JP3155713U - 遠心式多板摩擦クラッチおよびそれを備えた車両 - Google Patents

遠心式多板摩擦クラッチおよびそれを備えた車両 Download PDF

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Abstract

【課題】プレッシャプレートの押し付け力を調整する弾性体として、比較的長い弾性体を利用可能な遠心式多板摩擦クラッチ、およびそれを備えた車両を提供する。【解決手段】クラッチ2のクラッチハウジング46は、有底円筒状の底部46aと、それぞれ底部46aから軸方向に延び、クラッチ軸の軸心を中心とする円周方向に沿って設けられた複数のアーム46dと、隣り合うアーム46dの間に形成された複数の溝とを有している。オフスプリング71は、上記溝に配置され、軸方向に延びている。【選択図】図4

Description

本考案は遠心式多板摩擦クラッチおよびそれを備えた車両に関する。
従来から、多板式の摩擦クラッチが知られている。多板式摩擦クラッチは、クラッチ軸の軸方向に沿って交互に設けられたクラッチプレートおよびフリクションプレートと、それらクラッチプレートおよびフリクションプレートを互いに接触させるプレッシャプレートとを備えている。プレッシャプレートを移動させるクラッチレリーズ機構を備えた多板式摩擦クラッチも知られている。さらに遠心ウエイトを備えた多板式摩擦クラッチも知られている。以下ではこれを遠心式多板摩擦クラッチと称する。遠心ウエイトは、クラッチハウジングと共にクラッチ軸を中心として回転する。この際、遠心ウエイトは、遠心力を受けてクラッチ軸から遠ざかる方向に移動する。遠心式多板摩擦クラッチには、プレッシャプレートがクラッチプレートおよびフリクションプレートを押す力を調整する弾性体が設けられている。上記力が調整されることにより、クラッチ断続のポイント、すなわちいわゆるミートポイントが調整される。
下記特許文献1には、弾性体がクラッチ軸の先端よりも軸方向の外方に配置された遠心式多板摩擦クラッチが開示されている。
米国特許第7140480号明細書
特許文献1に開示されたクラッチでは、弾性体を大きくしようとすると、クラッチの軸方向長さが長くなってしまうという課題がある。そのため、クラッチの大型化を防止する必要上、適正な大きさの弾性体を選定することが難しい場合があった。
本考案は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、比較的長い弾性体を利用可能な遠心式多板摩擦クラッチ、およびそれを備えた車両を提供することにある。
本考案に係る遠心式多板摩擦クラッチは、クラッチ軸と、前記クラッチ軸に取り付けられたクラッチボスと、前記クラッチボスの周囲を囲む有底円筒状の底部と、それぞれ前記底部から前記クラッチ軸の軸方向に延び、前記クラッチ軸の軸心を中心とする円周方向に沿って複数設けられたアームと、それぞれ前記円周方向に隣り合うアームの間に形成された複数の溝と、を有し、前記円周方向に回転するクラッチハウジングと、前記クラッチボスに取り付けられ、前記軸方向に沿って複数配置された第1のプレートと、前記クラッチハウジングに取り付けられ、前記軸方向に沿って前記複数の第1のプレートと交互に複数配置された第2のプレートと、前記クラッチハウジングと共に回転することによって遠心力を受け、前記クラッチ軸の軸心から遠ざかる方向に向かって移動する遠心ウエイトと、前記遠心ウエイトと接触することにより、前記遠心力を前記軸方向の力へと変換するカム機構と、前記軸方向の力を受けて前記軸方向の一方の側に移動し、前記第1のプレートと前記第2のプレートとを互いに接触させるプレッシャプレートと、前記プレッシャプレートを前記軸方向の他方の側に移動させるクラッチレリーズ機構と、前記クラッチレリーズ機構を作動させるクラッチ操作子と、前記クラッチハウジングの前記溝に配置され、前記プレッシャプレートを前記軸方向の他方の側に付勢する複数の弾性体と、を備えたものである。
本考案によれば、プレッシャプレートの押し付け力を調整する弾性体として、比較的長い弾性体を利用可能な遠心式多板摩擦クラッチ、およびそれを備えた車両を提供することができる。
自動二輪車の側面図である。 パワーユニットの主要要素の構成図である。 クラッチの断面図である。 一部を拡大したクラッチの断面図である。 クラッチハウジングの正面図である。 クラッチハウジングの一部を上方且つ側方から視た斜視図である。 オフスプリングが配置されていないアームおよび爪部を示した模式図である。 オフスプリングの位置を示す模式図である。 (a)は第2カムプレートの裏面図、(b)はボールプレートの表面図、(c)は第1カムプレートの表面図である。 プッシュロッド駆動機構の断面図である。 変形例1に係るクラッチハウジングの正面図である。 変形例1に係るオフスプリングの位置を示す模式図である。 変形例2に係るクラッチハウジングの正面図である。 変形例2に係るオフスプリングの位置を示す模式図である。 変形例3に係るオフスプリングの位置を示す模式図である。
以下、実施形態に係る摩擦クラッチを搭載した自動二輪車1について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に説明する自動二輪車1およびクラッチ2は、本考案を実施した好ましい形態の単なる例示である。本考案に係る車両は、以下に説明する自動二輪車1に限定されるものではない。本考案に係る車両は、モーターサイクル、モペット、スクータ等の自動二輪車に限らず、例えば、ATV(All Terrain Vehicle)等の他の車両であってもよい。本明細書において、自動二輪車とは、旋回する際に車体を傾ける形式の車両を言う。自動二輪車の車輪の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
