JP6782623B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーの製造方法に関する。
近年、高速高画質化が求められている。特に転写性は、トナーの形状の影響が大きく、球形化が行われている。
球形化の方法としては、熱処理や機械式粉砕機を用いられることが多い。しかしながら、熱処理では、熱処理後にトナー表面にワックスがブリードアウトするために、耐久性が大幅に悪化する。機械式粉砕機では、円形度向上のために、パス回数を増やすことが必要であるため、生産性が悪化することや、粉砕機内での粗粒発生の問題があり、従来の球形化設備では、トナー性能や、製造に対して課題が残っている。
そこで、球形化の方法としては、装置内で被処理物を循環させながら表面改質(球形化)処理を行う回分式の装置が製造上好ましく、例えば、球形化しながら分級が可能な回分式の表面改質装置を使用した球形化処理が知られている(特許文献1参照)。
特開2003−262981号公報
しかしながら、回分式の表面改質装置で円形度を上げるためには、滞留時間を延ばす必要があり、生産性が低下する。回分式の装置を用いて効率よく球形化を行うためには、系内の流動性を高めて、トナー粒子の循環速度を速くし、所定時間あたりにトナー粒子が受ける球形化処理の回数を多くすることが重要である。
一方、低温定着性等の向上には離型剤を多く配合することが有効であるが、離型剤の配合量を多くすると、離型剤の分散性が低下し、トナー粒子表面へ離型剤が露出しやすくなるため、耐久性が低下する。また、トナー粒子の流動性も低下するため、回分式の表面改質装置を使用したトナーの製造においては、離型剤の使用量が多いほど、生産性の低下が顕著である。
本発明は、離型剤を含有するトナーの製造に回分式の表面改質装置を使用しても、円形度が高く、耐久性にも優れるトナーが生産性よく得られる方法に関する。
本発明は、結着樹脂及び離型剤を含有する組成物をオープンロール型混練機により溶融混練する工程を含む工程により得られたトナー粒子の表面を改質処理することを特徴とするトナーの製造方法であって、前記離型剤の含有量が組成物中2質量%以上15質量%以下であり、前記トナー粒子の表面を改質処理する工程が、回分式の表面改質装置を用いる工程であり、該回分式の表面改質装置が、微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び被処理物を分級手段に導入する第一の空間と被処理物を表面処理手段に導入する第二の空間とに装置内を仕切る案内手段を有し、前記トナー粒子を該第二の空間に導入し、該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、次いで該第一の空間へ導入し分級処理した後、再び第二の空間に導入してトナー粒子を第一の空間と第二の空間を循環させることにより、分級処理と表面改質処理を繰り返して、表面改質粒子を得る工程である、トナーの製造方法に関する。
本発明の方法により、回分式の表面改質装置を使用しても、円形度が高いトナーを生産性よく得ることができる。さらに、本発明の方法により得られるトナーは、優れた耐久性を有するものである。
本発明に使用する表面改質装置の一実施態様の概略断面図である。 図1における回転体の一実施態様の上面図である。 比較例1で使用した表面改質装置の概略断面図である。
本発明は、所定量の離型剤を含有するトナーの製造において、溶融混練にオープンロール型混練機を用い、トナー粒子を球形化する表面改質処理に所定の構造を有する回分式の表面改質装置を用いることにより、円形度の高いトナーが生産性よく得られる方法である。
オープンロール型混練機を用いて原料組成物を溶融混練することにより、離型剤をトナー粒子中に効率よく微分散させることができ、回分式の表面改質装置内のトナー粒子の流動性も向上する。さらに、回分式の表面改質装置での原料導入口の位置を従来の装置から変更することにより、トナー粒子が最初に表面処理手段に導入されるため、トナー粒子表面からの脱離ワックスが効率よく取り除かれるとともに、トナー粒子が速やかに分散され、処理能力を高めることができる。その結果、トナーの耐久性が向上し、かつ、高い収率で、効率的に円形度の高い粉砕トナーが得られるものと考えられる。
本発明は、結着樹脂及び離型剤を含有する組成物をオープンロール型混練機により溶融混練する工程を含む工程により得られたトナー粒子の表面を改質処理する方法である。
結着樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルポリアミド等の重縮合系樹脂、スチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられるが、本発明では、低温定着性の観点から、ポリエステルが好ましい。
また、ポリエステルは、耐久性の観点から、非晶質であることが好ましい。
なお、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち[軟化点/吸熱の最高ピーク温度]の値で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性樹脂は、結晶性指数が0.6以上、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上であり、そして、1.4以下、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下の樹脂である。一方、非晶質樹脂は、結晶性指数が1.4を超える、好ましくは1.5を超える、より好ましくは1.6以上の樹脂であるか、または、0.6未満、好ましくは0.5以下の樹脂である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。結晶性樹脂においては、吸熱の最高ピーク温度を融点とする。
ポリエステルは、2価以上のアルコールを含有するアルコール成分と2価以上のカルボン酸系化合物を含有するカルボン酸成分とを含む原料モノマーの重縮合体が好ましい。
アルコール成分としては、耐久性の観点から、式(I):
Figure 0006782623
