JP2007144885A - 異物濃度の読み取り有無の判定方法、及び、テストパターンの濃度の代表値を算出する方法 - Google Patents

異物濃度の読み取り有無の判定方法、及び、テストパターンの濃度の代表値を算出する方法 Download PDF

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    • H04N1/4076Control or modification of tonal gradation or of extreme levels, e.g. background level dependent on references outside the picture

Abstract

【課題】異物の濃度が読み取られているか否かの判定を、より適正に行うことのできる異物濃度の読み取り有無の判定方法等を実現する。
【解決手段】所定濃度で媒体上に印刷されたテストパターンから濃度を読み取り部によって読み取る際に、前記テストパターン上の異物の濃度も読み取られているか否かを判定する異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、所定の基準値に対する濃度の読み取り値の偏差の大きさが、所定の濃度偏差用閾値を超える前記テストパターン上の部分を検出するステップと、検出された前記部分の大きさに基づいて、前記異物の濃度が読み取られているか否かの判定を行うステップと、を有することを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
【選択図】図31

Description

本発明は、テストパターンの濃度の読み取り時における異物濃度の読み取り有無の判定方法、及び、テストパターンの濃度の代表値を算出する方法に関する。
インクジェットプリンタ等の印刷装置のなかには、その印刷装置で印刷されたテストパターンの濃度をスキャナ等で読み取ることによって、インクの吐出ムラに対する調整等の処理を行うものがある(例えば、特許文献1を参照。)。
特開平2−54676号公報
しかしながら、テストパターンの濃度を読み取る際には、テストパターンの表面やスキャナの読み取り機構に、ゴミやホコリといった異物が付着する虞がある。そして、異物の濃度を前述の調整処理に用いてしまった場合には、異物の濃度の影響によって調整の精度が損なわれてしまうという問題が生じる。
このため、望ましくは、テストパターンから濃度を読み取る際に、異物の濃度を読み取っているか否かの判定を行うと良い。そして、特に、前記テストパターンが所定濃度に印刷されている場合には、この判定方法の一例として、「前記テストパターンの濃度の読み取り値の最大値と最小値との偏差を所定の閾値と比較し、前記偏差が前記閾値を超えている場合には、異物の濃度を読み取っていると判定する」という方法が考えられる。
しかしながら、この方法では、前記判定を、単に前記最大値と最小値との偏差だけに基づいて行っているので、上述の調整に対する影響度合いの小さい微小サイズのゴミであっても、上記判定条件に該当してしまう場合がある。つまり、平面寸法が小さく実質的に問題の無いサイズのゴミであっても、異物の濃度を読み取っていると判定してしまい、その結果として、前記調整の作業者は、僅かなゴミでも清掃等の除去作業を強いられる虞があって、その判定の適正さの点で問題が有った。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異物の濃度が読み取られているか否かの判定を、より適正に行うことのできる異物濃度の読み取り有無の判定方法、及び、テストパターンの濃度の代表値を算出する方法を実現することにある。
前記課題を解決するための主たる発明は、
所定濃度で媒体上に印刷されたテストパターンから濃度を読み取り部によって読み取る際に、前記テストパターン上の異物の濃度も読み取られているか否かを判定する異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
所定の基準値に対する濃度の読み取り値の偏差の大きさが、所定の濃度偏差用閾値を超える前記テストパターン上の部分を検出するステップと、
検出された前記部分の大きさに基づいて、前記異物の濃度が読み取られているか否かの判定を行うステップと、
を有することを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載によって明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
所定濃度で媒体上に印刷されたテストパターンから濃度を読み取り部によって読み取る際に、前記テストパターン上の異物の濃度も読み取られているか否かを判定する異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
所定の基準値に対する濃度の読み取り値の偏差の大きさが、所定の濃度偏差用閾値を超える前記テストパターン上の部分を検出するステップと、
検出された前記部分の大きさに基づいて、前記異物の濃度が読み取られているか否かの判定を行うステップと、
を有することを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、異物の濃度が読み取られているか否かの判定に際して、濃度の読み取り値の偏差だけではなく、前記偏差に基づき検出されたテストパターン上の部分の大きさも加味して判定する。よって、平面寸法が小さく実質的に問題の無い微小サイズの異物に対してまで異物の濃度が読み取られていると過剰に判定してしまうのを防ぐことができ、その結果として、当該判定を、より適正に実行可能となる。
かかる異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
前記テストパターンは、移動方向にノズルを移動させながら前記ノズルからインクを吐出するインク吐出動作と、前記移動方向と交差する搬送方向に前記媒体を搬送する搬送動作とを繰り返すことによって印刷され、
前記テストパターンの濃度の読み取り値は、前記移動方向に隣接するとともに前記搬送方向に隣接する単位領域毎に生成されるのが望ましい。
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、前記テストパターンの濃度の読み取り値は、前記単位領域毎に生成されるので、前記部分の大きさの評価を、より精細に行うことができる。
かかる異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
前記テストパターンは、前記移動方向に隣接する複数の前記単位領域から構成される列領域単位で、前記搬送方向に関して区分され、
前記列領域毎に、前記部分が検出されるが望ましい。
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、前記部分は、前記列領域毎に検出される。よって、前記列領域毎になされる演算処理が有る場合には、その演算処理の一部として前記部分の検出を行えて、その結果、前記部分の検出を行う専用の処理を行わずに済み、処理負荷の軽減化が図れる。
かかる異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
前記部分の大きさは、検出対象の列領域に対して前記部分が占める大きさの割合たる占有率として求められ、
求められた前記占有率が所定の第1占有率用閾値以上の場合に、異物の濃度が読み取られていると判定されるが望ましい。
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、前記部分に係る前記占有率は、前記列領域に対する前記部分の大きさの割合として求められ、いわば、この占有率は、列領域に対する前記部分の影響の度合いを表している。よって、この占有率の第1占有率閾値に対する比較によって、前記部分の列領域に対する影響度合いに基づいた判定を行えて、当該判定が、より適正になる。
かかる異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
検出対象の列領域について前記読み取り値が取得された単位領域の総数をFsとするとともに、該列領域において前記基準値に対する前記読み取り値の偏差の大きさが、前記濃度偏差用閾値を超える単位領域の個数をFtとした場合に、前記占有率Rは以下の式から算出されるが望ましい。
R=Ft/Fs
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、前記単位領域の個数を用いて前記占有率を求めるので、前記判定を、より定量的に行うことができる。
かかる異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
前記基準値は、前記列領域毎に決定されるが望ましい。
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、前記基準値は、前記列領域毎に決定される。よって、テストパターンの濃度が列領域毎に微妙に変動する場合であっても、その変動に拘わらず前記判定を正確に行うことができる。
かかる異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
前記基準値の決定に際しては、検出対象の列領域に係る前記読み取り値の最大値及び最小値のどちらが異物側の濃度を示しているのかが判定され、
前記最大値及び前記最小値のうちで、前記異物側の濃度であると判定されなかった方の値が、その列領域についての前記基準値と決定されるが望ましい。
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、異物側の濃度であると判定されなかった方の値を前記基準値とする。よって、前記基準値からの偏差は、テストパターン自身の濃度からの偏差を表しており、もって、当該基準値からの偏差によって、異物に対応する前記部分を正確に検出可能となる。
かかる異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
前記最大値と前記最小値との中央値を境として、該中央値よりも前記読み取り値が大きい単位領域の数と、小さい単位領域の数とを、前記列領域毎にカウントし、
前記大きい単位領域の数の方が少ない列領域については、前記最大値を前記異物側の濃度であると判定する一方、
前記小さい単位領域の数の方が少ない列領域については、前記最小値を前記異物側の濃度であると判定するが望ましい。
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、テストパターンよりも濃い色の異物、及び、薄い色の異物のいずれも検出可能となる。
かかる異物の濃度の読み取り有無判定方法を用いながらテストパターンから濃度を読み取って、前記テストパターンの濃度の代表値を算出する方法であって、
前記占有率が、前記第1占有率用閾値未満の列領域については、その列領域について読み取った全ての読み取り値の平均値を、その列領域の濃度の代表値とするが望ましい。
このようなテストパターンの濃度の代表値を算出する方法によれば、異物の影響が小さい列領域については、その列領域について読み取った全ての読み取り値の平均値を、その列領域の濃度の代表値とする。よって、当該代表値を平均値として算出する際の母数を最大限に増やすことができて、その列領域の濃度の代表値を、より正確に算出可能となる。
かかるテストパターンの濃度の代表値を算出する方法であって、
前記占有率が、前記第1占有率用閾値以上となる列領域については、その列領域について読み取った全ての読み取り値から、前記部分に該当する前記読み取り値を除外して求めた平均値を、その列領域の濃度の代表値とするのが望ましい。
このようなテストパターンの濃度の代表値を算出する方法によれば、列領域における前記部分の影響が大きい場合には、これを、前記占有率と前記第1占有率用閾値との対比に基づいて検知し、その列領域の代表値を、その部分に該当する読み取り値を除外して求める。よって、その列領域の濃度の代表値を、より一層正確に算出可能となる。
かかるテストパターンの濃度の代表値を算出する方法であって、
前記第1占有率用閾値よりも大きな第2占有率用閾値を有し、
前記占有率が前記第2占有率用閾値以上となる列領域が一つでも存在する場合には、エラーメッセージを報知するのが望ましい。
このようなテストパターンの濃度の代表値を算出する方法によれば、列領域における前記部分の影響が過大な場合には、これを、前記占有率と前記第2占有率用閾値との対比に基づいて検知し、エラーメッセージを報知する。よって、テストパターンから濃度を読み取る作業に従事している作業者は、前記部分の元凶の異物を除去する等の対処をして、濃度の読み取り作業を再開することができるので、前記列領域の濃度の代表値を、より一層正確に算出可能となる。
かかるテストパターンの濃度の代表値を算出する方法であって、
前記テストパターンは、前記搬送方向に関する前記媒体の先端部への印刷時に用いられる先端部補正値を取得するための先端処理部、前記媒体の後端部への印刷時に用いられる後端部補正値を取得するための後端処理部、及び、前記先端部と前記後端部の間に位置する中間部への印刷時に用いられる中間部補正値を取得するための中間処理部を有し、
前記先端処理部、前記中間処理部、及び、前記後端処理部のそれぞれについて、前記占有率用閾値が設定されるのが望ましい。
このようなテストパターンの濃度の代表値を算出する方法によれば、前記処理部毎に、前記占有率用閾値が設定されているので、濃度の代表値の算出に関して、各処理部に適した処理を行うことができる。
また、所定濃度で媒体上に印刷されたテストパターンから濃度を読み取り部によって読み取る際に、前記テストパターン上の異物の濃度も読み取られているか否かを判定する異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
所定の基準値に対する濃度の読み取り値の偏差の大きさが、所定の濃度偏差用閾値を超える前記テストパターン上の部分を検出するステップと、
検出された前記部分の大きさに基づいて、前記異物の濃度が読み取られているか否かの判定を行うステップと、
を有し、
前記テストパターンは、移動方向にノズルを移動させながら前記ノズルからインクを吐出するインク吐出動作と、前記移動方向と交差する搬送方向に前記媒体を搬送する搬送動作とを繰り返すことによって印刷され、前記テストパターンの濃度の読み取り値は、前記移動方向に隣接するとともに前記搬送方向に隣接する単位領域毎に生成され、
前記テストパターンは、前記移動方向に隣接する複数の前記単位領域から構成される列領域単位で、前記搬送方向に関して区分され、前記列領域毎に、前記部分が検出され、
前記部分の大きさは、検出対象の列領域に対して前記部分が占める大きさの割合たる占有率として求められ、求められた前記占有率が所定の第1占有率用閾値以上の場合に、異物の濃度が読み取られていると判定され、
