JP2007130009A - 組換えタンパクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 麹菌を宿主として用い、液体培養法によって組換えタンパクを大量生産する方法を提供すること。
【解決手段】 麹菌を宿主として形質転換させて得られた組換え麹菌を用いる組換えタンパクの製造方法において、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類;表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類;並びに、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアから選ばれた少なくとも1種を培養原料として含有する液体培地で、当該組換え麹菌を培養し、培養物から組換えタンパクを採取することを特徴とする組換えタンパクの製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、組換えタンパクの製造方法に関し、詳しくは麹菌を宿主とした組換えタンパクの製造方法に関する。
麹は発酵飲食品製造時の酵素源として古くから利用されてきた。この発酵飲食品製造時に用いる麹は、従来、穀類等の表面上に麹菌を生育させた固体麹が用いられてきた。固体麹は、伝統的な製造法で得られるものであるが、固体培養という特殊な培養形態であるため、大規模製造に不向きである。
一方、麹菌を液体培養することにより得られる麹菌培養物である液体麹は、培養制御が容易であることから、効率的な生産に適した培養形態であると言える。
しかし、この液体麹は、発酵飲食品の製造に必要な酵素活性が十分に得られないことがよく知られており、これまで実製造で使用された例は少ない(非特許文献1〜4参照)。
ところで、麹菌は容易に増殖し、培地が安価に調製可能であり、しかも特殊な培養装置が必要ないため、培養にかかるコストが少なくてすむ。また、古くから発酵飲食品の製造に用いられているため、安全な宿主として認められている。したがって、麹菌を宿主として、その麹菌由来または別の生物由来の遺伝子を組込み、当該遺伝子を強発現させ、当該遺伝子由来の産物つまり組換えタンパクを製造することは従来から試みられている(非特許文献5参照)。
また、小麦フスマを用いた固体培養により、麹菌による組換えタンパクの高生産に成功した例(非特許文献6参照)も報告されている。ただし、固体培養という特殊な培養形態であるため、大規模製造には不向きな方法であるといえる。
一方、液体培養では、上記のようにもともと菌体外に生産されるタンパクが少なく、組換えタンパクの大量生産には向かないと考えられてきた。
Hata Y. et. Al.:J. Ferment. Bioeng.,84,532-537(1997) Hata Y. et. a1.:Gene.,207,127-134(1998) Ishida H. et. al.:J. Ferment. Bioeng.,86,301-307(1998) Ishida H. et. a1:Curr. Genet.,37,373-379(2000) R. J. Goukaら、Appl. Microbiol. Biotechnol., 47、1-11、(1997) K. Tsuchiyaら, Biosci. Biotech. Biochem., 58, 895-899 (1994)
本発明の目的は、上記の理由から従来組換えタンパクの製造には不向きであると考えられてきた、麹菌を宿主として用いる液体培養法によって、組換えタンパクを大量生産する方法を提供することである。
本発明者らは既に、酵素活性を充分量持つ液体麹の製造方法(特願2004−350661、同2004−352320、同2004−352324、同2004−378453、同2005−290648、および特開2003−265165参照)を提案した。これらの方法は、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮に覆われた状態の原料を培地に使用することにより、該原料由来の栄養分の培養系への放出を抑制し、結果的に必要な酵素活性、特にデンプン分解酵素、セルロース分解酵素およびタンパク分解酵素を得るものである。これらの方法によれば、焼酎の原料である丸麦、精白米を原料として液体培養を行った場合よりも、高い酵素活性が得られる。麹菌としては白麹菌、黒麹菌、黄麹菌および紅麹菌を用いることができる。
上記の液体麹の製造方法では、糖やアミノ酸などの栄養分濃度によりカタボライト抑制を受ける酵素をコードする遺伝子の転写量が高まり、これら遺伝子由来の産物(当該酵素)が麹菌菌体外に分泌生産できると推測されている。
そこで、糖やアミノ酸などの栄養分濃度によりカタボライト抑制を受ける酵素をコードする遺伝子のプロモーター下に、目的とするタンパクをコードする遺伝子を連結し、それを麹菌に組み込んだ組換え麹菌を作製し、上記の液体麹の製造方法に準じ培養することにより、目的とする組換えタンパクが高生産されると考えられる。
また、組換えタンパクの製造においてもうひとつの重要なことは、翻訳された組換えタンパクが正しく宿主菌体外まで輸送されることである。単に転写量を増やしても、翻訳された組換えタンパクが菌体内で蓄積したり、元来宿主が分泌する酵素により分解されてしまったりすることが非常に多くある。また、宿主菌体外までの輸送途中で必要な修飾が組換えタンパクに対して行われなければ、正しくフォールディングされ、天然物と等しい活性を持つタンパクは製造されない。