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、そして、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのプロピレンオキシド付加物、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキシド付加物等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることが好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは100モル%である。
他のアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
一方、カルボン酸成分において、2価のカルボン酸系化合物としては、耐久性の観点から、芳香族ジカルボン酸系化合物が好ましい。
芳香族ジカルボン酸系化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられ、これらの中では、テレフタル酸又はイソフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。これらは単独で又は2種以上を用いることができる。
なお、本発明において、カルボン酸系化合物には、遊離酸だけでなく、反応中に分解して酸を生成する無水物、又は炭素数1以上3以下のアルキルエステルも含まれる。
芳香族ジカルボン酸系化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは65モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下、より好ましくは85モル%以下、さらに好ましくは75モル%以下である。
また、カルボン酸成分は、低温定着性の観点から、脂肪族ジカルボン酸系化合物を含有してもよい。脂肪族ジカルボン酸系化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1以上20以下のアルキル基又は炭素数2以上20以下のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を用いることができる。
また、カルボン酸成分は、耐オフセット性の観点から、3価以上のカルボン酸系化合物を含有してもよい。
3価以上のカルボン酸系化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等が挙げられ、これらの中では、トリメリット酸系化合物が好ましい。
3価以上のカルボン酸系化合物を含有する場合の含有量、好ましくはトリメリット酸系化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは15モル%以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは40モル%以下、より好ましくは35モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸系化合物が、分子量調整の観点から、適宜含有されていてもよい。
カルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。
アルコール成分とカルボン酸成分の重縮合は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、180℃以上250℃以下程度の温度で行うことができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.6質量部以下である。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
ポリエステルの軟化点は、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは90℃以上、より好ましくは95℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、そして、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは130℃以下である。2種以上のポリエステルを含有する場合は、軟化点の加重平均値が上記範囲にあることが好ましい。
ポリエステルのガラス転移温度は、トナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上、さらに好ましくは60℃以上であり、そして、トナーの低温定着性を向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、さらに好ましくは70℃以下である。
ポリエステルの酸価は、トナーの帯電量の環境安定性を向上させる観点から、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下、さらに好ましくは20mgKOH/g以下であり、そして、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは2mgKOH/g以上である。
結着樹脂中のポリエステルの含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
結着樹脂の含有量は、組成物中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上であり、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物;カルナウバワックス、モンタンワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス;脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を用いることができる。本発明においては、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナウバワックス、及び脂肪酸エステルワックスからなる群より選ばれる1種以上が好ましい。
離型剤の融点は、トナーの転写性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、そして、低温定着性の観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
