JP2007103041A - 非水電解液二次電池用電極板、及び非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用電極板、及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】集電体と該集電体の少なくとも一面に電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板において、該電極活物質層の活物質を効率的に反応させられる上、導電材を増量しても、導電材の凝集を抑えて電極活物質層の抵抗が低減でき、大電流の放電など急速な充放電時においても優れた高出力特性を発揮する非水電解液二次電池用電極板を提供する。
【解決手段】非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に、電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板であって、該電極活物質層は、平均一次粒径が0.1〜5μmである活物質、及びDBP吸油量が100〜160ml/100gであるカーボンブラックを、該活物質100重量部に対してカーボンブラック7〜25重量部の割合で含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池用電極板、及びそれを用いた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギー密度、高電圧を有し、また充放電時におけるメモリー効果(完全に放電させる前に電池の充電を行なうと次第に電池容量が減少していく現象)が無いことから、携帯機器、大型機器など様々な分野で用いられている。
一般的な非水電解液二次電池の構成を単純化すると、正極板、負極板、セパレータ及び電解液からなり、該正極板及び負極板としては、金属箔等の集電体の上に、電極活物質層として塗工膜を形成したものが用いられている。
電極活物質層は通常、活物質、結着剤、必要に応じて導電材、及びその他の材料を溶媒中で混練及び分散してスラリー状の電極活物質層材料に調製し、該電極活物質層材料を集電体上に塗布及び乾燥して形成される。
上記導電材は、電極活物質層の導通を確保し、電極活物質層の抵抗の低減のために用いられる。一般に、電極活物質層中の導電材同士が離れていると電極活物質層の抵抗は充分に下がらないが、導電材同士が繋がって、いわゆるストラクチャーとよばれる鎖状の連結構造となると、集電体と活物質の間を結んだ電子のパスが形成されるので、電極活物質層の抵抗は下がることが知られている。
近年では、非水電解液二次電池において、特に電気自動車、ハイブリッド自動車、パワーツール等のような高出力特性が必要とされる分野に向けて非水電解液二次電池の開発が進んでいる。
従来広く開発されてきた一般に携帯電話、パソコン等に用いられる小型の非水電解液二次電池は、通常10μm付近の平均一次粒径を有する活物質を使用し、電池をより小さく軽くすることを追求すると共に、電池の重量エネルギー密度および体積エネルギー密度を重視する。そのため、このような電池の電極活物質層における活物質の配合比率は概して大きく、導電材や結着剤の配合比率は小さい。また、電極活物質層のプレス密度(プレスした後の電極活物質層の密度)は高く、このような電極活物質層の空隙は比較的少ない。
このような小型の非水電解液二次電池に用いられる導電材としては、一次粒径が大きく粒子数が比較的少ない活物質に対応して、比較的ストラクチャーの長い導電材を少量用いることが多い(例えば、特許文献1)。導電材粒子が繋がった長いストラクチャーが粒径の大きい活物質に沿うようにして存在すると、少量の導電材であっても、小型の非水電解液二次電池にとって十分な導通をとることができる。
これに対して、上記の高出力特性を要する非水電解液二次電池は、電池のコンパクトさよりも高出力特性を重視する。また、高出力特性を要する非水電解液二次電池は、小型の非水電解液二次電池と比べて、著しく大きな電流で放電するなど急速な充放電が行われるため、小型の非水電解液二次電池と同様の電極活物質層を用いても、優れた高出力特性を得ることは難しかった。
一般に、活物質の一次粒径を小さくすることで、活物質の反応を効率よくする方法が知られている。つまり、活物質の粒径を小さくすると、活物質の比表面積が大きくなると共に、イオン及び電子の活物質粒子内における移動距離が短くなり、同質量の通常の粒径の活物質と比較した場合に、短時間で多くの活物質を反応させることが可能である。このとき、各活物質粒子への導通を確保し電極活物質層の抵抗を下げるためには、小粒径の活物質を満遍なく導電材で網羅する必要がある。しかし、小粒径の活物質は、同質量の通常の粒径の活物質に比べると粒子数及び比表面積が増加しているため、活物質に対する導電材の添加量を増やす必要がある。また、活物質表面を満遍なく網羅するためには必然的に導電材の粒子径も小さくする必要がある。
