JP5080730B2 - 液体麹の連続製造方法 - Google Patents

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本発明は、液体麹の連続製造方法に関し、詳しくは、穀皮等のついた培養原料を含む液体培地で麹菌を培養して得た液体麹の少なくとも一部をスターターとして前記液体培地に接種して培養することを特徴とする液体麹の連続製造方法に関する。
焼酎等の発酵飲食品の製造に用いられる麹は、従来、穀類等の表面上に麹菌を生育させた固体麹が用いられてきた。固体麹は、伝統的な製造方法で得られるものであるが、固体培養という特殊な培養形態であるため、大規模製造に不向きである。
一方、麹菌を液体培養して得られる麹菌培養物である液体麹は、培養制御が容易であり、効率的な生産に適した製麹法であるといえるが、焼酎醸造に必要な酵素活性が充分に得られないことがよく知られており(非特許文献1参照)、これまで実製造で使用された例は少なかった。
我々は、穀皮等のついた培養原料を含む液体培地を用いて麹菌を培養することにより、グルコアミラーゼや耐酸性α−アミラーゼといった発酵飲食品の製造に必要な酵素活性を充分に含有する液体麹を製造する方法を開発し、既に特許出願を行った(特許文献1等参照)。しかし、当該液体麹を連続的かつ安定的に製造する方法については、いまだ知られていない。
Hata Y. et al: J. Ferment. Bioeng.,84,532-537(1997)、Hata Y. et al: Gene.,207,127-134(1998)、Ishida H. et al: J. Ferment. Bioeng.,86,301-307(1998)、Ishida H. et al: Curr Genet.,37,373-379(2000) 特願2004−350661号明細書
麹菌を液体培地で培養してグルコアミラーゼ活性が高い麹菌培養物を得る技術は開示されているが、アルコール発酵におけるもう一つの鍵酵素である耐酸性α−アミラーゼの活性が高い液体麹を、液体培地で麹菌を培養して得るという技術が開示されたものはない。この耐酸性α−アミラーゼは、液体培養では生成されない酵素であると一般的に言われており、これまでに耐酸性α−アミラーゼの活性が高い液体麹は開発されていない。
本発明の目的は、焼酎等の発酵飲食品の製造に必要なグルコアミラーゼ、耐酸性α−アミラーゼ等の酵素活性を十分に有する液体麹の製造方法を開発し、さらに、当該液体麹を連続的かつ安定的に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、培養原料として、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類を含む液体培地と、表面が外皮で覆われた豆類又は芋類を含む液体培地と、細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で麹菌を培養して得た液体麹の全量又は一部をスターターとして前記液体培地に接種して培養することにより、グルコアミラーゼ活性、耐酸性α−アミラーゼ活性等が増強された液体麹が製造されることを見出した。
更に、この酵素活性が増強された液体麹が焼酎等の発酵飲食品の製造に適していることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に係る本発明は、液体麹を連続的に製造するにあたり、培養原料として、表面の全部が穀皮で覆われた大麦又は米を含む液体培地と、表面が外皮で覆われたサツマイモを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で白麹菌及び/又は黒麹菌を培養して液体麹を得、該液体麹の少なくとも一部をスターターとして前記液体培地に接種して培養することを特徴とする液体麹の連続製造方法である。
次に、請求項2に係る本発明は、請求項1に記載の方法で液体麹を得、該液体麹を用いて発酵飲食品の製造を行なう発酵飲食品の製造方法である。