これに対して上記の液体麹製造技術を応用すれば、麹菌を宿主として、より多くの組換えタンパクが分泌生産できる可能性が高い。また、宿主麹菌が元来分泌生産している酵素と組換えタンパクとの融合タンパクとして宿主菌体外に生産させ、培養上清に含まれる当該融合タンパクの連結部分を部位特異的プロテアーゼにて切断することにより、目的とする組換えタンパクを大量に得ることも可能である。
上記の知見に基づいて、本発明は完成されるに至ったのである。
すなわち、請求項1に係る本発明は、麹菌を宿主として形質転換させて得られた組換え麹菌を用いる組換えタンパクの製造方法において、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類;表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類;細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアから選ばれた少なくとも1種を培養原料として含有する液体培地で、当該組換え麹菌を培養し、培養物から組換えタンパクを採取することを特徴とする組換えタンパクの製造方法である。
請求項2に係る本発明は、組換え麹菌が、糖やアミノ酸などの栄養分濃度によりカタボライト抑制を受ける酵素をコードする遺伝子のプロモーターの下流に、目的とするタンパクをコードする遺伝子を連結したものを、宿主の麹菌に導入して得たものである請求項1に記載の組換えタンパクの製造方法である。
請求項3に係る本発明は、プロモーターが、デンプン分解酵素、セルロース分解酵素およびタンパク分解酵素のいずれかの酵素をコードする遺伝子のプロモーターである請求項2に記載の組換えタンパクの製造方法である。
本発明によれば、麹菌を宿主として用い、液体培養法によって組換えタンパクを大量生産する方法を提供することができる。麹菌は、容易に増殖し、安価に培地が調製でき、特殊な培養装置も必要としない。また、麹菌は、古くから発酵飲食品の製造に用いられているため、安全な宿主である。
さらに、麹菌の液体培養は固体培養に比べ厳密な培養コントロールが可能であるため、効率的な生産に適した培養形態であるといえる。
しかも、種々の原料や麹菌株を用いることにより、多様な製造パターン選択が可能となり、目的とする組換えタンパクの効率的、安定的な大量生産が可能となる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明における液体培地は、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類;表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類;並びに、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアから選ばれた少なくとも1種を培養原料として含有するものを用いる。
本発明において、培養原料として用いる穀類としては、大麦、米、小麦、そば、ヒエ、アワ、キビ、コウリャン、トウモロコシ等を挙げることができる。これらの培養原料の形状としては、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われていることが必要であって、未精白物、または少なくとも穀皮が穀粒の表面に残されている程度までに精白された精白歩合以上のもの等を用いることができ、玄米、玄麦なども使用できる。また、米の場合には、玄米はもちろんのこと、籾殻が全部付いているものでもよいし、籾殻が一部付いているものでもよい。
例えば、培養原料が大麦の場合、未精白の精白歩合100%のもの、或いは未精白の精白歩合を100%とし、この未精白の精白歩合(100%)から大麦の穀皮歩合(一般的には7〜8%)を差し引いた割合、すなわち92〜93%程度の精白歩合以上のものである。
ここで、精白歩合とは穀類を精白して残った穀類の割合を言い、例えば精白歩合90%とは、穀類の表層部の穀皮等を10%削り取ることを意味する。また、本発明において、玄麦とは、未精白の麦から穀皮が穀粒の表面に残されている程度までに精白されたものであり、精白歩合90%以上のものを含む。また、穀皮とは、穀類の粒の表面を覆っている外側部位のことを言う。
本発明において、培養原料として用いる豆類や芋類としては、大豆、小豆、サツマイモ等を挙げることができる。これらの培養原料は、外皮の汚れを洗い落とすのみで、裁断、粉砕処理などの加工は全く行なわず、外皮に完全に覆われたままの状態で液体培地の調製に用いる。
なお、本発明においては、培養原料である豆類や芋類の外皮を保持させたまま、加熱あるいは凍結処理を行うこともできる。
本発明において、培養原料として用いるアマランサスは、ヒユ科ヒユ属植物の総称で、穀類のなかでは蛋白質含量が高く、アミノ酸の一つであるリジンの含量は大豆に匹敵する。また、精白米に比べてもカルシウム、鉄分、繊維質を多く含む高栄養価穀物であり、原産国は、中南米諸国、インド、ヒマラヤ、ネパールの特定地域である。一方、キヌアは、アガサ科の一年草であり、主にペルー南部やボリビア西部のアンデス山脈などの高地で栽培されており、ミネラル、ビタミン、蛋白質、食物繊維を豊富に含んでいる。