検出対象の列領域について前記読み取り値が取得された単位領域の総数をFsとするとともに、該列領域において前記基準値に対する前記読み取り値の偏差の大きさが、前記濃度偏差用閾値を超える単位領域の個数をFtとした場合に、前記占有率Rは、R=Ft/Fsであり、
前記基準値は、前記列領域毎に決定され、
前記基準値の決定に際しては、検出対象の列領域に係る前記読み取り値の最大値及び最小値のどちらが異物側の濃度を示しているのかが判定され、前記最大値及び前記最小値のうちで、前記異物側の濃度であると判定されなかった方の値が、その列領域についての前記基準値と決定され、
前記最大値と前記最小値との中央値を境として、該中央値よりも前記読み取り値が大きい単位領域の数と、小さい単位領域の数とを、前記列領域毎にカウントし、前記大きい単位領域の数の方が少ない列領域については、前記最大値を前記異物側の濃度であると判定する一方、前記小さい単位領域の数の方が少ない列領域については、前記最小値を前記異物側の濃度であると判定することを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
このような異物の濃度の読み取り有無判定方法によれば、既述の全ての効果をそうするため、本発明の目的がより有効に達成される。
===補正値設定システム1000について===
<補正値設定システム1000の概要>
図1は、補正値設定システム1000の構成を説明する図である。補正値設定システム1000とは、印刷画像の濃度を補正するための補正値を印刷装置に設定するためのシステムのことであり、例えば工場に設置される。なお、この補正値設定システム1000は、ユーザーの下で構築することもできる。この場合の補正値設定システム1000は、新たな補正値を設定するための(つまり、補正値を更新するための)システムとなる。そして、印刷装置とは、プリンタ、プロッタ、ファクシミリ等に代表されるように、媒体へ画像を印刷するための装置である。便宜上、以下の説明では、代表的な印刷装置であるプリンタ100、及び、代表的な媒体である用紙S(図8を参照。)を例に挙げて説明する。
補正値設定システム1000は、テストパターンCPの濃度を読み取るための濃度読み取り装置と、この濃度読み取り装置、及び、補正値の設定対象となる印刷装置に対して、通信可能に接続された補正値設定用制御装置とを少なくとも含んでいる。図1に例示した補正値設定システム1000は、濃度読み取り装置としてのスキャナ200と、補正値設定用制御装置としてのコンピュータ300と、表示装置400と、入力装置500と、記録再生装置600と、を有している。なお、図1では、補正値が設定される印刷装置として、プリンタ100が示されている。また、入力装置500としては、キーボードやマウスが示され、記録再生装置600としては、フレキシブルディスク装置やCD−ROMドライブ装置が示されている。以下、補正値設定システム1000を構成する各装置について説明する。
<コンピュータ300について>
まず、コンピュータ300について説明する。ここで、図2は、補正値設定システム1000の全体構成を説明するブロック図である。図3は、コンピュータ300が有するメモリ312の一部に設定された読み取り濃度のデータテーブルを説明するための図である。図4は、プリンタドライバ330に基づく処理を説明する図である。図5は、階調値とドット生成率の関係を説明する図である。
コンピュータ300は、補正値設定システム1000における制御を担当するものである。例えば、コンピュータ300は、スキャナ200を制御して用紙Sに印刷された画像の濃度を取得したり、プリンタ100を制御して用紙Sへ画像を印刷させたり、プリンタ100が有するメモリ152(補正値記憶部152a)に補正値を記憶したりする。このため、コンピュータ300は、スキャナ200やプリンタ100と通信可能に接続されている。
このコンピュータ300は、ホスト側コントローラ310を有している。このホスト側コントローラ310は、CPU311と、メモリ312と、第1インタフェース部313と、第2インタフェース部314とを有する。CPU311は、コンピュータ300の全体的な制御を行うための演算処理装置である。このCPU311には、記録再生装置600、表示装置400、及び、入力装置500が通信可能に接続されている。なお、記録再生装置600は、コンピュータ300の筐体に取り付けられている。メモリ312は、CPU311が使用するコンピュータプログラムを記憶する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。第1インタフェース部313は、スキャナ200との間に介在してデータの受け渡しを行う。第2インタフェース部314は、プリンタ100との間に介在してデータの受け渡しを行う。
メモリ312にインストールされるコンピュータプログラムとしては、例えば、アプリケーションプログラム320、プリンタドライバ330、ビデオドライバ340、及び、スキャナドライバ350がある。アプリケーションプログラム320は、広義にはコンピュータ300に所望の動作を行わせるためのコンピュータプログラムである。そして、補正値設定システム1000におけるアプリケーションプログラム320は、コンピュータ300を補正値設定用制御装置として機能させるためのコンピュータプログラムとなる(便宜上、補正値設定用プログラム320´ともいう。)。プリンタドライバ330は、コンピュータ300によってプリンタ100を動作させるためのコンピュータプログラムである。ビデオドライバ340は、アプリケーションプログラム320やプリンタドライバ330からの表示データを表示装置400に表示させるためのコンピュータプログラムである。スキャナドライバ350は、コンピュータ300によってスキャナ200を動作させるためのコンピュータプログラムである。また、図3に示すように、この補正値設定システム1000では、ホスト側コントローラ310が有するメモリ312の一部領域を、読み取り濃度を記憶するためのデータテーブルとして使用している。
そして、CPU311は、メモリ312に記憶されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。例えば、補正値設定用プログラム320´とスキャナドライバ350によって、用紙Sに印刷された画像の濃度を取得するための制御を行う。また、補正値設定用プログラム320´とプリンタドライバ330によって、用紙Sへ画像を印刷させるための制御を行う。
画像を印刷させるための制御において、CPU311は例えば以下の処理を行う。ユーザーインタフェースを介して印刷の指示がなされると、CPU311は、画像データを印刷データに変換する。ここで、印刷データは、プリンタ100が解釈できる形式のデータであって、画素データと、各種のコマンドデータとを有する。コマンドデータとは、プリンタ100に特定の動作の実行を指示するためのデータであり、例えば、給紙を指示するデータ、搬送量を示すデータ、排紙を指示するデータである。そして、CPU311は、画像データを印刷データに変換するため、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理などを行う。また、画素データとは、用紙上に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)であり、単位領域毎に定められる。なお、単位領域とは、用紙等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。例えば、印刷解像度が720dpi(移動方向)×720dpi(搬送方向)の場合、単位領域は、約35.28μm×35.28μm(≒1/720インチ×1/720インチ)の大きさの正方形状の領域になる。また、印刷解像度が360dpi×720dpiの場合、単位領域は、約70.56μm×35.28μm(≒1/360インチ×1/720インチ)の大きさの長方形状の領域になる。理想的な状態でインク(滴状のインク,インク滴ともいう。)が吐出されると、この単位領域の中心位置にインクが着弾し、その後インクが媒体上で広がって、単位領域にドットが形成される。
解像度変換処理は、画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、用紙Sに画像を印刷する際の解像度(印刷するときのドットの間隔であり、印刷解像度ともいう。)に変換する処理である。色変換処理は、RGB画像データの各RGB画素データを、CMYK色空間により表される多段階(例えば256段階)の階調値を有するデータに変換する処理である。ここで、CMYKはインクの色を意味する。すなわち、Cはシアンを意味する。また、Mはマゼンタを、Yはイエローを、Kはブラックをそれぞれ意味する。この色変換処理は、RGBの階調値とCMYKの階調値とを対応づけたテーブル(色変換ルックアップテーブルLUT)を参照することによって行われる。ハーフトーン処理は、多段階の階調値を有するCMYK画素データを、プリンタ100が表現可能な、少段階の階調値を有するCMYK画素データに変換する処理である。例えば、256段階の階調値を示すCMYK画素データが、ハーフトーン処理によって、4段階の階調値を示す2ビットのCMYK画素データに変換される。この2ビットのCMYK画素データは、各色について、例えば、「ドットの形成なし」(2進数の値として「00」)、「小ドットの形成」(同じく「01」)、「中ドットの形成」(同じく「10」)、「大ドットの形成」(同じく「11」)を示すデータである。そして、これらの各ドットの生成率は、階調値に応じて定められる。例えば、図5に示すように、階調値grが指定された画素では、大ドットとなる確率が1d、中ドットとなる確率が2d、小ドットとなる確率が3dとなる。このようなハーフトーン処理には、例えば、ディザ法、γ補正法、誤差拡散法等が用いられる。ラスタライズ処理は、ハーフトーン処理がなされたCMYK画像データを、プリンタ100に転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、前述した印刷データとしてプリンタ100へ出力される。
<スキャナ200について>
次に、スキャナ200について説明する。ここで、図6は、スキャナ200の内部構成を説明するための正面図である。図7は、スキャナ200の構成を説明するための平面図である。なお、便宜上、図7では、原稿台カバー222を外した状態が描かれている。また、以下の説明では図2も参照する。図2に示すように、スキャナ200は、スキャナ側コントローラ210と、読み取り機構220と、駆動機構230とを有している。
スキャナ側コントローラ210は、CPU211と、メモリ212と、インタフェース部213とを有する。CPU211は、スキャナ200の全体的な制御を行うための演算処理装置である。このCPU211には、読み取り機構220、及び、駆動機構230が通信可能に接続されている。メモリ212は、CPU211が使用するコンピュータプログラムを記憶する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等によって構成される。インタフェース部213は、コンピュータ300との間に介在してデータの受け渡しを行う。
図6及び図7に示すように、読み取り機構220は、原稿台ガラス221と、原稿台カバー222と、読み取りキャリッジ223とを有する。原稿台ガラス221は、原稿(例えば、画像が印刷された用紙S)が載せられる透明なガラス製の板である。原稿台カバー222は、原稿の読み取り面を原稿台ガラス221側に押し付けるためのものである。読み取りキャリッジ223は、原稿の濃度を読み取るための読み取り部に相当する。そして、読み取りキャリッジ223は、原稿台ガラス221を介して原稿の読み取り面に対向し、一定の間隔を保ちながら原稿台ガラス221に沿って所定方向(以下、副走査方向ともいう。)に移動される。この読み取りキャリッジ223は、露光ランプ224と、レンズ225と、複数のミラー226と、ガイド支持部227と、CCDイメージセンサ228とを有する。露光ランプ224は、原稿の読み取り時における光源である。レンズ225は、原稿からの反射光を集光させるものである。ミラー226は、反射光をレンズ225に導くためのものである。ガイド支持部227は、規制ガイド231が挿入される部分である。CCDイメージセンサ228は、レンズ225によって集光された反射光を受光するものである。例示したスキャナ200において、CCDイメージセンサ228は、いわゆるリニアセンサとして構成されている。すなわち、CCDイメージセンサ228は、光電変換を行うためのフォトダイオードを複数有している。そして、これらのフォトダイオードは、列状に配置されている。具体的には、これらのフォトダイオードは、読み取りキャリッジ223が移動される副走査方向とほぼ直交する方向(以下、主走査方向ともいう。)に沿って配置されている。原稿に描かれた画像の読み取り時において、各フォトダイオードは、所定時間内に照射された光量を検出する。これにより、画像の濃度を示す濃度データが取得される。
駆動機構230は、規制ガイド231と、支持レール232と、駆動部233とを有する。規制ガイド231は、読み取りキャリッジ223の移動方向を規制するためのものである。支持レール232は、読み取りキャリッジ223を支持するためのものである。そして、駆動部233は、読み取りキャリッジ223を副走査方向に移動させるためのものであり、タイミングベルト234と、駆動プーリー235と、パルスモータ236と、アイドラプーリー237とを有する。タイミングベルト234は、端部が読み取りキャリッジ223に固定された環状の部材であり、駆動プーリー235とアイドラプーリー237とに架け渡されている。駆動プーリー235は、タイミングベルト234と噛み合うものであり、パルスモータ236の回転軸に取り付けられている。パルスモータ236は、読み取りキャリッジ223を移動させる際の駆動源となるものであり、副走査方向における一側に配置されている。アイドラプーリー237は、タイミングベルト234に張力を付与するためのものであり、駆動プーリー235とは反対となる副走査方向における他側に配置されている。そして、読み取りキャリッジ223は、タイミングベルト234の搬送に応じ、規制ガイド231に沿って移動する。このとき、パルスモータ236は、スキャナ側コントローラ210によって動作を制御される。
またスキャナ200には、ホームポジションセンサ(図示せず)が設けられている。このホームポジションセンサは、読み取り動作の起点位置(以下、ホームポジションともいう。)に、読み取りキャリッジ223が到達したことを検出するためのものである。このホームポジションセンサは、例えば透過型の光学センサによって構成される。そして、読み取りキャリッジ223の位置は、このホームポジションを基準として、スキャナ側コントローラ210に管理される。例えば、読み取りキャリッジ223の位置は、ホームポジションセンサにて検出された後に、パルスモータ236に与えられたパルス数と、1パルスに対応する読み取りキャリッジ223の移動量とに基づいて管理される。
