめることが好ましい。
該ポリグリセリン脂肪酸エステルは、トナー製造工程中のワックス粒子、当該マゼンタ顔料、他の粒子等の水中での安定性、および、最終トナーのワックスや顔料の分散性を向上させることができる。ワックスの分散性が向上することで、ワックス等のトナー表面への露出やトナーからの遊離が抑制される。トナー表面に露出したワックスや遊離したワックスは、画像形成装置の各所を汚染することによる、カブリ、PC汚染、汚れ、残像(ゴースト)、かすれ(ベタ追従性)、クリーニング性等の画質低下を起こしたり、保存中のトナーをブロッキングさせたり、トナー表面の外添剤が徐々にトナー中に埋没し、トナーの流動性、保存性、帯電性悪化等を引き起こす傾向がある。
本発明で使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルは、水酸基価が1.0mgKOH/g以上であることが好ましい。5mgKOH/g以上が更に好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましく、20mgKOH/g以上が更に好ましく、特に25mgKOH/g以上が好ましい。また、上限は500mgKOH/g以下であることが好ましく、300mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下が更に好ましい。
水酸基価が低すぎると、原料保管から粒子製造にいたる全工程にわたって、水系溶媒中での原料、中間生成物および最終トナー母粒子の分散・凝集バランスを制御する能力に劣る傾向がある。逆に、水酸基価が高すぎると、親水性の増加により空気中の湿度の影響を受けやすくなり、トナーとしての耐環境性を失する傾向がある。また、製造工程において、製造容器および配管内壁面への親和性が増加して付着が生じ、粒子の分散・凝集バランスにも影響を与え、安定した性能のトナーを得ることが難しくなる場合がある。
水酸基価は、常法により求められ、1g中に含まれる遊離の水酸基をアセチル化するために必要な酢酸を中和するに要する水酸化カリウムのmg数をいう。本発明おいて、ポリグリセリン脂肪酸エステル以外でも、「水酸基価」の定義は同様である。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルは、酸価が1mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以下であることが更に好ましい。酸価が上記範囲内であることにより、水系溶媒中での高い粒子制御能力が得られる。
「酸価」は、1gに含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。本発明において、ポリグリセリン脂肪酸エステル以外でも、「酸価」の定義は同様である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとは、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ヘキサグリセロール、デカグリセロール等のグリセリン多量体成分の少なくとも1種と、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エルカ酸等の炭素数12〜30の高級飽和および不飽和脂肪酸成分の少なくとも1種との反応により製造されたエステル化合物が好ましく、具体的には、デカグリセリンデカベヘネート、デカグリセリンヘプタステアレート、デカグリセリンテトラベヘネート、オクタグリセリンオクタパルミネート、オクタグリセリンテトラベヘネート、ヘキサグリセリンヘキサベヘネート、テトラグリセリンペンタステアレート、テトラグリセリンテトラベヘネート等が挙げられ、1種類でも、複数種使用してもよい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、トナー100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは4.5質量部以下、特に好ましくは4質量部以下である。含有量が少なすぎると、十分な効果が得られない場合があり、多すぎると、親水性の増加により空気中の湿度の影響を受けやすくなり、トナーの固結性や保存性等の耐環境性を失する原因となる場合がある。また、製造工程において形成される乳化液および分散液の粘度を著しく上昇させる等、安定した性能のトナーを得ることが難しくなる傾向がある。
本発明におけるワックスの配合方法は、樹脂粒子分散液中の樹脂に予め分散させる方法と、ワックスを乳化して分散液とし、着色剤分散液、樹脂粒子分散液等の原料分散液と共に凝集・融着させる方法がある。
前者の方法としては、乳化重合時にワックスをシードとして添加する、所謂シード乳化重合を用いる方法、モノマー中にワックスを溶解または微分散させた状態で乳化重合を行う所謂ミニエマルション重合を用いる方法、ビニル系樹脂やポリエステル樹脂等のバインダー樹脂に予めワックスを混練等で分散させた後に、該樹脂等を乳化することにより樹脂粒子分散液中の樹脂粒子中に分散させる方法、等を用いることができる。
また、後者としてはワックスを公知の方法で乳化分散し、着色剤分散液や樹脂粒子分散液等の原料分散液と共に凝集・融着させる方法がある。この際、炭化水素ワックスとエステルワックス同士は、予め溶融混合して使用してもよいし、また、別々に分散させて使用してもよいが、予め溶融混合して使用する方がより好ましい。
中でも、前者の方法、すなわち、ワックスが樹脂粒子分散液の樹脂粒子中に予め分散されているものが、ワックスを均一に分散できる点から好ましい。
本発明のトナーの製造方法は乳化重合凝集法またはその変法である。
乳化重合凝集法とは、乳化重合により得られた重合体一次粒子の分散液であるところの樹脂粒子分散液、着色剤分散液等を作製しておき、必要に応じて、ワックス分散液を作製しておき、これらを水系媒体中に分散させ加熱等を行うことにより、凝集工程、更に粒子を融着させる熟成工程を経て、トナー母粒子を得る方法である。
乳化重合においては、シード乳化重合やミニエマルション重合により、ワックス等を重合体一次粒子(樹脂粒子分散液中の樹脂粒子)中に含有せしめることができる。
乳化重合凝集法の変法とは、樹脂粒子分散液として、予め公知の方法で重合されたビニル系樹脂、ポリエステル樹脂等を公知の方法で乳化して樹脂粒子分散液とし、少なくとも着色剤分散液および樹脂粒子分散液を凝集・融着させる工程を経てトナー母粒子を得る方法である。
乳化重合凝集法の変法では、ワックス等の原料を予め樹脂中に分散させることができること以外は乳化重合凝集法と同様にしてトナーを製造することができる。
本発明において、トナーに含有される結着樹脂、樹脂粒子分散液中の樹脂粒子を構成する樹脂としては、従来、トナーの結着樹脂として用いられている樹脂類を適宜用いることができる。
例えば、結着樹脂のうち、ビニル系樹脂に用いられるモノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−プチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、プチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
これらのビニル系モノマーが単独もしくは2つ以上の共重合体として用いられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−メタクリル系共重合体を形成するビニルモノマーの組み合わせが好ましい。
更には、架橋性モノマーとして、主として2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられることが好ましい。
そのようなものとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等のアルキル鎖で結ばれたジアクリレート;以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート等のエーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート類;以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたジメタクリレート;ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート等の芳香族基;以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたジメタクリレート;ポリエステル型ジアクリレート化合物類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート;以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート;トリアリルトリメリテート;等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
定着性、耐オフセット性の点から、好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物、芳香族基やエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量%に対して、好ましくは0〜5質量%、特に好ましくは0.03〜3質量%用いられる。
これらの結着樹脂は、乳化重合により樹脂粒子分散液としてもよいし、公知の方法で重合した後に公知の方法で乳化分散して樹脂粒子分散液としてもよい。
結着樹脂のうち、ポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分を縮合させることにより得られるポリエステル樹脂が使用可能である。
多価カルボン酸成分のうち2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ペメリン酸、アゼリン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、2,6−ナフテレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物もしくは低級アルキルエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
多価アルコール成分のうち2価のアルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
架橋剤としては3価以上のカルボン酸成分および/または3価以上のアルコール成分が用いられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンボール二量体酸、これらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメトロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
これら架橋剤として用いられる3価以上のカルボン酸成分および/または3価以上のアルコール成分は、モノマー成分100質量%に対して、好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0.03〜5質量%用いられる。
これらの樹脂は、公知の方法で重合した後に、公知の方法で乳化分散して、樹脂粒子分散液として用いる。
また、結晶性樹脂を用いることもできる。
結晶性樹脂としては、ビニル系では、例えば、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキルアクリレートや長鎖アルキルメタクリレートを単独もしくは他のビニル系モノマーと共重合することにより得られるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの樹脂は乳化重合により樹脂粒子分散液としてもよいし、公知の方法で重合した後に公知の方法で乳化分散して樹脂粒子分散液としてもよい。
また、ポリエステル樹脂では、多価カルボン酸成分として、例えば、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフテレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等、またはその酸無水物や低級アルキルエステルが用いられ、多価アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が用いられるが、これらに限定されるものではない。
これらの樹脂は公知の方法で重合した後に、乳化分散し、樹脂粒子分散液として用いる。
本発明では、1種類以上の架橋樹脂粒子分散液と、必要に応じて1種類以上の非架橋樹脂粒子分散液を用いることが好ましい。上記樹脂粒子分散液が架橋樹脂および非架橋樹脂の粒子分散液であることが特に好ましい。すなわち、1種類以上の架橋樹脂粒子分散液と、1種類以上の非架橋樹脂粒子分散液を併用することが特に好ましい。
例えば、モノマー組成が異なる複数種類の架橋樹脂分散液を用いてもよく、更に必要に応じてモノマー組成が異なる複数種類の非架橋樹脂粒子分散液を併用してもよい。また、架橋樹脂粒子分散液として2種類以上の異なる架橋度を有する架橋樹脂粒子分散液を用いてもよい。更には、分子量や分子量分布が異なる1種類以上の架橋樹脂粒子分散液と分子量や分子量分布が異なる1種類以上の非架橋樹脂粒子分散液を用いることもできる。
架橋樹脂と非架橋樹脂の比率によってテトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記する場合がある。)不溶分は決まるが、トナー中のTHF不溶分は、トナー全体に対して10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。また、上限は、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。トナー中のTHF不溶分が少ないと、ホットオフセット現象が発生し易くなり、また、THF不溶分が多いと低温定着性やグロスを損ねる場合がある。
また、トナー中の樹脂成分のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が、好ましくは3〜35質量%、より好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%となるように樹脂設計することが好ましい。トナー中の樹脂成分のTHF不溶分が少ないと、ホットオフセット現象が発生し易くなり、また、THF不溶分が多いと低温定着性やグロスを損ねる場合がある。