本発明によれば、上記した様々な培養原料を含む液体培地で麹菌を培養することで、グルコアミラーゼや耐酸性α−アミラーゼといった焼酎醸造に必要な酵素群が同時に高生産された液体麹が製造できる。液体培養は固体培養に比べ厳密な培養コントロールが可能であるため、品質が安定した液体麹を安価に、かつ効率よく製造することができる。
また、本発明によれば、上記液体麹の少なくとも一部を次回製造のスターターとすることで、安定的かつ連続的に液体麹を製造することができる。さらに、スターターとして接種する液体麹の量を増やすことで、短期間で高レベルの酵素活性が得られるため、液体麹製造の効率化を図ることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明における液体麹の連続製造方法は、本発明者らが提案した方法(特願2004−350661号明細書、同2004−352320号明細書、同2004−352324号明細書、同2004−378453号明細書)により、上記の穀類、豆類、芋類、特定の雑穀類等の原料を添加して調製された液体培地で麹菌を培養して得た液体麹の全量又は一部をスターターとして前記液体培地に接種して培養することにより、グルコアミラーゼ、耐酸性α−アミラーゼ等の酵素活性を増強した液体麹を、安定的かつ連続的に製造することを特徴とするものである。
すなわち、前記した各種原料を使用して麹菌を培養するため、当該原料中のでん粉の糖化に時間がかかり、培養系への糖の放出速度が抑制され、液体麹の酵素活性が増強される。しかも、グルコアミラーゼと、耐酸性α−アミラーゼが同時にバランスよく生成、蓄積される。
本発明において、液体麹の培養原料として用いる穀類としては、大麦、米、小麦、そば、ヒエ、アワ、キビ、コウリャン、トウモロコシ等を挙げることができる。これらの穀類の形状としては、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われていることが必要であって、未精白物、または少なくとも穀皮が穀粒の表面に残されている程度までに精白された精白歩合以上のもの等を用いることができ、玄米、玄麦なども使用できる。米の場合は、玄米はもちろんのこと、籾殻が全部付いているものでもよいし、籾殻が一部付いているものでもよい。
例えば、培養原料が大麦の場合、未精白の精白歩合100%のもの、或いは未精白の精白歩合を100%とし、この未精白の精白歩合(100%)から大麦の穀皮歩合(一般的には7〜8%)を差し引いた割合、すなわち92〜93%程度の精白歩合以上のものである。
ここで、精白歩合とは穀類を精白して残った穀類の割合を言い、例えば精白歩合90%とは、穀類の表層部の穀皮等を10%削り取ることを意味する。また、本発明において、玄麦とは、未精白の麦から穀皮が穀粒の表面に残されている程度までに精白されたものであり、精白歩合90%以上のものを含む。また、穀皮とは、穀類の粒の表面を覆っている外側部位のことを言う。
本発明において、培養原料として用いる豆類や芋類としては、大豆、小豆、サツマイモ等を挙げることができる。これらの培養原料は、外皮の汚れを洗い落とすのみで、裁断、粉砕処理などの加工は全く行なわず、外皮に完全に覆われたままの状態で液体培地の調製に用いる。
本発明において、培養原料として用いるアマランサスは、ヒユ科ヒユ属植物の総称で、穀類のなかでは蛋白質含量が高く、アミノ酸の一つであるリジンの含量は大豆に匹敵する。また、精白米に比べてもカルシウム、鉄分、繊維質を多く含む高栄養価穀物であり、原産国は、中南米諸国、インド、ヒマラヤ、ネパールの特定地域である。一方、キヌアは、アガサ科の一年草であり、主にペルー南部やボリビア西部のアンデス山脈などの高地で栽培されており、ミネラル、ビタミン、蛋白質、食物繊維を豊富に含んでいる。
培養原料のアマランサスとキヌアは、単独で用いてもよく、あるいは組み合わせて用いてもよい。これらは、細砕や粉砕などの前処理をすることなく、液体培地の調製に用いる。
なお、上記原料は、その穀皮、外皮等を保持させたまま、加熱あるいは凍結処理を行ったものを以下の液体培地の調製に用いることもできる。
上記の培養原料は、単独あるいは2種以上を組み合わせて、以下の液体培地の調製に用いる。すなわち、上記の培養原料は、水と混合して液体培地を調製する。培養原料の配合割合は、麹菌の培養中にグルコアミラーゼ及び耐酸性α−アミラーゼが選択的に生成、蓄積される程度のものに調整される。