このような構成のスキャナ200では、露光ランプ224の光を原稿の読み取り面に照射し、その反射光をミラー226やレンズ225を介してCCDイメージセンサ228に導く。また、読み取りキャリッジ223を原稿台ガラス221(つまり、原稿の読み取り面)に沿って移動させる。そして、CCDイメージセンサ228から出力される電圧を所定の周期で取得することで、1周期の間に読み取りキャリッジ223が移動した距離分の原稿について濃度を読み取る。
===プリンタ100について===
<構成について>
次にプリンタ100について説明する。ここで、図8は、プリンタ100の内部構成を説明する斜視図である。図9は、プリンタ100の内部構成を説明する側面図である。図10は、ヘッド131が有するノズルNzの配列を説明する図である。図11は、プリンタ側コントローラ150が有するメモリ152の一部領域を説明するための図である。なお、以下の説明では図2も参照する。
前述したように、このプリンタ100は、用紙S、布、フィルム、OHP用紙等の媒体に画像を印刷する印刷装置に相当する。図2に示すように、このプリンタ100は、用紙搬送機構110と、キャリッジ移動機構120と、ヘッドユニット130と、検出器群140と、プリンタ側コントローラ150とを有する。外部装置であるコンピュータ300から印刷データを受信したプリンタ100は、プリンタ側コントローラ150によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構110、キャリッジ移動機構120、及びヘッドユニット130を制御する。このとき、検出器群140の各検出器は、プリンタ100内の状況を監視している。そして、各検出器は、検出結果をプリンタ側コントローラ150に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ150は、検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
図8及び図9に示すように、用紙搬送機構110は、用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に、所定の搬送量で搬送させたりするものである。ここで、この搬送方向は、次に説明するキャリッジCRの移動方向と交差する方向である。この用紙搬送機構110は、給紙ローラ111と、搬送モータ112と、搬送ローラ113と、プラテン114と、排紙ローラ115とを有する。給紙ローラ111は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ100内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ112は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、例えばDCモータによって構成される。この搬送モータ112の動作は、プリンタ側コントローラ150によって制御される。搬送ローラ113は、給紙ローラ111によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。この搬送ローラ113の動作も搬送モータ112によって制御される。プラテン114は、印刷中の用紙Sを、この用紙Sの裏面側から支持する部材である。また、排紙ローラ115は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
キャリッジ移動機構120は、ヘッドユニット130が取り付けられたキャリッジCRを移動方向に移動させるための機構である。この移動方向は、一側から他側への向きと、他側から一側への向きとが含まれている。そして、ヘッドユニット130は、印刷ヘッドとしてのヘッド131を有し、このヘッド131はインクを吐出させるためのノズルNz(図10を参照。)を有する。このため、キャリッジCRの移動に伴い、ヘッド131やノズルNzもキャリッジCRの移動方向に移動する。つまり、キャリッジCRの移動方向は、ヘッド131の移動方向に相当し、且つ、ノズルNzの移動方向に相当する。以下、キャリッジCR、ヘッド131、及び、ノズルNzの移動方向のことを、単に移動方向ともいう。
キャリッジ移動機構120は、キャリッジモータ121と、ガイド軸122と、タイミングベルト123と、駆動プーリー124と、アイドラプーリー125とを有する。キャリッジモータ121は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ121の動作もプリンタ側コントローラ150によって制御される。そして、キャリッジモータ121の回転軸には、駆動プーリー124が取り付けられている。この駆動プーリー124は、移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー124とは反対側になる移動方向の他端側には、アイドラプーリー125が配置されている。タイミングベルト123は、端部がキャリッジCRに固定された環状の部材であり、駆動プーリー124とアイドラプーリー125とに架け渡されている。ガイド軸122は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する棒状の部材である。このガイド軸122は、移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ121が動作すると、キャリッジCRは、このガイド軸122に沿って移動方向へ移動する。
ヘッドユニット130は、用紙Sへ向けてインクを吐出させるためのものであり、ヘッド131を有する。図10に示すように、このヘッド131の下面には、インクを吐出させるためのノズルNzが設けられている。このノズルNzは、吐出させるインクの種類毎にグループ分けされており、各グループによってノズル列が構成されている。例示したヘッド131は、ブラックインクノズル列Nkと、シアンインクノズル列Ncと、マゼンタインクノズル列Nmと、イエローインクノズル列Nyを有している。各ノズル列は、n個(例えば、n=180)のノズルNzを備えている。各ノズル列において、ノズルは、搬送方向に沿って一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)で設けられている。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ、つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔である。また、kは、最小のドットピッチDとノズルピッチとの関係を表す係数であり、1以上の整数に定められる。例えば、ノズルピッチが180dpi(1/180インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=4である。図示の例において、各ノズル列のノズルNzは、下流側のノズルNzほど若い番号が付されている(♯1〜♯180)。つまり、ノズルNz(♯1)は、ノズルNz(♯180)よりも搬送方向の下流側、つまり用紙Sの先端側に位置している。
また、このプリンタ100において、各ノズルNzからは、量が異なる複数種類のインクを、個別に吐出させることができる。例えば、前述した画素に対して大ドットを形成し得る量の大インク滴、中ドットを形成し得る量の中インク滴、及び小ドットを形成し得る量の小インク滴からなる3種類のインク滴を吐出させることができる。この例では、画素データ「00」に対応するドットの非形成、画素データ「01」に対応する小ドットの形成、画素データ「10」に対応する中ドットの形成、及び画素データ「11」に対応する大ドットの形成という4種類の制御ができる。つまり、4階調の記録が可能である。
検出器群140は、プリンタ100の状況を監視するためのものである。この検出器群140には、リニア式エンコーダ141、ロータリー式エンコーダ142、紙検出器143、及び紙幅検出器144等が含まれている。リニア式エンコーダ141は、キャリッジCRの移動方向における位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ142は、搬送ローラ113の回転量を検出するためのものである。紙検出器143は、印刷される用紙Sの先端位置を検出するためのものである。紙幅検出器144は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。
プリンタ側コントローラ150は、プリンタ100の制御を行うものである。このプリンタ側コントローラ150は、CPU151と、メモリ152と、制御ユニット153と、インタフェース部154とを有する。CPU151は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ152は、CPU151のプログラムを記憶する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU151は、メモリ152に記憶されているプログラムに従い、制御ユニット153を介して各制御対象部を制御する。この例では、図11に示すように、メモリ152の一部領域に各種の情報が記憶される。例えば、処理部毎の列領域(後述する。)の数や処理部毎の補正値が記憶される。インタフェース部154は、外部装置であるコンピュータ300とプリンタ100との間に介在し、データの送受信を行う。
<印刷動作について>
図12は、印刷時における処理を説明するフローチャートである。以下に説明される各処理は、プリンタ側コントローラ150が、メモリ152内に格納されたコンピュータプログラムに従って、制御対象部を制御することにより実行される。従って、このコンピュータプログラムは、各処理を実行するためのコードを有している。
プリンタ側コントローラ150は、印刷データ中の印刷命令を受信すると(S010)、給紙動作(S020)、ドット形成動作(S030)、搬送動作(S040)、排紙判断(S050)、排紙動作(S060)、及び印刷終了判断(S070)を順に行う。給紙動作は、印刷対象となる用紙Sを移動させ、印刷開始位置(所謂頭出し位置)に位置決めする動作である。ドット形成動作は、用紙Sにドットを形成するための動作である。このドット形成動作において、プリンタ側コントローラ150は、キャリッジモータ121を駆動したり、ヘッド131に対して制御信号を出力したりする。搬送動作は、用紙Sを搬送方向へ移動させる動作である。この搬送動作により、先程のドット形成動作によって形成されたドットとは異なる位置にドットを形成することができる。排紙判断は、印刷対象となっている用紙Sに対する排出の要否を判断する動作である。排紙動作は、用紙Sを排出させる処理であり、先程の排紙判断で「排紙する」と判断されたことを条件に行われる。印刷終了判断は、印刷を続行するか否かの判断である。
ここで、画像の印刷は、ドット形成動作(S030)と搬送動作(S040)とを繰り返し行うことでなされる。そして、ドット形成処理では、移動方向に沿って移動するヘッド131(ノズルNz)からインクを断続的に吐出させている。すなわち、プリンタ側コントローラ150は、キャリッジモータ121を駆動してキャリッジCRを移動させつつ、印刷データに含まれる画素データに基づいてヘッド131からインクを吐出させる。そして、ヘッド131から吐出されたインクが用紙表面に着弾すると、用紙上にはドットが形成される。そして、ヘッド131が移動している最中にインクが断続的に吐出されるため、ドットは、用紙上において、移動方向に沿って並んだ状態で複数形成される。つまり、用紙上には、移動方向に沿った複数のドットからなるドット列(以下、ラスタラインともいう。)が形成される。従って、用紙Sに印刷された画像は、搬送方向に隣接した複数のラスタラインによって構成されているといえる。
===印刷方式について===
<インターレース印刷について>
前述したように、このプリンタ100では、ヘッド131を移動方向へ移動させつつ、ノズルNzからインクを断続的に吐出させることで、画像の印刷を行っている。ところで、前述したヘッド131は極めて微細な形状である。このため、ノズルNz等の各部には、加工や組み立てによってばらつきが生じてしまう。このばらつきにより、インクの飛行軌跡や吐出量等の特性(以下、吐出特性ともいう。)もばらついてしまう。このような吐出特性のばらつきを緩和するために、インターレース方式による印刷(以下、インターレース印刷ともいう。)が行われている。このインターレース印刷とは、1回のパスで記録されるラスタライン同士の間に、記録されないラスタラインが挟まれるような印刷を意味する。なお、パスとは、1回のドット形成動作を意味し、パスnとはn回目のドット形成動作を意味する。
ここで、図13は、インターレース印刷の例を説明する図である。この例では、先端処理部、通常処理部、及び、後端処理部からなる3つの処理部がある。通常処理部は、処理の基準となる通常処理だけでラスタラインが形成される部分である。そして、先端処理部は、通常処理部よりも用紙Sの先端側に定められる部分であって、先端処理と通常処理によってラスタラインが形成される部分である。この先端処理では、通常処理では形成できないラスタラインを形成すべく、インクを吐出させるノズルNzや搬送量が定められている。また、後端処理部は、通常処理部よりも用紙Sの後端側に定められる部分であって、通常処理と後端処理でラスタラインが形成される部分である。この後端処理でも、通常処理では形成できないラスタラインを形成すべく、インクを吐出させるノズルNzや搬送量が定められる。そして、通常処理部は、先端処理部と後端処理部に挟まれた中間部分ということもできる。このため、通常処理部は中間処理部に相当し、通常処理は中間処理に相当する。
なお、図13に示す例では、説明の便宜上、ヘッド131が有する複数のノズル列のうちの一つのノズル列のみを示している。また、1つのノズル列が有するノズルNzの数も少なくしている。また、この例では、ヘッド131(又はノズル列)が用紙Sに対して移動しているように描かれているが、この例は、ヘッド131と用紙Sとの相対的な位置を示すものである。このため、実際のプリンタ100では、用紙Sが搬送方向へ移動される。また、各ノズルNzから断続的に吐出されるインクによって、移動方向に沿って多数のドットが並んだ状態で形成される。なお、画素データに応じて、ドットが非形成となる場合もある。加えて、黒丸で示されたノズルNzは、インクを吐出可能なノズルであり、白丸で示されたノズルNzは、インクを吐出させないノズルである。