培養原料のアマランサスとキヌアは、単独で用いてもよく、あるいは組み合わせて用いてもよい。これらは、細砕や粉砕などの前処理をすることなく、液体培地の調製に用いる。
上記の培養原料は、単独あるいは2種以上を組み合わせて、以下の液体培地の調製に用いる。すなわち、上記の培養原料は、水と混合して液体培地を調製する。原料の配合割合は、麹菌培養物中に目的とする組換えタンパクが選択的に生成、蓄積される程度のものに調整される。
例えば、大麦を培養原料とした場合には、水に対して大麦を1〜20%(w/vol)添加した液体培地に調製される。また、無精白の大麦を用いた場合には、さらに好ましくは8〜10%(w/vol)添加した液体培地に調製され、95%精白した大麦を原料とした場合には、さらに好ましくは1〜4%(w/vol)添加した液体培地に調製される。
次に、籾殻を除いた玄米を培養原料とした場合には、水に対して玄米を1〜20%、好ましくは5〜13%、より好ましくは8〜10%(いずれもw/vol)を添加した液体培地に調製される。
豆類を培養原料とした場合には、水に対して豆類を1〜10%、好ましくは大豆であれば8〜10%、小豆であれば1〜2%(いずれもw/vol)添加した液体培地に調製される。また、芋類を培養原料とした場合には、水に対して芋類を1〜10%(w/vol)添加した液体培地に調製される。
また、例えば、アマランサスを培養原料とした場合は、水に対して1.5〜15%、好ましくは2〜10%、より好ましくは2〜8%(いずれもw/vol)を添加した液体培地に調製される。一方、キヌアの場合は、水に対して1.5〜7%、好ましくは2〜6%、より好ましくは2〜4%(いずれもw/vol)を添加した液体培地に調製される。
このように、使用する培養原料の精白度や種類、使用する宿主麹菌株やプロモーター、製造する組換えタンパク等によって、最適な配合使用量は異なるので、適宜に選択すればよい。
培養原料の使用量が上限値を超えると、培養液の粘性が高くなり、組換え麹菌を好気培養するために必要な酸素や空気の供給が不十分となり、培養物中の酸素濃度が低下して、培養が進み難くなるので好ましくない。一方、該原料の使用量が下限値に満たないと、目的とする組換えタンパクが高生産されない。
培養原料に含まれるデンプンは、培養前にあらかじめ糊化しておいてもよい。デンプンの糊化方法については特に限定はなく、蒸きょう法、焙炒法等常法に従って行なえばよい。後述する液体培地の殺菌工程において、高温高圧滅菌等によりデンプンの糊化温度以上に加熱する場合は、この処理によりデンプンの糊化も同時に行なわれる。
本発明における液体培地には、前述の培養原料の他に栄養源として有機物、無機塩等を添加するのが好ましい。
たとえば、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)等の白麹菌、および、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)やアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等の黒麹菌を宿主として用いる場合は、硝酸塩およびリン酸塩を併用することが好ましく、さらに好ましくは、これらと共に硫酸塩を併用する。ここで、硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどを用いることができ、特に硝酸カリウムが好ましい。リン酸塩としてはリン酸2水素カリウム、リン酸アンモニウムなどを用いることができ、特にリン酸2水素カリウムが好ましい。硫酸塩としては硫酸マグネシウム7水和物、硫酸鉄7水和物、硫酸アンモニウムなどを用いることができ、特に硫酸マグネシウム7水和物、硫酸鉄7水和物が好ましい。これらの無機塩類は、複数種を組み合わせて用いることもできる。
上記の白麹菌や黒麹菌を用いる場合の液体培地における上記の無機塩類の濃度は、麹菌培養物中に目的とする組換えタンパクが選択的に生成、蓄積される程度のものに調整される。具体的には、硝酸塩の場合は0.1〜2.0%、好ましくは0.2〜1.5%、リン酸塩の場合は0.05〜1.0%、好ましくは0.1〜0.5%、硫酸塩の場合は0.01〜0.5%、好ましくは0.02〜0.1%(いずれもw/vol)とする。
また、アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)やアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)等の黄麹菌を用いる場合は、液体培地において硝酸塩、リン酸塩および硫酸塩を併用することが好ましい。ここで、硝酸塩としては硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどを用いることができ、特に硝酸ナトリウムが好ましい。リン酸塩としてはリン酸2水素カリウム、リン酸アンモニウムなどを用いることができ、特にリン酸2水素カリウムが好ましい。硫酸塩としては硫酸マグネシウム7水和物、硫酸鉄7水和物、硫酸アンモニウムなどを用いることができ、特に硫酸マグネシウム7水和物、硫酸鉄7水和物が好ましい。これらの無機塩類は、複数種を組み合わせて用いることもできる。
