JP2001052707A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2001052707A
JP2001052707A JP11226166A JP22616699A JP2001052707A JP 2001052707 A JP2001052707 A JP 2001052707A JP 11226166 A JP11226166 A JP 11226166A JP 22616699 A JP22616699 A JP 22616699A JP 2001052707 A JP2001052707 A JP 2001052707A
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Tetsuo Kobayashi
哲郎 小林
Yoshio Ukiyou
良雄 右京
Naruaki Okuda
匠昭 奥田
Yoshiaki Ebine
美明 恵比根
Takahiko Honma
隆彦 本間
Tatsuo Noritake
達夫 則竹
Yoji Takeuchi
要二 竹内
Hideyuki Nakano
秀之 中野
Itsuki Sasaki
厳 佐々木
Kazuhiko Mukai
和彦 向
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価な材料コストで、高温度での充放電サイ
クル寿命に優れ、さらに負荷特性、出力特性、回生特性
に優れたリチウム二次電池を提供すること。 【解決手段】 組成式LiNi1−X(MはT
i,Mn,Co,Al,Gaから選ばれる1種又は2種
以上の元素の組合せからなり、0≦x<1)で表される
正極活物質と、正極活物質に導電性を付与する導電性物
質と、正極活物質と導電性物質とを結着させるフッ素系
有機バインダとからなる合材を集電体シート面に塗工し
た正極シートが用いられるリチウム二次電池において、
前記導電性物質が非晶質の、BET比表面積500m
/g以下で、かさ密度0.1g/cc以上の炭素系物質
であり、さらに集電体シート面に塗工される合材の密度
が2.0〜3.5g/cmの範囲であり、かつ正極
シートの面積比抵抗が100mΩcm以下とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
に関し、さらに詳しくは、リチウムニッケル系複合酸化
物を正極活物質とするリチウム二次電池に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、市販のリチウムイオン二次電池の
正極活物質には、LiCoO,LiMn,もし
くは、これらを基本とする元素置換体が用いられてい
る。また、これらのリチウムイオン二次電池の主用途
は、携帯電話やノート型パソコン用の小型のものであ
る。
【0003】一方、家庭のロードレベリング用や電気自
動車用の大型リチウムイオン二次電池の開発も進められ
ているが、市販には至ってはおらず、LiCoOを用
いた大型リチウムイオン二次電池を積んだ電気自動車が
リースとして提供されているに過ぎない。
【0004】ところで、携帯電話やノート型パソコン用
の小型のリチウムイオン二次電池は、寿命が大事であ
り、寿命を延ばすための多くの検討がされてきた。しか
し、高負荷特性や高出力特性は要求されないため、これ
らについての検討はほとんどされていない。
【0005】一方、電気自動車用リチウム二次電池の場
合には、高負荷特性や高出力特性が要求されるが、先に
も述べたように、この電池は市場に広く出回ってはおら
ず、開発途上であるため、高負荷特性や高出力特性の検
討も少ない。
【0006】このような技術的背景にあって、現在、主
に用いられているLiCoO正極活物質は、Coが資
源的に乏しく、高価であるために、電池コストを引き上
げる要因の1つになっており、特に大型電池には、コス
ト的に適さない活物質である。
【0007】また、LiMn正極活物質について
は、資源的に豊富であり、また、マンガン1次電池など
で、原料が普及しているため、コスト面でLiCoO
よりかなり有利であるが、充放電のサイクル寿命特性や
保存特性、特に高温においての寿命、保存特性が悪いた
め、まだ、リチウムイオン二次電池の主たる活物質には
なっていない。しかもこのLiMnは、温度を4
0℃以下と規定した携帯電話用電池にのみ使用されてお
り、例えば、温度が60℃以上にまで上昇する電気自動