例示した処理において、最初の5回のパスが先端処理であり、最後の5回のパスが後端処理である。そして、これらの途中のパスが通常処理である。通常処理において、各ノズルNzは、用紙Sが搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録している。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、次の(1),(2)の条件を満たすことが求められる。すなわち、(1)インクを吐出可能なノズル数N(整数)は係数kと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・D(D:搬送方向の最高解像度での間隔)に設定されることの条件を満たすことが求められる。ここでは、これらの条件を満たすように、N=7、k=4、F=7・Dに定められている(D=720dpi)。そして、通常処理にて形成されるラスタライン群に関し、各ラスタラインを担当するノズルNzの組み合わせには周期性がある。すなわち、同じノズルNzの組み合わせで形成されるラスタラインが、所定ライン数毎に現れる。
一方、先端処理では、通常処理の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)で用紙Sが搬送されている。この先端処理では、インクを吐出するノズルNzが一定していない。また、後端処理でも、先端処理と同様に、通常処理の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)で用紙Sが搬送される。なお、先端処理及び後端処理において、ノズルNzの組み合わせは規則性が見出し難くなっている。
===補正値について===
このプリンタ100では、前述したように、ドット形成動作と搬送動作とを繰り返して行うことで画像を印刷している。そして、インターレース印刷を行うことで、ノズルNz毎の吐出特性を緩和し、画像の品質を高めている。しかし、近年の高画質化に対する要求は高く、インターレース印刷で得られた画像に対しても、さらなる品質の向上が求められている。このような要求に応えるため、ラスタラインが形成される列領域毎に補正値を設定し、ラスタラインの濃度を列領域毎に補正することが考えられている。ここで、列領域とは、移動方向に並ぶ複数の単位領域によって構成される領域をいう。例えば印刷解像度が720dpi×720dpiの場合、列領域は、搬送方向に35.28μm(≒1/720インチ)の幅の帯状の領域になる。移動方向に移動するノズルNzから理想的にインクが断続的に吐出されると、この列領域にラスタラインが形成される。
<濃度ムラ(バンディング)について>
補正値の説明に先立って濃度ムラ(濃度のばらつき)について説明する。この濃度ムラは、キャリッジCRの移動方向に対して平行な縞状(便宜上、横縞状ともいう。)に見えている。つまり、用紙Sの搬送方向に生じている濃度ムラである。ここで、図14Aは、理想的な吐出特性で形成されたドット群を説明する図である。図14Bは、吐出特性のばらつきの影響を説明する図である。図15は、濃度ムラを説明するための概念図である。便宜上、以下の説明は、単色で印刷された画像を例に挙げて行う。また、図14A,図14Bにおいて、画像の濃度は中間調(例えば濃度50%)で一定とする。
図14Aの例では、吐出特性が理想的であるため、ノズルNzから吐出されたインクは、用紙上に仮想的に定められた単位領域に対して位置精度良く着弾する。つまり、単位領域の中心とドットの中心とが揃っている。そして、ラスタラインは、移動方向に並ぶ複数のドットによって構成されている。このため、ラスタラインは、前述した列領域における搬送方向の中央に位置精度良く形成されているといえる。そして、この例では、印刷された画像について列領域を単位として画像濃度を比較した場合、各列領域での画像濃度は揃っている。便宜上、以下の説明では、列領域で分割された個々の画像のことを画像片ともいう。ここで、ラスタラインは、インクの着弾によって得られたドットの列であるのに対し、画像片は、印刷された画像を列領域単位で分割した点で相違している。
図14Bの例では、吐出特性のばらつきにより、第n+1番目の列領域に対応するラスタラインが、正規の位置よりも第n+2番目の列領域側(図14Bにおいて下側)に寄って形成されている。本来であれば、図14Aの例のように、各画像片の濃度は揃っているべきであるところ、図14Bの例では、吐出特性のばらつきによって各画像片の濃度にばらつきが生じている。例えば、第n+1番目の列領域に対応する画像片の濃度は、標準的な列領域(例えば、第n列領域や第n+3列領域)に対応する画像片の濃度よりも淡くなっている。また、第n+2番目の列領域に対応する画像片の濃度は、標準的な列領域に対応する画像片の濃度よりも濃くなっている。
そして、図15に示すように、画像片の濃度のばらつきは、巨視的には横縞状の濃度ムラとして視認される。すなわち、隣り合うラスタライン同士の間隔が相対的に広い部分の画像片は巨視的に薄く見え、ラスタライン同士の間隔が相対的に狭い画像片は巨視的に濃く見えてしまう。この濃度ムラは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
なお、この濃度ムラの発生原因は、他のインク色に関しても当てはまることである。そして、CMYKの各色の中で1色でもばらつきの傾向があれば、多色印刷の画像中には濃度ムラが現れてしまう。
<補正値の概要について>
このような列領域毎の濃度ムラを補正するため、このプリンタ100には、列領域毎の補正値が設定されている。例えば、基準よりも濃く視認される傾向がある列領域については、その列領域の画像片が淡く形成されるように補正値を設定し、基準よりも淡く視認される傾向がある列領域については、その列領域の画像片が濃く形成されるように補正値を設定する。この補正値は、例えば、プリンタドライバ330による処理で参照される。例えば、コンピュータ300のCPU311は、色変換処理によって得られたCMYK画素データを補正値に基づいて補正する。そして、補正後のCMYK画素データについてハーフトーン処理を行う。要するに、補正値に基づいて画素データの階調値が補正される。これにより、各画像片における濃度ばらつきを抑制するように、インクの吐出量が調整される。
なお、図14Bの例において、第n+2番目の列領域に対応する画像片が濃くなる理由は、隣接するラスタライン同士の間隔が正規の間隔よりも狭いためである。具体的には、本来、第n+1番目の列領域内における搬送方向中央に形成されるべき第n+1番目のラスタラインが、第n+2番目の列領域側に寄り過ぎているために、対応する画像片が濃くなっている。つまり、第n+2番目の列領域に対応するラスタラインの影響によるものではない。このため、画像片を基準に考えると、隣接する列領域に形成されるラスタラインをも考慮する必要がある。従って、単にノズル毎に補正値を設定する方法では、濃度ムラを抑制することができない。そこで、このプリンタ100では、列領域毎に補正値を設定し、この補正値に基づいて印刷画像の濃度を補正するようにしている。
このような補正値を設定するため、プリンタ製造工場の検査工程では、プリンタ100にテストパターンCPを印刷させ、このテストパターンCPをスキャナ200で読み取り、テストパターンCPにおける各画像片の濃度に基づいて列領域毎の補正値を定めている。そして、プリンタ側コントローラ150のメモリ152が有する補正値記憶部152aに、列領域毎の補正値を記憶させる。ここで、テストパターンCPは、補正値の設定対象となるプリンタ100によって印刷させたものである。このため、設定される補正値は、個々のプリンタ100における濃度ムラの特性を反映したものになる。そして、プリンタ100を購入したユーザーの下で、コンピュータ(ユーザーが所有するコンピュータ)は、補正値を取得すると共に、取得した補正値に基づいて画素データの階調値を補正する。さらに、コンピュータは、補正された階調値に基づいて印刷データを生成し、プリンタ100へ出力する。そして、プリンタ100は、印刷データに基づいて印刷を行う。
===プリンタ製造工場での処理について===
<テストパターンCPの印刷>
次に、プリンタ製造工場で行われる処理について説明する。ここで、図16Aは、プリンタ100の製造後の検査工程で行われる補正値の設定処理のフローチャートである。図16Bは、補正値設定処理における補正値の取得・記憶処理のフローチャートである。なお、以下に説明する補正値設定処理は、コンピュータ300にインストールされた補正値設定用プログラム320´、スキャナドライバ350、及び、プリンタドライバ330によって実現される。従って、これらの補正値設定用プログラム320´、スキャナドライバ350、及び、プリンタドライバ330は、補正値設定処理を行うためのコードを有している。
補正値の設定処理に先立って、作業者は、補正値の設定対象となるプリンタ100をコンピュータ300に接続する。そして、このコンピュータ300には予めスキャナ200が接続されている。加えて、このコンピュータ300には、補正値設定用プログラム320´がインストールされている。この補正値設定用プログラム320´は、前述したように、アプリケーションプログラム320の一種である。そして、この補正値設定用プログラム320´は、補正値を設定するために必要な処理をCPU311に行わせる。この処理としては、例えば、テストパターンCPをプリンタ100に印刷させるための処理、スキャナ200から取得した画像の濃度データに対して画像処理や解析等を行わせる処理、取得した補正値をプリンタ100のメモリ152(補正値記憶部152a)に記憶させるための処理が含まれる。
プリンタ100を接続したならば、テストパターンCPの印刷が行われる(S100)。このステップでは、工場の作業者は、補正値設定用プログラム320´のユーザーインタフェースを介して、テストパターンCPを印刷させるための指示をする。この指示を受けると、ホスト側コントローラ310のCPU311は、テストパターン用の印刷データを生成し、生成した印刷データをプリンタ100へ送信する。そして、コンピュータ300からの印刷データに基づき、プリンタ100は、媒体としての用紙Sにテストパターンを印刷する。この印刷動作は、前述した処理に則って行われる(図12を参照。)。簡単に説明すると、ヘッド131を移動方向へ移動させながら用紙Sに向けてインクを吐出させるドット形成動作(S030)と、用紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作(S040)とを、印刷データに応じて繰り返して行うことにより行われる。
<テストパターンCPについて>
次に、印刷されたテストパターンCPについて説明する。ここで、図17Aは、テストパターンCPの説明図である。図17Bは、補正用パターンHPの説明図である。なお、テストパターンCPは、用紙Sに印刷された補正用パターンHPの全体を意味する。そして、補正用パターンHPは、同じ種類のインクを用いて印刷された部分を意味し、濃度のばらつきの評価を行うために用いられる。前述したように、このプリンタ100では、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)、及び、ブラックインク(K)からなる4種類のインクを吐出可能である。このため、テストパターンCPは、色別に4つの補正用パターンHPを有しているといえる。また、インクの種類には、色材の違いも含まれる。例えば、染料のブラックインクと顔料のブラックインクは、色は同じであっても別の種類となる。このため、染料のブラックインクと顔料のブラックインクとを使用するプリンタ100の場合、染料のブラックインクで補正用パターンHPが印刷され、顔料のブラックインクで他の補正用パターンHPが印刷される。
各補正用パターンHPは、5種類の所定濃度で印刷された帯状パターンBD(BD(10)〜BD(100))と、上罫線ULと、下罫線DLと、左罫線LLと、右罫線RLとにより構成されている。帯状パターンBDは、それぞれ一定の階調値の画像データから生成されたものであり、図17Bにおける左端の帯状パターンBDから順に、階調値26(濃度10%)、階調値76(濃度30%)、階調値128(濃度50%)、階調値179(濃度70%)、及び階調値255(濃度100%)となり、右側に位置する程、濃い濃度で印刷されている。なお、これらの5種類の階調値(濃度)は、制御上の指令値に相当する。このため、これらの階調値(濃度)を「指令階調値(指令濃度)」と呼ぶこととし、符号Sa(階調値26)、符号Sb(階調値76)、符号Sc(階調値128)、符号Sd(階調値179)、符号Se(階調値255)のように表す。
前述したように、画像の印刷時においては、先端処理、通常処理及び後端処理が行われる。このため、各補正用パターンHPも先端処理、通常処理及び後端処理を用いて印刷される。すなわち、各補正用パターンHPは、先端処理部、通常処理部(中間処理部に相当する。)、及び、後端処理部を有している。なお、ユーザーの下で行われる画像の印刷において、通常処理部を構成するラスタラインは、例えばA4サイズの場合、数千本程度となる。ここで、通常処理部の各ラスタラインを担当するノズルNzの組み合わせには周期性があるため、各補正用パターンHPにおける通常印刷部の長さ(搬送方向の長さ)は、複数周期に対応するラスタラインが含まれる程度としている。例えば、8周期分に対応する長さにしている。
また、上罫線ULと下罫線DLに関し、この補正用パターンHPでは、上罫線ULを帯状パターンBDにおける1番目のラスタラインによって形成し、下罫線DLを帯状パターンBDにおける最終番目のラスタラインによって形成している。
===補正値の取得について===
<スキャナ200の初期設定>
テストパターンCPが印刷されたならば、補正値を取得してプリンタ100に記憶させる処理が行われる(S200)。以下、この処理について説明する。図16Bに示すように、この処理では、まずスキャナ200の初期設定が行われる(S210)。この初期設定では、例えば、スキャナ200の読み取り解像度、原稿の種類、イメージのタイプ、スキャンモード、及び、読み取り画像の保存形式といった項目の設定が行われる。これらの項目の中で、スキャナ200の読み取り解像度は、印刷解像度よりも高いことが求められている。好ましくは、印刷解像度の整数倍に定められる。ここでは、テストパターンCPの印刷解像度が720dpiであるため、スキャナ200の読み取り解像度は、その4倍の2880dpiに定められている。また、原稿の種類としては反射原稿、イメージタイプとしては8bitのグレースケール、保存形式としてはビットマップ形式である。
<テストパターンCPの読み取り>
