JP2012037020A - クラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心クラッチと手動クラッチとを併用したクラッチ装置において、遠心クラッチの作動状態によらず手動クラッチの安定した断接操作を可能とする。
【解決手段】クラッチ低回転時にクラッチ切断操作がなされたときは、リフターロッド9がプレッシャープレート7に係合してプレッシャーユニット10を各クラッチ板6と反対側に移動させ、クラッチ高回転時にクラッチ切断操作がなされたときは、リフターロッド9がプレッシャーディスク8に係合してプレッシャーユニット10を各クラッチ板6と反対側に移動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車等の小型車両に好適なクラッチ装置に関する。
従来、遠心クラッチと手動クラッチとを併用したクラッチ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−176727号公報
しかし、上記従来の構成では、遠心クラッチの作動状態(遠心ローラの移動量)によってクラッチ操作子による手動クラッチの接続位置が変化してしまうという課題がある。
そこで本発明は、遠心クラッチと手動クラッチとを併用したクラッチ装置において、遠心クラッチの作動状態によらず手動クラッチの安定した断接操作を可能とすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、回転軸(2)上に同軸配置され、遠心ウェイト(33)のクラッチ径方向での移動によりクラッチ板(6)をクラッチ軸方向で押圧し又は前記押圧を解除してトルク伝達の可否を切り替える遠心クラッチとしての機能と、クラッチ操作子によるクラッチ断接操作を可能とする手動クラッチとしての機能とを有するクラッチ装置(1,101,101’)において、
前記回転軸(2)に相対回転可能に支持されて駆動源からの駆動力を常時受けるアウタ部材(4)と、前記アウタ部材(4)の内周側で前記回転軸(2)に一体回転可能に支持されるインナ部材(5)と、前記アウタ部材(4)の内周側に一体回転可能に支持される第一のクラッチ板(6a)と、前記インナ部材(5)の外周側に一体回転可能に支持される第二のクラッチ板(6b)と、前記各クラッチ板(6)をクラッチ軸方向で押圧する又は前記押圧を解除する押圧部(10,110)と、前記押圧部(10,110)による前記各クラッチ板(6)の押圧を解除するべく前記押圧部(10,110)をクラッチ軸方向で移動させる解除部材(9)と、を備え、
前記押圧部(10,110)は、前記各クラッチ板(6)のクラッチ軸方向一側に、メインスプリング(36)により前記各クラッチ板(6)側に付勢された状態で配置される第一押圧部材(7,107)と、前記第一押圧部材(7,107)の前記各クラッチ板(6)側に、サブスプリング(41)により前記第一押圧部材(7,107)側に付勢された状態で配置される第二押圧部材(8,108)と、を有し、
前記各押圧部材(7,8又は107,108)間に前記遠心ウェイト(33)が挟持されると共に、この遠心ウェイト(33)のクラッチ径方向外側への移動により前記各押圧部材(7,8又は107,108)が互いに離間するように相対移動し、
前記遠心ウェイト(33)がクラッチ径方向外側に移動しないクラッチ低回転時に、クラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされたときは、前記解除部材(9)が前記第一押圧部材(7,107)に係合して前記押圧部(10,110)を前記各クラッチ板(6)と反対側に移動させ、
前記遠心ウェイト(33)がクラッチ径方向外側に移動するクラッチ高回転時に、クラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされたときは、前記解除部材(9)が前記第二押圧部材(8,108)に係合して前記押圧部(10,110)を前記各クラッチ板(6)と反対側に移動させることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記アウタ部材(4)は前記回転軸(2)と同軸の有底筒状をなし、前記押圧部(10,110)は前記アウタ部材(4)の開放側に配置されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記押圧部(10,110)は、前記アウタ部材(4)と一体回転可能かつ前記インナ部材(5)と相対回転可能であり、前記解除部材(9)の外周には、ラジアル軸受け(39)の内周側が前記クラッチ軸方向一側から他側への移動を規制された状態で支持され、前記ラジアル軸受け(39)の外周側には、前記クラッチ軸方向一側から前記各押圧部材(7,8又は107,108)が選択的に係合し、このラジアル軸受け(39)を介して、前記解除部材(9)が前記押圧部(10,110)を前記クラッチ軸方向一側に移動させることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記ラジアル軸受け(39)には、少なくとも前記クラッチ軸方向一側の側面を覆うサポート部材(45)が装着され、このサポート部材(45)を介して、前記各押圧部材(7,8)が前記ラジアル軸受け(39)の外周側に係合することを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記各押圧部材(107,108)における前記ラジアル軸受け(39)の外周側に係合する部位(107b,108b)は、クラッチ周方向で交互に並ぶように設けられることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記遠心ウェイト(33)がクラッチ径方向外側に移動しきったときの前記各押圧部材(7,8又は107,108)のクラッチ軸方向での相対移動量は、前記遠心ウェイト(33)がクラッチ径方向内側に移動しきったときでかつクラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされないときの前記各クラッチ板(6)と第二押圧部材(8,108)との間の隙間(t1)よりも大きいことを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記各クラッチ板(6)の磨耗による前記第二押圧部材(8)のクラッチ高回転時のクラッチ板押圧位置の変化に応じて、前記第一押圧部材(7)のクラッチ低回転時の停止位置を変化させる位置決め機構(128)を備えることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、クラッチ低回転時及び高回転時の何れの場合にも、解除部材がメインスプリングの付勢力に抗して押圧部を移動させることで、クラッチ操作子の空ストロークがなくなり、クラッチ操作子の操作力の変化が抑えられ、安定したクラッチ断接操作を実現できる。
請求項2に記載した発明によれば、アウタ部材内側の各クラッチ板を効率よく押圧できる。
請求項3に記載した発明によれば、押圧部がアウタ部材と共に回転する構成において、解除部材外周のラジアル軸受けを介して押圧部の回転を妨げることなくこれをクラッチ軸方向一側に移動させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、各押圧部材をラジアル軸受けの外周側に係合させる範囲を広げることができる。
請求項5に記載した発明によれば、特別な部品や構造を用いなくとも、遠心ウェイトの作動により各押圧部材がクラッチ軸方向で相対移動した際に、各押圧部材の何れがラジアル軸受けの外周側に係合するかを切り替えることができる。
請求項6に記載した発明によれば、遠心ウェイトがクラッチ径方向外側に移動しきったときには、第二押圧部材がクラッチ軸方向一側から各クラッチ板に当接してこれを押圧すると共に、その反力で第一押圧部材がクラッチ軸方向一側に移動してメインスプリングの弾発力を受ける。このため、メインスプリングの弾発力によりにより各クラッチ板を押圧(挟圧)することができる。
