JP2009226802A - 補正値取得方法、及び、液体噴射装置 - Google Patents

補正値取得方法、及び、液体噴射装置 Download PDF

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道昭 徳永
Masahiko Yoshida
昌彦 吉田
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龍也 中野
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Abstract

【課題】正確な濃度補正値を取得する。
【解決手段】所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだテストパターンを媒体に形成するとともに、目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを前記媒体に形成する形成ステップと、前記スケール及び前記テストパターンを画像入力装置により読み取って前記スケールの画像データ及び前記テストパターンの画像データを取得する画像データ取得ステップと、前記スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける前記目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、該位置情報及び前記テストパターンの画像データに基づいて、画像の濃度を補正するときに用いる濃度補正値を前記ドット列毎に取得する濃度補正値取得ステップと、を有することを特徴とする
【選択図】図13

Description

本発明は、補正値取得方法、及び、液体噴射装置に関する。
媒体(例えば紙や布など)を搬送方向に搬送するとともにヘッドにより媒体に印刷を行う印刷装置として、例えば、インクジェットプリンタが知られている。このような印刷装置により印刷が行われた際に、印刷された画像に濃度ムラ(例えば、白スジや黒スジ)が生じると、画像の画質が劣化する。そこで、この問題を解消するための方法として、ドット列(ラスタライン)毎に取得された濃度補正値に基づいて画像の濃度を補正する方法が知られている。
また、かかる濃度補正値を取得する方法として、媒体(テストシート等)に形成されたテストパターンをスキャナにより読み取ってテストパターンの画像データを取得し、取得されたテストパターンの画像データに基づいて濃度補正値をドット列(ラスタライン)毎に取得する方法が考案されている。
特開平2−54676号公報
ところで、上記の濃度補正値取得方法において、媒体(テストシート等)に形成されたテストパターンを画像入力装置の一例としてのスキャナにより読み取る際には、スキャナの読み取り位置に誤差が生ずる。そして、スキャナの読み取り位置に誤差があると、テストパターンを正確に読み取ることができず、この結果、濃度補正値を正確に取得することができなくなる。したがって、正確な濃度補正値を取得するためには、前記濃度補正値取得方法において、当該誤差分を適切に除去する必要がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、正確な濃度補正値を取得することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだテストパターンを媒体に形成するとともに、目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを前記媒体に形成する形成ステップと、前記スケール及び前記テストパターンを画像入力装置により読み取って前記スケールの画像データ及び前記テストパターンの画像データを取得する画像データ取得ステップと、前記スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける前記目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、該位置情報及び前記テストパターンの画像データに基づいて、画像の濃度を補正するときに用いる濃度補正値を前記ドット列毎に取得する濃度補正値取得ステップと、を有することを特徴とする補正値取得方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだテストパターンを媒体に形成するとともに、目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを前記媒体に形成する形成ステップと、
前記スケール及び前記テストパターンを画像入力装置により読み取って前記スケールの画像データ及び前記テストパターンの画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける前記目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
該位置情報及び前記テストパターンの画像データに基づいて、画像の濃度を補正するときに用いる濃度補正値を前記ドット列毎に取得する濃度補正値取得ステップと、
を有することを特徴とする補正値取得方法。
このような補正値取得方法によれば、濃度補正値が正確に取得されることとなる。
また、所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだ、互いに色が異なる二以上のテストパターンを、該二以上のテストパターンが前記所定方向において並ぶように媒体に形成するとともに、
目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを、該スケールが前記二以上のテストパターンのうちの一のテストパターンと他のテストパターンとの間に位置するように前記媒体に形成する形成ステップと、
前記スケール及び前記テストパターンを、画像入力装置により読み取って、前記スケールの画像データ及び前記テストパターンの画像データを取得する画像データ取得ステップと、
前記スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける前記目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
該位置情報及び前記テストパターンの画像データに基づいて、画像の濃度を補正するときに用いる濃度補正値を前記ドット列毎に取得する濃度補正値取得ステップと、
を有することを特徴とする補正値取得方法。
かかる場合には、濃度補正値がより正確に取得されることとなる。
また、前記形成ステップは、
前記スケールを、前記所定方向において前記スケールよりも上流側に位置するテストパターンの数が下流側に位置するテストパターンの数と同じになるように形成することとしてもよい。
かかる場合には、濃度補正値がより一層正確に取得されることとなる。
また、前記形成ステップは、
前記二以上のテストパターンの各色のうちの最も濃い色で前記スケールを形成することとしてもよい。
かかる場合には、スキャナによるスケールの読み取りを確実なものとすることができる。
また、前記形成ステップは、
前記交差方向において複数のノズルが並んだノズル群、と前記媒体との前記所定方向における相対位置を移動させながら、
該ノズル群から所定の色の液体を噴射して、前記スケールを前記媒体に形成した後に、前記ノズル群から前記所定の色の液体を噴射して、前記二以上のテストパターンのうちの前記所定の色のテストパターンを形成することとしてもよい。
かかる場合には、所謂フラッシングの効果が発揮され、不適切なテストパターンが形成されにくくなる。
また、液体を噴射させることによって、所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだ、互いに色が異なる二以上のテストパターンを、該二以上のテストパターンが前記所定方向において並ぶように媒体に形成するとともに、目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを、該スケールが前記二以上のテストパターンのうちの一のテストパターンと他のテストパターンとの間に位置するように前記媒体に形成する形成手段と、
画像入力装置により読み取られた、前記スケールの画像データ及び前記テストパターンの画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける前記目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
該位置情報及び前記テストパターンの画像データに基づいて、画像の濃度を補正するときに用いる濃度補正値を前記ドット列毎に取得する濃度補正値取得手段と、
を有することを特徴とする液体噴射装置。
このような液体噴射装置によれば、濃度補正値が正確に取得されることとなる。
===印刷システム===
<<<全体構成>>>
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140と、画像入力装置の一例としてのスキャナ150とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
<<<プリンタ1の構成>>>
図2は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図3Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を搬送方向に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ(不図示)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータによって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