また、トナーのTHF可溶分の、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)測定における重量平均分子量(Mw)は、30,000〜100,000が好ましく、かつ、分子量ピーク(Mp)が10,000〜60,000であることがより好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量(Mw)が30,000〜80,000であり、かつ、分子量ピーク(Mp)が10,000〜50,000であることが特に好ましい。
上記「トナーのTHF可溶分」には、前記したワックス、後記するスルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有する樹脂等のTHF可溶分も含まれる。
樹脂粒子分散液、着色剤分散液、必要に応じてワックス分散液等は、別々に乳化分散液として用意して、凝集・融着されることによりトナー中に含有される。
更には、1種類以上の樹脂粒子分散液をコアとし、1種類以上の樹脂粒子分散液をシェルとして用いることにより、コア/シェル構造とすることもできる。
コアの樹脂粒子分散液には、少なくとも1種類の架橋樹脂粒子分散液が含有されることが好ましい。
また、シェルには少なくとも1種類の非架橋樹脂粒子分散液が含有されることが好ましい。
シェルを形成する樹脂成分は、全樹脂成分の0.5〜40質量%が好ましく、特に好ましくは1〜20質量%である。
非架橋樹脂粒子の含有量は、樹脂粒子全体に対して0.1〜30質量%が好ましく、3〜25質量%が更に好ましい。
本発明においては、着色剤分散液、ワックス、架橋樹脂および非架橋樹脂を上記のように設計することにより、着色剤分散液中の着色剤の分散性、トナー結着樹脂中への着色剤の分散性、低温定着性、高光沢度、耐オフセット性、耐ブロッキング性に優れ、ダストの抑制された静電荷像現像用マゼンタトナーが提供できる。
その結果、帯電特性に優れ、連続実写でも画質の安定した静電荷像現像用マゼンタトナーを得ることができる。
架橋樹脂粒子と非架橋樹脂粒子を組み合わせて用いることにより、架橋樹脂粒子単独で用いるよりも、低温定着性、光沢度、耐オフセット性、耐ブロッキング性、ダストの抑制に関してバランスに優れたトナーを得ることができる。
これは、乳化重合凝集法およびその変法においては、架橋樹脂粒子と非架橋樹脂粒子が完全に相溶しておらず、適度な相分離状態にあるためであると思われる。
また、非架橋樹脂粒子は、できるだけトナー表面近傍に存在することが好ましい。このため、コア/シェル構造を設計する際にはシェル部分に非架橋樹脂成分を多く含有することが好ましい。
本発明ではスルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有する樹脂を含有することが好ましい。これらの樹脂を含有することにより、帯電性を改良することができ、これによりトナーの高画質化が実現できる。また、環境特性に優れ長期間の繰り返し実写に対しても安定した画質を提供することが可能になり、本発明における前記ワックスとの組み合わせで、定着時に発生するダストを抑制しつつ、定着性と耐ブロッキング性を確保し、画質に優れた静電荷像現像用トナーを提供できる。
スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有する樹脂は特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)または下記一般式(3)で表わされるスルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有するモノマー類と共重合可能な他のビニル系モノマーを共重合した樹脂が挙げられる。
Figure 0006024140
[一般式(2)中、RはHまたはCHを表わし、RはCまたはCを表わし、MはH、Na、KおよびNHからなる群より選ばれる1種を表わす。]
Figure 0006024140
[一般式(3)中、RはHまたはCHを表わし、RはCまたはCを表わし、MはCaまたはMgを表わし、pは1または2であり、qは2−pである。]
上記一般式(2)または上記一般式(3)で表わされるスルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有するモノマー類と共重合可能な他のビニル系モノマーとの共重合比は特に限定されないが、スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有するモノマー類は、樹脂全体に対して1質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有するモノマー類の共重合比が少なすぎると、得られるトナーに充分な帯電量を蓄積させることが難しくなり、トナー飛散が多く使用に耐え得なくなる場合がある。また、多すぎると、得られるトナーの電気抵抗値が低くなり、帯電量変化の経時安定性が悪くなると共に、結着剤との相溶性も悪くなり透明性が損なわれる場合がある。
本発明において用いることのできる上記一般式(2)で表されるスルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有するモノマー類の具体例としては、例えば、スルホエチルアクリル酸、スルホエチルメタクリル酸、スルホエチルアクリル酸ソーダ、スルホエチルメタクリル酸ソーダ、スルホエチルアクリル酸アンモニウム、スルホエチルメタクリル酸アンモニウム、スルホエチルアクリル酸カリウム、スルホエチルメタクリル酸カリウム、スルホプロピルアクリル酸カリウム、スルホプロピルメタクリル酸カリウムなどであり、上記一般式(3)で表されるモノマー類の具体例としては、例えば、スルホエチルアクリル酸カルシウム、スルホエチルメタクリル酸カルシウム、スルホエチルアクリル酸マグネシウム、スルホエチルメタクリル酸マグネシウムなどであり、これらモノマー類はそれぞれ単独で、もしくは2種以上の組み合わせで使用できる。
上記に例示したスルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有するモノマー類の中でも、共重合のし易さ、および電子写真用トナーの構成成分として好ましい軟らかさの共重合体が得られ易いなどの理由から、スルホエチルアクリル酸ナトリウム、スルホエチルメタクリル酸ナトリウム、スルホエチルアクリル酸アンモニウム、スルホエチルメタクリル酸アンモニウム、スルホプロピルアクリル酸カリウムおよびスルホプロピルメタクリル酸カリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有するモノマー類との共重成分として用いることのできる他のビニル系モノマーとしては、特に制限するものではなく、重合性の不飽和結合を持つものであればいずれも使用可能である。具体例としては、スチレン、o,m,p−クロルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、アクリルアミド、塩化ビニル、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらビニル系モノマー類の中でも、スチレンおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素原子数1〜18個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましい。
本発明においては、上記のスルホアルキル(メタ)アクリル酸モノマーとして、スルホエチルメタクリル酸アンモニウム、スルホエチルメタクリル酸ソーダおよびスルホプロピルメタクリル酸カリウムからなる群より少なくとも1種を選択し、これに他のビニル系モノマーとしてスチレンおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択した少なくとも1種を共重合した共重合体は、結着剤中に透明状態で良好に相溶し、かつ高温高湿条件下のような苛酷な環境下でもトナー特性を安定化させることができるため好ましい。
これらスルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有する樹脂は、乳化重合により樹脂粒子分散液としてもよいし、公知の方法で重合した後に公知の方法で乳化分散して樹脂粒子分散液としてもよい。
また、添加量は0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%が特に好ましい。添加量が少ないと帯電制御の効果が少なくなり、また多すぎると帯電量の低下や帯電量分布の悪化を招く場合がある。
添加方法は、他の樹脂粒子分散液と共にトナー粒子全体に含有せしめてもよいし、シェルとして単独または他の樹脂粒子分散液と共に添加しトナーの表面近傍に含有せしめてもよいが、トナー表面近傍に含有せしめることにより、より少量で効果を発揮できる。
更には、スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有する非架橋樹脂を用いることにより、帯電性と共に低温定着性とグロスを改良することができる。低温定着性とグロスを改良することができれば、定着時のダストの抑制と低温定着性と耐ブロッキング性とのバランスを確保し易くなり、前記したワックスとの相乗効果が奏され、優れた静電荷像現像用トナーを提供できる。
スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有する非架橋樹脂を用いる場合、THF可溶分のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)測定において、重量平均分子量が10,000〜50,000、更に好ましくは15,000〜40,000であることが望ましい。スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有する非架橋樹脂はこれらを含有しない非架橋樹脂粒子と比べ低温定着性/グロスと耐オフセット性/耐ブロッキング性のバランスに優れたトナーが得られる。これは、スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を含有する非架橋樹脂粒子が共有結合性の架橋構造とは異なる緩やかな相互作用によるネットワークを形成しているためであると推測される。
スルホン酸基および/またはスルホン酸塩を有する非架橋樹脂はトナー表面近傍に含有せしめることにより、少量で低温定着性およびグロス改善の効果を発揮する。
本発明で乳化重合により樹脂粒子分散液を作製する場合、例えば、単量体としては、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に「酸性単量体」と略記することがある)、塩基性基を有する重合性単量体(以下、単に「塩基性単量体」と略記することがある)、酸性基も塩基性基も有さない重合性単量体(以下、「その他の単量体」と略記することがある)のいずれの重合性単量体も使用することができる。
乳化重合工程では、通常、乳化剤の存在下、水系媒体中で重合性単量体を重合するが、この際、反応系に重合性単量体を供給するにあたって、各単量体は別々に加えても、予め複数種類の単量体を混合しておいて同時に添加してもよい。また、単量体はそのまま添加してもよいし、予め水や乳化剤等と混合、調整した乳化液として添加することもできる。
酸性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ケイ皮酸等のカルボキシル基を有する重合性単量体、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有する重合性単量体、ビニルベンゼンスルホンアミド等のスルホンアミド基を有する重合性単量体等が挙げられる。また、塩基性単量体としては、アミノスチレン等のアミノ基を有する芳香族ビニル化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等の窒素含有複素環含有重合性単量体、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これら酸性単量体および塩基性単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよく、また、対イオンを伴って塩として存在していてもよい。中でも、酸性単量体を用いるのが好ましく、より好ましくはアクリル酸および/またはメタクリル酸であるのがよい。
結着樹脂を構成する全重合性単量体100質量部中に占める酸性単量体および塩基性単量体の合計量は、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
その他の重合性単量体としては、先に挙げた公知のビニル系モノマーを使用でき、単独で用いてもよく、また複数を組み合わせて用いてもよい。
更に、結着樹脂を架橋樹脂とする場合、上述の重合性単量体と先に挙げた多官能性単量体を単独または複数種類混合して用いることができる。
本発明の乳化重合においては、必要に応じて公知の重合開始剤を用いることができ、重合開始剤を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、および、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸化水素、4,4’−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、等の水溶性重合開始剤、および、これら水溶性重合性開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせたレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル、等が用いられる。これら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
更に、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤の具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン、等があげられる。連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重合性単量体に対して0〜5質量%用いられる。
また、必要に応じて公知の懸濁安定剤を使用することができる。懸濁安定剤の具体的な例としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよく、重合性単量体100質量部に対して1質量部以上10質量部以下の量で用いてもよい。
重合開始剤および懸濁安定剤は、何れも、重合性単量体添加前、添加と同時、添加後のいずれの時期に重合系に添加してもよく、必要に応じてこれらの添加方法を組み合わせてもよい。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