請求項7に記載した発明によれば、各クラッチ板の磨耗時には、第二押圧部材のクラッチ板押圧位置が各クラッチ板側に変化し、クラッチ高回転時におけるクラッチ操作子の遊びが少なくなるが、この第二押圧部材のクラッチ板押圧位置の変化に応じて、第一押圧部材の停止位置をも変化させることで、クラッチ低回転時におけるクラッチ操作子の遊びも同様に少なくすることができる。すなわち、クラッチ回転速度によるクラッチ操作子の遊びの変化の発生を抑えることができる。
(a)は本発明の第一実施形態における多板クラッチの低回転かつ開放状態での軸線に沿う断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図1の多板クラッチの低回転かつ切断操作状態での軸線に沿う断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図1の多板クラッチの高回転かつ開放状態での軸線に沿う断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図1の多板クラッチの高回転かつ切断操作状態での軸線に沿う断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 本発明の参考例における多板クラッチの低回転かつ開放状態での軸線に沿う断面図である。 図5の多板クラッチの低回転かつ切断操作状態での軸線に沿う断面図である。 図5の多板クラッチの高回転かつ開放状態での軸線に沿う断面図である。 図5の多板クラッチの高回転かつ切断操作状態での軸線に沿う断面図である。 (a)は本発明の第二実施形態における多板クラッチの低回転かつ開放状態での軸線に沿う断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図9の多板クラッチの低回転かつ切断操作状態での軸線に沿う断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図9の多板クラッチの高回転かつ開放状態での軸線に沿う断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図9の多板クラッチの高回転かつ切断操作状態での軸線に沿う断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。 (a)は図9の多板クラッチのプレッシャープレートの平面図、(b)は図9の多板クラッチのプレッシャーディスクの平面図である。 本発明の第三実施形態における多板クラッチの軸線に沿う断面図である。
<第一実施形態>
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜4に示す多板クラッチ1は、例えば自動二輪車等の鞍乗り型車両の動力源であるエンジンユニットにおいて、そのトランスミッションのメインシャフト2の一端部上に同軸配置される。多板クラッチ1は、駆動源であるクランクシャフト(不図示)とメインシャフト2との間のトルク伝達の可否を切り替えるもので、エンジンケース3一側のクラッチ室3a内(油室内)に配置される。
多板クラッチ1及びメインシャフト2は、その軸方向(以下、クラッチ軸方向という)が車体左右方向(車幅方向)に沿うように配置される。なお、図中符号C1は多板クラッチ1(及びメインシャフト2)の回転中心軸線を、図中矢印LHは車両左側をそれぞれ示す。この実施形態では、多板クラッチ1はメインシャフト2の右端部に配置される。すなわち、多板クラッチ1の軸方向右側は車幅方向外側、軸方向左側は車幅方向内側となる。以下、多板クラッチ1の軸方向をクラッチ軸方向、周方向をクラッチ周方向、径方向をクラッチ径方向ということがある。
多板クラッチ1は、クラッチレバー等のクラッチ操作子の操作に応じて動力伝達を断接させる手動クラッチとしての機能を有する他に、クラッチアウタ4(駆動源)の回転速度に応じて動力伝達を断接させる遠心クラッチとしての機能も有する。
多板クラッチ1は、メインシャフト2と同軸の有底円筒状をなすと共にメインシャフト2に相対回転可能に支持されて前記クランクシャフトとの間で常時回転動力の伝達を行うクラッチアウタ4と、このクラッチアウタ4の内周側に同軸配置されると共にメインシャフト2に一体回転可能に支持されるクラッチインナ5と、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5の間にてクラッチ軸方向で積層される複数のクラッチ板6と、クラッチアウタ4の開放側に同軸配置されて前記積層された各クラッチ板6(以下、クラッチ板群6ということがある)を左側に押圧するプレッシャーユニット10と、クラッチ操作子と連動するレリーズ機構3bに係合してプレッシャーユニット10によるクラッチ板群6の押圧を解除するリフターロッド9とを備える。
クラッチアウタ4は、円板状の底部4aと、底部4aの外周縁から右側に起立する円筒状の外周部4bとを一体に有する。底部4aの左側には、前記クランクシャフトとの間の動力伝達を可能とするプライマリドリブンギヤ11が同軸かつ一体回転可能に取り付けられる。
外周部4bには、軸線C1に沿う係止溝が多数刻設される。各係止溝には、各クラッチ板6におけるクラッチアウタ4に支持されるもの(以下、クラッチディスク6aという)の外周に突設された多数の係止爪がそれぞれ係合する。これにより、各クラッチディスク6aがクラッチアウタ4に対して一体回転可能かつクラッチ軸方向で変位可能となる。なお、図中符号12は前記クランクシャフトと一体回転可能に設けられると共にプライマリドリブンギヤ11に噛み合うプライマリドライブギヤを示す。
一方、クラッチインナ5は、メインシャフト2の外周にスプライン嵌合するハブ部5aと、ハブ部5aの外周に形成されるフランジ部5bと、フランジ部5bの外周縁から右側に起立する円筒部5cと、フランジ部5bの外周縁から外周側に延びる押圧フランジ5dとを一体に有する。このクラッチインナ5も、底部(フランジ部5b)及び外周部(円筒部5c)を有する有底円筒状をなしている。円筒部5cは、クラッチアウタ4の外周部4bの内周側に所定間隔を空けて配置される。ハブ部5aの右側方には、ハブ部5aよりも小径のカラー26が隣接配置される。カラー26は、ハブ部5aと同様にメインシャフト2の外周にスプライン嵌合している。
円筒部5cには、軸線C1に沿う係止溝が多数刻設される。各係止溝には、各クラッチ板6におけるクラッチインナ5に支持されるもの(以下、クラッチプレート6bという)の内周に突設された多数の係止爪がそれぞれ係合する。これにより、各クラッチプレート6bがクラッチインナ5に対して一体回転可能かつクラッチ軸方向で変位可能となる。
なお、各クラッチディスク6a及び各クラッチプレート6bは、クラッチインナ5の円筒部5cを貫通させる中央孔を有する円板状をなし、これらがクラッチ軸方向で交互に重なるように積層される。クラッチディスク6aはベースプレートの両面に摩擦材を貼付してなり、クラッチプレート6bは単一の金属板からなる。
プレッシャーユニット10は、その外周左側にクラッチ板群6の右側面に当接する右押圧面10aを有し、クラッチインナ5の押圧フランジ5dは、その右側にクラッチ板群6の左側面に当接する左押圧面5eを有する。なお、クラッチ板群6の例えば右端から二つ目のものの内周側には、ジャダー防止用の皿バネ13が配設される。
各クラッチディスク6a及び各クラッチプレート6bは、プレッシャーユニット10からの押圧力により左右押圧面5e,10a間で挟圧されて互いに摩擦係合する。これにより、クラッチアウタ4とクラッチインナ5との間でトルク伝達が可能なクラッチ接続状態となる。一方、前記摩擦係合が解除されることで、前記トルク伝達が遮断されたクラッチ切断状態となる。
メインシャフト2は中空状をなし、その内部はエンジンオイルの油路としても用いられる。なお、図中符号14はメインシャフト2の中間部右側のジャーナル部をクランクケースの軸受け部に支持するラジアルボールベアリングを示す。
