JP4775905B2 - 水系媒体中でトナーを生成する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用トナーの製法に関し、特に水系媒体中でトナーを生成する方法に関する。
電子写真技術は、複写機、プリンター、FAXに共通して用いられる画像形成装置の標準技術となり、最近ではこれらを一台に集積したMFP(複合機)が普及するに到っている。
電子写真技術に供されるトナーは、1990年頃迄は全て粉砕法により製造されていたが、それ以降重合方法による製法が現れ、実用化されるに到った。
粉砕法による粉砕トナーと重合法による重合トナーの主な点を比較すると、粉砕トナーは製造が比較的容易で、製造条件・製造品質の維持管理も容易で、製造時に廃棄物質が発生せず、トータル的な消費エネルギーも小さく、低コストで、クリーニングし易いという特長を有するが、小粒径化が困難であり、画質が劣るという欠点を有する。
これに対して、重合トナーは小粒径化が容易で、基本的に球形であり、画質は良好であるが、製造工程が比較的複雑で、製造条件・製造品質の維持管理が困難で、製造時に多量の廃棄物質が発生し、トータル的なエネルギー消費が大きく、コスト高で、クリーニングし難いという欠点を有する。
重合トナーの製法としては、現在主流となっているものとして、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、伸張法があるが、いずれも水系媒体中で生成し、生成後、媒体から造粒されたトナー粒子(本明細書中では添加剤の添加前後共にトナー粒子またはトナーと呼ぶ。)を濾過し、洗浄する工程を繰り返すことが必要となる。
この際大量の水からなる洗浄液即ち廃棄液が発生することから、省資源、環境負荷低減上好ましいことではなかった。
これを解決する方法として、洗浄液をリサイクルする方法が特許文献1に開示されているが、本発明は排出物を除去する工程がないため、かなり後のサイクルで使用した清浄度の高い洗浄液しか再使用できず、リサイクル率が低い。即ちフィードバックする液量が少なく廃棄水量が十分減らない。
特開2002−372803
本発明の目的は、上記のように、重合トナーの製造時に大量に消費される(従って廃棄される)洗浄水の量を低減させ、もって上記省資源、環境負荷低減、製品コスト低減という課題を解決する方法の提供である。即ち、水資源の節約と環境負荷低減、そして、コスト低減が目的である。
前記目的は水系媒体中で生成するトナー製造方法において、1回目以降の洗浄における排水から排出物を除去して再び洗浄水として使用する本発明の方法によって達成される。
1回目以降の何回目の洗浄水から再使用するかについては、洗浄効果の上では、造粒したトナー粒子を汚さない上で、できるだけあとのサイクルのものを用いるのが好ましいが、本発明の廃棄物質の低減という目的の上ではできるだけ早い時期の排水であることが好ましく、この兼ね合いで最適な回数の洗浄水が決定される。更に、特許文献1に開示された従来技術では、排水からの排出物の除去工程を含まないため、排水の汚れが十分小さくなるまで再使用できず、条件にもよるが普通、3回目以降の排水しか再使用できない。それに対し本発明では排水中の排出物を積極的に除去するため排水が清浄になり、結果より早い回数の洗浄液を再使用できる。すなわち、廃棄する水量をより減らすことができる。
上記目的は以下の本発明の方法によって達成される。
(1)本発明は、水系媒体中でトナーを生成する方法において、少なくともトナー粒子の造粒工程、トナー粒子を水系媒体から濾過する濾過工程、濾過で残ったトナー粒子を洗浄する洗浄工程からなり、当該洗浄工程、前記濾過工程を繰り返し行い、2回目以降の洗浄工程に用いた洗浄排水から、溶解排出物の一部又は全部を除去したのち再び洗浄工程でリサイクル使用することを特徴とする水系媒体中でトナーを生成する方法である。
)本発明は、前記洗浄排水から、溶解または非溶解の排出物の一部又は全部を除去する方法が、排水中の溶解排出物の溶解度を低下させ、該排出物を析出させる工程を含む前記(1)に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法である。
)本発明は、前記排水中の溶解排出物の溶解度を低下させる工程が、排水の酸性・アルカリ性または溶解物の正・負極性を調節する方法により行われる前記()に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法である。
)本発明は、前記トナー粒子を生成する水系媒体が媒体に溶解した界面活性剤を含み、前記排水中の溶解排出物の溶解度を低下させる工程が、排水中の界面活性剤の極性と逆の極性を有する物質を添加することによって行われる前記(2)又は()に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法である。
