JP6630205B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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本発明は、クラッチ装置に関する。
従来、アシストカム及びバックトルクカムを備えるクラッチ装置において、アシストカム及びバックトルクカムが作動した際のカム面の衝突を緩和するダンパー部材を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−234885号公報
ところで、上記従来のクラッチ装置では、アシストカムが当接して作動する当接位置とバックトルクカムが当接して作動する当接位置との間に隙間(ラッシュ)があるため、アシストカムとバックトルクカムとが切り替わる際には、トルクの伝達が僅かに抜けるような空走感を運転者等に与えてしまうという課題がある。この課題に対し、上記従来技術のような緩衝用のラバー部材によって、上記のカムを一方向に付勢して隙間を詰めるようにすることで、空走感を低減することも考えられるが、部品点数が増加してしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、アシストカム及びバックトルクカムを備えるクラッチ装置において、簡単な構造で、空走感を低減できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、入力部材(17)と同期回転するように伝達駆動されるクラッチアウタ(12)と、出力軸部材(11)を同期回転するように伝達駆動するクラッチインナ(13)と、前記クラッチインナ(13)と一体的に設けられ、前記クラッチアウタ(12)との間に介在されたクラッチ板(15)に対して軸方向に当接してクラッチ板(15)を保持する受圧部(13c)と、クラッチスプリング(16)により前記受圧部(13c)側へ付勢されて前記受圧部(13c)との間で前記クラッチ板(15)を狭持することで前記クラッチ板(15)を圧着させる加圧板(14)と、前記クラッチインナ(13)と前記加圧板(14)との相対回転の回転差を軸方向の移動に変換するカム機構(30)とを備え、前記カム機構(30)は、前記入力部材(17)からの駆動力が作用している時に前記クラッチインナ(13)と前記加圧板(14)とを軸方向に近接させて前記加圧板(14)の圧着力を増加させるアシストカム(31)と、前記出力軸部材(11)からの駆動力の発生時に前記クラッチインナ(13)と前記加圧板(14)とを軸方向に離間させて前記加圧板(14)の圧着力を減少させるバックトルクカム(41)とを備えるクラッチ装置において、前記クラッチスプリング(16)は、一端(16a)が前記クラッチインナ(13)側に保持されるとともに、他端(16b)が前記加圧板(14)側に保持され、前記加圧板(14)側で前記クラッチスプリング(16)の前記他端(16b)に接して当該他端(16b)を保持するスプリング座面(22,171)は、当該クラッチ装置の回転軸に直交する平面(P)に対して周方向に高さを異ならせた傾斜面(22a,171a)で構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、クラッチスプリングは、一端がクラッチインナ側に保持されるとともに、他端が加圧板側に保持され、加圧板側でクラッチスプリングの他端に接して他端を保持するスプリング座面は、クラッチ装置の回転軸に直交する平面に対して周方向に高さを異ならせた傾斜面で構成されている。これにより、クラッチスプリングは、クラッチ装置の周方向に傾斜して保持されることになり、クラッチ装置の周方向を向くクラッチスプリングの分力によって、クラッチインナと加圧板とを相対回転させることができる。このため、クラッチスプリングの分力によってアシストカムまたはバックトルクカムの隙間を詰めることができ、簡単な構造で空走感を低減できる。
また、本発明は、前記傾斜面(22a,171a)は、前記アシストカム(31)を作動させる方向に前記クラッチインナ(13)と前記加圧板(14)とを相対回転させるように傾斜していることを特徴とする。
本発明によれば、傾斜面は、アシストカムを作動させる方向にクラッチインナと加圧板とを相対回転させるように傾斜しているため、空走感を発生させ易いバックトルクカム側からアシストカムへの移行時に、空走感を効果的に低減できる。
また、本発明は、前記クラッチスプリング(16)はコイルスプリングであり、前記加圧板(14)が当該クラッチ装置に組み付けられた状態において、前記クラッチインナ(13)が前記クラッチスプリング(16)の前記一端(16a)を保持するクラッチインナ側座面(60,160)は、前記加圧板(14)側の前記スプリング座面(22,171)と平行に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、クラッチスプリングはコイルスプリングであり、加圧板がクラッチ装置に組み付けられた状態において、クラッチインナがクラッチスプリングの一端を保持するクラッチインナ側座面は、加圧板側のスプリング座面と平行に設けられている。このため、コイルスプリングの曲がりの発生を抑えてコイルスプリングの組み付け性を向上できるとともに、コイルスプリングの負荷を均一化して、周方向の付勢力を適切に発生させることができる。