図1は、自動二輪車1の左側面図である。なお、下記説明において、前後左右の各方向は、シート16に着座した乗員から見た方向をいうものとする。
《自動二輪車の構成》
図1に示すように、自動二輪車1は、車両本体7と、車両本体7の前側に設けられた前輪14と、車両本体7の後側に設けられた後輪19とを備えている。車両本体7は、車体フレーム10を備えている。車体フレーム10は、ヘッドパイプ11を有している。ヘッドパイプ11の上端部には、ハンドル12が取り付けられている。ヘッドパイプ11の下端には、フロントフォーク13を介して、前輪14が回転可能に取り付けられている。
車体フレーム10には、パワーユニット3が懸架されている。また、車体フレーム10には、車体カバー15が取り付けられている。車両本体7の中央部分の後方には、シート16が配置されている。シート16の前方には燃料タンク17が配置されている。
車体フレーム10には、リアアーム18が揺動可能に支持されている。リアアーム18の後端部には、後輪19が回転可能に取り付けられている。後輪19は、図示しない動力伝達機構を介してエンジン4(図2参照)に連結されている。これにより、エンジン4の動力が後輪19に伝達され、後輪19が回転する。
ハンドル12の右側には、図示しないアクセルグリップが設けられている。ハンドル12の左側には、左側グリップ29が設けられている。ハンドル12の左側であって左側グリップ29の前方には、クラッチ2(図2参照)を断続する際に操作されるクラッチレバー24が設けられている。
車両本体7の左右両側には、フットレスト20Lが設けられている。左側のフットレスト20Lの前方には、変速装置5(図2参照)の変速比を変更する際に操作されるシフトペダル27が設けられている。
《パワーユニットの構成》
図2に示すように、パワーユニット3は、エンジン4と、変速装置5と、クラッチ2とを備えている。エンジン4の種類は特に限定されないが、本実施形態では、エンジン4は水冷式4サイクル並列4気筒型のエンジンである。
図示は省略するが、エンジン4は、4つのシリンダと、各シリンダ内で往復移動するピストンと、コンロッドを介してそれらピストンに連結されたクランク軸32とを有している。クランク軸32は、車両幅方向に延びている。なお、符号31は、クランクケースを示している。
クランク軸32は、クラッチ2を介して変速装置5に接続されている。変速装置5は、メイン軸33と、ドライブ軸23と、ギヤ選択機構36とを備えている。メイン軸33は、クラッチ2を介してクランク軸32に接続されている。メイン軸33とドライブ軸23とは、それぞれクランク軸32と平行に配置されている。
メイン軸33には、複数の変速ギヤ34が取り付けられている。ドライブ軸23には、複数の変速ギヤ34に対応する複数の変速ギヤ35が取り付けられている。複数の変速ギヤ34と複数の変速ギヤ35とは、選択された一対のギヤ同士のみで相互に噛み合っている。選択されていない変速ギヤ34と選択されていない変速ギヤ35とのうちの少なくとも一方は、メイン軸33またはドライブ軸23に対して回転可能となっている。メイン軸33とドライブ軸23との間の動力伝達は、選択された変速ギヤ34と選択された変速ギヤ35とを介してのみ行われる。
変速ギヤ34,35の選択は、ギヤ選択機構36によって行われる。シフトカム37の外周面には、複数のカム溝37aが形成されている。各カム溝37aには、シフトフォーク38が装着されている。各シフトフォーク38は、メイン軸33の所定の変速ギヤ34と、ドライブ軸23の所定の変速ギヤ35とに係合している。シフトカム37が回転することにより、複数のシフトフォーク38のそれぞれがカム溝37aに案内され、メイン軸33の軸方向に移動する。これにより、変速ギヤ34および変速ギヤ35のうち、相互に噛み合う一対のギヤが選択される。なお、ギヤ選択機構36は、シフトペダル27(図1参照)によって操作される。
このような構成により、クラッチ2を接続状態とした上でエンジン4を駆動すると、エンジン4の動力がクラッチ2を介してメイン軸33に伝達される。また、所定の一対の変速ギヤ34,35を介して、メイン軸33からドライブ軸23に動力が伝達され、ドライブ軸23が回転する。ドライブ軸23が回転すると、ドライブ軸23と後輪19とに接続されたチェーン等の伝達機構(図示省略)を介して、後輪19に動力が伝達される。その結果、後輪19が回転することとなる。
車両幅方向とは、左右方向のことである。また、メイン軸33の軸方向も左右方向のことである。以下では、メイン軸33の軸方向のことを単に「軸方向」と称する。図3に示すように、クラッチ2はメイン軸33の右側に配置されているので、車両幅方向の外側は右側、車両幅方向の内側は左側となる。以下では、車両幅方向の外側、内側を、それぞれ単に右側、左側と呼ぶこととする。
《クラッチの構成》
クラッチ2は湿式多板式の摩擦クラッチによって構成されている。また、クラッチ2は、自動二輪車1の発進時または停止時において自動的に断続される遠心式のクラッチである。クラッチ2は、ライダーのクラッチレバー24の操作によって断続される。ただし、クラッチ2は、乾式の多板式摩擦クラッチであってもよい。
−クラッチハウジング−
