JP4412311B2 - 印刷方法、及び、印刷装置 - Google Patents
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Description
印刷方法であって、
印刷方法であって、
(A)第1補正値を設定すること、
前記第1補正値は、
媒体における搬送方向の端部に適用される第1印刷方式であって、複数のノズルを前記搬送方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出させることで、前記搬送方向に並ぶ複数の列領域に前記移動方向に沿ったドット列を形成する移動吐出動作と、前記媒体を前記搬送方向へ第1搬送量で搬送する第1搬送動作とを繰り返し行う第1印刷方式により印刷される列領域と、前記媒体における搬送方向の中間部に適用される第2印刷方式であって、前記移動吐出動作と、前記媒体を前記搬送方向へ前記第1搬送量よりも大きな第2搬送量で搬送する第2搬送動作とを繰り返し行う第2印刷方式により印刷される列領域とが、前記搬送方向に混在する混在区間に、テストパターンにおける第1部分を印刷することと、
前記第1部分における列領域毎の濃度測定値を目標濃度にするための第1仮補正値を、前記列領域毎に定めることと、
前記第1仮補正値による補正度合いを弱くする係数を前記第1仮補正値に乗じること、
によって得られた補正値であって、
前記列領域毎に設定され、前記混在区間に対応する補正値である、
(B)第2補正値を設定すること、
前記第2補正値は、
前記第2印刷方式によってテストパターンにおける第2部分を、前記列領域と前記ノズルとの組み合わせで定まる複数周期分印刷することと、
前記第2部分における列領域毎の濃度測定値を目標濃度にするための第2仮補正値を、前記列領域毎に定めることと、
それぞれの周期で、周期中における同じ位置にある列領域に対応する複数の前記第2仮補正値を平均化すること、
によって得られ、前記第1仮補正値による補正度合いのばらつきよりも小さいばらつきの補正値であって、前記列領域毎に設定され、前記媒体の前記中間部に対応する補正値である、
(C)媒体における搬送方向の中間部に、前記第2印刷方式で前記ドット列が形成される複数の列領域からなる区間が定められ、当該区間の各列領域に、前記第2補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正して、ドット列を形成すること、
(D)当該媒体の前記区間よりも搬送方向の端部側に、前記第1印刷方式で形成される列領域と前記第2印刷方式で形成される列領域とが搬送方向に混在する前記混在区間が定められ、当該媒体の前記混在区間よりも前記搬送方向の端部側に、前記第1印刷方式で前記ドット列が形成される複数の列領域からなる区間が定められ、
当該媒体の前記混在区間の各列領域に対し、各列領域に対応する前記第1補正値と前記第2補正値の合成で得られる合成補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正してドット列を形成すること、
を行う印刷方法である。
このような印刷方法によれば、減衰係数の与え方次第で、第1補正値による補正度合いを第2補正値による補正度合いにあわせることができる。そして、第1補正値と第2補正値の合成で得られる合成補正値が、混在区間に対して適用される。これにより、端部用の補正値での印刷部分と中間部用の補正値での印刷部分の境界における画像の劣化を抑制することができる。
このような補正値の設定方法によれば、第1補正値による補正度合いを、第2補正値による補正度合いにあわせることができ、画像の劣化を一層抑制できる。
このような補正値の設定方法によれば、画像の劣化を効果的に抑制できる。
このような補正値の設定方法によれば、中間部に近い側の列領域は、中間部から遠い側の列領域よりも第2補正値による補正の影響が強くなる。このため、補正の適正化が図れる。
このような補正値の設定方法によれば、目標濃度が複数の列領域の濃度測定値に基づいて定められるので、設定される補正値の精度を高めることができる。
このような補正値の設定方法によれば、印刷対象となる媒体の部分毎に、適した搬送量で印刷が行える。
このような補正値の設定方法によれば、ノズル毎の特性ばらつきに起因する画質の劣化を防止できる。
すなわち、(A)インクを吐出する複数のノズルを移動方向へ移動させるノズル移動機構と、(B)媒体を前記移動方向とは交差する搬送方向へ搬送する搬送機構と、(C)第1補正値と第2補正値の合成によって得られる合成補正値を記憶するメモリであって、前記媒体における搬送方向の端部に適用される第1印刷方式に対応し、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正するための第1補正値であって、前記第1印刷方式によって印刷されたテストパターンにおける第1部分における前記列領域毎の濃度測定値に基づいて、前記第1部分に対応する第1仮補正値を前記列領域毎に定め、前記第1仮補正値に減衰係数を乗じた値に基づいて、前記列領域毎に設定される第1補正値、及び、前記媒体における搬送方向の中間部に適用される第2印刷方式に対応し、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正するための第2補正値であって、前記第2印刷方式によって前記列領域と前記ノズルとの組み合わせで定まる複数周期分印刷された前記テストパターンにおける第2部分における前記列領域毎の濃度測定値に基づいて、前記第2部分に対応する第2仮補正値を前記列領域毎に定め、それぞれの周期で同じノズルに対応する複数の前記第2仮補正値を平均化した値に基づいて前記列領域毎に設定される第2補正値の合成で得られる合成補正値を記憶するメモリと、(D)前記複数のノズルを移動させながらインクを吐出させる移動吐出動作、及び、前記媒体を前記搬送方向へ搬送する搬送動作を制御するコントローラであって、前記第1印刷方式で前記ドット列が形成される或る列領域と前記第2印刷方式で前記ドット列が形成される他の列領域とが混在する混在区間に対し、前記合成補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正する、コントローラと、(E)を有する印刷装置が実現できることも明らかにされる。