さらに、本発明は、前記クラッチインナ側座面(60,160)は、環状に凹んだ凹部で形成されているとともに、当該凹部の深さが前記周方向に異なるように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、クラッチインナ側座面は、環状に凹んだ凹部で形成されているとともに、凹部の深さが周方向に異なるように形成されているため、クラッチスプリングの長さを確保できるとともに、クラッチ装置を軸方向にコンパクトに形成できる。
また、本発明は、前記クラッチインナ側座面の中央には、前記クラッチスプリング(16)の内周面に当接する円筒状ボス部(61)が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、クラッチインナ側座面の中央には、クラッチスプリングの内周面に当接する円筒状ボス部が形成されているため、傾斜して配置されるクラッチスプリングを円筒状ボス部によって正しく保持できる。このため、周方向の付勢力を適切に発生させることができる。
また、本発明は、前記クラッチインナ(13)から前記クラッチスプリング(16)の内部を通るように延出して円筒状ボス部(61)に連結されるクラッチインナ側ボス部(13d)を備え、前記円筒状ボス部(61)の中心軸(61b)は、前記クラッチインナ側ボス部(13d)の中心軸(13e)に対して、前記周方向にずらして配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、円筒状ボス部の中心軸は、クラッチインナ側ボス部の中心軸に対して、周方向にずらして配置されている。このため、クラッチスプリングが傾斜して配置される構成あっても、クラッチスプリングと円筒状ボス部とが強く当たることを防止でき、クラッチスプリングの機能を適切に発揮させることができる。
さらに、前記クラッチインナ側ボス部(13d)の先端部の外径(d1)は、前記円筒状ボス部(61)の外径(d2)よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、クラッチインナ側ボス部の先端部の外径は、円筒状ボス部の外径よりも小さいため、クラッチスプリングが傾斜して配置される構成あっても、クラッチインナ側ボス部の先端部とクラッチスプリングとが強く当たることを防止できる。このため、クラッチスプリングの機能を適切に発揮させることができる。
また、本発明は、前記加圧板(14)と前記クラッチスプリング(16)の前記他端(16b)との間に介装される座金部材(170)を備え、前記スプリング座面(171)の前記傾斜面(171a)は、前記座金部材(170)に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、加圧板とクラッチスプリングの他端との間に介装される座金部材を備え、スプリング座面の傾斜面は、座金部材に形成されているため、傾斜面を備えた座金部材を用いるだけでクラッチスプリングを傾斜させることができ、簡単な構成で空走感を低減できる。
本発明に係るクラッチ装置では、クラッチスプリングの分力によってアシストカムまたはバックトルクカムの隙間を詰めることができ、簡単な構造で空走感を低減できる。
また、空走感を発生させ易いバックトルクカム側からアシストカムへの移行時に、空走感を効果的に低減できる。
また、コイルスプリングの組み付け性を向上できるとともに、コイルスプリングの負荷を均一化して、周方向の付勢力を適切に発生させることができる。
また、クラッチスプリングの長さを確保できるとともに、クラッチ装置を軸方向にコンパクトに形成できる。
さらに、傾斜して配置されるクラッチスプリングを円筒状ボス部によって正しく保持できる。
また、クラッチスプリングと円筒状ボス部とが強く当たることを防止でき、クラッチスプリングの機能を適切に発揮させることができる。
また、クラッチインナ側ボス部の先端部とクラッチスプリングとが強く当たることを防止できる。
また、傾斜面を備えた座金部材を用いるだけでクラッチスプリングを傾斜させることができ、簡単な構成で空走感を低減できる。
本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 クラッチ装置を軸方向に見た図である。 図2のIII−III断面図である。 クラッチインナをクラッチ装置の軸方向に見た図である。 加圧板をクラッチ装置の軸方向に見た図である。 図4のVI−VI断面図である。 図4のVI−VI断面図である。 図2のVIII−VIII断面図である。 第2の実施の形態における図2のVIII−VIII断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。
なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号RHは車体左方を示している。
自動二輪車200は、車体フレームFにパワーユニットとしてのエンジン201が支持され、前輪202を操舵可能に支持するフロントフォーク203が車体フレームFの前端に操舵可能に支持され、後輪204を支持するスイングアーム205が車体フレームFの後部側に設けられた車両である。自動二輪車200は、乗員が跨るようにして着座する乗車用のシート206が車体フレームFの後部の上方に設けられた鞍乗り型車両である。
車体フレームFは、フロントフォーク203を回動自在に支持するヘッドパイプ207と、ヘッドパイプ207から後方に延出した後、下方に延びるメインフレーム208と、メインフレーム208の前端部から下方に延びるダウンフレーム209とを備える。