)本発明は、前記排水中の溶解排出物の溶解度を低下させる工程において、温度が調整されることを特徴とする前記()乃至()のいずれか一に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法である。
)本発明は、前記排水の繰り返し使用により、生成されたトナー粒子に、さらに添加剤を添加する工程を付加した前記(1)乃至()のいずれか一に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法である。
(7)本発明は、n番目の洗浄工程で使用した洗浄液を、溶解排出物除去後、n+1番目の洗浄工程で使用することを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか一に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法。
本発明は上記したように排水から排出物を除去することによって、排水の再使用を積極的に行うことにより、水の使用量すなわち排水量を低減させ、且つ、環境負荷を低減させ、もって製品コストを低減させることという効果を奏する。
最初に造粒されたトナーは濾過媒体によって濾過され、トナー粒子が残される。濾過によってトナー粒子が除去された排水には、重合トナー製法に依るが、水系媒体中での乳化時に使用された無機微粒子等の乳化制御剤や界面活性剤、未重合の単量体、プレポリマーの一部、結着剤ポリマーの一部、微粉トナー粒子等が含まれる。この内、非溶解物はメッシュ、フィルター、カラム等で除去し、除去後の水媒体を再使用する。
排水中の排出物の内、溶解排出物については析出する必要がある。析出方法としては、排水の温度を調整する方法、酸性・塩基性を調節する方法、界面活性剤等については界面剤の有する極性と逆の極性を有する物質を排水中に添加し中和する方法等がある。
界面活性剤がアニオン性である場合は、中和するためにジエチルアミノエチル等が、逆にカチオン性界面活性剤の場合は、カルボキシメチルや、オルトリン酸塩等が使用できる。
また、排水のpHをコントロールすることによっても、排水中の溶解物を析出させ、捕獲し、除去することができる。pH調節剤としては酸性側に振るものとして、ペンタクロロフェノールなどのフェノール類やフタル酸、サリチル酸、アジピン酸、クエン酸ナトリウム等がある。
塩基性に振るものとしては、トリアジン類、N−複素環化合物(例えばキノリン)、アンモニア、アニリン、ピリジン、尿素等がある。
界面活性剤の中和や、pHコントロールに用いる物質の量は僅かであり、排水中に残った物質がトナー上に残留し、トナー特性に悪影響を及ぼす可能性は小さい。
前記(1)〜(6)の発明のトナー生成方法に、トナーに添加剤(別名外添剤)を添加する工程を付加しても良い。これが前記(7)である。
本発明の水系媒体中でのトナーを生成する方法を、図1によって説明する。最初に造粒され、その後、濾過され、濾液(濾過分離液のことである。ここでは排水とも呼ぶ。)とトナー粒子に分離される。トナー粒子は清浄な水からなる洗浄液で洗浄され、再度濾過される。その結果、濾液とトナー粒子に分離され、濾液は排出物を除去され、洗浄液として再使用される。
ここでは2回目の洗浄液がリサイクルされているが、排出物の除去能力により、1回目または3回目以降の洗浄液を再使用しても良い。若い回数の洗浄液を用いる程リサイクル率は高まり、廃棄される量が低減される。
また、ここでは同じ製造ライン上でリサイクルさせるため、次のサイクル(図では3回目)の洗浄液に再使用されたが、複数のラインが平行に進行しているラインでは1回目以降任意のサイクル目の洗浄に再使用することも可能である。
また、図を変更し、トータルで4回の洗浄とし、3回目に2回目の排水で排出物を除去されたリサイクル洗浄液を使い、後これを廃棄して、最後の4回目は清浄な洗浄水を使って洗浄し、仕上げ、後排水を廃棄することもできる。
既に上で述べたように、本発明は排水から排出物を除去することによって、排水の再使用を積極的に行うことにより、水の使用量すなわち排水量を低減させ、且つ、環境負荷を低減させ、もって製品コストを低下させることでができ、発明の作用効果を容易に認識することができる。
以下、実施例により本発明を説明する。
以下、部は特に断らない限り、重量部を表わす。
トナーの個数平均粒径の測定法:
トナーの個数平均粒径は通常のコールターカウンターで、以下の条件で測定した。