図3に示すように、クラッチ2は、クラッチハウジング46を備えている。クラッチハウジング46は、鋳造によって製造されている。しかし、クラッチハウジング46の製造方法は鋳造に限定されない。クラッチハウジング46には、メイン軸33が貫通している。メイン軸33の先端部は、クラッチ軸を構成している。クラッチハウジング46の軸心は、メイン軸33の軸心Cと一致する。
クラッチハウジング46は、底部46aを有している。底部46aは、有底円筒状の形状を有している。これにより、クラッチハウジング46は、底部46aによって一端が閉じられており、略円筒形状を有している。底部46aには、メイン軸33が挿通されている。図5と図6とに示すように、クラッチハウジング46には、複数のアーム46dが設けられている。これらアーム46dは、メイン軸33の軸心Cを中心とする円周方向に沿って配置されている。各アーム46dは、底部46aから右方に向かって延びている。隣り合う2つのアーム46dの間には、溝46eが形成されている。
−シザーズギヤ−
図3に示すように、クラッチハウジング46には、シザーズギヤ45が取り付けられている。シザーズギヤ45は、2枚のギヤ45a,45bと、スプリング49と、2枚のプレート51,52とを備えている。ギヤ45aとギヤ45bとは、プレート51,52の間に位置している。ギヤ45aとギヤ45bとは、軸方向には相対移動しないように構成されており、円周方向には相対回転可能に構成されている。
ギヤ45aは、クランク軸32のギヤ32a(図2参照)と噛み合っている。ギヤ45aは、クラッチハウジング46の底部46aに対して相対回転しないように構成されている。クランク軸32の回転に伴い、シザーズギヤ45のギヤ45aとクラッチハウジング46とは一体的に回転する。
シザーズギヤ45とメイン軸33との間には、ニードルベアリング53と、メイン軸33に対して回転しないスペーサ54とが配置されている。シザーズギヤ45は、ニードルベアリング53を介して、メイン軸33に対して回転可能となっている。つまり、シザーズギヤ45の回転は、メイン軸33に直接伝わらないようになっている。
−クラッチボス−
図3に示すように、クラッチボス48は、ナット67によって、メイン軸33に固定されている。クラッチボス48は、メイン軸33と共に回転する。クラッチボス48とシザーズギヤ45との間には、スラストベアリング63が配置されている。これにより、シザーズギヤ45、ニードルベアリング53およびスペーサ54と、クラッチボス48とは、所定の距離以下に近づかない様に規制される。すなわち、シザーズギヤ45、ニードルベアリング53およびスペーサ54は、クラッチボス48側への移動が規制されている。クラッチボス48は、クラッチハウジング46の半径方向内方に配置されている。
−プレート群−
クラッチハウジング46の内側には、複数のフリクションプレート64が配置されている。フリクションプレート64は、軸方向に配列されている。各フリクションプレート64は、クラッチハウジング46と共に回転する。各フリクションプレート64は、軸方向に変位可能である。このため、隣接するフリクションプレート64の間隔は可変である。隣接するフリクションプレート64の間には、クラッチプレート65が配置されている。クラッチプレート65は、フリクションプレート64に対向している。各クラッチプレート65は、クラッチボス48と共に回転する。各クラッチプレート65は、軸方向に変位可能であり、隣接するクラッチプレート65の間隔は可変である。本実施形態では、これらフリクションプレート64とクラッチプレート65とによってプレート群66が構成されている。
各フリクションプレート64は、略円環形状を有している(図7および図8等参照)。また、各フリクションプレート64は、複数の爪部64cを有している。爪部64cは、半径方向外方に向かって放射状に延びている。各爪部64cがクラッチハウジング46の各溝46eに嵌り込むことにより、各フリクションプレート64がクラッチハウジング46に取り付けられている。これにより、前述したように、各フリクションプレート64は、クラッチハウジング46と共に回転する。
−プレッシャプレート−
図3に示すように、メイン軸33の右方には、プレッシャプレート77が配置されている。プレッシャプレート77は、略円盤形状に形成されている。プレッシャプレート77の中心部分には、サブクラッチ100が配置されている。プレッシャプレート77の半径方向の外側端部はアーム46dに取り付けられている。プレッシャプレート77は、クラッチハウジング46と共に回転する。
プレッシャプレート77の半径方向外側の部分には、プレート群66側に突出した押圧部77bが形成されている。この押圧部77bは、プレート群66のうちの最も右側に位置するフリクションプレート64に対向している。プレッシャプレート77が左方に移動すると、押圧部77bがプレート群66を左方に向かって押圧する。その結果、プレート群66のフリクションプレート64とクラッチプレート65とが圧接される。
一方、プレッシャプレート77の半径方向外側の部分のうち、プレート群66とは反対側の面には、ローラウエイト41を支持するカム面81が形成されている。これらカム面81およびローラウエイト41は、円周方向に沿って複数設けられている。複数のカム面81は、メイン軸33の軸心Cを中心として放射状に配置されている。各カム面81は、半径方向の外側にいくに従って右方に向かうように傾斜している。
プレッシャプレート77よりも右方には、ローラリテーナー78が配置されている。ローラリテーナー78は、プレッシャプレート77のカム面81と対向している。これにより、各カム面81とローラリテーナー78とによって空間82が形成されている。空間82は、メイン軸33の半径方向外方に向かうにしたがって幅が狭くなっている。