操舵ハンドル210は、フロントフォーク203の上端に設けられている。スイングアーム205は、ピボット軸211に前端を軸支されており、後輪204は、スイングアーム205の後端部に支持される。
エンジン201は、メインフレーム208及びダウンフレーム209に支持される。
エンジン201は、車幅方向に延びるクランク軸212を収容するクランクケース213と、クランクケース213から上方に延びるシリンダ部214とを備える。
クランクケース213の後部には、エンジン201の出力を減速して後輪204側に出力する変速機215が内蔵されている。
変速機215は、互いに噛み合う複数の変速歯車をそれぞれ軸支する出力軸部材11及びカウンタ軸217を備える。出力軸部材11及びカウンタ軸217は、クランク軸212の後方に位置し、クランク軸212と平行に車幅方向に延びている。
カウンタ軸217はクランクケース213の後部から側方に突出し、この突出部分には、駆動スプロケット218が固定されている。エンジン201の出力は、駆動スプロケット218と後輪204に設けられた被動スプロケット219との間に掛け渡される駆動チェーン220を介して、駆動輪である後輪204に伝達される。
変速機215の出力軸部材11の軸端部(右端部)には、後述するクラッチ装置10(図3)が設けられている。
燃料タンク221は、操舵ハンドル210とシート206との間に配置される。
図2は、クラッチ装置10を軸方向に見た図である。図3は、図2のIII−III断面図である。
第1の実施の形態では、クラッチ装置10が車両としての自動二輪車200に設けられる構成を例に挙げて説明する。クラッチ装置10が設けられる車両は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の車両、及び、4輪以上を備えた車両であっても良い。
クラッチ装置10は、クランク軸212側から変速機215への駆動力の伝達を、任意に接続及び切断することが可能である。
クラッチ装置10は、エンジン201の駆動力によって回転される前記出力軸部材11上に設けられる。クラッチ装置10の軸方向は、出力軸部材11の軸方向に一致する。
クラッチ装置10は、出力軸部材11上で出力軸部材11に対して相対回転可能に設けられるクラッチアウタ12と、クラッチアウタ12の内側に配置され、出力軸部材11に固定されるクラッチインナ13と、クラッチ装置10の軸方向においてクラッチインナ13に対向する加圧板14と、加圧板14とクラッチインナ13との間に狭持されるクラッチ板15と、加圧板14をクラッチインナ13側に付勢する複数のクラッチスプリング16とを備える。
クラッチ板15は、クラッチアウタ12に支持される複数の駆動側クラッチ板15aと、クラッチインナ13に支持される複数の被動側クラッチ板15bとを備える。
出力軸部材11上には、エンジン201の駆動力が入力される入力部材17が設けられている。入力部材17は、エンジン201のクランク軸212に設けられたプライマリドライブギア(不図示)に噛み合う歯車である。入力部材17は、ベアリング17aを介し、出力軸部材11に対して相対回転自在に設けられている。
クラッチアウタ12は、クラッチインナ13を内側に収容する円筒部12aと、円筒部12aの一端を塞ぐように設けられ、中央部を出力軸部材11が貫通する円板部12bとを備える。クラッチアウタ12は、円板部12bに挿通されるリベット18によって、入力部材17の外側面に一体に固定されている。すなわち、クラッチアウタ12は、入力部材17にクランク軸212の駆動力が伝達されると、出力軸部材11上において、入力部材17と同期回転する。
図4は、クラッチインナ13をクラッチ装置10の軸方向に見た図である。
図3及び図4に示すように、クラッチインナ13は、中央部が出力軸部材11に固定される円板状のベース部13aと、クラッチアウタ12の円筒部12aと同軸にベース部13aから延出する内側円筒部13bと、ベース部13aの外周部から径方向外側に延出するフランジ状の受圧部13cと、内側円筒部13bの内側で、ベース部13aからクラッチ装置10の軸方向に延出する複数のクラッチインナ側ボス部13dとを備える。
クラッチインナ13は、ベース部13aが出力軸部材11に固定されており、出力軸部材11と同期回転する。また、クラッチインナ13は、出力軸部材11の軸方向に移動不能に固定されている。
クラッチインナ側ボス部13dは、クラッチインナ13の周方向に互いに等間隔で複数設けられている。
また、クラッチインナ13は、複数のクラッチインナ側ボス部13dの先端面に取り付けられるストッパプレート19を備える。ストッパプレート19は、クラッチインナ側ボス部13dの先端面に挿通されるボルト20によって、クラッチインナ側ボス部13dに固定されている。
図5は、加圧板14をクラッチ装置10の軸方向に見た図である。
図3及び図5に示すように、加圧板14は、円板状の板部14aと、板部14aからクラッチインナ13側へクラッチ装置10の軸方向に延出する複数の筒状部14bと、板部14aの外周部に形成されて受圧部13cに対向する加圧部14cとを備える。
板部14aの中央部には、ベアリング21が設けられている。筒状部14bの先端部には、筒状部14bの径方向内側に延びるフランジ状のスプリング座面22と、筒状部14bの先端を軸方向に貫通する貫通孔23とが形成されている。貫通孔23は、加圧板14の周方向に長い長孔状に形成されている。