まず、印刷システム10について説明をする。印刷システム10は、用紙に画像を印刷するためのものであり、図1に示すように、インクジェットプリンタ100(以下、単にプリンタ100ともいう。)と、ホストコンピュータ200とを有する。ここで、印刷装置について説明する。印刷装置が有するコントローラは、後述するように、プリンタドライバ216(図5を参照。)に基づく制御も行う。このため、ホストコンピュータ200がプリンタドライバ216を実行する場合には、プリンタ100とホストコンピュータ200の組が印刷装置に相当する。また、プリンタ側コントローラ150がプリンタドライバ216と同等の機能を有する場合、すなわち、プリンタ100が単体で用紙Sへの印刷を行える場合には、プリンタ100が印刷装置に相当する。
プリンタ100は、用紙搬送機構110と、キャリッジ移動機構120と、ヘッドユニット130と、検出器群140と、プリンタ側コントローラ150とを有する。
ホストコンピュータ200は、ホスト側コントローラ210と、記録再生装置220と、表示装置230と、入力装置240とを有する。これらの中で、ホスト側コントローラ210は、CPU211と、メモリ212と、第1インタフェース部213と、第2インタフェース部214とを有する。CPU211は、コンピュータの全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ212は、CPU211が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。そして、CPU211は、メモリ212に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。第1インタフェース部213はプリンタ100との間でデータの受け渡しを行い、第2インタフェース部214はプリンタ100以外の外部機器(例えばスキャナ)との間でデータの受け渡しを行う。
<ホストコンピュータ200側の動作>
印刷動作は、例えばユーザーがアプリケーションプログラム215における印刷コマンドを実行することで行われる。アプリケーションプログラム215の印刷コマンドが実行されると、ホスト側コントローラ210は、印刷対象となる画像データを生成する。この画像データは、プリンタドライバ216を実行するホスト側コントローラ210によって、印刷データに変換される。印刷データへの変換は、解像度変換処理、色変換処理、ハーフトーン処理、及び、ラスタライズ処理によってなされる。従って、プリンタドライバ216は、これらの処理を行うためのコードを有する。
プリンタ100側では、受信した印刷データに基づき、プリンタ側コントローラ150が種々の処理を行う。なお、以下に説明されるプリンタ100側での各処理は、プリンタ側コントローラ150が、メモリ152に記憶されたコンピュータプログラム実行することでなされる。従って、このコンピュータプログラムは、各処理を実行するためのコードを有する。
このプリンタ100では、ノズルNzを移動させながらインクを吐出させることで、画像を印刷している。ところで、ノズルNz等の各部には、加工や組み立てによってばらつきが生じてしまう。このばらつきにより、インクの飛行軌跡や吐出量等の特性(以下、吐出特性ともいう。)もばらついてしまう。このような吐出特性のばらつきを緩和するために、インターレース方式による印刷(以下、インターレース印刷ともいう。)が行われている。インターレース印刷とは、1回のパスで記録されるラスタライン同士の間に、記録されないラスタラインが挟まれるような印刷を意味する。そして、パスとは、1回のドット形成動作、すなわち1回の移動吐出動作を意味する。このようなインターレース印刷を行うことで、ノズルNz毎の吐出特性のばらつきが緩和され、画質を向上させることができる。また、ノズルピッチ(k・D)よりも細かい解像度Dで、画像の印刷ができる。すなわち、印刷解像度よりも粗いノズルピッチのヘッド131を用いて、高品質の画像を印刷することができる。
<印刷画像の濃度ムラ>
このプリンタ100では、前述したように、ドット形成動作と搬送動作とを繰り返して行うことで画像を印刷している。そして、インターレース印刷を行うことで、ノズルNz毎の吐出特性を緩和し、画像の品質を高めている。しかし、近年の高画質化に対する要求は高く、インターレース印刷で得られた画像に対しても、さらなる品質の向上が求められている。ここで、品質低下の原因となる印刷画像の濃度ムラ(バンディング)について説明する。この濃度ムラは、キャリッジ移動方向に対して平行な縞状(便宜上、横縞状ともいう。)に見えている。つまり、用紙Sの搬送方向に生じている濃度ムラである。
このような列領域毎の濃度ムラを補正するため、このプリンタ100では、ラスタラインが形成される列領域を単位とする補正値が記憶され、印刷画像の濃度を列領域毎に補正することがなされている。例えば、基準よりも濃く視認される傾向がある列領域については、その列領域の画像片が淡く形成されるように設定された補正値が記憶される。一方、基準よりも淡く視認される傾向がある列領域については、その列領域の画像片が濃く形成されるように設定された補正値が記憶される。この補正値は、例えば、プリンタドライバ216に基づく処理で参照される。例えば、ホストコンピュータ200のCPU211は、色変換処理において、多階調のCMYK画素データを補正値に基づいて補正する。そして、補正後のCMYK画素データについてハーフトーン処理を行う。要するに、補正値に基づいて階調値が補正される。これにより、各画像片における濃度ばらつきを抑制するように、インクの吐出量が調整される。なお、図9Bの例において、第n+2番目の列領域に対応する画像片が濃くなる理由は、隣接するラスタライン同士の間隔が正規の間隔よりも狭いためである。具体的には、本来、第n+1番目の列領域内における搬送方向の中央に形成されるべき第n+1番目のラスタラインが、第n+2番目の列領域側に寄っているために、対応する画像片が濃くなっている。このため、画像片を基準に考えると、隣接する列領域に形成されるラスタラインをも考慮する必要がある。すなわち、隣接する列領域を担当するノズルNzの組み合わせを考慮する必要がある。
(A)用紙Sにおける搬送方向の端部に適用される先端処理や後端処理(第1印刷方式に相当する。)であって、ドット形成動作と、用紙Sを所定搬送量(図8の例では1・D)で搬送する第1搬送動作とを繰り返し行う先端処理や後端処理により、テストパターンCPにおける第1部分を印刷すること。