プレッシャプレート77と同様に、ローラリテーナー78の半径方向の外側端部は、複数のアーム46dに取り付けられている。これにより、ローラリテーナー78は、クラッチハウジング46と共に回転する。一方、ローラリテーナー78は、クラッチハウジング46に対して軸方向に変位可能である。
ローラリテーナー78は、付勢部材としての皿ばね83によって、左方に付勢されている。ローラリテーナー78と皿ばね83とは、ローラウエイト41をカム面81側に押しつける当接部材70を構成している。
複数の空間82には、それぞれローラウエイト41が配置されている。ローラウエイト41は、クラッチハウジング46の回転に伴って旋回し、その旋回時に生じる遠心力によってカム面81上を半径方向外方に向かって移動する。そして、ローラウエイト41は、前記遠心力が所定値以上となると、当接部材70からの反力を受け、プレッシャプレート77をプレート群66側に押圧する。クラッチ2では、少なくとも当接部材70とカム面81とで、カム機構が構成されている。ローラウエイト41は、カム面81により、遠心力を受けて移動する方向が変更される。ローラウエイト41は、遠心力を受けて半径方向外方へ移動すると、当接部材70とカム面81とに接触し、ローラウエイト41の遠心力が左右方向の力に変換される。
クランク軸32の回転速度が所定値よりも小さい場合は、クラッチハウジング46の回転速度も小さくなる。そのため、ローラウエイト41に作用する遠心力は比較的小さく、ローラウエイト41は比較的内方に位置することとなる。また、後述するオフスプリング71は、プレート群66を圧接する方向と逆向きにプレッシャプレート77を付勢している。そのため、ローラウエイト41が比較的内方に位置しているときは、ローラウエイト41がプレッシャプレート77を左向きに押す力と、オフスプリング71の付勢力との合力は、実質的に零となる。その結果、プレート群66は、実質的にプレッシャプレート77から押し付けられない非圧接状態となる。非圧接状態のときは、クラッチハウジング46の回転力(torque)はクラッチボス48には伝達されず、クラッチ2は切断状態となる。
一方、クランク軸32の回転速度が比較的大きくなると、それと共にクラッチハウジング46の回転速度も比較的大きくなる。クラッチハウジング46の回転速度が大きくなるにつれ、ローラウエイト41に作用する遠心力が大きくなる。そして、ローラウエイト41に作用する遠心力が所定値以上となると、ローラウエイト41が半径方向の外方に移動する。これにより、プレッシャプレート77は、ローラウエイト41によって左方に押圧され、プレート群66側に移動する。このとき、オフスプリング71の付勢力は、ローラウエイト41がプレッシャプレート77を左向きに押す力よりも弱くなる。その結果、プレート群66が圧接され、クラッチ2が接続状態となる。
このようにしてプレート群66が圧接されてクラッチ2が接続されると、クラッチハウジング46の回転力がプレート群66を介してクラッチボス48に伝達される。これにより、クラッチボス48は、クラッチハウジング46と共に回転する。
一方、クラッチ2が接続された状態において、クランク軸32の回転速度が小さくなると、ローラウエイト41に作用する遠心力が小さくなる。そのため、ローラウエイト41が半径方向の内方に移動する。これにより、ローラウエイト41がプレッシャプレート77を左向きに押す力と、オフスプリング71の付勢力との合力が実質的に零となる。つまり、プレッシャプレート77がプレート群66を押圧する力は、実質的に零となる。このときは、プレート群66が実質的にプレッシャプレート77から押し付けられない非圧接状態となり、クラッチ2が切断される。
このように、自動二輪車1では、遠心式のクラッチ2が設けられている。そのため、発進時または停止時には、クラッチ2がエンジン4の回転速度に応じて自動的に断続され、クラッチレバー24の操作が不要である。そのため、本実施形態に係る自動二輪車1では、発進時または停止時のライダーの操作負担を軽減することができる。
−オフスプリング−
クラッチ2は、オフスプリング71を備えている。オフスプリング71は、プレッシャプレート77がプレート群66を圧接する力を調整している。また、オフスプリング71は、プレッシャプレート77がローラウエイト41および皿ばね83から押される方向と反対の方向にプレッシャプレート77を付勢している。プレッシャプレート77がプレート群66を圧接する力が調整されることにより、クラッチ2の断続のポイント(いわゆるクラッチのミートポイント)が調整される。
本実施形態では、クラッチ2は、オフスプリング71を複数備えている。図4に示すように、オフスプリング71は、クラッチハウジング46の外郭部46fに設けられている。詳しくは、オフスプリング71は、クラッチハウジング46の溝46eに設けられている。オフスプリング71は、アーム46dが延びる方向と略平行に延びている。つまり、オフスプリング71は、メイン軸33の軸方向に延びている。オフスプリング71は、例えばコイルスプリングにより形成されている。なお、図2と図3とでは、オフスプリング71の図示は省略されている。
図5および図6に示すように、一部のアーム46dは、切り欠き部46kを有している。切り欠き部46kは、アーム46dのうち他の部分よりも幅が狭くなった部分である。図6に示すように、切り欠き部46kを有するアーム46dの根元には、円周方向に延びる支持部46pが形成されている。支持部46pは、オフスプリング71の一端を支持する面である。