加圧板14は、各筒状部14bの貫通孔23にクラッチインナ13の各クラッチインナ側ボス部13dが挿通された状態で、クラッチインナ13に組み付けられている。加圧板14は、クラッチ装置10の軸方向に移動可能である。また、加圧板14は、貫通孔23内をクラッチインナ側ボス部13dが移動可能な範囲内において、クラッチインナ13に対して相対回転可能である。
クラッチスプリング16はコイルスプリングであり、内周部がクラッチインナ側ボス部13dに嵌合されて、筒状部14bの内部空間に配置される。
クラッチスプリング16は、一端16aがストッパプレート19を介してクラッチインナ13に保持され、他端16bが加圧板14のスプリング座面22に保持される。
クラッチ板15(図3)は、クラッチアウタ12の円筒部12aとクラッチインナ13の内側円筒部13bとの間に配置されるとともに、受圧部13cと加圧部14cとの間に挟まれる。
リング状に形成された駆動側クラッチ板15aは、その外周部が円筒部12aの内周部にスプライン嵌合して設けられており、クラッチ装置10の軸方向に移動可能且つクラッチアウタ12と一体回転するように設けられている。
リング状に形成された被動側クラッチ板15bは、その内周部が内側円筒部13bの外周部にスプライン嵌合して設けられており、クラッチ装置10の軸方向に移動可能且つクラッチインナ13と一体回転するように設けられている。被動側クラッチ板15bと駆動側クラッチ板15aとは交互に積層して複数枚が配置されている。
クラッチスプリング16は、加圧部14cと受圧部13cとでクラッチ板15を圧着する方向、すなわち、図3中に矢印で示すクラッチ接続方向Cに加圧板14を付勢している。図3に示す状態は、クラッチ接続状態であり、クラッチ板15がクラッチスプリング16の付勢力により押圧されることで、クラッチアウタ12とクラッチインナ13とがクラッチ板15の摩擦によって接続されている。クラッチ接続状態では、クラッチインナ13及び加圧板14は一体に回転する。
詳細には、クラッチ接続状態では、エンジン201の駆動力は、入力側から順に、入力部材17、クラッチアウタ12、クラッチ板15、クラッチインナ13、及び、出力軸部材11の順番で伝達される。その後、エンジン201の駆動力は、出力軸部材11からカウンタ軸217及び駆動チェーン220を経て、駆動輪である後輪204に伝達される。
中空に形成された出力軸部材11の内部には、例えば運転者のクラッチレバーによる操作やアクチュエータの作動によって軸方向に移動するプッシュロッド24が設けられている。プッシュロッド24は、プッシュロッド24と加圧板14との相対回転を許容するベアリング21を介して加圧板14を押圧する。
プッシュロッド24によって加圧板14がクラッチスプリング16の付勢力に抗してクラッチ接続方向Cとは反対のクラッチ切断方向Dに移動させられると、クラッチ装置10は、クラッチ切断状態となる。クラッチ切断状態では、クラッチスプリング16の付勢力によるクラッチ板15の押圧が解除され、クラッチアウタ12からクラッチインナ13に駆動力が伝達されなくなる。
クラッチ装置10は、クラッチインナ13と加圧板14との相対回転の回転差をクラッチ装置10の軸方向の移動に変換するカム機構30を備える。
図6及び図7は、図4のVI−VI断面図である。ここで、図6及び図7では、図4のクラッチインナ13に図5の加圧板14を組み付けた状態の断面が図示されている。
図3〜図7を参照し、各カム機構30は、入力部材17からクラッチインナ13への駆動力が作用している時にクラッチインナ13と加圧板14とを軸方向に近接させて加圧板14のクラッチ板15に対する圧着力を増加させるアシストカム31と、出力軸部材11からクラッチインナ13への駆動力の発生時にクラッチインナ13と加圧板14とを軸方向に離間させて加圧板14のクラッチ板15に対する圧着力を減少させるバックトルクカム41とを備える。
一対のアシストカム31及びバックトルクカム41で構成されるカム作動部は、クラッチ装置10の周方向に等間隔を開けて複数個所(本実施の形態では3箇所)に設けられている。
アシストカム31は、クラッチインナ13に設けられるクラッチインナ側アシストカム部32と、加圧板14に設けられる加圧板側アシストカム部33とを備える。
バックトルクカム41は、クラッチインナ13に設けられるクラッチインナ側バックトルクカム部42と、加圧板14に設けられる加圧板側バックトルクカム部43とを備える。
クラッチインナ13は、ベース部13aから加圧板14側に突出する凸部50を複数備え、クラッチインナ側アシストカム部32及びクラッチインナ側バックトルクカム部42は、各凸部50に形成される。
ここで、各図には、クラッチ接続状態において、クラッチ装置10が入力部材17側からの駆動力によって駆動される際の回転方向R1が矢印で示されている。また、各図には、回転方向R1の反対の回転方向R2が矢印で示されている。
クラッチインナ側アシストカム部32は、凸部50の周方向の面において、回転方向R1とは反対方向側(回転方向R2側)に形成された傾斜面である。詳細には、クラッチインナ側アシストカム部32は、凸部50の先端側ほど回転方向R2側に位置するようにオーバーハングした傾斜面である。
クラッチインナ側バックトルクカム部42は、凸部50の周方向の面において、回転方向R1側に形成された傾斜面である。詳細には、クラッチインナ側バックトルクカム部42は、凸部50の基端側ほど回転方向R1側に位置するように傾斜した傾斜面である。