スキャナ200の初期設定が行われたならば、テストパターンCPの読み取りが行われる(S215)。このステップにおいて作業者は、スキャナ200に原稿(テストパターンCPが印刷された用紙S)をセットする。そして、補正値設定用プログラム320´のユーザーインタフェースを介して、テストパターンCPの濃度を読み取らせるための指示をする。この指示を受けると、ホスト側コントローラ310のCPU311は、原稿の濃度を読み取らせるための読み取りコマンド(制御コマンドの一種)をスキャナ200へ出力する。スキャナ側コントローラ210は、読み取りコマンドの受信により、読み取り機構220及び駆動機構230を制御して、用紙全体の濃度データを取得する。ここでは、読み取りキャリッジ223を所定方向(副走査方向)に移動させてテストパターンCPを読み取る。すなわち、所定濃度で印刷された帯状パターンBDの濃度を、帯状パターンBDの長手方向に沿って取得する。そして、スキャナ側コントローラ210は、取得した濃度データをコンピュータ300へ出力する。なお、このようにして取得された濃度データは、画素(ここでは、読み取り解像度で規定される大きさの領域)毎に濃度を表すデータとなり、画像を構成する。このため、以下の説明では、スキャナ200によって取得されたデータを、画像データともいう。そして、この画像データを構成する画素毎の濃度データを画素濃度データともいう。この画素濃度データは、濃度を示す階調値(読み取り値に相当)によって構成される。
スキャナ200からの画像データを受け取ると、ホスト側コントローラ310は、受け取った画像データから、各補正用パターンHPに対応する所定範囲Xaの画像データを取得する。図17Aに一点鎖線で示すように、この所定範囲Xaは、補正用パターンHPよりも一回り大きい矩形状の範囲として定められている。そして、ホスト側コントローラ310は、用紙全体の画像データから、補正用パターンHP毎の画像データを取得する。例えば、図17Aにおける左上に位置するシアンの補正用パターンHP(C)の場合、この補正用パターンHP(C)を囲む一点鎖線の所定範囲Xaが、シアンの補正用パターンHPの画像データ(便宜上、シアンパターンの画像データともいう。他の色についても同様。)となる。そして、この範囲は、予め定められたパラメータSX1,SY1,SW1及びSH1によって特定される。なお、パラメータSX1は所定範囲Xaの原点を示すX軸座標のデータであり、パラメータSY1は所定範囲Xaの原点を示すY軸座標のデータである。また、パラメータSW1は所定範囲XaのX軸方向の幅を示すデータであり、パラメータSH1は所定範囲XaのY軸方向の幅を示すデータである。これらのパラメータは、例えば、補正値設定用プログラム320´に記憶されている。従って、ホスト側コントローラ310は、これらのパラメータSX1,SY1,SW1及びSH1によって特定された所定範囲Xaについて画像データ(画素濃度データ)を取得する。なお、他の色の補正用パターンHPについても、原点を示すパラメータSX2,SY2を適宜用いることにより、同様な手順で画像データが取得される。
<補正用パターンHPの傾き補正>
次に、ホスト側コントローラ310は、画像データに含まれる補正用パターンHPの傾きθを検出し(S220)、この傾きθに応じた回転処理を画像データに対して行う(S225)。ここで、図18Aは、傾きθの検出時における画像データを説明する図である。図18Bは、回転処理後の画像データの説明図である。ホスト側コントローラ310は、取得した画像データの中から所定範囲の画素について画素濃度データを取得する。この例では、原点Pを基準として、X軸方向へKX1だけ離隔した位置にあり、且つ、Y軸方向へKH個の画素群について、画素濃度データを取得する。同様に、X軸方向へKX2だけ離隔した位置にあり、且つ、Y軸方向へKH個の画素群についても、画素濃度データを取得する。この場合において、パラメータKX1、KX2、及びKHは、取得される画素に右罫線RL及び左罫線LLに対応する画素が含まれないように定められる。また、上罫線ULに対応する画素が含まれるようにも定められる。そして、ホスト側コントローラ310は、上罫線ULの位置を検出するため、取得したKH個の画素濃度データ(階調値)について重心位置KY1、KY2をそれぞれ求める。そして、ホスト側コントローラ310は、パラメータKX1、KX2と、重心位置KY1、KY2とに基づいて、次式(1)によって補正用パターンHPの傾きθを算出し、算出された傾きθに基づいて、画像データの回転処理を行う。
θ = tan−1{(KY2−KY1)/(KX2−KX1)} …(1)
<補正用パターンHPのトリミング>
次に、ホスト側コントローラ310は、各補正用パターンHPの画像データから横罫線(上罫線UL,下罫線DL)を検出し(S230)、トリミングを行う(S235)。ここで、図19は、トリミングの際の画像データの説明図であり、上罫線ULでのトリミング位置の説明図である。なお、この説明では、図18Bも参照する。ホスト側コントローラ310は、回転処理された画像データの中から所定範囲の画素について画素濃度データを取得する。この例では、先程の回転処理と同様に、原点を基準として、X軸方向の位置がKX1及びKX2であって、Y軸方向へKH個の画素について、画素濃度データを取得する。次に、ホスト側コントローラ310は、取得したKH個の画素データの重心位置(濃度についての重心位置)KY1´、KY2´を、2つの画素群のそれぞれについて求め、求めた2つの重心位置KY1´、KY2´の平均値を上罫線ULの重心位置KYavとする。そして、ホスト側コントローラ310は、上罫線ULの重心位置KYavから列領域の幅の1/2だけ原点側の位置をトリミング位置に決定する。具体的には、この位置に最も近い画素同士の境界がトリミング位置に決定される。なお、ここでは、画像データの取得時における読み取り解像度が2880dpiであり、テストパターンCP印刷時における列領域の幅が720dpiであるので、列領域の幅の1/2は、画像データにおける2画素分の幅に相当する。そして、補正値取得プログラムは、決定されたトリミング位置よりも上側の画素を切り取り、トリミングを行なう。以上は、上罫線ULでのトリミング位置の説明であるが、下罫線DLでも同様な処理が行われる。すなわち、下罫線DLでのトリミングでは、下罫線DLの重心位置から列領域の幅の1/2だけ原点から離れた位置が、トリミング位置に決定される。
<解像度変換>
トリミングを行ったならば、ホスト側コントローラ310は、トリミングされた画像データの解像度を変換する(S240)。この処理では、画像データにおけるY方向の画素数が、補正用パターンHPを構成するラスタラインの数と同じになるように、画像データの解像度が変換される。仮に、解像度720dpiで印刷された補正用パターンHPが解像度2880dpiで読み取られたとする。この場合、理想的には、画像データにおけるY軸方向の画素数は、補正用パターンHPを構成するラスタラインの数の4倍となる。しかし、実際には印刷時や読み取り時における誤差等の影響により、ラスタラインの数と画素数とが整合しない場合がある。解像度変換は、このような不整合を解消すべく、画像データに対して行われる。
この処理において、ホスト側コントローラ310は、トリミングされた画像データに対して、次式(2)の演算を行い、解像度変換の倍率を算出する。
解像度変換の倍率=[補正用パターンHPを構成するラスタラインの数]/[トリミング後の画像データのY軸方向の画素数] …(2)
倍率が算出されたならば、この倍率で解像度変換処理を行う。解像度変換には種々の方法を用いることができるが、この例ではバイキュービック法が用いられている。その結果、Y軸方向に並ぶ画素の数と列領域の数とが等しくなり、X軸方向に並ぶ画素の列と列領域とが一対一で対応する。例えば、Y軸方向に関して最も原点に近い画素列は1番目の列領域に対応し、その次の画素列は2番目の列領域に対応する。言い換えれば、補正用パターンHPに関し、列領域を構成する単位領域毎に、画素濃度データが得られたことになる。従って、この補正値設定システム1000では、テストパターンCPの濃度を単位領域毎に読み取っているといえる。そして、テストパターンCPに対する濃度の読み取り単位と単位領域とが整合していることで、濃度ばらつきの評価や補正値の設定の対応付けが容易になり、作業性の向上が図れる。
<列領域毎の濃度取得>
次に、ホスト側コントローラ310は、補正用パターンHPにおける列領域毎の濃度を取得する(S245)。ここで、図20は、左罫線LLの検出を説明するための図である。図21は、帯状パターンBDについての濃度の測定範囲を説明する図である。列領域毎の濃度を取得するにあたり、ホスト側コントローラ310は、基準となる縦罫線(この例では左罫線LL)の位置を検出する。まず、ホスト側コントローラ310は、解像度変換された画像データの中から、所定範囲の画素について画素濃度データを取得する。例えば、図20に示すように、原点PからY軸方向にH2だけ離隔した位置であって、X軸方向にKX個の画素について画素濃度データを取得する。なお、X軸方向の画素数(KX個)は、取得される画素濃度データ群の中に、左罫線LLに対応する画素濃度データが含まれるように定められる。そして、ホスト側コントローラ310は、取得した画素濃度データ(階調値)について重心位置を求める。この重心位置は左罫線LLの中心位置に相当する。ここで、X軸方向に関し、左罫線LLから各帯状パターンBDまでの間隔は既知である。そこで、ホスト側コントローラ310は、左罫線LLの重心位置を基準にして各帯状パターンBD(BD(10)〜BD(100))を構成する画素を特定し、特定した画素について画素濃度データを取得する。例えば、濃度10%で印刷された帯状パターンBD(10)については、W4の範囲を除いた点線の範囲(幅W5の範囲)に属する各画素について、画素濃度データを取得する。そして、取得した画素濃度データの平均値を、1番目の列領域に対する濃度10%の読み取り濃度とする。他の列領域、及び、他の帯状パターンBDについても、同様にして読み取り濃度が取得される。なお、この読み取り濃度は、スキャナ200による濃度の測定値と表現することもできる。そして、取得された読み取り濃度については、ホスト側コントローラ310が有するメモリ312のデータテーブル(図3を参照。)に記憶される。すなわち、読み取り濃度は、インク色、パターンの印刷濃度、列領域の番号によって特定される領域に記憶される。なお、図3における濃度1〜濃度5は各帯状パターンBDの濃度を意味している。例えば、濃度1は濃度10%に対応し、濃度5は濃度100%に対応している。また、この補正値設定システム1000では、列領域毎の濃度を取得する際に、テストパターンCP以外の異物Zの濃度も読み取られているか否かを判定している。そして、異物Zの濃度も読み取られていると判定された場合には、その旨を報知してテストパターンCPの再読み取りを促したり、異物Zの部分を対象から外して濃度を算出したりする。この点については、後で説明する。
<補正値の取得>
列領域毎の読み取り濃度を取得したならば、ホスト側コントローラ310は、列領域毎の補正値を取得する(S250)。前述したように、1つの帯状パターンBDは、同じ指令階調値によって印刷されている。しかし、得られた列領域毎の読み取り濃度にはばらつきが生じている。このばらつきが印刷画像における濃度ムラの原因となっている。この濃度ムラをなくすためには、各帯状パターンBDに関し、列領域毎の読み取り濃度をできるだけ揃えることが求められる。このような観点から、補正値は、列領域毎の読み取り濃度に基づき、列領域毎に定められる。
ここでは、ある列領域における指令階調値Sb(濃度30%,階調値76)に対する補正値を取得する場合を例に挙げて説明する。ここで、図22は、補正値の取得に用いられる読み取り濃度の組み合わせを説明する図である。図23Aは、読み取り濃度が目標濃度よりも低い場合の補正値の取得を説明する図である。図23Bは、読み取り濃度が目標濃度よりも高い場合の補正値の取得を説明する図である。
この補正値設定システム1000において、ホスト側コントローラ310は、補正値の設定対象となる濃度について目標濃度を設定する。この例では、設定対象となる濃度の帯状パターンBDについて、各列領域の読み取り濃度の平均値が目標濃度として設定される。そして、ある列領域の補正値は、目標濃度との差に応じて定められる。つまり、補正値を取得するにあたり、各列領域の濃度のばらつきを評価しているといえる。補正値を列領域毎に設定するに際し、ホスト側コントローラ310は、設定対象となる濃度よりも高い高側濃度の読み取り濃度と、この濃度よりも低い低側濃度の読み取り濃度とを参照する。例えば、図22に示すように、指令階調値Sb(濃度30%)の補正値を設定する場合、高側濃度としては、指令階調値Sc(濃度30%,階調値128)の読み取り濃度が用いられる。一方、低側濃度としては、指令階調値Sa(濃度10%,階調値26)の読み取り濃度が用いられる。
そして、ある列領域の読み取り濃度が目標濃度よりも低かった場合には、図23Aに示すように、その列領域の読み取り濃度Cb及び指令階調値Sbと、高側濃度の対応する列領域における読み取り濃度Cc及び指令階調値Scとに基づいて、補正値が取得される。具体的には、ホスト側コントローラ310は、次式(3)に示す一次補間(直線YZに基づく一次補間)を行って、目標濃度に対応する指令階調値Sbtを算出し、次式(4)に示す演算を行って補正値Hbを取得する。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Cbt−Cb)/(Cc−Cb)} …(3)
Hb = (Sbt−Sb)/Sb …(4)
一方、ある列領域の読み取り濃度が目標濃度よりも高かった場合には、図23Bに示すように、その列領域の読み取り濃度Cb及び指令階調値Sbと、低側濃度の対応する列領域における読み取り濃度Ca及び指令階調値Saとに基づいて、補正値が取得される。具体的には、ホスト側コントローラ310は、次式(5)に示す一次補間(直線XYに基づく一次補間)を行って、目標濃度に対応する指令階調値Sbtを算出する。そして、前述した式(4)に示す演算を行って補正値Hbを取得する。
Sbt=Sb−(Sb−Sa)×{(Cbt−Cb)/(Ca−Cb)} …(5)
Hb = (Sbt−Sb)/Sb …(4)
ホスト側コントローラ310は、上記の演算を列領域毎に行って、階調値Sb(濃度30%)に対する補正値Hbを、列領域毎に取得する。同様に、階調値Sc(濃度50%)に対する補正値Hcも列領域毎に取得する。この場合、高側濃度としては、指令階調値Sd(濃度70%,階調値179)の読み取り濃度が用いられ、低側濃度としては、指令階調値Sb(濃度30%,階調値76)の読み取り濃度が用いられる。さらに、階調値Sd(濃度70%)に対する補正値Hdも列領域毎に取得する。このようにして取得された補正値Hb,Hc,Hdについては、一旦ホスト側コントローラ310のメモリ312(例えば、ワークメモリ)に記憶される。その後、プリンタ側コントローラ150が有するメモリ152に記憶される。