離型剤の含有量は、組成物中、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点及び結着樹脂中への分散性の観点から、2質量%以上、好ましくは2.5質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、そして、トナーの耐久性の観点から、15質量%以下、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
溶融混練に供する組成物には、着色剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料、磁性体等を使用することができる。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等が挙げられる。なお、本発明において、トナー粒子は、黒用トナー、カラー用トナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、組成物中、トナーの画像濃度及び低温定着性を向上させる観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
荷電制御剤は、特に限定されず、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれを含有していてもよい。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」、「ボントロンN-09」、「ボントロンN-11」(以上、オリエント化学工業(株)製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業(株)製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PX VP435」(クラリアント社製)等;ポリアミン樹脂、例えば「AFP-B」(オリエント化学工業(株)製)等;イミダゾール誘導体、例えば「PLZ-2001」、「PLZ-8001」(以上、四国化成工業(株)製)等;スチレン−アクリル系樹脂、例えば「FCA-701PT」(藤倉化成(株)製)等が挙げられる。
また、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業(株)製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」、「T-77」(保土谷化学工業(株)製)等;ベンジル酸化合物の金属化合物、例えば、「LR-147」、「LR-297」(以上、日本カーリット(株)製)等;サリチル酸化合物の金属化合物、例えば、「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-88」、「ボントロンE-304」(以上、オリエント化学工業(株)製)、「TN-105」(保土谷化学工業(株)製)等;銅フタロシアニン染料;4級アンモニウム塩、例えば「COPY CHARGE NX VP434」(クラリアント社製)、ニトロイミダゾール誘導体等;有機金属化合物等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、組成物中、トナーの帯電安定性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
溶融混練に供する組成物は、一度に混練に供しても、分割して混練に供してもよいが、あらかじめヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、混練機に供給することが好ましい。
組成物の溶融混練に用いるオープンロール型混練機とは、溶融混練部が密閉されておらず開放されているものをいい、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。本発明で使用するオープンロール型混練機は、ロールの軸方向に沿って設けられた複数の原料供給口と混練物排出口を備えており、生産効率の観点から、連続式オープンロール型混練機であることが好ましい。
オープンロール型混練機とは、混練部が密閉されておらず開放されているものをいい、混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、連続式オープンロール型混練機は、少なくとも2本のロールを備えた混練機であることが好ましく、本発明に用いられる連続式オープンロール型混練機は、周速度の異なる2本のロール、即ち、周速度の高い高回転側ロールと周速度の低い低回転側ロールとの2本のロールを備えた混練機であることが好ましい。本発明においては、離型剤の結着樹脂への分散性を向上させる観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐久性を向上させる観点から、高回転側ロールは加熱ロール、低回転側ロールは冷却ロールであることが好ましい。
ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
高回転側ロールの原料投入側端部温度は、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐久性を向上させる観点から、80℃以上、160℃以下が好ましく、同様の観点から、低回転側ロールの原料投入側端部温度は30℃以上、100℃以下が好ましい。
高回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、混練物のロールからの脱離防止の観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上であり、そして、好ましくは60℃以下、より好ましくは50℃以下である。低回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、離型剤の結着樹脂への分散性を向上させる観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは0℃以上であり、そして、好ましくは50℃以下である。