加圧板14は、板部14aを貫通する開口部51を複数備え、加圧板側アシストカム部33及び加圧板側バックトルクカム部43は、開口部51内に形成される。
加圧板側アシストカム部33は、開口部51の周方向の面において、回転方向R2側に形成された傾斜面である。詳細には、加圧板側アシストカム部33は、クラッチインナ側アシストカム部32と平行に形成された傾斜面である。
加圧板側バックトルクカム部43は、開口部51の周方向の面において、回転方向R1側に形成された傾斜面である。詳細には、加圧板側バックトルクカム部43は、クラッチインナ側バックトルクカム部42と平行に形成された傾斜面である。
加圧板14は、クラッチインナ13の凸部50が開口部51内に位置するようにクラッチインナ13に組み付けられる。
クラッチインナ13は出力軸部材11に接続されているため、加圧板14と比較するとクラッチアウタ12の回転に追従し難い。このため、入力部材17からクラッチ装置10に入力される駆動力(トルク)が急激に増大する場合、すなわち、例えば自動二輪車200がエンジン201の出力を増加させて加速しようとする場合、図6に示すように、加圧板14は、クラッチインナ13に対し、回転方向R1に相対回転する。
これにより、加圧板側アシストカム部33がクラッチインナ側アシストカム部32に当接し、カムの作用により、加圧板14は、クラッチインナ13に近接するようにクラッチ接続方向C(図3及び図6参照)へ軸方向に移動する。
このように、クラッチインナ13と加圧板14との相対回転の回転差をクラッチ接続方向Cの移動に変換できるため、クラッチを強固に接続できる。このため、クラッチスプリング16の荷重を小さくすることも可能である。
また、クラッチインナ13の回転数が入力部材17の回転数を上回る場合、すなわち、例えば自動二輪車200が急激にシフトダウンして減速しようとする場合、図7に示すように、クラッチインナ13は、加圧板14に対し、回転方向R1に相対回転する。換言すると、加圧板14は、クラッチインナ13に対し、回転方向R2に相対回転する。
これにより、クラッチインナ側バックトルクカム部42が加圧板側バックトルクカム部43に当接し、カムの作用により、加圧板14は、クラッチインナ13から離間するようにクラッチ切断方向D(図3及び図7参照)へ軸方向に移動する。
このように、クラッチインナ13と加圧板14との相対回転の回転差をクラッチ切断方向Dの移動に変換できるため、例えば、自動二輪車200の減速時に後輪204側からクラッチインナ13を経て入力部材17側に伝達されるバックトルクを自動的に低減させることができる。
図8は、図2のVIII−VIII断面図である。
図8に示すように、ストッパプレート19は、円板状のプレート本体部19aと、クラッチスプリング16の一端16aを保持するクラッチインナ側座面60と、クラッチインナ側座面60の中央部からクラッチインナ側ボス部13d側に突出する円筒状ボス部61とを備える。
クラッチインナ側座面60は、プレート本体部19aを環状に凹ませた凹部であり、クラッチスプリング16の一端16aはクラッチインナ側座面60に嵌まる。円筒状ボス部61は、一端16aの内周面に当接し、一端16aを位置決めする。円筒状ボス部61には、ボルト20が挿通される挿通孔61aが形成されている。
このように、クラッチスプリング16の一端16aが凹部であるクラッチインナ側座面60に嵌まるため、クラッチスプリング16の全長を長く確保しながら、ストッパプレート19を軸方向にコンパクトに設けることができる。
ストッパプレート19は、円筒状ボス部61の先端面をクラッチインナ側ボス部13dの先端面に当接させた状態で、ボルト20によってクラッチインナ側ボス部13dに締結されている。
クラッチスプリング16は、ストッパプレート19のクラッチインナ側座面60と加圧板14のスプリング座面22との間に圧縮された状態で設けられている。
図8のように、クラッチスプリング16の周辺部をクラッチ装置10の径方向に見ると、スプリング座面22及びクラッチインナ側座面60は、クラッチ装置10の周方向に高さが異なるように傾斜している。
詳細には、スプリング座面22は、クラッチ装置10の回転軸(出力軸部材11の軸線)に直交する仮想の平面Pに対して、クラッチ装置10の周方向に高さが異なるように形成された傾斜面22aを備える。スプリング座面22は、傾斜面22aとクラッチスプリング16の他端16bとの間に介装される平板状のワッシャ62を介して他端16bを保持する。傾斜面22aは、回転方向R1の反対方向に行くほど高さが高くなるように傾斜している。
また、クラッチインナ側座面60は、仮想の平面Pに対して、クラッチ装置10の周方向に高さが異なるように形成されたクラッチインナ側傾斜面60aを備える。クラッチインナ側傾斜面60aは、回転方向R1の反対方向に行くほど凹部の深さが深くなるように傾斜している。
傾斜面22aとクラッチインナ側傾斜面60aとは略平行に形成されている。
スプリング座面22及びクラッチインナ側座面60が傾斜しているため、クラッチスプリング16は、クラッチ装置10の軸方向に対し、クラッチ装置10の周方向に傾斜した状態で保持される。すなわち、クラッチスプリング16の軸線16dは、クラッチ装置10の軸方向に延びるクラッチインナ側ボス部13dの中心軸13eに対して、クラッチ装置10の周方向に傾斜している。