(B)用紙Sにおける搬送方向に適用される通常処理(第2印刷方式に相当する。)であって、ドット形成動作と、用紙Sを他の所定搬送量(図8の例では、7・D)で搬送する第2搬送動作とを繰り返し行う通常処理により、テストパターンCPにおける第2部分を、列領域とノズルNzとの組み合わせで定まる複数周期分印刷すること。
(C)テストパターンCPの第1部分における列領域毎の濃度測定値に基づいて、第1部分に対応する端部用の仮補正値(第1仮補正値に相当する。)を列領域毎に定め、この端部用の仮補正値に減衰係数を乗じた値に基づいて、先端処理や後端処理に対応する端部用補正値を列領域毎に設定すること。
(D)テストパターンCPの第2部分における列領域毎の濃度測定値に基づいて、第2部分に対応する通常処理部用仮補正値(第2仮補正値に相当する。)を列領域毎に定め、それぞれの周期で同じノズルNzに対応する複数の通常処理部用仮補正値を平均化した値に基づいて、通常処理に対応する通常処理部用補正値を、ノズルNzとの組み合わせで定められる列領域毎に設定すること。
補正値の設定について説明するにあたり、まず補正値の設定に用いられる補正値設定システム20を説明する。図11に示すように、補正値設定システム20は、スキャナ300と工程用ホストコンピュータ200´とを有する。
スキャナ300は、スキャナ側コントローラ310と、読み取り機構320と、移動機構330とを有する。スキャナ側コントローラ310は、CPU311と、メモリ312と、インタフェース部313とを有する。CPU311はスキャナ300の全体的な制御を行う。このCPU311には、読み取り機構320や移動機構330が通信可能に接続されている。メモリ312は、コンピュータプログラムを記憶するための領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM等によって構成される。インタフェース部313は、工程用ホストコンピュータ200´との間に介在してデータの受け渡しを行う。この実施形態において、スキャナ300が有するインタフェース部313は、工程用ホストコンピュータ200´が有する第2インタフェース部214に接続されている。
工程用ホストコンピュータ200´は、印刷システム10が有するホストコンピュータ200と同様に構成される。このため、同じ部分には同じ符号を付し、説明は省略する。工程用ホストコンピュータ200´とホストコンピュータ200の大きな違いは、インストールされているコンピュータプログラムにある。すなわち、工程用ホストコンピュータ200´には、アプリケーションプログラムとして、工程用プログラムがインストールされている。この工程用プログラムは、例えば、補正値の設定対象となるプリンタ100にテストパターンCPを印刷させるための機能、スキャナ300を制御してテストパターンCPにおける濃度の測定値を得るための機能、及び、濃度の測定値から列領域毎の補正値を設定するための機能を工程用ホストコンピュータ200´に実現させるものである。
<テストパターンCPの印刷>
次に、プリンタ製造工場で行われる処理について説明する。なお、以下に説明する補正値設定処理は、工程用ホストコンピュータ200´にインストールされたコンピュータプログラム、すなわち、補正値設定用プログラム、スキャナドライバ、及び、プリンタドライバによって実現される。従って、これらのコンピュータプログラムは、補正値設定処理を行うためのコードを有する。
次に、印刷されたテストパターンCPについて説明する。なお、テストパターンCPは、複数の補正用パターンHPによって構成されている。1つの補正用パターンHPは、同じ種類のインクを吐出可能なノズル列(ノズル群)で描かれた部分であり、サブパターンに相当する。この補正用パターンHPは、濃度のばらつきの評価を行うために用いられる。前述したように、このプリンタ100のヘッド131は、ブラックインクノズル列Nk、イエローインクノズル列Ny、シアンインクノズル列Nc、マゼンタインクノズル列Nm、ライトシアンインクノズル列Nlc、及び、ライトマゼンタインクノズル列Nlmからなる6つのノズル列を有する。従って、図16に示すように、テストパターンCPは、それぞれのノズル列に対応する6つの補正用パターンHP(Y)〜HP(K)を有する。そして、これらの補正用パターンHP(Y)〜HP(K)は、キャリッジ移動方向に並んだ状態で配置(印刷)されている。
テストパターンCPが印刷されたならば、補正値を設定してプリンタ100に記憶させる処理が行われる(S200)。以下、この処理について説明する。図15Bに示すように、この処理では、まずスキャナ300の初期設定が行われる(S210)。この初期設定では、例えば、スキャナ300の読み取り解像度や原稿の種類等の必要項目が設定される。ここで、スキャナ300の読み取り解像度は、印刷解像度よりも高いことが求められる。好ましくは、印刷解像度の整数倍に定められる。この実施形態では、テストパターンCPの印刷解像度が720dpiであるため、スキャナ300の読み取り解像度は、その4倍の2880dpiに定められる。また、原稿の種類は反射原稿、イメージタイプは8bitのグレースケール、保存形式はビットマップである。
スキャナ300の初期設定が行われたならば、テストパターンCPの読み取りが行われる(S215)。このステップにおいて、スキャナ300は、スキャナ側コントローラ310が読み取り機構320及び移動機構330を制御し、用紙Sの全体の濃度データを取得する。ここでは、帯状パターンBDの長手方向に沿って濃度データを取得する。そして、スキャナ300は、取得した濃度データを工程用ホストコンピュータ200´へ出力する。なお、このようにして取得された濃度データは、画素(ここでは、読み取り解像度で規定される大きさの領域)毎に濃度を表すデータとなり、画像を構成する。このため、以下の説明では、スキャナ300によって取得されたデータを、画像データともいう。そして、この画像データを構成する画素毎の濃度データを画素濃度データともいう。この画素濃度データは、濃度を示す階調値によって構成される。
次に、ホスト側コントローラ210は、画像データに含まれる補正用パターンHPの傾きθを検出し(S220)、この傾きθに応じた回転処理を画像データに対して行う(S225)。例えば、ホスト側コントローラ210は、上罫線ULの画像濃度を、用紙Sの幅方向の位置を異ならせて複数箇所で取得し、これらの画像濃度に基づいて補正用パターンHPの傾きθを検出する。そして、検出した傾きに基づいて、画像データの回転処理を行う。
