JP2007120684A - クラッチおよびそれを備えた車両 - Google Patents

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    • F16D25/00Fluid-actuated clutches
    • F16D25/08Fluid-actuated clutches with fluid-actuated member not rotating with a clutching member
    • F16D25/082Fluid-actuated clutches with fluid-actuated member not rotating with a clutching member the line of action of the fluid-actuated members co-inciding with the axis of rotation
    • F16D25/086Fluid-actuated clutches with fluid-actuated member not rotating with a clutching member the line of action of the fluid-actuated members co-inciding with the axis of rotation the clutch being actuated by a push rod extending coaxially through the input or output shaft

Abstract

【課題】クラッチレバーの操作性を向上させることが可能なクラッチを提供する。
【解決手段】このクラッチは、カム51cを有するプッシュレバー51を含むレバー機構部50と、カムフォロア41aを有するプッシュロッド41と、クラッチスプリングとしての皿ばね40とを含むクラッチ機構部30とを備えている。そして、プッシュレバー51のカム51cおよびプッシュロッド41のカムフォロア41aは、回動開始位置におけるプッシュレバー51のレバー比が、回動終了位置におけるプッシュレバー51のレバー比よりも大きくなるように構成されており、皿ばね40は、回動終了位置においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力が、回動開始位置においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力よりも小さくなるように構成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、クラッチおよびそれを備えた車両に関し、特に、レバー機構部と、レバー機構部の駆動動作が伝達されるクラッチ機構部とを含むクラッチおよびそれを備えた車両に関する。
従来、レバー機構部の駆動動作がクラッチ機構部に伝達されることによって、切断状態となるクラッチが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された従来のクラッチのクラッチ機構部は、複数のクラッチ板(摩擦板)と、クラッチ板を押圧するオペレーティングプレートと、オペレーティングプレートをクラッチ板側に付勢する圧縮コイルばねからなるクラッチスプリングと、オペレーティングプレートに連結されたプッシュピンとを含んでいる。また、このクラッチのレバー機構部は、回動可能に設置されたクラッチレバーと、クラッチレバーが操作されることにより回動されるとともに、クラッチ機構部のプッシュピンに当接するカムとを含んでいる。動作としては、クラッチが接続状態の場合には、複数のクラッチ板がオペレーティングプレートにより押圧されることによって、隣接するクラッチ板が互いに接触している。また、クラッチを切断状態にする場合には、クラッチレバーを握ることによりクラッチレバー(カム)が回動されることによって、カムによりプッシュピンがクラッチスプリングの付勢力に抗して押圧されてオペレーティングプレートのクラッチ板に対する押圧力が解除される。これにより、クラッチが切断状態になる。
また、上記特許文献1に開示された従来のクラッチでは、カムの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)における回動中心からカムとプッシュピンとの当接位置までの回動半径方向の距離(以下、カムの回動半径という)が、カムの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるカムの回動半径よりも小さくなるように設定されている。このため、従来のクラッチでは、クラッチ接続状態においてカムに発生するトルクが小さくなるので、小さい力でクラッチレバー(カム)を回動開始位置から回動させることが可能となる。
実開昭58−12718号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来のクラッチでは、カムの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるカムの回動半径が大きいので、回動終了位置においてカムに発生するトルクが大きくなるという不都合がある。さらに、上記特許文献1では、クラッチスプリングとして圧縮コイルばねを用いているため、カムが回動終了位置に達するまで回動すると、クラッチスプリングのたわみ量(圧縮量)が大きくなることによりクラッチスプリングの付勢力が大きくなるという不都合がある。このため、回動終了位置においてカムに作用するクラッチスプリングの付勢力が大きくなるので、回動終了位置においてカムに発生するトルクがより大きくなるという不都合がある。その結果、上記特許文献1では、クラッチの切断状態を維持する場合に、大きい力でクラッチレバー(カム)を回動終了位置で保持する必要があるので、クラッチレバーの操作性が低下するという問題点がある。
また、上記特許文献1では、カムの作用によりカムの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)のクラッチレバーの操作荷重が小さくなる一方、カムの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)のクラッチレバーの操作荷重が大きくなるので、カムの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)のクラッチレバーの操作荷重とカムの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)のクラッチレバーの操作荷重との差が大きくなるという不都合がある。このため、クラッチの切断動作時のクラッチの荷重の変化量が多くなるので、スムーズなクラッチ操作を行うのが困難である。これによっても、クラッチレバーの操作性が低下するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、クラッチレバーの操作性を向上させることが可能なクラッチを提供することである。
この発明のもう1つの目的は、クラッチレバーの操作性を向上させることが可能なクラッチを備えた車両を提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面によるクラッチは、第1当接部を有するレバーを含むレバー機構部と、複数の回転板を第1方向に押圧して隣接する回転板を接触させることにより、隣接する回転板間に摩擦力を発生させる押圧部材と、押圧部材を第1方向に付勢する付勢部材と、レバーの第1当接部に当接するように設けられ、レバーが所定の方向に回動することにより、レバーの第1当接部に押圧される第2当接部を有するとともに、レバー機構部の駆動動作を押圧部材に伝達する中継部材とを含むクラッチ機構部とを備えている。そして、レバー機構部のレバーが隣接する回転板が接触している状態の回動開始位置から回動終了位置に向かって所定の方向に回動されてレバーの第1当接部によりクラッチ機構部の中継部材の第2当接部が押圧されることにより、押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して第1方向とは反対の第2方向に移動されるとともに、隣接する回転板が離間されるように構成され、レバーの第1当接部および中継部材の第2当接部は、レバーの回動開始位置におけるレバーのレバー比が、レバーの回動終了位置におけるレバーのレバー比よりも大きくなるように構成されており、付勢部材は、レバーの回動終了位置においてレバーに作用する力が、レバーの回動開始位置においてレバーに作用する力よりも小さくなるように構成されている。
この第1の局面によるクラッチでは、上記のように、レバー機構部のレバーが隣接する回転板が接触している状態の回動開始位置から回動終了位置に向かって所定の方向に回動されてレバーの第1当接部によりクラッチ機構部の中継部材の第2当接部が押圧されることにより、押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して第1方向とは反対の第2方向に移動されるとともに、隣接する回転板が離間されるように構成し、かつ、レバーの第1当接部および中継部材の第2当接部を、レバーの回動開始位置におけるレバー比が、レバーの回動終了位置におけるレバー比よりも大きくなるように構成することによって、レバーの回動開始位置におけるレバー比が大きいことにより、回動開始位置においてレバーに発生するトルクを小さくすることができる。これにより、クラッチの切断動作開始時に、隣接する回転板を離間させる場合に、小さい力でレバーを回動開始位置から所定の方向に回動させることができる。また、付勢部材を、レバーの回動終了位置においてレバーに作用する力が、レバーの回動開始位置においてレバーに作用する力よりも小さくなるように構成することによって、レバーの回動終了位置におけるレバー比が小さくなったとしても、回動終了位置においてレバーに発生するトルクが大きくなるのを抑制することができる。これにより、クラッチの切断状態を維持する場合に、小さい力でレバーを回動終了位置で保持することができる。このように、第1の局面では、クラッチの切断動作開始時のみならず、クラッチの切断状態の維持時においても、レバーの操作を小さい力で行うことができるので、クラッチの切断を行うためのレバーの操作性を向上させることができる。また、レバーの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)のレバー比を大きくするとともに、付勢部材をレバーの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてレバーに作用する力が小さくなるように構成することによって、レバーの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)およびレバーの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)の両方におけるレバー(クラッチレバー)の操作荷重を小さくすることができるので、カムによりレバー比のみを大きくする場合に比べて、レバーの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)とレバーの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)とにおけるレバー(クラッチレバー)の操作荷重の変化量を小さくすることができる。これにより、スムーズなクラッチ操作を行うことができるので、これによっても、クラッチの操作性を向上させることができる。