車用電池には適さない。
【0008】そこで、LiCoOと同じ結晶構造を持
つリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)系の正
極活物質が注目されている。このLiNiO系正極活
物質は、LiCoOに比べて安価であり、過去にはサ
イクル寿命特性が悪いという欠点を抱えていたが、置換
体などの検討により充放電のサイクル特性も向上し、高
温度(60℃)の使用環境における耐久性も満足できる
レベルにきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リチウ
ム二次電池としての高負荷特性や高出力特性を得るため
には、正極活物質のみならず、これに導電性を付与し、
正極の反応を補助する導電助材を適正に選択することも
重要な問題である。
【0010】従来、この種の導電助材には、一般に炭素
材が用いられているが、この炭素材には、非晶質系、グ
ラファイト系など、そして更に、比表面積、粒径などを
パラメータとして、数限りない種類が存在する。これら
の無数の炭素種の中から、正極の導電助材として最適な
ものを選ぶには、それら炭素を正極導電助材として電池
を作製し、特性評価し、各々を比較する方法が最も確実
であるが、いちいち電池を作製するのは面倒であり、最
適な炭素材料を見い出すことは困難であった。
【0011】そして過去には、炭素粉体の電導度や、比
表面積、粒径、形状などをパラメータにして正極導電助
材としての最適値を見出そうとしたが、炭素の性質は複
雑であり、既存のパラメータだけでは測れないものがあ
った。
【0012】また、正極導電助材用炭素材の検討方法と
して、LiMnを正極活物質とした電池におい
て、LiMn粉末と炭素粉末を90:10の重量
比で混合し、それの圧粉体の抵抗を測定し、その抵抗値
が低いものが、電池の高負荷特性に優れるという報告
(第39回電池討論会(1998)講演番号1C10)
があるが、この評価方法は、LiMnのように、
活物質粉体の電導度が低い場合に有効であっても、Li
NiO系置換体活物質のように、活物質粉体の電導度
が高い場合には、抵抗値の差が出難く、この方法を用い
ることができない。
【0013】本発明が解決しようとする課題は、LiN
iO系置換体を正極活物質に用い、かつ、この正極活
物質に適した導電助材種およびその物性値等を適正に選
択することにより、安価な材料コストで、高温度の使用
環境における充放電サイクル寿命に優れ、さらに高負荷
特性、高出力特性、高回生特性に優れたリチウム二次電
池を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、組成式LiNi1−X(Mは、T
i,Mn,Co,Al,Gaから選ばれる1種又は2種
以上の元素の組合せからなり、0≦x<1)で表される
正極活物質と、正極活物質に導電性を付与する導電性物
質と、正極活物質と導電性物質とを結着させるフッ素系
有機バインダとからなる合材を集電体シート面に塗工し
た正極シートが用いられるリチウム二次電池において、
前記導電性物質が非晶質の、BET比表面積500m
/g以下で、かさ密度0.1g/cc以上の炭素系物質
であり、さらに集電体シート面に塗工される合材の密度
が2.0〜3.5g/cmの範囲にあり、かつ正極シ
ートの面積比抵抗が100mΩcm以下であることを
要旨とするものである。
【0015】この場合に、正極活性物として、組成式L
iNi1−X(Mは、Ti,Mn,Co,A
l,Mg,Gaから選ばれる1種又は2種以上の元素の
組合せからなり、0≦x<1)で表される層状岩塩型結
晶構造のリチウムニッケル複合酸化物を用いることによ
り、60℃以上の高温度での充放電サイクル寿命特性や
保存性が改善され、スピネル型結晶構造のLiMn
の欠点である高温使用環境での劣化の問題が解消され
る。
【0016】また、導電性物質としては、天然黒鉛、人
造黒鉛、コークス、カーボンブラック等を挙げることが
できるが、非晶質の、BET比表面積500m/g以
下で、かさ密度0.1g/cc以上の炭素系物質である
ことが必要である。導電性物質が結晶質のものであった
り、BET比表面積が500m/g以上、あるいは、
かさ密度が0.1g/cc以下であったりすると、充放
電の負荷特性として容量維持率が低下し、また電気電力
(パワー)特性や回生特性が十分に得られない。
【0017】さらにフッ素系有機バインダは、正極活物