ベアリング14の右側方には、メインシャフト2を挿通するカラー部材15が配設される。カラー部材15は、カラー本体15aの左端部にフランジ部15bを一体に有する。フランジ部15bの左側面には、ベアリング14のインナレース(内周側)の右側面が当接する。カラー本体15aの右端には、平ワッシャ16を介してクラッチインナ5のハブ部5aの左端が当接する。
ハブ部5a(カラー26)の右側方には、メインシャフト2の右端部に装着した平ワッシャ17及びロックワッシャ18並びにロックナット19がハブ部5a側から順に配される。ベアリング14のインナレースは、メインシャフト2に対する左側への移動が規制されており、ロックナット19を締め込んだ際には、このロックナット19とベアリング14のインナレースとの間にカラー部材15、ハブ部5a及びカラー26、並びに各ワッシャ16,17,18が一体的に締結固定される。
ハブ部5aの外径はカラー本体15aの外径よりも大きく、このハブ部5aの外径よりも大となるように平ワッシャ16の外径が設定される。カラー本体15aの右端は、平ワッシャ16の内周側の左側面に当接する。カラー本体15aの右側部には、メインシャフト2に設けた油孔21に対応する油孔22が形成され、これら各油孔21,22を通じて、メインシャフト2内のオイルがカラー本体15a外周に装着したラジアルニードルベアリング23に供給される。このニードルベアリング23を介して、カラー本体15aの外周にプライマリドリブンギヤ11のハブ部11aが回転可能に支持される。
プライマリドリブンギヤ11は、前記ハブ部11aと、プライマリドライブギヤ12が噛み合うギヤ歯部11bと、ハブ部11a及びギヤ歯部11b間に渡るスポーク部11cとを有する。プライマリドリブンギヤ11の右側には、クラッチアウタ4の底部4aが隣接配置される。底部4aの左側面には、前記スポーク部11cに一体回転可能に係合するボス部24が突設される。
スポーク部11cには、前記ギヤ歯部11b側とハブ部11a側とを弾性的に相対回転可能とするダンパー11dが設けられる。ハブ部11aとその左側のフランジ部15bとの間には、例えばオイルポンプ駆動用のドライブスプロケット25が設けられる。なお、プライマリドリブンギヤ11のハブ部11aの右側部はクラッチアウタ4の底部4aの中央部を貫通支持しており、このハブ部11aはクラッチアウタ4のハブ部であるともいえる。
ドライブスプロケット25は、ハブ部11a及びフランジ部15bよりも大径をなし、カラー本体15aの左側部外周に回転可能に支持される。ドライブスプロケット25の右側面はハブ部11aの左端面に当接し、ドライブスプロケット25の左側面はフランジ部15bの右側面に当接する。ドライブスプロケット25の右側面には、ハブ部11aの左端に形成された凹部11eに入り込む凸部25aが形成される。これら凹部11e及び凸部25aの嵌合により、ドライブスプロケット25がプライマリドリブンギヤ11及びクラッチアウタ4と共に回転可能とされる。
メインシャフト2又はクラッチインナ5のハブ部5a(この実施形態ではカラー26)には、プレッシャーユニット10を支持するベース部28がラジアルボールベアリング27を介して相対回転可能かつクラッチ軸方向で移動不能に支持される。
プレッシャーユニット10は、ベース部28の右側方に配置されて複数のクラッチスプリング36を介して左側(ベース部28側)に付勢された状態でベース部28に支持されるプレッシャープレート7と、プレッシャープレート7の左側方(ベース部28とプレッシャープレート7との間)に配置されて複数のフリースプリング41を介して右側(プレッシャープレート7側)に付勢された状態でプレッシャープレート7に支持されるプレッシャーディスク8と、プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8の間に挟持される複数の遠心ウェイト33とを有する。
ベース部28は、クラッチインナ5と同軸の円環状をなし、円筒部5cの内周側かつフランジ部5b側に配置される。ベース部28の右側面には、右側に起立するボス部28aが、クラッチ周方向で等間隔に並ぶように複数設けられる。ベース部28の内周には、前記ベアリング27のアウタレース(外周側)の外周が保持される。ベアリング27のアウタレースは、その左側面をベース部28の内周突部28bの右側面に右側から当接(係合)させる。ベアリング27のインナレース(内周側)は、カラー26の左端部26aと平ワッシャ17との間に挟持される。
プレッシャープレート7は、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5の開放側に同軸配置される円板状をなし、その外周側には各遠心ウェイト33の右側に配される右挟圧フランジ7aが形成される。プレッシャープレート7のクラッチ径方向中間部には、右側に開放する有底円筒状をなすスプリング受け部7bが形成される。スプリング受け部7b内には、圧縮コイルスプリングとしてのクラッチスプリング36が収容される。
スプリング受け部7bは、プレッシャープレート7から左側に突出するように設けられる。スプリング受け部7b内には、ベース部28から右側に起立してスプリング受け部7bの底部を貫通する前記ボス部28aが入り込むと共に、このボス部28aの外周にクラッチスプリング36が配される。
クラッチスプリング36は、その左端部がスプリング受け部7bの底部に右側から当接(係合)すると共に、右端部がボス部28aにボルト38により締結固定された平ワッシャ37に左側から当接(係合)する。このクラッチスプリング36の弾発力により、プレッシャープレート7がベース部28に対して左側(クラッチ板群6側)に付勢される。なお、スプリング受け部7b及びクラッチスプリング36等は、クラッチ周方向で等間隔に複数設けられている。
プレッシャーディスク8は、プレッシャープレート7と同様にクラッチアウタ4及びクラッチインナ5の開放側に同軸配置される円板状をなし、その外周側には各遠心ウェイト33の左側に配される左挟圧フランジ8aが形成される。この左挟圧フランジ8aの左側に前記右押圧面10aが形成される。プレッシャーディスク8のクラッチ径方向中間部には、各スプリング受け部7bを個々に挿通する挿通孔8b、及び左側に開放する有底円筒状をなすディスク側スプリング受け部8cが、それぞれクラッチ周方向で交互に並ぶように複数設けられる。ディスク側スプリング受け部8c内には、圧縮コイルスプリングとしてのフリースプリング41が収容される。
ディスク側スプリング受け部8cは、プレッシャーディスク8から右側に突出するように設けられる。ディスク側スプリング受け部8c内には、プレッシャープレート7から左側に起立してディスク側スプリング受け部8cの底部を貫通するプレート側ボス部7cが入り込むと共に、このプレート側ボス部7cの外周にフリースプリング41が配される。
フリースプリング41は、その右端部がディスク側スプリング受け部8cの底部に左側から当接(係合)すると共に、左端部がプレート側ボス部7cにボルト43により締結固定された平ワッシャ42に右側から当接(係合)する。このフリースプリング41の弾発力により、プレッシャーディスク8がプレッシャープレート7に対して右側(プレッシャープレート7側)に付勢される。なお、ディスク側スプリング受け部8cはスプリング受け部7bよりも浅く、このディスク側スプリング受け部8cからは、プレート側ボス部7c及びフリースプリング41の左側部が左側に突出する。
プレッシャーディスク8は、その外周部がクラッチディスク6aと同様にクラッチアウタ4の外周部4bに係合することで、クラッチアウタ4に対して一体回転可能かつクラッチ軸方向で変位可能である。
プレッシャーディスク8における左挟圧フランジ8aの外周側には、クラッチアウタ4の外周部の右側方に連なるように右側に起立する円筒状のディスク外周部8dが設けられる。これら左挟圧フランジ8aの外周側とディスク外周部8dの左側とからなる隅部には、外周側ほど右側に位置するように傾斜した傾斜面31を形成する案内部材32が固設される。左右挟圧フランジ7a,8a、ディスク外周部8d、及び後述の内規制壁34に囲まれる空間には、複数の遠心ウェイト33がクラッチ周方向で等間隔に並ぶように配設される。