上記第1の局面によるクラッチにおいて、好ましくは、レバーの第1当接部および中継部材の第2当接部は、それぞれ、互いに当接するように配置されたカムおよびカムフォロアの一方および他方を含み、カムおよびカムフォロアは、レバーの回動開始位置におけるレバー比が、レバーの回動終了位置におけるレバー比よりも大きくなるように、カムとカムフォロアとの当接位置が変化するように構成されている。このように構成すれば、容易に、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてレバーに発生するトルクを小さくすることができる。
上記レバーの第1当接部および中継部材の第2当接部がそれぞれ互いに当接するように配置されたカムおよびカムフォロアの一方および他方を含む構成において、好ましくは、レバーの回動開始位置では、カムとカムフォロアとの当接位置から中継部材の押圧方向に対して垂直方向に延びる延長線は、レバーの回動軸に対して押圧方向の一方側に位置しており、レバーが所定の方向に回動することにより回動終了位置に達した場合には、カムとカムフォロアとの当接位置から中継部材の押圧方向に対して垂直方向に延びる延長線は、レバーの回動軸に対して押圧方向の一方側とは反対の他方側に移動される。このように構成すれば、レバーを回動開始位置から回動終了位置に向かって所定の方向に回動させる際に、レバーのカム(カムフォロア)により中継部材のカムフォロア(カム)を押圧しながら、中継部材のカムフォロア(カム)に対するレバーのカム(カムフォロア)の当接位置を、中継部材の押圧方向に対して垂直方向に移動させることができる。これにより、押圧時に、カムからカムフォロアに中継部材の押圧方向に対して垂直方向の力が加わるのを抑制することができるので、中継部材の押圧方向に対して垂直方向の力が中継部材に加わるのを抑制することができる。その結果、中継部材が曲がるのを抑制することができる。
上記レバーの第1当接部および中継部材の第2当接部がそれぞれ互いに当接するように配置されたカムおよびカムフォロアの一方および他方を含む構成において、好ましくは、レバーの第1当接部は、カムを含み、中継部材の第2当接部は、カムフォロアを含む。このように構成すれば、レバー(カム)を回動させることによって、容易に、カムによりカムフォロアを押圧することができる。
上記レバーの第1当接部がカムを含むとともに、中継部材の第2当接部がカムフォロアを含む構成において、レバー機構部のレバーは、クラッチレバーにワイヤを介して接続されたカムを有する回動レバーを含み、クラッチ機構部の中継部材は、棒状に形成されているとともに、一方の端部が回動レバーのカムに当接するカムフォロアを構成し、他方の端部が押圧部材に連結されていてもよい。このように構成すれば、中継部材のカムフォロアを回動レバーのカムにより押圧することによって、容易に、中継部材と連結された押圧部材を付勢部材の付勢力に抗して移動させることができる。
上記レバーの第1当接部がカムを含むとともに、中継部材の第2当接部がカムフォロアを含む構成において、レバー機構部のレバーは、クラッチレバーにワイヤを介して接続されたカムを有する回動レバーを含み、クラッチ機構部の中継部材は、押圧部材に連結されているとともに、回動レバーのカムが挿入される穴部を有し、カムフォロアは、中継部材の穴部の内側面によって構成されていてもよい。このように構成すれば、中継部材の穴部の内側面によって構成されたカムフォロアを回動レバーのカムにより押圧することによって、容易に、中継部材と連結された押圧部材を付勢部材の付勢力に抗して移動させることができる。
上記レバーの第1当接部がカムを含むとともに、中継部材の第2当接部がカムフォロアを含む構成において、好ましくは、クラッチ機構部は、シリンダと、シリンダの内部に嵌め込まれ、中継部材により押圧されることによって、シリンダの中心軸に沿った方向に移動するとともに、シリンダの内部に油圧を発生させるピストンと、シリンダの内部の油量を調節する油量調節部とを含む油圧機構部をさらに含み、シリンダの内部に発生した油圧により、押圧部材が付勢部材の付勢力に抗して移動される。このように構成すれば、クラッチ機構部の構成部品である回転板が熱により膨張したとしても、油量調節部によりシリンダの内部の油量を調節することにより、レバーの回動開始位置におけるシリンダの内部の油圧が変化するのを抑制することができる。これにより、クラッチを切断することが可能なレバーの回動量が変化するのを抑制することができる。
上記クラッチ機構部が油圧機構部を含む構成において、レバー機構部のレバーは、カムを構成する第1当接部を有するクラッチレバーを含み、クラッチ機構部の中継部材は、クラッチレバーのカムを構成する第1当接部により押圧されるカムフォロアを構成する第2当接部を含むとともに、シリンダの中心軸に沿った方向に移動するように、シリンダの内部に嵌め込まれていてもよい。このように構成すれば、クラッチレバーの第1当接部により中継部材の第2当接部を押圧してシリンダの中心軸に沿った方向に移動させることによって、容易に、中継部材により、ピストンをシリンダの中心軸に沿った方向に押圧することができる。
上記クラッチ機構部が油圧機構部を含む構成において、レバー機構部のレバーは、カムを構成する第1当接部を有するクラッチレバーを含み、クラッチ機構部の中継部材は、クラッチレバーのカムを構成する第1当接部により押圧されるカムフォロアを構成する第2当接部を含むとともに、シリンダの外部に回動可能に設置されて、かつ、回動することによりピストンを押圧するように構成されていてもよい。このように構成すれば、クラッチレバーの第1当接部により中継部材の第2当接部を押圧して回動させることによって、容易に、中継部材により、ピストンをシリンダの中心軸に沿った方向に押圧することができる。
上記第1の局面によるクラッチにおいて、好ましくは、付勢部材は、レバーの回動開始位置から回動終了位置に向かって徐々にレバーに作用する力が小さくなるように構成されている。このように構成すれば、レバーの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)から回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)に向かってカム比を小さくするとともに、付勢部材によりレバーに作用する力を小さくする場合に、カムと付勢部材との合力によりレバーに作用する力の変化をよりスムーズにすることができるので、よりスムーズなクラッチ操作を行うことができる。
上記第1の局面によるクラッチにおいて、好ましくは、付勢部材は、皿ばねを含む。このように構成すれば、容易に、レバーの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてレバーに作用する力を、レバーの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてレバーに作用する力よりも小さくすることができる。
この発明の第2の局面による車両は、請求項1〜11のいずれか1項に記載のクラッチを備えた車両である。このように構成すれば、容易に、クラッチの切断を行うためのレバーの操作性を向上させることが可能な車両を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるクラッチが搭載された自動二輪車(車両)の全体構造を示した側面図である。図2は、本発明の第1実施形態によるクラッチが接続された状態を示した図である。図3は、図2に示した第1実施形態によるクラッチのプッシュレバーの斜視図である。図4および図5は、図2に示した第1実施形態によるクラッチが接続された状態の詳細図である。図6は、本発明の第1実施形態によるクラッチが切断された状態を示した図である。図7および図8は、図6に示した第1実施形態によるクラッチが切断された状態の詳細図である。図9は、図2および図6に示した第1実施形態によるクラッチに使用されるクラッチスプリング(皿ばね)のばね特性を示したグラフである。まず、図1〜図9を参照して、第1実施形態によるクラッチおよびそれが搭載された自動二輪車の構造について説明する。
第1実施形態によるクラッチが搭載された自動二輪車の構造としては、図1に示すように、ヘッドパイプ1に、メインフレーム2の前端部が接続されている。このメインフレーム2は、後ろ側の下方向に延びるように形成されている。また、メインフレーム2には、後ろ側の上方向に延びるシートレール3が接続されている。また、ヘッドパイプ1には、操舵機構部4が回動可能に取り付けられている。操舵機構部4の上方側には、ハンドル5が取り付けられている。
また、図2に示すように、ハンドル5には、ホルダ6が取り付けられている。ホルダ6には、クラッチレバー7が軸8を支点として回動可能に取り付けられている。クラッチレバー7には、ワイヤ9が接続されている。そして、クラッチレバー7をA方向に回動させることにより、ワイヤ9が引張られるように構成されている。なお、ホルダ6、クラッチレバー7、軸8およびワイヤ9は、クラッチの切断を行うためのレバー機構部50の構成部品である。
また、図1に示すように、操舵機構部4の下方側には、フロントフォーク10が取り付けられている。フロントフォーク10の下端部には、前輪11が回転可能に取り付けられている。前輪11には、前輪11と共に回転するように、フロントディスクロータ12が取り付けられている。また、フロントフォーク10には、フロントディスクロータ12を挟み込むように、フロントキャリパー13が取り付けられている。
また、メインフレーム2の後端部には、ピボット軸14を介して、スイングアーム15の前端部が取り付けられている。スイングアーム15の後端部には、後輪16が回転可能に取り付けられている。後輪16には、後輪16と共に回転するように、リアディスクロータ17が取り付けられている。また、スイングアーム15には、リアディスクロータ17を挟み込むように、リアキャリパー18が取り付けられている。また、メインフレーム2の上方側には、燃料タンク19が配置されている。また、メインフレーム2の下方側には、エンジン20が搭載されている。エンジン20には、マフラー21が接続されている。また、シートレール3の上方側には、シート22が配置されている。
また、メインフレーム2の下方側には、クラッチ機構部30が搭載されている。このクラッチ機構部30の詳細構造としては、図2に示すように、円筒状のメインシャフト31に、軸受32を介してクラッチハウジング33が取り付けられている。すなわち、クラッチハウジング33は、メインシャフト31に対して回転可能に取り付けられている。また、クラッチハウジング33の外周面には、ギア部33aが形成されている。このクラッチハウジング33のギア部33aは、エンジン20のクランクシャフト20aに取り付けられたギア20bに噛み合わされている。また、クラッチハウジング33の内周面には、メインシャフト31の軸方向(B方向またはC方向)に延びる複数の溝部33bが形成されている。また、メインシャフト31には、クラッチボス34がメインシャフト31と共に回転するように取り付けられている。このクラッチボス34は、クラッチハウジング33の内側に配置されている。また、クラッチボス34のクラッチハウジング33の溝部33bが形成された内周面と対向する外周面には、B方向(C方向)に延びるスプライン部34aが形成されている。