このように、クラッチスプリング16が傾斜しているため、クラッチスプリング16の押圧力F(図8)の方向も周方向に傾斜している。押圧力Fは、クラッチ装置10の軸方向を向く軸方向の分力F1と、クラッチ装置10の周方向を向く周方向の分力F2とに分解することができる。
クラッチスプリング16は、軸方向の分力F1によって、加圧板14をクラッチ板15に圧着する。また、クラッチスプリング16は、周方向の分力F2によって、加圧板14をクラッチ装置10の周方向に回転する方向に付勢する。
詳細には、クラッチスプリング16の周方向の分力F2は、加圧板14を回転方向R1に回転させる方向を向いている。すなわち、加圧板14は、クラッチスプリング16の周方向の分力F2によって、加圧板側アシストカム部33がクラッチインナ側アシストカム部32に近づくように付勢されている。
つまり、スプリング座面22及びクラッチインナ側座面60は、クラッチスプリング16の付勢力によってアシストカム31を作動させる方向にクラッチインナ13と加圧板14とを相対回転させるように傾斜している。
このように、クラッチスプリング16によって、アシストカム31が作動する方向に加圧板14を付勢するため、加圧板側アシストカム部33とクラッチインナ側アシストカム部32との隙間を詰めることができ、クラッチ切断状態とクラッチ接続状態との間においてトルクが抜ける時間を短くできる。
例えば、自動二輪車200が減速して図7に示すようにバックトルクカム41が作動している状態から、自動二輪車200が急加速する場合、クラッチインナ側アシストカム部32と加圧板側アシストカム部33とが当接するまでは、トルクが抜けて運転者等は空走感を感じることがある。本第1の実施の形態では、クラッチスプリング16の周方向の分力F2によって、加圧板側アシストカム部33がクラッチインナ側アシストカム部32に近づくように付勢されているため、加圧板側アシストカム部33をクラッチインナ側アシストカム部32に迅速に当接させることができる。このため、トルクが抜けることによる空走感を低減できる。
本第1の実施の形態では、ストッパプレート19に円筒状ボス部61が設けられているため、クラッチスプリング16の一端16aの内周面に円筒状ボス部61を当接させて、クラッチスプリング16を適切に支持できる。
また、円筒状ボス部61の中心軸61bは、クラッチインナ側ボス部13dの中心軸13eに対して、クラッチ装置10の周方向においてクラッチスプリング16の傾斜方向にずらして配置されている。このため、傾斜して配置されるクラッチスプリング16が円筒状ボス部61に強く当たることを防止でき、クラッチスプリング16をスムーズに動作させることができる。
さらに、クラッチインナ側ボス部13dの先端部の外径d1は、円筒状ボス部61の外径d2よりも小さく形成されている。このため、クラッチインナ側ボス部13dの先端部がラッチスプリング16に強く当たることを防止でき、クラッチスプリング16をスムーズに動作させることができる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態によれば、クラッチ装置10は、入力部材17と同期回転するように伝達駆動されるクラッチアウタ12と、出力軸部材11を同期回転するように伝達駆動するクラッチインナ13と、クラッチインナ13と一体的に設けられ、クラッチアウタ12との間に介在されたクラッチ板15に対して軸方向に当接してクラッチ板15を保持する受圧部13cと、クラッチスプリング16により受圧部13c側へ付勢されて受圧部13cとの間でクラッチ板15を狭持することでクラッチ板15を圧着させる加圧板14と、クラッチインナ13と加圧板14との相対回転の回転差を軸方向の移動に変換するカム機構30とを備え、カム機構30は、入力部材17からの駆動力が作用している時にクラッチインナ13と加圧板14とを軸方向に近接させて加圧板14の圧着力を増加させるアシストカム31と、出力軸部材11からの駆動力の発生時にクラッチインナ13と加圧板14とを軸方向に離間させて加圧板14の圧着力を減少させるバックトルクカム41とを備え、クラッチスプリング16は、一端16aがクラッチインナ13側に保持されるとともに、他端16bが加圧板14側に保持され、加圧板14側でクラッチスプリング16の他端16bに接して他端16bを保持するスプリング座面22は、クラッチ装置10の回転軸に直交する平面Pに対して周方向に高さを異ならせた傾斜面22aで構成されている。これにより、クラッチスプリング16は、クラッチ装置10の周方向に傾斜して保持されることになり、クラッチ装置10の周方向を向くクラッチスプリング16の周方向の分力F2によって、クラッチインナ13と加圧板14とを相対回転させることができる。このため、クラッチスプリング16の分力F2によってアシストカム31の隙間を詰めることができ、簡単な構造で空走感を低減できる。
また、傾斜面22aは、アシストカム31を作動させる方向にクラッチインナ13と加圧板14とを相対回転させるように傾斜しているため、空走感を発生させ易いバックトルクカム41側からアシストカム31への移行時に、空走感を効果的に低減できる。
また、クラッチスプリング16はコイルスプリングであり、加圧板14がクラッチ装置10に組み付けられた状態において、クラッチインナ13がクラッチスプリング16の一端16aを保持するクラッチインナ側座面60は、加圧板14側のスプリング座面22と平行に設けられている。このため、クラッチスプリング16の曲がりの発生を抑えてクラッチスプリング16の組み付け性を向上できるとともに、クラッチスプリング16の負荷を均一化して、周方向の付勢力を適切に発生させることができる。