各遠心ウェイト33は円筒状をなし、その軸線がクラッチ周方向の接線に沿うように配置される。各遠心ウェイト33は、例えば案内部材32から起立する仕切り壁等によって、クラッチ径方向に沿うようにかつ前記傾斜面31に沿って移動可能に保持される。
各遠心ウェイト33よりもクラッチ内周側には、各スプリング受け部7bの基端側のクラッチ外周側、及び各ディスク側スプリング受け部8cのクラッチ外周側に渡って軸線C1中心の円筒状をなすように連なる内規制壁34が設けられる。この内規制壁34に各遠心ウェイト33が突き当たることで、各遠心ウェイト33のクラッチ内周側への移動が規制される。一方、ディスク外周部8dに各遠心ウェイト33が突き当たることで、各遠心ウェイト33のクラッチ外周側への移動が規制される(図3,4参照)。
各遠心ウェイト33に所定以上の遠心力が作用しないとき(クラッチ低回転時)には、これらが左右挟圧フランジ7a,8a間で挟圧されて傾斜面31に沿って内周側に移動し、内規制壁34に突き当たってクラッチ内周側に移動しきった状態となる(図1,2参照)。
図1を参照し、メインシャフト2の右端部内には、これと同軸の棒状をなすリフターロッド9の左側部が、クラッチ軸方向で移動可能に挿通保持される。リフターロッド9は、その右端部9aがエンジンケース3に構成されたレリーズ機構3bの作用端に係合すると共に、軸方向中間部の外周にラジアルボールベアリング39を支持する。
ベアリング39は、プレッシャーディスク8のディスクハブ部8eの内周にサポート部材45を介して保持される。ベアリング39のアウタレース(外周側)の右側面には、サポート部材45を介してプレッシャープレート7のプレートハブ部7eの左端又はプレッシャーディスク8のディスクハブ部8eの左端が選択的に当接(係合)する。ベアリング39のインナレース(内周側)の左側面は、リフターロッド9の軸方向中間部に形成された環状凸部9bに右側から当接(係合)する。
プレッシャープレート7の中央部には、リフターロッド9を挿通するプレートハブ部7eが左側に突出するように設けられる。以下、プレートハブ部7eにおけるプレッシャープレート7の左側に突出する部位(左側部)をカラー部7fという。
プレッシャーディスク8の中央部には、ベアリング39の外周を保持するディスクハブ部8eが右側に突出するように設けられる。ディスクハブ部8eの右端部はプレッシャープレート7のカラー部7fの外周側に位置し、このディスクハブ部8eの右端部からは、カラー部7fの外周面に至るまで延びる内フランジ部8fが起立する。内フランジ部8fのクラッチ軸方向厚さは、カラー部7fのクラッチ軸方向長さよりも小とされる。
ディスクハブ部8eの内周には、サポート部材45を介してベアリング39の外周が保持される。
サポート部材45は、ベアリング39の外周面及び右側面を覆うべく断面L字状をなして環状に延びるもので、ベアリング39の外周に沿う円筒部45aと、円筒部45aの右端から内周側に延びる円板部45bとを一体に有する。
円板部45bは、中央部にリフターロッド9を貫通させる中央孔を有し、その右側面は軸線C1と直交する平坦状に形成される一方、左側面は外周側に対して内周側の厚さを減少させるように段差状に形成される。これにより、サポート部材45がベアリング39のインナレースに接することなくその右側面を覆う。
このサポート部材45により、ベアリング39の右側面の全域に渡る範囲において、内フランジ部8f及びカラー部7fがベアリング39のアウタレースに係合可能となる。すなわち、プレッシャープレート7のカラー部7fは比較的小径であり、クラッチ径方向でベアリング39のアウタレースと重ならない位置にあるが、このカラー部7fがサポート部材45を介してベアリング39のアウタレースに係合可能となる。
なお、プレッシャーディスク8の内フランジ部8fは比較的大径であり、クラッチ径方向でベアリング39のアウタレースと重なる位置にあるが、この内フランジ部8fもサポート部材45を介してベアリング39のアウタレースに係合することとなる。
次に、多板クラッチ1の動作について説明する。
上述の構成において、エンジンの運転により前記クランクシャフトからの回転駆動力がクラッチアウタ4に伝達されても、その回転数(回転速度)が所定値未満(低回転)であれば、各遠心ウェイト33が内周側に保持されたままとなる(図1,2参照)。
図1に示すように、クラッチ操作子の操作がなされていない場合には、プレッシャーディスク8の右押圧面10aとクラッチ板群6の右側面との間には、クラッチ軸方向で隙間t1が形成される。これにより、クラッチ板群6の挟圧(摩擦係合)が解除され、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が不能なクラッチ切断状態となる。
またこのとき、プレッシャープレート7はベース部28に対して左側に移動しきると共に、プレッシャーディスク8はプレッシャープレート7に対して右側に移動しきった状態となる。
この状態で、プレッシャープレート7のカラー部7fの左端はサポート部材45を介してベアリング39のアウタレースに右側から当接(係合)すると共に、プレッシャーディスク8の内フランジ部8fの左側面はベアリング39のアウタレース(サポート部材45)から右側に離間する。このときの内フランジ部8fの左側面とベアリング39のアウタレース(サポート部材45)との間に形成される隙間を図中符号t4で示す。
上記状態からクラッチ操作子の操作がなされると、レリーズ機構3bを介してリフターロッド9が右側に移動し、ベアリング39を介してプレッシャープレート7を右側に移動させる(図2参照)。これにより、各クラッチスプリング36が所定量圧縮され、クラッチ操作子に各クラッチスプリング36の弾発力に基づく操作力が付与される。すなわち、エンジンの回転数が低く多板クラッチ1が切断状態になっていても、クラッチ操作子を操作する場合に所定の操作力が必要となる。
なお、プレッシャープレート7の右側への移動時には、フリースプリング41を介してプレッシャーディスク8も追従して右側に移動する。このとき、前記隙間t1がt1’に増加し、かつプレッシャープレート7のスプリング受け部7bの底面とベース部28の外周突部28cの右側面との間に隙間t1”が形成される。
一方、上記クラッチ操作子の操作がなされる前の状態からクラッチアウタ4の回転数が所定値以上(高回転)になると、各遠心ウェイト33が外周側に移動し、傾斜面31に沿ってプレッシャーディスク8を左側に移動させる(図3参照)。プレッシャーディスク8は、各遠心ウェイト33が外周側に移動しきる前に、右押圧面10aをクラッチ板群6の右側面に当接させる。
プレッシャーディスク8の右押圧面10aがクラッチ板群6の右側面に当接した状態から、さらに各遠心ウェイト33が外周側に移動すると、これらがプレッシャーディスク8を介してクラッチ板群6を左側に押圧しつつ、その反力でプレッシャープレート7を右側に移動させる。
各遠心ウェイト33がディスク外周部8dに当接するまで外周側に移動しきると、プレッシャープレート7のスプリング受け部7bの底面とベース部28の外周突部28cの右側面との間に隙間t2が形成される。この隙間t2と前記隙間t1との合計が、各遠心ウェイト33のクラッチ径方向移動によるプレッシャーディスク8とプレッシャープレート7とのクラッチ軸方向での相対移動量となる。
プレッシャープレート7が右側に移動してベース部28から離間すると、プレッシャープレート7、各遠心ウェイト33及びプレッシャーディスク8を介してクラッチスプリング36の弾発力がクラッチ板群6に入力される。これにより、左右押圧面5e,10a間でクラッチ板群6が挟圧されて一体的に摩擦係合し、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が可能となったクラッチ接続状態となる。