また、クラッチハウジング33の内側には、複数の円環状のフリクションディスク35と、複数の円環状のクラッチディスク36とが交互に配置されている。具体的には、フリクションディスク35の外周面には、複数の凸部35aが形成されているとともに、その凸部35aがクラッチハウジング33の内周面の溝部33bに係合されている。また、フリクションディスク35は、クラッチハウジング33の溝部33bに沿ってB方向(C方向)に移動可能となっている。また、クラッチディスク36の内周面には、ギア部36aが形成されているとともに、そのギア部36aがクラッチボス34の外周面のスプライン部34aに噛み合わされている。また、クラッチディスク36は、クラッチボス34のスプライン部34aに沿ってB方向(C方向)に移動可能となっている。また、複数のフリクションディスク35と複数のクラッチディスク36とは、B方向(C方向)に交互に配置されている。なお、フリクションディスク35およびクラッチディスク36は、本発明の「回転板」の一例である。
また、クラッチボス34のB方向(C方向)の一方端側には、支持プレート37がボルト38により取り付けられている。また、クラッチボス34と支持プレート37との間には、プレッシャープレート39が配置されている。このプレッシャープレート39には、クラッチディスク36をB方向に押圧する押圧部39aが形成されている。なお、プレッシャープレート39は、本発明の「押圧部材」の一例である。また、支持プレート37とプレッシャープレート39との間には、クラッチスプリングとしての皿バネ40が配置されている。なお、皿ばね40は、本発明の「付勢部材」の一例である。
そして、クラッチが接続状態の場合には、クラッチディスク36は、プレッシャープレート39が皿バネ40によりB方向に付勢されることによって、プレッシャープレート39の押圧部39aによりB方向に押圧されている。また、クラッチディスク36がB方向に押圧されているため、クラッチディスク36とフリクションディスク35とが交互に圧接された状態となっている。そして、クラッチディスク36とフリクションディスク35とが交互に圧接された状態において、クラッチハウジング33が回転した場合には、クラッチディスク36とフリクションディスク35との間に摩擦力が発生することにより、クラッチボス34がクラッチハウジング33と共に回転される。これにより、クラッチが接続状態の場合には、メインシャフト31が回転される。
また、筒状のメインシャフト31の内部には、プレッシャープレート39をC方向に押圧するためのプッシュロッド41が挿入されている。このプッシュロッド41の一方の端部は、軸受42を介して、プレッシャープレート39に回転可能に連結されている。なお、プッシュロッド41は、本発明の「中継部材」の一例である。
そして、プッシュロッド41によりプレッシャープレート39がC方向に押圧されると、クラッチが切断状態となる。具体的には、図6に示すように、クラッチが切断状態の場合には、プレッシャープレート39がプッシュロッド41により皿ばね40の付勢力に抗してC方向に押圧されている。また、プレッシャープレート39がC方向に押圧されているため、プレッシャープレート39の押圧部39aによるクラッチディスク36に対するB方向への押圧が解除されている。このため、クラッチディスク36およびフリクションディスク35のC方向への移動の規制がなくなるため、隣接するクラッチディスク36およびフリクションディスク35が離間されている。したがって、クラッチハウジング33が回転したとしても、クラッチディスク36とフリクションディスク35との間に摩擦力が発生しない。これにより、クラッチが切断状態の場合には、メインシャフト31およびクラッチボス34が回転せずに、クラッチハウジング33のみが回転される。
ここで、第1実施形態では、図2に示すように、プッシュロッド41のプレッシャープレート39とは反対側の他方の端部は、メインシャフト31の内部からB方向に突出しているとともに、そのプッシュロッド41の他方の端部の端面によって、後述するプッシュレバー51のカム51cに当接するカムフォロア41aが構成されている。なお、カムフォロア41aは、本発明の「第2当接部」の一例である。
また、第1実施形態では、プッシュロッド41のカムフォロア41a側に、プッシュロッド41をC方向に押圧するためのプッシュレバー51が設けられている。なお、プッシュレバー51は、本発明の「レバー」および「回動レバー」の一例である。このプッシュレバー51は、図2および図3に示すように、ロッド部51aと、ロッド部51aの一方端に配置された取り付け部51bとを有するとともに、ロッド部51aの中心軸(回動軸)CA1を支点として回動可能に構成されている。また、図3〜図5に示すように、プッシュレバー51のロッド部51aには、カムフォロア41aに当接するカム51cが形成されている。なお、カム51cは、本発明の「第1当接部」の一例である。そして、プッシュレバー51(カム51c)を図4および図5の状態(回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置))からD方向に回動させることによって、プッシュロッド41(カムフォロア41a)が押圧されてC方向に移動される。また、プッシュレバー51(カム51c)を図4および図5の状態(回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置))からD方向に回動させることにより、図7および図8の状態(回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置))にすることによって、クラッチが接続状態(図2の状態)から切断状態(図6の状態)にされる。
また、図2に示すように、プッシュレバー51の取り付け部51bの回動軸CA1から距離L1を隔てた部分には、ワイヤ9が接続されている。これにより、クラッチレバー7が操作されてワイヤ9が引張られると、プッシュレバー51がD方向(図5参照)に回動される。また、プッシュレバー51のロッド部51aの一方端側には、ねじりコイルばね52が装着されている。このねじりコイルばね52により、プッシュレバー51が常にD方向(図5参照)に回動するように付勢されている。なお、プッシュレバー51およびねじりコイルばね52は、クラッチの切断を行うためのレバー機構部50の構成部品である。
この第1実施形態では、プッシュレバー51のカム51cおよびプッシュロッド41のカムフォロア41aは、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるレバー比が、プッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるレバー比よりも大きくなるように構成されている。具体的には、プッシュレバー51の回動開始位置では、図5に示すように、プッシュレバー51の回動軸CA1からカム51cとカムフォロア41aとの当接位置P1までのE方向(プッシュロッド41の押圧方向(C方向)に対して垂直方向)の距離R11が、約2.9mmになるように設定されている。その一方、プッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)では、図8に示すように、回動軸CA1から当接位置P1までのE方向の距離R12が、約5.0mmになるように設定されている。したがって、第1実施形態では、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるプッシュレバー51のレバー比(L1/R11)は、回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるプッシュレバー51のレバー比(L1/R12)よりも大きくなっている。
また、第1実施形態では、図5に示すように、プッシュレバー51の回動開始位置において、カム51cとカムフォロア41aとの当接位置P1からプッシュロッド41の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)に延びる延長線EL1は、プッシュレバー51の回動軸CA1に対してB方向側に位置している。そして、図8に示すように、プッシュレバー51がD方向に回動することにより回動終了位置に達した場合には、カム51cとカムフォロア41aとの当接位置P1からプッシュロッド41の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)に延びる延長線EL1は、プッシュレバー51の回動軸CA1に対してB方向側とは反対のC方向側に移動される。
また、第1実施形態では、図2および図6に示すように、クラッチスプリングとしての皿ばね40は、プッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力が、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力よりも小さくなるように構成されている。以下に、第1実施形態で使用される皿ばね(クラッチスプリング)40のばね特性について説明する。
この第1実施形態で使用される皿ばね(クラッチスプリング)40は、図9に示すようなばね特性を有する。具体的には、皿ばね40の付勢力は、たわみ量が約1.6mm以下の場合、たわみ量が大きくなるにしたがって徐々に大きくなる。その一方、たわみ量が約1.6mmよりも大きく、かつ、約4.9mmよりも小さい場合には、皿ばね40の付勢力は、たわみ量が大きくなるにしたがって徐々に小さくなる。また、たわみ量が約1.6mm以上の場合には、皿ばね40の付勢力は、たわみ量が大きくなるにしたがって徐々に大きくなる。
そして、第1実施形態では、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)において、皿ばね40の付勢力が約1170Nとなるように、支持プレート37とプレッシャープレート39との間隔W1(図2参照)が設定されている。この場合の皿ばね40のたわみ量は、約2mmである。また、プッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)において、皿ばね40の付勢力が約490Nとなるように、支持プレート37とプレッシャープレート39との間隔W2(図6参照)が設定されている。この場合の皿ばね40のたわみ量は、約3.5mmである。また、第1実施形態では、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)における皿ばね40のたわみ量と、回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)における皿ばね40のたわみ量とを上記のように設定することにより、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)から回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)に向かって徐々にプッシュレバー51に作用する力(皿ばね40の付勢力)が小さくなる。なお、図9中の破線は、ばね定数を表している。
次に、図2、図5、図6および図8を参照して、第1実施形態によるクラッチを接続状態から切断状態にする際の動作について説明する。