電解水溶液150ml中に分散剤として界面活性剤ポリオキシエチレンアルキルエーテルを5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の個数を測定して、個数分布から個数平均を算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
参考例1)
スチレンモノマー4kgとメチルメタクリレートモノマー1kgの合計5kgに250gの合成ワックスST100((株)日本触媒製)、250gのカーボンブラック#44(三菱化学製)、および100gのサリチル酸亜鉛とを混合し、超音波分散機を利用して均一な溶解・分散液を得た。この溶液に過酸化ベンゾイル150gを溶かし、これを75gの過硫酸カリウムを溶かした1.2%ポリビニールアルコール水溶液、50 l(リットル)中に加え、ホモジェナイザーを用いて2500rpmで攪拌して平均粒径13μmの着色分散液を得た。これを40〜50rpmで攪拌しながら、60℃に昇温しこの温度で、5時間懸濁重合させた。
次にこの溶液を250 lの冷水中にあけてから遠心分離機で反応生成物と溶液を分離させた。溶液を濾過した後、新たに水150 lにより洗浄した後濾過した。洗浄・濾過の操作を再度繰り返した後、濾液を目開き1μm、142φのメンブレンフィルター:アドバンテックA100A−142A(アドバンテック東洋社製)に透過して貯蔵タンクに貯蔵した後、3回目の洗浄時に洗浄水として使用した。メンブレンフィルターにより、微粉やその他の微小固形排出物が除去され、十分な洗浄が行えた。同様に3回目の排水を同じ構成の別の濾過装置に透過した後、4回目の洗浄に洗浄水として用いた。ここで、同じ構成の別の濾過装置の代わりに、同一の濾過装置を兼用しても良い。4回目の洗浄も同様に、十分な洗浄が行えた。4回目の洗浄後の排水を廃棄した。この参考例では4回の洗浄とした。本参考例ではリサイクルしない場合の50%の洗浄水で済む。
4回目の洗浄・濾過後のトナー粒子を、乾燥させトナーを得た。得られたトナーは個数平均粒径8.9μmであった。収量は約5.5kgであった。さらにこのトナー100重量部に対し疎水性コロイド状シリカを0.6重量部の割で混合し、これを平均粒径50μmのシリコンコートキャリアとキャリア100重量部に対し5重量部の割合で混合し、ブラック用現像剤を得た。
当現像剤及び参考例2、3、4で作製した現像剤を用い、カラー複写機IPSiO Color 8000(株式会社リコー製)で画像出しした所、良好なカラー画像が得られ、1,000枚ランニングしたが1,000枚目も初期と変わらない画像品質であった。
参考例2)
参考例1において、カーボンブラック#44(三菱化学製)をキナクリドン系マゼンタ顔料C.I.Pigment Red122(クラリアント社製)に変えた以外は参考例1と同様の方法によりマゼンタ用現像剤を得た。
得られたトナーは個数平均粒径8.3μmであった。収量は約5.5kgであった。
参考例3)
参考例1において、カーボンブラック#44(三菱化学製)を銅フタロシアニンブルー:C.I.Pigment Blue15−3(東洋インキ製)に変えた以外は参考例1と同様の方法によりシアン用現像剤を得た。
得られたトナーは個数平均粒径8.7μmであった。収量は約5.5kgであった。
参考例4)
参考例1において、カーボンブラック#44(三菱化学製)をジスアゾ系イエロー顔料:C.I.Pigment Yellow17(東洋インキ製)に変えた以外は参考例1と同様の方法によりイエロー用現像剤を得た。
得られたトナーは個数平均粒径8.5μmであった。収量は約5.5kgであった。
参考例5)
参考例1において、目開き1μm、142φのメンブレンフィルター:アドバンテックA100A−142A(アドバンテック東洋社製)に透過することを、目開き1μm、150φのナイロンメッシュ(ナイロンフィルター):HD−1(日本理化学器械(株)製)に透過することに変え、かつ、2回目の洗浄液から再使用することを1回目の洗浄液から再使用することに変えた以外は参考例1と同様にブラック用現像剤を得た。
得られたトナーは個数平均粒径8.2μmであった。収量は約5.5kgであった。
得られた現像剤を用い、モノクロ複合機Imagio Neo 351(株式会社リコー製)で画像出しした所、良好なモノクロ画像が得られ、1,000枚ランニングしたが1,000枚目も初期と変わらない画像品質であった。
(実施例
外径156φ、肉厚約3mmの500mm長の円筒ガラス管で底面近傍の径が細まった管を用い、細くなった部分の内側に金属枠にステンレスメッシュを張った底板を敷き、上から顆粒状の陰イオン交換体DE52(ワットマン社製)と陽イオン交換体CM32(同)を1:1に混合したものを80mm厚さになるように充填し、カラムを構成した。