このとき、プレッシャーディスク8はプレッシャープレート7に対して左側に移動しきると共に、プレッシャープレート7はベース部28に対して所定量右側に移動した状態となる。
この状態で、プレッシャーディスク8の内フランジ部8fの左側面はサポート部材45を介してベアリング39のアウタレースに右側から当接(係合)すると共に、プレッシャープレート7のカラー部7fの左端はベアリング39のアウタレース(サポート部材45)から右側に離間する。このときのカラー部7fの左端とベアリング39のアウタレース(サポート部材45)との間に形成される隙間を図中符号t3で示す。
上記状態からクラッチ操作子の操作がなされると、レリーズ機構3bを介してリフターロッド9が右側に移動し、ベアリング39を介してプレッシャーディスク8を右側に移動させる(図4参照)。これにより、各遠心ウェイト33を介してプレッシャープレート7も右側に移動し、クラッチ低回転時と同様に各クラッチスプリング36が所定量圧縮され、クラッチ低回転時と同様の操作力がクラッチ操作子に付与される。このとき、前記隙間t2がt2’に増加し、かつプレッシャーディスク8の右押圧面10aとクラッチ板群6の右側面との間に隙間t2”が形成される。
これにより、左右押圧面5e,10a間でのクラッチ板群6の挟圧(摩擦係合)が解除されて、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が不能となったクラッチ切断状態となる。
このように、プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8の何れがベアリング39に係合するかは、クラッチアウタ4の回転速度に応じてプレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8がクラッチ軸方向で相対変位することで切り替わるが、何れの場合にも、クラッチスプリング36の弾発力に基づく同等の操作力がクラッチ操作子に付与される。したがって、例えば多板クラッチ1が接続されていない停止状態であっても、多板クラッチ1が接続されている走行状態であっても、クラッチ操作子の操作には同等の操作力が必要であるため、操作者に違和感を生じさせることがない。
以上説明したように、上記実施形態における多板クラッチ1は、メインシャフト2上に同軸配置され、遠心ウェイト33のクラッチ径方向での移動によりクラッチ板6をクラッチ軸方向で押圧し又は前記押圧を解除してトルク伝達の可否を切り替える遠心クラッチとしての機能と、クラッチ操作子によるクラッチ断接操作を可能とする手動クラッチとしての機能とを有するものにおいて、前記メインシャフト2に相対回転可能に支持されて駆動源からの駆動力を常時受けるクラッチアウタ4と、前記クラッチアウタ4の内周側で前記メインシャフト2に一体回転可能に支持されるクラッチインナ5と、前記クラッチアウタ4の内周側に一体回転可能に支持される第一のクラッチ板6(クラッチディスク6a)と、前記クラッチインナ5の外周側に一体回転可能に支持される第二のクラッチ板6(クラッチプレート6b)と、前記各クラッチ板6をクラッチ軸方向で押圧する又は前記押圧を解除するプレッシャーユニット10と、前記プレッシャーユニット10による前記各クラッチ板6の押圧を解除するべく前記プレッシャーユニット10をクラッチ軸方向で移動させるリフターロッド9と、を備える。
多板クラッチ1において、前記プレッシャーユニット10は、前記各クラッチ板6のクラッチ軸方向一側に、クラッチスプリング36により前記各クラッチ板6側に付勢された状態で配置されるプレッシャープレート7と、前記プレッシャープレート7の前記各クラッチ板6側に、フリースプリング41により前記プレッシャープレート7側に付勢された状態で配置されるプレッシャーディスク8と、を有し、前記プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8間に前記遠心ウェイト33が挟持されると共に、この遠心ウェイト33のクラッチ径方向外側への移動により前記プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8が互いに離間するように相対移動する。
多板クラッチ1において、前記遠心ウェイト33がクラッチ径方向外側に移動しないクラッチ低回転時に、クラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされたときは、前記リフターロッド9が前記プレッシャープレート7に係合して前記プレッシャーユニット10を前記各クラッチ板6と反対側に移動させ、前記遠心ウェイト33がクラッチ径方向外側に移動するクラッチ高回転時に、クラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされたときは、前記リフターロッド9が前記プレッシャーディスク8に係合して前記プレッシャーユニット10を前記各クラッチ板6と反対側に移動させる。
この構成によれば、クラッチ低回転時及び高回転時の何れの場合にも、リフターロッド9がクラッチスプリング36の付勢力に抗してプレッシャーユニット10を移動させることで、クラッチ操作子の空ストロークがなくなり、クラッチ操作子の操作力の変化が抑えられ、安定したクラッチ断接操作を実現できる。
また、上記多板クラッチ1において、前記クラッチアウタ4は前記メインシャフト2と同軸の有底筒状をなし、前記プレッシャーユニット10は前記クラッチアウタ4の開放側に配置される。
この構成によれば、クラッチアウタ4内側の各クラッチ板6を効率よく押圧できる。
また、上記多板クラッチ1において、前記プレッシャーユニット10は、前記クラッチアウタ4と一体回転可能かつ前記クラッチインナ5と相対回転可能であり、前記リフターロッド9の外周には、ベアリング39の内周側(インナーレース)が前記クラッチ軸方向一側から他側への移動を規制された状態で支持され、前記ベアリング39の外周側(アウターレース)には、前記クラッチ軸方向一側から前記プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8が選択的に係合し、このベアリング39を介して、前記リフターロッド9が前記プレッシャーユニット10を前記クラッチ軸方向一側に移動させる。
この構成によれば、プレッシャーユニット10がクラッチアウタ4と共に回転する構成において、リフターロッド9外周のベアリング39を介してプレッシャーユニット10の回転を妨げることなくこれをクラッチ軸方向一側に移動させることができる。
また、上記多板クラッチ1において、前記ベアリング39には、少なくとも前記クラッチ軸方向一側の側面を覆うサポート部材45が装着され、このサポート部材45を介して、前記プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8が前記ベアリング39の外周側に係合する。
この構成によれば、プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8をベアリング39の外周側に係合させる範囲を広げることができる。
また、上記多板クラッチ1において、前記遠心ウェイト33がクラッチ径方向外側に移動しきったときの前記プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8のクラッチ軸方向での相対移動量(t1+t2)は、前記遠心ウェイト33がクラッチ径方向内側に移動しきったときでかつクラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされないときの前記各クラッチ板6とプレッシャーディスク8との間の隙間t1よりも大きい。
この構成によれば、遠心ウェイト33がクラッチ径方向外側に移動しきったときには、プレッシャーディスク8がクラッチ軸方向一側から各クラッチ板6に当接してこれを押圧すると共に、その反力でプレッシャープレート7がクラッチ軸方向一側に移動してクラッチスプリング36の弾発力を受ける。このため、クラッチスプリング36の弾発力により各クラッチ板6を押圧(挟圧)することができる。