まず、図2に示したクラッチ接続状態からクラッチレバー7をA方向に回動させることによって、プッシュレバー51の取り付け部51bに接続されたワイヤ9を引張る。これにより、図5に示したクラッチ接続状態からプッシュレバー51のD方向への回動が開始される。この際、図8に示すように、プッシュロッド41(カムフォロア41a)がプッシュレバー51(カム51c)によりC方向に押圧されるので、プッシュロッド41がC方向に移動する。
そして、図6に示すように、プッシュロッド41がC方向に移動すると、プレッシャープレート39がプッシュロッド41により皿バネ40の付勢力に抗してC方向に押圧される。これにより、プレッシャープレート39の押圧部39aによるクラッチディスク36に対するB方向への押圧が解除される。したがって、クラッチディスク36およびフリクションディスク35のC方向への移動の規制がなくなるので、隣接するクラッチディスク36およびフリクションディスク35が離間される。その結果、クラッチハウジング33が回転したとしても、クラッチディスク36とフリクションディスク35との間に摩擦力が発生しないので、クラッチボス34およびメインシャフト31がクラッチハウジング33と共に回転することがない。つまり、クラッチが切断された状態となる。
第1実施形態では、上記のように、プッシュレバー51のカム51cおよびプッシュロッド41のカムフォロア41aを、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるレバー比が、プッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるレバー比よりも大きくなるように構成することによって、プッシュレバー51の回動開始位置におけるレバー比が大きいことにより、回動開始位置においてプッシュレバー51(カム51c)に発生するトルクを小さくすることができる。これにより、クラッチの切断動作開始時に、隣接するフリクションディスク35およびクラッチディスク36を離間させる場合に、小さい力でプッシュレバー51を回動開始位置からA方向に回動させることができる。また、クラッチスプリングとしての皿ばね40を、回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力が、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力よりも小さくなるように構成することによって、プッシュレバー51の回動終了位置におけるレバー比が小さくなったとしても、回動終了位置においてプッシュレバー51(カム51c)に発生するトルクが大きくなるのを抑制することができる。これにより、クラッチの切断状態を維持する場合に、小さい力でプッシュレバー51を回動終了位置で保持することができる。その結果、クラッチの切断動作開始時のみならず、クラッチの切断状態の維持時においても、プッシュレバー51にワイヤ9を介して接続されたクラッチレバー7の操作を小さい力で行うことができるので、クラッチレバー7の操作性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)のレバー比を大きくするとともに、皿ばね40をプッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてプッシュレバー51に作用する力が小さくなるように構成することによって、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)およびプッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)の両方におけるプッシュレバー51(クラッチレバー7)の操作荷重を小さくすることができるので、カムによりレバー比のみを大きくする場合に比べて、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)とプッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)とにおけるプッシュレバー51(クラッチレバー7)の操作荷重の変化量を小さくすることができる。これにより、スムーズなクラッチレバー7の操作を行うことができるので、これによっても、クラッチレバー7の操作性を向上させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、回動開始位置におけるカム51cの回動半径R11を、回動終了位置におけるカム51cの回動半径R12よりも小さくなるように設定することによって、容易に、プッシュレバー51の回動開始位置におけるレバー比(L1/R11)を、プッシュレバー51の回動終了位置におけるレバー比(L1/R12)よりも大きくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、プッシュレバー51の回動開始位置では、カム51cとカムフォロア41aとの当接位置P1からプッシュロッド41の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)に延びる延長線EL1が、プッシュレバー51の回動軸CA1に対してB方向側に位置するように構成し、かつ、プッシュレバー51がD方向に回動することにより回動終了位置に達した場合には、カム51cとカムフォロア41aとの当接位置P1からプッシュロッド41の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)に延びる延長線EL1が、プッシュレバー51の回動軸CA1に対してB方向側とは反対のC方向側に移動されるように構成することによって、プッシュレバー51を回動開始位置から回動終了位置に向かってD方向に回動させる際に、プッシュレバー51のカム51cによりプッシュロッド41のカムフォロア41aを押圧しながら、プッシュロッド41のカムフォロア41aに対するプッシュレバー51のカム51cの当接位置P1を、プッシュロッド41の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)に移動させることができる。これにより、押圧時に、カム51cからカムフォロア41aにプッシュロッド41の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)の力が加わるのを抑制することができるので、プッシュロッド41の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)の力がプッシュロッド41に加わるのを抑制することができる。その結果、プッシュロッド41が曲がるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、プレッシャープレート39に連結されたプッシュロッド41に、カムフォロア41aを設けることによって、プッシュロッド41のカムフォロア41aをプッシュレバー51のカム51cにより押圧すれば、容易に、プッシュロッド41と連結されたプレッシャープレート39を皿ばね40の付勢力に抗して移動させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、クラッチスプリングとして、図9に示したばね特性を有する皿ばね40を用いることによって、容易に、回動終了位置においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力を、回動開始位置においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力よりも小さくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)から回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)に向かって徐々にプッシュレバー51に作用する力(皿ばね40の付勢力)が小さくなるように構成することによって、プッシュレバー51(カム51c)の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)から回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)に向かってレバー比を小さくするとともに、皿ばね40によりプッシュレバー51(カム51c)に作用する力を小さくする場合に、カム51cと皿ばね40との合力によりプッシュレバー51に作用する力の変化をよりスムーズにすることができるので、よりスムーズなクラッチレバー7の操作を行うことができる。
図10は、クラッチレバーの回動量とクラッチレバーに作用する反力との関係を示したグラフであり、図11は、クラッチレバーの回動量とプッシュレバーのレバー比との関係を示したグラフである。図12は、クラッチレバーの回動量とクラッチスプリングの付勢力との関係を示したグラフであり、図13は、クラッチレバーの回動量とクラッチの切り代との関係を示したグラフである。なお、図10〜図13の横軸(クラッチレバーの回動量)の0mmの位置は、クラッチレバーの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)であり、約53mmの位置は、クラッチレバーの回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)である。また、図13の縦軸のクラッチの切り代とは、クラッチを切断状態にする際のプレッシャープレートの移動量である。次に、図10〜図13を参照して、上記した第1実施形態のクラッチレバーの操作性に関する効果を確認するために行ったシミュレーション結果について説明する。
まず、図2に示した第1実施形態の構成において、クラッチレバー7のA方向への回動量と、クラッチレバー7に作用する反力、プッシュレバー51のレバー比、クラッチの切り代(プレッシャープレート39のC方向への移動量)および皿ばね(クラッチスプリング)40の付勢力との関係を調べた。なお、このシミュレーションでは、従来例に対応する比較例として、カムによりレバー比のみを大きくする比較例ではなく、圧縮コイルばね(クラッチスプリング)によりプレッシャープレートが付勢され、かつ、カムを有しないプッシュレバーによりプッシュロッドが押圧されるように構成されたクラッチを比較例とした。
そして、図10に示すように、第1実施形態では、クラッチレバーの回動量が0mm〜約53mmの範囲において、クラッチレバーに作用する反力が比較例よりも小さくなることが判明した。具体的には、回動開始位置(0mm)においてクラッチレバーに作用する反力は、第1実施形態が約30Nであったのに対して、比較例が約40Nであった。また、回動終了位置(約53mm)においてクラッチレバーに作用する反力は、第1実施形態が約22Nであったのに対して、比較例が約38Nであった。この結果から、第1実施形態では、小さい力でクラッチレバー7を回動開始位置からA方向に回動させることができ、かつ、小さい力でクラッチレバー7を回動終了位置で保持することができることが確認できた。
また、図11に示すように、回動開始位置(0mm)におけるプッシュレバーのレバー比は、第1実施形態が約9であったのに対して、比較例が約6.8であった。この結果から、第1実施形態では、回動開始位置(0mm)において、プッシュレバー51のレバー比が比較例よりも大きかったために、クラッチレバー7に作用する反力が小さくなったと考えられる。