高出力の非水電解液二次電池において一次粒径の小さい活物質を用いた場合には、小型の非水電解液二次電池の場合よりも更に多くの導電材を増量する必要がある。文献上(特許文献1など)、小型の非水電解液二次電池において、導電材を電極活物質層の配合割合において20%近くを範囲内とする記載はあるが、実際には、凝集の問題があるため、実施例の使用実績では10%程度の導電材しか使用されていない。したがって、小型の非水電解液二次電池においては、凝集の問題が十分に解決されていなかった。また、実際の使用実績では、導電材を電極活物質層の配合割合において10%程度しか使用していないため、凝集の問題はそれほど顕著ではなかった。
しかしながら、高出力特性を要する非水電解液二次電池において、一次粒径の小さい活物質を使用した場合には、電極活物質層中の配合割合において約20%という多量の導電材を必要とするため、凝集による悪影響は大きい。凝集が起きると、集電体から活物質へ電子を供給する電子のパスが形成され難いため、電極活物質層の抵抗の低下を促進できず、高出力特性の向上には限界があった。
また、上述したように導電材の添加量を増加させると、導電材や場合によっては小粒径の活物質が凝集して電極活物質層材料の塗工が困難になるという問題があった。
従来、一般に電極板の性能を上げる手段として導電材のストラクチャー(連結)の長さに注目して導電材をDBP吸油量で特定することがあった。特許文献2は、導電材がヨウ素吸着量42mg/g以下、フタル酸ジブチル吸油量が110ml/100g以上のカーボンブラックである非水電解液二次電池を開示している。該カーボンブラックの含有量は、正極合剤全量の2重量%以上であった。しかしながら、特許文献2は小型の非水電解液二次電池を対象とし、長い鎖状構造を有するカーボンブラックを用いると記載されている。そのため、実際の実施例においては、正極活物質であるLiMn93重量部と導電材であるカーボンブラック3重量部及び結着剤であるポリフッ化ビニリデン4重量部を混合することによって正極合剤を調製すると記載されている。したがって、カーボンブラックの使用量は少ない。
また、特許文献3は、導電助剤として比表面積が100〜400m/gで、DBP吸油量が100〜300ml/100gであるカーボンブラックを用い、正極合剤中に前記カーボンブラックを正極活物質に対して質量基準で3〜5%含有させる非水二次電池を開示している。特許文献3は導電材量を抑えて正極活物質の充填量を維持することを目的とするため、導電材の配合量が少ない。したがって、本発明と発明が解決しようとする課題が異なる。
特開2005−38629号 特開平11−219707号 特開2003−123764号
本発明は、上記の実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第1の目的は、集電体と該集電体の少なくとも一面に電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板において、該電極活物質層の活物質を効率的に反応させられる上、導電材を増量しても、導電材の凝集を抑えて電極活物質層の抵抗が低減でき、大電流の放電など急速な充放電時においても優れた高出力特性を発揮する非水電解液二次電池用電極板を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上述したような非水電解液二次電池用電極板を備えた、大電流の放電など急速な充放電時においても高出力特性に優れた非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に、電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板であって、該電極活物質層は、平均一次粒径が0.1〜5μmである活物質、及びDBP吸油量が100〜160ml/100gであるカーボンブラックを、該活物質100重量部に対してカーボンブラック7〜25重量部の割合で含有することを特徴とする。
上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記カーボンブラックは、アセチレンブラックであることが好ましい。
前記カーボンブラックの平均一次粒径は、10〜100nmであることが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板において、前記電極活物質層は、さらに結着剤を活物質100重量部に対して6.5〜25重量部の割合で含有することが好ましい。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、正極板であってもよい。
前記電極活物質層の体積抵抗率は、4Ω・cm以下であることが好ましい。
前記正極板の電極活物質層の密度(プレス密度)は、1.8〜3g/cmであることが好ましい。
本発明における非水電解液二次電池は、少なくとも正極板、負極板、及び電解液を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び該負極板の少なくとも一方が、上記非水電解液二次電池用電極板であることを特徴とする。
前記非水電解液二次電池の正極板は、上記正極板であってもよい。