次に、ホスト側コントローラ210は、それぞれの補正用パターンHPの画像データから横罫線(上罫線UL,下罫線DL)を検出し(S230)、トリミングを行う(S235)。まず、ホスト側コントローラ210は、回転処理された画像データの中から所定範囲の画素について画素濃度データを取得する。そして、画像濃度に基づいて上罫線ULを認識し、この上罫線ULよりも上の部分をトリミングよって除去する。同様に、画像濃度に基づいて下罫線DLを認識し、この下罫線DLよりも下の部分をトリミングによって除去する。
トリミングを行ったならば、ホスト側コントローラ210は、トリミングされた画像データの解像度を変換する(S240)。この処理では、画像データにおけるY軸方向(搬送方向,列領域の配列方向)の画素数が、補正用パターンHPを構成するラスタラインの数と同じになるように、画像データの解像度が変換される。仮に、解像度720dpiで印刷された補正用パターンHPが解像度2880dpiで読み取られたとする。この場合、理想的には、画像データにおけるY軸方向の画素数は、補正用パターンHPを構成するラスタラインの数の4倍となる。しかし、実際には印刷時や読み取り時における誤差等の影響により、ラスタラインの数と画素数とが整合しない場合がある。解像度変換は、このような不整合を解消すべく、画像データに対して行われる。この解像度変換処理では、補正用パターンHPを構成するラスタラインの数とトリミング後の画像データのY軸方向の画素数の比率に基づいて、変換倍率を算出する。そして、算出した倍率で解像度変換処理を行う。解像度変換にはバイキュービック法など種々の方法を用いることができる。その結果、Y軸方向に並ぶ画素の数と列領域の数とが等しくなり、X軸方向に並ぶ画素の列と列領域とが一対一に対応する。
次に、ホスト側コントローラ210は、補正用パターンHPにおける列領域毎の濃度を取得する(S245)。列領域毎の濃度を取得するにあたり、ホスト側コントローラ210は、基準となる縦罫線(この例では左罫線LL)の重心位置を取得し、この罫線の重心位置を基準にして各帯状パターンBDを構成する画素を特定する。そして、特定した画素について画素濃度データを取得する。例えば、濃度30%で印刷された帯状パターンBD(30)については、図17に示すように、符号W1で示す両端部分を除いた中央範囲W2に属する各画素について、画素濃度データを取得する。そして、取得した各画素濃度データから得られた平均値を、1番目の列領域に対する濃度30%の測定値とする。第2列領域、及び、他の帯状パターンBDについても、同様にして測定値が取得される。この測定値は、スキャナ300による濃度の測定値に相当する。そして、取得された測定値については、ホスト側コントローラ210が有するメモリ212のデータテーブル(図13を参照。)に記憶される。すなわち、測定値は、ノズル列の種類、パターンの印刷濃度、列領域の番号によって特定される領域に記憶される。なお、図13における濃度1〜濃度3は各帯状パターンBDの濃度を意味している。例えば、濃度1は濃度30%に対応し、濃度2は濃度50%に対応し、濃度3は濃度70%に対応している。そして、このデータテーブルに記憶された測定値を縦軸に定め、列領域の位置を横軸に定めてプロットすると、例えば図18のグラフが得られる。
列領域毎の測定値を取得したならば、ホスト側コントローラ210は、列領域毎に補正値を設定する(S250)。前述したように、1つの帯状パターンBDは、同じ指令階調値によって印刷されている。しかし、得られた列領域毎の測定値(濃度測定値)にはばらつきが生じている。このばらつきが印刷画像における濃度ムラの原因となっている。この濃度ムラをなくすためには、各帯状パターンBDに関し、列領域毎の測定値をできるだけ揃えることが求められる。このような観点から、補正値は、列領域毎の測定値に基づき、列領域毎に設定される。前述したように、テストパターンCPは、ノズル列の種類毎に印刷された複数の補正用パターンHP(Y)〜HP(K)を有しており、各補正用パターンHP(Y)〜HP(K)は、異なる所定濃度で印刷された帯状パターンBDを有する。そして、それぞれの帯状パターンBD(30)〜BD(70)は、複数の列領域を有する。すなわち、列領域は、帯状パターンBD(所定濃度で印刷された領域)内に、搬送方向に並んだ状態で複数定められている。従って、補正値は、異なる色毎、異なる濃度毎、及び、列領域毎に設定される。
まず、先端処理部用補正値の設定について説明する。前述したように、先端処理部用補正値は、先端処理部を構成する各列領域に適用される補正値である。図19に示すように、先端処理部は、先端処理区間と先端側混在区間とを有する。ここで、先端処理区間は、先端処理によってラスタラインが形成される複数の列領域で構成されている。図19の例では、番号1から番号7の列領域が先端処理区間に属している。また、先端側混在区間は、先端処理によってラスタラインが形成される列領域(先端側の或る列領域)と、通常処理によってラスタラインが形成される列領域(先端側の他の列領域)とが混在している。図19の例では、番号8から番号28の列領域が先端側混在区間に属している。この先端側混在区間において、先端処理でラスタラインが形成される列領域は、番号9〜番号11、番号13、番号14、番号17、番号18、番号21、及び、番号25の各列領域である。そして、他の番号の列領域は、通常処理でラスタラインが形成される。
u(y)=(U(y)−128)×G/100+128 ……(1)
u(y):番号yの列領域に対応する先端処理部用補正値
U(y):番号yの列領域に対応する先端処理部用仮補正値
y:補正値の設定対象となる列領域の番号
G:減衰係数(%)