本発明において、結着樹脂を乳化重合で重合する場合、用いる乳化剤としては公知のものが使用できるが、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる一種または二種以上の乳化剤を併用して用いることができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
本発明において乳化剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.1質量部以上、10質量部以下で用いられることが好ましい。また、これらの乳化剤に、例えば、部分または完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の一種または二種以上を保護コロイドとして併用することができる。
本発明において、乳化重合により得られる重合体一次粒子の体積平均粒径は、通常0.02μm以上、好ましくは0.05μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、通常1μm以下、好ましくは0.8μm以下、更に好ましくは0.5μm以下である。粒径が小さすぎると、凝集工程において凝集速度の制御が困難となる場合があり、大きすぎると、凝集して得られるトナー粒子の粒径が大きくなり易く、目的とする粒径のトナーを得ることが困難となる場合がある。
本発明のマゼンタトナーに用いるマゼンタ着色剤(C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体)の量は、分散媒100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が特に好ましい。また、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下が特に好ましい。マゼンタ着色剤の配合量が前記範囲を満足する場合、再凝集や過剰分散が生じ難い傾向にあるために好ましい。
本発明のマゼンタトナーに用いるマゼンタ着色剤(C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体)の量は、重合体一次粒子100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上が特に好ましい。また、25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下が特に好ましい。マゼンタ着色剤の配合量が前記範囲を満足する場合、帯電性、発色力、耐光性等に優れたトナーが得られる。
乳化重合凝集法における着色剤の配合は、通常、凝集工程で行われる。重合体一次粒子の分散液と着色剤粒子の分散液とを混合して混合分散液とした後、これを凝集させて粒子凝集体とする。着色剤は、乳化剤の存在下で水中に分散した状態で用いるのが好ましく、着色剤粒子の体積平均粒径が0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であり、2μm以下、より好ましくは1μm以下である。
本発明において帯電制御剤を用いる場合には、公知の任意のものを単独ないしは併用して用いることができ、例えば、正帯電性帯電制御剤として、四級アンモニウム塩、塩基性・電子供与性の金属物質が挙げられ、負帯電性帯電制御剤として金属キレート類、有機酸の金属塩、含金属染料、ニグロシン染料、アミド基含有化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物およびそれらの金属塩、ウレタン結合含有化合物、酸性もしくは電子吸引性の有機物質が挙げられる。
また、本発明の製造方法で得られる静電荷像現像用トナーを、カラートナーまたはフルカラートナーにおける黒色トナー以外のトナーとして使用する場合には、無色ないしは淡色でトナーへの色調障害がない帯電制御剤を用いることが好ましく、例えば、正帯電性帯電制御剤としては四級アンモニウム塩化合物が、負帯電性帯電制御剤としてはサリチル酸もしくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体や、ベンジル酸の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物、4,4’−メチレンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレン〕等のヒドロキシナフタレン化合物が好ましい。
本発明において、乳化重合凝集法を用いてトナー中に帯電制御剤を含有させる場合は、乳化重合時に重合性単量体等とともに帯電制御剤を添加するか、帯電制御剤を公知の方法により水中に分散した分散液を重合体一次粒子および着色剤等とともに凝集工程で添加するか、重合体一次粒子および着色剤等を凝集させてほぼ目的とする粒径となった後に添加する等の方法によって配合することができる。これらのうち、帯電制御剤を公知の方法で、水中で分散させ、体積平均粒径0.01μm以上、3μm以下の分散液として凝集工程に添加することが好ましい。
乳化重合凝集法において、凝集は通常、攪拌装置を備えた槽内で行われるが、加熱する方法、電解質を加える方法と、これらを組み合わせる方法とがある。重合体一次粒子を攪拌下に凝集して目的とする大きさの粒子凝集体を得ようとする場合、粒子同士の凝集力と攪拌による剪断力とのバランスから粒子凝集体の粒径が制御されるが、加熱するか、または電解質を加えることによって凝集力を大きくすることができる。
本発明において、電解質を添加して凝集を行う場合の電解質としては、有機塩、無機塩のいずれでもよいが、具体的には、NaCl、KCl、LiCl、NaSO、KSO、LiSO、MgCl、CaCl、MgSO、CaSO、ZnSO、Al(SO、Fe(SO、CHCOONa、CSONa等が挙げられる。これらのうち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
本発明において、電解質の添加量は、電解質の種類、目的とする粒径等によって異なるが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上が更に好ましい。また、25質量部以下が好ましく、更には15質量部以下が好ましく、特に10質量部以下が好ましい。添加量が少なすぎる場合は、凝集反応の進行が遅くなり凝集反応後も1μm以下の微粉が残ったり、得られた粒子凝集体の平均粒径が目的の粒径に達しない等の問題を生じる場合があり、前記範囲よりも多い場合は、急速な凝集となりやすく粒径の制御が困難となり、得られた凝集粒子中に粗粉や不定形のものが含まれる等の問題を生じる場合がある。
電解質を加えて凝集を行う場合の凝集温度は、20℃以上が好ましく、30℃以上が特に好ましい。また、70℃以下が好ましく、60℃以下が特に好ましい。
電解質を用いないで加熱のみによって凝集を行う場合の凝集温度は、重合体一次粒子のガラス転移温度をTgとすると、Tgより20℃低い温度(Tg−20)以上が好ましく、Tgより10℃低い温度(Tg−10)以上が更に好ましい。また、Tg以下が好ましく、Tgより5℃低い温度(Tg−5)以下が好ましい。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナーの粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温してもよいし、段階的に昇温することもできる。
上述の凝集処理後の粒子凝集体表面に、必要に応じて樹脂微粒子を付着または固着した粒子を形成することもできる。粒子凝集体表面に性状を制御した樹脂微粒子を付着または固着することにより、得られるトナーの帯電性や耐熱性を向上できる場合があり、更には、本発明の効果を一層顕著とすることができる。
樹脂微粒子として重合体一次粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂微粒子を用いた場合、定着性を損なうことなく、耐ブロッキング性の一層の向上が実現できるので好ましい。該樹脂微粒子の体積平均粒径は、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上が更に好ましい。また、1μm以下が好ましく、更に0.6μm以下が好ましい。樹脂微粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。
樹脂微粒子は、通常、界面活性剤により水または水を主体とする液中に分散した分散液として用いるが、帯電制御剤を凝集処理後に加える場合には、粒子凝集体を含む分散液に帯電制御剤を加えた後に樹脂微粒子を加えることが好ましい。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子のTg以上、より好ましくはTgより5℃高い温度(Tg+5)以上であり、また、好ましくはTgより80℃高い温度(Tg+80)以下、より好ましくはTgより50℃高い温度(Tg+50)以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間保持することが望ましい。
なお、凝集工程以降、好ましくは熟成工程以前または熟成工程中の段階で、界面活性剤を添加するか、pH値を上げることが好ましい。ここで用いられる界面活性剤としては、重合体一次粒子を製造する際に用いることのできる乳化剤から一種以上を選択して用いることができるが、特に重合体一次粒子を製造した際に用いた乳化剤と同じものを用いることが好ましい。界面活性剤を添加する場合の添加量は限定されないが、混合分散液の固形成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。凝集工程以降、熟成工程の完了前の間に界面活性剤を添加するか、pH値を上げることにより、凝集工程で凝集した粒子凝集体同士の凝集等を抑制することができ、熟成工程後の粗大粒子生成を抑制できる場合がある。
熟成工程での加熱処理により、凝集体における重合体一次粒子同士の融着一体化がなされ、凝集体としてのトナー粒子形状も球形に近いものとなる。熟成工程前の粒子凝集体は、重合体一次粒子の静電的または物理的凝集による集合体であると考えられるが、熟成工程後は、粒子凝集体を構成する重合体一次粒子は互いに融着しており、トナー粒子の形状も球状に近いものとすることが可能となる。このような熟成工程によれば、熟成工程の温度および時間等を制御することにより、重合体一次粒子が凝集した形状である葡萄型、融着が進んだジャガイモ型、更に融着が進んだ球状等、目的に応じて様々な形状のトナーを製造することができる。
トナー母粒子は、トナー母粒子と分散媒とを含む分散液から遠心分離機を用いてトナー母粒子を濾別および洗浄する工程に供される。
濾別および洗浄する工程においては、例えば、トナー母粒子の捕集性、耐目詰まり性、ケーキ形成性、通水性、濾布取替え時の簡便性等が要求される。これらの要求特性を同時に満たすことは容易ではなく、特に、湿式法で得られるトナー母粒子は小粒径の粒子であるため、同時に満たすことが困難である。
また、濾別および洗浄する工程で処理されるトナー母粒子分散液(スラリー)中には、トナー母粒子だけでなく、各製造過程で使用される原材料、界面活性剤、添加剤等に由来するさまざまな副生物、夾雑物等の不純物が存在するため、これらの不純物を濾過洗浄工程で適切に除去する効果的な濾過洗浄が行われないときには、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの性能は劣悪なものとなる。すなわち、不純物が適切に除去されていないトナー母粒子から得られるトナーは、保存安定性の点で劣る傾向がある上、画像形成するときには、画像にカブリを生じる、画像形成時の温度・湿度変化によって画像濃度等の画質変動がある、画像形成装置内でトナーが飛散する、長期間使用したときに一定した画質の画像が得られない等、画像形成特性の点で好ましくない結果をもたらすことになる。そのため、不純物を十分に除去できる濾過洗浄が望まれる。
本発明技術は、これらの各々の要求特性をみたす濾過洗浄を実現するものである。
本発明のトナーには、トナーの流動性向上や帯電制御性向上のために、必要により外添剤を添加することができ、そのような外添剤としては、各種無機または有機微粒子の中から適宜選択して使用することができる。
無機微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の各種炭化物;窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物;ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物;酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化セリウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物;リン酸カルシウム等のリン酸化合物;二硫化モリブデン等の硫化物;フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物;ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸;滑石、ベントナイト、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等を用いることができる。有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子を用いることができる。
これら外添剤の中では、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック等が好適に使用される。また、外添剤は、前記の無機または有機微粒子の表面を、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーンワニス、フッ素系シランカップリング剤、フッ素系シリコーンオイル、アミノ基や第4級アンモニウム塩基を有するカップリング剤等の処理剤によって疎水化等の表面処理が施されているものを使用することもできる。該処理剤は二種以上を併用することもできる。
外添剤は、平均粒径が0.001μm以上が好ましく、より好ましくは0.005μm以上である。また、3μm以下が好ましく、より好ましくは1μmである。また、異なる粒径のものを複数種類配合することもできる。外添剤の平均粒径は電子顕微鏡観察により求めることができる。
また、外添剤は、異なる二種以上を併用することもでき、表面処理されたものと表面処理されていないものを併用することや、異なる表面処理がされたものを併用することもでき、正帯電性のものと負帯電性のものを適宜組み合わせて使用することもできる。
