JP4908815B2 - 液体麹の製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、紅麹菌を用いた液体麹の製造法に関する。
酒類等の製造に用いられる麹は、蒸煮等の処理後の原料に糸状菌の胞子を接種して培養する固体麹と、水に原料及びその他の栄養源を添加して液体培地を調製し、これに麹菌の胞子又は前培養した菌糸等を接種して培養する液体麹がある。
従来の酒類などの発酵飲食品、例えば、日本酒、焼酎、しょうゆ、みそ、みりん等の製造では、固体培養法により製麹された、いわゆる固体麹が広く利用されている。この固体培養法は、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)等の麹菌の胞子を、蒸煮した穀類等の固体原料へ散布し、その表面で麹菌を増殖させる培養方法である。
例えば、焼酎の製造では、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)やアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)等の固体麹が広く用いられている。しかしながら、固体培養法は、原料や麹菌が不均一に分散する培養系であるため、温度や水分含量、各種栄養成分といった因子を均一にすることが困難であり、その培養制御は大変煩雑である。また、開放状態で製麹されることも多く、この場合は、雑菌による汚染といった品質管理面での注意も要する。そのため、大規模製造には不向きな方法とも言える。
これに対して、液体培養法は、培養制御や品質管理が容易であり、効率的な生産に適した培養形態である。
しかしながら、例えば、焼酎醸造に必要な酵素活性が十分に得られない等の理由から、麹菌を液体培養して得られる培養物を、実際に焼酎麹として用いた例は少ない。ここで、液体培養法で得られる培養物とは、液体培養法で得られる培養物そのもの(以下、液体麹と称することがある)の他、培養液、菌体、それらの濃縮物又はそれらの乾燥物であってもよい。
液体培養法で得られる培養物が焼酎等の発酵飲食品の製造に利用されない大きな理由として、上記理由の他に、液体培養では麹菌のアミラーゼ、セルラーゼ等の酵素生産挙動が固体培養と大きく異なるばかりか、全般的に生産性が低下することが知られている(非特許文献1参照)。
また、固体培養により紅麹菌の固体麹を用いて焼酎を製造する場合には、上記の問題に加え、紅麹菌の増殖が遅いために培養期間が長くなってしまい、既存の開放型固体培養設備を用いた製造では雑菌汚染を免れ得ず、安定的な製造が極めて困難であった。
Iwashita K. et a1:Biosci. Biotechno1. Bioche.,62,1938-1946(1998)、山根雄一ら:日本醸造協会誌.,99,84-92(2004)
本発明者らは、上記従来の問題点を解消するため、鋭意検討を重ねた。
その結果、本発明者らは、本発明者らが既に開発している、培養原料として、表面が穀皮が覆われた穀類を含む液体培地で白麹菌及び/又は黒麹菌を培養して、培養物中にグルコアミラーゼと耐酸性α−アミラーゼとを同時に生成、蓄積させることにより、グルコアミラーゼ及び耐酸性α−アミラーゼ活性の高い液体麹を製造する方法(例えば、特願2004−350661号)において、白麹菌及び/又は黒麹菌の代わりに紅麹菌を用いることにより、紅麹菌を用いた液体麹を製造することができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、焼酎などの発酵飲食品製造における更なるバラエティー化に貢献することのできる、紅麹菌を用いた液体麹を製造する方法を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、上記のような紅麹菌を用いた液体麹を使用して、効率よく焼酎などの発酵飲食品を製造する方法を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は、培養原料として、表面の全部が穀皮で覆われた穀類を含む液体培地で紅麹菌を培養することを特徴とする液体麹の製造法を提供するものである。
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の方法により液体麹を得、該液体麹を用いて発酵飲食品の製造を行う発酵飲食品の製造法を提供するものである。
本発明によれば、紅麹菌を用いた液体麹が得られ、この紅麹菌を用いた液体麹によっても、米焼酎などの発酵飲食品の製造が可能となる。
しかも、得られた米焼酎は、通常の白麹菌を用いた米焼酎に比べて、スッキリとしたフルーティーな香味がある。