なお、図5〜8に示す多板クラッチ1’は、本実施形態の参考例として、クラッチ回転速度に応じてクラッチ切断操作力が変化する場合の構成を示す。これは、上記実施形態に対して、前記サポート部材45を無くしてディスクハブ部8eでベアリング39のアウタレースを直接保持すると共に、プレートハブ部7e及びカラー部7fを無くした点で特に異なる。その他の、上記実施形態と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
この構成において、クラッチアウタ4の回転数(回転速度)が所定値未満(低回転)であれば、各遠心ウェイト33が内周側に保持されたままとなる(図5,6参照)。
図5に示すように、クラッチ操作子の操作がなされていない場合には、プレッシャーディスク8の右押圧面10aとクラッチ板群6の右側面との間には、クラッチ軸方向で隙間t1が形成される。これにより、クラッチ板群6の挟圧(摩擦係合)が解除され、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が不能なクラッチ切断状態となる。
またこのとき、プレッシャープレート7はベース部28に対して左側に移動しきると共に、プレッシャーディスク8はプレッシャープレート7に対して右側に移動しきった状態となる。
この状態で、プレッシャープレート7はベアリング39に当接(係合)せず、かつプレッシャーディスク8の内フランジ部8fの左側面はベアリング39のアウタレースから右側に離間する。このときの内フランジ部8fの左側面とベアリング39のアウタレースとの間に形成される隙間を図中符号t4’で示す。
上記状態からクラッチ操作子の操作がなされると、レリーズ機構3bを介してリフターロッド9が右側に移動するが、プレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8がベアリング39から離間していることから、少なくとも前記隙間t4’分はリフターロッド9が右側へ空ストロークする(図6参照)。このとき、クラッチ操作子にはレリーズ機構3bのリターンスプリングの弾発力等に基づく微量な操作力のみが付与される。
一方、上記クラッチ操作子の操作がなされる前の状態からクラッチアウタ4の回転数が所定値以上(高回転)になると、各遠心ウェイト33が外周側に移動し、傾斜面31に沿ってプレッシャーディスク8を左側に移動させる(図7参照)。
各遠心ウェイト33が外周側に移動しきると、プレッシャープレート7のスプリング受け部7bの底面とベース部28の外周突部28cの右側面との間に隙間t2が形成される。
このとき、プレッシャープレート7、各遠心ウェイト33及びプレッシャーディスク8を介してクラッチスプリング36の弾発力がクラッチ板群6に入力される。これにより、左右押圧面5e,10a間でクラッチ板群6が挟圧されて一体的に摩擦係合し、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が可能となったクラッチ接続状態となる。
またこのとき、プレッシャーディスク8の内フランジ部8fの左側面がベアリング39のアウタレースに右側から当接(係合)する。
上記状態からクラッチ操作子の操作がなされると、レリーズ機構3bを介してリフターロッド9が右側に移動し、ベアリング39を介してプレッシャーディスク8を右側に移動させる(図8参照)。これにより、各遠心ウェイト33を介してプレッシャープレート7も右側に移動し、各クラッチスプリング36が所定量圧縮され、クラッチ操作子に各クラッチスプリング36の弾発力に基づく操作力が付与される。
このとき、前記隙間t2がt2’に増加し、かつプレッシャーディスク8の右押圧面10aとクラッチ板群6の右側面との間に隙間t2”が形成される。
これにより、左右押圧面5e,10a間でのクラッチ板群6の挟圧(摩擦係合)が解除されて、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が不能となったクラッチ切断状態となる。
上記の参考例では、クラッチアウタ4(多板クラッチ1’)の回転速度に応じて、クラッチ切断操作時にクラッチ操作子に付与される操作力が変化するため、操作者に違和感を生じさせることがある。このため、本願発明のように、クラッチアウタ4の回転速度にかかわらず常に所定の操作力を生じさせることが望ましい。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について、図9〜13を参照して説明する。
この実施形態は、前記第一実施形態に対して、前記サポート部材45を無くすと共に、プレッシャープレート107及びプレッシャーディスク108におけるベアリング39のアウタレース(外周側)に当接(係合)する部位を、該アウタレースの右側にクラッチ周方向で交互に並ぶように配置した点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。
図9〜12に示す多板クラッチ101は、第一実施形態と同様のクラッチアウタ4、クラッチインナ5、クラッチ板6、及びリフターロッド9を備える。
多板クラッチ101のプレッシャーユニット110は、第一実施形態のプレッシャープレート7及びプレッシャーディスク8に対して中央側の構成のみ異なるプレッシャープレート107及びプレッシャーディスク108を備える。
図13(a)を併せて参照し、プレッシャープレート107の中央部には、リフターロッド9を所定の間隔を空けて挿通する円環部107aが設けられる。円環部107aは、ベアリング39のアウタレースの右側方に離間して配置される。円環部107aの左側における各スプリング受け部7bのクラッチ内周側に位置する部位には、ベアリング39のアウタレースの右側面に当接するべく左側に起立するプレート側当接部107bが一体形成される。
図13(b)を併せて参照し、プレッシャーディスク108の中央部には、ベアリング39の外周を直接保持するディスクハブ部108eが右側に突出するように設けられる。ディスクハブ部108eの右端部からは、クラッチ内周側に向けて内フランジ部108fが起立する。内フランジ部108fは円環状をなし、そのクラッチ軸方向厚さはプレート側当接部107bのクラッチ軸方向長さよりも小とされる。
内フランジ部108fの右側面は軸線と直交する平坦状に形成され、内フランジ部108fの左側面は外周側に対して内周側が右側に変位するように段差状に形成される。これにより、内フランジ部108fがベアリング39のインナレース(内周側)に接することなくアウタレースにのみ当接可能である。
内フランジ部108fの外周側は、各スプリング受け部7b用の挿通孔8bによりクラッチ周方向で部分的に切り欠かれる。この切り欠き部に入り込むように、各プレート側当接部107bがそれぞれ配置される。内フランジ部108f外周側の残存部分は、ベアリング39のアウタレースに当接可能なディスク側当接部108bとされる。各当接部107b,108bは、クラッチ周方向で交互に並ぶように配置される。
上述の構成において、エンジンの運転により前記クランクシャフトからの回転駆動力がクラッチアウタ4に伝達されても、その回転数(回転速度)が所定値未満(低回転)であれば、第一実施形態と同様、各遠心ウェイト33が内周側に保持されたままとなる(図9,10参照)。
図9に示すように、クラッチ操作子の操作がなされていない場合には、プレッシャーディスク108の右押圧面10aとクラッチ板群6の右側面との間には、クラッチ軸方向で隙間t1が形成される。これにより、クラッチ板群6の挟圧(摩擦係合)が解除され、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が不能なクラッチ切断状態となる。
またこのとき、プレッシャープレート107はベース部28に対して左側に移動しきると共に、プレッシャーディスク108はプレッシャープレート107に対して右側に移動しきった状態となる。