本発明における外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
外添剤の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることのできる装置による方法等が挙げられる。
更に、マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタニア等の無機微粉末等を添加することができる。これらの添加剤の使用量は所望する性能により適宜選定すればよく、通常トナー粒子100質量部に対し0.05質量部以上10質量部以下が好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、体積中位径(Dv50)が7μm以下であることが好ましく、6.5μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることが特に好ましい。また、4μm以上であることが好ましく、4.5μm以上であることが特に好ましい。体積中位径(Dv50)が大きすぎなければ、高解像度の画像形成が可能となり、連続実写時でもトナーの消費量を増大させず、外添剤埋没等のトナー劣化が生じない。一方、小さすぎなければ、製造時にワックスが遊離しにくく、結果としてトナーの帯電性や流動性が良好となり、また、粉体としての取り扱いが容易になる。
トナーの体積中位径(Dv50)を個数中位径(Dn50)で除した値(Dv50/Dn50)は、1に近い方が好ましく、1.1以下が好ましく、1.09以下が更に好ましい。静電荷像現像用トナーの粒度分布がシャープなものの方が粒子間の帯電性が均一になる傾向にあるので、高画質および高速化を達成するための静電荷像現像用トナーの(Dv50/Dn50)は前記範囲であることが好ましい。
体積中位径(Dv50)および個数中位径(Dn50)は、実施例記載の方法で測定し定義される。
また、静電荷像現像用トナーの形状はできるだけ球形に近いものが好ましく、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、平均円形度は、好ましくは0.95以上、より好ましくは0.96以上、特に好ましくは0.97以上である。球形に近いほど粒子内での帯電量の局在化が起こりにくく、現像性が均一になる傾向にあるが、一方、完全な球状トナーは静電荷像現像における感光体上のクリーニング工程でトナーのすり抜けを起こしてクリーニング不良を発生させやすい傾向があり、前記平均円形度は、好ましくは0.995以下、より好ましくは0.990以下である。また、円形度標準偏差は0.10未満が好ましく、更にこのましくは0.05未満である。
「平均円形度」および「円形度標準偏差」は、実施例記載の方法で測定し、そのように測定して得た値として定義される。
本発明の製造方法により得られる静電荷像現像用トナーは、トナー粒子をキャリアとともに用いる二成分系現像剤、または、キャリアを使用しない磁性もしくは非磁性一成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。以下、「部」とあるのは「質量部」を意味し、また、濃度等で、単に「%」とあるのは「質量%」を意味する。
また、本発明における各種測定は、それぞれ以下の方法により測定した。
[物性、形態評価]
<アスペクト比の測定方法と定義>
アスペクト比は、明細書に前記した通りの方法で測定し、そのように測定したものとして定義される。
<着色剤の「体積中位径Dv1(μm)」の測定方法と定義>
動的光散乱方式を用いた超微粒子粒度分布測定装置(日機装社製、UPA−EX150、以下、「UPA」と略記する)を用いて、サンプル濃度指数が0.01〜0.1の範囲になるように着色剤分散液を純水で希釈し、超音波洗浄器で分散処理した試料で測定する。
以下の設定条件で測定して得られた体積粒度分布の結果を、小粒径側から累積して体積累積分布(カーブ)を得て、50体積%となる点の粒径を「体積中位径Dv1(μm)」とする。
[[設定条件]]
測定上限 :6.54μm
測定下限 :0.0008μm
チャンネル数:52
測定時間 :100秒
粒子透過性 :吸収
粒子屈折率 :N/A(適用しない)
粒子形状 :非球形
密度 :1(g/cm
分散媒種類 :WATER
分散媒屈折率:1.333
<重合体一次粒子の体積平均径(Mv)の測定方法と定義>
1μm未満の体積平均径を有する粒子の体積平均径(Mv)は、日機装株式会社製、型式Microtrac Nanotrac150(以下、「ナノトラック」と略記する)および同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2-019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:600秒、測定回数:1回の測定条件で、取り扱い説明書に記載された方法で測定した。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
<ワックス分散液の体積中位径の測定方法と定義>
高速測定可能なレーザー回折散乱式粒径分布測定装置である堀場製作所製のPartica LA−950V2(以下、「LA950」と略記する)を用いて測定した。ワックス乳化時の終点を決めるための終点粒径は、体積中位径にて設定した。
用いた溶媒は、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水とし、溶媒屈折率:1.333、可視光透過率70%〜90%の濃度範囲でサンプル量を調整して測定した。
<体積中位径(Dv50)と個数中位径(Dn50)の測定方法と定義>
トナー母粒子、外添工程を経て最終的に得られたトナー等の1μm以上の体積中位径(Dv50)を有するものの測定は次のようにした。
トナーの場合は、内径47mm、高さ51mmの円筒形のポリエチレン(PE)製ビーカーに、スパチュラーを用いてトナーを0.100g、スポイトを用いて20質量%DBS水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS−20A)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)を0.15g添加した。この際、ビーカーの縁等にトナーが飛び散らないようにビーカーの底部にのみ、トナーおよび20%DBS水溶液を入れた。
次に、スパチュラーを用いて、トナーと20%DBS水溶液がペースト状になるまで3分間攪拌した。この際もビーカーの縁等にトナーが飛び散らないようにした。
続いて、分散媒アイソトンIIを30g添加し、スパチュラーを用いて2分間攪拌し全体を目視で均一な溶液とした。次に、長さ31mm直径6mmのフッ素樹脂コート回転子をビーカーの中に入れて、スターラーを用いて400rpmで20分間分散させた。この際、3分間に1回の割合でスパチュラーを用いて気液界面とビーカーの縁に目視で観察される巨視的な粒をビーカー内部に落とし込み、均一な分散液となるようにした。続いて、これを目開き63μmのメッシュで濾過し、得られたろ液を「トナー分散液」とした。
なお、トナー母粒子の製造工程中の粒径の測定については、凝集中のスラリーを63μmのメッシュで濾過したろ液を「スラリー液」とした。
粒子の中位径(Dv50とDn50)は、ベックマンコールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm)(以下、「マルチサイザー」と略記する)を用い、分散媒には同社製アイソトンIIを用い、上述の「トナー分散液」または「スラリー液」を、分散質濃度0.03質量%になるように希釈して、マルチサイザーIII解析ソフトで、KD値は118.5として測定した。
測定粒子径範囲は2.00から64.00μmまでとし、この範囲を対数目盛で等間隔となるように256分割に離散化し、それらの体積基準での統計値をもとに算出したものを「体積中位径(Dv50)」、個数基準での統計値をもとに算出したものを「個数中位径(Dn50)」とした。
<トナーの粒度分布(Dv50/Dn50)の定義>
上記<体積中位径(Dv50)と個数中位径(Dn50)の測定方法と定義>のように、マルチサイザーIIIで測定し、粒度分布の指標として、Dv50/Dn50を算出し、「トナーの粒度分布」とした。
<トナー母粒子の微粉量の測定方法と定義と判定基準>
「トナー母粒子の微粉量」を、トナー母粒子の全体の粒度分布に対して、3μmより小さい粒子の積算体積分布の割合(%)と定義する。前述のFPIA3000を用いて微粉量を算出する。微粉量はトナー帯電が不均一となるため少ないほうが好ましく、以下のよう判定基準で評価し、○および△を合格とした。
[トナー母粒子の微粉量の判定基準]
○:1.5%未満(微粉が少ない)
△:1.5%以上、3%未満(微粉が多い)
×:3%以上(微粉が多く、使用に耐えない)
<平均円形度の測定方法と定義>
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義した。
すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、FPIA3000)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義した。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用した。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:8,000〜10,000個
以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
[円形度]=[粒子投影面積と同じ面積の円の周長]/[粒子投影像の周長]
そして、HPF検出個数である8,000〜10,000個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
<テトラヒドロフラン(THF)不溶分の測定方法と定義>
試料1gをテトラヒドロフラン50gに加え、25℃で24時間静置溶解し、セライト10gを用いて濾過し、濾液の溶媒を留去してテトラヒドロフラン(THF)可溶分を定量し、試料の仕込み量(1g)から差し引くことにより、「テトラヒドロフラン(THF)不溶分(質量%)」を算出した。
試料として、トナー、樹脂粒子分散液中の樹脂などに適用される。
<重量平均分子量および分子量ピークの測定方法と定義>
トナーおよび重合体一次粒子(樹脂粒子)のTHF可溶分を、ゲルパーミュエーションクラマトグラフィー(GPC)により、以下の条件で測定した。
装置:東ソー社製GPC装置HLC−8020
カラム:Polymer Laboratory社製、PL-gel Mixed-B 10μm
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
試料濃度:0.1質量%
検量線作成:標準ポリスチレン
なお、トナーのTHF可溶分は、上記「テトラヒドロフラン(THF)不溶分の測定方法」で得られた「テトラヒドロフラン(THF)可溶分」を用いた。
また、重合体一次粒子(樹脂粒子)のTHF可溶分は、重合体一次粒子(樹脂粒子)1gをTHF50gに加え、25℃で24時間静置溶解後、濾過し溶媒を留去することにより調製した。
<着色剤分散液の粘度η(cP)の測定方法と定義>
粘度の測定には、E型粘度計(TOKIMEC製、TVE−20型粘度計)を使用した。測定温度は25℃で、測定用具として、コーンプレート型の治具を用いた(標準コーンロータ、1°34′使用)。回転数は100rpmとし、高粘度の場合は回転数10rpmの条件で測定した。
<着色剤分散液の「粒子沈降性」の測定方法と定義>
遠心分離器(ハギテック社製、CN−2060)を用いて、室温で沈降加速試験を行ない、着色剤分散挙動である「粒子沈降性」を測定した。沈降用容器は50mLのものを用いて、着色剤分散液の30mLを仕込み、遠心分離の条件は、5000rpmで5分とした。なお、評価値(質量%)は、予め十分な遠心分離により粒子がすべて沈降した時の容器底面からの沈降高さ(100質量%沈降とする)を計測しておき、それに対するそれぞれの計測高さとの比をとって「粒子沈降性」と定義した。
「粒子沈降性」を以下のように判定した。△以上を合格とした。望ましくは○以上である。
◎:沈降粒子の量が20質量%未満(沈降性が非常に小さい)
○:沈降粒子の量が20質量%以上40質量%未満(沈降性が小さい)
△:沈降粒子の量が40質量%以上60質量%未満(沈降性はやや大きいが、実用上大きな問題なし)
×:沈降粒子の量が60質量%以上(沈降性が大きく、使用に耐えない)
<着色剤分散液の「再凝集性」の測定方法と定義>
着色剤分散液製造後に、着色剤分散液1Lをポリ容器に量りとってそのまま静置し、48時間後に容器を上下に10回シェイキングした後、着色剤粒子の体積分布における粒径0.972μm以上の割合Pv(%)を再度計測して、その値と製造直後の値との比を取って、「再凝集性」と定義した。
着色剤分散液の「再凝集性」を以下のように判定した。△以上を合格とした。望ましくは○以上である。
◎:増加比率が1.2倍未満(再凝集性が非常に小さい)
○:増加比率が1.2倍以上2倍未満(再凝集性が小さい)
△:増加比率が2倍以上3倍未満(再凝集性はやや大きいが、実使用上大きな問題なし)
×:増加比率が3倍以上(再凝集性が大きく、使用に耐えない)
[実写評価]
<実写方法>
得られたトナーを、非磁性一成分(有機感光体使用)で、ローラー(PCR)帯電、ゴム現像ローラー接触現像方式、現像速度164mm/秒、タンデム方式、ベルト搬送方式、直接転写方式、ブレードドラムクリーニング方式で、5%印字率での保証寿命枚数30000枚の、600dpiフルカラープリンターにて実写を行った。
温度25℃、相対湿度50%の環境下にて、1%印字率チャートを3枚間欠で10,000枚まで印刷後、プリンターを、温度28℃、相対湿度80%の環境に1昼夜放置し、画像濃度とカブリの評価を行なった。
<画像濃度の評価>
「画像濃度」は、プリントサンプルのベタ印字部分を、反射分光濃度計(X−rite504、エス・ディー・ジー社製)にて測定した。
画像濃度は、以下のように判定した。
◎:1.6以上
○:1.4以上1.6未満
△:1.2以上1.4未満
×:1.2未満
<カブリの評価>
トナーの「カブリ」は測色計(ZE2000、日本電色社製)を用い、ハンター白色度の差を計測して評価した。常温常湿(温度25℃、相対湿度55%)(以下、「NN環境」と略記する)で、まず10000枚連続印字した後、高温高湿(温度28℃、相対湿度85%)(以下、「HH環境」と略記する)で、一日放置した後に印字した。
この状態で印字前後の紙について「紙カブリ」を測定した。
「紙カブリ」の数値について以下のように判定して、△以上を、トナーの「カブリ」として合格とした。
◎:0.5未満(カブリが非常に少ないトナーである)