質および導電性物質の粒子を繋ぎ止める役割を果たすも
ので、非水電解液等に対して安定である必要があり、耐
候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等が良好なことが要求
される。例えば、テトラフルオロエチレン重合体、フッ
化ビニリデン重合体(PVDFなど)、フッ素ゴム等の
含フッ素ポリマーが好適なものとして用いられる。
【0018】正極の集電体シートは、正極活物質と導電
性物質とフッ素系有機バインダとからなる合材を保持
し、電池使用時にはこの合材における反応電流を集電
し、電池ケースに電流を伝える役割を果たすもので非水
電解液等に対して安定である必要があり、また比較的高
電位にさらされても安定であることが要求される。例え
ば、アルミニウム箔が好適なものとして用いられる。
【0019】そして、集電体シート面に塗工されるこれ
ら正極活物質と導電性物質とフッ素系有機バインダとか
らなる合材の密度が2.0〜3.5g/cmの範囲に
あり、かつ正極シートの面積比抵抗が100mΩcm
以下であることが必要であり、この範囲外では、やはり
充放電の負荷特性が低下し、またパワー特性や回生特性
が十分に発揮されない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施例を
詳細に説明する。本実施例では、正極活物質にLiNi
0.8Co0.15Al0.05を、負極活物質に
人造黒鉛を用いたリチウムイオン二次電池について検討
した例を述べる。正極導電助材用炭素材は、次の表1に
示した4種類を用いて比較検討した。この表1におい
て、導電助材Dは、結晶質の黒鉛を用いており、他の導
電助材A,B,Cは、いずれも非晶質のものである。そ
の中で導電助材CはBET比表面積が1270m/g
と大きく、かさ密度が0.01g/ccと小さい。本実
施例品の導電助材A,Bは、適度に造粒されているもの
である。
【0021】
【表1】
【0022】これらの導電助材に対し、バインダー量を
定めた。フッ素系バインダーにはポリフッ化ビニリデン
(PVDF)を用いた。12%PVDF/n−メチル−
2−ピロリドン溶液に各導電助材を超音波ホモジナイザ
ーにより分散混合させて得られたペーストを、ドクター
ブレード法によりキャストし、それを乾燥させてフィル
ムを得た。この時、フィルム中のPVDFバインダー1
00gに対する導電助材量(g)(「PHR」と呼ぶ)
をパラメータとして、フィルムの比抵抗を測定した。
【0023】その結果を図1に示す。図1において、横
軸に導電助材量(PHR)を採り、縦軸に比抵抗(Ωc
m)を採っている。この図1より比抵抗が10Ωcm以
下になるための導電助材量は、導電助材A,Bで約33
(PHR)、導電助材Cで約10(PHR)、導電助材
Dで約67となった。フィルムの導電性を十分に確保す
るためには、この値以上の導電材量が必要であるが、こ
れに正極活物質を混合した正極合材を作製する場合に
は、これら導電助材量の3倍を目安とした。
【0024】次にリチウム二次電池用の正極を作製し
た。正極活物質には、LiNi0.8Co0.15Al
0.05を用いた。本実施例の比較において、正極
活物質とPVDFバインダーの重量比は85:5に統一
した。これよりも、バインダーが少ないと、正極合材と
正極集電体との接着性が確保できない。この接着性の点
からは、活物質を85重量比に対し、バインダーは3重
量比以上は必要である。一方、バインダーが多い場合に
は、活物質をバインダーが覆ってしまい、正極反応にお
いて、活物質へのLiイオンの出入りや、酸化還元を行
うための電子の授受が阻害されてしまう。この点から、
活物質を85重量比に対し、バインダーは15重量比以
下が良い。以上のことから、各導電助材において、次の
表2に示した組成で正極を作製した。
【0025】
【表2】
【0026】正極の作成方法は、まず、正極活物質と導
電助材を乾式にてミキサー混合し、これに12%PVD
F/n−メチル−2−ピロリドン溶液を加え、更にn−
メチル−2−ピロリドン液を加えて粘度を調整しなが
ら、混練した。こうして得られたペーストを塗工機に
て、厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾
燥させ、n−メチル−2−ピロリドン溶媒分を除去し
た。合材塗工量は、8.5mg/cmとした。そし
て、プレスを行い、種々の合材密度の正極を作製した。