ところで、前述したように、通常処理にて形成されるラスタライン群に関し、各ラスタラインを担当するノズルNzの組み合わせには周期性がある。このため、通常処理部用の補正値は、この周期性が考慮されて定められる。すなわち、1周期分の列領域について補正値が定められる。この場合、複数周期のそれぞれについて仮補正値を列領域毎に算出し、対応する列領域の仮補正値を平均して、その列領域の補正値とする。
<補正値の記憶>
補正値を取得したならば、ホスト側コントローラ310は、取得した補正値をプリンタ側コントローラ150のメモリ152(補正値記憶部152a,図11を参照。)へ記憶させる(S255)。ここで、図24は、補正値記憶部152aに記憶される補正値を説明するための図である。この場合、ホスト側コントローラ310は、プリンタ100と通信をして、補正値を記憶できる状態にする。そして、ホスト側コントローラ310は、そのメモリ312に記憶されている補正値を転送し、プリンタ側コントローラ150のメモリ152へ記憶させる。図11に示すように、補正値記憶部152aには、先端処理用補正値の記憶領域、通常処理用補正値の記憶領域、後端処理用補正値の記憶領域が設けられている。また、これらの記憶領域は、図24で詳細に示すように、列領域に対応して複数設けられている。なお、通常処理部の記憶領域は、前述したように1周期分の数となっている。従って、補正値記憶部152aには、列領域毎に、濃度が異なる3種類の補正値が記憶される。さらに、この組が、インクの種類毎に設けられる。なお、図24において、濃度2とあるのは、薄い側から2番目の濃度であることを意味し、ここでは濃度30%が対応する。同様に、濃度3は濃度50%が、濃度4は濃度70%がそれぞれ対応している。
===ユーザー下での処理について===
<印刷システム>
前述した手順により、プリンタ側コントローラ150のメモリ152(補正値記憶部152a)に補正値が記憶されたプリンタ100は、他の検査が行われ、工場から出荷される。この出荷時において、プリンタ100には、プリンタドライバ330を記憶したCD−ROMも同梱される。そして、このプリンタ100を購入したユーザーは、所有するコンピュータ(もちろん、工場のコンピュータ300とは別のコンピュータ)にプリンタ100を接続して印刷システムを構築する。ここで、印刷システムとは、補正値が設定された印刷装置と印刷制御装置とを少なくとも含むシステムのことである。ここで、印刷制御装置は、例えばユーザーが所有するコンピュータによって構成され、アプリケーションプログラムやプリンタドライバがインストールされている。ここで、プリンタ100のメモリ152に記憶された補正値は、プリンタドライバのインストール時にコンピュータへ転送してもよい。また、印刷時において、メモリ152に記憶された補正値をコンピュータ300によって参照させるようにしてもよい。なお、プリンタドライバは、CD−ROMに限らず、通信回線を通じてダウンロードしてもよい。
<印刷動作>
電源が投入されると、プリンタ100は、コンピュータ300から印刷データが送られてくるのを待つ。コンピュータ300から印刷データが送られると、印刷動作を行う。この印刷動作の基本的な動作は、テストパターンCPの印刷動作と同じである。このため詳細な説明は省略する。そして、ユーザーの下での印刷動作では、補正値を使って列領域毎に画素データの補正をする点が、テストパターンCPの印刷動作と異なっている。すなわち、コンピュータが有するホスト側コントローラ310は、色変換処理の後に濃度補正処理を行う。そして、濃度補正された多階調の画素データに対してハーフトーン処理を行う。以下、この点について説明する。ここで、図25は、画素データに対する濃度補正処理を説明するための図である。この濃度補正処理は、各画素データの階調値を補正値に基づいて補正する処理である。この場合において、補正値は、列領域に対応して定められたものが用いられる。前述したように、ここでは、その列領域について、濃度30%(階調値76)と、濃度50%(階調値128)と、濃度70%(階調値179)とに対応する3つの補正値が対応付けられている。そして、ホスト側コントローラ310は、これら3つの補正値に基づいて、その列領域に属する単位領域の画素データを補正する。すなわち、色変換処理で得られた画素データの階調値S_inから補正後の階調値S_outを求め、この階調値S_outをハーフトーン処理する。
仮に、補正前の画素データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、ホスト側コントローラ310は、階調値S_inを目標指令階調値Sbtに補正すれば、用紙上のその画素に目標濃度Cbtに対応するドットを形成できる。これに対し、補正前の階調値S_inが指令階調値とは異なる階調値SIの場合、例えば、図25に示すような直線補間によって、出力すべき階調値SOが求められる。但し、これに限られるものではない。例えば、各指令階調値に対応する各補正値(Hb、Hc、Hd)の間を曲線で補完しても良い。
以上の濃度補正処理により、濃く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する単位領域の画素データ(CMYKデータ)の階調値が低くなるように補正される。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する単位領域の画素データの階調値が高くなるように補正される。なお、他の色の列領域に対しても、プリンタドライバは、同様に補正処理を行う。
このようにして生成された印刷データをプリンタ100へ出力することにより、プリンタ100による印刷画像は、各列領域に対応する画像片の濃度が補正されて、画像全体の濃度ムラが抑制される。
===参考例の異物濃度の読み取り判定について===
<テストパターンCP上における異物Zの問題点>
前記テストパターンCP(色毎の補正用パターンHP)が印刷された紙やスキャナ200の原稿台ガラス221には、ホコリやゴミ等の異物Zが付着することがある。そして、例えば、図26Aに示すように、濃度10%の帯状パターンBDの通常処理部上に異物Zが付着した場合には、スキャナ200による補正用パターンHPの濃度読み取り時において、この異物Zの濃度も読み取られてしまう。
図26Bに、異物Zの付着による読み取り濃度の変化を説明するための図を示すが、異物Zの色が帯状パターンBDの色と異なった場合には、同図に示すように、異物Zが付着した列領域と付着のない列領域との間には、読み取り濃度に差が生じてしまう。この例では、図26Aのように通常処理部に異物Zが付着しており、これに伴って、図26Bに示すように、異物Zの付着している列領域は他の列領域よりも読み取り濃度の値が乖離している。そして、この読み取り濃度の値の乖離は、列領域毎の補正値の精度に対して悪影響を与え、前述の濃度補正が奏すべき濃度ムラの抑制効果が得られなくなる虞がある。
そこで、図16Aの「補正値の取得・記憶処理(S200)」における、補正用パターンHPから濃度を列領域毎に取得する処理(図16B中のS245の「列領域毎の濃度取得処理」)では、異物Zの濃度も読み取られているか否かの判定も行っている。そして、異物Zの濃度も読み取られていると判定した場合には、その旨を前記表示装置400に表示し、作業者に清掃等を促すようにしている。
<列領域の濃度取得処理(S245)>
前述したように、各帯状パターンBDは、先端処理部、通常処理部、及び、後端処理部を有している。そして、異物Zの検出対象範囲は、図26A及び図26Bに示すように帯状パターンBDにおけるY軸方向の両端部を除く部分に定められる。従って、1つの帯状パターンBDは、先端処理部内の未使用部(以下、先端側未使用部ともいう。)、先端処理部、通常処理部、後端処理部、及び、後端処理部内の未使用部(以下、後端側未使用部ともいう。)を有しており、異物Zの検出は、未使用部を除いた3つの処理部で行われる。そして、両未使用部及び各処理部は、列領域の番号で区別することができる。このため、この「列領域の濃度取得処理(S245)」において、ホスト側コントローラ310は、列領域の番号に基づき、その列領域がどの処理部に属しているのかを判断し、異物Zの判定を行っている。
以下、列領域の濃度取得処理(S245)について説明する。ここで、図27は、列領域の濃度取得処理(S245)のフローチャートである。この処理において、ホスト側コントローラ310は、まず、列領域の番号を示すカウント値としてN=1を設定し(S310)、N番目の列領域が先端側未使用部であるか判断する(S315)。この判断は、例えば、ホスト側コントローラ310のメモリ312に記憶された列領域の個数情報に基づいて行われる。すなわち、先端処理部の列領域数を示す情報及び後端処理部の列領域数を示す情報と、未使用部の列領域数を示す情報とに基づいて判断が行われる。
ここで、N番目の列領域が、先端側未使用部であると判断された場合、ホスト側コントローラ310は、列領域の番号を示すカウント値を1つ増加させ(S320)、ステップS315の処理へ戻る。従って、対象となる列領域が先端側未使用部に属している間は、これらのステップS315の処理とステップS320の処理とが繰り返し行われる。そして、N番目の列領域が先端側未使用部ではないと判断された場合、ホスト側コントローラ310は、N番目の列領域が先端処理部であるか判断する(S325)。ここで、先端処理部と判断された場合、前記N番目の列領域に対して濃度取得処理(S350)が行われる。なお、この濃度取得処理(S350)については、後で詳細に説明する。以後は、列領域を変えながら同様な処理を行う。すなわち、N番目の列領域が通常処理部であるか否かが判断され(S335)、通常処理部と判断された場合には、前記N番目の列領域に対して濃度取得処理(S350)が行われる。また、N番目の列領域が後端側未使用部であるか否かが判断され(S345)、後端側未使用部ではないと判断された場合、その列領域は後端処理部と判断され、前記N番目の列領域に対して濃度取得処理(S350)が行われる。一方、N番目の列領域が後端側未使用部であると判断された場合、作業者に報知等をするためのエラー処理が行われる(S355)。このエラー処理は、前記メモリ312に、後記異物有り情報が記憶されている場合に、前記表示装置400に異物有りエラーメッセージを表示する処理である。なお、異物有り情報が記憶されていなければ、この異物有りエラーメッセージは表示されないのは言うまでもない。そして、このエラー処理が行われたら、当該「列領域の濃度取得処理(S245)」に係る一連の処理が終了して、図16Bの補正値取得・記憶処理(S200)に復帰する。
<濃度取得処理(S350)>
前述したように、N番目の列領域が、未使用部を除く先端処理部、通常処理部、及び未使用部を除く後端処理部であった場合、その列領域に対して濃度取得処理(S350)が行われる。
図28は、各列領域に対して行われる濃度取得処理(S350)のフローチャートである。また、図29Aは、ある帯状パターンBDにおいて、異物Zが付着した部分を示す拡大図であり、図29Bは、濃度取得処理(S350)の処理対象の列領域について、画素毎に取得された画素濃度データ(階調値)を説明する図である。なお、図29Bの横軸の目盛りは、X軸方向に並ぶ各画素の位置を示している。
この濃度取得処理(350)は、基本的には、図21を参照して前述したように、処理対象の列領域に属する複数の画素濃度データを平均化し、当該平均値をその列領域の読み取り濃度(その列領域の濃度の代表値に相当)として取得する処理である。そして、この列領域の読み取り濃度の取得に伴わせて、その読み取り濃度に異物Zの濃度も読み取られているか否かの判定(異物濃度の読み取り判定)が行われる。
詳細には、先ず、図28のステップS402において、処理対象の列領域に属する画素濃度データを取得する。ここでは、図29Aに示すように、前記列領域のX軸方向の両端からそれぞれW4の範囲を除いた一点鎖線の範囲(幅W5の範囲)に属する画素濃度データを取得する。
次に、図29Bに示すように、取得された画素濃度データの最大値と最小値との偏差が求められる(S404)。そして、この偏差が所定の異物判定閾値未満である場合には、その列領域に属する画素濃度データには異物Zの濃度は読み取られていないと判定して(S406)、ステップS408をスキップしてステップS410へ移行する。そして、このステップS410では、前記ステップS402で取得された全ての画素濃度データを平均し、その平均値を、その列領域における読み取り濃度(濃度の代表値に相当)として、ホスト側コントローラ310のメモリ312の前記データテーブル(図3を参照)に記憶する。
他方、前記ステップS406において、前記偏差が前記異物判定閾値以上の場合には、その列領域の測定値には異物Zの濃度も読み取られていると判定して(S406)、ホスト側コントローラ310のメモリ312に異物有り情報を記録する(S408)。
そして、ステップS410へ移行したら、上述と同様に、前記ステップS402で取得された全ての画素濃度データを平均し、その平均値を、その列領域における読み取り濃度として、ホスト側コントローラ310のメモリ312の前記データテーブルに記憶する。
そして、このステップS410が終了したら、図27の「列領域毎の濃度取得処理」へ復帰し、つまり、図27のステップS350は終了して、次のステップS320へ移行する。
===参考例の異物濃度の読み取り判定の問題点について===
上述した参考例の異物濃度の読み取り判定では、異物Zの濃度が読み取られているか否か判定を、その列領域の前記幅W5の範囲に属する画素濃度データの最大値と最小値との偏差のみに基づいて行っていたが、このような偏差のみに基づく判定では、上述の補正値の精度への影響度合いの小さい微小サイズのゴミに対しても、異物Zが読み取られているとの判定が下される場合がある。
つまり、図30A及び図30Bに示すように、平面寸法が極めて小さいゴミ、すなわち、画素濃度データを平均化して読み取り濃度を求める場合には実質的に問題の無いサイズのゴミであっても、異物Zの濃度を読み取っていると判定してしまい、その結果として、前記補正の設定処理の作業者は、僅かなゴミでも清掃等の除去作業を強いられる虞があって、その判定の適正さの点で問題が有った。
そこで、以下に説明する本実施形態に係る異物濃度の読み取り判定では、画素濃度データに係る偏差だけではなく、前記偏差に基づき検出されたテストパターンCP上の異物Zの大きさも加味して、異物Zの濃度も読み取られているか否かを判定している。そして、その結果、平面寸法が小さく実質的に問題の無い微小サイズの異物Zに対してまで異物Zの濃度が読み取られていると過剰判定してしまうのを防いでいる。
===本実施形態に係る異物濃度の読み取り判定について===
図31は、本実施形態に係る異物濃度の読み取り判定の説明図であって、ステップS350の濃度取得処理のフローチャートである。なお、この異物濃度の読み取り判定は、上述の参考例と同じく濃度取得処理(S350)の一部として行われるため、この濃度取得処理(S350)のフローチャートを用いて説明する。