従って、本発明は、焼酎などの発酵飲食品製造における更なるバラエティー化に貢献することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、液体麹の製造法に関し、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で紅麹菌を培養することを特徴とするものである。
本発明においては、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類及び/又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地を用い、このような液体培地で紅麹菌を培養している。そのため、当該穀類等中のでん粉の糖化に時間がかかり、培養系への糖の放出速度が抑制され、液体麹の酵素活性が増強される。
本発明においては、液体麹の培養原料として用いる穀類としては、大麦、裸麦、米、小麦、そば、ヒエ、アワ、キビ、コウリャン、トウモロコシ等を挙げることができる。これらの原料の形状としては、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われていることが必要であって、未精白物、または少なくとも穀皮が穀粒の表面に残されている程度までに精白された精白歩合以上のもの等を用いることができ、玄米、玄麦なども使用できる。米の場合には、玄米は勿論のこと、籾殻が全部付いているものでもよいし、籾殻が一部付いているものでもよい。
例えば、穀類が大麦の場合、未精白の精白歩合100%のもの、或いは未精白の精白歩合を100%とし、この未精白の精白歩合(100%)から大麦の穀皮歩合(一般的には7〜8%)を差し引いた割合、すなわち92〜93%程度の精白歩合以上のものである。
ここで、精白歩合とは、穀類を精白して残った穀類の割合を言い、例えば精白歩合90%とは、穀類の表層部の穀皮等を10%削り取ることを意味する。また、本発明において、玄麦とは、未精白の麦から穀皮が穀粒の表面に残されている程度までに精白されたものであり、精白歩合90%以上のものを含む。また、穀皮とは、穀類の粒の表面を覆っている外側部位のことを言う。
本発明において、液体麹の培養原料として用いる豆類や芋類としては、大豆、小豆、サツマイモ等を挙げることができる。これらの培養原料は、外皮の汚れを洗い落とすのみで、裁断、粉砕処理などの加工は全く行なわないものである。
本発明において、液体麹の培養原料として用いるアマランサスは、ヒユ科ヒユ属植物の総称で、穀類のなかでは蛋白質含量が高く、アミノ酸の一つであるリジンの含量は大豆に匹敵する。また、精白米に比べても、カルシウム、鉄分、繊維質を多く含む高栄養価穀物であり、原産国は、中南米諸国、インド、ヒマラヤ、ネパールの特定地域である。一方、キヌアは、アガサ科の一年草であり、主にペルー南部やボリビア西部のアンデス山脈などの高地で栽培されており、ミネラル、ビタミン、蛋白質、食物繊維を豊富に含んでいる。
培養原料のアマランサスとキヌアは、単独で用いてもよく、或いは組み合わせて用いてもよい。これらは、細砕や粉砕などの前処理をすることなく、液体培地の調製に用いる。
上記の培養原料は、単独で、或いは2種以上を組み合わせて、以下の液体培地の調製に用いる。
すなわち、上記の培養原料は、水と混合して液体培地を調製する。原料の配合割合は、麹菌の培養中にグルコアミラーゼ及び耐酸性α−アミラーゼが選択的に生成、蓄積される程度のものに調整される。
例えば、大麦または裸麦を培養原料とした場合には、水に対して大麦または裸麦を1〜20%(w/vol)添加した液体培地に調製される。また、無精白の大麦または裸麦を用いた場合には、さらに好ましくは8〜10%(w/vol)添加した液体培地に調製され、95%精白した大麦または裸麦を原料とした場合には、さらに好ましくは1〜4%(w/vol)添加した液体培地に調製される。
次に、籾殻を除いた玄米を培養原料とした場合には、水に対して玄米を1%(w/vol)から20%(w/vol)、好ましくは5%(w/vol)から13%(w/vol)、より好ましくは8%(w/vol)から10%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。
豆類を培養原料とした場合には、水に対して豆類を1〜10%(w/vol)、好ましくは大豆であれば8〜10%(w/vol)、小豆であれば1〜2%(w/vol)添加した液体培地に調製される。また、芋類を培養原料とした場合には、水に対して芋類を1〜10%(w/vol)添加した液体培地に調製される。