高回転側ロールの周速度は、離型剤の結着樹脂への分散性を向上させる観点、溶融混練時の機械力を低減し、発熱を抑制する観点、及びトナーの耐久性を向上させる観点から、好ましくは2m/min以上、より好ましくは10m/min以上、さらに好ましくは25m/min以上であり、そして、好ましくは100m/min以下、より好ましくは75m/min以下、さらに好ましくは50m/min以下である。低回転側ロールの周速度は、同様の観点から、好ましくは1m/min以上、より好ましくは5m/min以上、さらに好ましくは15m/min以上であり、そして、好ましくは90m/min以下、より好ましくは60m/min以下、さらに好ましくは30m/min以下である。また、2本のロールの周速度の比(低回転側ロール/高回転側ロール)は、好ましくは1/10以上、より好ましくは3/10以上であり、そして、好ましくは9/10以下、より好ましくは8/10以下である。
また、各ロールの構造、大きさ、材料等について特に限定はない。ロール表面は、混練に用いられる溝を有しており、この形状は直線状、螺旋状、波型、凸凹型等が挙げられる。
溶融混練の後、混練物を粉砕可能な硬度に達するまで適宜冷却し、必要に応じて、粉砕工程及び分級分級を行ってトナー粒子を得ることが好ましい。ここで、冷却とは、混練物を0℃以上50℃以下まで冷却すること、または、混練物中の結着樹脂のガラス転移温度以下まで冷却することを言う。
粉砕工程は、得られた混練物を粉砕して、トナー粒子を得る工程であり、混練物は、所望の粒径まで一度に粉砕しても、段階的に粉砕してもよいが、効率よく、かつより均一に粉砕する観点から、粗粉砕と微粉砕の2段階で行うことが好ましい。
粗粉砕に用いられる粉砕機としては、ハンマーミル、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられる。
粗粉砕では、最大径が3mm以下になるまで粉砕することが好ましい。最大径が3mm以下の粉砕物は、混練物を、粒径が0.05mm以上3mm以下程度になるまで適宜粗粉砕した後、目開きが3mmの篩に通し、篩を通過した粉砕物として得ることができる。
微粉砕に用いる粉砕機としては、流動層式ジェットミル、気流式ジェットミル、機械式ミル等が挙げられ、これらの中では、流動層式ジェットミル又は気流式ジェットミルが好ましく、粉砕効率の観点から、流動層式ジェットミルがより好ましい。トナー同志の衝突により粉砕されるために、流動性が維持されやすいことから、下方部分に複数のジェットノズルが対向するように配置された粉砕室を少なくとも有する流動層式ジェットミルがより好ましい。
前記流動層式ジェットミルは、ジェットノズルから噴出する高速のガス噴流により、粉砕容器内に供給された粒子の流動層が形成され、流動層において、粒子の加速、相互衝突が繰り返されることにより、粒子が微粉砕される構造・原理を有する。
前記構造を有する流動層式ジェットミルにおいて、ジェットノズルの本数は特に限定されないが、風量、流量、流速のバランスや粒子の衝突効率等の観点から、複数、好ましくは3〜4本のジェットノズルが、対向して配置されていることが好ましい。
さらに、粉砕室の上方部分には粉砕により小粒径化され、上昇した小粒径の粒子を捕集する分級ロータが設けられていてもよい。粒度分布は、かかる分級ロータの回転数により容易に調整することができる。分級ロータによる分級により、粗粉が除去された粉砕物(上限分級粉)が得られる。
分級ロータは、鉛直方向に対して縦向き、横向きのいずれに配置されていてもよいが、分級性能の観点から、縦向きに配置されていることが好ましい。
複数のジェットノズルが備えられ、さらに分級ロータを有する流動層式ジェットミルの具体例としては、特開昭60−166547号公報、特開2002−35631号公報に開示された粉砕機が挙げられる。
また、本発明において好適に用いられる流動層式ジェットミルの市販品としては、ホソカワミクロン(株)製の「TFG」シリーズ、「AFG」シリーズ等が挙げられる。
微粉砕の程度は、目的とするトナーの粒径に応じて、適宜調整することが好ましい。
分級工程に用いられる分級機としては、気流式分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。
続いて、得られたトナー粒子を、回分式の表面改質装置に導入して表面改質処理を行う。本発明で用いる回分式の表面改質装置は、微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び被処理物を分級手段に導入する第一の空間と被処理物を表面処理手段に導入する第二の空間とに装置内を仕切る案内手段を有する装置である。トナー粒子を第二の空間に導入し、表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、次いで第一の空間へ導入し分級処理した後、再び第二の空間に導入してトナー粒子を第一の空間と第二の空間を循環させることにより、分級処理と表面改質処理を繰り返して、表面改質粒子を得る。
前記回分式の表面改質装置を使用した表面改質処理について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明に使用する表面改質装置の一例を示し、図2は図1において高速回転する回転体の上面図の一例を示す。
図1に示す表面改質装置は、
ケーシング13、
冷却水又は不凍液を通水できるジャケット(図示しない)、
表面処理手段である、ケーシング13内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型ブロック10(円筒型のピンであってもよい)を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体である分散ローター6、
分散ローター6の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられているライナー4(固定体)(ライナー表面上の溝はなくても構わない)、
表面改質された被処理物を所定粒径に分級するための手段である分級ローター1、
分級ローターにより選別された所定粒径以下の微粉を排出除去するための微粉排出口2、
冷風を導入するための冷風導入口5、
被処理物を第二の空間12へ導入するための原料供給口3、