○:0.5以上1.0未満(カブリがやや少ないトナーである)
△:1.0以上1.5未満(カブリが少ないトナーである)
×:1.5以上(カブリが多いトナーである)
ハンター白度W(L
=100−[(100−L+a*2+b*21/2
<残像の評価>
ベタ画像を印字し、先端部分の画像濃度と、そこから現像ローラー2周分後に印字された部分の画像濃度を、それぞれX−rite938(X−Rite社製)で測定し、2周分後の画像濃度の先端部分に対する比(%)を求めた。
以下のように判定して、△以上を合格とした。
◎:98%以上(全く問題なし)
○:95%以上98%未満(微少に画像濃度差あるが使用可能なレベル)
△:85%以上95%未満(やや画像濃度に差あると認知できるレベル)
×:85%未満(画像濃度にはっきりと差があるレベル)
[静電荷像現像用マゼンタトナーの作製]
<着色剤分散液Aの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RE−05)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水76部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
プレミックス後の分散液中粒子の体積中位径Dv1は約90μmであった。
上記プレミックス液を原料スラリーとして、図1に示すような回転スクリーン(ビーズ分離用メッシュセパレーター)を備えた湿式ビーズミルに供給し、図2に示す構成にて循環分散を行った。なお、ステータの内径は120mmφ、セパレータの径が60mmφ、分散用のメディアとして直径が100μm(0.1mm)のジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm)を用いた。ステータの有効内容積は約0.5Lであり、メディアの充填容積は0.35Lとしたので、メディア充填率は70%である。
ロータの回転速度を一定(ロータ先端の周速が約7m/sec)として、供給口より前記プレミックススラリを無脈動定量ポンプにより供給速度約54L/hrで供給した。なお、運転時にはジャケットから約10℃の冷却水を循環させながら行い、体積中位径Dv1が0.13μmで粘度が50cPのマゼンタ色の「着色剤分散液A」を得た。
その結果、粒子沈降性と再凝集性に非常に優れた分散液を得ることができた。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Bの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RY)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水76部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.12μmで、粘度が100cPのマゼンタ色の「着色剤分散液B」を得た。
その結果、粒子沈降性と再凝集性に非常に優れた分散液を得ることができた。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Cの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(クラリアント社製、TONER MAGENTA E02)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水76部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.16μmで粘度が350cPのマゼンタ色の「着色剤分散液C」を得た。
その結果、粒子沈降性に優れた分散液を得ることができた。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Dの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RE−05)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン123P(HLB値16.9、曇点100℃以上のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水76部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.11μmで粘度が220cPのマゼンタ色の「着色剤分散液D」を得た。
その結果、粒子沈降性に特に優れた分散液を得ることができた。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Eの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RE−05)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン420(HLB値13.6、曇点91℃のポリオキシエチレンオレイルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水76部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.16μmで粘度が89cPのマゼンタ色の「着色剤分散液E」を得た。
その結果、再凝集性に特に優れた分散液を得ることができた。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Fの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RE−05)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム))0.04部(顔料に対して0.2部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水約76部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.12μmで粘度が200cPのマゼンタ色の「着色剤分散液F」を得た。
その結果、粒子沈降性に特に優れた分散液を得ることができた。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Gの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RE−05)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水76部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
分散用のメディアとして直径が0.5mmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm)を用いた以外は、「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.14μmで粘度が60cPのマゼンタ色の「着色剤分散液G」を得た。
その結果、再凝集性に特に優れた分散液を得ることができた。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Hの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta RE−05)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水76部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
分散用のメディアとして直径が1.0mmのジルコニアビーズ(真密度6.0g/cm)を用いた以外は、「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.15μmで粘度が120cPのマゼンタ色の「着色剤分散液H」を得た。
その結果、再凝集性に特に優れた分散液を得ることができた。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Iの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Red 7100Y)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水78部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.17μmで粘度が600cPのマゼンタ色の「着色剤分散液I」を得た。
その結果、粒子沈降性と再凝集性の悪化した分散液となった。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Jの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(チバジャパン社製、PinkPT)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水78部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.18μmで粘度が850cPのマゼンタ色の「着色剤分散液J」を得た。
その結果、粒子沈降性と再凝集性の悪化した分散液となった。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Kの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(クラリアント社製、PinkE)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水78部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.19μmで粘度が1000cPのマゼンタ色の「着色剤分散液K」を得た。
その結果、粒子沈降性と再凝集性の悪化した分散液となった。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<着色剤分散液Lの調製>
プロペラ翼を備えた攪拌機の容器に、キナクリドン顔料(DIC社製、FASTOGEN Super Magenta R)20部、ノニオン性界面活性剤(花王社製、エマルゲン120(HLB値15.3、曇点98℃のポリオキシエチレンラウリルエーテル))4部(顔料100部に対して20部)、導電率が2μS/cmのイオン交換水78部を加えて予備分散して顔料プレミックス液を得た。
「着色剤分散液A」と同様の方法で分散を行い、体積中位径Dv1が0.21μmで粘度が1230cPのマゼンタ色の「着色剤分散液L」を得た。
その結果、粒子沈降性と再凝集性の悪化した分散液となった。分散剤物性と分散結果について表1にまとめた。
<ワックス分散液A1の調製>
Hi−Mic−1090(日本精蝋製:融点89℃、炭素数40以上の成分81.2質量%、炭素数40以上の成分中の非ノルマル体成分46.1質量%)26.7部、ペンタエリスリトールテトラステアレート(酸価3.0mgKOH/g、水酸基価1.0mgKOH/g)3.0部、デカグリセリンデカベヘネート(酸価3.2mgKOH/g、水酸基価27mgKOH/g)0.3部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D)(以下、「20%DBS水溶液」と略記する)2.8部、脱塩水67.3部を加えて100℃に加熱し、加圧循環ライン付きのホモジナイザー(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)を用いて10MPaの加圧条件で一次循環乳化を行った。
LA950で粒子径を数分おきに測定し、体積中位径が500nm前後まで下がったら更に、圧力条件を25MPaに上げて引き続き2次循環乳化を行なった。体積中位径が230nm以下になるまで分散してワックス分散液A1を調製した。
ワックス分散液A1の体積中位径は、215nmであった。
<ワックス分散液B1の調製>
ニッサンエレクトールWEP−4(日油製)30.0部、20%DBS水溶液2.7部、脱塩水67.3部を加えて100℃に加熱し、加圧循環ライン付きのホモジナイザー(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)を用いて10MPaの加圧条件で一次循環乳化を行った。
LA950で粒子径を数分おきに測定し、体積中位径が500nm前後まで下がったら更に、圧力条件を25MPaに上げて引き続き2次循環乳化を行なった。体積中位径が230nm以下になるまで分散してワックス分散液B1を調製した。
ワックス分散液B1の体積中位径は、225nmであった。
<ワックス分散液C1の調製>
Hi−Mic−1090(日本精蝋製)21.4部、ニッサンエレクトールWEP−6(日油)5.3部およびデカグリセリンデカベヘネート(酸価3.2mgKOH/g、水酸基価27mgKOH/g)0.3部を90℃で加熱混合した後、20%DBS水溶液2.8部、脱塩水67.3部を加えて100℃に加熱し加圧循環ライン付きのホモジナイザー(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)を用いて10MPaの加圧条件で一次循環乳化を行った。
LA950で粒子径を数分おきに測定し、体積中位径が500nm前後まで下がったら更に、圧力条件を25MPaに上げて引き続き2次循環乳化を行なった。体積中位径が230nm以下になるまで分散してワックス分散液C1を調製した。
ワックス分散液C1の体積中位径は、210nmであった。
<重合体一次粒子分散液D1の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、および各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に20%DBS水溶液1.2部(24g)を脱塩水315.0部(6300g)に均一に溶解後、8質量%過酸化水素水溶液3.5部(70g)と8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液3.5部(70g)を添加し、90℃に昇温した。
更に下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン: 76.8部
アクリル酸ブチル: 23.2部
アクリル酸: 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート: 0.7部
ドデシルメルカプタン: 3.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液: 1.0部