また、例えば、アマランサスを培養原料とした場合は、水に対して1.5%(w/vol)から15%(w/vol)、好ましくは2%(w/vol)から10%(w/vol)、より好ましくは2%(w/vol)から8%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。一方、キヌアの場合は、水に対して1.5%(w/vol)から7%(w/vol)、好ましくは2%(w/vol)から6%(w/vol)、より好ましくは2%(w/vol)から4%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。
このように、使用する培養原料の精白度、使用する紅麹菌株、培養原料の種類等によって、最適な配合使用量は異なるので、適宜選択すればよい。
適量の上記原料を添加した液体培地で紅麹菌を培養すると、焼酎などの発酵飲食品製造に使用するのに十分な酵素活性を有する液体麹が得られる。
なお、培養原料の使用量が上限値を超えると、培養液の粘性が高くなり、紅麹菌を好気培養するために必要な酸素や空気の供給が不十分となり、培養物中の酸素濃度が低下して、培養が進み難くなるので好ましくない。一方、培養原料の使用量が下限値に満たないと、目的とする酵素が高生産されない。
上記原料に含まれるでん粉は、培養前に予め糊化しておいてもよい。でん粉の糊化方法については特に限定はなく、蒸きょう法、焙炒法等、常法に従って行なえばよい。後述する液体培地の殺菌工程において、高温高圧滅菌等により、でん粉の糊化温度以上に加熱する場合は、この処理によりでん粉の糊化も同時に行なわれる。
液体培地には、前述の原料の他に、栄養源として有機物、無機塩等を適宜添加するのが好ましい。
これらの添加物は、麹菌の培養に一般に使用されているものであれば特に限定はないが、有機物としては米糠、小麦麩、コーンスティープリカー、大豆粕、脱脂大豆等を、無機塩としてはアンモニウム塩、硝酸塩、カリウム塩、酸性リン酸塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の水溶性の化合物を挙げることができ、2種類以上の有機物及び/又は無機塩を同時に使用してもよい。これらの添加量は、麹菌の増殖を促進する程度であれば特に限定はないが、有機物としては0.1〜5%(w/vol)程度、無機塩としては0.1〜1%(w/vol)程度添加するのが好ましい。
このようにして得られる紅麹菌の液体培地は、必要に応じて滅菌処理を行なってもよく、処理方法には特に限定はない。例としては、高温高圧滅菌法を挙げることができ、121℃で15分間行なえばよい。
滅菌した液体培地を培養温度まで冷却後、紅麹菌を液体培地に接種する。
本発明で用いる紅麹菌として具体的には、例えばモナスカス・パープレウス(Monascus purpureus)NBRC4478、NBRC4482、NBRC4484、NBRC4485、NBRC4486、NBRC4489、NBRC5965などを挙げることができる。
紅麹菌は、一種を単独で用いてもよいし、或いは2種以上を併用してもよい。また、培地に接種する紅麹菌の形態は任意であり、胞子又は菌糸を用いることができる。
紅麹菌は、一種類の菌株による培養、又は同種若しくは異種の二種類以上の菌株による混合培養のどちらでも用いることができる。これらは、胞子又は前培養により得られる菌糸のどちらの形態のものを用いても問題はないが、菌糸を用いる方が対数増殖期に要する時間が短くなるので好ましい。紅麹菌の液体培地への接種量には特に制限はないが、液体培地1ml当り、胞子であれば1×10〜1×10個程度、菌糸であれば前培養液を0.1〜10%程度接種することが好ましい。
紅麹菌の培養温度は、生育に影響を及ぼさない限りであれば特に限定はないが、好ましくは25〜45℃、より好ましくは30〜40℃で行なうのがよい。培養温度が低いと紅麹菌の増殖が遅くなるため雑菌による汚染が起きやすくなる。培養時間は24〜72時間で培養するのが好ましい。
培養装置は液体培養を行なうことができるものであればよいが、紅麹菌は好気培養を行なう必要があるので、酸素や空気を培地中に供給できる好気的条件下で行なう必要がある。
また、培養中は培地中の原料、酸素、及び紅麹菌が装置内に均一に分布するように撹拌をするのが好ましい。撹拌条件や通気量については、培養環境を好気的に保つことができる条件であればいかなる条件でもよく、培養装置、培地の粘度等により適宜選択すればよい。
上記の培養法で培養することにより、焼酎などの発酵飲食品製造に使用できる酵素活性を有する液体麹となる。なお、本発明において液体麹とは、培養したそのものの他に、培養物を遠心分離等することにより得られる培養液、それらの濃縮物又はそれらの乾燥物等も包含するものとする。
このようにして、本発明の方法により液体麹を製造することができる。
本発明の製造法で得られた液体麹は、発酵飲食品(例えば、焼酎、清酒、しょうゆ、みそ、みりん等)の製造に好適に用いることができる。