なお、搬送ローラ23が紙Sを搬送するとき、紙Sは搬送ローラ23と従動ローラとの間に挟まれている。これにより、紙Sの姿勢が安定する。一方、排紙ローラ25が紙Sを搬送するとき、紙Sは排紙ローラ25と従動ローラとの間に挟まれている。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定方向(以下、移動方向とも呼ぶ)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、液体の一例としてのインクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙にインクを噴射するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に噴射することによって、移動方向に沿ったドット列(ラスタライン)が紙に印刷される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
図4は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、所定方向(移動方向)と交差する交差方向(搬送方向)において、各色のインクを噴射するための噴射口であるノズルが複数並んだものであり、ノズルを90個備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが90dpi(1/90インチ)であって、搬送方向のドットピッチが360dpi(1/360インチ)である場合、k=4である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯90)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯90よりも搬送方向の下流側に位置している。なお、前述の光学センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯90とほぼ同じ位置にある。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が噴射される。
<<<プリンタ1の印刷動作>>>
プリンタ1は、紙Sに印刷を行う際に、移動方向に移動するヘッド41のノズルからインクを噴射して紙にドットを形成するドット形成動作と、搬送ユニット20によって紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返す。ドット形成動作の際には、ノズルからインクが断続的に噴射され、移動方向に沿う複数のドットから構成されるドット列が形成される。このドット列のことを「ラスタライン」とも言う。
まず、通常印刷について説明する。通常印刷は、インターレース印刷と呼ばれる印刷方法により行われる。ここで、『インターレース印刷』とは、1回のパスで記録されるラスタライン間に、記録されないラスタラインが挟まれるような印刷を意味する。また、『パス』とはドット形成処理を指し、以下の説明で『パスn』とはn回目のドット形成処理を意味する。
図5A及び図5Bは、通常印刷の説明図である。図5Aは、パスn〜パスn+3におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示し、図5Bは、パスn〜パスn+4におけるヘッドの位置とドットの形成の様子を示している。
説明の便宜上、複数あるノズル群のうちの一つのノズル群のみを示し、ノズル群のノズル数も少なくしている。また、ヘッド41(又はノズル群)が紙に対して移動しているように描かれているが、同図はヘッド41と紙との相対的な位置を示すものであって、実際には紙が搬送方向に移動される。また、説明の都合上、各ノズルは数ドット(図中の丸印)しか形成していないように示されているが、実際には、移動方向に移動するノズルから間欠的にインク滴が噴射されるので、移動方向に多数のドットが並ぶことになる(このドットの列がラスタラインである)。もちろん、画素データに応じて、ドットが非形成のこともある。
同図において、黒丸で示されたノズルはインクを噴射可能なノズルであり、白丸で示されたノズルはインクを噴射不可なノズルである。また、同図において、黒丸で示されたドットは、最後のパスで形成されるドットであり、白丸で示されたドットは、それ以前のパスで形成されたドットである。
このインターレース印刷では、紙が搬送方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。このように搬送量を一定にして記録を行うためには、(1)インクを噴射可能なノズル数N(整数)はkと互いに素の関係にあること、(2)搬送量FはN・Dに設定されること、が条件となる。ここでは、N=7、k=4、F=7・Dである(D=1/360インチ)。
但し、この通常印刷のみでは、搬送方向に連続してラスタラインを形成できない箇所がある。そこで、先端印刷及び後端印刷と呼ばれる印刷方法が、通常印刷の前後に行われる。
図6は、先端印刷及び後端印刷の説明図である。最初の5回のパスが先端印刷であり、最後の5回のパスが後端印刷である。
先端印刷では、印刷画像の先端付近を印刷する際に、通常印刷時の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)にて、紙が搬送される。また、先端印刷では、インクを噴射するノズルが一定していない。後端印刷では、先端印刷と同じように、印刷画像の後端付近を印刷する際に、通常印刷時の搬送量(7・D)よりも少ない搬送量(1・D又は2・D)にて、紙が搬送される。また、後端印刷では、先端印刷と同じように、インクを噴射するノズルが一定していない。これにより、先頭ラスタラインから最終ラスタラインまでの間に、搬送方向に連続して並ぶ複数のラスタラインを形成することができる。
通常印刷だけでラスタラインが形成される領域を「通常印刷領域」と呼ぶ。また、通常印刷領域よりも紙の先端側(搬送方向下流側)に位置する領域を「先端印刷領域」と呼ぶ。また、通常印刷領域よりも後端側(搬送方向上流側)に位置する領域を「後端印刷領域」と呼ぶ。先端印刷領域には、30本のラスタラインが形成される。同様に、後端印刷領域にも、30本のラスタラインが形成される。これに対し、通常印刷領域には、紙の大きさにもよるが、およそ数千本のラスタラインが形成される。
通常印刷領域のラスタラインの並び方には、搬送量に相当する個数(ここでは7個)のラスタライン毎に、規則性がある。図6の通常印刷領域の最初から7番目までのラスタラインは、それぞれ、ノズル♯3、ノズル♯5、ノズル♯7、ノズル♯2、ノズル♯4、ノズル♯6、ノズル♯8、により形成され、次の8番目以降の7本のラスタラインも、これと同じ順序の各ノズルで形成されている。
一方、先端印刷領域及び後端印刷領域のラスタラインの並びには、通常印刷領域のラスタラインと比べると、規則性を見出し難い。
<<<スキャナの構成>>>
図7Aは、スキャナ150の断面図である。図7Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
スキャナ150は、上蓋151と、原稿5が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原稿5と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153を副走査方向に案内する案内部154と、読取キャリッジ153を移動させるための移動機構155と、スキャナ150内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と、主走査方向(図7Aにおいて紙面に垂直な方向)のラインの像を検出する読み取り部の一例としてのラインセンサ158と、原稿5からの反射光をラインセンサ158へ導くための光学系159とが設けられている。図中の読取キャリッジ153の内部の破線は、光の軌跡を示している。
===濃度ムラ(バンディング)===
プリンタが印刷を行うとき、濃度ムラが生じる。ここでは、説明の簡略化のため、単色印刷された画像中に生じる濃度ムラの発生原因について説明する。なお、多色印刷の場合、以下に説明する濃度ムラの発生原因が色毎に生じている。
以下の説明において、「単位領域」とは、紙等の媒体上に仮想的に定められた矩形状の領域を指し、印刷解像度に応じて大きさや形が定められる。例えば、印刷解像度が360dpi(移動方向)×360dpi(搬送方向)の場合、単位領域は、約70.56μm×70.56μm(≒1/360インチ×1/360インチ)の大きさの正方形状の領域になる。理想的にインク滴が噴射されると、この単位領域の中心位置にインク滴が着弾し、その後インク滴が媒体上で広がって、単位領域にドットが形成される。なお、一つの単位領域には、画像データを構成する一つの画素が対応している。また、各単位領域に画素が対応付けられるので、各画素の画素データも、各単位領域に対応付けられることになる。
また、以下の説明において、「列領域」とは、移動方向に並ぶ複数の単位領域によって構成される領域をいう。例えば印刷解像度が360dpi×360dpiの場合、列領域は、搬送方向に70.56μm(≒1/360インチ)の幅の帯状の領域になる。移動方向に移動するノズルから理想的にインク滴が断続的に噴射されると、この列領域にラスタラインが形成される。なお、列領域には、移動方向に並ぶ複数の画素が対応付けられることになる。
図8Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。同図では、理想的にドットが形成されているので、各ドットは単位領域に正確に形成され、ラスタラインは列領域に正確に形成される。図中、列領域は、点線に挟まれる領域として示されており、ここでは1/360インチの幅の領域である。各列領域には、その領域の着色に応じた濃度の画像片が形成されている。ここでは、説明の簡略化のため、ドット生成率が50%となるような一定濃度の画像を印刷するものとする。
図8Bは、濃度ムラの説明図である。ここでは、5番目の列領域に向かって噴射されたインク滴のインク量が少なく、5番目の列領域に形成されるドットが小さくなっている。