表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁8、
処理後の粉体を排出するための粉体排出口7、及び
装置内の分級ゾーンと表面改質ゾーンの間の空間を、被処理物を分級ローター1に導入するための第一の空間11と、被処理物を分散ローター6に導入するための第二の空間12とに仕切る案内手段である円筒形のガイドリング(案内板)9
とから構成されている。なお、分級ローター1及びローター周辺部分が分級ゾーンであり、分散ローター6とライナー4との間隙部分が表面改質ゾーンである。
分級ローター1の設置方向は図1に示したような縦型だけでなく、横型でもよい。また、分級ローター1の個数は図1に示したような単体だけでなく、複数でもよい。
前記構成を有する表面改質装置における表面改質処理、分級処理の工程を具体的に説明すると、排出弁8を閉とした状態で原料供給口3からトナー粒子を一定量投入すると、投入されたトナー粒子は、まずブロワー(図示しない)により吸引され、第二の空間へ導入された後、ガイドリング(案内板)9の内周(第二の空間12)に沿いながら分散ローター6により発生する循環流に乗り表面改質ゾーンへ導かれる。表面改質ゾーンに導かれたトナー粒子は分散ローター6とライナー4間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、機内を通過する冷風に乗って、ガイドリング9の外周(第一の空間11)に沿いながら分級ゾーンに導かれる。表面改質粒子は、分級ローター1により、所定粒径以下の微粉と所定粒径以上の粗粉に分級され、微粉は機外へ排出され、粗粉は、循環流に乗り、再度第二の空間12に戻され、表面改質ゾーンで繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁8を開とし、粉体排出口7より表面改質粒子を回収する。
微粉を排出除去しながら表面改質処理を繰り返すことが可能な表面改質装置を用いることにより、表面改質時における微粉量の増加を防止しながら、収率よく表面改質処理を行うことができ、さらに、トナー粒子表面からの脱離ワックスを効率よく取り除くことができる。
また、排出弁を開放する時間を任意に設定することにより、装置内におけるトナーの滞留時間を調整でき、トナーの表面形状を任意にコントロールでき、円形度が高く、転写性に優れたトナーを得ることができる。
さらに、本発明では、表面改質装置に導入したトナー粒子を、第一の空間ではなく第二の空間に導入する点、即ち前記構成においては、原料供給口3を、被処理物を第二の空間12へ導入するように設けている点に1つの特徴を有している。
トナー粒子を最初に第二の空間に導入してから、表面改質処理と分級処理を繰り返す。最初に表面改質ゾーンを通過するため、トナー粒子表面からの脱離ワックスの除去が効率よく行われ、その結果、トナーの耐久性が向上する。
トナーの表面形状は、表面改質装置内でのトナーの滞留時間に依存している。つまり、トナーの表面形状をコントロールするためには、表面改質装置内のトナーの循環時間をコントロールすることが重要である。本発明において、表面改質工程で使用する表面改質装置を、図1に示すような回分式の表面改質装置とすることで、排出弁開放までの時間、分散ローター上面の歯形状及び回転周速、分散ローターとライナーとの間隔、ガイドリングと分散ローターとの間隔等を適切な状態に制御することにより、表面改質時における微粉増加を防止し、トナーの表面改質装置内での滞留時間をコントロールでき、トナーの表面形状を任意にコントロールすることができる。また、表面改質されたトナーを所定粒径に分級する分級ローターを内蔵しているため、分級ローターの回転周速を適切な状態に制御することにより、所定粒子以下の微粉は装置外へ連続的に排出され、粗粉は再度表面改質できるため、微粉が除かれた表面改質粒子を得ることができる。
表面改質装置において表面改質処理と分級処理を繰り返す循環時間は、表面改質効果を得る観点から、好ましくは5秒以上、より好ましくは10秒以上であり、そして、表面改質時間の長時間化に伴う、表面改質時に発生する熱によるトナーの表面変質や、機内融着の発生、及び処理能力の低下を避ける観点から、好ましくは720秒以下、より好ましくは600秒以下である。
なお、表面改質時に発生する熱によるトナーの表面変質や、機内融着を防止する観点から、冷風を送ったり、ジャケット内に冷媒を通したりして、装置内の温度を制御することが好ましい。
本発明では、表面改質粒子の表面改質(球形化)の度合を示すものとして、平均円形度をその指標とする。
表面改質粒子の平均円形度は、トナーの耐久性及び転写性の観点から、好ましくは0.945以上、より好ましくは0.955以上である。平均円形度は、表面改質粒子の凹凸の度合を示す指標であり、トナーが完全な球形の場合の円形度、即ち平均円形度の上限値は、1.000である。一方、粒子表面の凹凸が大きくなるほど、円形度の値は小さくなる。
本発明では、さらに、転写性を向上させるために、表面改質粒子を外添剤と混合する工程を含むことが好ましい。
外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の樹脂粒子等の有機微粒子が挙げられ、2種以上が併用されていてもよい。これらの中では、シリカが好ましく、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであることがより好ましい。
シリカ粒子の表面を疎水化するための疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、メチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
外添剤の個数平均粒径は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、好ましくは6nm以上、より好ましくは8nm以上であり、そして、好ましくは250nm以下、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下である。
外添剤の使用量は、トナーの帯電性や流動性、転写性の観点から、表面改質粒子100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。