本発明にかかる非水電解液二次電池用電極板は、平均一次粒径が0.1〜5μmである比較的一次粒径の小さい活物質を用いるため、活物質の反応できる比表面積が大きく、イオンや電子が活物質粒子内において移動する距離が短くなり、イオン及び電子に対して活物質を素早く反応させることができる。
さらに、小型の非水電解液二次電池に用いられるような、ストラクチャーの長い導電材は、溶媒中に多量に添加すると該ストラクチャーが切れにくいためもつれて凝集しやすいが、本発明におけるDBP吸油量が小さい導電材、すなわち、溶媒中に添加した時に比較的ストラクチャーの短い導電材は、増量してもストラクチャーが短い故に、凝集しにくい。したがって、本発明におけるストラクチャーの短い導電材は、電極活物質層中に広く分散し、活物質を満遍なく網羅して電子のパスを形成することができ、該電子のパスによって集電体から活物質への電子の流れが確保され、電極活物質層の抵抗を充分に低減することができる。
特に、非水電解液二次電池用電極板が正極板である場合、当該正極板は一般的に半導体である場合が多いため、電子のパスが効果的に形成されることによって得られる効果は高い。
また、本発明において、ストラクチャーの短い導電材を多量に用いた場合には、凝集が起こりにくいため、電極活物質層を形成する電極活物質層材料の流動性は良好である。
従って、本発明によれば、活物質を効率的に反応させられる上、導電材を増量しても、導電材の凝集を抑えて電極活物質層の抵抗を充分に低減でき、大電流の放電など急速な充放電時においても優れた高出力特性を発揮することができる非水電解液二次電池用電極板を得ることができる。
また、本発明によれば、電極活物質層で活物質を効率的に反応させられる上、導電材を増量しても、導電材の凝集を抑えて電極活物質層の抵抗を充分に低減でき、大電流の放電など急速な充放電時においても優れた高出力特性を発揮することができる非水電解液二次電池を得ることができる。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に、電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板であって、該電極活物質層は、平均一次粒径が0.1〜5μmである活物質、及びDBP吸油量が100〜160ml/100gであるカーボンブラックを、該活物質100重量部に対してカーボンブラック7〜25重量部の割合で含有することを特徴とするものである。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、上記活物質、及び導電材としてカーボンブラックを少なくとも含有する電極活物質層材料を用いて集電体上に塗布等の手段により電極活物質層を形成することによって作製される。本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、正極板であっても負極板であってもいずれでも良い。
まず、電極活物質層材料について説明する。正極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の正極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiMn(マンガン酸リチウム)若しくはLiNiO(ニッケル酸リチウム)等のリチウム酸化物、または、TiS、MnO、MoO若しくはV等のカルコゲン化合物を例示することができる。特に、LiCoO、LiMn等のリチウム含有金属酸化物を正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用い、非水電解液を電解液として用いることにより4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系二次電池が得られる。
一方、負極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の負極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、天然グラファイト、人造グラファイト、アモルファス炭素、カーボンブラック、または、これらの成分に異種元素を添加したもののような炭素質材料が好んで用いられる。また、金属リチウム及びその合金、スズ、シリコン、及びそれらの合金等、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料が一般的に使用可能である。
活物質は、比表面積を大きくするために、平均一次粒径が0.1〜5μmの粉体であることが好ましく、より好ましい平均一次粒径は、0.1〜3μmである。活物質の平均一次粒径を0.1μm以上とする理由は、現実的な入手の容易さだけでなく、導電材の必要量が過大になるという問題があるからである。つまり、本発明においては、活物質の平均一次粒径が0.1μmよりも小さくなると、単位重量あたりの活物質の粒子数及び比表面積が著しく増える。それに伴い、各活物質粒子の表面に電気的導通を取るための導電材も、大幅に増量する必要が生じる。この場合、電極活物質層の機械的強度の低下、電極活物質層材料の塗工適性の悪化、体積(重量)エネルギー密度の低下などの問題が生じ、電極板の高出力化とこれらの他の性能とのバランスを取ることが困難になってしまう。