プレスを行うのは、正極の密度を上げることによって、
体積当たりのエネルギーを向上させるためであり、電池
作製プロセスにおいて、必ず行われる操作である。
【0027】この種々の合材密度の正極シート(20μ
m厚のアルミ箔の両面に正極合材を設けたシート)の面
積比抵抗を測定した。その結果が図2である。図2にお
いて、横軸に合材密度(g/cm)を採り、縦軸に面
積比抵抗(mΩcm)を採っている。
【0028】この図2より、本実施例Aおよび本実施例
Bは、合材密度2.0〜3.5g/cmの範囲で、面
積比抵抗がおよそ10〜100mΩcmの範囲に納ま
り、しかもその面積比抵抗の値が合材密度の上昇ととも
に低下する傾向にあることがわかる。これに対して、比
較例Cおよび比較例Dは、合材密度2.0〜3.5g/
cm の範囲で、面積比抵抗がおよそ100mΩcm
以上となり、しかもその面積比抵抗の値が合材密度の
上昇とともに上昇している。
【0029】このように合材密度と面積比抵抗の関係が
本実施例A,Bと、比較例C,Dとで違う理由として
は、本実施例A,Bの場合非晶質の炭素粉末を適度に造
粒したことにより面積比抵抗の増大が抑制されたためで
あると考えられるものである。
【0030】次に合材密度2.8g/cmの正極を用
いて、電池を作製し、放電負荷特性、充電負荷特性、1
0秒間出力特性、10秒間回生特性を測定した。電池作
製方法について述べる。正極は、塗工部として、5.4
cm×45cm=243cm を設けた。一方負極の作
製方法は、まず、人造黒鉛粉末に12%PVDF/n−
メチル−2−ピロリドン溶液を加え、更にn−メチル−
2−ピロリドン液を加えて粘度を調整しながら、混練し
た。こうして得られたペーストを塗工機にて、厚さ10
μmの銅箔の両面に塗布し、乾燥させ、n−メチル−2
−ピロリドン溶媒分を除去した。負極組成は、人造黒
鉛:PVDFバインダー=95:5重量比とした。
【0031】また、負極合材塗工量を6mg/cm
し、次に1.25g/cmの負極合材密度になるまで
プレスした。負極の塗工部は、5.6cm×50cm=
280cmとした。正極シートと負極シートはとも
に、上記塗工部外に未塗工部を設け、集電リードを溶接
した。これら正極シートと負極シートを厚さ25μmの
ポリエチレン製セパレータと共に捲回し、スパイラル状
の巻き電極を作製した。これを、18mmv×650m
mの電池缶に挿入し、正極と負極の集電リードを各々、
キャップおよび外缶に溶接し、電解液を注入して、最後
にキャップをかしめて、電池を作製した。
【0032】電解液には、エチレンカーボネート(E
C)とジエチルカーボネート(DEC)とを1:1の体
積比で混合した溶液中に、1M(モル)の6フッ化リン
酸リチウム(LiPF)を溶解した1M(モル)Li
PF/EC+DEC(1:1体積比)を用いた。
【0033】次に放電負荷特性の測定方法について述べ
る。測定温度は20℃とした。充電は一律1/3Cの電
流値で、4.1Vまでの定電流定電圧充電を行った。総
充電時間は5時間とした。放電は電流値を約1/3Cか
ら約9Cまで変えて、3Vまでの定電流放電を行った。
1/3C放電時の容量を100として、高時間率放電で
の容量変化から、放電負荷特性を見た。4種類の導電助
材を用いた各々の電池の放電負荷特性を図3に示す。図
3において、横軸に時間率(C)を採り、縦軸に容量維
持率(%)を採っている。
【0034】この図3から、本実施例A(導電助材A使
用)および本実施例B(導電助材B使用)は、放電電流
値を上げても容量維持率の低下はあまり認められない
が、比較例C(導電助材C使用)および比較例D(導電
助材D使用)は、放電電流値を上げると容量維持率の低
下が大きいことがわかる。
【0035】次に充電負荷特性の測定方法について述べ
る。測定温度は20℃とした。放電を一律1/3Cの電
流値とし、3Vまで定電流放電を行った。その後、1時
間休止させ、この状態から充電を行った。電流値を約1
/3Cから約9Cまで変えて、4.1Vまでの定電流充
電を行った。1/3C充電時の容量を100として、高
時間率充電での容量変化から、充電負荷特性を見た。4
種類の導電助材を用いた各々の電池の充電負荷特性を図
4に示す。図4において、横軸に時間率(C)を採り、
縦軸に容量維持率(%)を採っている。
【0036】この図4から、本実施例A(導電助材A)
および本実施例B(導電助材B)は、充電電流値を上げ
ても容量維持率の低下はあまり認められないが、比較例