本来であれば同じ濃度の画像片が各列領域に形成されるべきであるにもかかわらず、列領域に応じて画像片に濃淡が発生する。例えば、5番目の列領域の画像片は、比較的淡くなる。
そして、このようなラスタラインからなる印刷画像を巨視的に見ると、キャリッジの移動方向に沿う縞状の濃度ムラが視認される。この濃度ムラは、印刷画像の画質を低下させる原因となる。
図8Cは、本実施形態の印刷方法によりドットが形成されたときの様子の説明図である。本実施形態では、濃く視認されやすい列領域に対しては、淡く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データ(CMYK画素データ)の階調値を補正する。また、淡く視認されやすい列領域に対しては、濃く画像片が形成されるように、その列領域に対応する画素の画素データの階調値を補正する。例えば、5番目の列領域のドットの生成率が高くなるように、各列領域に対応する画素の画素データの階調値が補正される。これにより、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。すなわち、本実施形態では、列領域毎に設定される補正値(後述するBRS補正値(濃度ムラを補正するための補正値))に基づいて、画素データの階調値を補正している。
===スキャナの読取位置の誤差===
ここでは、720dpi(主走査方向)×720dpi(副走査方向)の解像度で画像を読み取ることを前提にして説明を行う。
図9は、スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。グラフの横軸は、読み取り位置(理論値)を示している(すなわち、グラフの横軸は、読取キャリッジ153の位置(理論値)を示している)。グラフの縦軸は、読み取り位置の誤差(読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置との差)を示している。このグラフによれば、例えば、読取キャリッジ153を1インチ(=25.4mm)移動させると、約60μmの誤差が生じることになる。
仮に、読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置が一致していれば、基準位置(読み取り位置がゼロの位置)を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、基準位置からちょうど1インチ離れた位置の画像を示すはずである。しかし、グラフに示すような読み取り位置の誤差が生じた場合、基準位置を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、基準位置から1インチ離れた位置よりも60μmだけ更に離れた位置の画像を示すことになる。
また、仮に、グラフの傾きがゼロであれば、1/720インチ毎に等間隔に、画像が読み取られるはずである。しかし、グラフの傾きがプラスの位置では、1/720インチよりも長い間隔で画像が読み取られることになる。また、グラフの傾きがマイナスの位置では、1/720インチよりも短い間隔で画像が読み取られることになる。
図10Aは、スキャナの読み取り位置が正確な場合の原稿と画像データの関係の説明図である。なお、読取キャリッジ153は、原稿に対して、図中の縦方向に相対的に移動する。また、画像データの示す画像は、1/720インチ(主走査方向)×1/720インチ(副走査方向)の大きさの正方形状の画素がマトリクス状に並べられて構成されている。
ここでは、説明の簡略化のため、原稿は、高さが約2000/720インチの正三角形とする。また、説明の都合上、この正三角形の高さの半分の位置(正三角形の頂点から1000/720インチ離れた位置)には、白ラインが形成されている。以下の説明では、読み取り位置の副走査方向の基準は正三角形の頂点の位置とし、また、画像データにおける画素の位置の基準は正三角形の頂点の画素とする。
スキャナ150の読み取り位置が正確な場合、原稿は、読取キャリッジ153が副走査方向に1/720インチ移動する毎に、等間隔に、読み取られる(左図参照)。このように読み取られた画像データの画像は、原稿の示す画像の通りになる(右図参照)。なお、原稿中の白ラインは、1001回目の読み取り時に読み取られ、基準画素から1000画素離れた画素の画素データとして読み取られている。
図10Bは、スキャナの読み取り位置に誤差がある場合の原稿と画像データの関係の説明図である。ここでは、基準位置に近い位置では1/720インチよりも短い間隔で(即ち密に)画像が読み取られ、基準位置から遠い位置では1/720インチよりも長い間隔で(即ち粗く)画像が読み取られる(左図参照)。このように読み取られた画像データの画像は、原稿の示す形状から変形している(右図参照)。なお、1001回目の読み取り時には、原稿中の白ラインよりも上の位置の画像が読み取られる(左図参照)。また、原稿中の白ラインは、約1200回目の読み取り時に読み取られ(左図参照)、基準画素から約1200画素離れた画素の画素データとして読み取られている(右図参照)。この結果、画像データにおける白ラインは、原稿の白ラインよりも、相対的に下側に位置している。
ところで、後述するように、本実施形態では、濃度ムラを補正するためのBRS補正値を算出する際に、プリンタが印刷したBRS補正用のテストパターンをスキャナが読み取っている。しかし、スキャナの読み取り位置に誤差があると、BRS補正用のテストパターンを正確に読み取ることができず、この結果、補正値を正確に算出できなくなる。そこで、スキャナ150によって読み取られた画像データに基づいて補正値を算出する際に、スキャナ150の特性を考慮する必要がある。
===本実施形態の概略===
図11は、本実施形態の全体の流れのフロー図である。これらの処理は、プリンタ製造工場の検査工程において行われる。
まず、検査者は、検査対象となるプリンタ1をコンピュータ110に取り付ける(S100、図1参照)。
プリンタの取り付け後、コンピュータ110は、濃度ムラを補正するためのBRS補正値の取得処理を行う(S200)。なお、BRS補正値の取得処理の際には、スキャナ150がBRS補正用のテストパターン(後述)を読み取ると共にスケール(後述)を読み取ることになる。
そして、他のプリンタの検査を更に行う場合には(S300でYES)、S100及びS200の処理を繰り返し行う。
なお、検査を終えたプリンタのメモリ63には、BRS補正値が記憶されており、このプリンタが工場から出荷され、プリンタを購入したユーザへ届く。ユーザが印刷を行うとき、BRS補正値によって濃度ムラが補正され、高画質な印刷結果が得られる。
以下、S200のBRS補正値の取得処理について詳しく説明する。
===BRS補正値の取得処理(S200)===
図12は、BRS補正値の取得処理のフロー図である。なお、BRS補正値とは、画像の濃度(濃度ムラ)を補正するときに用いる濃度補正値である。各処理は、コンピュータ110にインストールされたBRS補正用プログラムによって実現される。
まず、コンピュータ110が印刷データをプリンタ1に送信し、プリンタ1が媒体の一例としてのテストシートTSに、BRS補正用のテストパターン(以下、単に、テストパターンと呼ぶ)を形成するとともに、目盛りが複数並んだスケールを形成する(S201)。次に、検査者はテストシートTSをスキャナ150にセットし、スキャナ150にテストパターンとスケールとを読み取らせ、テストパターンとスケールの画像データを取得する(S202)。次に、コンピュータ110は、スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける目盛りの位置を示す位置情報を取得する(S203)。そして、コンピュータ110は、当該位置情報とテストパターンの画像データとに基づいて、BRS補正値をドット列毎(列領域毎)に算出する(S204)。そして、コンピュータ110は、補正データをプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63にBRS補正値を記憶させる(S204)。プリンタに記憶されるBRS補正値は、個々のプリンタの濃度ムラ特性を反映したものになる。
なお、BRS補正値を記憶したプリンタは、梱包されてユーザの下に届けられる。ユーザがプリンタで画像を印刷する際に、プリンタは、印刷すべき画像の画像データをBRS補正値に基づいて補正し、補正後の画像データに基づいて印刷を行う。これにより、印刷された画像は、濃度ムラの軽減した画像になる。
以下、BRS補正値の取得処理における各処理について説明する。
<<<テストパターンとスケールの形成ステップ(S201)>>>
図13は、テストシートTSにテストパターンとスケールが形成された様子を示した模式図である。図14は、テストパターンの説明図である。なお、図13においては、図を分かり易くするために、目盛りの間隔が実際の間隔よりも広いスケールが表されている。
本ステップにおいては、前記移動方向に沿ったドット列が前記搬送方向において複数並んだテストパターンをテストシートTSに形成するとともに、目盛りが前記搬送方向において複数並んだスケールをテストシートTSに形成する。
より具体的には、図13に示すように、かかるテストパターンとして、互いに色が異なる二以上の(本実施の形態においては、四つであり、各々の色は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックである)テストパターンを、該四つのテストパターンが前記移動方向において並ぶように(本実施の形態においては、左から右へ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に並ぶ)テストシートTSに形成する。そして、スケールを該スケールが前記二以上のテストパターン(四つのテストパターン)のうちの一のテストパターン(本実施の形態においては、マゼンタ色のテストパターン)と他のテストパターン(本実施の形態においては、シアン色のテストパターン)との間に位置するように形成する。なお、本実施の形態においては、スケールを該スケールが2つのテストパターンと2つのテストパターンとの間に位置するように形成する。つまり、移動方向(例えば、図13中、左から右へ向かう移動方向)においてスケールよりも上流側に位置するテストパターンの数が下流側に位置するテストパターンの数と同じになるようにスケールを形成する。