また、活物質の平均一次粒径を5μm以下とする理由は、電子やイオンが活物質に出入りするために充分な表面積を確保すると共に、活物質粒子の表面から中心までの距離を短くすることによって、活物質粒子の中心の領域(あるいは、活物質粒子の導電材が付着した表面部分から離れている領域)における電池反応に必要なイオン及び電子が、活物質粒子内を移動する時の抵抗を小さくするためである。平均一次粒径を測定する方法としては、例えばレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置や電子顕微鏡観察による測定などがある。活物質の測定を行なう場合は、レーザー回折/散乱式を用いることが多く、この場合の平均一次粒径は体積平均粒径をいう。また、カーボンブラックの測定を行う場合は、一般に電子顕微鏡による実測から計算し、この場合の平均一次粒径は個数平均(算術平均)粒径をいう。
これらの活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。尚、電池反応は、集電体を通して授受される電子と電解液を通して授受されるイオンの存在下、活物質の化学反応によって起きるため、電解液が活物質を含む電極活物質層にしみ込めるような空隙(活物質及び後述する結着剤及び導電材等が存在しない空間)が、電極活物質層を形成した時にできるようにすることも考慮して、活物質の粒径、形状等を選択する。
電極活物質層材料中の活物質の配合割合は、溶剤を除く配合成分を基準(固形分基準)とした時に通常は70〜90重量%とする。
導電材としては、フタル酸ジブチル(DBP)吸油量が100〜160ml/100gであるカーボンブラックを用いる。導電材は、電極活物質層中に分散した導電材粒子同士が互いに接触して集電体と活物質の間の電子のパス(導電パスともいう。)を形成し、導通を確保する働きをし、電極板の抵抗を下げる役割を果たす。
一般的に小型の非水電解液二次電池に用いられている導電材は上述したようにストラクチャーの長い導電材であるが、そのDBP吸油量は、200ml/100g以上である。これに対して、本発明で用いる導電材のDBP吸油量が、100〜160ml/100gであるということは、本発明における導電材のDBP吸油量は小さい。ここで、DBP吸油量とは、JIS K−6221−1982のB法に準じて測定された値をいい、導電材のストラクチャーの長さの目安となる。つまり、導電材を溶媒に分散した時に、導電材の一次粒子同士の繋がりである鎖状構造のストラクチャーを有する導電材であると、導電材はかさ密度が小さく、網目のような空間に多量の液体を保持することができるため、導電材のストラクチャーが長くなるほど、DBP吸油量が大きくなる。これに対し、本発明における導電材のDBP吸油量は小さいことから、本発明の導電材が溶媒に分散された時のストラクチャーは短い。
DBP吸油量が100ml/100g以下であると、電極活物質層材料を調製する際、導電材が溶剤に分散しやすいが、電池作製時に非水電解液を導電剤のストラクチャー中すなわち電極活物質層中に保持しにくくなるという問題がある。
一方、DBP吸油量が160ml/100g以上であると、電池作製時に非水電解液を導電剤のストラクチャー中すなわち電極活物質層中に非水電解液を保持しやすいが、電極活物質層材料を調製する際、導電材が溶剤に分散しにくいという問題がある。
小型の非水電解液二次電池に用いられるような、長いストラクチャーの導電材は、活物質層中に多量に添加すると、一次粒子間の繋がりが強いため、該ストラクチャーが切れにくく、もつれて凝集しやすい。しかし、本発明におけるDBP吸油量が小さい導電材、すなわち、溶媒(電極活物質層)に分散した時のストラクチャーが比較的短い導電材は、増量してもストラクチャーが短い故に、凝集しにくい。したがって、本発明におけるストラクチャーの短い導電材は、活物質の小粒径化に伴って導電材を増量しても、電極活物質層中に凝集及び偏在することなく広く分散し、活物質を満遍なく網羅して電子のパスを形成することができる。そのため、該電子のパスによって集電体から活物質への電子の流れが確保され、電極活物質層の抵抗を充分に低減することができる。
特に、非水電解液二次電池用電極板が正極板である場合、当該正極板は一般的に半導体である場合が多いため、電子のパスが効果的に形成されることによって得られる効果は高い。
また、導電材のストラクチャーが短く、凝集が起こりにくいため、電極活物質層を形成する電極活物質層材料の流動性又は塗工適性が良好である。
カーボンブラックとしては、通常非水電解液二次電池用電極板に用いられているものを使用することができ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素材料が挙げられる。カーボンブラックの平均一次粒径は10〜100nmであることが好ましい。カーボンブラックの平均一次粒径が、10nm以下であると比表面積が大きくなり、DBP吸油量が大きくなる。一方、カーボンブラックの平均一次粒径が、100nm以上であると比表面積が小さくなり、DBP吸油量が小さくなる。