上記の黄麹菌を用いる場合の液体培地における上記の無機塩類の濃度は、麹菌培養物中に目的とする組換えタンパクが選択的に生成、蓄積される程度のものに調整される。具体的には、硝酸塩の場合は0.1〜2.0%、好ましくは0.2〜1.5%、リン酸塩の場合は0.05〜1.0%、好ましくは0.1〜0.5%、硫酸塩の場合は0.01〜0.5%、好ましくは0.02〜0.1%(いずれもw/vol)とする。
本発明における液体培地には、前述の無機塩類以外の有機物や無機塩類等も、栄養源として適宜添加することができる。これらの添加物は麹菌の培養に一般に使用されているものであれば特に限定はないが、有機物としては米糠、小麦麩、コーンスティープリカー、大豆粕、脱脂大豆等を、無機塩類としてはアンモニウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の水溶性の化合物を挙げることができ、2種類以上の有機物及び/又は無機塩類を同時に使用してもよい。これらの添加量は組換え麹菌の増殖を促進する程度であれば特に限定はないが、有機物としては0.1〜5%(w/vol)程度、無機塩類としては0.1〜1%(w/vol)程度添加するのが好ましい。
上限値を超えてこれらの栄養源を添加した場合は、組換え麹菌の増殖を阻害するため好ましくない。また、添加量が下限値未満である場合は、目的とする組換えタンパクが大量生産されないため、やはり好ましくない。
このようにして得られる液体培地は必要に応じて滅菌処理を行なってもよく、処理方法には特に限定はない。例としては、高温高圧滅菌法を挙げることができ、121℃で15分間行なえばよい。
滅菌した液体培地を培養温度まで冷却後、組換え麹菌を液体培地に接種する。
本発明における組換え麹菌は、麹菌を宿主として形質転換させて得られたものであり、上記の液体培地を用いて後述する培養方法により培養できるものであればよい。宿主として用いる麹菌は、糖やアミノ酸などの栄養分濃度によりカタボライト抑制を受ける酵素を生産するものであればよく、たとえば、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)等の白麹菌、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)やアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等の黒麹菌、および、アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)やアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)等の黄麹菌が挙げられる。
本発明の組換え麹菌は、プロモーターの下流に、目的とするタンパクをコードする遺伝子を連結したものを宿主の麹菌に導入して得られたものである。本発明で用いるプロモーターとしては、宿主の麹菌において下流の遺伝子を発現させることができるものであれば良く、麹菌菌体外に高生産される酵素のプロモーターを用いることが好ましい。さらに好ましくは、糖やアミノ酸などの栄養分濃度によりカタボライト抑制を受ける酵素をコードする遺伝子のプロモーターを用いる。その具体例としては、グルコアミラーゼ(GlaA、GlaB)、α−アミラーゼ(AmyB)等のデンプン分解酵素、グルカナーゼ(EglA)等のセルロース分解酵素、酸性プロテアーゼ(PepA)等のタンパク分解酵素などの酵素をコードする遺伝子のプロモーターが挙げられる。
本発明においては、前記した培養原料を使用して組換え麹菌を培養するため、当該原料中の糖やアミノ酸などの栄養分の分解に時間がかかり、培養系への栄養分の放出速度が抑制されることにより、これらの栄養分濃度によりカタボライト抑制を受ける酵素をコードする遺伝子のプロモーターが活性化され、その下流の目的とするタンパクをコードする遺伝子の転写量が増大され、もって目的とする組換えタンパクの大量生産が可能となるのである。
本発明において、目的とするタンパクをコードする遺伝子とは、宿主の麹菌において発現可能なものであればよく、cDNAでも染色体DNAでもよい。本発明においてタンパクとは、糖タンパクをも包含するものである。目的とするタンパクをコードする遺伝子としては、麹菌由来遺伝子に限られず、麹菌を宿主とした組換えタンパク生産に適した遺伝子であれば、他の生物種由来の遺伝子を用いることもできる。
本発明の組換え麹菌には、上記のプロモーターや目的とするタンパクをコードする遺伝子の他に、必要に応じてターミネーター、選択マーカーなどを連結したものを導入することができる。ターミネーターとしては、宿主の麹菌において機能するものであれば良く、麹菌菌体外に高生産される酵素のターミネーターを用いることが好ましい。
本発明において、宿主の麹菌への形質転換は、プロトプラスト化した宿主にPEG存在下でプラスミドベクターを導入する方法(Unklesら、Mol. Gen. Genet., 218, 99-104 (1989))など通常用いられる方法で行うことができる。
ベクターに用いられるプラスミドとしては、宿主の麹菌に適したものであれば良い。例えば、pPTRIDNA、pPTRIIDNA(タカラバイオ株式会社)などを用い、目的に応じて作製すればよいが、これらに限定されるものではない。