次に、通常処理部用補正値の設定について説明する。前述したように、通常処理部用補正値は、通常処理部を構成する各列領域に適用される補正値である。通常処理部は、媒体における搬送方向の中間部に相当する。この通常処理部用補正値は、列領域とノズルの組み合わせに基づく所定数が設定される。図19の例で説明すると、通常処理部では、列領域とノズルNzの組み合わせが7種類定められる。そして、これら7種類の組み合わせが周期的に生じる。具体的には、1番目の列領域は1番目のノズルNz(#1)から吐出されたインクでドット列が形成され、2番目の列領域は3番目のノズルNz(#3)から吐出されたインクでドット列が形成される。また、3番目の列領域は5番目のノズルNz(#5)から、4番目の列領域は7番目のノズルNz(#7)から、それぞれ吐出されたインクでドット列が形成される。同様に、5番目の列領域は2番目のノズルNz(#2)から、6番目の列領域は4番目のノズルNz(#4)から、7番目の列領域は6番目のノズルNz(#6)から、それぞれ吐出されたインクでドット列が形成される。従って、この例において、通常処理部用補正値は、これらの列領域に対応させて7種類を設定すればよいといえる。
次に、後端処理部用補正値の設定について説明する。前述したように、後端処理部用補正値は、後端処理部を構成する各列領域に適用される補正値である。図20に示すように、後端処理部は、後端処理区間と後端側混在区間とを有する。ここで、後端処理区間は、後端処理によってラスタラインが形成される複数の列領域で構成されている。図20の例では、番号124から番号133の列領域が後端処理区間に属している。また、後端側混在区間は、後端処理によってラスタラインが形成される列領域(後端側の或る列領域)と、通常処理によってラスタラインが形成される列領域(後端側の他の列領域)とが混在している。図20の例では、番号106から番号123の列領域が後端側混在区間に属している。この後端側混在区間において、後端処理でラスタラインが形成される列領域は、番号106、番号110、番号113、番号114、番号117、番号118、及び、番号120〜番号122の各列領域である。そして、他の番号の列領域は、通常処理でラスタラインが形成される。
d(y)=(D(y)−128)×G/100+128 ……(2)
d(y):番号yの列領域に対応する後端処理部用補正値
D(y):番号yの列領域に対応する後端処理部用仮補正値
y:補正値の設定対象となる列領域の番号
G:減衰係数(%)
ここで、減衰係数について説明する。前述したように、減衰係数は、先端処理部用補正値や後端処理部用補正値による補正度合いを、通常処理部用補正値による補正度合いにあわせるために用いられる。例えば、図24A、図24B、図25A及び図25Bにおいて符号N(y´)で示す通常処理部用補正値は、複数の仮補正値の平均値として求められる。このため、誤差等が除去された精度の高い値として得られる。このため、通常処理部用補正値のばらつきは、符号ds2で示す範囲となる。一方、図24Aに符号u(y)で示す先端処理部用仮補正値は、テストパターンCPの濃度測定値から直接的に求められる。このため、符号ds1´で示すばらつきは、通常処理部用補正値のばらつきds2に比べて大きくなっている。このばらつき度合いの違いにより、先端処理部用仮補正値をそのまま適用して印刷すると、通常処理部との間で濃度差が生じてしまう。
補正値を設定したならば、ホスト側コントローラ210は、設定した補正値をプリンタ側コントローラ150のメモリ152(補正値記憶部155,図14を参照。)へ記憶させる(S255)。この場合、ホスト側コントローラ210は、プリンタ100と通信をして、補正値を記憶できる状態にする。そして、ホスト側コントローラ210は、そのメモリ212に記憶されている補正値を転送し、プリンタ側コントローラ150のメモリ152へ記憶させる。この補正値設定システム20では、帯状パターンBD(30)〜BD(70)の測定値に基づいて設定された各補正値、すなわち、先端処理部用補正値、通常処理部用補正値、及び、後端処理部用補正値が記憶される。
前述した手順により、補正値記憶部155に補正値が記憶されたプリンタ100は、他の検査が行われ、工場から出荷される。このプリンタ100を購入したユーザーは、例えば図1に示すように、所有するホストコンピュータ200にプリンタ100を接続する。そして、電源が投入されると、プリンタ100は、ホストコンピュータ200から印刷データが送られてくるのを待つ。ホストコンピュータ200から印刷データが送られると、印刷動作を行う。ここでの印刷動作は前述した通りである。すなわち、ホストコンピュータ200は、色変換処理にて補正値を参照し、その列領域における画像の濃度(指令階調値)を、対応する補正値によって補正する。例えば、濃く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する単位領域の画素データ(CMYKデータ)の階調値が低くなるように補正を行う。逆に、淡く視認されやすい列領域に対しては、その列領域に対応する単位領域の画素データの階調値が高くなるように補正を行う。そして、ホストコンピュータ200は、補正された画像濃度でハーフトーン処理等を行い、印刷データを得る。このようにして生成された印刷データは、プリンタ100へ出力される。そして、プリンタ100では、この印刷データに基づいてインクの吐出量が調整される。これに伴い、プリンタ100による印刷画像は、各列領域に対応する画像片の濃度が補正され、画像全体の濃度ムラが抑制される。
前述の第1実施形態では、通常処理部については1周期分の補正値が設定され、先端処理部や後端処理部については、濃度測定値に基づく仮補正値を減衰させることで、補正値が設定される。このように、設定方法が異なることから、先端処理部用の補正値や後端処理部用の補正値、及び、通常処理部用の補正値をそのまま用いた場合に、先端処理部用の補正値や後端処理部用の補正値で補正された部分と、通常処理部用の補正値で補正された部分とで濃度補正の度合いが異なり、境界部分で濃度差が生じてしまう可能性があった。
図26に示すように、第2実施形態では、先端側合成補正値を記憶する領域及び後端側合成補正値を記憶する領域を、補正値記憶部155に設けている。先端側合成補正値は、図27に示すように、先端側混在区間に属する各列領域に適用される補正値であり、先端処理部用補正値と通常処理部用補正値の合成によって設定される。後端側合成補正値は、図28に示すように、後端側混在区間に属する各列領域に適用される補正値であり、後端処理部用補正値と通常処理部用補正値の合成によって設定される。