表面改質粒子と外添剤との混合には、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いることができる。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、好ましくは3μm以上、より好ましくは4μm以上であり、そして、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーを外添剤で処理している場合には、外添剤で処理する前のトナー粒子の体積中位粒径をトナーの体積中位粒径とする。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。樹脂等の物性は、以下の方法により測定した。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター「CFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、室温から降温速度10℃/minで0℃まで冷却し、0℃にて1分間保持する。その後、昇温速度10℃/minで測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱ピークを測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。ただし、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度を離型剤の融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)及び粒径5μm以下の粒子の含有量〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター(株)製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター(株)製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター(株)製)
分散液:電解液にエマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB(グリフィン):13.6)を溶解して5質量%に調整したもの
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機(機械名:(株)エスエヌディー製US-1、出力:80W)にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔トナーの平均円形度〕
測定機:FPIA-3000(シスメックス(株)製)
標準ユニット(対物レンズ10倍)
測定モードHPFモード
分散液:エマルゲン109P(花王(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB13.6)5質量%電解液
分散条件:分散液10mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、蒸留水10mlを添加し、さらに、超音波分散機にて2分間分散させる。
測定条件:分散液に分散したトナーの円形度を、粒子濃度1800〜2200個になる濃度で20℃で測定し、数平均値を求める。
〔外添剤の個数平均粒径〕
走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を個数平均粒径とする。
樹脂製造例1〔樹脂A〕
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃に昇温して6時間反応させた。さらに210℃に昇温した後、無水トリメリット酸を添加し、常圧(101.3kPa)にて1時間反応させ、さらに40kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させて、非晶質ポリエステルを得た。得られた樹脂の物性を表1に示す。
樹脂製造例2〔樹脂B〕
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して反応率が80%に到達するまで反応を行った後、8kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、非晶質ポリエステルを得た。得られた樹脂の物性を表1に示す。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
Figure 0006782623
実施例1〜7及び比較例5
表2に示す結着樹脂及び離型剤と、負帯電性荷電制御剤「T-77」(保土谷化学工業(株)製)1.0質量部、及びカーボンブラック「MOGUL-L」(キャボット・スペシャリティー・ケミカルズ・インク社製)4.0質量部をヘンシェルミキサーにて1分間撹拌混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(日本コークス工業(株)製、ロール外径:14cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度75r/min(32.97m/min)、低回転側ロール(バックロール)周速度50r/min(21.98m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が135℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は10kg/h、平均滞留時間は約6分間であった。
得られた混練物を冷却ロールで圧延しながら20℃以下に冷却し、ロートプレックス(東亜機械工業(株)製)で3mmに粗粉砕した。その後、流動層式ジェットミル「400型TFG」(ホソカワミクロン(株)製)とTTSP分級機(ホソカワミクロン(株)製)を用いて体積中位粒径(D50)が6.0μmになるように微粉砕・分級を行い、トナー粒子を得た。
分級したトナー粒子を回分式の表面改質装置に導入し、トナー粒子の表面改質処理を行った。