中でも、比較的分散しやすく、不純物が少ない上、導電性が高いアセチレンブラックを用いることが好ましい。例えば、アセチレンブラックの市販品としては、デンカブラック(商品名、電気化学工業株式会社製)などが挙げられる。これらのカーボンブラックは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電極活物質層材料中のカーボンブラックの配合割合は、上記活物質100重量部に対して、カーボンブラックを7〜25重量部の割合、好ましくは、カーボンブラックを7〜25重量部の割合とする。
カーボンブラックの配合割合が、小さすぎると、活物質と集電体との導電性の向上が充分でないなどの問題があり、一方、カーボンブラックの配合割合が大きすぎると、電極活物質層中において導電剤が凝集又は偏在する、形成された電極活物質層にクラックが生じたり、ヒビが入るなどの不具合などの問題が生じる。
電極活物質層には、通常、結着材が用いられる。結着材としては従来から用いられているもの、例えば、熱可塑性樹脂、より具体的にはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂またはポリイミド樹脂等を使用することができる。この際、反応性官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーを結着材中に混入させることも可能である。そのほかにも、ゴム系の樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種の樹脂の混合物を使用することもできる。
電極活物質層材料中の結着材の配合割合は、活物質100重量部に対して6.5〜25重量部、好ましくは8〜17重量部の割合とする。結着剤の配合割合が大きすぎると、結着剤が活物質粒子及び導電材の表面を被覆して電子のパスの形成や電池反応を困難にしたり、電極活物質層中の空隙を塞いでイオンの移動を妨げることがあり、充放電時の抵抗を増加させる。また、必要以上の結着剤の添加は、電極の重量(体積)エネルギー密度を低下させる。
一方、結着剤の配合割合が小さすぎると、電極活物質層の充分な結着強度及び密着性が確保されない。その場合、導電材粒子同士及び導電材と活物質粒子及び/又は集電体間の強固な接触が保たれず、導電パスが分断しやすいため、電極活物質層の抵抗の増加につながる。また、充放電の繰り返しによる電極活物質層の脱落若しくは剥離による抵抗の増加、又は電極製造工程での脱落若しくは剥離による歩留の低下などの原因になる。
結着剤の配合割合は、活物質と導電材の配合量において、所望の電極活物質層の剥離強度を目安にして決めることができる。剥離強度を目安にする理由は、活物質粒子が小粒径になるほど、又は微粒子であるカーボンブラックの添加量が増えるほど、電極活物質層に含まれる粒子の数が増え、それに伴い各粒子を結着するのに必要な結着剤の量も増やす必要があるため、電極活物質層が必要な剥離強度を有する範囲で結着剤の配合割合を決めるからである。
一般に、高出力特性を要する非水電解液二次電池の電極活物質層の剥離強度は、約10〜100N/mであることが好ましい。ここで、剥離強度はJIS−K6854に記載の90度剥離試験方法に準じて測定する。この場合の剥離強度は、電極活物質層中の粒子同士及び粒子と集電体との凝集力(結着力)の目安になる。
また、必要に応じて、増粘剤、界面活性剤及び分散剤を用いてもよい。これらは従来から用いられているものを好適に用いることができる。また、電解液が電極活物質層に染み込むための空隙を効果的に確保するためのフィラーを添加してもよい。該フィラーは電池を作製した時に電気化学的に安定であれば特に制限はなく、またフィラーの材質は無機、有機材料から選択できるが、電極活物質層のインピーダンスを下げるという意味では、導電性を有する材料であることが望ましい。導電性を有するフィラーとしては、例えば、金属微粒子、金属酸化物粒子、炭素粒子、炭素繊維などが挙げられる。該フィラーの形状は、粒子状、繊維状などから任意に選択することができる。効果的に空隙を確保するために、複数の形状のフィラーを混合してもよい。
電極活物質層材料を調製する溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン或いはこれらの混合物、又はイオン交換水のような結着剤を溶解及び分散可能な溶剤を用いることができる。電極活物質層材料中の溶剤の割合は、使用する材料の比重や分散のし易さにもよるが、通常は30〜75重量%、好ましくは45〜65重量%とし、電極活物質層材料をスラリー状に調製する。
電極活物質層材料は、適宜選択した活物質、導電材及び結着剤など他の配合成分を適切な溶剤中にいれ、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。
このようにして調製された電極活物質層材料を用いて、基体である集電体の上に電極活物質層を形成する。