上記ベクターに上記の目的とするタンパクをコードする遺伝子を導入するには、まず、精製された目的とするタンパクをコードする遺伝子を適当な制限酵素で切断し、適当なベクターDNAの制限酵素部位またはマルチクローニングサイトに挿入することにより、ベクターに連結する方法など、周知の方法が採用される。
上記のようにして形質転換された麹菌を、適当な選択培地を用いて培養した後、得られたコロニーを単離することによって、目的とするタンパクをコードする遺伝子を組み込んだ組換え麹菌を得ることができる。
上記により得られた組換え麹菌は、1種類の菌株による培養、又は同種若しくは異種の2種類以上の菌株による混合培養のどちらでも用いることができる。これらは胞子又は前培養により得られる菌糸のどちらの形態のものを用いても問題はないが、菌糸を用いる方が対数増殖期に要する時間が短くなるので好ましい。組換え麹菌の液体培地への接種量には特に制限はないが、液体培地1ml当り、胞子であれば1×10〜1×10個程度、菌糸であれば前培養液を0.1〜10%程度接種することが好ましい。
組換え麹菌の培養温度は、生育に影響を及ぼさない限りであれば特に限定はないが、好ましくは25〜45℃、より好ましくは30〜40℃で行なうのがよい。培養温度が低いと組換え麹菌の増殖が遅くなるため雑菌による汚染が起きやすくなる。
なお、宿主として黄麹菌を用いた場合は、麹菌の生育フェーズに合わせた培養温度制御を行うことにより、酵素活性を増強できる。具体的には、培養開始から12〜36時間後までの菌体増殖期は25〜35℃、好ましくは28〜33℃とし、その後の酵素生産期は35〜45℃、好ましくは37〜42℃に維持すればよい。
培養装置は液体培養を行なうことができるものであればよいが、麹菌は好気培養を行なう必要があるので、酸素や空気を培地中に供給できる好気的条件下で行なう必要がある。また、培養中は培地中の原料、酸素、及び組換え麹菌が装置内に均一に分布するように撹拌をするのが好ましい。撹拌条件や通気量については、培養環境を好気的に保つことができる条件であればいかなる条件でもよく、培養装置、培地の粘度等により適宜選択すればよい。
上記の培養法で組換え麹菌を培養することにより、目的の組換えタンパクが培養物中に高生産される。
本発明においては、続いて得られた麹菌培養物から組換えタンパクを採取する。その採取方法としては周知の技術を用いればよく、たとえば、当該培養物を濾過、遠心分離等することにより得られた培養上清を、必要に応じて吸着樹脂、電気泳動等により濃縮、精製する方法などが採用できる。
以下、本発明を実施例等によってより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(黄麹菌を宿主とした組換えタンパクの製造方法)
(培地の調製)
黄麹菌用液体培地の組成は、98%精白大麦(オーストラリア産スターリング)2.0%、硝酸ナトリウム1.2%、塩化カリウム0.8%、リン酸2水素カリウム0.4%、硫酸マグネシウム7水和物0.2%、硫酸鉄7水和物0.08%(いずれもw/vol)とした。
対照として、DPY培地(デキストリン2%、ポリペプトン1%、酵母エキス0.5%、リン酸2水素カリウム0.5%、硫酸マグネシウム0.05%(いずれもw/vol))を用いた。
各培地20mlを100mlバッフル付三角フラスコに張り込み、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。
(組換え麹菌)
組換え麹菌として、特開平11−75840号公報に記載の方法により、アスペルギルス・オリーゼの硝酸塩資化変異株niaD 300を宿主として、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)の主要アレルゲンである糖タンパクDer fIのcDNAのプロ配列において、3’末端のグルタミン酸コドンをリジンコドンに変更したDNA断片であるDer fI E(-1)K(H. shojiら、Biosci. Biotechnol. Biochem., 61 (10), 1668-1673, 1997に)を組み込んだ組換え麹菌niaD300−DerfI(FERM P−16359号)を供試した。
なお、niaD300−DerfI DNAにおいて、Der fI E(-1)K DNAの上流にはアスペルギルス・オリーゼ由来のglaAプロモーターが、下流にはアスペルギルス・オリーゼ由来のamyBターミネーターが連結されている。
(組換え麹菌の培養)
得られた組換え麹菌niaD300−DerfIの分生子約10個を、上記で得られた培地20 mlに植菌し、30℃で24時間、100rpmで振とう培養した。
(組換えタンパクDer fI E(-1)Kの精製)
液体培養後の培養液を、3000×g、4℃で10分間遠心分離した。培養上清に直接エンドグリコシダーゼ Hf(Biolabs社)を10 unit/mlになるよう添加し、37℃で3時間保温し反応させることにより、糖鎖のトリミングを行った。得られた反応液を、20 mM リン酸緩衝液( pH 6.0)で平衡化させておいた強陰イオン交換カラム(商品名:QMA、Waters社)に通過させ、反応液中に多量に存在するα−アミラーゼを吸着させた。QMAカラムに吸着せず素通りした画分に、リシルエンドペプチダーゼ(和光純薬工業株式会社)を終濃度10μg/mlになるように添加し、Der fI E(-1)Kプロ配列を切断した。その後、50 mM Tris-HCl (pH 9.0)に対して、4℃で一晩透析を行った。