図7と図8とに示すように、フリクションプレート64の各爪部64cは、クラッチハウジング46の各溝46eに嵌め込まれている。各アーム46dと各爪部64cとは、クラッチハウジング46の回転時に互いに接触する。クラッチハウジング46は、図7等に示すR方向に回転する。各アーム46dは、接触面50において各爪部64cと接触する。アーム46dと爪部64cとは、複数設けられているため、接触面50は複数形成されている。図8に示すように、支持部46pは爪部64cと隣り合っている。支持部46pは、爪部64cを挟んで接触面50と反対側に設けられている。支持部46pは、爪部64cに対して、クラッチハウジング46の回転方向Rの側に配置されている。
図5に示すように、本実施形態では、複数のアーム46dの円周方向の幅は互いに略同一である。ここでいうアーム46dの幅は、アーム46dの根元部の幅のことである。また、複数の溝46eの円周方向の幅は互いに略同一である。
図5に示すように、オフスプリング71は、円周方向に沿って一定の間隔で配置されている。つまり、オフスプリング71は、円周方向に均等に配置されている。仮想直線Lは、メイン軸33の軸心Cを通る直線である。オフスプリング71は、仮想直線Lを基準に対称に配置されている。アーム46dは12本設けられている。溝46eは12個形成されている。オフスプリング71は、4本のアーム46dごとに一個設けられ、全体で3個設けられている。ただし、オフスプリング71の数量は、3個に限定されない。オフスプリング71の数量は、例えば4個であってもよく、6個または12個であってもよい。また、アーム46dおよび溝46eの数量も12に限定されない。アーム46dおよび溝46eは、例えばそれぞれ8個であってもよい。この場合は、オフスプリング71は2本のアーム46dごとに一つ設けられ、全体の数量は4個となる。
図4および図6に示すように、オフスプリング71は、スプリングホルダ72とスプリングホルダ73との間に配置され、軸方向に延びている。図6に示すように、スプリングホルダ72は、支持部46pに配置されている。図4に示すように、スプリングホルダ73は、プレッシャプレート77に設けられている。スプリングホルダ72およびスプリングホルダ73は、それぞれ台座72cおよび台座73cを有している。オフスプリング71の一端は台座72cに支持され、他端は台座73cに支持されている。
−サブクラッチ−
図3に示すように、サブクラッチ100は、摩擦プレート101と、摩擦プレート101の左側の面(以下、第1摩擦面という)101aに対向する第1押圧プレート102と、摩擦プレート101の右側の面(以下、第2摩擦面という)101bに対向する第2押圧プレート103とを備えている。
摩擦プレート101はプレッシャプレート77と共に回転するように構成されている。プレッシャプレート77には、スライドアーム部77cが形成されている。一方、摩擦プレート101の半径方向外側には、溝(図示せず)が形成されている。そして、摩擦プレート101の前記溝にスライドアーム部77cが取り付けられている。摩擦プレート101はプレッシャプレート77に対して軸方向に摺動可能である。
第1押圧プレート102は、短プッシュロッド43aに固定されている。そのため、第1押圧プレート102は、短プッシュロッド43aと共に軸方向に移動自在である。また、第1押圧プレート102は、短プッシュロッド43aと共に回転する。
第2押圧プレート103は、短プッシュロッド43aにセレーション嵌合されている。そのため、第2押圧プレート103は、短プッシュロッド43aと共に回転するが、短プッシュロッド43aに対して軸方向に相対移動可能となっている。第2押圧プレート103は、右方に延びるボス部103aを有している。このボス部103aは、軸受104を介してプレッシャプレート77を回転自在に支持している。これにより、第2押圧プレート103とプレッシャプレート77とは、相対回転自在となっている。また、第2押圧プレート103とプレッシャプレート77とは、軸方向に一体となって移動するように構成されている。
短プッシュロッド43aが右方に移動すると、第1押圧プレート102も右方に移動する。すると、第1押圧プレート102は、摩擦プレート101を第2押圧プレート103側に押しつける。その結果、摩擦プレート101は、第1押圧プレート102と第2押圧プレート103との間に挟まれる。これにより、プレッシャプレート77の回転力が摩擦プレート101を介して第1押圧プレート102および第2押圧プレート103に伝達され、第1押圧プレート102および第2押圧プレート103に回転力が加えられる。
−力増幅機構−
図3に示すように、クラッチ2は力増幅機構200を備えている。力増幅機構200は、プレッシャプレート77の回転力の一部をクラッチ2を切断する力に変換するものである。力増幅機構200は、ライダーのクラッチ2の切断に要する力を低減させるものである。本実施形態に係る力増幅機構200は、いわゆるボールカムによって構成されている。力増幅機構200は、第2押圧プレート103に固定されたスライド軸201と、第1カムプレート202(図9(c)参照)と、第2カムプレート203(図9(a)参照)と、ボールプレート204(図9(b)参照)と、第2カムプレート203を第1カムプレート202から離反する方向に付勢するコイルばね205とを備えている。スライド軸201の先端側には、コイルばね205の右側部分に当接することによってコイルばね205を支持する支持プレート250が固定されている。