次に、先端側合成補正値の設定について説明する。図27の例において、先端処理でラスタラインが形成される先端側混在区間の列領域は、番号9〜番号11、番号13、番号14、番号17、番号18、番号21、及び、番号25の各列領域である。そして、他の番号の列領域は、通常処理でラスタラインが形成される。ここで、先端処理でラスタラインが形成される列領域に着目すると、その存在比率は先端処理区間に近付くほど増え、遠くなるほど減る。例えば、先端側混在区間の前半部に属する番号8から番号16の列領域では、9つの列領域のうち5つの列領域が、先端処理でラスタラインが形成される。これに対し、先端側混在区間の後半部に属する番号20から番号28の列領域では、9つの列領域のうち2つの列領域が、先端処理でラスタラインが形成される。このことから先端側混在区間は、用紙Sにおける搬送方向の中間部よりも先端側に定められる区間であって、通常処理部に近付く程に、通常処理でラスタラインが形成される領域の比率が増える区間といえる。
先端側合成補正値は、工程用ホストコンピュータ200´が有するホスト側コントローラ210によって設定される。このため、設定に際して、ホスト側コントローラ210には、次のパラメータが与えられる。図28に示すように、演算用のパラメータとしては、先端処理部に属する列領域の数Hu、通常処理補正値の種類(個数)Hn、先端側混在区間を構成する列領域の数hu、補正値の設定対象となる列領域の番号yが与えられる。また、列領域の番号yが定まると、その番号yに対応する先端処理部用補正値U(y)、及び、通常処理部用補正値N(y´)が特定される。そして、ホスト側コントローラ210は、補正値の設定対象となる列領域の番号yが与えられると、次式(3)〜(5)の演算を行い、その列領域に対応する先端側合成補正値u(y)を求める。すなわち、列領域毎に合成比率を演算し、先端側合成補正値u(y)を求めている。
次に、後端側合成補正値の設定について説明する。この後端側合成補正値は、後端処理部における後端側混在区間に適用されるものである。図29の例では、番号106から番号123の列領域が後端側混在区間に属している。この後端側混在区間において、後端処理でラスタラインが形成される列領域は、番号106、番号110、番号113、番号114、番号117、番号118、及び、番号120〜番号122の各列領域である。そして、他の番号の列領域は、通常処理でラスタラインが形成される。ここで、後端処理でラスタラインが形成される列領域に着目すると、その存在比率は後端処理区間に近付くほど増え、遠くなるほど減る。反対に、通常処理でラスタラインが形成される列領域に関し、その存在比率は通常処理部に近付くほど増え、遠くなるほど減る。このことから後端側混在区間は、用紙Sにおける搬送方向の中間部よりも後端側に定められる区間であって、通常処理部にから遠くなる程に、通常処理でラスタラインが形成される領域の比率が減る区間といえる。
後端側合成補正値もまた、先端側合成補正値と同様に、工程用ホストコンピュータ200´が有するホスト側コントローラ210によって設定される。このため、設定に際して、ホスト側コントローラ210には、次のパラメータが与えられる。図30に示すように、演算用のパラメータとしては、後端処理部に属する列領域の数Hd、通常処理補正値の種類(個数)Hn、後端側混在区間を構成する列領域の数hd、補正値の設定対象となる列領域の番号yが与えられる。また、列領域の番号yが定まると、その番号yに対応する後端処理部用補正値D(y)、及び、通常処理部用補正値N(y´)が特定される。そして、ホスト側コントローラ210は、補正値の設定対象となる列領域の番号yが与えられると、次式(6)〜(8)の演算を行い、その列領域に対応する後端側合成補正値d(y)を求める。
補正値を設定したならば、ホスト側コントローラ210は、設定した補正値をプリンタ側コントローラ150のメモリ152(補正値記憶部155,図26を参照。)へ記憶させる。第2実施形態の補正値設定システム20では、帯状パターンBD(30)〜BD(70)の測定値に基づいて設定された各補正値、すなわち、先端処理部用補正値、通常処理部用補正値、後端処理部用補正値、先端側合成補正値、及び、後端側合成補正値が、補正値記憶部155に記憶される。
前述した手順により、補正値記憶部155に補正値が記憶されたプリンタ100は、他の検査が行われ、工場から出荷される。このプリンタ100を購入したユーザーによる印刷時には、補正値に基づいてインク吐出量が補正される。ここでの動作は前述した通りである。すなわち、ホストコンピュータ200は、対象となる列領域の画像濃度(指令階調値)を、対応する補正値によって補正し、印刷データを得る。プリンタ100では、この印刷データに基づいてインクの吐出量が調整される。これに伴い、プリンタ100による印刷画像は、各列領域に対応する画像片の濃度が補正され、画像全体の濃度ムラが抑制される。
前述の実施形態は、主としてプリンタ100を有する印刷システム10や補正値設定システム20について記載されているが、その中には、補正値設定方法や補正値設定装置の開示も含まれている。印刷方法やインク吐出量の補正方法の開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはい言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述の各実施形態では、先端処理部用補正値や後端処理部用補正値を補正値記憶部155に記憶させ、印刷時においてこれらの補正値を補正値記憶部155から読み出す構成であった。この点に関し、補正値記憶部155に先端処理部用仮補正値と後端処理部用仮補正値を記憶させ、印刷時に減衰係数を乗じるようにしてもよい。
第2実施形態では、合成補正値(先端側合成補正値,後端側合成補正値)を、工程用ホストコンピュータ200´のホスト側コントローラ210で算出し、補正値記憶部155に記憶させていた。この点に関し、印刷時に合成補正値を算出させるようにしてもよい。この場合、補正値記憶部155には、先端処理部用補正値、通常処理部用補正値、及び、後端処理部用補正値を記憶させる。そして、用紙Sへの印刷時において、印刷システム10のホストコンピュータ200(ホスト側コントローラ210)に前述した式(3)〜式(8)の演算を行わせ、合成補正値を算出させる。なお、プリンタドライバを実装しているプリンタでは、合成補正値をプリンタで演算するようにしてもよい。
印刷システム10に関し、前述の実施形態では、印刷装置としてのプリンタ100と、印刷制御装置としてのコンピュータとが別々に構成されているものについて説明したが、この構成に限定されない。印刷システム10は、印刷装置と印刷制御装置とが一体になっているものであっても良い。また、スキャナ300が一体になっているプリンタ・スキャナ複合装置であってもよい。この複合装置であれば、ユーザーの下で補正値を再度設定することも容易である。すなわち、補正値設定システム20を簡単に構築できる。