各々のテストパターンは、図14に示すように、5種類の濃度の帯状パターンにより構成される。帯状パターンは、それぞれ一定の階調値の画像データから生成されたものであり、左の帯状パターンから順に階調値76(濃度30%)、102(濃度40%)、128(濃度50%)、153(濃度60%)及び179(濃度70%)となり、順に濃い濃度のパターンになっている。なお、これらの5種類の階調値(濃度)を「指令階調値(指令濃度)」と呼び、記号でSa(=76)、Sb(=102)、Sc(=128)、Sd(=153)、Se(=179)と表す。
そして、本実施の形態において、各々のテストパターン(帯状パターン)は、前記移動方向に沿ったドット列(ラスタライン)を該ドット列(ラスタライン)が前記搬送方向において1/360インチ間隔で複数並ぶように印刷することにより形成される。一方、スケールは、ライン状の目盛り(これも、ラスタラインである)を該目盛りが前記搬送方向において1/90インチ間隔で複数並ぶように印刷することにより形成される。
より具体的に説明すると、このようなテストパターンとスケールは、前述した印刷方法(<<<プリンタ1の印刷動作>>>の項で図5A及び図5Bを参照して説明した方法)により形成される。すなわち、テストパターンとスケールは、ヘッド41のノズル群とテストシートTSとの前記移動方向における相対位置を移動させながら、該ノズル群からインクを噴射してテストシートTSにドット(ドット列)を形成するドット形成処理(より具体的には、ヘッド41(のノズル群)を前記移動方向に移動させながら、該ノズル群からインクを噴射してテストシートTSにドット(ドット列)を形成するドット形成処理)と、搬送ユニット20によってテストシートTSを搬送方向に搬送する搬送処理と、を交互に繰り返して、前述した先端印刷、通常印刷、後端印刷を順に実施することにより、形成される。この結果、ドット列(ラスタライン)が、上から数えて1番目のドット列(ラスタライン)から最終のドット列(ラスタライン)まで数千個(ラスタラインが、先端印刷で30個、通常印刷で数千個、後端印刷で30個形成される)並ぶことによりテストパターンが形成されることとなり、また、テストパターンのラスタラインの数の1/4(=(1/360)/(1/90))の目盛り(ラスタライン)が並ぶことにより、スケールが形成されることとなる。
ドット形成処理は、ヘッド41が図13において左側から右側へ移動する際に実行される。この移動の際に、先ず、イエローインクノズル群Yからイエロー色のインクが噴射されてイエロー色のテストパターンを構成するドット列(ラスタライン)が形成され、続いて、マゼンタインクノズル群Mからマゼンタ色のインクが噴射されてマゼンタ色のテストパターンを構成するドット列(ラスタライン)が形成される。
ヘッド41がさらに移動すると、次に、スケールの目盛りが形成される。本実施の形態においては、4色のうちの最も濃い色であるブラック色により当該目盛りが形成される。すなわち、ブラックインクノズル群Kからブラック色のインクが噴射されて目盛り(ブラック色のラスタライン)が形成される。ここで、目盛りの数をテストパターンのラスタラインの数の1/4とするために、例えば、イエロー色やマゼンタ色のテストパターンの形成の際にイエローインクノズル群Yやマゼンタインクノズル群Mの♯n番のノズルが上から数えて1、5、9、13、・・・(4で割ると1余る数)番目のラスタラインを形成するノズルである場合には、ブラックノズル群Kの♯n番のノズルからインクが噴射され目盛り(ラスタライン)が形成される。一方、イエローインクノズル群Yやマゼンタインクノズル群Mの♯n番のノズルが上から数えて2、3、4、6、7・・・(4で割ると1余る数以外の数)番目のラスタラインを形成するノズルである場合には、ブラックノズル群Kの♯n番のノズルからはインクが噴射されない。
ヘッド41がさらに移動すると、次に、シアンインクノズル群Cからシアン色のインクが噴射されてシアン色のテストパターンを構成するドット列(ラスタライン)が形成され、続いて、ブラックインクノズル群Mからブラック色のインクが噴射されてブラック色のテストパターンを構成するドット列(ラスタライン)が形成される。
そして、このようなドット形成処理と搬送処理とを交互に繰り返して、先端印刷、通常印刷、後端印刷を順に実施すると、図13に示されるようなテストパターン及びスケールが形成されることとなる。
<<<テストパターンとスケールの画像データ取得ステップ(S202)>>>
テストパターン及びスケールの形成後、検査者は、テストシートTSをスキャナ150にセットする。そして、コンピュータ110は、スキャナ150にテストパターンとスケールを読み取らせ、各々の画像データを取得する。すなわち、スキャナ150は、スキャナ150のラインセンサ158を前記所定方向(テストシートTSに形成されたドット列が沿う方向)と交差する交差方向(テストシートTSに形成されたドット列が並ぶ方向)に移動させながら該ラインセンサ158によりテストパターンとスケールを読み取って、各々の画像データが取得される。
このときの読み取り解像度は、本実施の形態において、2880dpi(所定方向(主走査方向とも呼ぶ))×2880dpi(交差方向(副走査方向とも呼ぶ))である。画像データは、x方向(主走査方向に対応する方向)とy方向(副走査方向に対応する方向)の2次元に並ぶ画素の画素データから構成されることとなる。しかしながら、スキャナ150の読み取り位置に誤差があると、各画素の対応する副走査方向の長さは、長くなったり、短くなったりする。この結果、読み取り位置の誤差のため、画像データの示すテストパターンの画像は副走査方向(y方向)に歪んだ画像になり、また、画像データの示すスケールの目盛りは、等間隔にはならず、実際のスケールと異なる。なお、画像データを構成する各画素データは、256階調の階調値を有する。
また、本実施の形態において、スキャナ150は、スキャナ150のラインセンサ158を前記交差方向に移動させながら該ラインセンサ158によりテストパターンとスケールを同時に読み取るが、ラインセンサ158を前記交差方向に移動させながら先ず片方を読み取り、次にラインセンサ158を前記交差方向に移動させながらもう一方を読み取るようにしてもよい。
<<<スケールの目盛りの位置情報取得ステップ(S203)>>>
本ステップにおいては、スケールの画像データ(画素データ)に基づいて、該画像データにおける目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する。
先ず、コンピュータ110は、2次元の画像データのx方向に並ぶ画素の画素データの階調値を平均化する。これにより、y方向の1次元の画像データが作成される。この1次元の画像データは、y方向に2880dpiで並ぶ画素の画素データから構成される。
図15は、1次元の画像データのグラフである。グラフの縦軸は階調値であり、横軸は画素のy方向の位置を示している。なお、最初の画素のy方向の位置は0であり、この画素から100画素離れた画素のy方向の位置は100である。
1/90インチ間隔の目盛りからなるスケールが2880dpiの解像度で読み取られたため、目盛りの位置を示すピークが約32画素ごとにグラフ上に現れている。但し、スキャナ150の読み取り位置に誤差があるため、ピークの間隔は必ずしも32画素にはなっていない。そこで、コンピュータは、以下の処理によって、画像データにおける目盛りの位置を算出する。
まず、コンピュータ110は、最初のピークの前後の32画素(図15の点線の範囲)の画素データを演算範囲として取り出す。
図16Aは、演算範囲の画素データの説明図である。y方向の整数の位置に、離散的に画素データ(階調値)がある。コンピュータ110は、これらの画素データの最小値を求め、各画素データを最小値で減算する。これにより、画素データの最小値は0になる。
次に、コンピュータは、画素データの正規化を行う。正規化は、32個の画素データの階調値の合計を求め、各画素データの階調値を合計値で割ることによって実現される。これにより、正規化後の32個の画素データの階調値の合計は1になる。
図16Bは、正規化後の画素データの説明図である。コンピュータ110は、目盛りの位置として、正規化後の画素データの重心位置を算出する。画素データの重心位置は、画素毎に画素データの階調値とy方向の位置とを乗算し、その総和を算出することによって求められる。
そして、コンピュータ110は、算出された重心位置を、目盛りの位置として記憶する。なお、画素データはy方向の整数位置に対応しているが、前記重心位置は必ずしも整数位置にはならない。
コンピュータ110は、上記の処理を繰り返し行い、画像データにおける目盛りの前記交差方向における位置を全て算出し、当該位置を示す位置情報を取得する。なお、次の演算範囲は、直前に算出した重心位置から32画素分だけ離れた位置を中心にした前後の32画素の画素データとなる。
仮にスキャナ150の読み取り位置に誤差が無ければ、算出された目盛りの位置の間隔は、32(画素)になるはずである。しかし、実際には読み取り位置の誤差があるため、算出された目盛りの位置の間隔は32(画素)にならない。但し、算出された目盛りの位置を示す位置情報は、スキャナ150の読み取り位置の誤差を反映した情報になる。
算出された目盛りの位置はコンピュータ110に記憶され、後述するBRS補正値取得ステップ(S204)にて使用される。
<<<BRS補正値取得ステップ(S204)>>>