また、図32A乃至図32C、及び、図33A乃至図33Cは、それぞれに、異物濃度の読み取り判定の説明図であって、前述の図29A及び図29Bと同じ様式で示している。
先ず、図31のステップS502においては、処理対象の列領域に属する画素濃度データを取得する。すなわち、前述の参考例と同様、図32Aに示すように前記列領域のX軸方向の両端からそれぞれW4の範囲を除いた一点鎖線の範囲(幅W5の範囲)に属する画素濃度データを取得する。
次に、ステップS504においては、取得された画素濃度データの最大値と最小値のどちらが異物側の濃度を示しているかを判定し、異物側の濃度でない方の値を基準値とする。
この最大値と最小値のどちらが異物側の濃度であるかの判定は、例えば、次のようにして行われる。先ず、図32Bに示すように、取得された画素濃度データの最大値と最小値とを相加平均することによって画素濃度データの中央値を求め、この中央値を境に、これよりも大きい画素濃度データの個数と小さい画素濃度データの個数とをそれぞれカウントして求める。そして、図32Bに示すように、前者の個数の方が後者よりも多い場合には、画素濃度データの最小値が異物側の濃度であると判定され、その場合には、図32Cのように画素濃度データの最大値が基準値となる。逆に、図33Bに示すように、後者の個数の方が多い場合には、画素濃度データの最大値が異物側の濃度であると判定され、図33Cのように画素濃度データの最小値が基準値となる。
次に、ステップS506においては、ステップS502で取得された画素濃度データのなかで、前記基準値からの偏差が所定の濃度偏差用閾値ΔVを超える画素濃度データの個数をカウントし、この個数を、異物Zの濃度を読み取った虞のある画素濃度データの個数とする。
例えば、図32Cに示すように画素濃度データの最大値が基準値となった場合には、当該最大値から前記濃度偏差用閾値ΔVを減算した値V1を下回る画素濃度データの個数Ftをカウントして求める。逆に、図33Cに示すように画素濃度データの最小値が基準値になった場合には、当該最小値に前記濃度偏差用閾値ΔVを加算した値V2を上回る画素濃度データの個数Ftをカウントして求める。
そして、このようにして、異物Zの濃度を読み取った虞のある画素濃度データの個数Ftが求まったら、この個数Ftを、ステップS502で取得された画素濃度データの全ての個数Fsで除算することによって、その列領域に対する異物Zの占有率R(列領域の面積に対する異物Zの面積の占める割合のようなもの:R=Ft/Fs)を求める(S508)。
そうしたらステップS510へ移行し、この占有率Rを用いて、異物Zの濃度も読み取られているか否かの判定を行う。
この判定は、所定の第1占有率用閾値Rth1に基づいて行われる。すなわち、前記占有率Rが前記第1占有率用閾値Rth1未満である場合には、異物Zの濃度を読み取っていないと判定される。そして、ステップS512をスキップしてステップS514へ移行し、このステップS514では、前記ステップS502で取得された全ての画素濃度データを平均し、その平均値を、その列領域の読み取り濃度(濃度の代表値に相当)としてメモリ312の前記データテーブル(図3を参照)に記憶する。そして、このステップS514が終了したら、図27の「列領域毎の濃度取得処理(S245)」へ復帰する。
一方、ステップS510において占有率Rが前記第1占有率用閾値Rth以上の場合には、異物Zの濃度も読み取っていると判定されて、前記メモリ312に異物有り情報を記憶する(S512)。そして、ステップS514へ移行したら、上述と同様に、前記ステップS502で取得された全ての画素濃度データを平均し、その平均値を、その列領域における読み取り濃度として、ホスト側コントローラ310のメモリ312の前記データテーブルに記憶する。そして、図27の「列領域毎の濃度取得処理(S245)」へ復帰する。
なお、上記第1占有率用閾値Rth1及び前記濃度偏差用閾値ΔVは、ホスト側コントローラ310のメモリ312に予め記憶されており、これについては後述する。
<上述の濃度偏差用閾値ΔVについて>
図34A及び図34Bは、前記濃度偏差用閾値ΔVを参照するための参照テーブルである。図34A及び図34Bに示すように、これら参照テーブルは、インクの色材毎に別テーブルになっており、図34Aには染料インクの参照テーブルが示され、また、図34Bには顔料インクの参照テーブルが示されている。そして、それぞれの参照テーブルにおいて前記濃度偏差用閾値ΔVは、インクの色、帯状パターンBDの濃度、及び、処理部毎にそれぞれ適したものとして定められ、もって、インクの色材、インクの色、帯状パターンBDの濃度、及び、各処理部に適した条件で判定を行えるようになっている。
このような濃度偏差用閾値ΔVは、以下の決定方法によって予め決定される。
先ず、この決定方法の基本的な考え方から説明する。通常、テストパターンCPから濃度を読み取る際に異物Zの濃度も読み取ってしまった場合には、前記補正値は本来あるべき真値からずれた値となる。そして、そのような補正値に基づいて濃度補正処理を行っても、濃度ムラは改善されないどころか逆に悪化する。一方、前記濃度偏差用閾値ΔVは、前記テストパターンCPから異物Zを検出するための濃度に関する閾値である。
よって、この濃度偏差用閾値ΔVの決定方法としては、異物Zの濃度をテストパターンCPの濃度から段階的に異ならせていき、各段階で得られた補正値に基づいて濃度補正処理を行って印刷されたテストパターンCPの濃度ムラをそれぞれ観察し、濃度ムラを目視確認できるようになった段階の異物Zの濃度水準に基づいて前記濃度偏差用閾値ΔVを決めるのが最も適当である。そして、この方法の処理の流れは、前述した補正値の設定処理((図16A及び図16Bを参照)のステップと類似している。
従って、ここでは、以下に説明するように、前記補正値の設定処理を利用した図35A及び図35Bのフローチャートに従って、濃度偏差用閾値ΔVを決定している。なお、図35A及び図35Bのフローチャートのなかで、点線で囲って示すステップが、図16A及び図16Bに係る補正値の設定処理との相違点であり、それ以外の部分は基本的に、前記補正値の設定処理のフローチャートと同じである。以下、図35A及び図35Bを参照しながら、濃度偏差用閾値ΔVの決定方法について詳細に説明する。
先ず、濃度ムラが殆ど無く均一な濃度でテストパターンCPを印刷可能な、高精度にノズルが組み付けられたプリンタ100を用意する。そうしたら、前述の補正値の設定処理と同様、テストパターンCPの印刷データに基づいて前記プリンタ100にテストパターンCPを印刷させるとともに(S100)、印刷されたテストパターンCPをスキャナ200に読み取らせてその画像データを取得し(S210、S215)、その画像データに対してステップS220及びS225の処理を実行する。
次に、この画像データに対して模擬異物Zsを書き込んで、模擬異物付きの画像データを作成する(S227)。この模擬異物Zsの書き込み作業は、photoshop(商標:Adobe Systems Inc製)等の画像編集用アプリケーションを用いて達成される。
図36は、この模擬異物Zsを書き込んだ補正用パターンHPの画像データのイメージ図である。ここでは、シアンインクの補正用パターンHPに係る濃度10%の帯状パターンBDにおける後端処理部に対してだけ、模擬異物Zsが書き込まれる様子を示しているが、濃度偏差用閾値ΔVを決めるべき他の領域に対しても同様に書き込まれる。
この模擬異物Zsは、前記印刷されたテストパターンCP上において、その寸法が例えば0.35mm四方の正方形状になるように書き込まれる。この模擬異物Zsの寸法は、付着が想定される異物Zsの平均サイズをサンプル調査する等して予め決められる。
そうしたら、この模擬異物付きの画像データに基づいてステップS230乃至S255のステップを実行して、各列領域の補正値を取得する。なお、このステップS230乃至S255は、前述の図16Bの補正値の設定処理と同じである。
次に、これら補正値を用いて濃度補正処理をしながら前記プリンタ100に、テストパターンCPの印刷データに基づいてテストパターンCPを印刷させる(S600)。なお、ここで用いる前記印刷データは、前記ステップS100にてテストパターンCPの印刷に用いた印刷データである。
そして、この印刷されたテストパターンCP上に現れる濃度ムラの状態を作業者が目視評価する(S700)。
以上のステップ100からステップS700に亘る処理を、模擬異物Zsの濃度水準を段階的に大きくしながら繰り返し実行する。そして、濃度ムラを目視確認できるようになった濃度水準に対して、その模擬異物Zsに係る濃度と帯状パターンBDの濃度との偏差をグレースケールで求め、この偏差が、前記シアンインクの補正用パターンHPに係る濃度10%の帯状パターンBDにおける後端処理部に対する濃度偏差用閾値ΔVとなる。
なお、ここでは、シアンインクの補正用パターンHPに係る濃度10%の帯状パターンBDにおける後端処理部に対する濃度偏差用閾値ΔVについて説明したが、これ以外の濃度偏差用閾値ΔVも、同様の方法でそれぞれ求められる。
また、前記第1占有率用閾値Rthは、当該閾値Rth1が列領域に対する異物Zの占有率のための閾値であることから、前述した模擬異物Zsの寸法に基づいて決定される。すなわち、図36に示す模擬異物ZsのX軸方向の幅をWsとし、図32Aに示す列領域のX軸方向の両端からW4の範囲を除いた範囲の幅をW5とした場合には、前記第1占有率用閾値Rthは、WsをW5で除算することで求められる(Rth1=Ws/W5)。
なお、ここでは、上述の濃度偏差用閾値ΔVの決定方法のフローチャートは、前述の補正値設定プログラムを利用して行われるが、図35A及び図35Bのフローチャートを行う専用のプログラムを用意して、それに実行させても良いのは言うまでもない。
<異物濃度の読み取り判定の変形例>
前述の実施形態では、図31に示すように、ステップS510において占有率Rが第1占有率用閾値Rth1以上となる場合には、前記メモリ312に異物有り情報を記憶して、作業者に異物有りエラーメッセージを報知するようにしていた。
しかしながら、前記占有率Rが前記第1占有率用閾値Rth1以上であっても、この占有率Rがある程度小さい場合には、異物Zに該当する画素濃度データを除外すれば、それらの平均値によって読み取り濃度を取得できると考えられる。つまり、平均値を求めるための画素濃度データの母数(母集団)(=Fs―Ft(例えば図31Cを参照))を十分に確保できる場合には、それらの平均値によっても十分信頼に足る読み取り濃度を取得可能である。そして、そのような場合には、作業者に対して異物有りエラーメッセージを報知する必要はないと考えられる。
そこで、本変形例では、前記第1占有率用閾値Rth1に加えて、これよりも大きい値の第2占有率用閾値Rth2が前記メモリ312に記憶されている。そして、前記占有率Rが前記第1占有率用閾値Rth1以上であっても、当該第2占有率用閾値Rth2未満であれば、異物Zに該当する画素濃度データを除外して平均化することで十分信頼に足る読み取り濃度を取得できると考えて、その場合には前記メモリ312に異物有り情報を記憶しないようにしている。その結果、作業者の更なる作業負荷軽減が図られている。
図37は、本変形例の説明図であって、ステップS350の濃度取得処理のフローチャートである。なお、前述の実施形態の濃度取得処理(S350)のフローチャート(図31)との主な相違点は、図37に示すように、ステップS510以降のステップ(点線で囲って示す範囲を参照)にあるので、ここでは、主にこれらステップS510乃至S520について説明する。
先ず、ステップS510では、前述と同様に、占有率Rは第1占有率用閾値Rth1と比較され、そして、占有率Rが前記第1占有率用閾値Rth1未満である場合には、異物Zの濃度を読み取っていないと判定されてステップS514へ移行する。そして、このステップS514では、前記ステップS502で取得された全ての画素濃度データを平均し、その平均値を、その列領域の読み取り濃度としてメモリ312の前記データテーブル(図3を参照)に記憶し、図27の「列領域毎の濃度取得処理(S245)」へ復帰する。
一方、ステップS510において、占有率Rが前記第1占有率用閾値Rth1以上の場合には、ステップS516へ移行する。そして、このステップS514では、前記占有率Rは、前記第1占有率用閾値Rth1よりも大きい値の第2占有率用閾値Rth2と比較される。ここで、この占有率が第2占有率用閾値未満の場合には、ステップS518をスキップしてステップS520へ移行する。そして、このステップS520では、異物Zに該当する画素濃度データを除外して求められた画素濃度データの平均値を、その列領域の読み取り濃度としてメモリ312の前記データテーブルに記憶する。なお、ここで言う、異物Zに該当する画素濃度データというのは、前述の個数Ftを構成する画素濃度データのことである(図32C及び図33Cを参照)。
他方、ステップS516において、前記占有率Rが第2占有率用閾値Rth2以上の場合には、もはや画素濃度データの母数(母集団)は、信頼に足る読み取り濃度を取得するには不十分な数であると判定して、前記メモリ312に異物有り情報を記憶する(S518)。そして、ステップS520へ移行したら、上述と同様に、異物Zに該当する画素濃度データを除外して求められた画素濃度データの平均値を、その列領域の読み取り濃度としてメモリ312の前記データテーブルに記憶する。そして、このステップS520が終了したら、図27の「列領域毎の濃度取得処理(S245)」へ復帰する。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてプリンタ100を有する補正値設定システム1000について記載されているが、その中には、補正値取得方法や補正値設定方法等の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはい言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<印刷方式について>
前述した実施形態では、印刷方式としてインターレース方式を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、オーバーラップ方式であっても良い。このオーバーラップ方式とは、1つのラスタラインを異なる複数のノズルNzで形成する印刷方式である。
<印刷システムについて>
印刷システムに関し、前述の実施形態では、印刷装置としてのプリンタ100と、印刷制御装置としてのコンピュータ300とが別々に構成されているものについて説明したが、この構成に限定されない。印刷システムは、印刷装置と印刷制御装置とが一体になっているものであっても良い。また、スキャナ200が一体になっているプリンタ・スキャナ複合装置であってもよい。この複合装置であれば、ユーザーの下で補正値を再度設定することも容易である。すなわち、補正値設定システムを簡単に構築できる。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタ100の実施形態であったので、染料インク又は顔料インクをノズルNzから噴射させていた。しかし、ノズルNzから噴射させるインクは、このようなインクに限られるものではない。