得られた濃縮物を、50 mM Tris-HCl (pH 8.0)で平衡化したDEAE-Sephacelカラム(アマシャム バイオサイエンス株式会社)に直接チャージし、カラムの3倍量の20 mM Tris-HCl (pH 8.0)で洗浄した。次いで、NaCl濃度勾配により、カラムに吸着した成熟型組換えタンパクDer fI E(-1)Kを溶出させた。成熟型組換えタンパクDer fI E(-1)Kを含む画分を、抗Der fI抗体を用いたウエスタン解析により検出し、純度の高い画分を集め、精製サンプルとした。精製度はSDS−PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)上で90%以上であった。
精製サンプルのタンパク定量はBCA Protein Assay Reagent Kit(ピアス社)を用いて行った。
(結果)組換えタンパクDer fI E(-1)Kの収得量
DPY培地を用いた場合、換算で培地1 L当たり8 mg程度の成熟型組換えタンパクDer fI E(-1)Kが得られた。一方、黄麹菌用液体培地を用いた場合、換算で培地1 L当たり24 mg程度の組み換えタンパクDer fI E(-1)Kが得られた。
このように、本発明によれば、従来のDPY培地を用いる方法に比べて、組換えタンパクが3倍も多く製造できることが分かった。
なお、組換えタンパクDer fI E(-1)Kの持つ糖鎖は、天然Der fIの糖鎖と異なるものであったが、組換えタンパクDer fI E(-1)Kと天然Der fIは同等のIgE結合能および皮膚刺激活性を示した。したがって、当該組換えタンパクは、天然Der fIの代替品として抗体作製やアレルギー治療などに利用できる。
実験例1(焼酎用白麹菌における各種酵素遺伝子のプロモーター活性測定)
白麹菌における各種酵素遺伝子のプロモーターが本発明に利用可能であることを確認するため、これらのプロモーターの発現強度を以下の方法で測定した。
<使用菌株> Aspergillus kawachii NBRC4308
<培養条件> 培地の組成は98%精白大麦(オーストラリア産スターリング)2.0%、硝酸カリウム0.2%、リン酸2水素カリウム0.3%(いずれもw/vol)とした。この培地100mlを500mlバッフル付三角フラスコに張り込み、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。Aspergillus kawachii NBRC4308の分生子約10個を、上記で得られた培地100 mlに植菌し、37℃で18時間、100rpmで振とう培養した。
また、比較対照として、98%精白大麦の代わりに65%精白麦もしくは98%精白麦・粉砕品(ともにオーストラリア産スターリング)を培地に用いたこと以外は、上記と同様の培地組成および培養条件で培養を行った。
<TotalRNA調製> 培養終了後の菌体をすばやく回収し、液体窒素存在下で十分に粉砕した。粉砕した麹菌体から、totalRNA抽出キット(RNeasy Plant mini kit、QIAGEN社製)を用いてプロトコールに従いtotalRNAを調製した。
<cDNA調製> 得られたtotalRNAから、High-capacity cDNA Archive Kit(Applied Biosystems社製)を用いてプロトコールに従いcDNAを合成した。
<定量リアルタイムPCR> 得られたcDNAをテンプレートとし、下記の目的酵素遺伝子の塩基配列を基に設計したプライマーを用いた定量リアルタイムPCRを行うことにより、当該酵素遺伝子の発現量を定量した。定量リアルタイムPCRに用いたプライマーは、Primer Expressソフトウエア(Applied Biosystems社製)を用いて設計した。具体的なプライマー配列は以下の通りである。比較定量法内部標準として、ヒストンをコードするH2A遺伝子を用いた。
なお、リアルタイム定量PCR試薬としてSYBR Green PCR Master Mix(Applied Biosystems社製)を用い、添付のプロトコールに従いPCR反応およびシグナル検出を行った。なお、PCR反応およびシグナルの検出にはABI PRISM 7700(Applied Biosystems社製)を用いた。
<使用遺伝子およびプライマー配列>
(1)グルコアミラーゼgla-1(Aspergillus kawachii由来:GenBank, Accession No.D00427)
フォワードプライマー; 1589-ccagctcgacctatagcagcat(配列表の配列番号1)
リバースプライマー; 1761-aagtctgatggcgacgagct(配列番号2)
このプライマー対は、上記gla-1(GenBank, Accession No.D00427)のうち1589〜1780番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
(2)耐酸性α-アミラーゼasaA(Aspergillus kawachii由来:GenBank, Accession No.AB008370)
フォワードプライマー; 994-cggcacggcagatgatc(配列番号3)