脱塩水: 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液: 15.5部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液:15.5部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液:14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液D1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は275nmであり、固形分濃度は22.6質量%であった。
GPC測定による重量平均分子量(Mw)は72000であった。
<重合体一次粒子分散液D2の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、および各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、脱塩水100部(3000g)、乳化剤として20%DBS水溶液1部を仕込み攪拌しながら30分間窒素置換した。次いでペルオキソ二硫酸カリウム(KPS)2.0部を溶解し、その後、窒素気流下で70℃に昇温した。
その後、上記液の攪拌を続けたまま下記の「重合性モノマー類」と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸4部を脱塩水60部に溶解した水溶液とを3時間かけて滴下した。その後、80℃に昇温して5時間重合させて重合体一次粒子分散液D2を得た。
[重合性モノマー類]
スチレン: 28部
アクリル酸2−エチルヘキシル: 8部
体積平均径(Mv)は260nm、固形分濃度は23.0質量%であった。
GPC測定による重量平均分子量(Mw)は55000であった。
<重合体一次粒子分散液E1の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、および各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、ワックス分散液A1を36.3部、脱塩水218部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、上記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン: 79.8部
アクリル酸2エチルヘキシル: 20.3部
アクリル酸: 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート: 0.7部
トリクロロブロモメタン: 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液: 1.0部
脱塩水: 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液: 25.0部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液:25.0部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液:14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液E1を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は270nmであり、固形分濃度は23.0質量%であった。
GPC測定による重量平均分子量(Mw)は63000であった。
<重合体一次粒子分散液E2の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、および各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、ワックス分散液C1を36.3部、脱塩水218部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
その後、上記液の攪拌を続けたまま、そこへ下記の「重合性モノマー類等」と「乳化剤水溶液」との混合物を5時間かけて添加した。この混合物を滴下開始した時間を「重合開始」とし、下記の「開始剤水溶液」を重合開始30分後から4.5時間かけて添加し、更に重合開始5時間後から、下記の「追加開始剤水溶液」を2時間かけて添加し、更に攪拌を続けたまま内温90℃のまま1時間保持した。
[重合性モノマー類等]
スチレン: 79.8部
アクリル酸2エチルヘキシル: 20.3部
アクリル酸: 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート: 0.7部
トリクロロブロモメタン: 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液: 1.0部
脱塩水: 67.1部
[開始剤水溶液]
8質量%過酸化水素水溶液: 20.0部
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液:20.0部
[追加開始剤水溶液]
8質量%L(+)−アスコルビン酸水溶液:14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液E2を得た。ナノトラックを用いて測定した体積平均径(Mv)は265nmであり、固形分濃度は22.9質量%であった。
GPC測定による重量平均分子量(Mw)は65000であった。
[実施例1]
<トナー母粒子F1の製造>
下記の各成分を用いて、以下の凝集工程、熟成工程(融着、円形化)を実施することによりトナー母粒子F1を製造した。
ワックス分散液A1: 固形分として10部
重合体一次粒子分散液D1:固形分として100部
着色剤分散液A: 着色剤固形分として6.0部
20%DBS水溶液: 熟成工程では、固形分として6部
○コア材凝集工程
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置および各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器(容積1000L、内径850mm)にワックス分散液A1を仕込み、内温10℃で10分間均一に混合した。続いて内温10℃で、101rpmで攪拌させて、硫酸カリウムの5質量%水溶液を、KSOとして0.12部を1分かけて連続添加してから、着色剤分散液を5分かけて連続添加し、内温10℃で均一に混合した。
その後、硫酸アルミニウムの0.5質量%水溶液を固形分で0.3部を30分かけて連続添加してから、回転数101rpmのまま内温を48.0℃に70分かけて昇温(0.5℃/分)した。次いで、30分毎に1℃昇温した後(0.03℃/分)、54.0℃で保持し、マルチサイザーを用いて体積中位径を測定し5.45μmまで成長させた。
○熟成工程
続いて、そのままの回転数のまま20%DBS水溶液(固形分として6部)と水0.04部の混合水溶液を30分かけて添加しながら90℃に昇温し、その後、30分毎に1℃昇温させ95℃まで昇温して、2.5時間かけて平均円形度が0.968になるまで、この条件で加熱および攪拌を続けた。その後、50分かけて20℃まで冷却し、トナー母粒子F1のスラリーを得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.7μm、個数中位径(Dn50)は5.2μm、分布Dv50/Dn50は1.10、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.967であった。
○洗浄乾燥工程
得られたスラリーを全量、目開き24μmの篩を装着した湿式電磁篩振盪機(AS200/株式会社レッチェ)を用いて、粗大粒子の除去を目的に濾過処理を行い、攪拌装置付きのタンクに一旦蓄えた。その後、このスラリーを濾布(ポリエステル TR815C、中尾フィルター工業/厚み0.3mm/通気度48(cc/cm/min))が装着された横型遠心分離機(HZ40Si型/三菱化工機株式会社)へ、加速度800G条件で遠心脱水洗浄を行った。
電気伝導度が1μS/cmのイオン交換水を、リムから溢れない速度でスラリー固形分の約50倍量加えると、濾液の電気伝導度が2μS/cmとなった。最後に十分水を振り切り、掻き取り装置でケーキを回収した。
ここで得られたケーキをステンレス製バットに高さ20mmとなる様に敷き詰め、40℃に設定された送風乾燥機内で48時間乾燥することにより、トナー母粒子F1を得た。
<トナーG1の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F1 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG1を得た。
トナーの体積中位径(Dv50)、個数中位径(Dn50)および平均円形度は、上記したトナー母粒子の体積中位径(Dv50)、個数中位径(Dn50)および平均円形度と同一であった。また、以下の実施例と比較例において、外添前後で同一であった。
トナーG1を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例2]
<トナー母粒子F2の製造>
着色剤分散液Aを着色剤分散液Bに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F2を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.8μm、個数中位径(Dn50)は5.2μm、分布Dv50/Dn50は1.12、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.969であった。
<トナーG2の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F2 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG2を得た。
トナーG2を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例3]
<トナー母粒子F3の製造>
着色剤分散液Aを着色剤分散液Cに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F3を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は6.1μm、個数中位径(Dn50)は5.0μm、分布Dv50/Dn50は1.22、平均円形度は0.957であり、粒度分布がやや悪化した。また、凝集初期から微粉が多く、最終的な微粉量は1.5%以上、3%未満となった。SEMで粒子形状を観察すると少量ではあるが融着している粒子が見られた。
<トナーG3の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F3 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG3を得た。
トナーG3を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例4]
<トナー母粒子F4の製造>
着色剤分散液Aを着色剤分散液Hに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F4を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.7μm、個数中位径(Dn50)は5.0μm、分布Dv50/Dn50は1.14、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.969であった。
<現像剤トナーG4の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F4 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG4を得た。
トナーG4を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例5]
<トナー母粒子F5の製造>
ワックス分散液A1をワックス分散液B1に変更し、着色剤分散液Aを着色剤分散液Dに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F5を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.8μm、個数中位径(Dn50)は5.1μm、分布Dv50/Dn50は1.14、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.967であった。
<現像剤トナーG5の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F5 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG5を得た。
トナーG5を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例6]
<トナー母粒子F6の製造>
ワックス分散液A1をワックス分散液C1に変更し、着色剤分散液Aを着色剤分散液Eに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F6を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.6μm、個数中位径(Dn50)は5.0μm、分布Dv50/Dn50は1.12、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.967であった。
<現像剤トナーG6の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F6 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG6を得た。
トナーG6を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例7]
<トナー母粒子F7の製造>
ワックス分散液A1を用いず、重合体一次粒子分散液D1を重合体一次粒子分散液E1に変更し、着色剤分散液Aを着色剤分散液Fに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F7を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.8μm、個数中位径(Dn50)は5.1μm、分布Dv50/Dn50は1.14、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.971であった。