また、図12に示すように、回動終了位置(約53mm)におけるクラッチスプリングの付勢力は、第1実施形態が約650Nであったのに対して、比較例が約1220Nであった。この結果から、第1実施形態では、回動終了位置(約53mm)において、皿ばね(クラッチスプリング)40の付勢力が比較例よりも小さかったために、クラッチレバー7に作用する反力が小さくなったと考えられる。
また、図13に示すように、回動終了位置(約53mm)におけるクラッチの切り代は、第1実施形態と比較例とでほぼ同じ値(約1.7mm)であった。すなわち、第1実施形態によるクラッチでは、クラッチレバー7の操作性を向上させながら、クラッチを確実に切断状態にすることができると考えられる。
(第2実施形態)
図14は、本発明の第2実施形態によるクラッチが接続された状態を示した断面図であり、図15および図16は、図14に示した第2実施形態によるクラッチが接続された状態の詳細図である。図17は、本発明の第2実施形態によるクラッチが切断された状態を示した断面図であり、図18は、図17に示した第2実施形態によるクラッチが切断された状態の詳細図である。図14〜図18を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、プレッシャープレートを引張ることにより、プレッシャープレートのクラッチディスクに対する押圧を解除する場合について説明する。
この第2実施形態のクラッチ機構部60は、図14に示すように、エンジン(図示せず)の駆動が伝達されるメインシャフトとして、円柱状のメインシャフト61が使用されている。また、クラッチボス34のB方向(C方向)の一方端側には、穴部62aを有する支持プレート62がボルト38により取り付けられている。また、クラッチボス34と支持プレート62との間には、プレッシャープレート63が配置されている。このプレッシャープレート63には、クラッチディスク36をB方向に押圧する押圧部63aが形成されている。そして、上記第1実施形態と同様の皿ばね(クラッチスプリング)40が、支持プレート62とプレッシャープレート63との間に配置されている。なお、プレシャープレート63は、本発明の「押圧部材」の一例である。また、図14中のクラッチ機構部60の構成部品(32〜36)は、上記第1実施形態のクラッチ機構部30の構成部品(32〜36)と同様の構造を有する。
そして、クラッチが接続状態の場合には、プレッシャープレート63が皿ばね40によりB方向に付勢されることによって、クラッチディスク36がプレッシャープレート63の押圧部63aによりB方向に押圧されている。これにより、上記第1実施形態と同様、クラッチが接続状態の場合には、クラッチボス34がクラッチハウジング33と共に回転されるので、メインシャフト61が回転される。
また、プレッシャープレート63には、軸受64を介して、引張り部材65が回転可能に連結されている。この引張り部材65は、プレッシャープレート63をC方向に引張るために設けられている。なお、引張り部材65は、本発明の「中継部材」の一例である。
そして、引張り部材65によりプレッシャープレート63がC方向に引張られると、クラッチが切断状態となる。具体的には、図17に示すように、クラッチが切断状態の場合には、プレッシャープレート63が引張り部材65により皿ばね40の付勢力に抗してC方向に引張られている。また、プレッシャープレート63がC方向に引張られているため、プレッシャープレート63の押圧部63aによるクラッチディスク36に対するB方向への押圧が解除されている。これにより、上記第1実施形態と同様、クラッチが切断状態の場合には、メインシャフト61およびクラッチボス34が回転せずに、クラッチハウジング33のみが回転される。
ここで、第2実施形態では、図14に示すように、引張り部材65のプレッシャープレート63とは反対側の端部は、支持プレート62の穴部62aからC方向に突出しているとともに、その引張り部材65の他方の端部側に、穴部65aが形成されている。そして、引張り部材65の穴部65aの内側面によって、カムフォロア65bが構成されている。なお、カムフォロア65bは、本発明の「第2当接部」の一例である。
また、第2実施形態では、図14および図15に示すように、引張り部材65の穴部65aに、引張り部材65を押圧してC方向に移動させるためのプッシュレバー51が挿入されている。なお、引張り部材65の穴部65aに挿入されたプッシュレバー51は、上記第1実施形態のプッシュレバー51と同様の構造をする。また、図16に示すように、引張り部材65の穴部65aにプッシュレバー51が挿入されることによって、プッシュレバー51のカム51cと引張り部材65のカムフォロア65bとが当接している。そして、プッシュレバー51(カム51c)を図16の状態(回動開始位置)からH方向に回動させることによって、引張り部材65(カムフォロア65b)が押圧されてC方向に移動される。また、プッシュレバー51(カム51c)を図16の状態(回動開始位置)からH方向に回動させることにより、図18の状態(回動終了位置)にすることによって、クラッチが接続状態(図14の状態)から切断状態(図17の状態)にされる。なお、図15に示すように、プッシュレバー51(カム51c)は、上記第1実施形態と同様、クラッチレバー(図示せず)が操作されてワイヤ9が引張られることにより、回動軸CA1を支点としてH方向(図16参照)に回動される。
また、第2実施形態では、プッシュレバー51のカム51cおよび引張り部材65のカムフォロア65bは、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるレバー比が、プッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるレバー比よりも大きくなるように構成されている。具体的には、回動開始位置(図16参照)における回動軸CA1から当接位置P2までのE方向(引張り部材65の押圧方向(C方向)に対して垂直方向)の距離R21が、回動終了位置(図18参照)における回動軸CA1から当接位置P2までのE方向の距離R22よりも小さくなるように設定されている。したがって、第2実施形態では、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるプッシュレバー51のレバー比(L1/R21)は、回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるプッシュレバー51のレバー比(L1/R22)よりも大きくなっている。
また、第2実施形態では、図16に示すように、プッシュレバー51の回動開始位置において、カム51cとカムフォロア65bとの当接位置P2から引張り部材65の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)に延びる延長線EL2は、プッシュレバー51の回動軸CA1に対してB方向側に位置している。そして、図18に示すように、プッシュレバー51がH方向に回動することにより回動終了位置に達した場合には、カム51cとカムフォロア65bとの当接位置P2から引張り部材65の押圧方向(C方向)に対して垂直方向(E方向)に延びる延長線EL2は、プッシュレバー51の回動軸CA1に対してB方向側とは反対のC方向側に移動される。
また、第2実施形態では、クラッチスプリングとして、上記第1実施形態と同様の皿ばね40を用いているので、プッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力が、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力よりも小さくなる。
次に、図14〜図18を参照して、第2実施形態によるクラッチを接続状態から切断状態にする際の動作について説明する。
まず、図14に示した状態からクラッチレバー(図示せず)を操作することによって、プッシュレバー51の取り付け部51bに接続されたワイヤ9(図15参照)を引張る。これにより、図16に示したクラッチ接続状態からプッシュレバー51のH方向への回動が開始される。この際、図18に示すように、引張り部材65(カムフォロア65b)がプッシュレバー51(カム51c)によりC方向に押圧されるので、引張り部材65がC方向に移動する。
そして、図17に示すように、引張り部材65がC方向に移動すると、プレッシャープレート63が引張り部材65により皿バネ40の付勢力に抗してC方向に引張られる。これにより、プレッシャープレート63の押圧部63aによるクラッチディスク36に対するB方向への押圧が解除される。したがって、クラッチディスク36およびフリクションディスク35のC方向への移動の規制がなくなるので、隣接するクラッチディスク36およびフリクションディスク35が離間される。その結果、クラッチハウジング33が回転したとしても、クラッチディスク36とフリクションディスク35との間に摩擦力が発生しないので、クラッチボス34およびメインシャフト61がクラッチハウジング33と共に回転することがない。つまり、クラッチが切断された状態となる。
第2実施形態では、上記のように、プッシュレバー51のカム51cおよび引張り部材65のカムフォロア65bを、プッシュレバー51の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるレバー比が、プッシュレバー51の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるレバー比よりも大きくなるように構成することによって、プッシュレバー51の回動開始位置におけるレバー比が大きいことにより、回動開始位置においてプッシュレバー51(カム51c)に発生するトルクを小さくすることができる。また、クラッチスプリングとしての皿ばね40を、回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力が、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてプッシュレバー51(カム51c)に作用する力よりも小さくなるように構成することによって、プッシュレバー51の回動終了位置におけるレバー比が小さくなったとしても、回動終了位置においてプッシュレバー51(カム51c)に発生するトルクが大きくなるのを抑制することができる。その結果、上記第1実施形態と同様、クラッチの切断動作開始時のみならず、クラッチの切断状態の維持時においても、プッシュレバー51にワイヤ9を介して接続されたクラッチレバー(図示せず)の操作を小さい力で行うことができるので、クラッチレバーの操作性を向上させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、プレッシャープレート63に連結された引張り部材65に、カムフォロア65bを設けることによって、引張り部材65のカムフォロア65bをプッシュロッド51のカム51cにより押圧すれば、容易に、引張り部材65と連結されたプレッシャープレート63を皿ばね40の付勢力に抗して移動させることができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図19は、本発明の第3実施形態によるクラッチが接続された状態を示した側面図であり、図20および図21は、図19に示した第3実施形態によるクラッチが接続された状態の詳細図である。図22は、本発明の第3実施形態によるクラッチが切断された状態を示した側面図であり、図23および図24は、図22に示した第3実施形態によるクラッチが切断された状態の詳細図である。図19〜図24を参照して、この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と異なり、油圧機構部を含むクラッチについて説明する。なお、図21および図24中のクラッチ機構部70の構成部品(31〜40)は、上記第1実施形態のクラッチ機構部30の構成部品(31〜40)と同様の構造を有する。