−クラッチレリーズ機構−
クラッチ2には、クラッチレリーズ機構86が設けられている。クラッチレリーズ機構86は、ライダーによるクラッチレバー24の操作を受けて、プレート群66の圧接状態を強制的に解除する。このクラッチレリーズ機構86によって、ライダーの手動操作によるクラッチ2の切断が可能となっている。
《クラッチの動作》
次に、クラッチ2の動作について説明する。まず、クラッチ2を切断する際の動作について説明する。
ライダーがクラッチレバー24(図1参照)を握ると、駆動機構87の作動室92(図10参照)の内圧が上昇する。これにより、スプリング93の付勢力に反して、シリンダ90内部のピストン91が右方に移動し、長プッシュロッド43bも右方に移動する。すると、プッシュ機構43のボール43cおよび短プッシュロッド43aも右方に移動し、サブクラッチ100の第1押圧プレート102が右方に移動する。これにより、サブクラッチ100の摩擦プレート101が第1押圧プレート102と第2押圧プレート103との間に挟まれ、サブクラッチ100が接続状態となる。すると、力増幅機構200のスライド軸201がプレッシャプレート77と共に所定方向に回転する。
スライド軸201が所定方向に回転すると、力増幅機構200の第2カムプレート203も同方向に回転する。すると、ボールプレート204のボール204aが第1カム面202aと第2カム面203aとの間から乗り上がり、第2カムプレート203がボール204aによって右方に押される。これにより、スライド軸201も右方に押される。その結果、短プッシュロッド43aが第1押圧プレート102および摩擦プレート101を介してプレッシャプレート77を右方に押し出す力と、スライド軸201が第2押圧プレート103および軸受104を介してプレッシャプレート77を右方に引っ張る力とにより、プレッシャプレート77が右方に移動する。これにより、プレート群66の圧接状態が解除され、クラッチ2は切断される。
なお、第2カムプレート203は、所定量以上の回転が規制されている。そのため、クラッチ2が切断された状態では、摩擦プレート101は第1押圧プレート102および第2押圧プレート103に対して回転する。つまり、摩擦プレート101は第1押圧プレート102および第2押圧プレート103に対して滑ることになる。しかし、摩擦プレート101の第1摩擦面101aおよび第2摩擦面101bにはオイルが供給されるので、摩擦プレート101の摩耗は抑制される。
次に、クラッチ2を接続する際の動作について説明する。
クラッチ2を接続する際には、ライダーは、握っていたクラッチレバー24を離す。すると、駆動機構87の作動室92の内圧が減少する。これにより、ピストン91および長プッシュロッド43bが左方に移動する。すると、ボール43cおよび短プッシュロッド43aも左方に移動し、サブクラッチ100の第1押圧プレート102が左方に移動する。これにより、サブクラッチ100の第1押圧プレート102が摩擦プレート101から離れる。また、第2押圧プレート103は、第1押圧プレート102から右向きに押されなくなる。そのため、スライド軸201に対する右向きの力がなくなり、コイルばね205の付勢力を受けた第2カムプレート203が逆方向に回転することによって、第2カムプレート203およびスライド軸201は左方に移動する。その結果、第2押圧プレート103も左方に移動する。
また、プレッシャプレート77は、第1押圧プレート102による右向きの力が解除されるので、皿ばね83等の付勢力によって左方に移動する。その結果、プレッシャプレート77がプレート群66を圧接し、クラッチ2は接続される。なお、この際、サブクラッチ100の摩擦プレート101は、第2押圧プレート103から離反する。
プレッシャプレート77が皿ばね83およびオフスプリング71から受ける付勢力は、ローラウエイト41の半径方向位置によって変化する。具体的には、プレッシャプレート77の回転速度が大きい場合には、ローラウエイト41は半径方向の外方に移動する。その結果、ローラウエイト41は右方に移動し、皿ばね83を大きく変形させることになる。また、ローラウエイト41が右方に移動すると、プレッシャプレート77は、プレート群66を圧接する。これにより、オフスプリング71は収縮する。オフスプリング71は、収縮すると付勢力が増加する。したがって、皿ばね83自体の弾性係数を大きくしなくても、皿ばね83はローラウエイト41およびオフスプリング71によって大きく変形するので、プレッシャプレート77が皿ばね83から受ける付勢力は、相対的に大きくなる。一方、プレッシャプレート77の回転速度が小さい場合には、ローラウエイト41は半径方向の内方に移動する。その結果、ローラウエイト41は左方に移動する。このとき、オフスプリング71の縮み量は小さい。そのため、皿ばね83の変形量は小さくなる。したがって、プレッシャプレート77が皿ばね83から受ける付勢力は、相対的に小さくなる。
エンジン回転速度が大きい場合には、プレッシャプレート77によってプレート群66を大きな力で圧接する必要がある。本実施形態に係るクラッチ2では、エンジン回転速度が大きくなると、ローラウエイト41が半径方向外方に移動することによって皿ばね83の変形量が大きくなる。そのため、皿ばね83の弾性係数を大きくしなくても、十分な大きさの力を得ることができる。したがって、皿ばね83の弾性係数、すなわちばね容量を比較的小さく抑えることができる。