正極板の集電体としては通常、アルミニウム箔が好ましく用いられる。一方、負極板の集電体としては、電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔が好ましく用いられる。集電体の厚さは通常、5〜50μm程度とする。
電極活物質層をコーティングにより形成する場合、電極活物質層材料の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、ダイコート、コンマコート等が適している。電極活物質層材料の粘度が低い場合には、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等によって塗布することもできる。塗布形状は、必要に応じて間欠塗工などパターンを形成してもよい。尚、電極活物質層は、複数回塗工、乾燥を繰り返すことにより形成してもよく、2層以上を塗工した後、該2層以上を一度に乾燥させてもよい。また、各塗工工程の間に、プレス工程や空隙付与工程等、他の工程を実施することもできる。
塗工された電極活物質層材料は、溶剤を除去するために、通常乾燥される。溶剤の除去方法は特に限定されないが、電極活物質層材料の耐熱性、溶媒除去効率、乾燥後の活物質層中での導電材の分布状態などを考慮して、温風乾燥、遠赤外線乾燥、接触乾燥、減圧乾燥、フリーズドライ乾燥などの一般的な手法の中から適宜選択又は組み合わせることができる。
また、乾燥後、必要に応じて熱処理や電子線処理などを加え、材料の変質による導電性向上、強度向上、耐電解液性の向上などを行なってもよい。この操作により、熱処理によって導電性を発現するタイプの材料を使用することができる。
また、電極活物質層を蒸着、スパッタ、溶射等により形成する場合、塗布及び乾燥工程を経ずに、集電体の上に電極活物質層材料を用いて、直接電極活物質層を形成する。
尚、選択した材料にもよるが、電極活物質層の塗工量又は形成量は、正極活物質層の場合には、通常20〜300g/m(片面)、好ましくは30〜250g/m(片面)であり、負極活物質層の場合には、通常10〜200g/m(片面)、好ましくは20〜150g/m(片面)である。
このように形成された電極活物質層は、更に、該電極活物質層をプレス加工することにより、電極活物質層の密度、集電体に対する密着性、均質性を向上させ、さらに、電極活物質層内での粒子間の接触を十分にし、集電体と活物質の間の効果的な導電パスの形成を向上させることができる。
プレス加工は、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行う。本発明においてプレス温度は、活物質層の塗工膜を乾燥させる温度よりも低い温度とする限り、室温で行ってもよいし又は加温して行ってもよいが、通常は室温(室温の目安としては15〜35℃である。)で行う。
ロールプレスは、ロングシート状の電極板を連続的にプレス加工できる。ロールプレスを行う場合には定位プレス、定圧プレスのいずれを行ってもよい。プレスのライン速度は通常、5〜50m/min.とする。ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、通常は線圧を0.5kgf/cm〜1tf/cmとする。
また、シートプレスを行う場合には通常、4903〜73550N/cm(500〜7500kgf/cm)、好ましくは29420〜49033N/cm(3000〜5000kgf/cm)の範囲に圧力を調節する。プレス圧力が小さすぎると電極活物質層内での活物質と導電材の接触が不十分になったり、集電体と活物質の間の効果的な導電パスの形成を向上させられない場合がある。一方、プレス圧力が大きすぎると電極活物質層内の空隙を潰してしまったり、集電体を含めて電極板自体が破損してしまう場合がある。電極活物質層は、一回のプレスで所定の厚さにしてもよく、均質性を向上させる目的で数回に分けてプレスしてもよい。
以上のような方法で作製した本発明における非水電解液二次電池用電極板の電極活物質層は、以下のような特徴を有する。
1)本発明における非水電解液二次電池用電極板が正極板の場合、電極活物質層の乾燥状態における体積抵抗率を、4Ω・cm以下とすることができる。
小粒径の活物質を用いる場合には、同質量のより大きな粒径の活物質と比較して活物質の粒子数及び比表面積が増えるため、必要となる導電材の量も増える。しかし、導電材の量を増やすと、凝集が起こりやすくなる問題があるため、必要量に対する導電材の量が不足する。このように導電材の量が活物質の量に対して不足している場合には、導電材粒子同士の良好な接触が保たれず電極活物質層の体積抵抗率が増大し、充放電時の電圧降下やエネルギーロスなどにより急速充放電時の性能が低下する。
これに対して、本発明のようなストラクチャーの短い導電材を添加すると、ストラクチャーの長い導電材に比べて凝集が生じにくく、導電材が活物質を繋ぐように満遍なく網羅することにより、電子のパスが形成され、効果的に体積抵抗率を低減させることができる。すなわち、小粒径の活物質と共にストラクチャーの短い導電材を使用すれば、導電材の量が多い場合でも導電材が凝集し難いことが、体積抵抗率の低減から分かる。
特に、非水電解液二次電池用電極板が正極板である場合、当該正極板は一般的に半導体である場合が多いため、電子のパスが効果的に形成されて体積抵抗率が低下することによる効果が高い。