例えば、籾殻を除いた玄米を培養原料とした場合には、水に対して玄米を1%(w/vol)から20%(w/vol)、好ましくは5%(w/vol)から13%(w/vol)、より好ましくは8%(w/vol)から10%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。
次に、大麦を培養原料とした場合には、水に対して玄麦を1〜20%(w/vol)添加した液体培地に調製される。また、玄麦として無精白の大麦を用いた場合には、さらに好ましくは8〜10%(w/vol)添加した液体培地に調製され、玄麦として95%精白した大麦を培養原料とした場合には、さらに好ましくは1〜4%(w/vol)添加した液体培地に調製される。
豆類を培養原料とした場合には、水に対して豆類を1〜10%(w/vol)、好ましくは大豆であれば8〜10%(w/vol)、小豆であれば1〜2%(w/vol)添加した液体培地に調製される。また、芋類を培養原料とした場合には、水に対して芋類を1〜10%(w/vol)添加した液体培地に調製される。
また、例えば、アマランサスを培養原料とした場合は、水に対して1.5%(w/vol)から15%(w/vol)、好ましくは2%(w/vol)から10%(w/vol)、より好ましくは2%(w/vol)から8%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。一方、キヌアの場合は、水に対して1.5%(w/vol)から7%(w/vol)、好ましくは2%(w/vol)から6%(w/vol)、より好ましくは2%(w/vol)から4%(w/vol)を添加した液体培地に調製される。
このように、使用する培養原料の精白度、使用する麹菌株、培養原料の種類等によって、最適な配合使用量は異なるので、適宜に選択すればよい。
適量の上記原料を添加した液体培地で麹菌を培養すると、グルコアミラーゼ、及び耐酸性α−アミラーゼの酵素がバランスよく高生産され、焼酎醸造に使用するのに十分な酵素活性を有する液体麹が得られる。培養原料の使用量が上限値を超えると、培養液の粘性が高くなり、麹菌を好気培養するために必要な酸素や空気の供給が不十分となり、培養物中の酸素濃度が低下して、培養が進み難くなるので好ましくない。一方、該原料の使用量が下限値に満たないと、目的とする酵素が高生産されない。
上記原料に含まれるでん粉は、培養前にあらかじめ糊化しておいてもよい。でん粉の糊化方法については特に限定はなく、蒸きょう法、焙炒法等常法に従って行なえばよい。後述する液体培地の殺菌工程において、高温高圧滅菌等によりでん粉の糊化温度以上に加熱する場合は、この処理によりでん粉の糊化も同時に行なわれる。
液体培地には、前述の原料の他に栄養源として有機物、無機塩等を適宜添加するのが好ましい。これらの添加物は麹菌の培養に一般に使用されているものであれば特に限定はないが、有機物としては米糠、小麦麩、コーンスティープリカー、大豆粕、脱脂大豆等を、無機塩としてはアンモニウム塩、硝酸塩、カリウム塩、酸性リン酸塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の水溶性の化合物を挙げることができ、2種類以上の有機物及び/又は無機塩を同時に使用してもよい。これらの添加量は麹菌の増殖を促進する程度であれば特に限定はないが、有機物としては0.1〜5%(w/vol)程度、無機塩としては0.1〜1%(w/vol)程度添加するのが好ましい。
このようにして得られる麹菌の液体培地は必要に応じて滅菌処理を行なってもよく、処理方法には特に限定はない。例としては、高温高圧滅菌法を挙げることができ、121℃で15分間行なえばよい。
滅菌した液体培地を培養温度まで冷却後、麹菌を液体培地に接種する。本発明で用いる麹菌は、糖質分解酵素生産能を有する麹菌、好ましくはグルコアミラーゼ生産能、耐酸性α−アミラーゼ生産能を有する麹菌であり、例えば、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)等に代表される白麹菌、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)やアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等に代表される黒麹菌等が挙げられる。また、培地に接種する麹菌の形態は任意であり、胞子又は菌糸を用いることができる。