ところで、エンジン回転速度が小さい場合には、ローラウエイト41は半径方向内方に移動し、プレッシャプレート77はプレート群66を圧接しない状態となる。つまり、クラッチアウトの状態となる。そして、アイドリング状態からエンジン回転速度が増加すると、やがてローラウエイト41は半径方向の外方に移動し、プレッシャプレート77がプレート群66を圧接する状態となる。つまり、クラッチインの状態となる。ところが、本実施形態に係るクラッチ2では、オフスプリング71は、プレッシャプレート77がプレート群66を圧接する方向と逆向きに、プレッシャプレート77を付勢する。また、クラッチインの瞬間では未だエンジン回転速度はそれほど大きくなく、皿ばね83の変形量も比較的小さいため、プレッシャプレート77がプレート群66を圧接する力は比較的小さい。したがって、プレート群66が急激に圧接されることはなく、クラッチ2は滑らかに接続される。
(効果)
本実施形態に係るクラッチ2によれば、オフスプリング71は、クラッチハウジング46の溝46eに配置されている。オフスプリング71の配置スペースとして、少なくともクラッチハウジング46のアーム46dの長さに等しいスペースが確保されている。よって、比較的長いオフスプリング71も利用可能である。したがって、プレッシャプレート77の押し付け力を調整するのに、適正な大きさのオフスプリング71を容易に選定することができる。
本実施形態では、一部のアーム46dの根元に、オフスプリング71を支持する支持部46pが設けられている。フリクションプレート64には、オフスプリング71を配置するための切り欠き等は設けられていない。そのため、フリクションプレート64の強度が低下するおそれはない。フリクションプレート64は、オフスプリング71を配置するための特有の形状を有していない。そのため、フリクションプレート64は、オフスプリング71を用いない他のクラッチにも利用することが可能である。
図8に示すように、支持部46pは溝46eと隣り合う位置に設けられている。クラッチハウジング46を鋳造する場合、鋳型における細かく複雑な箇所を省略できるため、前記鋳型の形状が簡略化される。したがって、クラッチハウジング46を容易に鋳造することができる。また、クラッチハウジング46のアーム46dを切削加工により製造する場合でも、支持部46pを容易に形成することができる。したがって、クラッチハウジング46を容易に製造することができる。
図8に示すように、支持部46pは、フリクションプレート64の爪部64cに対して、クラッチハウジング46の回転方向の側に配置されている。爪部64cは、接触面50においてアーム46dと接触し、オフスプリング71とは接触しない。そのため、クラッチハウジング46の強度が十分に確保される。
複数のアーム46dの幅は互いに略同一であり、複数の溝46eの幅は互いに略同一である。そのため、それぞれのアーム46dが受ける荷重は互いに均一化され、アーム46dの強度が十分に確保される。
図5に示すように、オフスプリング71は、円周方向に沿って一定の間隔で配置されている。これにより、オフスプリング71は、プレッシャプレート77をバランスよく付勢することができる。
アーム46dは12本設けられ、オフスプリング71は3個設けられている。これにより、クラッチハウジング46の形状の複雑化および部品点数の増加を抑えつつ、オフスプリング71によってプレッシャプレート77をバランスよく付勢することができる。より好適なクラッチ2を得ることができる。
本実施形態において、オフスプリング71は、コイルスプリングにより形成されている。コイルスプリングは比較的長い弾性体であるが、上述の通りクラッチ2では比較的長い弾性体が利用可能であるので、コイルスプリングを用いることができる。コイルスプリングは、周知のバネのうち、構造が簡素である。コイルスプリングのコイル巻き数やコイル径を変化させることで、オフスプリング71の付勢力を容易に変化させることができる。したがって、本実施形態に係るクラッチ2によれば、オフスプリング71の選定が容易である。
<変形例1>
以下に、変形例に係るクラッチ2について説明する。図11および図12に示すように、本変形例では、支持部46pが爪部64cに対して、クラッチハウジング46の回転方向Rと逆側に配置されている。オフスプリング71と隣り合う爪部64cは、複数の爪部64cのうちの一部に過ぎない。オフスプリング71と隣り合う爪部64cは3個であり、他の爪部64cは9個である。他の爪部64cは、溝46eに嵌め込まれている。そのため、フリクションプレート64がクラッチハウジング46に対して大きく移動することはない。また、オフスプリング71と爪部64cとの間には十分な間隔が設けられている。したがって、本変形例であっても、オフスプリング71と爪部64cとが接触することはない。
<変形例2>
図13および図14に示すように、本変形例では、支持部46pは、隣り合う2つのアーム46dの間の中間位置に設けられている。支持部46pの両側のアーム46d,46dは、他のアーム46dよりも幅が短くなっている。言い換えると、アーム46dの中央部分に切り欠き部46kが形成され、この切り欠き部46kに支持部46pが形成されている。オフスプリング71は、フリクションプレート64の爪部64cと隣り合っていない。そのため、オフスプリング71と爪部64cとの干渉が確実に防止される。
<変形例3>
図15に示すように、本変形例では、一部の爪部64cは、切り欠き部64kを有している。切り欠き部64kは、爪部64cの略中央に設けられている。オフスプリング71は、切り欠き部64kに配置され、軸方向に延びている。本変形例に係るクラッチ2によれば、アーム46dに切り欠き部46kが形成されていない。そのため、アーム46dの強度が大きい。したがって、クラッチハウジング46の強度を大きくすることができる。また、本変形例に係るクラッチハウジング46は、オフスプリング71を用いないクラッチと共用が可能である。