本ステップにおいては、S203で取得した位置情報とテストパターンの画像データとに基づいて、BRS補正値をドット列(ラスタライン)毎に取得する。本実施の形態においては、先ず、当該位置情報に基づいてテストパターンの画像データを修正する。そして、修正された画像データに基づいて、BRS補正値をドット列(ラスタライン)毎に取得する。
まず、コンピュータ110は、S203で取得した位置情報に基づいて、「濃度算出位置」を算出する。「濃度算出位置」は、実際の1/2880インチ間隔(等間隔)の位置が画像データ上でどの位置にあるのかを示すものである。S203で算出した目盛りの位置は、実際の1/90インチ間隔の位置が画像データ上でどの位置にあるかを示しているので、濃度算出位置は、S203で算出した目盛りの位置を32分割することによって算出される。つまり、スケールの隣接する2つの目盛りの間の31点の位置を補間することにより、濃度算出位置が求められる。
仮にスキャナ150の読み取り位置に誤差がなければ、算出された濃度算出位置の間隔は、1(画素)になるはずである。しかし、実際には読み取り位置の誤差があるため、算出された濃度算出位置の間隔は1(画素)にならない。また、大抵の場合、濃度算出位置は整数にはならない。
次に、コンピュータ110は、濃度算出位置に相当するテストパターンの画素データ(階調値)を算出し、算出された画素データに基づいてテストパターンの画像データを修正する。
図17Aは、テストパターンの修正前の画像データの説明図である。図中の横軸は、画素のy方向の位置を示している。横軸の目盛は、y方向の整数の位置を示しており、各画素の対応する位置を示している。なお、最初の画素のy方向の位置は0であり、この画素から100画素離れた画素のy方向の位置は100である。図中の縦軸は、画素データの示す階調値を示している。ここでは、2次元の画像データのy方向に並ぶ画素の画素データの階調値が、離散的なデータとして黒丸として示されている。
図17Bは、濃度算出位置に相当する画素データの算出方法の説明図である。図中の矢印の位置は、濃度算出位置を示している。既に説明したように、読み取り位置の誤差のため、濃度算出位置の間隔は1にならず、濃度算出位置は整数にならない。コンピュータ110は、直線補間によって、濃度算出位置に相当する階調値を算出する。
そして、1番目の濃度算出位置の階調値をy方向1番目の画素の画素データとし、n番目の濃度算出位置の階調値をy方向n番目の画素の画素データとし、テストパターンの画像データが修正される。この結果、当該画像データの画像の副走査方向(y方向)の歪が修正される。つまり、テストパターンの画像の副走査方向(y方向)の歪が修正される。
図17Cは、濃度算出位置に相当する画素データの算出の様子の説明図である。例えば22番目の濃度算出位置が「22.264」の場合、y方向の位置が「22」の画素Aの画素データと「23」の画素Bの画素データとに基づいて、この濃度算出位置の階調値が直線補間によって算出され、算出された階調値が画素Cの画素データになる。なお、画素Cの右隣の画素の画素データは、画素Aの右隣の画素の画素データと、画素Bの右隣の画素の画素データとに基づいて、直線補間によって算出されることになる。
そして、コンピュータ110は、2880dpiのテストパターンの画像が360dpiの画像となるように解像度変換する。この解像度変換により、y方向に並ぶ画素数と、テストパターンを構成するラスタラインの数とが同数になる。この結果、解像度変換後の画像データ上でx方向に並ぶ画素の列が、列領域に対応することになる。例えば、1番上に位置するx方向の画素列は1番目の列領域に対応し、その下に位置する画素列は2番目の列領域に対応する。
次に、コンピュータ110は、各列領域における5種類の帯状パターンのそれぞれの濃度を取得する。x方向に並ぶ各画素列には5種類の濃度のパターンの部分がそれぞれ含まれているため、例えばある列領域の濃度30%のパターンの濃度を取得する場合、コンピュータ110は、その列領域に対応する画素列における濃度30%のパターンの画像を構成する画素の階調値を取得する。
図18は、シアンの5種類の帯状パターンの濃度の取得結果をまとめた取得値テーブルである。このように、コンピュータ110は、列領域毎に、5種類の帯状パターンの濃度の取得値を対応付けて、取得値テーブルを作成する。他の色についても、取得値テーブルが作成される。なお、以下の説明では、ある列領域について、階調値Sa〜Seの帯状パターンの取得値をそれぞれMa〜Meとしている。
図19は、シアンの濃度30%、濃度40%及び濃度50%の帯状パターンの取得値のグラフである。各帯状パターンは、それぞれ指令階調値で一様に形成されたにも関わらず、列領域毎に濃淡が生じている。この列領域の濃淡差が、印刷画像の濃度ムラの原因である。
濃度ムラをなくすためには、各帯状パターンの取得値が一定になることが望ましい。そこで、階調値Sb(濃度40%)の帯状パターンの取得値を一定にするための処理について検討する。ここでは、階調値Sbの帯状パターンの全列領域の取得値の平均値Cbtを、濃度40%の目標値と定める。この目標値Cbtよりも取得値が淡い列領域iでは、階調値を濃くする方へ補正すれば良いと考えられる。一方、目標値Cbtよりも取得値が濃い列領域jでは、階調値を淡くする方へ補正すれば良いと考えられる。
そこで、コンピュータ110は、列領域毎に補正値を算出する。ここでは、ある列領域における指令階調値Sbに対する補正値の算出について説明する。以下に説明するように、図19の列領域iの指令階調値Sb(濃度40%)に対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sc(濃度50%)の取得値に基づいて算出される。一方、列領域jの指令階調値Sbに対する補正値は、階調値Sb及び階調値Sa(濃度30%)の取得値に基づいて算出される。
図20Aは、列領域iにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域iでは、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の取得値Mbは、目標値Mbtよりも小さい階調値を示す(この列領域の濃度は、平均濃度よりも淡い)。仮に、この列領域に目標値Mbtの濃度のパターンをプリンタに形成させるならば、プリンタドライバは、次式(直線BCに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよいと考えられる。
Sbt=Sb+(Sc−Sb)×{(Mbt−Mb)/(Mc−Mb)}
図20Bは、列領域jにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。この列領域jでは、指令階調値Sbで形成された帯状パターンの濃度の取得値Mbは、目標値Mbtよりも大きい階調値を示す(この列領域の濃度は、平均濃度よりも濃い)。仮に、この列領域に目標値Mbtの濃度のパターンをプリンタに形成させるならば、プリンタドライバは、次式(直線BCに基づく直線補間)により算出される目標指令階調値Sbtに基づいて指令すればよいと考えられる。
Sbt=Sb−(Sb−Sa)×{(Mbt−Mb)/(Ma−Mb)}
このようにして目標指令階調値Sbtを算出した後、コンピュータ110は、次式により、この列領域における指令階調値Sbに対する補正値Hbを算出する。
Hb=(Sbt−Sb)/Sb
コンピュータ110は、列領域毎に、階調値Sb(濃度40%)に対する補正値Hbを算出する。同様に、階調値Sc(濃度50%)に対する補正値Hcを、各列領域の取得値Mcと、取得値Mb又はMdに基づいて、列領域毎に算出する。同様に、階調値Sd(濃度60%)に対する補正値Hdを、各列領域の取得値Mdと、取得値Mc又はMeに基づいて、列領域毎に算出する。また、他の色についても、列領域毎に、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)を算出する。
ところで、通常印刷領域には、数千個のラスタラインがあるが、7個のラスタライン毎に規則性がある。通常印刷領域の補正値の算出では、この規則性が考慮される。
コンピュータ110は、通常印刷領域の1番目の列領域(印刷領域全体の31番目の列領域)における補正値を算出するとき、前述の取得値Maには、通常印刷領域の1、8、15、22、29、36、43、50、・・・番目の列領域の濃度30%の取得値の平均値が用いられる。同様に、通常印刷領域の1番目の列領域(印刷領域全体の31番目の列領域)における補正値を算出するとき、前述の取得値Mb〜Meには、通常印刷領域の1、8、15、22、29、36、43、50、・・・番目の列領域の各濃度の取得値の平均値がそれぞれ用いられる。そして、このような取得値Ma〜Meに基づいて、前述の通りに、通常印刷領域の1番目の列領域の補正値(Hb、Hc、Hd)が算出される。このように、通常印刷領域の列領域の補正値は、7個おきの列領域の各濃度の取得値の平均に基づいて、算出される。この結果、通常印刷領域では、1番目〜7番目の7個の列領域に対してだけ補正値が算出され、8番目以降の列領域に対する補正値の算出は行なわれない。言い換えると、通常印刷領域の1番目〜7番目の7個の列領域に対する補正値が、8番目以降の列領域に対する補正値にもなる。これらの補正値が、濃度ムラを補正するためのBRS補正値になる。
次に、コンピュータ110は、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する。
図21は、シアンの補正値テーブルの説明図である。補正値テーブルには、先端印刷領域用、通常印刷領域用、後端印刷領域用の3種類ある。各補正値テーブルには、3つの補正値(Hb、Hc、Hd)が、列領域毎に対応付けられている。例えば、各列領域のn番目のラスタラインには、3つの補正値(Hb_n、Hc_n、Hd_n)が対応付けられている。3つの補正値(Hb_n、Hc_n、Hd_n)は、それぞれ、指令階調値Sb(=102)、Sc(=128)及びSd(=153)に対応する。なお、他の色の補正値テーブルも同様である。