<現像剤トナーG7の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F7 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG7を得た。
トナーG7を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例8]
<トナー母粒子F8の製造>
重合体一次粒子分散液E1を重合体一次粒子分散液E2に変更し、着色剤分散液Fを着色剤分散液Gに変更した以外はトナー母粒子F7と同様にしてトナー母粒子F8を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.8μm、個数中位径(Dn50)は5.2μm、分布Dv50/Dn50は1.12、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.972であった。
<現像剤トナーG8の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F8 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG8を得た。
トナーG8を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例9]
<トナー母粒子F9の製造>
「ワックス分散液A1: 固形分として10部」を
「ワックス分散液A1: 固形分として7部
ワックス分散液B1: 固形分として3部」
に変更し、更に、着色剤分散液Aを着色剤分散液Hに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F9を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.6μm、個数中位径(Dn50)は5.1μm、分布Dv50/Dn50は1.10、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.973であった。
<現像剤トナーG9の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F9 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG9を得た。
トナーG9を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例10]
<トナー母粒子F10の製造>
ワックス分散液A1を用いず、重合体一次粒子分散液D1を固形分として100部に代えて重合体一次粒子分散液E1を固形分として95部として、トナー母粒子F1と同様に混合機に重合体一次粒子分散液E1を仕込み、トナー母粒子F1と同様の方法で凝集を行った。
更に、内温54.0℃、体積中位径(Dv50)が5.2μmのとき、シェル材として重合体一次粒子分散液D2を固形分として5部を添加、そのままの温度で60分間保持した。
その後、トナー母粒子F1と同様の方法で熟成(融着)、洗浄、乾燥を行い、トナー母粒子F10を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.8μm、個数中位径(Dn50)は5.3μm、分布Dv50/Dn50は1.09、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.974であった。
<現像剤トナーG10の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F10 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG10を得た。
トナーG10を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例11]
<トナー母粒子F18の製造>
「重合体一次粒子分散液E1:固形分として95部
着色剤分散液A: 着色剤固形分として6.0部」を
「ワックス分散液A1: 固形分として10部
重合体一次粒子分散液D1:固形分として80部
着色剤分散液B: 着色剤固形分として6.0部」
に変更した以外は実施例10と同様にして凝集を行った。
更に、内温54.0℃、体積中位径(Dv50)が5.1μmのとき、シェル材として重合体一次粒子分散液E1を固形分として20部を添加、そのままの温度で60分間保持した。
その後、トナー母粒子F10と同様の方法で熟成(融着)、洗浄、乾燥を行い、トナー母粒子F18を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.8μm、個数中位径(Dn50)は5.2μm、分布Dv50/Dn50は1.12、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.973であった。
<現像剤トナーG18の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F18 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG18を得た。
トナーG18を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例12]
<トナー母粒子F19の製造>
「重合体一次粒子分散液E1:固形分として95部
着色剤分散液A: 着色剤固形分として6.0部」を
「ワックス分散液A1: 固形分として10部
重合体一次粒子分散液D1:固形分として90部
着色剤分散液D: 着色剤固形分として6.0部」
に変更した以外は実施例10と同様にして凝集を行った。
更に、内温52.0℃、体積中位径(Dv50)が5.4μmのとき、シェル材として重合体一次粒子分散液D1を固形分として10部を添加、そのままの温度で60分間保持した。
その後、トナー母粒子F10と同様の方法で熟成(融着)、洗浄、乾燥を行い、トナー母粒子F19を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.7μm、個数中位径(Dn50)は5.2μm、分布Dv50/Dn50は1.10、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.968であった。
<現像剤トナーG19の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F19 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG19を得た。
トナーG19を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例13]
<トナー母粒子F20の製造>
「重合体一次粒子分散液E1:固形分として95部
着色剤分散液A: 着色剤固形分として6.0部」を
「ワックス分散液A1: 固形分として9.5部
重合体一次粒子分散液D1:固形分として95部
着色剤分散液E: 着色剤固形分として6.0部」
に変更した以外は実施例10と同様にして凝集を行った。
更に、内温54.0℃、体積中位径(Dv50)が5.5μmのとき、シェル材として重合体一次粒子分散液E1を固形分とし5部を添加、そのままの温度で60分間保持した。
その後、トナー母粒子F10と同様の方法で熟成(融着)、洗浄、乾燥を行い、トナー母粒子F20を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.6μm、個数中位径(Dn50)は5.1μm、分布Dv50/Dn50は1.10、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.970であった。
<現像剤トナーG20の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F20 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG20を得た。
トナーG20を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例14]
<トナー母粒子F21の製造>
「重合体一次粒子分散液E1:固形分として95部
着色剤分散液A: 着色剤固形分として6.0部」を
「ワックス分散液A1: 固形分として10部
重合体一次粒子分散液D1:固形分として95部
着色剤分散液H: 着色剤固形分として6.0部」
に変更した以外は実施例10と同様にして凝集を行った。
更に、内温54.0℃、体積中位径(Dv50)が5.4μmのとき、シェル材として重合体一次粒子分散液D2を固形分とし5部を添加、そのままの温度で60分間保持した。
その後、トナー母粒子F10と同様の方法で熟成(融着)、洗浄、乾燥を行い、トナー母粒子F21を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は5.7μm、個数中位径(Dn50)は5.1μm、分布Dv50/Dn50は1.12、微粉量は1.5%未満であり、平均円形度は0.971であった。
<現像剤トナーG21の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F21 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG21を得た。
トナーG21を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例1]
<トナー母粒子F11の製造>
着色剤分散液Aを着色剤分散液Iに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F11を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は6.2μm、個数中位径(Dn50)は5.0μm、分布Dv50/Dn50は1.24、平均円形度は0.957であった。凝集初期から微粉が多く、最終的な微粉量は1.5%以上、3%未満となった。SEMで粒子形状を観察すると融着している粒子が見られた。
<現像剤トナーG11の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F11 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG11を得た。
トナーG11を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
<トナー母粒子F12の製造>
着色剤分散液Aを着色剤分散液Jに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F12を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は6.3μm、個数中位径(Dn50)は5.1μm、分布Dv50/Dn50は1.24、平均円形度は0.956であった。凝集初期から微粉が多く、最終的な微粉量は1.5%以上、3%未満となった。SEMで粒子形状を観察すると融着している粒子が見られた。
<現像剤トナーG12の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F12 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG12を得た。
トナーG12を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例3]
<トナー母粒子F13の製造>
着色剤分散液Aを着色剤分散液Kに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F13を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は6.4μm、個数中位径(Dn50)は5.0μm、分布Dv50/Dn50は1.28、平均円形度は0.951であった。凝集初期から微粉が非常に多く、最終的には3%以上となった。SEMで粒子形状を観察すると融着している粒子が多数見られた。このため、外添以降のトナー化は断念した。
[比較例4]
<トナー母粒子F14の製造>
着色剤分散液Aを着色剤分散液Lに変更した以外はトナー母粒子F1と同様にしてトナー母粒子F14を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は6.5μm、個数中位径(Dn50)は5.0μm、分布Dv50/Dn50は1.30、平均円形度は0.950であった。凝集初期から微粉が非常に多く、最終的には3%以上となった。SEMで粒子形状を観察すると融着している粒子が多数見られた。このため、外添以降のトナー化は断念した。
[比較例5]
<トナー母粒子F15の製造>
ワックス分散液A1をワックス分散液C1に変更した以外はトナー母粒子F11と同様にしてトナー母粒子F15を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は6.2μm、個数中位径(Dn50)は5.1μm、分布Dv50/Dn50は1.22、平均円形度は0.955であった。凝集初期から微粉が多く、最終的には1.5%以上、3%以上となった。SEMで粒子形状を観察すると融着している粒子が見られた。
<現像剤トナーG15の製造:外添工程>
得られたトナー母粒子F15 2500gに、外添剤としてクラリアント社製H05TDシリカ50gと同社製H30TDシリカ15gを混ぜて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で混合し、150メッシュで篩別してトナーG15を得た。
トナーG15を用いて、実写評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例6]
<トナー母粒子F16の製造>
着色剤分散液Fを着色剤分散液Jに変更した以外はトナー母粒子F7と同様にしてトナー母粒子F16を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は6.4μm、個数中位径(Dn50)は5.0μm、分布Dv50/Dn50は1.28、平均円形度は0.950であった。凝集初期から微粉が非常に多く、最終的には3%以上となった。SEMで粒子形状を観察すると融着している粒子が見られた。このため、外添以降のトナー化は断念した。
[比較例7]
<トナー母粒子F17の製造>
着色剤分散液Gを着色剤分散液Kに変更した以外はトナー母粒子F8と同様にしてトナー母粒子F17を得た。