この第3実施形態のクラッチ機構部70は、図21に示すように、プッシュロッド71のプレッシャープレート39とは反対側の端部に、クラッチレリーズピストン81が取り付けられている。このクラッチレリーズピストン81は、クラッチレリーズシリンダ82の内部に嵌め込まれている。また、クラッチレリーズシリンダ82の内部には、クラッチレリーズスプリング83が配置されている。このクラッチレリーズスプリング83により、クラッチレリーズピストン81が常にC方向に付勢されている。また、クラッチレリーズシリンダ82には、オイルホース84を介して、油圧マスタシリンダ85が接続されている。
油圧マスタシリンダ85は、マスタシリンダ86と、ピストン87と、圧縮バネ88とを含んでいる。なお、マスタシリンダ86は、本発明の「シリンダ」の一例である。ピストン87は、マスタシリンダ86の中心軸に沿った方向(I方向またはJ方向)に移動可能にマスタシリンダ86の内部に嵌め込まれている。このピストン87のI方向への移動は、後述する中継ピストン94によりI方向に押圧されることによって行われる。また、圧縮バネ88は、マスタシリンダ86の内部に配置されている。この圧縮バネ88により、ピストン87が常にJ方向に付勢されている。
また、マスタシリンダ86には、2つのオイル通路口86aおよび86bが形成されている。オイル通路口86aには、コネクタ89が嵌め込まれているとともに、そのコネクタ89に、クラッチレリーズシリンダ82に接続されたオイルホース84が取り付けられている。また、オイル通路口86bには、コネクタ90が嵌め込まれている。コネクタ90には、オイルホース91を介して、リザーバタンク92が接続されている。このリザーバタンク92は、マスタシリンダ86の内部の油圧を調節するために設けられている。具体的には、マスタシリンダ86の内部の油圧が高くなり過ぎた場合には、マスタシリンダ86の内部のオイルがリザーバタンク92に吐き出される。その一方、マスタシリンダ86の内部の油圧が低くなり過ぎた場合には、リザーバタンク92からマスタシリンダ86の内部にオイルが補充される。なお、リザーバタンク92は、本発明の「油量調節部」の一例である。
また、ピストン87の一方端側には、圧縮バネ88を保持するためのバネ保持部87aが設けられている。また、ピストン87の他方端側には、後述する中継ピストン94の押圧部94aが嵌め込まれる受け部87bが形成されている。また、ピストン87のバネ保持部87a側には、プライマリシール93aが取り付けられているとともに、受け部87b側には、セカンダリシール93bが取り付けられている。なお、クラッチレリーズピストン81、クラッチレリーズシリンダ82、クラッチレリーズスプリング83および油圧マスタシリンダ85は、油圧機構部80の構成部品である。また、図19に示すように、油圧マスタシリンダ85は、ホルダ6aを介して、ハンドル5に取り付けられている。
また、図21に示すように、マスタシリンダ86の内部には、中継ピストン94がマスタシリンダ86の中心軸に沿った方向(I方向またはJ方向)に移動可能に嵌め込まれている。また、中継ピストン94の一方の端部には、押圧部94aが設けられているとともに、その押圧部94aは、ピストン87の受け部87bに嵌め込まれている。この中継ピストン94は、ピストン87をI方向に押圧するために設けられている。なお、中継ピストン94は、本発明の「中継部材」の一例である。
そして、中継ピストン94によりピストン87がI方向に押圧されると、クラッチが切断状態となる。具体的には、図24に示すように、クラッチが切断状態の場合には、ピストン87が中継ピストン94に押圧されることによりI方向に移動されている。また、ピストン87の移動によるマスタシリンダ86の内部の油圧変化によって、マスタシリンダ86の内部のオイルがクラッチレリーズシリンダ82の内部に流れている。また、マスタシリンダ86からのオイルの流入によるクラッチレリーズシリンダ82の内部の油圧変化によって、クラッチレリーズピストン81およびプッシュロッド71がC方向に移動されているとともに、プッシュロッド71によりプレッシャープレート39がC方向に押圧されている。これにより、上記第1実施形態と同様、クラッチが切断状態の場合には、メインシャフト31およびクラッチボス34が回転せずに、クラッチハウジング33のみが回転される。
ここで、第3実施形態では、図21に示すように、中継ピストン94の他方の端部は、マスタシリンダ86の内部からJ方向に突出しているとともに、その中継ピストン94の他方の端部の端面によって、後述するクラッチレバー101のカム101aに当接するカムフォロア94bが構成されている。また、中継ピストン94の他方の端部(カムフォロア94b)は、一方の端部側よりも大きい直径を有するように形成されている。なお、カムフォロア94bは、本発明の「第2当接部」の一例である。
また、第3実施形態では、図19に示すように、ホルダ6aに、中継ピストン94をI方向に押圧するためのクラッチレバー101が設けられている。このクラッチレバー101は、軸102(回動軸CA2)を支点として回動可能に構成されている。なお、クラッチレバー101は、本発明の「レバー機構部」および「レバー」の一例である。また、クラッチレバー101には、カムフォロア94bに当接するカム101aが形成されている。なお、カム101aは、本発明の「第1当接部」の一例である。そして、クラッチレバー101(カム101a)を図19および図20の状態(回動開始位置)からK方向に回動させることによって、中継ピストン94(カムフォロア94b)が押圧されてI方向に移動される。また、クラッチレバー101(カム101a)を図19および図20の状態(回動開始位置)からK方向に回動させることにより、図22および図23の状態(回動終了位置)にすることによって、クラッチが接続状態(図21の状態)から切断状態(図24の状態)にされる。なお、クラッチレバー101を回動させる際には、図19および図22中の破線で囲まれた領域400に力が加えられる。この力が加えられる領域400は、クラッチレバー101の回動軸CA2から距離L2を隔てた領域である。
この第3実施形態では、クラッチレバー101のカム101aおよび中継ピストン94のカムフォロア94bは、クラッチレバー101の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるレバー比が、クラッチレバー101の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるレバー比よりも大きくなるように構成されている。具体的には、回動開始位置(図20参照)における回動軸CA2から当接位置P3までのG方向(中継ピストン94の押圧方向(I方向)に対して垂直方向)の距離R31が、回動終了位置(図23参照)における回動軸CA2から当接位置P3までのG方向の距離R32よりも小さくなるように設定されている。したがって、第3実施形態では、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるクラッチレバー101のレバー比(L2/R31)は、回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるクラッチレバー101のレバー比(L2/R32)よりも大きくなっている。
また、第3実施形態では、図20に示すように、クラッチレバー101の回動開始位置において、カム101aとカムフォロア94bとの当接位置P3から中継ピストン94の押圧方向(I方向)に対して垂直方向(G方向)に延びる延長線EL3は、クラッチレバー101の回動軸CA2に対してJ方向側に位置している。そして、図23に示すように、クラッチレバー101がK方向に回動することにより回動終了位置に達した場合には、カム101aとカムフォロア94bとの当接位置P3から中継ピストン94の押圧方向(I方向)に対して垂直方向(G方向)に延びる延長線EL3は、クラッチレバー101の回動軸CA2に対してJ方向側とは反対のI方向側に移動される。
また、第3実施形態では、図21および図24に示すように、クラッチスプリングとして、上記第1実施形態と同様の皿ばね40を用いているので、クラッチレバー101の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてクラッチレバー101(カム101a)に作用する力が、クラッチレバー101の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてクラッチレバー101(カム101a)に作用する力よりも小さくなる。
次に、図19、図21、図22および図24を参照して、第3実施形態によるクラッチを接続状態から切断状態にする際の動作について説明する。
まず、図19および図21に示した状態からクラッチレバー101をK方向に回動させる。この際、図22に示すように、中継ピストン94(カムフォロア94b)がクラッチレバー101(カム101a)によりI方向に押圧されるので、中継ピストン94がI方向に移動する。
これにより、図24に示すように、油圧マスタシリンダ85のピストン87は、中継ピストン94により押圧されてI方向に移動する。また、ピストン87がI方向に移動することによって、マスタシリンダ86の内部の油圧が高くなる。これにより、マスタシリンダ86の内部のオイルが、オイル通路口86aに接続されたオイルホース84を介して、クラッチレリーズシリンダ82の内部に流れる。
そして、クラッチレリーズシリンダ82の内部にオイルが流入すると、クラッチレリーズシリンダ82の内部の油圧が高くなるので、クラッチレリーズピストン81がC方向に移動する。この場合には、クラッチレリーズピストン81に取り付けられたプッシュロッド71もC方向に移動するので、プレッシャープレート39が皿バネ40の付勢力に抗してC方向に押圧される。これにより、プレッシャープレート39の押圧部39aによるクラッチディスク36に対するB方向への押圧が解除される。したがって、クラッチディスク36およびフリクションディスク35のC方向への移動の規制がなくなるので、隣接するクラッチディスク36およびフリクションディスク35が離間される。その結果、クラッチハウジング33が回転したとしても、クラッチディスク36とフリクションディスク35との間に摩擦力が発生しないので、クラッチボス34およびメインシャフト31がクラッチハウジング33と共に回転することがない。つまり、クラッチが切断された状態となる。