プリンタ1のメモリ63に補正値を記憶させた後、BRS補正値取得処理は終了する。その後、プリンタ1とコンピュータ110との接続が外され、プリンタ1に対する他の検査を終えて、プリンタ1が工場から出荷される。プリンタ1には、プリンタドライバを記憶したCD−ROMも同梱される。
<<<濃度ムラの補正(参考)>>>
参考までに、BRS補正値を用いた印刷方法について説明する。但し、BRS補正値を用いた印刷方法は、ユーザ下での印刷動作の際に行われるものであり、上記の「BRS補正値の取得処理」の際に行われるわけではない。
プリンタ1を購入したユーザは、自身の所有するコンピュータ110(もちろん、プリンタ製造工場のコンピュータとは別のコンピュータ)にプリンタ1を接続する。そして、同梱されているCD−ROMがコンピュータ110にセットされると、コンピュータ110にプリンタドライバがインストールされる。このとき、プリンタドライバは、プリンタ1に対して補正値の送信を要求し、プリンタから送られてくるBRS補正値をメモリに記憶する。
プリンタドライバは、ユーザからの印刷命令を受けると、解像度変換処理、色変換処理、濃度補正処理、ハーフトーン処理、ラスタライズ処理を行う。なお、BRS補正値は、この濃度補正処理に用いられる。以下、これらの処理について説明する。
解像度変換処理は、アプリケーションプログラムから出力された画像データ(テキストデータ、イメージデータなど)を、紙に印刷する際の解像度に変換する処理である。例えば、紙に画像を印刷する際の解像度が360×360dpiに指定されている場合、アプリケーションプログラムから受け取った画像データを360×360dpiの解像度の画像データに変換する。なお、解像度変換処理後の画像データは、RGB色空間により表される256階調のデータ(RGBデータ)である。
色変換処理は、RGBデータをCMYK色空間により表されるCMYKデータに変換する処理である。この色変換処理により、各画素についてのRGBデータが、インク色に対応するCMYKデータに変換される。なお、色変換処理後のデータは、CMYK色空間により表される256階調のCMYKデータである。
濃度補正処理は、各画素データの階調値を、その画素データの属する列領域の対応する補正値に基づいて補正する処理である。
図22は、シアンのn番目の列領域の濃度補正処理の説明図である。同図は、シアンのn番目の列領域に属する画素の画素データの階調値S_inを補正する様子を示している。なお、補正後の階調値はS_outである。
仮に補正前の画素データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、プリンタドライバは、階調値S_inを目標指令階調値Sbtに補正すれば、その画素データの対応する単位領域に目標濃度Mbtの画像を形成することができる。つまり、補正前の画素データの階調値S_inが指令階調値Sbと同じであれば、指令階調値Sbに対応する補正値Hbを用いて、階調値S_in(=Sb)をSb×(1+Hb)に補正するのが良い。同様に、補正前の画素データの階調値Sが指令階調値Scと同じであれば、階調値S_in(=Sc)をSc×(1+Hc)に補正するのが良い。
これに対し、補正前の階調値S_inが指令階調値とは異なる場合、図に示すような直線補間によって、出力すべき階調値S_outが算出される。図中の直線補間では、各指令階調値(Sb、Sc、Sd)に対応する補正後の各階調値S_out(Sbt、Sct、Sdt)の間を直線補間している。
先端印刷領域の1番目〜30番目の各列領域の画素データに対しては、プリンタドライバは、先端印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜30番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、濃度補正処理を行う。例えば、先端印刷領域の1番目の列領域の画素データに対しては、プリンタドライバは、先端印刷用の補正値テーブルの1番目の列領域の補正値(Hb_1、Hc_1、Hd_1)に基づいて、濃度補正処理を行う。
通常印刷領域の1番目〜7番目の各列領域(印刷領域全体の31番目〜38番目の各列領域)の画素データに対しては、プリンタドライバは、通常印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、濃度補正処理を行う。但し、通常印刷領域には数千個の列領域が存在するが、通常印刷領域用の補正値テーブルには、7個分の列領域に対応する補正値しか記憶されていない。そこで、通常印刷領域の8番目〜14番目の各列領域の画素データに対しては、プリンタドライバは、通常印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、濃度補正処理を行う。このように、通常印刷領域の列領域に対しては、プリンタドライバは、7個の列領域毎に、1番目〜7番目の各列領域に対応する補正値を繰り返して用いる。通常印刷領域では7個の列領域毎に規則性があるため、濃度ムラの特性も同じ周期で繰り返されると考えられるため、同じ周期で補正値を繰り返し用いることにより、記憶すべき補正値のデータ量を削減している。
後端印刷領域では先端印刷領域と同様に、後端印刷領域の1番目〜30番目の各列領域の画素データに対しては、プリンタドライバは、後端印刷領域用の補正値テーブルに記憶されている1番目〜30番目の各列領域に対応する補正値に基づいて、濃度補正処理を行う。
以上の濃度補正処理により、濃く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する画素の画素データ(CMYKデータ)の階調値が低くなるように補正される。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する画素の画素データの階調値が高くなるように補正される。なお、他の色の他の列領域に対しても、プリンタドライバは、同様に補正処理を行う。
ハーフトーン処理は、高階調数のデータを、プリンタが形成可能な階調数のデータに変換する処理である。例えば、ハーフトーン処理により、256階調を示すデータが、2階調を示す1ビットデータや4階調を示す2ビットデータに変換される。ハーフトーン処理では、ディザ法・誤差拡散法などを利用して、プリンタがドットを分散して形成できるように画素データを作成する。ハーフトーン処理されたデータは、前述のRGBデータと同等の解像度(例えば360×360dpi)を有している。また、ハーフトーン処理された画素データは、ドットの形成状態を表す。ハーフトーン処理後の画素データが2ビットデータの場合、その画素データは、ドットなし、小ドット形成、中ドット形成、大ドット形成を示す。
本実施形態では、プリンタドライバは、濃度補正処理によって補正された階調値の画素データに対して、ハーフトーン処理が行われることになる。この結果、濃く視認されやすい列領域では、その列領域の画素データの階調値が低くなるように補正されているので、その列領域のラスタラインを構成するドットのドット生成率が低くなる。逆に、淡く視認されやすい列領域では、ドット生成率が高くなる。
ラスタライズ処理は、マトリクス状の画像データを、プリンタに転送すべきデータ順に変更する処理である。ラスタライズ処理されたデータは、印刷データに含まれる画素データとして、プリンタに出力される。
このようにして生成された印刷データに基づいてプリンタが印刷処理を行えば、各列領域のラスタラインのドット生成率が変更され、列領域の画像片の濃度が補正されて、印刷画像全体の濃度ムラが抑制される。
===本実施の形態に係る補正値取得方法の有効性について===
発明が解決しようとする課題の項等で説明したように、テストシートに形成されたテストパターンをスキャナにより読み取ってテストパターンの画像データを取得し、取得されたテストパターンの画像データに基づいて濃度補正値をドット列(ラスタライン)毎に取得する濃度補正値取得方法において、テストシートに形成されたテストパターンをスキャナにより読み取る際に、スキャナの読み取り位置に誤差が生ずる。そして、スキャナの読み取り位置に誤差があると、テストパターンを正確に読み取ることができず、この結果、濃度補正値を正確に取得することができなくなるという課題があった。
このような課題を解決するために、従来、以下のような補正値取得方法(以下、比較例に係る補正値取得方法と呼ぶ)が実施されていた。すなわち、比較例に係る補正値取得方法においては、目盛りが複数並んだスケールが印刷された基準シート(一般的には、紙ではなくPETフィルム等のフィルムである)がテストシートとは別に用意され、当該基準シートをスキャナにセットしてスケールをスキャナにより読み取ってスケールの画像データを取得し、S203と同様の方法で、取得されたスケールの画像データに基づいて該画像データにおける目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する。そして、テストパターンをテストシートに印刷してから、当該テストシートをスキャナにセットしてテストパターンをスキャナにより読み取ってテストパターンの画像データを取得し、S204と同様の方法で、取得されたテストパターンの画像データと前記位置情報とに基づいて濃度補正値(BRS補正値)をドット列(ラスタライン)毎に取得する。
しかしながら、このような比較例に係る補正値取得方法には、以下の問題があった。すなわち、この補正値取得方法においては、スケールが印刷された基準シートとテストパターンが印刷されたテストシートを個別にスキャナにセットすることとなるが、当該セットの際には各々のシートのスキャナへの位置決めが行われる。しかしながら、当該位置決めが実行されたとしても、厳密には、各々のシートが正確に規定位置にセットされるとは限らず、したがって、基準シート及びテストシートの前記交差方向における相対位置(換言すれば、スケール及びテストパターンの前記交差方向における相対位置)が、規定の相対位置からずれてしまう場合がある。