例えば、焼酎を製造する場合には、もろみ仕込み段階において、清酒を製造する場合には、酒母や各もろみ仕込み段階において、醤油を製造する場合には、盛り込みの段階において、味噌を製造する場合には、仕込み段階において、みりんを製造する場合は、仕込み段階において、液体麹を固体麹の代わりに用いることができる。

また、上記した液体麹を用いて発酵飲食品を製造する場合には、基本的に全工程を液相で行なうことができる。全工程を液相で行なう発酵飲食品の製造方法としては、例えば、焼酎を製造する場合には、トウモロコシ、麦、米、いも、さとうきび等を掛け原料に用い、該原料を約80℃の高温で耐熱性酵素剤を使用して溶かして液化した後、これに上記した液体麹、及び酵母を添加することでアルコール発酵させたもろみを、常圧蒸留法又は減圧蒸留法等により蒸留して製造する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(I)液体麹の製造
1)前培養方法;90%精米(茨城県産コシヒカリ)8gと水100mlを500mlバッフル付三角フラスコに張り込み、121℃、15分間オートクレーブ滅菌を行って、前培養培地とした。この前培養培地に紅麹菌[モナスカス・パープレウス(Monascus purpureus)NBRC4484]の菌糸を1白金耳植菌し、37℃、24時間、100rpmで振とう培養することにより、前培養液を得た。
2)本培養方法;玄米(茨城県産コシヒカリ)4.0%(w/vol)、硝酸カリウム0.2%(w/vol)、リン酸二水素カリウム0.3%(w/vol)の液体培地3000mlを調製し、容量5000mlのジャーファーメンター(丸菱バイオエンジ製)へ張り込み、121℃、15分間オートクレーブ滅菌して本培養培地とした。この本培養培地へ上記の前培養液を30ml接種した。その後、温度37℃、攪拌速度300rpm、通気量0.5vvmにて48時間培養を行い、液体麹を得た。
(II)酵素活性の測定
前記(I)で得られた液体麹について、グルコアミラーゼ(GA)とα−アミラーゼ(AA)の生成量を測定した。
尚、グルコアミラーゼ(GA)の酵素活性の測定には、4−ニトロフェニル−α−D−グルコピラノシル−(1−4)−β−D−グルコピラノシドを基質として用いる糖化力分別定量キット(キッコーマン製)により行った。また、α−アミラーゼ(AA)の酵素活性の測定は、2−クロロ−4−ニトロフェニル−6−アジド−6−デオキシ−β−マルトペントシドを基質として用いるα−アミラーゼ測定キット(キッコーマン製)により行った。
その結果、グルコアミラーゼ(GA)活性は、71.7U/mlであり、α−アミラーゼ(AA)活性は3.2U/mlであった。
(III)米焼酎の製造
前記(I)で得られた液体麹を用い、以下のようにして米焼酎の製造を行った。
1)使用酵母;焼酎酵母(鹿児島酵母)
2)仕込み配合
仕込み配合は表1に示した通りである。米は、90%精米(茨城県産コシヒカリ)を用い、洗米後、15分間浸漬、10分間水切り、30分間蒸煮したものを使用した。酵母はYPD培地で30℃、48時間静置培養したものを50μl植菌した。
3)発酵条件;25℃一定
4)蒸留条件;減圧蒸留
Figure 0004908815
上記のようにして紅麹液体麹を用いて米焼酎製造を行なったところ、順調に発酵が進み、最終的な熟成モロミのアルコール度数は16.7%に達した。酵素活性のうちα―アミラーゼ(AA)活性が著しく低いにもかかわらず、発酵が順調に進んだ理由は不明であるが、本実施例にて行なった合成基質を用いるAA活性測定法ではうまく検出できない、従来のα―アミラーゼとは基質特異性や反応速度の異なる液化酵素が高生産されている可能性もあり、それによって米の液化糖化が順調に進んだことにより高いアルコール収量となったと推察された。
引き続いて、熟成モロミを減圧蒸留することにより製造した米焼酎の官能評価を専門パネル6名で行なったところ、通常の白麹を用いた米焼酎に比べて、スッキリとしたフルーティーな香味があり、高い評価であった。
以上の結果より、紅麹を用いた液体麹によっても米焼酎の製造が可能であるばかりか、優れた香味の焼酎製造が可能となることが明らかとなった。
本発明によれば、紅麹菌を用いた液体麹が得られ、この紅麹菌を用いた液体麹によっても、米焼酎などの発酵飲食品の製造が可能となる。
しかも、得られた米焼酎は、通常の白麹菌を用いた米焼酎に比べて、スッキリとしたフルーティーな香味がある。
従って、本発明は、飲食品製造分野などにおいて有効に利用することが期待される。

Claims (2)

  1. 培養原料として、表面の全部が穀皮で覆われた穀類を含む液体培地で紅麹菌を培養することを特徴とする液体麹の製造法。
  2. 請求項1記載の方法により液体麹を得、該液体麹を用いて発酵飲食品の製造を行う発酵飲食品の製造法。
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