この状態で、プレッシャープレート107のプレート側当接部107bの左端はベアリング39のアウタレースに右側から当接(係合)すると共に、プレッシャーディスク108のディスク側当接部108bの左側面はベアリング39のアウタレースから右側に離間する。このときのディスク側当接部108bの左側面とベアリング39のアウタレースとの間に形成される隙間を図中符号t4”で示す。
上記状態からクラッチ操作子の操作がなされると、レリーズ機構3bを介してリフターロッド9が右側に移動し、ベアリング39を介してプレッシャープレート107を右側に移動させる(図10参照)。これにより、各クラッチスプリング36が所定量圧縮され、クラッチ操作子に各クラッチスプリング36の弾発力に基づく操作力が付与される。
なお、プレッシャープレート107の右側への移動時には、フリースプリング41を介してプレッシャーディスク108も追従して右側に移動する。このとき、前記隙間t1がt1’に増加し、かつプレッシャープレート107のスプリング受け部7bの底面とベース部28の外周突部28cの右側面との間に隙間t1”が形成される。
一方、上記クラッチ操作子の操作がなされる前の状態からクラッチアウタ4の回転数が所定値以上(高回転)になると、各遠心ウェイト33が外周側に移動し、傾斜面31に沿ってプレッシャーディスク108を左側に移動させる(図11参照)。プレッシャーディスク108は、各遠心ウェイト33が外周側に移動しきる前に、右押圧面10aをクラッチ板群6の右側面に当接させる。
プレッシャーディスク108の右押圧面10aがクラッチ板群6の右側面に当接した状態から、さらに各遠心ウェイト33が外周側に移動すると、これらがプレッシャーディスク108を介してクラッチ板群6を左側に押圧しつつ、その反力でプレッシャープレート107を右側に移動させる。
各遠心ウェイト33がディスク外周部8dに当接するまで外周側に移動しきると、プレッシャープレート107のスプリング受け部7bの底面とベース部28の外周突部28cの右側面との間に隙間t2が形成される。この隙間t2と前記隙間t1との合計が、各遠心ウェイト33のクラッチ径方向移動によるプレッシャーディスク108とプレッシャープレート107とのクラッチ軸方向での相対移動量となる。
プレッシャープレート107が右側に移動してベース部28から離間すると、プレッシャープレート107、各遠心ウェイト33及びプレッシャーディスク108を介してクラッチスプリング36の弾発力がクラッチ板群6に入力される。これにより、左右押圧面5e,10a間でクラッチ板群6が挟圧されて一体的に摩擦係合し、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が可能となったクラッチ接続状態となる。
このとき、プレッシャーディスク108はプレッシャープレート107に対して左側に移動しきると共に、プレッシャープレート107はベース部28に対して所定量右側に移動した状態となる。
この状態で、プレッシャーディスク108のディスク側当接部108bの左側面はベアリング39のアウタレースに右側から当接(係合)すると共に、プレッシャープレート107のプレート側当接部107bの左端はベアリング39のアウタレースから右側に離間する。このときのプレート側当接部107bの左端とベアリング39のアウタレースとの間に形成される隙間を図中符号t3で示す。
上記状態からクラッチ操作子の操作がなされると、レリーズ機構3bを介してリフターロッド9が右側に移動し、ベアリング39を介してプレッシャーディスク108を右側に移動させる(図12参照)。これにより、各遠心ウェイト33を介してプレッシャープレート107も右側に移動し、クラッチ低回転時と同様に各クラッチスプリング36が所定量圧縮され、クラッチ低回転時と同様の操作力がクラッチ操作子に付与される。このとき、前記隙間t2がt2’に増加し、かつプレッシャーディスク108の右押圧面10aとクラッチ板群6の右側面との間に隙間t2”が形成される。
これにより、左右押圧面5e,10a間でのクラッチ板群6の挟圧(摩擦係合)が解除されて、クラッチアウタ4及びクラッチインナ5間でのトルク伝達が不能となったクラッチ切断状態となる。
このように、プレッシャープレート107及びプレッシャーディスク108の何れがベアリング39に係合するかは、クラッチアウタ4の回転速度に応じてプレッシャープレート107及びプレッシャーディスク108がクラッチ軸方向で相対変位することで切り替わるが、何れの場合にも、クラッチスプリング36の弾発力に基づく同等の操作力がクラッチ操作子に付与される。
以上説明したように、上記実施形態における多板クラッチ101は、第一実施形態のものに対し、前記プレッシャープレート107及びプレッシャーディスク108における前記ベアリング39の外周側に係合する部位(各当接部107b,108b)が、クラッチ周方向で交互に並ぶように設けられるものである。
この構成によれば、前記サポート部材45等の特別な部品や構造を用いなくとも、遠心ウェイト33の作動によりプレッシャープレート107及びプレッシャーディスク108がクラッチ軸方向で相対移動した際に、プレッシャープレート107及びプレッシャーディスク108の何れがベアリング39の外周側に係合するかを切り替えることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について、図14を参照して説明する。
この実施形態は、前記各実施形態に対して、各クラッチ板6の磨耗時にもクラッチ操作子の遊びの変化を抑える遊び変化吸収手段を備える点で特に異なる。その他の、前記実施形態と同一部分には同一符号を付して、その説明を省略する。なお、図14に示す多板クラッチ101’は第二実施形態の構成を基にしているが、第一実施形態の構成を基にすることも可能である。
まず、前記各実施形態の多板クラッチ1,101において、各クラッチ板6が磨耗すると、その分だけクラッチ接続時(高回転時)のプレッシャーディスク8,108の位置もクラッチ板群6側(左側)に移動する。これに伴いリフターロッドも左側に移動するので、レリーズ機構3b等を介してクラッチ操作子が引かれてその遊びが少なくなる。
一方、クラッチ低回転時かつ切断時のプレッシャーディスク8,108及びプレッシャープレート7,107の位置は、プレッシャープレート7,107の位置がベース部28に当接して規定されることから、各クラッチ板6の磨耗状態に関わらず一定である。つまり、クラッチ低回転時のクラッチ操作子の遊びは変化しない。
このため、相対的にクラッチ低回転時にはクラッチ操作子の遊びが大きく、クラッチ高回転時にはクラッチ操作子の遊びが小さくなったように感じてしまう。
この課題を解決するべく、第三実施形態の多板クラッチ101’では、クラッチ低回転時におけるプレッシャープレート107の位置が、クラッチ高回転時におけるプレッシャーディスク108の位置と同様に左側に移動するようにした。
すなわち、クラッチ低回転時におけるプレッシャープレート107の位置決めを、ベース部28ではなくプレッシャーディスク108に受け持たせるようにした。
具体的には、第三実施形態では、前記各実施形態におけるベース部28の外周突部28cを無くし、代わりにベース部28にプレッシャープレート107用の位置決め機構(遊び変化吸収手段)128を設置した。
位置決め機構128は、右側に開放する有底円筒状をなすホルダ128aと、このホルダ128a内に右側から挿入される位置決めピン128bと、位置決めピン128bの外周に配されるチャック部材128cとを有する。
ホルダ128aの左端にはネジ軸128dが突設され、このネジ軸128dによりホルダ128aがベース部28に固定される。ホルダ128aの開放部からは位置決めピン128bが突出し、この位置決めピン128bがプレッシャーディスク108を貫通してその右側に突出する。この位置決めピン128bの右端がプレッシャープレート107に当接することで、クラッチ低回転時かつ切断時におけるプレッシャープレート107の左側への移動が規制される。