尚、電極活物質層の体積抵抗率の測定は、絶縁性のシート上に電極活物質層を形成し、JIS K7194に準じて四探針法にて測定する方法が簡便である。また、集電体の上に電極活物質層が形成された状態で電極活物質層の体積抵抗率を測定する場合は、所定の面積に電極板を切り出した電極シート及び集電体単体について厚さ方向の抵抗を測定し、計算によって電極活物質層単体の体積抵抗率を求める。
2)本発明における非水電解液二次電池用電極板が正極板の場合、電極活物質層の密度(プレス密度)を、1.8〜3g/cm、好ましくは2.0〜2.7g/cmとすることができる。電極活物質層は、通常、電極活物質層の体積エネルギー密度の向上、電極活物質層の凝集力(集電体への密着性)の改善、及び導電性を向上させるためにプレスされる。特にカーボンブラックのような微粒子状の導電材を使用する場合は、導電材粒子及び活物質粒子の効果的な接触を保つために圧延して電極活物質層を緻密化することが重要である。従って、急速充放電に必要な高い導電性を得るためにプレス密度は1.8g/cm以上とすることが望ましい。一方、必要以上に電極活物質層を圧延すると、電極活物質層中の空隙が潰れ、電極活物質層への電解液の浸透性が低下し、急速充放電時のイオンの移動が阻害されるため、プレス密度は3g/cm以下とすることが好ましい。尚、急速充放電を必要としない小型電池の正極板のプレス密度は、通常3g/cmよりも大きい。
3)急速放電時において、放電容量を維持することができる。すなわち、高出力特性を有することが分かる。
以上のようにして本発明に係る非水電解液二次電池用電極板が得られ、該電極板を用いて非水電解液二次電池を作製することができる。尚、本発明における非水電解液二次電池用電極板は、上述したように正極板及び負極板の少なくとも一方が、上記非水電解液二次電池用電極板であればよいが、特に正極板は、活物質として半導体のような比較的導電性の小さい材料を用いることが多く、負極板と比べて抵抗が高くなる傾向があるため、高出力特性を得るために本発明を適用することによる効果は大きい。
通常、正極板及び負極板を、ポリエチレン製多孔質フィルムのようなセパレータを介して渦巻状に捲回又は積層し、外装容器に挿入する。外装容器には一般に金属缶やラミネートフィルムによるパッケージなどが用いられる。挿入後、正極板及び負極板に取り付けられた(あるいは集電体の一部を用いて形成された)電流取り出し端子をそれぞれ、外装容器に設けた正極端子及び負極端子に接続する。外装容器がラミネートパッケージの場合は、電流取り出し端子をそのまま容器の外に取り出しても良い。その後、外装容器に非水電解液を充填し、密封することによって、本発明に係る電極板を備えた非水電解液二次電池が完成する。
リチウム系二次電池を作製する場合には、溶質であるリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、または、LiB(C、LiN(SOCF、LiC(SOCF、LiOSOCF、LiOSO、LiOSO、LiOSO、LiOSO11、LiOSO13、LiOSO15等の有機リチウム塩等が用いられる。
リチウム塩を溶解するための有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等を例示できる。より具体的には、環状エステル類としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等を例示できる。
鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。
環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等を例示できる。
鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等を例示することができる。
(実施例1)
正極用活物質として平均一次粒径が1μmのLiCoO粉末を100重量部、導電剤としてデンカブラック(商品名、電気化学工業株式会社製、DBP吸油量:140ml/100g)を14重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)14重量部を、溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が固形分50%になるように加え、上記混合物を分散して電極活物質層材料を調製した。
調製した電極活物質層材料を用いて以下に示す方法で体積抵抗率、及び急速放電特性を評価した。結果を表1に示す。
<体積抵抗率評価方法>
PETフィルム上に調製した電極活物質層材料を塗布、乾燥し、約120g/mの塗工量(活物質重量は約94g/m)のシートにし、約2.1g/cmの密度にプレスした後、低抵抗率計(ロレスターEP、三菱化学株式会社製)を用いてJIS K7194に準じて四端子四探針法にて体積抵抗率を測定した。
<急速放電特性評価方法>