さらに、クラッチインナ側座面60は、環状に凹んだ凹部で形成されているとともに、凹部の深さが周方向に異なるように形成されているため、クラッチスプリング16の長さを確保できるとともに、クラッチ装置10を軸方向にコンパクトに形成できる。
また、クラッチインナ側座面60の中央には、クラッチスプリング16の内周面に当接する円筒状ボス部61が形成されているため、傾斜して配置されるクラッチスプリング16を円筒状ボス部61によって正しく保持できる。このため、周方向の付勢力を適切に発生させることができる。
また、クラッチインナ13からクラッチスプリング16の内部を通るように延出して円筒状ボス部61に連結されるクラッチインナ側ボス部13dを備え、円筒状ボス部61の中心軸61bは、クラッチインナ側ボス部13dの中心軸13eに対して、周方向にずらして配置されている。このため、クラッチスプリング16が傾斜して配置される構成あっても、クラッチスプリング16と円筒状ボス部61とが強く当たることを防止でき、クラッチスプリング16の機能を適切に発揮させることができる。
さらに、クラッチインナ側ボス部13dの先端部の外径d1は、円筒状ボス部61の外径d2よりも小さいため、クラッチスプリング16が傾斜して配置される構成あっても、クラッチインナ側ボス部13dの先端部とクラッチスプリング16とが強く当たることを防止できる。このため、クラッチスプリング16の機能を適切に発揮させることができる。
[第2の実施の形態]
以下、図9を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態は、スプリング座面及びクラッチインナ側座面が、加圧板14及びストッパプレート19とは別体で設けられる座金部材に設けられる点が、上記第1の実施の形態と異なる。
図9は、第2の実施の形態における図2のVIII−VIII断面図である。
図9に示すように、加圧板14の筒状部14bの先端部には、筒状部14bの径方向内側に延びるフランジ状の座面122と、貫通孔23とが形成されている。座面122は、仮想の平面Pと略平行に形成された平坦部である。
座面122とクラッチスプリング16の他端16bとの間には、リング状の座金部材170が介装されている。座金部材170は、クラッチ装置10の周方向に厚さが異なるように形成された板である。座金部材170の中央には、クラッチインナ側ボス部13dが挿通される。
座金部材170は、クラッチスプリング16の他端16bを保持するスプリング座面171を構成する。他端16bに当接する傾斜面171aは、座金部材170の上面に形成されている。傾斜面171aの傾斜は、上記第1の実施の形態の傾斜面22aと同一である。
ストッパプレート19は、クラッチスプリング16の一端16aを保持するクラッチインナ側座面160と、円筒状ボス部61とを備える。
クラッチインナ側座面160は、プレート本体部19aを環状に凹ませた凹部であり、クラッチスプリング16の一端16aはクラッチインナ側座面160に嵌まる。クラッチインナ側座面160の底面160aは、仮想の平面Pと略平行に形成された平坦部である。
底面160aとクラッチスプリング16の一端16aとの間には、リング状のクラッチインナ側座金部材180が介装されている。クラッチインナ側座金部材180は、クラッチ装置10の周方向に厚さが異なるように形成された板である。クラッチインナ側座金部材180の中央には、円筒状ボス部61が挿通される。
クラッチインナ側座金部材180は、クラッチスプリング16の一端16aに当接するクラッチインナ側傾斜面180aを備える。クラッチインナ側傾斜面180aの傾斜は、上記第1の実施の形態のクラッチインナ側傾斜面60aと同一である。
本第2の実施の形態によれば、加圧板14とクラッチスプリング16の他端16bとの間に介装される座金部材170を備え、スプリング座面171の傾斜面171aは、座金部材170に形成されている。このため、傾斜面171aを備えた座金部材170を用いるだけでクラッチスプリング16を傾斜させることができ、簡単な構成で空走感を低減できる。例えば、平坦な座面122を備えた既存の加圧板に座金部材170を追加するだけで、容易にクラッチスプリング16を傾斜させることができる。
また、クラッチインナ側傾斜面180aを備えたクラッチインナ側座金部材180を用いることで、簡単な構成で、クラッチスプリング16を傾斜させることができる。
なお、上記第1及び第2の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記第1及び第2の実施の形態では、スプリング座面22,171及びクラッチインナ側座面60,160は、クラッチスプリング16の付勢力によってアシストカム31を作動させる方向にクラッチインナ13と加圧板14とを相対回転させるように傾斜しているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スプリング座面22,171及びクラッチインナ側座面60,160は、クラッチスプリング16の付勢力によってバックトルクカム41を作動させる方向にクラッチインナ13と加圧板14とを相対回転させるように傾斜していても良い。この場合、スプリング座面22,171及びクラッチインナ側座面60,160は、周方向において図8とは反対方向に傾斜して設けられ、クラッチスプリング16も、周方向において図8の状態とは反対方向に傾斜する。