位置決め機構128は、位置決めピン128bに荷重を入力しても位置決めピン128bがストロークせず、チャック部材128cに荷重を入力したときはチャック部材128cが位置決めピン128bと共にストロークする。チャック部材128cの右端部はホルダ128aから突出し、クラッチ高回転時にはプレッシャーディスク108の左側面にチャック部材128cの右端が当接する。
これにより、各クラッチ板6の磨耗によりプレッシャーディスク108の移動量が増した際には、その分だけチャック部材128cが位置決めピン128bと共に左側へストロークする。
このため、クラッチ低回転時かつ切断時のプレッシャープレート107の位置を左側に移動させることができ、クラッチ高回転時と同様にクラッチ操作子の遊びを小さくすることができる。したがって、クラッチ回転速度によるクラッチ操作子の遊びの変化の発生を抑えることができる。
なお、位置決め機構128は、クラッチスプリング36及びフリースプリング41とクラッチ周方向で交互に並ぶように設けられる。また、図中符号129はベース部28の右側面と位置決め機構128のホルダ128a左端との間に挟持されてベース部28の内周突部28bと共にベアリング27のアウタレースを挟持する円環状のプレートを示す。
なお、本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、例えば、ハブ部5aを右側に延ばしてカラー26を無くした構成としたり、ベース部28を直接メインシャフト2に相対回転可能に支持した構成としてもよい。また、プレッシャーユニット10,110,110’をクラッチアウタ4に支持した構成とすることも可能である。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
1,110,110’ 多板クラッチ(クラッチ装置)
2 メインシャフト(回転軸)
4 クラッチアウタ(アウタ部材)
5 クラッチインナ(インナ部材)
6 クラッチ板
6a クラッチディスク(第一のクラッチ板)
6b クラッチプレート(第二のクラッチ板)
7,107 プレッシャープレート(第一押圧部材)
8,108 プレッシャーディスク(第二押圧部材)
9 リフターロッド(解除部材)
10,110 プレッシャーユニット(押圧部)
33 遠心ウェイト
36 クラッチスプリング(メインスプリング)
39 ベアリング(ラジアル軸受け)
41 フリースプリング(サブスプリング)
45 サポート部材
107b プレート側当接部(ラジアル軸受けの外周側に係合する部位)
108b ディスク側当接部(ラジアル軸受けの外周側に係合する部位)
128 位置決め機構
t1 隙間

Claims (7)

  1. 回転軸(2)上に同軸配置され、遠心ウェイト(33)のクラッチ径方向での移動によりクラッチ板(6)をクラッチ軸方向で押圧し又は前記押圧を解除してトルク伝達の可否を切り替える遠心クラッチとしての機能と、クラッチ操作子によるクラッチ断接操作を可能とする手動クラッチとしての機能とを有するクラッチ装置(1,101,101’)において、
    前記回転軸(2)に相対回転可能に支持されて駆動源からの駆動力を常時受けるアウタ部材(4)と、前記アウタ部材(4)の内周側で前記回転軸(2)に一体回転可能に支持されるインナ部材(5)と、前記アウタ部材(4)の内周側に一体回転可能に支持される第一のクラッチ板(6a)と、前記インナ部材(5)の外周側に一体回転可能に支持される第二のクラッチ板(6b)と、前記各クラッチ板(6)をクラッチ軸方向で押圧する又は前記押圧を解除する押圧部(10,110)と、前記押圧部(10,110)による前記各クラッチ板(6)の押圧を解除するべく前記押圧部(10,110)をクラッチ軸方向で移動させる解除部材(9)と、を備え、
    前記押圧部(10,110)は、前記各クラッチ板(6)のクラッチ軸方向一側に、メインスプリング(36)により前記各クラッチ板(6)側に付勢された状態で配置される第一押圧部材(7,107)と、前記第一押圧部材(7,107)の前記各クラッチ板(6)側に、サブスプリング(41)により前記第一押圧部材(7,107)側に付勢された状態で配置される第二押圧部材(8,108)と、を有し、
    前記各押圧部材(7,8又は107,108)間に前記遠心ウェイト(33)が挟持されると共に、この遠心ウェイト(33)のクラッチ径方向外側への移動により前記各押圧部材(7,8又は107,108)が互いに離間するように相対移動し、
    前記遠心ウェイト(33)がクラッチ径方向外側に移動しないクラッチ低回転時に、クラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされたときは、前記解除部材(9)が前記第一押圧部材(7,107)に係合して前記押圧部(10,110)を前記各クラッチ板(6)と反対側に移動させ、
    前記遠心ウェイト(33)がクラッチ径方向外側に移動するクラッチ高回転時に、クラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされたときは、前記解除部材(9)が前記第二押圧部材(8,108)に係合して前記押圧部(10,110)を前記各クラッチ板(6)と反対側に移動させることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 前記アウタ部材(4)は前記回転軸(2)と同軸の有底筒状をなし、前記押圧部(10,110)は前記アウタ部材(4)の開放側に配置されることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記押圧部(10,110)は、前記アウタ部材(4)と一体回転可能かつ前記インナ部材(5)と相対回転可能であり、前記解除部材(9)の外周には、ラジアル軸受け(39)の内周側が前記クラッチ軸方向一側から他側への移動を規制された状態で支持され、前記ラジアル軸受け(39)の外周側には、前記クラッチ軸方向一側から前記各押圧部材(7,8又は107,108)が選択的に係合し、このラジアル軸受け(39)を介して、前記解除部材(9)が前記押圧部(10,110)を前記クラッチ軸方向一側に移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記ラジアル軸受け(39)には、少なくとも前記クラッチ軸方向一側の側面を覆うサポート部材(45)が装着され、このサポート部材(45)を介して、前記各押圧部材(7,8)が前記ラジアル軸受け(39)の外周側に係合することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のクラッチ装置。
  5. 前記各押圧部材(107,108)における前記ラジアル軸受け(39)の外周側に係合する部位(107b,108b)は、クラッチ周方向で交互に並ぶように設けられることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のクラッチ装置。
  6. 前記遠心ウェイト(33)がクラッチ径方向外側に移動しきったときの前記各押圧部材(7,8又は107,108)のクラッチ軸方向での相対移動量は、前記遠心ウェイト(33)がクラッチ径方向内側に移動しきったときでかつクラッチ操作子によるクラッチ切断操作がなされないときの前記各クラッチ板(6)と第二押圧部材(8,108)との間の隙間(t1)よりも大きいことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のクラッチ装置。
  7. 前記各クラッチ板(6)の磨耗による前記第二押圧部材(8)のクラッチ高回転時のクラッチ板押圧位置の変化に応じて、前記第一押圧部材(7)のクラッチ低回転時の停止位置を変化させる位置決め機構(128)を備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のクラッチ装置。

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