例えば、テストシートがスキャナに正確にセットされ、一方、基準シートが前記交差方向において規定位置よりもΔy(ズレ分)だけ下側へセットされてしまった場合には、スケールをスキャナにより読み取ることにより取得されたスケールの画像データに基づいて該画像データにおける目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得した際に、当該位置情報は、スキャナの読み取り位置の誤差だけでなくΔyの前記ズレ分も反映された情報になる。例えば、濃度算出位置が、当該ズレ分がない場合には図17Cに示した値となるところ、当該ズレ分の影響を受けて図17Cに示した値よりも大きな値となる。一方、テストシートはスキャナに正確にセットされているため、テストパターンの画像データと当該位置情報とに基づいて濃度補正値(BRS補正値)を取得する際に、当該位置情報にスキャナの読み取り位置の誤差と前記ズレ分のうちの前者だけが反映されていれば、適切な(正確な)濃度補正値(BRS補正値)が得られるのに、位置情報に双方が反映されてしまっているため、適切な(正確な)濃度補正値(BRS補正値)を得ることができなくなる。つまり、スキャナの読み取り位置の誤差分を除去する目的で、前記位置情報に基づいて濃度補正値(BRS補正値)を取得しようとしても、当該誤差分が適切に除去されず濃度補正値(BRS補正値)が不正確なものとなる。
また、スケール及びテストパターンの前記交差方向における相対位置の、規定の相対位置からのズレの大きさは、基準シート及びテストシートをセットする度に(換言すれば、比較例に係る補正値取得方法を実施する度に)変化し、この大きさを把握する術がない。したがって、このズレ分を見込んで(ズレの大きさで補正をかけて)濃度補正値(BRS補正値)を算出するような手法を採ることもできない。
これに対し、本実施の形態に係る補正値取得方法は、所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだテストパターンをテストシートに形成するとともに、目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを前記テストシートに形成する形成ステップと、前記スケール及び前記テストパターンをスキャナにより読み取って前記スケールの画像データ及び前記テストパターンの画像データを取得する画像データ取得ステップと、前記スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける前記目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、該位置情報及び前記テストパターンの画像データに基づいて、画像の濃度を補正するときに用いる濃度補正値を前記ドット列毎に取得する濃度補正値取得ステップと、を有している。すなわち、本実施の形態に係る補正値取得方法においては、テストパターンをテストシートに形成するとともに、スケールも当該テストシートに形成する。そのため、スケール及びテストパターンの前記交差方向における相対位置は、常に(すなわち、本実施の形態に係る補正値取得方法を実施する度に)同じ位置となり(例えば、スケールの一番目の目盛りの前記交差方向における位置は、テストパターンの一番目のドット列(ラスタライン)の前記交差方向における位置と常に同じ位置となる)、前述した相対位置のズレというものは生じない。したがって、前記位置情報は、スキャナの読み取り位置の誤差だけが反映された情報となり、スキャナの読み取り位置の誤差分を除去する目的で、前記位置情報に基づいて濃度補正値(BRS補正値)を取得した際に、当該誤差分が適切に除去されて濃度補正値(BRS補正値)が正確に取得されることとなる。
また、本実施の形態に係る補正値取得方法では、前記形成ステップにおいて、所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだ、互いに色が異なる二以上のテストパターンを、該二以上のテストパターンが前記所定方向において並ぶようにテストシートに形成するとともに、目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを、該スケールが前記二以上のテストパターンのうちの一のテストパターンと他のテストパターンとの間に位置するように前記テストシートに形成し、前記画像データ取得ステップにおいて、スケールとテストパターンとを、スキャナのラインセンサを前記交差方向に移動させながら該ラインセンサにより読み取って、スケールとテストパターンの画像データを取得する。すなわち、スケールを該スケールが前記所定方向において並んだ二以上のテストパターン(本実施の形態においては、四つのテストパターン)のうちの一のテストパターン(本実施の形態においては、マゼンタ色のテストパターン)と他のテストパターン(本実施の形態においては、シアン色のテストパターン)との間に位置するように形成し、形成されたスケールとテストパターンとを、スキャナのラインセンサを前記交差方向に移動させながら該ラインセンサにより読み取る。このことにより、以下で説明するように、濃度補正値(BRS補正値)がより正確に取得されることとなる。
スキャナ(ラインセンサ)の前述した読み取り位置の誤差については、以下のことが知られている。先ず、ラインセンサの読み取り位置の誤差の特性は、ラインセンサの前記所定方向(換言すれば、ラインセンサの長手方向)におけるどの位置で画像を読み取るかによって、(非常に微小ではあるが)異なってくる。つまり、ラインセンサの位置Aと前記長手方向において位置Aとは離れた位置Bとでは、読み取り位置の誤差の特性が異なる。また、位置Aと位置Bとが遠ければ、当該誤差の特性の異なり具合は顕著なものとなり、逆に、位置Aと位置Bとが近ければ、当該誤差の特性の異なり具合は微々たるものとなる。
このことから、ラインセンサが、位置Aでスケールを読み取り、位置Bでテストパターンを読み取る場合には、位置Aと位置Bを近くする(位置Aから位置Bまでの距離を小さくする)ことにより、読み取り位置の誤差分が適切に除去され、濃度補正値(BRS補正値)をより正確に取得することが可能となる。
図23Aは、本実施の形態に係る補正値取得方法においてスケール及びテストパターンがラインセンサ158により読み取られる際の、スケール及びテストパターンとラインセンサ158との位置関係を示した模式図であり、図23Bは、変形例に係る補正値取得方法においてスケール及びテストパターンがラインセンサ158により読み取られる際の、スケール及びテストパターンとラインセンサ158との位置関係を示した模式図である。
変形例は、図23Bに示されるように、スケールを、該スケールが二以上のテストパターンよりも前記所定方向において外側に位置するように形成する例である。換言すれば、変形例においては、スケールを、該スケールが二以上のテストパターンのうちの最も前記所定方向において外側に位置するテストパターンよりもさらに外側に位置するように形成する。この場合には、図23B中の位置Aでスケールが、位置B(B1〜B4)でテストパターンがそれぞれ読み取られることとなる。
一方、本実施の形態においては、図23A中の位置Aでスケールが、位置B(B1〜B4)でテストパターンがそれぞれ読み取られる。そして、図23A及び図23Bから明らかなように、位置Aから位置Bまでの距離は、変形例における当該距離よりも小さくなる(位置Aから、スケールから最も遠いテストパターンに対応する位置B(つまり、位置B1)までの距離も、変形例における当該距離よりも小さいし、位置Aから位置B1、位置Aから位置B2、位置Aから位置B3、位置Aから位置B4までの4つの距離の平均値も変形例における当該平均値よりも小さい)。
すなわち、本実施の形態においては、スケールを、該スケールが二以上のテストパターンのうちの一のテストパターンと他のテストパターンとの間に位置するように形成するようにしたため、スケールを、該スケールが二以上のテストパターンよりも前記所定方向において外側に位置するように形成する場合と比べて、ラインセンサ158がスケールを読み取る位置(位置A)からテストパターンを読み取る位置(位置B)までの距離を小さくことができる。したがって、読み取り位置の誤差分を適切に除去することができ、濃度補正値(BRS補正値)がより正確に取得されることとなる。
また、スケールを、該スケールが二以上のテストパターンのうちの一のテストパターンと他のテストパターンとの間に位置するように形成する例としては、図23Cに示すような例(第二変形例)も考えられるが、本実施の形態のように、スケールを、前記所定方向(例えば、図13中、左から右へ向かう移動方向)において前記スケールよりも上流側に位置するテストパターンの数(2つ)が下流側に位置するテストパターンの数(2つ)と同じになるようにスケールを形成する方が、第二変形例よりも、ラインセンサ158がスケールを読み取る位置(位置A)からテストパターンを読み取る位置(位置B)までの距離が小さくなる。したがって、本実施の形態に係る補正値取得方法によれば、読み取り位置の誤差分をより一層適切に除去することができ、濃度補正値(BRS補正値)がより一層正確に取得されることとなる。
また、本実施の形態に係る補正値取得方法においては、前記形成ステップで、二以上のテストパターンの各色(4色)のうちの最も濃い色(すなわち、ブラック)で前記スケールを形成することとしたため、スキャナによるスケールの読み取りを確実なものとすることができる。
また、本実施の形態に係る補正値取得方法においては、前記形成ステップで、前記交差方向(搬送方向)において複数のノズルが並んだノズル群(すなわち、ブラックインクノズル群)、とテストシートとの前記所定方向(移動方向)における相対位置を移動させながら、該ブラックインクノズル群から所定の色のインク(すなわち、ブラックインク)を噴射して、スケールをテストシートに形成した後に、ブラックインクノズル群からブラックインクを噴射して、前記二以上のテストパターンのうちのブラック色のテストパターンを形成することとした。このため、ブラックインクノズル群からブラックインクを噴射してスケールを形成する際に、所謂フラッシングの効果が発揮され、ブラックインクノズル群からブラックインクを噴射してブラック色のテストパターンを形成する際に、不適切なテストパターンが形成されにくくなる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の噴射装置、印刷方法、記録方法、液体の噴射方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