また、上記第1及び第2の実施の形態では、クラッチ装置10は、エンジン201からの駆動力が入力される変速機の入力軸である出力軸部材11に設けられるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。クラッチ装置は、エンジンから駆動輪に至るトルク伝達経路に配置される他の軸に設けられても良い。
10 クラッチ装置
11 出力軸部材
12 クラッチアウタ
13 クラッチインナ
13c 受圧部
13d クラッチインナ側ボス部
13e 中心軸(クラッチインナ側ボス部の中心軸)
14 加圧板
15 クラッチ板
16 クラッチスプリング
16a 一端
16b 他端
17 入力部材
22,171 スプリング座面
22a,171a 傾斜面
30 カム機構
31 アシストカム
41 バックトルクカム
60,160 クラッチインナ側座面
61 円筒状ボス部
61b 中心軸(円筒状ボス部の中心軸)
d1 外径(先端部の外径)
d2 外径(円筒状ボス部の外径)
170 座金部材
P 平面(クラッチ装置の回転軸に直交する平面)

Claims (8)

  1. 入力部材(17)と同期回転するように伝達駆動されるクラッチアウタ(12)と、出力軸部材(11)を同期回転するように伝達駆動するクラッチインナ(13)と、前記クラッチインナ(13)と一体的に設けられ、前記クラッチアウタ(12)との間に介在されたクラッチ板(15)に対して軸方向に当接してクラッチ板(15)を保持する受圧部(13c)と、クラッチスプリング(16)により前記受圧部(13c)側へ付勢されて前記受圧部(13c)との間で前記クラッチ板(15)を狭持することで前記クラッチ板(15)を圧着させる加圧板(14)と、前記クラッチインナ(13)と前記加圧板(14)との相対回転の回転差を軸方向の移動に変換するカム機構(30)とを備え、前記カム機構(30)は、前記入力部材(17)からの駆動力が作用している時に前記クラッチインナ(13)と前記加圧板(14)とを軸方向に近接させて前記加圧板(14)の圧着力を増加させるアシストカム(31)と、前記出力軸部材(11)からの駆動力の発生時に前記クラッチインナ(13)と前記加圧板(14)とを軸方向に離間させて前記加圧板(14)の圧着力を減少させるバックトルクカム(41)とを備えるクラッチ装置において、
    前記クラッチスプリング(16)は、一端(16a)が前記クラッチインナ(13)側に保持されるとともに、他端(16b)が前記加圧板(14)側に保持され、
    前記加圧板(14)側で前記クラッチスプリング(16)の前記他端(16b)に接して当該他端(16b)を保持するスプリング座面(22,171)は、当該クラッチ装置の回転軸に直交する平面(P)に対して周方向に高さを異ならせた傾斜面(22a,171a)で構成されていることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 前記傾斜面(22a,171a)は、前記アシストカム(31)を作動させる方向に前記クラッチインナ(13)と前記加圧板(14)とを相対回転させるように傾斜していることを特徴とする請求項1記載のクラッチ装置。
  3. 前記クラッチスプリング(16)はコイルスプリングであり、
    前記加圧板(14)が当該クラッチ装置に組み付けられた状態において、前記クラッチインナ(13)が前記クラッチスプリング(16)の前記一端(16a)を保持するクラッチインナ側座面(60,160)は、前記加圧板(14)側の前記スプリング座面(22,171)と平行に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のクラッチ装置。
  4. 前記クラッチインナ側座面(60,160)は、環状に凹んだ凹部で形成されているとともに、当該凹部の深さが前記周方向に異なるように形成されていることを特徴とする請求項3記載のクラッチ装置。
  5. 前記クラッチインナ側座面の中央には、前記クラッチスプリング(16)の内周面に当接する円筒状ボス部(61)が形成されていることを特徴とする請求項3または4記載のクラッチ装置。
  6. 前記クラッチインナ(13)から前記クラッチスプリング(16)の内部を通るように延出して円筒状ボス部(61)に連結されるクラッチインナ側ボス部(13d)を備え、
    前記円筒状ボス部(61)の中心軸(61b)は、前記クラッチインナ側ボス部(13d)の中心軸(13e)に対して、前記周方向にずらして配置されていることを特徴とする請求項5記載のクラッチ装置。
  7. 前記クラッチインナ側ボス部(13d)の先端部の外径(d1)は、前記円筒状ボス部(61)の外径(d2)よりも小さいことを特徴とする請求項6記載のクラッチ装置。
  8. 前記加圧板(14)と前記クラッチスプリング(16)の前記他端(16b)との間に介装される座金部材(170)を備え、前記スプリング座面(171)の前記傾斜面(171a)は、前記座金部材(170)に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のクラッチ装置。
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