回分式の表面改質装置には、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)の原料投入口を、被処理物を第二の空間に導入するように改造した装置を用いた。表面改質装置において、分散ローターの回転数を5100r/min、分級ローターの回転数を5200r/min、風量を20Nm3、ハンマー(角型ブロック)12本の条件を固定し、投入量と撹拌時間を変更して、表面改質処理を行った。
表面を改質したトナー粒子100質量部と、外添剤として、疎水性シリカ「RY50」(日本アエロジル(株)製、疎水化処理剤:シリコーンオイル、個数平均粒径:40nm)1.0質量部、及び疎水性シリカ「R972」(日本アエロジル(株)製、疎水化処理剤:DMDS、個数平均粒径:16nm)0.5質量部とをヘンシェルミキサーにて3分間混合して、トナーを得た。
実施例8
表2に示す結着樹脂及び離型剤と、負帯電性荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット(株)製)1.0質量部、及び銅フタロシアニン顔料「ECB-301」(大日精化工業(株)製)4.0質量部をヘンシェルミキサーにて1分間撹拌混合した後は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
比較例1
表面改質装置として、原料投入口を改造せず、図3に示すように、トナー粒子を第一の空間に導入する装置を用いた以外は、実施例2と同様にして、トナーを得た。
比較例2
微粉砕・分級の後、得られたトナー粒子を表面改質装置に導入せず、外添剤と混合した以外は、実施例2と同様にして、トナーを得た。
比較例3、4
表2に示す結着樹脂及び離型剤と、負帯電性荷電制御剤「T-77」(保土谷化学工業(株)製)1.0質量部、及びカーボンブラック「MOGUL-L」(キャボット・スペシャリティー・ケミカルズ・インク社製)4.0質量部をヘンシェルミキサーにて1分間撹拌混合後、溶融混練に、連続式二本オープンロール型混練機を使用せず、同方向回転二軸押出機「PCM-30」((株)池貝製)を使用し、以下に示す条件で溶融混練を行った以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
同方向回転二軸押出機の運転条件は、バレル設定温度 100℃、軸回転数 200r/min(軸の回転の周速 0.30m/sec)、混合物供給速度 10kg/hであった。
〔生産性〕
収率を表2に示す。ここでの収率は、表面改質装置に投入した分級物の量(X)と表面改質装置から回収した表面改質粒子の量(Y)の比率であり、下記式により算出した。
収率(%)=Y/X×100
収率が高いほど、時間当たりに得られる量が多く、生産性が高いことを示す。
〔耐久性〕
非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 5400」((株)沖データ製)のIDカートリッジにトナーを実装し、温度30℃、相対湿度65%の条件下で、70r/min(36枚/分相当)で空回し運転を行い、現像ロール表面のスジムラ発生を目視にて観察し、スジムラが発生するまでの時間を測定し、耐久性の指標とした。数値が大きいほど、耐久性に優れる。結果を表2に示す。
なお、スジムラとは現像ロール上に付着しているトナー量にばらつきが発生している状態のことをいい、スジムラの発生により、印字の際に画像濃度に濃淡が発生する。
Figure 0006782623
以上の結果より、実施例1〜8では、円形度が高く、耐久性の良好なトナーが、生産性よく得られていることが分かる。
これに対し、表面改質装置において、トナー粒子を最初に第一の空間に導入した比較例1では、耐久性に欠けることが分かる。
表面改質処理を行っていない比較例2では、トナーの円形度が0.950と低く、耐久性に欠けていることが分かる。
溶融混練に、オープンロール型混練機ではなく二軸押出機を使用した比較例3、4では、生産性が低いことが分かる。
離型剤の使用量が多すぎる比較例5では、生産性が低く、耐久性にも欠けていることが分かる。
本発明の方法により得られるトナーは、静電荷像現像法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。
1 分級ローター
2 微粉排出口
3 原料供給口
4 ライナー
5 冷風導入口
6 分散ローター
7 粉体排出口
8 排出弁
9 ガイドリング
10 角型ブロック
11 第一の空間
12 第二の空間
13 ケーシング

Claims (3)

  1. 結着樹脂及び離型剤を含有する組成物をオープンロール型混練機により溶融混練する工程を含む工程により得られたトナー粒子の表面を改質処理することを特徴とするトナーの製造方法であって、前記離型剤の含有量が組成物中2質量%以上15質量%以下であり、前記オープンロール型混練機が、周速度の異なる2本のロールを備えた混練機である連続式オープンロール型混練機であり、周速度の異なる2本のロールのうち、周速度の高い高回転側ロールが加熱ロールであり、周速度の低い低回転側ロールが冷却ロールであり、前記トナー粒子の表面を改質処理する工程が、回分式の表面改質装置を用いる工程であり、該回分式の表面改質装置が、微粉を装置外へ連続的に排出除去する分級手段、機械式衝撃力を用いる表面処理手段、及び被処理物を分級手段に導入する第一の空間と被処理物を表面処理手段に導入する第二の空間とに装置内を仕切る案内手段を有し、前記トナー粒子を該第二の空間に導入し、該表面処理手段へ導入して表面改質処理を行い、次いで該第一の空間へ導入し分級処理した後、再び第二の空間に導入してトナー粒子を第一の空間と第二の空間を循環させることにより、分級処理と表面改質処理を繰り返して、表面改質粒子を得る工程である、トナーの製造方法。
  2. さらに、表面改質粒子を外添剤と混合する工程を含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 離型剤が、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナウバワックス、及び脂肪酸エステルワックスからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1又は2記載の製造方法。
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