これらの麹菌は一種類の菌株による培養、又は同種若しくは異種の二種類以上の菌株による混合培養のどちらでも用いることができる。これらは胞子又は前培養により得られる菌糸のどちらの形態のものを用いても問題はないが、菌糸を用いる方が対数増殖期に要する時間が短くなるので好ましい。また、上記液体培地を用いて以下のように麹菌を培養することによって得た液体麹を用いることもできる。
麹菌の液体培地への接種量には特に制限はないが、液体培地1ml当り、胞子であれば1×10〜1×10個程度、菌糸であれば前培養液を0.1〜10%程度接種することが好ましい。
麹菌の培養温度は、生育に影響を及ぼさない限りであれば特に限定はないが、好ましくは25〜45℃、より好ましくは30〜40℃で行なうのがよい。培養温度が低いと麹菌の増殖が遅くなるため雑菌による汚染が起きやすくなる。培養時間は24〜72時間で培養するのが好ましい。培養装置は液体培養を行なうことができるものであればよいが、麹菌は好気培養を行なう必要があるので、酸素や空気を培地中に供給できる好気的条件下で行なう必要がある。また、培養中は培地中の原料、酸素、及び麹菌が装置内に均一に分布するように撹拌をするのが好ましい。撹拌条件や通気量については、培養環境を好気的に保つことができる条件であればいかなる条件でもよく、培養装置、培地の粘度等により適宜選択すればよい。
上記の培養法で培養することにより、グルコアミラーゼ、及び耐酸性α−アミラーゼの酵素が同時にバランスよく生成され、焼酎等の発酵飲食品の製造に使用できる酵素活性を有する液体麹となる。尚、本発明において液体麹とは、培養したそのものの他に、培養物を遠心分離等することにより得られる培養液、それらの濃縮物又はそれらの乾燥物等も包含するものとする。
本発明においては、次に、上記により得られた液体麹の少なくとも一部をスターターとして用いて、さらなる液体麹の製造を行う。すなわち、上述した液体麹の製造法において、麹菌菌糸の代わりに、液体麹を液体培地に接種する。
スターターとして用いる液体麹の形状に特に制限はなく、得られたそのままの形状でもよく、濃縮物や乾燥物などの液状あるいは固形状でもよい。
また、液体麹の液体培地への接種量には特に制限はないが、好ましくは液体培地に対して1〜80%(vol/vol)、さらに好ましくは5〜50%(vol/vol)添加する。
上記の方法を繰り返すことにより、連続的に液体麹を製造することができる。
本発明の方法で得られた液体麹は、焼酎等の発酵飲食品の製造に用いることができる。例えば、清酒を製造する場合には、酒母や各もろみ仕込み段階において、焼酎を製造する場合には、もろみ仕込み段階において、しょうゆを製造する場合には、盛り込みの段階において、味噌を製造する場合には、仕込み段階において、みりんを製造する場合は、仕込み段階において、液体麹を固体麹の代わりに用いることができる。
また、本発明により得られた液体麹を用いて焼酎等の発酵飲食品を製造する場合には、全工程を液相で行なうことができる。全工程を液相で行なう酒類の製造方法としては、例えば、焼酎を製造する場合、トウモロコシ、麦、米、いも、さとうきび等を掛け原料に用い、該原料を約80℃の高温で耐熱性酵素剤を使用して溶かして液化した後、これに上記した液体麹、及び酵母を添加することでアルコール発酵させたもろみを、常圧蒸留法又は減圧蒸留法等により蒸留して製造する方法が挙げられる。
また、本発明の方法で得られた液体麹は、グルコアミラーゼ、耐酸性α−アミラーゼ、α−アミラーゼ、プロテアーゼなどの酵素活性を有しているため、食品工業等において酵素剤として使用することができる。
以下、本発明を実施例によってより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(10%玄麦培地を用いた連続的な液体麹製造)