また、上記実施の形態においては、液体の一例であるインクを噴射(吐出)するインクジェットプリンタについて説明したが、これに限定されるものではなく、インク以外の他の液体を噴射(吐出)する液体噴射(吐出)装置に具体化することも可能である。例えば、布地に模様をつけるための捺染装置、カラーフィルター製造装置や有機ELディスプレイ等のディスプレイ製造装置、チップへDNAを溶かした溶液を塗布してDNAチップを製造するDNAチップ製造装置、回路基板製造装置等であってもよい。
また、上記実施の形態においては、インクジェットプリンタの一例として、ノズルを備えたヘッドが前記媒体に対して前記所定方向に移動して該ノズルからインクを噴射するシリアルプリンタを挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば、ノズルを備えた移動しないラインヘッドに対し前記所定方向に移動する媒体に該ノズルからインクを噴射するラインプリンタであってもよい。上記実施の形態に係る補正値取得方法においては、前記形成ステップで、シリアルプリンタによりテストパターンやスケールが形成されることとしたが、これに限定されるものではなく、ラインプリンタによりテストパターンやスケールが形成される例にも本補正値取得方法を適用することができる。
印刷システムの外観構成を示した説明図である。 プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図3Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図3Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。 ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。 図5A及び図5Bは、通常印刷の説明図である。 先端印刷及び後端印刷の説明図である。 図7Aは、スキャナ150の断面図である。図7Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。 図8Aは、理想的にドットが形成されたときの様子の説明図である。図8Bは、濃度ムラの説明図である。図8Cは、本実施形態の印刷方法によりドットが形成されたときの様子の説明図である。 スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。 図10Aは、スキャナの読み取り位置が正確な場合の原稿と画像データの関係の説明図である。図10Bは、スキャナの読み取り位置に誤差がある場合の原稿と画像データの関係の説明図である。 本実施形態の全体の流れのフロー図である。 BRS補正値の取得処理のフロー図である。 テストシートTSにテストパターンとスケールが形成された様子を示した模式図である。 テストパターンの説明図である。 1次元の画像データのグラフである。 図16Aは、演算範囲の画素データの説明図である。図16Bは、正規化後の画素データの説明図である。 テストパターンの修正前の画像データの説明図である。 濃度算出位置に相当する画素データの算出方法の説明図である。 濃度算出位置に相当する画素データの算出の様子の説明図である。 シアンの5種類の帯状パターンの濃度の取得結果をまとめた取得値テーブルである。 シアンの濃度30%、濃度40%及び濃度50%の帯状パターンの取得値のグラフである。 図20Aは、列領域iにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。図20Bは、列領域jにおける指令階調値Sbに対する目標指令階調値Sbtの説明図である。 シアンの補正値テーブルの説明図である。 シアンのn番目の列領域の濃度補正処理の説明図である。 図23Aは、本実施の形態に係る補正値取得方法においてスケール及びテストパターンがラインセンサ158により読み取られる際の、スケール及びテストパターンとラインセンサ158との位置関係を示した模式図である。図23Bは、変形例に係る補正値取得方法においてスケール及びテストパターンがラインセンサ158により読み取られる際の、スケール及びテストパターンとラインセンサ158との位置関係を示した模式図である。図23Cは、第二変形例に係る補正値取得方法においてスケール及びテストパターンがラインセンサ158により読み取られる際の、スケール及びテストパターンとラインセンサ158との位置関係を示した模式図である。
符号の説明
1 プリンタ、20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、30 キャリッジユニット、
31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、40 ヘッドユニット、
41 ヘッド、50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、63 メモリ、100 印刷システム、
110 コンピュータ、120 表示装置、130 入力装置、
140 記録再生装置、150 スキャナ、151 上蓋、
152 原稿台ガラス、153 読取キャリッジ、154 案内部、
155 移動機構、157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系、
TS テストシート

Claims (5)

  1. 所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだ、互いに色が異なる二以上のテストパターンを、該二以上のテストパターンが前記所定方向において並ぶように媒体に形成するとともに、
    目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを、該スケールが前記二以上のテストパターンのうちの一のテストパターンと他のテストパターンとの間に位置するように前記媒体に形成する形成ステップと、
    前記スケール及び前記テストパターンを、画像入力装置により読み取って、前記スケールの画像データ及び前記テストパターンの画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    前記スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける前記目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
    該位置情報及び前記テストパターンの画像データに基づいて、画像の濃度を補正するときに用いる濃度補正値を前記ドット列毎に取得する濃度補正値取得ステップと、
    を有することを特徴とする補正値取得方法。
  2. 請求項1に記載の補正値取得方法であって、
    前記形成ステップは、
    前記スケールを、前記所定方向において前記スケールよりも上流側に位置するテストパターンの数が下流側に位置するテストパターンの数と同じになるように形成することを特徴とする補正値取得方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の補正値取得方法であって、
    前記形成ステップは、
    前記二以上のテストパターンの各色のうちの最も濃い色で前記スケールを形成することを特徴とする補正値取得方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の補正値取得方法であって、
    前記形成ステップは、
    前記交差方向において複数のノズルが並んだノズル群、と前記媒体との前記所定方向における相対位置を移動させながら、
    該ノズル群から所定の色の液体を噴射して、前記スケールを前記媒体に形成した後に、前記ノズル群から前記所定の色の液体を噴射して、前記二以上のテストパターンのうちの前記所定の色のテストパターンを形成することを特徴とする補正値取得方法。
  5. 液体を噴射させることによって、所定方向に沿ったドット列が該所定方向と交差する交差方向において複数並んだ、互いに色が異なる二以上のテストパターンを、該二以上のテストパターンが前記所定方向において並ぶように媒体に形成するとともに、目盛りが前記交差方向において複数並んだスケールを、該スケールが前記二以上のテストパターンのうちの一のテストパターンと他のテストパターンとの間に位置するように前記媒体に形成する形成手段と、
    画像入力装置により読み取られた、前記スケールの画像データ及び前記テストパターンの画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記スケールの画像データに基づいて、該画像データにおける前記目盛りの前記交差方向における位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    該位置情報及び前記テストパターンの画像データに基づいて、画像の濃度を補正するときに用いる濃度補正値を前記ドット列毎に取得する濃度補正値取得手段と、
    を有することを特徴とする液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019059034A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 株式会社Screenホールディングス インクジェット印刷装置および濃淡補正方法
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