2 クラッチ(遠心式多板摩擦クラッチ)
24 クラッチレバー(クラッチ操作子)
33 メイン軸(クラッチ軸)
41 ローラウエイト(遠心ウエイト)
46 クラッチハウジング
46a 底部
46d アーム
46e 溝
46p 支持部
48 クラッチボス
64 フリクションプレート(第2のプレート)
64c 爪部
64k 切り欠き部
65 クラッチプレート(第1のプレート)
70 当接部材(カム機構)
71 オフスプリング(弾性体)
77 プレッシャプレート
78 ローラリテーナー(カム機構)
81 カム面(カム機構)
83 皿ばね(カム機構)
86 クラッチレリーズ機構
C メイン軸の軸心(クラッチハウジングの軸心)

Claims (12)

  1. クラッチ軸と、
    前記クラッチ軸に取り付けられたクラッチボスと、
    前記クラッチボスの周囲を囲む有底円筒状の底部と、それぞれ前記底部から前記クラッチ軸の軸方向に延び、前記クラッチ軸の軸心を中心とする円周方向に沿って複数設けられたアームと、それぞれ前記円周方向に隣り合うアームの間に形成された複数の溝と、を有し、前記円周方向に回転するクラッチハウジングと、
    前記クラッチボスに取り付けられ、前記軸方向に沿って複数配置された第1のプレートと、
    前記クラッチハウジングに取り付けられ、前記軸方向に沿って前記複数の第1のプレートと交互に複数配置された第2のプレートと、
    前記クラッチハウジングと共に回転することによって遠心力を受け、前記クラッチ軸の軸心から遠ざかる方向に向かって移動する遠心ウエイトと、
    前記遠心ウエイトと接触することにより、前記遠心力を前記軸方向の力へと変換するカム機構と、
    前記軸方向の力を受けて前記軸方向の一方の側に移動し、前記第1のプレートと前記第2のプレートとを互いに接触させるプレッシャプレートと、
    前記プレッシャプレートを前記軸方向の他方の側に移動させるクラッチレリーズ機構と、
    前記クラッチレリーズ機構を作動させるクラッチ操作子と、
    前記クラッチハウジングの前記溝に配置され、前記プレッシャプレートを前記軸方向の他方の側に付勢する複数の弾性体と、
    を備えた、遠心式多板摩擦クラッチ。
  2. 前記第2のプレートは、半径方向外方に向かって放射状に延びる複数の爪部を有し、前記複数の溝に前記複数の爪部がそれぞれ嵌り込むことによって前記クラッチハウジングに取り付けられ、
    前記複数のアームのうちのいずれかのアームの根元には、前記円周方向に延び且つ前記弾性体の一端を支持する支持部が設けられている、
    請求項1に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  3. 前記支持部は、前記第2のプレートの前記爪部と前記円周方向に隣り合っている、
    請求項2に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  4. 前記支持部は、前記第2のプレートの前記爪部に対して、前記クラッチハウジングの回転方向の側に配置されている、
    請求項3に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  5. 前記支持部は、隣り合う2つのアームの間の中間位置に設けられている、
    請求項2に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  6. 前記第2のプレートは、半径方向外方に向かって放射状に延びる複数の爪部を有し、前記複数の溝に前記複数の爪部がそれぞれ嵌り込むことによって前記クラッチハウジングに取り付けられ、
    前記複数のアームの幅は互いに略同一であり、前記複数の溝の幅は互いに略同一である、
    請求項1に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  7. 前記複数の弾性体は、前記円周方向に沿って一定の間隔で配置されている、
    請求項1に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  8. 前記アームは12本設けられ、前記弾性体は3個設けられている、
    請求項7に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  9. 前記弾性体は、前記軸方向に延びるコイルスプリングである、
    請求項1に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  10. 前記第2のプレートは、半径方向外方に向かって放射状に延びる複数の爪部を有し、前記複数の溝に前記複数の爪部がそれぞれ嵌り込むことによって前記クラッチハウジングに取り付けられ、
    前記複数の爪部のうちのいずれかの爪部は、切り欠き部を有し、
    前記弾性体は、前記切り欠き部に配置されている、
    請求項1に記載の遠心式多板摩擦クラッチ。
  11. 請求項1に記載の遠心式多板摩擦クラッチを備えた車両。
  12. 自動二輪車である、請求項11に記載の車両。
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