<他の応用例について>
また、前述の実施形態では、プリンタ100が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
補正値設定システムの構成を説明する図である。 補正値設定システムの全体構成を説明するブロック図である。 読み取り濃度のデータテーブルを説明するための図である。 プリンタドライバに基づく処理を説明する図である。 階調値とドット生成率の関係を説明する図である。 スキャナの内部構成を説明するための正面図である。 スキャナの構成を説明するための平面図である。 プリンタの内部構成を説明する斜視図である。 プリンタの内部構成を説明する側面図である。 ノズルの配列を説明する図である。 プリンタ側コントローラが有するメモリの領域を説明する図である。 印刷時における処理を説明するフローチャートである。 インターレース印刷の例を説明する図である。 図14Aは、理想的な吐出特性で形成されたドット群を説明する図である。図14Bは、吐出特性のばらつきの影響を説明する図である。 濃度ムラを説明するための概念図である。 図16Aは、補正値の設定処理のフローチャートである。図16Bは、補正値の取得・記憶処理のフローチャートである。 図17Aは、テストパターンの説明図である。図17Bは、補正用パターンの説明図である。 図18Aは、傾きの検出時における画像データを説明する図である。図18Bは、回転処理後の画像データの説明図である。 トリミングの際の画像データの説明図である。 左罫線の検出を説明するための図である。 帯状パターンについての濃度の測定範囲を説明する図である。 補正値の取得に用いられる読み取り濃度の組み合わせを説明する図である。 図23Aは、読み取り濃度が目標濃度よりも低い場合の補正値の取得を説明する図である。図23Bは、読み取り濃度が目標濃度よりも高い場合の補正値の取得を説明する図である。 補正値記憶部に記憶される補正値を説明するための図である。 濃度補正処理を説明するための図である。 補正用パターンに異物が付着した様子を説明する図である。 異物の付着による読み取り濃度の変化を説明するための図である。 列領域の濃度取得処理(S245)を説明するフローチャートである。 各列領域に対して行われる濃度取得処理(S350)のフローチャートである。 図29Aは、ある帯状パターンにおいて、異物が付着した部分を示す拡大図である。図29Bは、濃度取得処理(S350)の処理対象の列領域について、画素毎に取得された画素濃度データ(階調値)を説明する図である。 図30A及び図30Bは、平面寸法が極めて小さいゴミが付着した場合の説明図であって、それぞれに、図29A及び図29Bと同じ様式で示された図である。 本実施形態に係る異物濃度の読み取り判定の説明図であって、ステップS350の濃度取得処理のフローチャートである。 図32A乃至図32Cは、それぞれ、異物濃度の読み取り判定の説明図である。 図33A乃至図33Cは、それぞれ、異物濃度の読み取り判定の説明図である。 図34A及び図34Bは、それぞれ、前記濃度偏差用閾値を参照するための参照テーブルである。 図35A及び図35Bは、濃度偏差用閾値の決定方法のフローチャートである。 模擬異物を書き込んだ画像データのイメージ図である。 異物濃度の読み取り判定の変形例の説明図であって、ステップS350の濃度取得処理のフローチャートである。
符号の説明
100 プリンタ,110 用紙搬送機構,111 給紙ローラ,
112 搬送モータ,113 搬送ローラ,114 プラテン,
115 排紙ローラ,120 キャリッジ移動機構,
121 キャリッジモータ,122 ガイド軸,
123 タイミングベルト,124 駆動プーリー,
125 アイドラプーリー,130 ヘッドユニット,
131 ヘッド,140 検出器群,141 リニア式エンコーダ,
142 ロータリー式エンコーダ,143 紙検出器,
144 紙幅検出器,150 プリンタ側コントローラ,
151 CPU,152 メモリ,153 制御ユニット,
154 インタフェース部,200 スキャナ,
210 スキャナ側コントローラ,211 CPU,212 メモリ,
213 インタフェース部,220 読み取り機構,
221 原稿台ガラス,222 原稿台カバー,
223 読み取りキャリッジ,224 露光ランプ,225 レンズ,
226 ミラー,227 ガイド支持部,
228 CCDイメージセンサ,230 駆動機構,
231 規制ガイド,232 支持レール,233 駆動部,
234 タイミングベルト,235 駆動プーリー,
236 パルスモータ,237 アイドラプーリー,
300 コンピュータ,310 ホスト側コントローラ,
312 メモリ,313 第1インタフェース部,
314 第2インタフェース部,320 アプリケーションプログラム,
320´ 補正値設定用プログラム,330 プリンタドライバ,
340 ビデオドライバ,350 スキャナドライバ,
400 表示装置,500 入力装置,
600 記録再生装置,1000 補正値設定システム,
CR キャリッジ,Nz ノズル,Nk ブラックインクノズル列,
Nc シアンインクノズル列,Nm マゼンタインクノズル列,
Ny イエローインクノズル列,CP テストパターン,
HP 補正用パターン,BD 帯状パターン,
UL 上罫線,DL 下罫線,LL 左罫線,RL 右罫線,
Xa 所定範囲,Z 異物,模擬異物 Zs

Claims (13)

  1. 所定濃度で媒体上に印刷されたテストパターンから濃度を読み取り部によって読み取る際に、前記テストパターン上の異物の濃度も読み取られているか否かを判定する異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    所定の基準値に対する濃度の読み取り値の偏差の大きさが、所定の濃度偏差用閾値を超える前記テストパターン上の部分を検出するステップと、
    検出された前記部分の大きさに基づいて、前記異物の濃度が読み取られているか否かの判定を行うステップと、
    を有することを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
  2. 請求項1に記載の異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    前記テストパターンは、移動方向にノズルを移動させながら前記ノズルからインクを吐出するインク吐出動作と、前記移動方向と交差する搬送方向に前記媒体を搬送する搬送動作とを繰り返すことによって印刷され、
    前記テストパターンの濃度の読み取り値は、前記移動方向に隣接するとともに前記搬送方向に隣接する単位領域毎に生成されることを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
  3. 請求項2に記載の異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    前記テストパターンは、前記移動方向に隣接する複数の前記単位領域から構成される列領域単位で、前記搬送方向に関して区分され、
    前記列領域毎に、前記部分が検出されることを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
  4. 請求項3に記載の異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    前記部分の大きさは、検出対象の列領域に対して前記部分が占める大きさの割合たる占有率として求められ、
    求められた前記占有率が所定の第1占有率用閾値以上の場合に、異物の濃度が読み取られていると判定されることを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
  5. 請求項4に記載の異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    検出対象の列領域について前記読み取り値が取得された単位領域の総数をFsとするとともに、該列領域において前記基準値に対する前記読み取り値の偏差の大きさが、前記濃度偏差用閾値を超える単位領域の個数をFtとした場合に、前記占有率Rは以下の式から算出されることを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
    R=Ft/Fs
  6. 請求項3乃至5のいずれかに記載の異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    前記基準値は、前記列領域毎に決定されることを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
  7. 請求項6に記載の異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    前記基準値の決定に際しては、検出対象の列領域に係る前記読み取り値の最大値及び最小値のどちらが異物側の濃度を示しているのかが判定され、
    前記最大値及び前記最小値のうちで、前記異物側の濃度であると判定されなかった方の値が、その列領域についての前記基準値と決定されることを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
  8. 請求項7に記載の異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    前記最大値と前記最小値との中央値を境として、該中央値よりも前記読み取り値が大きい単位領域の数と、小さい単位領域の数とを、前記列領域毎にカウントし、
    前記大きい単位領域の数の方が少ない列領域については、前記最大値を前記異物側の濃度であると判定する一方、
    前記小さい単位領域の数の方が少ない列領域については、前記最小値を前記異物側の濃度であると判定することを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。
  9. 請求項4乃至8のいずれかに記載の異物の濃度の読み取り有無判定方法を用いながらテストパターンから濃度を読み取って、前記テストパターンの濃度の代表値を算出する方法であって、
    前記占有率が、前記第1占有率用閾値未満の列領域については、その列領域について読み取った全ての読み取り値の平均値を、その列領域の濃度の代表値とすることを特徴とするテストパターンの濃度の代表値を算出する方法。
  10. 請求項9に記載のテストパターンの濃度の代表値を算出する方法であって、
    前記占有率が、前記第1占有率用閾値以上となる列領域については、その列領域について読み取った全ての読み取り値から、前記部分に該当する前記読み取り値を除外して求めた平均値を、その列領域の濃度の代表値とすることを特徴とするテストパターンの濃度の代表値を算出する方法。
  11. 請求項10に記載のテストパターンの濃度の代表値を算出する方法であって、
    前記第1占有率用閾値よりも大きな第2占有率用閾値を有し、
    前記占有率が前記第2占有率用閾値以上となる列領域が一つでも存在する場合には、エラーメッセージを報知することを特徴とするテストパターンの濃度の代表値を算出する方法。
  12. 請求項9乃至11のいずれかに記載のテストパターンの濃度の代表値を算出する方法であって、
    前記テストパターンは、前記搬送方向に関する前記媒体の先端部への印刷時に用いられる先端部補正値を取得するための先端処理部、前記媒体の後端部への印刷時に用いられる後端部補正値を取得するための後端処理部、及び、前記先端部と前記後端部の間に位置する中間部への印刷時に用いられる中間部補正値を取得するための中間処理部を有し、
    前記先端処理部、前記中間処理部、及び、前記後端処理部のそれぞれについて、前記占有率用閾値が設定されることを特徴とするテストパターンの濃度の代表値を算出する方法。
  13. 所定濃度で媒体上に印刷されたテストパターンから濃度を読み取り部によって読み取る際に、前記テストパターン上の異物の濃度も読み取られているか否かを判定する異物の濃度の読み取り有無判定方法であって、
    所定の基準値に対する濃度の読み取り値の偏差の大きさが、所定の濃度偏差用閾値を超える前記テストパターン上の部分を検出するステップと、
    検出された前記部分の大きさに基づいて、前記異物の濃度が読み取られているか否かの判定を行うステップと、
    を有し、
    前記テストパターンは、移動方向にノズルを移動させながら前記ノズルからインクを吐出するインク吐出動作と、前記移動方向と交差する搬送方向に前記媒体を搬送する搬送動作とを繰り返すことによって印刷され、前記テストパターンの濃度の読み取り値は、前記移動方向に隣接するとともに前記搬送方向に隣接する単位領域毎に生成され、
    前記テストパターンは、前記移動方向に隣接する複数の前記単位領域から構成される列領域単位で、前記搬送方向に関して区分され、前記列領域毎に、前記部分が検出され、
    前記部分の大きさは、検出対象の列領域に対して前記部分が占める大きさの割合たる占有率として求められ、求められた前記占有率が所定の第1占有率用閾値以上の場合に、異物の濃度が読み取られていると判定され、
    検出対象の列領域について前記読み取り値が取得された単位領域の総数をFsとするとともに、該列領域において前記基準値に対する前記読み取り値の偏差の大きさが、前記濃度偏差用閾値を超える単位領域の個数をFtとした場合に、前記占有率Rは、R=Ft/Fsであり、
    前記基準値は、前記列領域毎に決定され、
    前記基準値の決定に際しては、検出対象の列領域に係る前記読み取り値の最大値及び最小値のどちらが異物側の濃度を示しているのかが判定され、前記最大値及び前記最小値のうちで、前記異物側の濃度であると判定されなかった方の値が、その列領域についての前記基準値と決定され、
    前記最大値と前記最小値との中央値を境として、該中央値よりも前記読み取り値が大きい単位領域の数と、小さい単位領域の数とを、前記列領域毎にカウントし、前記大きい単位領域の数の方が少ない列領域については、前記最大値を前記異物側の濃度であると判定する一方、前記小さい単位領域の数の方が少ない列領域については、前記最小値を前記異物側の濃度であると判定することを特徴とする異物の濃度の読み取り有無判定方法。

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