リバースプライマー; 1044-gaatgtacctcatggtcgacgtc(配列番号4)
このプライマー対は、上記asaA(GenBank, Accession No.AB008370)のうち994〜1066番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
(3)α-アミラーゼamyA(Aspergillus kawachii由来:GenBank, Accession No. AB109452)
フォワードプライマー; 1874-acactcctgggcacattcg(配列番号5)
リバースプライマー; 1989-ttacaccaacgacatagccct(配列番号6)
このプライマー対は、上記amyA(GenBank, Accession No.AB109452)のうち1874〜2009番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
(4)ヒストンH2A(Aspergillus niger由来:GenBank, Accession No. Y15320)
フォワードプライマー; 289-actgaacaagctcctgggtca(配列番号7)
リバースプライマー; 322-ccagggtggtgtcctcccc(配列番号8)
このプライマー対は、上記H2A(GenBank, Accession No.Y15320)のうち289〜340番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
<結果> ヒストンH2A発現量に対する相対値として各酵素遺伝子の発現量を定量した。結果は表1の通り。各遺伝子とも98%精白麦を用いた試験区(本発明)で、対照区よりも発現強度が上昇しており、本発明の組換えタンパク製造方法において、これらの酵素遺伝子のプロモーターが有効に利用可能なことが明らかとなった。
Figure 2007130009
実験例2(焼酎用黒麹菌における酵素遺伝子のプロモーター活性測定)
黒麹菌における各種酵素遺伝子のプロモーターが本発明に利用可能であることを確認するため、これらのプロモーターの発現強度を以下の方法で測定した。
すなわち、実験例1と同様の方法でAspergillus awamori NBRC4388の培養を行った。その後、実験例1と同様にして、培養終了後の菌体からtotalRNAを抽出し、cDNAを合成した。さらに、得られたcDNAをテンプレートとし、実験例1と同様に下記の目的酵素遺伝子の発現量を定量した。定量リアルタイムPCRに用いたプライマーの配列は以下の通りである。
<使用遺伝子およびプライマー配列>
(1)α-アミラーゼamyA(実験例1に記載したamyAと同じである。)
実験例1と同じプライマー対(配列番号5、6)を用いた。
(2)酸性プロテアーゼpepA (Aspergillus awamori由来:GenBank, Accession No. M34454)
フォワードプライマー; 793-ttttgggactggcctttagct(配列表の配列番号9)
リバースプライマー; 900- ttcttcgacaccgtcaagtcc(配列番号10)
このプライマー対は、上記pepA (GenBank, Accession No. M34454)のうち793〜920番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
(3)ヒストンH2A(実験例1に記載したH2Aと同じである。)
実験例1と同じプライマー対(配列番号7、8)を用いた。
<結果> ヒストンH2A発現量に対する相対値として各酵素遺伝子の発現量を定量した。結果は表2の通り。各遺伝子とも98%精白麦を用いた試験区(本発明)で、対照区よりも発現強度が上昇しており、本発明の組換えタンパク製造方法において、これらの酵素遺伝子のプロモーターが有効に利用可能なことが明らかとなった。
Figure 2007130009
実験例3(清酒用黄麹菌における酵素遺伝子のプロモーター活性測定)
黄麹菌における各種酵素遺伝子のプロモーターが本発明に利用可能であることを確認するため、これらのプロモーターの発現強度を以下の方法で測定した。
<使用菌株> Aspergillus oryzae NRIB40
<培養条件> 培地の組成は98%精白大麦(オーストラリア産スターリング)2.0%、硝酸ナトリウム1.2%、塩化カリウム0.8%、リン酸2水素カリウム0.4%、硫酸マグネシウム7水和物0.2%、硫酸鉄7水和物0.08%(いずれもw/vol)とした。この培地100mlを500mlバッフル付三角フラスコに張り込み、121℃で15分間オートクレーブ滅菌した。Aspergillus oryzae RIB40の分生子約10個を、上記で得られた培地100 mlに植菌し、30℃で42時間、100rpmで振とう培養した。
また、比較対照として、98%精白大麦の代わりに65%精白麦もしくは98%精白麦・粉砕品(ともにオーストラリア産スターリング)を培地に用いたこと以外は、上記と同様の培地組成および培養条件で培養を行った。
その後、実験例1と同様にして、培養終了後の菌体からtotalRNAを抽出し、cDNAを合成した。さらに、得られたcDNAをテンプレートとし、実験例1と同様に下記の目的酵素遺伝子の発現量を定量した。定量リアルタイムPCRに用いたプライマーの配列は以下の通りである。なお、比較定量法内部標準としてヒストンをコードするH4遺伝子を用いた。