C(導電助材C)および比較例D(導電助材D)は、充
電電流値を上げると容量維持率の低下が大きいことがわ
かる。
【0037】そして、この図3および図4のデータによ
れば、本実施例AおよびBの場合、急速に放電あるいは
充電を行っても十分に容量が維持され、急速放電、急速
充電に対応できることを示している。
【0038】次に出力特性の測定方法について述べる。
測定温度は20℃とした。充電状態をSOC(Stat
e of charge)で、約30%、約50%、約
70%に調整し、この状態から、1/3C,1C,3
C,6C,8C,10Cの電流値で各々、10秒間放電
した。そして、放電下限を3Vとした際に、10秒間に
流すことの出来る最大電流値を求め、その電流値をI
とし、また、素子部の重量(正極シート+負極シート+
セパレータ+電解液の重量)をWcellとして、3×
/Wcellの式から、出力密度(W/kg)を求
めた。10Cの放電にて、電圧降下が3Vに達しない場
合には、各電流値と各電圧降下値の関係から、外挿して
求めた。4種類の導電助材を用いた各々の電池の出力特
性を図5に示す。横軸にSOC(%)を採り、縦軸に出
力密度(W/kg)を採っている。
【0039】この図5から、本実施例A(導電助材A)
および本実施例B(導電助材B)は、SOC20〜80
%の範囲で、比較例C(導電助材C)および比較例D
(導電助材D)よりも高い出力密度が得られることがわ
かる。
【0040】次に回生特性の測定方法について述べる。
測定温度は20℃とした。充電状態をSOCで、約30
%、約50%、約70%に調整し、この状態から、1/
3C,1C,3C,6C,8C,10Cの電流値で各
々、10秒間充電した。そして、充電上限を4.1Vと
した際に、10秒間に流すことの出来る最大電流値を求
め、その電流値をIとし、また、素子部の重量(正極
シート+負極シート+セパレータ+電解液の重量)をW
cellとして、4.1×I/Wcellの式から、
回生密度(W/kg)を求めた。4種類の導電助材を用
いた各々の電池の回生特性を図6に示す。横軸にSOC
(%)を採り、縦軸に回生密度(W/kg)を採ってい
る。
【0041】この図6から、本実施例A(導電助材A)
および本実施例B(導電助材B)は、SOC20〜80
%の範囲で比較例C(導電助材C)および比較例D(導
電助材D)よりも高い回生密度が得られることがわか
る。
【0042】図3〜6から、放電負荷特性、充電負荷特
性、出力特性、回生特性において、導電助材A,Bを用
いた電池が性能に優れ、導電助材C,Dを用いた電池が
性能に劣ることがわかる。更に、図2と比較するれば、
合材密度の上昇と共に正極シートの面積比抵抗が増加せ
ず、合材密度が2.0〜3.5g/cmで、100m
Ωcm以下である場合に、上記の電池特性が優れるこ
とがわかる。
【0043】導電助材C,Dについては、図1から、導
電性を確保するための十分な量を用いたにも関わらず、
図2のように、正極シートの抵抗は、密度の上昇と共に
増加する傾向を示す。先にも述べたように、電池作製に
おいて、プレスによる合材密度の向上は、エネルギー密
度向上の点から、不可欠であるため、導電助材C,Dの
ような図2の挙動を示すものは、高負荷、高出力、高回
生特性を要求される電池には適さない。導電助材C,D
の挙動の理由については、明らかではないが、次のよう
に予想している。
【0044】導電助材Cは、かさが大きいために、プレ
ス時に、導電パスが切れてしまう。導電助材Dは、鱗片
状であるため、プレス時に鱗片の面の向きが揃い、面の
垂直方向の導電性がなくなるために抵抗が大きくなると
考えられる。そして、それ以上密度を上げた場合には、
配向した鱗片状炭素が接触するようになって導電性が向
上するが、これによる抵抗の低下は僅かである。
【0045】このようなことから、図2で説明したよう
に、合材密度と正極シートの面積比抵抗の関係におい
て、密度上昇と共に抵抗値が小さくなるか、抵抗値が変
化しないような性質を持つ導電助材、すなわちこの実施
例では導電助材A,Bを用いたものが良い結果が得られ
ることが分かる。
【0046】本発明は、上記した実施の形態に何ら限定
されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々の改変が可能である。例えば、上記実施例では正極
活物質に組成式LiNi0.8Co0.15Al
0.05のものを用いたが、勿論これらにとらわれ