以上は、工程内における補正値の設定について説明した。すなわち、製造時における補正値の設定について説明した。この点に関し、出荷後において補正値を再設定するようにしてもよい。
前述の実施形態は、6色のインクをヘッド131から吐出させるものであった。しかし、吐出させるインクの種類は、これら6色に限定されるものではない。色の種類が異なっていてもよいし、色数が増えてもよい。例えば、レッドインク、バイオレットインク、グレーインクが含まれていてもよい。
また、前述の実施形態では、プリンタ100が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
100 プリンタ,110 用紙搬送機構,111 給紙ローラ,
112 プラテン,113 搬送ローラ,114 排紙ローラ,
115 搬送モータ,120 キャリッジ移動機構,121 タイミングベルト,
122 キャリッジモータ,123 ガイド軸,124 駆動プーリー,
125 アイドラプーリー,130 ヘッドユニット,131 ヘッド,
140 検出器群,141 リニア式エンコーダ,
142 ロータリー式エンコーダ,143 紙検出器,144 紙幅検出器,
150 プリンタ側コントローラ,151 CPU,152 メモリ,
153 制御ユニット,154 インタフェース部,155 補正値記憶部,
200 ホストコンピュータ,200´ 工程用ホストコンピュータ,
210 ホスト側コントローラ,211 CPU,212 メモリ,
213 第1インタフェース部,214 第2インタフェース部,
220 記録再生装置,230 表示装置,240 入力装置,
300 スキャナ,310 スキャナ側コントローラ,
311 CPU,312 メモリ,313 インタフェース部,
320 読み取り機構,321 原稿台ガラス,322 原稿台カバー,
323 読み取りキャリッジ,324 CCDイメージセンサ,
325 露光ランプ,326 ミラー,327 レンズ,330 移動機構,
331 支持レール,332 規制レール,333 駆動モータ,
334 駆動プーリー,335 アイドラプーリー,336 タイミングベルト,
SS 用紙ストッカ,S 用紙,IC インクカートリッジ,Nz ノズル,
Nk ブラックインクノズル列,Ny イエローインクノズル列,
Nc シアンインクノズル列,Nm マゼンタインクノズル列,
Nlc ライトシアンインクノズル列,Nlm ライトマゼンタインクノズル列,
CP テストパターン,HP 補正用パターン,BD 帯状パターン
Claims (6)
- 印刷方法であって、
(A)第1補正値を設定すること、
前記第1補正値は、
媒体における搬送方向の端部に適用される第1印刷方式であって、複数のノズルを前記搬送方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出させることで、前記搬送方向に並ぶ複数の列領域に前記移動方向に沿ったドット列を形成する移動吐出動作と、前記媒体を前記搬送方向へ第1搬送量で搬送する第1搬送動作とを繰り返し行う第1印刷方式により印刷される列領域と、前記媒体における搬送方向の中間部に適用される第2印刷方式であって、前記移動吐出動作と、前記媒体を前記搬送方向へ前記第1搬送量よりも大きな第2搬送量で搬送する第2搬送動作とを繰り返し行う第2印刷方式により印刷される列領域とが、前記搬送方向に混在する混在区間に、テストパターンにおける第1部分を印刷することと、
前記第1部分における列領域毎の濃度測定値を目標濃度にするための第1仮補正値を、前記列領域毎に定めることと、
前記第1仮補正値による補正度合いを弱くする係数を前記第1仮補正値に乗じること、
によって得られた補正値であって、
前記列領域毎に設定され、前記混在区間に対応する補正値である、
(B)第2補正値を設定すること、
前記第2補正値は、
前記第2印刷方式によってテストパターンにおける第2部分を、前記列領域と前記ノズルとの組み合わせで定まる複数周期分印刷することと、
前記第2部分における列領域毎の濃度測定値を目標濃度にするための第2仮補正値を、前記列領域毎に定めることと、
それぞれの周期で、周期中における同じ位置にある列領域に対応する複数の前記第2仮補正値を平均化すること、
によって得られ、前記第1仮補正値による補正度合いのばらつきよりも小さいばらつきの補正値であって、前記列領域毎に設定され、前記媒体の前記中間部に対応する補正値である、
(C)媒体における搬送方向の中間部に、前記第2印刷方式で前記ドット列が形成される複数の列領域からなる区間が定められ、当該区間の各列領域に、前記第2補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正して、ドット列を形成すること、
(D)当該媒体の前記区間よりも搬送方向の端部側に、前記第1印刷方式で形成される列領域と前記第2印刷方式で形成される列領域とが搬送方向に混在する前記混在区間が定められ、当該媒体の前記混在区間よりも前記搬送方向の端部側に、前記第1印刷方式で前記ドット列が形成される複数の列領域からなる区間が定められ、
当該媒体の前記混在区間の各列領域に対し、各列領域に対応する前記第1補正値と前記第2補正値の合成で得られる合成補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正してドット列を形成すること、
を行う印刷方法。 - 請求項1に記載の印刷方法であって、
前記第1仮補正値に乗じられる係数は、
第1仮補正値によって補正される濃度を、前記第2補正値によって補正される濃度にあわせる値に定められる、印刷方法。 - 請求項2に記載の印刷方法であって、
前記混在区間は、
前記媒体の前記中間部よりも前記搬送方向の端部側に定められる区間であって、前記中間部に近付く程に前記他の列領域の比率が増える区間であり、
前記インクの吐出量の補正では、
前記中間部に近い側の列領域における前記第2補正値の割合を、前記中間部から遠い側の列領域における前記第2補正値の割合よりも増やす、印刷方法。 - 請求項1から3の何れか1項に記載の印刷方法であって、
前記複数のノズルは、