<使用遺伝子およびプライマー配列>
(1)グルコアミラーゼglaA(Aspergillus oryzae由来:GenBank, Accession No. D01035)
フォワードプライマー; 1247-cgtgcagatcgtccaaacct(配列表の配列番号11)
リバースプライマー; 1357-acttctcacggccaacaacc(配列番号12)
このプライマー対は、上記glaA(GenBank, Accession No. D01035)のうち1247〜1376番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
(2)α-アミラーゼamyA(Aspergillus oryzae由来:GenBank, Accession No. AB021876)
フォワードプライマー; 21762-cactcctgggcacattcgt(配列番号13)
リバースプライマー; 21875-gttacaccaacgacatagccctc(配列番号14)
このプライマー対は、上記amyA(GenBank, Accession No. AB021876)のうち21762〜21897番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
(3)β-グルカナーゼcelB(Aspergillus oryzae由来:GenBank, Accession No. D83732)
フォワードプライマー; 1137-caaactgggaatgccacaaa(配列番号15)
リバースプライマー; 1187-tgaagacggagagaactattccat g(配列番号16)
このプライマー対は、上記celB(GenBank, Accession No. D83732)のうち1137〜1211番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
(4)酸性プロテアーゼpepA(Aspergillus oryzae由来:GenBank, Accession No. D13894)
フォワードプライマー; 897-cgctagcaagattagcgatcagt(配列番号17)
リバースプライマー; 958-gctttcagctcgatcaacactg(配列番号18)
このプライマー対は、上記pepA(GenBank, Accession No. D13894)のうち897〜979番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
(5)ヒストンH4(Aspergillus oryzae由来:GenBank, Accession No AB033943)
フォワードプライマー; 110-cgtgacaacatccagggtatca(配列番号19)
リバースプライマー; 171-tcaagcgtatctctgccatga(配列番号20)
このプライマー対は、上記H4(GenBank, Accession No AB033943)のうち110〜191番目からなるDNA断片を増幅するように設計されたものである。
<結果> ヒストンH4発現量に対する相対値として各酵素遺伝子の発現量を定量した。結果は表3の通り。各遺伝子とも98%精白麦を用いた試験区(本発明)で、対照区よりも発現強度が上昇しており、本発明の組換えタンパク製造方法において、これらの酵素遺伝子のプロモーターが有効に利用可能なことが明らかとなった。
Figure 2007130009
本発明によれば、麹菌を宿主として組換えタンパクを大量生産する方法を提供することができる。麹菌は、培地が安価であり、特別な培養装置を必要としないため、所望のタンパクを低コストで製造することが可能である。しかも、古くから発酵飲食品の製造に利用されてきた麹菌は宿主としての安全性が高く、得られる組換えタンパクは様々な用途に利用される可能性が高い。

Claims (3)

  1. 麹菌を宿主として形質転換させて得られた組換え麹菌を用いる組換えタンパクの製造方法において、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類;表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類;並びに、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアから選ばれた少なくとも1種を培養原料として含有する液体培地で、当該組換え麹菌を培養し、培養物から組換えタンパクを採取することを特徴とする組換えタンパクの製造方法。
  2. 組換え麹菌が、糖やアミノ酸などの栄養分濃度によりカタボライト抑制を受ける酵素をコードする遺伝子のプロモーターの下流に、目的とするタンパクをコードする遺伝子を連結したものを、宿主の麹菌に導入して得たものである請求項1に記載の組換えタンパクの製造方法。
  3. プロモーターが、デンプン分解酵素、セルロース分解酵素およびタンパク分解酵素のいずれかの酵素をコードする遺伝子のプロモーターである請求項2に記載の組換えタンパクの製造方法。


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