このとき、粒子の体積中位径(Dv50)は6.7μm、個数中位径(Dn50)は5.2μm、分布Dv50/Dn50は1.29、平均円形度は0.948であった。凝集初期から微粉が非常に多く、最終的には3%以上となった。SEMで粒子形状を観察すると融着している粒子が見られた。このため、外添以降のトナー化は断念した。
Figure 0006024140
Figure 0006024140
表2において、比較例3、4、6、7のみにおいては、トナー母粒子のDv(50)、Dv(50)/Dn(50)および円形度の数値である。
着色剤として、1次粒子のアスペクト比が1以上3以下である、C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体が分散された着色剤分散液A〜Hを用いた実施例1〜14の静電荷像現像用マゼンタトナーは何れも、トナー母粒子の微粉量、画像濃度、カブリ及び残像に優れるか少なくとも合格レベルであったが、C.I.Pigment Red 122、またはC.I.Pigment Violet 19の何れか一方だけを用いたもの(着色剤分散液I〜L)では、トナー母粒子の微粉量、画像濃度、カブリまたは残像の何れかが劣っていた。
1次粒子のアスペクト比が3.0でも、C.I.Pigment Violet 19のみの着色剤分散液Iを用いた比較例1の静電荷像現像用マゼンタトナーは、カブリが劣り、トナー母粒子の微粉量、画像濃度及び残像も優れている訳ではなかった。
本発明の静電荷像現像用マゼンタトナーは、帯電特性に優れ、連続実写でも画質が安定しているため、個人向け、オフィス向けの低中速プリンター/複写機をはじめ、オンデマント印刷等の大量印刷、コピー向けの高速プリンター/複写機等にも広く利用されるものである。
1 原料タンク
2 原料ポンプ
3 湿式ミル(ビーズミル)
4 回転スクリーン
5 シャフト
6 ジャケット
7 ステータ
8 排出路
9 ロータ
10 原料スラリー供給
11 原料スラリー導入口
12 バルブ
13 バルブ
14 バルブ
15 バルブ
16 製品タンク

Claims (4)

  1. 少なくとも着色剤および結着樹脂粒子が凝集・融着された状態であり、コア/シェル構造を有し、かつ、ワックスを含有する静電荷像現像用マゼンタトナーであって、該着色剤として、一次粒子のアスペクト比が1以上3以下である、C.I.Pigment Red 122とC.I.Pigment Violet 19との固溶体を用いており、該ワックスが、炭化水素系ワックスおよび/または下記一般式(1)で表されるネオペンチルポリオールエステルを有し、該炭化水素系ワックスが、炭素数40以上の成分が炭化水素系ワックス全体に対して60質量%以上であり、かつ、炭素数40以上の成分のうち非ノルマル体成分が炭素数40以上の炭化水素系ワックス全体に対して10質量%以上70質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナー。
    Figure 0006024140
    [式(1)中、Rは2〜8価のネオペンチルポリオール残基、Rは炭素数13〜25の直鎖アルキル基、mは2〜8の整数である。]
  2. 上記固溶体中の、C.I.Pigment Red 122と、C.I.Pigment Violet 19の質量比率が、
    [C.I.Pigment Red 122]:[C.I.Pigment Violet 19]=95:5〜65:35
    の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用マゼンタトナー。
  3. 請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用マゼンタトナーの製造方法であって、前記着色剤を分散した着色剤分散液を使用するものであり、使用する着色剤分散液の温度25℃における粘度η(cP)と、該着色剤分散液中の着色剤の体積中位径Dv1(μm)との関係が下記式(1)を満たし、0.10≦Dv1≦0.16であることを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナーの製造方法(Dv1は動的光散乱法により測定され、着色剤の体積粒度分布累積カーブが50%となる点の粒径を表す)。
    η<50440×(Dv1)−14920×(Dv1)+1390 ・・・(1)
  4. 請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用マゼンタトナーの製造方法であって、少なくともノニオン性界面活性剤を含んだ分散媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を使用することを特徴とする静電荷像現像用マゼンタトナーの製造方法。
JP2012066915A 2011-03-31 2012-03-23 静電荷像現像用マゼンタトナー Active JP6024140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012066915A JP6024140B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-23 静電荷像現像用マゼンタトナー

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011079817 2011-03-31
JP2011079817 2011-03-31
JP2012066915A JP6024140B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-23 静電荷像現像用マゼンタトナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012215859A JP2012215859A (ja) 2012-11-08
JP6024140B2 true JP6024140B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=47268621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012066915A Active JP6024140B2 (ja) 2011-03-31 2012-03-23 静電荷像現像用マゼンタトナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6024140B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6175826B2 (ja) * 2013-03-21 2017-08-09 三菱ケミカル株式会社 画像形成方法
JP2014186256A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Mitsubishi Chemicals Corp 静電荷像現像用マゼンタトナー
WO2015030208A1 (ja) * 2013-08-29 2015-03-05 三菱化学株式会社 静電荷像現像用トナー
JP6446914B2 (ja) * 2013-08-29 2019-01-09 三菱ケミカル株式会社 静電荷像現像用トナー
JP6354224B2 (ja) * 2014-03-13 2018-07-11 三菱ケミカル株式会社 静電荷像現像用負帯電トナー
US20160139522A1 (en) 2014-11-18 2016-05-19 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP2017181621A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーセット、静電荷像現像剤、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジ、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4435434B2 (ja) * 2001-01-12 2010-03-17 日油株式会社 エステルワックスおよび該ワックスを用いたトナー
JP2005255880A (ja) * 2004-03-12 2005-09-22 Dainippon Ink & Chem Inc 樹脂着色用キナクリドン顔料組成物、その製造方法および該顔料組成物を含有する樹脂着色組成物
JP4189516B2 (ja) * 2005-02-03 2008-12-03 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 電子写真用トナー
JP4674560B2 (ja) * 2006-03-23 2011-04-20 三菱化学株式会社 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2009098677A (ja) * 2007-09-27 2009-05-07 Mitsubishi Chemicals Corp 静電荷像現像用カラートナー、画像形成装置及びトナーカートリッジ
JP5456269B2 (ja) * 2007-12-11 2014-03-26 花王株式会社 セルロース分散液の製造方法
JP2009175284A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 Sharp Corp トナー、トナーの製造方法、現像剤、現像装置および画像形成装置
JP2009184980A (ja) * 2008-02-07 2009-08-20 Shiseido Co Ltd 凹凸補正用化粧料
JP2009258671A (ja) * 2008-03-24 2009-11-05 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー、フルカラートナーキット、画像形成方法
JP2010139574A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Nippon Seiro Co Ltd トナー用ワックスの製造方法
JP2010204431A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2011022187A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー、フルカラートナーキット、画像形成方法
JP2012150163A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Fuji Xerox Co Ltd マゼンタトナー、トナーセット、マゼンタ現像剤、トナー収容容器、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012215859A (ja) 2012-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6024140B2 (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー
JP6150631B2 (ja) トナーの製造方法
JP2014209188A (ja) トナー母粒子及び静電荷像現像用トナー
JP2012181263A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP6115207B2 (ja) 画像形成方法
JP6074904B2 (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー
JP2013214086A (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成装置及びトナーカートリッジ
JP5499607B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法
JP2011215502A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5581778B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
WO2013146200A1 (ja) 静電荷像現像用トナー及びそれを収容するトナーカートリッジ
JP2014186256A (ja) 静電荷像現像用マゼンタトナー
JP2009098677A (ja) 静電荷像現像用カラートナー、画像形成装置及びトナーカートリッジ
JP5470824B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法
US20180039196A1 (en) Toner for electrostatic charge image development
JP5974562B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4674560B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2011164296A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2013105153A (ja) 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法
JP2013210574A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2011075704A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2010156967A (ja) 静電荷像現像用トナー及びトナーの製造方法
JP2009098680A (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成装置及びトナーカートリッジ
JP2012181265A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2018084774A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法及び静電荷像現像用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160621

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6024140

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350