第3実施形態では、上記のように、クラッチレバー101のカム101aおよび中継ピストン94のカムフォロア94bを、クラッチレバー101の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるレバー比が、クラッチレバー101の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるレバー比よりも大きくなるように構成することによって、クラッチレバー101の回動開始位置におけるレバー比が大きいことにより、回動開始位置においてクラッチレバー101に発生するトルクを小さくすることができる。これにより、クラッチの切断動作開始時に、隣接するフリクションディスク35およびクラッチディスク36を離間させる場合に、小さい力でクラッチレバー101を回動開始位置からK方向に回動させることができる。また、クラッチスプリングとしての皿ばね40を、回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてクラッチレバー101(カム101a)に作用する力が、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてクラッチレバー101(カム101a)に作用する力よりも小さくなるように構成することによって、クラッチレバー101の回動終了位置におけるレバー比が小さくなったとしても、回動終了位置においてクラッチレバー101に発生するトルクが大きくなるのを抑制することができる。これにより、クラッチの切断状態を維持する場合に、小さい力でクラッチレバー101を回動終了位置で保持することができる。その結果、クラッチの切断動作開始時のみならず、クラッチの切断状態の維持時においても、クラッチレバー101の操作を小さい力で行うことができるので、クラッチレバー101の操作性を向上させることができる。
また、第3実施形態では、上記のように、マスタシリンダ86の内部に発生した油圧により、プレッシャープレート39が皿ばね40の付勢力に抗して移動されるように構成し、かつ、マスタシリンダ86の内部に嵌め込まれたピストン87が、中継ピストン94により押圧されるように構成することによって、フリクションディスク35やクラッチディスク36が熱により膨張したとしても、マスタシリンダ86の内部の油量をリザーバタンク92により調節すれば、クラッチレバー101の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるマスタシリンダ86の内部の油圧が変化するのを抑制することができる。これにより、クラッチを切断することが可能なクラッチレバー101の回動量が変化するのを抑制することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、中継ピストン94を、マスタシリンダ86の内部に嵌め込むことによって、容易に、中継ピストン94により、ピストン87をマスタシリンダ86の中心軸に沿った方向に押圧することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
図25は、第3実施形態の変形例によるクラッチが接続された状態を示した側面図であり、図26は、第3実施形態の変形例によるクラッチが切断された状態を示した側面図である。図25および図26を参照して、この第3実施形態の変形例では、上記第3実施形態の構成において、油圧マスタシリンダ85を構成するマスタシリンダ86の内部に、一方の端部111aがマスタシリンダ86の内部からJ方向に突出するように、ピストン111が嵌め込まれている。このピストン111の一方の端部111aは、図示しない他方の端部よりも大きい直径を有するように形成されている。
ここで、第3実施形態の変形例では、ハンドル5に固定されたホルダ6bに、回動部材112が軸113(回動軸CA4)を支点として回動可能に取り付けられている。また、回動部材112のI方向側の側面には、突出部112aが形成されているとともに、その突出部112aは、ピストン111の端部111aに当接するように配置されている。この回動部材112は、ピストン111をI方向に押圧するために設けられている。なお、回動部材112は、本発明の「中継部材」の一例である。
そして、図26に示すように、回動部材112が軸113を支点として回動するとともに、回動部材112の突出部112aによりピストン111がI方向に押圧されると、上記第3実施形態と同様、クラッチが切断状態となる。
また、第3実施形態の変形例では、図25に示すように、回動部材112の突出部112aとは反対側の側面によって、後述するクラッチレバー114のカム114aに当接するカムフォロア112bが構成されている。なお、カムフォロア112bは、本発明の「第2当接部」の一例である。
また、第3実施形態の変形例では、ハンドル5に固定されたホルダ6bに、回動部材112をI方向に押圧して回動させるためのクラッチレバー114が設けられている。このクラッチレバー114は、軸115(回動軸CA3)を支点として回動可能に構成されている。なお、クラッチレバー114は、本発明の「レバー機構部」および「レバー」の一例である。また、クラッチレバー114には、カムフォロア112bに当接するカム114aが形成されている。なお、カム114aは、本発明の「第1当接部」の一例である。そして、クラッチレバー114(カム114a)を図25の状態(回動開始位置)からK方向に回動させることによって、回動部材112(カムフォロア112b)がQ方向に押圧されて回動される。また、クラッチレバー114(カム114a)を図25の状態(回動開始位置)からK方向に回動させることにより、図26の状態(回動終了位置)にすることによって、クラッチが接続状態(図25の状態)から切断状態(図26の状態)にされる。なお、クラッチレバー114を回動させる際には、図25および図26中の破線で囲まれた領域500に力が加えられる。この力が加えられる領域500は、クラッチレバー114の回動軸CA3から距離L3を隔てた領域である。
この第3実施形態の変形例では、クラッチレバー114のカム114aおよび回動部材112のカムフォロア112bは、クラッチレバー114の回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるレバー比が、クラッチレバー114の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるレバー比よりも大きくなるように構成されている。具体的には、回動開始位置(図25参照)では、クラッチレバー114の回動軸CA3から当接位置P4までのカム114aとカムフォロア112bとの当接位置P4の接線方向の距離R411が、回動部材112の回動軸CA4から当接位置P4までの当接位置P4の接線方向の距離R412よりも小さくなるように設定されている。その一方、回動終了位置(図26参照)では、クラッチレバー114の回動軸CA3から当接位置P4までの当接位置P4の接線方向の距離R421が、回動部材112の回動軸CA4から当接位置P4までの当接位置P4の接線方向の距離R422よりも大きくなるように設定されている。したがって、第3実施形態の変形例では、回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)におけるクラッチレバー114のレバー比(R412/R411)は、回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)におけるクラッチレバー114のレバー比(R422/R421)よりも大きくなっている。
なお、第3実施形態の変形例のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
第3実施形態の変形例では、上記のように構成することによって、クラッチレバー114により回動部材112を押圧して回動させれば、容易に、回動部材112により、ピストン111をマスタシリンダ86の中心軸に沿った方向に押圧することができる。
なお、第3実施形態の変形例のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、本発明を自動二輪車に適用する例を示したが、本発明はこれに限らず、自動二輪車以外の車両にも適用可能である。
また、上記第1〜第3実施形態では、プレッシャープレートがクラッチ機構部の外側(C方向)に向かって押圧されることによって、クラッチが切断されるように構成したが、本発明はこれに限らず、プレッシャープレートがクラッチ機構部の外側から内側(B方向)に向かって押圧されることによって、クラッチが切断されるように構成してもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、プレッシャープレートを付勢するクラッチスプリングとして、図9に示したばね特性を有する皿ばねを用いたが、本発明はこれに限らず、図9に示したばね特性と同様のばね特性を有していれば、皿ばね以外の付勢部材を用いてもよい。たとえば、図27に示す第1変形例のように、皿ばねに代えて、ねじりコイルばね121を用いてもよい。なお、ねじりコイルばね121は、本発明の「付勢部材」の一例である。
ねじりコイルばね121を用いる場合の構造としては、図27に示すように、クラッチボス122およびプレッシャープレート123の各々に、ねじりコイルばね121を保持するためのばね保持部122aおよび123aが設けられている。クラッチボス122のばね保持部122aは、プレッシャープレート123側に配置されているとともに、プレッシャープレート123のばね保持部123aは、クラッチボス122側に配置されている。そして、ねじりコイルばね121は、ばね保持部122aおよび123aにより挟み込まれることにより保持されている。これにより、プレッシャープレート123がねじりコイルばね121によりB方向に付勢される。なお、プレッシャープレート123は、本発明の「押圧部材」の一例である。
ここで、この第1変形例では、図28に示すように、プレッシャープレート123がC方向に移動した場合、ねじりコイルばね121は、ねじりコイルばね121の両端部が近づくようにたわむので、プレッシャープレート123に対する付勢力が小さくなる。したがって、クラッチスプリングとして皿ばねを用いた上記第1〜第3実施形態と同様、クラッチレバー(図示せず)の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてクラッチレバーに作用する力が、クラッチレバーの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてクラッチレバーに作用する力よりも小さくなる。
なお、クラッチボス122には、スプライン部122bが形成されているとともに、そのスプライン部122bに、クラッチディスク36のギア部36aが噛み合わされている。また、プレッシャープレート123には、押圧部123bが形成されているとともに、その押圧部123bにより、クラッチディスク36がB方向に押圧される。
また、図29に示す第2変形例のような付勢部材130を用いてもよい。この付勢部材130は、図29に示すように、一対のスライド部材131aおよび131bと、圧縮コイルばね132と、一対のローラ133aおよび133bとを含んでいる。一方のスライド部材131aは、他方のスライド部材131bに嵌め込まれている。また、一対のスライド部材131aおよび131bは、一方のスライド部材131aが他方のスライド部材131bに嵌め込まれた状態で、互いに逆方向にスライド可能に構成されている。また、圧縮コイルばね132は、一対のスライド部材131aおよび131bに挟み込まれるように保持されている。この圧縮コイルばね132によって、一対のスライド部材131aおよび131bが互いに離間するように付勢されている。また、一対のローラ133aおよび133bは、それぞれ、スライド部材131aおよび131bの端部に回転可能に取り付けられている。