厚さ15μmのアルミ箔上に、調製した電極活物質層材料を塗布、乾燥し、約120g/mの塗工量(活物質重量は約94g/m)の正極板を得た。該正極板を約2.1g/cmの密度にプレスした後、φ15mmの形状に打ち抜き、真空乾燥した後、コインセルにて急速放電特性を評価した。
作成した正極板を作用極、金属リチウムを対極及び参照極、多孔性ポリエチレンシートをセパレータとして用い、電解液に1M LiPF/エチレンカーボネート+ジメチルカーボネート(体積比1:1)を使用して三極式のコインセルを作成する。
また、正極板の電極活物質層重量中の活物質量および活物質の理論容量(mAh/g)(130mAh/gとする)から放電レート1Cを算出した。尚、1時間で満充電から完全放電する電流値を1C(mA)という。さらに、満充電から6分間で完全放電する電流値を10C(mA)と定めた。
次に、上記セルを25℃である環境下にて、参照極に対して、1Cで4.2Vになるまで充電し、充電電流を上記算出した放電レート1Cの5%以下となるまで4.2Vにて定電圧充電を行い、充電を完了した。その後、10分間休止し、参照極に対して、放電電流は一定の1Cで3.0Vになるまで放電した。
横軸を放電容量(放電時間)、縦軸をセル電圧として、1Cにおける充放電カーブを算出し、1Cにおける放電容量(mAh/g)を求めた。
同様に、上記において放電レート1Cであるところを10Cに替えて、10Cにおける放電容量を求め、1C/10C放電容量比を求めた。
(比較例1)
導電剤としてカーボンブラックSuperP Li(商品名、Timcal社製、DBP吸油量:290ml/100g)を使用した以外は、実施例1同様に電極活物質層材料を調製し、体積抵抗率、及び急速放電特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
導電剤としてグラファイトKS−4(商品名、Timcal社製)を使用した以外は、実施例1同様に電極活物質層材料を調製し、体積抵抗率、及び急速放電特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007103041
実施例1及び比較例2においては、調製した各電極活物質層材料を集電体に塗布して電極板を作製することができたが、比較例1の電極活物質層材料は流動性がほとんどなく、集電体に塗布することができなかった。そのため、比較例1においては、電極板の作製、体積抵抗率及び急速放電特性の評価ができなかった。
体積抵抗率は、実施例1において3.1Ω・cm、比較例2において5400Ω・cmであった。
急速放電特性は、実施例1において1C/10C放電容量比が92%であった。一方、比較例2については、体積抵抗率が大きいため、測定を行なうことができなかった。

Claims (9)

  1. 集電体の少なくとも一面に、電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板であって、該電極活物質層は、平均一次粒径が0.1〜5μmである活物質、及びDBP吸油量が100〜160ml/100gであるカーボンブラックを、該活物質100重量部に対してカーボンブラック7〜25重量部の割合で含有することを特徴とする非水電解液二次電池用電極板。
  2. 前記カーボンブラックが、アセチレンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  3. 前記カーボンブラックの平均一次粒径が、10〜100nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  4. 前記電極活物質層は、さらに結着剤を活物質100重量部に対して6.5〜25重量部の割合で含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板。
  5. 正極板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板。
  6. 前記電極活物質層の体積抵抗率が4Ω・cm以下であることを特徴とする請求項5に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  7. 前記電極活物質層の密度(プレス密度)が、1.8〜3g/cmであることを特徴とする請求項5又は6に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  8. 少なくとも正極板、負極板、及び電解液を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び該負極板の少なくとも一方が、請求項1乃至7のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板であることを特徴とする非水電解液二次電池。
  9. 前記正極板が、請求項5乃至7のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板であることを特徴とする請求項8に記載の非水電解液二次電池。
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