参考例1において、目開き1μm、142φのメンブレンフィルター:アドバンテックA100A−142A(アドバンテック東洋社製)に透過することを、前記カラムに変えた以外は参考例1と同様にブラック用現像剤を得た。
得られたトナーは個数平均粒径8.6μmであった。収量は約5.5kgであった。
得られた現像剤を用い、モノクロ複合機Imagio Neo 351(株式会社リコー製)で画像出しした所、良好なモノクロ画像が得られ、1,000枚ランニングしたが1,000枚目も初期と変わらない画像品質であった。
参考例6
配合比は重量部で示すが、実際には部数×50(g)の重量を用いた。
酸性極性基含有重合樹脂の調整
スチレンモノマー(ST) 60重量部
(実際の使用量は3.0kg。以下省略。)
アクリル酸ブチル(BA) 40重量部
アクリル酸(AA) 8重量部
以上のモノマー混合物を
水 100重量部
ノニオン乳化剤 1重量部
(エマルゲン950)
アニオン乳化剤 1.5重量部
(ネオゲンR)
過硫酸カリウム 0.5重量部
の水溶液混合物に添加し、攪拌下70℃で8時間重合させ、固形分50%の酸性極性基含有樹脂エマルジョンを得た。
トナーの調整
酸性極性基含有樹脂エマルジョン 120重量部
ニグロシン染料 5重量部
(ボントロンN−04)
カーボンブラック 5重量部
(ダイヤブラック#100)
水 380重量部
以上の混合物をスラッシャーで分散攪拌しながら約30℃に2時間保持した。その後、さらに攪拌しながら70℃に加温して3時間保持した。この間顕微鏡で観察して、樹脂粒子とマグネタイト粒子とのコンプレックスが所望の径にまで成長しているのが確認された。
次にこの溶液を参考例1と同様に、125 lの冷水中にあけてから遠心分離機で反応生成物と溶液を分離させた。溶液を濾過した後、新たに水150 lで洗浄し、濾過した後、濾液を目開き1μm、142φのメンブレンフィルター:アドバンテックA100A−142A(アドバンテック東洋社製)に透過して貯蔵タンクに貯蔵した後、フィルター透過後の水を再度2回目の洗浄に用い、濾過し、同様に3回目の洗浄・濾過をした。3回目の排水を廃棄した。メンブレンフィルターにより、微粉やその他の微小固形排出物が除去され、十分な洗浄が行えた。この参考例では1回目の排水を再利用し、洗浄を3回行ない3回目の排水を廃棄した。本参考例ではリサイクルしない場合の33%の洗浄水ですむ。3回目の洗浄・濾過後のトナー粒子を、乾燥させトナーを得た。
このトナーで用いた上記重合体のTgは45℃、ゲル化度は5%、軟化点は148℃、トナーの個数平均粒径は8.4μmであった。トナーの収量は約5.1kgであった。
得られたトナー100重量部に流動化剤としてシリカ(日本アエロジル社製アエロジルR972)の0.5重量部を添加混合した。
これを平均粒径50μmのシリコンコートキャリアとキャリア100重量部に対し5部の割合で混合し、攪拌した後現像剤を得た。得られた現像剤を用い、モノクロ複合機Imagio Neo 351(株式会社リコー製)で画像出しした所、良好なモノクロ画像が得られ、1,000枚ランニングしたが1,000枚目も初期と変わらない画像品質であった。
(実施例
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、テレフタル酸と無水フタル酸から得られた変性されていないポリエステル(a)と、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸とイソホロンジイソシアネートから得られたイソシアネート基含有プレポリマー(b)(Mw:35000)を得た。一方、イソホロンジアミンとメチルエチルケトンからケチミン化合物(c)を得た。
ビーカー中に前記のプレポリマー(b)14.3部、ポリエステル(a)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解した。次いで、離型剤である合成ワックスST100(融点51℃)10部、カーボンブラック#44(三菱化学製)4部を入れ、40℃にてTK式ホモミキサーで12,000rpmで5分攪拌した後、ビーズミルで30分間20℃において分散した。これをトナー材料油性分散液(d)とする。
ビーカー中にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、この水分散液(e)に上記トナー材料油性分散液(d)256部、及びケチミン化合物(c)2.7部を加え、攪拌を続けながらウレアー反応させた。