また、上記した付勢部材130を用いる場合には、クラッチボス141に、一対のスライド部材131aおよび131bを保持するための保持部141aが設けられているとともに、その保持部141aに、一対のスライド部材131aおよび131bがM方向にスライド可能に保持されている。また、プレッシャープレート142には、ローラ133aおよび133bが当接する当接面142aが設けられている。なお、プレッシャープレート142は、本発明の「押圧部材」の一例である。そして、図30に示すように、プレッシャープレート142がC方向に移動した場合には、一対のローラ133aおよび133bがプレッシャープレート142の当接面142aにより互いに逆方向(M方向)に押圧される。これにより、一対のスライド部材131aおよび131bは、圧縮コイルばね132の付勢力に抗して互いに近づくようにスライドされる。
ここで、この第2変形例では、プレッシャープレート142の当接面142aは、クラッチ接続状態(図29の状態)とクラッチ切断状態(図30の状態)とで、ローラ133a(133b)との当接角度が変化するように形成されている。具体的には、クラッチ接続状態(図29の状態)では、図31に示すように、B方向に生じる付勢部材130の付勢力がF1となるように、プレッシャープレート142の当接面142aの傾斜角度が設定されている。その一方、クラッチ切断状態(図30の状態)では、図32に示すように、B方向に生じる付勢部材130の付勢力がF1よりも小さいF2となるように、プレッシャープレート142の当接面142aの傾斜角度が設定されている。したがって、クラッチスプリングとして皿ばねを用いた上記第1〜第3実施形態と同様、クラッチレバー(図示せず)の回動終了位置(クラッチ切断動作終了位置)においてクラッチレバーに作用する力が、クラッチレバーの回動開始位置(クラッチ切断動作開始位置)においてクラッチレバーに作用する力よりも小さくなる。
なお、図29に示すように、クラッチボス141には、スプライン部141bが形成されているとともに、そのスプライン部141bに、クラッチディスク36のギア部36aが噛み合わされている。また、プレッシャープレート142には、押圧部142bが形成されているとともに、その押圧部142bにより、クラッチディスク36がB方向に押圧される。
本発明の第1実施形態によるクラッチが搭載された自動二輪車の全体構造を示した側面図である。 本発明の第1実施形態によるクラッチが接続された状態を示した図である。 図2に示した第1実施形態によるクラッチのプッシュレバーの斜視図である。 図2に示した第1実施形態によるクラッチが接続された状態の詳細図である。 図4の100−100線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態によるクラッチが切断された状態を示した図である。 図6に示した第1実施形態によるクラッチが切断された状態の詳細図である。 図7の200−200線に沿った断面図である。 図2および図6に示した第1実施形態によるクラッチに使用されるクラッチスプリング(皿ばね)のばね特性を示したグラフである。 クラッチレバーの回動量とクラッチレバーに作用する反力との関係を示したグラフである。 クラッチレバーの回動量とプッシュレバーのレバー比との関係を示したグラフである。 クラッチレバーの回動量とクラッチスプリングの付勢力との関係を示したグラフである。 クラッチレバーの回動量とクラッチの切り代との関係を示したグラフである。 本発明の第2実施形態によるクラッチが接続された状態を示した断面図である。 図14に示した第2実施形態によるクラッチが接続された状態の詳細図である。 図15の300−300線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態によるクラッチが切断された状態を示した断面図である。 図17に示した第2実施形態によるクラッチが切断された状態の詳細図である。 本発明の第3実施形態によるクラッチが接続された状態を示した側面図である。 図19に示した第3実施形態によるクラッチが接続された状態の詳細図である。 図19に示した第3実施形態によるクラッチが接続された状態の詳細図である。 本発明の第3実施形態によるクラッチが切断された状態を示した側面図である。 図22に示した第3実施形態によるクラッチが切断された状態の詳細図である。 図22に示した第3実施形態によるクラッチが切断された状態の詳細図である。 第3実施形態の変形例によるクラッチが接続された状態を示した側面図である。 第3実施形態の変形例によるクラッチが切断された状態を示した側面図である。 本発明の第1変形例によるクラッチが接続された状態を示した断面図である。 本発明の第1変形例によるクラッチが切断された状態を示した断面図である。 本発明の第2変形例によるクラッチが接続された状態を示した断面図である。 本発明の第2変形例によるクラッチが切断された状態を示した断面図である。 本発明の第2変形例によるクラッチが接続された状態の詳細図である。 本発明の第2変形例によるクラッチが切断された状態の詳細図である。
符号の説明
30、60、70 クラッチ機構部
35 フリクションディスク(回転板)
36 クラッチディスク(回転板)
39、63、123、142 プレッシャープレート(押圧部材)
40 皿ばね(付勢部材)
41 プッシュロッド(中継部材)
41a、65b、94b、112b カムフォロア(第2当接部)
50 レバー機構部
51c、101a、114a カム(第1当接部)
51 プッシュレバー(レバー、回動レバー)
65 引張り部材(中継部材)
65a 穴部
80 油圧機構部
86 マスタシリンダ(シリンダ)
87 ピストン
92 リザーバタンク(油量調節部)
94 中継ピストン(中継部材)
101、114 クラッチレバー(レバー)
112 回動部材(中継部材)
130 付勢部材

Claims (12)

  1. 第1当接部を有するレバーを含むレバー機構部と、
    複数の回転板を第1方向に押圧して隣接する前記回転板を接触させることにより、前記隣接する回転板間に摩擦力を発生させる押圧部材と、前記押圧部材を前記第1方向に付勢する付勢部材と、前記レバーの第1当接部に当接するように設けられ、前記レバーが所定の方向に回動することにより、前記レバーの第1当接部に押圧される第2当接部を有するとともに、前記レバー機構部の駆動動作を前記押圧部材に伝達する中継部材とを含むクラッチ機構部とを備え、
    前記レバー機構部のレバーが前記隣接する回転板が接触している状態の回動開始位置から回動終了位置に向かって前記所定の方向に回動されて前記レバーの第1当接部により前記クラッチ機構部の中継部材の第2当接部が押圧されることにより、前記押圧部材が前記付勢部材の付勢力に抗して前記第1方向とは反対の第2方向に移動されるとともに、前記隣接する回転板が離間されるように構成され、
    前記レバーの第1当接部および前記中継部材の第2当接部は、前記レバーの回動開始位置における前記レバーのレバー比が、前記レバーの回動終了位置における前記レバーのレバー比よりも大きくなるように構成されており、
    前記付勢部材は、前記レバーの回動終了位置において前記レバーに作用する力が、前記レバーの回動開始位置において前記レバーに作用する力よりも小さくなるように構成されている、クラッチ。
  2. 前記レバーの第1当接部および前記中継部材の第2当接部は、それぞれ、互いに当接するように配置されたカムおよびカムフォロアの一方および他方を含み、
    前記カムおよび前記カムフォロアは、前記レバーの回動開始位置におけるレバー比が、前記レバーの回動終了位置におけるレバー比よりも大きくなるように、前記カムと前記カムフォロアとの当接位置が変化するように構成されている、請求項1に記載のクラッチ。
  3. 前記レバーの回動開始位置では、前記カムと前記カムフォロアとの当接位置から前記中継部材の押圧方向に対して垂直方向に延びる延長線は、前記レバーの回動軸に対して前記押圧方向の一方側に位置しており、
    前記レバーが前記所定の方向に回動することにより前記回動終了位置に達した場合には、前記カムと前記カムフォロアとの当接位置から前記中継部材の押圧方向に対して垂直方向に延びる延長線は、前記レバーの回動軸に対して前記押圧方向の前記一方側とは反対の他方側に移動される、請求項2に記載のクラッチ。
  4. 前記レバーの第1当接部は、前記カムを含み、
    前記中継部材の第2当接部は、前記カムフォロアを含む、請求項2に記載のクラッチ。
  5. 前記レバー機構部のレバーは、クラッチレバーにワイヤを介して接続された前記カムを有する回動レバーを含み、
    前記クラッチ機構部の中継部材は、棒状に形成されているとともに、一方の端部が前記回動レバーのカムに当接する前記カムフォロアを構成し、他方の端部が前記押圧部材に連結されている、請求項4に記載のクラッチ。
  6. 前記レバー機構部のレバーは、クラッチレバーにワイヤを介して接続された前記カムを有する回動レバーを含み、
    前記クラッチ機構部の中継部材は、前記押圧部材に連結されているとともに、前記回動レバーのカムが挿入される穴部を有し、
    前記カムフォロアは、前記中継部材の穴部の内側面によって構成されている、請求項4に記載のクラッチ。
  7. 前記クラッチ機構部は、シリンダと、前記シリンダの内部に嵌め込まれ、前記中継部材により押圧されることによって、前記シリンダの中心軸に沿った方向に移動するとともに、前記シリンダの内部に油圧を発生させるピストンと、シリンダの内部の油量を調節する油量調節部とを含む油圧機構部をさらに含み、
    前記シリンダの内部に発生した油圧により、前記押圧部材が前記付勢部材の付勢力に抗して移動される、請求項4に記載のクラッチ。
  8. 前記レバー機構部のレバーは、前記カムを構成する第1当接部を有するクラッチレバーを含み、
    前記クラッチ機構部の中継部材は、前記クラッチレバーのカムを構成する第1当接部により押圧される前記カムフォロアを構成する第2当接部を含むとともに、前記シリンダの中心軸に沿った方向に移動するように、前記シリンダの内部に嵌め込まれている、請求項7に記載のクラッチ。
  9. 前記レバー機構部のレバーは、前記カムを構成する第1当接部を有するクラッチレバーを含み、
    前記クラッチ機構部の中継部材は、前記クラッチレバーのカムを構成する第1当接部により押圧される前記カムフォロアを構成する第2当接部を含むとともに、前記シリンダの外部に回動可能に設置され、かつ、回動することにより前記ピストンを押圧するように構成されている、請求項7に記載のクラッチ。
  10. 前記付勢部材は、前記レバーの回動開始位置から回動終了位置に向かって徐々に前記レバーに作用する力が小さくなるように構成されている、請求項1に記載のクラッチ。
  11. 前記付勢部材は、皿ばねを含む、請求項1に記載のクラッチ。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のクラッチを備えた、車両。




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