前記列領域同士の間隔よりも広い間隔で前記搬送方向に配置されている、印刷方法。 - (A)インクを吐出する複数のノズルを移動方向へ移動させるノズル移動機構と、
(B)媒体を前記移動方向とは交差する搬送方向へ搬送する搬送機構と、
(C)補正値を記憶するメモリであって、
(C1)媒体における搬送方向の端部に適用される第1印刷方式であって、複数のノズルを前記搬送方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出させることで、前記搬送方向に並ぶ複数の列領域に前記移動方向に沿ったドット列を形成する移動吐出動作と、前記媒体を前記搬送方向へ第1搬送量で搬送する第1搬送動作とを繰り返し行う第1印刷方式により印刷される列領域と、前記媒体における搬送方向の中間部に適用される第2印刷方式であって、前記移動吐出動作と、前記媒体を前記搬送方向へ前記第1搬送量よりも大きな第2搬送量で搬送する第2搬送動作とを繰り返し行う第2印刷方式により印刷される列領域とが、前記搬送方向に混在する混在区間に、テストパターンにおける第1部分を印刷することと、
前記第1部分における列領域毎の濃度測定値を目標濃度にするための第1仮補正値を、前記列領域毎に定めることと、
前記第1仮補正値による補正度合いを弱くする係数を前記第1仮補正値に乗じること、
によって得られ、
前記列領域毎に設定され、前記混在区間に対応する第1補正値と、
(C2)前記第2印刷方式によってテストパターンにおける第2部分を、前記列領域と前記ノズルとの組み合わせで定まる複数周期分印刷することと、
前記第2部分における列領域毎の濃度測定値を目標濃度にするための第2仮補正値を、前記列領域毎に定めることと、
それぞれの周期で、周期中における同じ位置にある列領域に対応する複数の前記第2仮補正値を平均化すること、
によって得られ、前記第1仮補正値による補正度合いのばらつきよりもばらつきが小さく、
前記列領域毎に設定され、前記媒体の前記中間部に対応する第2補正値の
(C3)合成によって得られる合成補正値と、
(C4)前記第2補正値とを記憶するメモリと、
(D)前記複数のノズルを移動させながらインクを吐出させる移動吐出動作、及び、前記媒体を前記搬送方向へ搬送する搬送動作を制御するコントローラであって、
(D1)媒体における搬送方向の中間部に、前記第2印刷方式で前記ドット列が形成される複数の列領域からなる区間が定められ、当該区間の各列領域に、前記第2補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正して、ドット列を形成させること、及び、
(D2)当該媒体の前記区間よりも搬送方向の端部側に、前記第1印刷方式で形成される列領域と前記第2印刷方式で形成される列領域とが搬送方向に混在する前記混在区間が定められ、当該媒体の前記混在区間よりも前記搬送方向の端部側に、前記第1印刷方式で前記ドット列が形成される複数の列領域からなる区間が定められ、
当該媒体の前記混在区間の各列領域に対し、各列領域に対応する前記第1補正値と前記第2補正値の合成で得られる合成補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正してドット列を形成させること、
を行って印刷をさせる、コントローラと、
(E)を有する印刷装置。 - (A)インクを吐出する複数のノズルを移動方向へ移動させるノズル移動機構と、
(B)媒体を前記移動方向とは交差する搬送方向へ搬送する搬送機構と、
(C)補正値を記憶するメモリであって、
(C1)媒体における搬送方向の端部に適用される第1印刷方式であって、複数のノズルを前記搬送方向と交差する移動方向に移動させつつインクを吐出させることで、前記搬送方向に並ぶ複数の列領域に前記移動方向に沿ったドット列を形成する移動吐出動作と、前記媒体を前記搬送方向へ第1搬送量で搬送する第1搬送動作とを繰り返し行う第1印刷方式により印刷される列領域と、前記媒体における搬送方向の中間部に適用される第2印刷方式であって、前記移動吐出動作と、前記媒体を前記搬送方向へ前記第1搬送量よりも大きな第2搬送量で搬送する第2搬送動作とを繰り返し行う第2印刷方式により印刷される列領域とが、前記搬送方向に混在する混在区間に、テストパターンにおける第1部分を印刷することと、
前記第1部分における列領域毎の濃度測定値を目標濃度にするための第1仮補正値を、前記列領域毎に定めることと、
前記第1仮補正値による補正度合いを弱くする係数を前記第1仮補正値に乗じること、
によって得られ、
前記列領域毎に設定され、前記混在区間に対応する第1補正値と、
(C2)前記第2印刷方式によってテストパターンにおける第2部分を、前記列領域と前記ノズルとの組み合わせで定まる複数周期分印刷することと、
前記第2部分における列領域毎の濃度測定値を目標濃度にするための第2仮補正値を、前記列領域毎に定めることと、
それぞれの周期で、周期中における同じ位置にある列領域に対応する複数の前記第2仮補正値を平均化すること、
によって得られ、前記第1仮補正値による補正度合いのばらつきよりもばらつきが小さく、
前記列領域毎に設定され、前記媒体の前記中間部に対応する第2補正値とを、
(C3)記憶するメモリと、
(D)前記複数のノズルを移動させながらインクを吐出させる移動吐出動作、及び、前記媒体を前記搬送方向へ搬送する搬送動作を制御するコントローラであって、
(D1)媒体における搬送方向の中間部に、前記第2印刷方式で前記ドット列が形成される複数の列領域からなる区間が定められ、当該区間の各列領域に、前記第2補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正して、ドット列を形成すること、及び、
(D2)当該媒体の前記区間よりも搬送方向の端部側に、前記第1印刷方式で形成される列領域と前記第2印刷方式で形成される列領域とが搬送方向に混在する前記混在区間が定められ、当該媒体の前記混在区間よりも前記搬送方向の端部側に、前記第1印刷方式で前記ドット列が形成される複数の列領域からなる区間が定められ、
当該媒体の前記混在区間の各列領域に対し、各列領域に対応する前記第1補正値と前記第2補正値の合成で得られる合成補正値を用い、前記インクの吐出量を前記列領域毎に補正してドット列を形成すること、
を行って印刷をさせる、コントローラと、
(E)を有する印刷装置。
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