反応後の分散液(粘度:3500mP・s)を減圧下1.0時間以内に50℃以下の温度で有機溶剤を除去した後、1,100部の冷水にあけて洗浄した後、濾過した。次に濾過物(トナー粒子)を1,100部の水で洗浄した後、濾過し、濾液に0.5部のジエチルアミノエチルを添加し攪拌した所それまで溶解していた界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)と反応し、析出するのが見られた。この液を実施例1と同様にメンブレンフィルターに透過し、溶解していた排出物を捕獲した。この液により2回目の洗浄と濾過を行い、濾液をメンブレンフィルターに通し、該液を3回目の洗浄液として用い、3回目の洗浄・濾過を行った。濾液を廃棄した。本実施例では更に、清浄な水1,100部を用い、仕上げ(4回目)の洗浄を行った後、濾過し、濾液を廃棄した。本実施例では1回目の排水から溶解していた界面活性剤を析出させ、液から除去した。1回目の排水を2、3回目の洗浄液として再利用し、3回目の排水を廃棄した。更に仕上げとして、清浄水による4回目の洗浄を行い、排水を廃棄した。本実施例では洗浄水が再使用しない場合の50%の水で済む。
濾過後のトナー粒子を乾燥させ、トナーを得た。得られたトナー粒子は個数平均粒径8.2μmであった。
次に、得られたトナー100部、帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン E−84) 0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。
さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理し最終トナーを得た。
この最終トナーを平均粒径50μmのシリコンコートキャリアとキャリア100重量部に対し5重量部の割合で混合し、ブラック用現像剤を得た。得られた現像剤をモノクロ複合機Imagio Neo 351(株式会社リコー製)で画像出しした所、良好なモノクロ画像が得られ、1,000枚ランニングしたが1,000枚目も初期と変わらない画像品質であった。
なお、参考例1乃至6、実施例1でも実施例と同様にジエチルアミノエチル等により、界面活性剤を析出・捕獲することができることはいうまでもない。
(比較例)
参考例1で2、3回目の洗浄時の排水のフィルターへの透過をなしに、3、4回目の洗浄・濾過を行った後、同様にトナー、現像剤を得、同様に画像出しを行った所、初期から地肌汚れ(地かぶり)の有る、画像部の濃度も低い画像となり、1,000枚後も変わらなかった。これは、排水中の微小な排出物が除去できず、仕上がりのトナー上に残留し、帯電特性を始め正規のトナー特性に悪影響を与えたためと推測される。
トナー洗浄液のリサイクル例を示す図である。

Claims (7)

  1. 水系媒体中でトナーを生成する方法において、少なくともトナー粒子の造粒工程、トナー粒子を水系媒体から濾過する濾過工程、濾過で残ったトナー粒子を洗浄する洗浄工程からなり、当該洗浄工程、前記濾過工程を繰り返し行い、1回目以降の洗浄工程に用いた洗浄排水から、溶解排出物の一部又は全部を除去したのち再び洗浄工程でリサイクル使用することを特徴とする水系媒体中でトナーを生成する方法。
  2. 前記洗浄排水から、溶解排出物の一部又は全部を除去する方法が、排水中の溶解排出物の溶解度を低下させ、該排出物を析出させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法。
  3. 前記排水中の溶解排出物の溶解度を低下させる工程が、排水の酸性・アルカリ性または溶解物の正・負極性を調節する方法により行われることを特徴とする請求項に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法。
  4. 前記トナー粒子を生成する水系媒体が媒体に溶解した界面活性剤を含み、前記排水中の溶解排出物の溶解度を低下させる工程が、排水中の界面活性剤の極性と逆の極性を有する物質を添加することによって行われることを特徴とする請求項又はに記載の水系媒体中でトナーを生成する方法。
  5. 前記排水中の溶解排出物の溶解度を低下させる工程において、温度が調整されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法。
  6. 前記排水の繰り返し使用により生成されたトナー粒子に、さらに添加剤を添加する工程を付加したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法。
  7. n番目の洗浄工程で使用した洗浄液を、溶解排出物除去後、n+1番目の洗浄工程で使用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の水系媒体中でトナーを生成する方法。
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