るものではなく、LiNiOのNiを一部他の元素T
i,Mn,Co,Al,Mg,Gaで置換した組成物に
も適用されることは本発明の趣旨より明らかである。
【0047】
【発明の効果】本発明のリチウム二次電池によれば、L
iNiO系の正極活物質を用いることにより、電池性
能、特に高温度での電池性能において優れるのみなら
ず、それに添加される導電性物質に非晶質のBET比表
面積が500m/g以下であって、かさ密度が0.1
g/cc以上の炭素系物質を採用し、さらに集電体シー
ト面に塗工されるこれらの正極活物質と導電性物質とこ
れらを結着させるフッ素系有機バインダとの合材密度を
2.0〜3.5g/cmとし、かつ正極シートの面積
比抵抗を100mΩcm以下とすることにより、高負
荷特性、高出力特性、高回生特性が得られるものであ
る。したがって本発明のリチウム二次電池を高温度での
使用環境に置かれる電気自動車の電源などに適用するこ
とは、電池性能面で極めて有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における各種導電助材のPVD
Fバインダ100gに対する配合重量(PHR)とそれ
をフィルム状にした時のフィルムの比抵抗(Ωcm)と
の関係を示した図である。
【図2】正極シートに塗工される合材の密度(g/cm
)と正極シートの面積比抵抗(mΩcm)との関係
を示した図である。
【図3】各種導電助材の正極シートを用いたリチウム二
次電池の放電負荷特性の試験データを示した図である。
【図4】同じく充電負荷特性の試験データを示した図で
ある。
【図5】同じく電気出力(パワー)特性の試験データを
示した図である。
【図6】同じく回生特性の試験データを示した図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 匠昭 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 恵比根 美明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 本間 隆彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 則竹 達夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 竹内 要二 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 中野 秀之 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐々木 厳 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 向 和彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 5H003 AA01 BB05 BB11 BB15 BB32 BB48 BC01 BD03 BD05 5H014 AA02 AA04 EE01 EE07 HH01 HH04 HH06 HH08 5H029 AJ02 AJ06 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 DJ08 DJ18 EJ04 EJ12 HJ02 HJ07 HJ08 HJ20

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式LiNi1−X(Mは、
    Ti,Mn,Co,Al,Gaから選ばれる1種又は2
    種以上の元素の組合せからなり、0≦x<1)で表され
    る正極活物質と、正極活物質に導電性を付与する導電性
    物質と、正極活物質と導電性物質とを結着させるフッ素
    系有機バインダとからなる合材を集電体シート面に塗工
    した正極シートが用いられるリチウム二次電池におい
    て、前記導電性物質が非晶質の、BET比表面積500
    /g以下で、かさ密度0.1g/cc以上の炭素系
    物質であり、さらに集電体シート面に塗工される合材の
    密度が2.0〜3.5g/cmの範囲にあり、かつ正
    極シートの面積比抵抗が100mΩcm以下であるこ
    とを特徴とするリチウム二次電池。
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