まず、硝酸カリウム0.2%(w/vol)、リン酸2水素カリウム0.3%(w/vol)を添加した水に玄麦が10%(w/vol)になるように加えた液体培地を調製した。調製した液体培地100mlを容量500mlのバッフル付三角フラスコに入れ、121℃で15分間オートクレーブ滅菌後、白麹菌Aspergillus kawachiii IFO4308を初発胞子数1×10個/mlになるように接種した。尚、玄麦は国産2条大麦の未精白のものを使用した。
その後、温度37℃、振盪速度100rpmにて48時間培養を行なった。このようにして製造した液体麹の一部を、前記したような玄麦10%(w/vol)と硝酸カリウム0.2%(w/vol)、リン酸水素カリウム0.3%(w/vol)を含む液体培地に、無菌的に接種した。具体的には、液体培地に対して5%(vol/vol)、10%(vol/vol)、25%(vol/vol)、50%(vol/vol)量になるように、あらかじめ製造した液体麹を接種した。
この操作を15回繰り返し、1ヶ月間の連続的な液体麹製造を試みた。
培養終了後、得られたそれぞれの培養物について、グルコアミラーゼ、耐酸性α−アミラーゼの生成量を測定した。そして、液体麹の接種量別の液体培地で培養して得られた培養物のグルコアミラーゼ、及び耐酸性α−アミラーゼの生成量をそれぞれ図1,2に示した。
尚、グルコアミラーゼの酵素活性の測定には、糖化力分別定量キット(キッコーマン製)を用いた。
また、耐酸性α−アミラーゼの酵素活性の測定は、Sudo S. et al: J. Ferment. Bioeng.,76,105-110(1993)、Sudo S. et al: J. Ferment. Bioeng.,77,483-489(1994)、須藤茂俊ら: 日本醸造協会誌.,89,768-774(1994)に記載の方法を若干改良し、培養物を酸処理することで非耐酸性α−アミラーゼを失活させた後、α−アミラーゼ測定キット(キッコーマン製)を用いて耐酸性α−アミラーゼを測定した。より具体的には、培養液1mlに9mlの100mM 酢酸緩衝液(pH3)を添加し、37℃で1時間酸処理を行なった後に、α−アミラーゼ測定キット(キッコーマン製)を用いて測定した。
なお、これまでの試験により、グルコアミラーゼ100U/ml、耐酸性α−アミラーゼ10U/mlが焼酎醸造に必要な酵素力価であることが分かっている。
図1および図2が示す通り、指標酵素活性であるグルコアミラーゼ活性ならびに耐酸性α−アミラーゼ活性は、15回の連続的な製造において、各試験区とも上記の目標値をクリアした。特に50%量接種する試験区は、高いレベルで酵素活性が推移した。
このように、液体麹を連続的に製造するためには、あらかじめ製造した液体麹をスターターとして培養を開始することが大変有効であり、幅広い接種量範囲で、実施可能なことが示された。
本発明により、表面の全部又は一部が少なくとも穀皮で覆われた穀類、表面が外皮で覆われた豆類又は芋類、あるいは細砕や粉砕などの前処理をしないアマランサス及び/又はキヌアを培養原料として用いることによって、焼酎等の発酵飲食品の製造に必要な酵素活性を持つ液体麹を効率よく、かつ安定的に連続製造する方法が提供される。
したがって、本発明は食品産業に貢献できる。
液体麹の接種量を変えて液体麹の連続製造を行い、得られた培養物中のグルコアミラーゼ活性(U/ml)の測定結果を示す。 液体麹の接種量を変えて液体麹の連続製造を行い、得られた培養物中の耐酸性α−アミラーゼ活性(U/ml)の測定結果を示す。

Claims (2)

  1. 液体麹を連続的に製造するにあたり、培養原料として、表面の全部が穀皮で覆われた大麦又は米を含む液体培地と、表面が外皮で覆われたサツマイモを含む液体培地と、から選ばれた少なくとも1種の液体培地で白麹菌及び/又は黒麹菌を培養して液体麹を得、該液体麹の少なくとも一部をスターターとして前記液体培地に接種して培養することを特徴とする液体麹の連続製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法で液体麹を得、該液体麹を用いて発酵飲食品の製造を行なう発酵飲食品の製造方法。
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