JP5070680B2 - 非水電解液二次電池用電極板、その製造方法、および非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用電極板、その製造方法、および非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池用電極板、その製造方法、およびそれを用いた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギー密度、高電圧を有し、また充放電時におけるメモリー効果(完全に放電させる前に電池の充電を行なうと次第に電池容量が減少していく現象)が無いことから、携帯機器、大型機器など様々な分野で用いられている。
一般的な非水電解液二次電池の構成を単純化すると、正極板、負極板、セパレータ及び電解液からなり、該正極板及び負極板としては、金属箔等の集電体の上に、電極活物質層として塗工膜を形成したものが用いられている。
電極活物質層は通常、活物質、結着剤、必要に応じて導電剤、及びその他の材料を溶媒中で混練及び分散してスラリー状の電極活物質層用塗工組成物に調製し、該電極活物質用塗工組成物を集電体上に塗布及び乾燥して形成される。
近年では特に電気自動車、ハイブリッド自動車、パワーツール等のような高出力特性が必要とされる分野に向けて非水電解液二次電池の開発が進んでいるが、高出力を実現するためには電池のインピーダンスを下げる必要がある。インピーダンスが高い電池では、高出力充放電時にその容量を十分に生かすことができず、また、ジュール熱による発熱などの問題も生じる。
電池のインピーダンスを下げるには、電極板のインピーダンスを下げることが効果的である。電極板のインピーダンスを下げる手段の1つとしては、電極板に形成される電極活物質層を薄膜化し、電極面積を大きくする方法がある。例えば、リチウムイオン二次電池においては、非水電解液の抵抗が水系電解液の抵抗に比べて高いため、その開発当初から、鉛蓄電池等の他の電池に比べて、膜厚が薄く面積の大きい電極活物質層を有する電極板を使用することにより、電極板のインピーダンスを低く抑え、さらに、正負極板間の配置距離を短くして、電池のインピーダンスを低く抑えている。
このように電極活物質層を薄膜化する理由は、電極板において電極活物質層は、集電体を通して授受される電子と電解液を通して授受されるカチオンの存在下、活物質の化学反応によって充放電が起きる場所であるため、電極活物質層自体の体積抵抗率が同じである場合、電極活物質層を薄膜化し、電極面積を大きくした方が、電極活物質層を薄膜化しない場合よりも、電極活物質層の導電性を上げる(集電体と活物質の間の電子移動抵抗を下げる)又は電解液から供給されるカチオンの伝導性を上げる(活物質層中のカチオンの移動抵抗を下げる)ことができ、その結果、電極板としてのインピーダンスを下げることができるからである。
また、電極板のインピーダンスを下げる別の手段としては、電極活物質層自体の体積抵抗率を下げる方法がある。これは、電極活物質層材料に導電剤を添加する方法等により実現することができる。通常、この場合の導電剤としては、カーボン等が用いられることが多い。
しかしながら、電極活物質層の薄膜化を進めていくと、相対的に集電体、セパレータ及び電解液の電池の体積及び重量に占める割合が増加するため、体積エネルギー密度(単位体積あたりの電池容量)及び重量エネルギー密度(単位重量あたりの電池容量)が低下するという問題が生じる。
また、電極活物質層の薄膜化により電極面積を大きくすることは、必要とする集電体及びセパレータの量を増加させることになり、材料コストの増加につながる。
さらに、前記電極活物質層自体の体積抵抗率を下げる方法においては、電極活物質層材料への導電剤の添加量を増やすと、電極活物質層材料の塗工適性の低下及び粒子の分散不良、さらに電極活物質層の塗膜強度の低下などの問題が発生しやすく、単純に導電剤の添加量を増加することは難しかった。
上述したように、電極板のインピーダンスを下げるために、電極板に形成する電極活物質層を薄膜化する方法や、導電剤の添加量の増加により電極活物質層自体の体積抵抗率を下げる方法には限界がある。
本発明は、上記の実状に鑑みて成し遂げられたものであり、その第1の目的は、集電体と該集電体の少なくとも一面に電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板において、エネルギー密度を低下させることなく電極板の単位面積あたりの活物質量を増加させることができ、さらに出力特性の改善が可能で、導電剤を極端に増加させなくても出力特性に優れた非水電解液二次電池用電極板を提供することにある。
本発明の第2の目的は、集電体と該集電体の少なくとも一面に電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、エネルギー密度を低下させることなく電極板の単位面積あたりの活物質量を増加させることができ、さらに出力特性の改善が可能で、導電剤を極端に増加させなくても出力特性に優れた非水電解液二次電池用電極板の製造方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、上述したような非水電解液二次電池用電極板を含有する出力特性に優れた非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備える非水電解液二次電池用電極板であって、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有することを特徴とする。
上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造は、前記導電層と前記集電体及び/又は他の導電層とをそれらの間に介在する前記電極活物質層の周辺部よりも外側で接続した導通路を設けることにより前記電気的導通を可能にしたことが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造において、前記電極活物質層を通過する導通路を設けることにより前記電気的導通を可能にしたことが好ましい。
前記導通路は、前記電極活物質層の厚さ方向に貫通するように設けられた導通用貫通路に、該電極活物質層を介して対向する前記導電層の少なくとも一方を構成する材料を充填して形成されたことが好ましい。
また、前記導通路は、前記電極活物質層に導電剤を含有させることにより形成されたことが好ましい。
前記導電剤は、前記電極活物質層の厚さに対して0.5〜2倍の粒径を有する粒子であってもよい。
前記導電剤は、炭素、金属、金属酸化物、導電性ポリマー、又はこれらから任意に選ばれる2種以上の混合物で被覆された材料であってもよい。
また、前記導電剤は、粒子状又は繊維状又はそれらを混合した材料であってもよい。
また、前記導通路は、前記電極活物質層の上に前記導電層を形成する時に、該電極活物質層中に粒子が存在することによって形成された空隙に、該導電層の材料が食い込んで形成されたことが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造において、前記充放電可能な積層構造を通過する導通路を設けることにより前記電気的導通を可能としたことが好ましい。
前記導通路は、前記充放電可能な積層構造の厚さ方向に貫通するように設けられた導通用貫通路に、前記導電層の少なくとも1層を構成する材料を充填して形成されたことが好ましい。
前記導通路は、前記充放電可能な積層構造を貫通するように設置された導電性部品であってもよい。
前記導電性部品は、導電性材料、又は導電性材料で表面を被覆した材料であってもよい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造において、導電層がイオン伝導性を持つ材料を含むことが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造に含まれる活物質層から任意に選ばれる2層の活物質層の空隙率P、Pが、P(集電体に近い活物質層)≦P(集電体から遠い活物質層)であることが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造に含まれる導電層と電極活物質層の空隙率について、Q(任意に選ばれる導電層の空隙率)≧P(該導電層の集電体側に隣接する電極活物質層の空隙率)であることが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造に含まれる導電層と電極活物質層の体積抵抗率について、R(各導電層の体積抵抗率のうちの最大値)<R(各電極活物質層の体積抵抗率のうちの最小値)であることが好ましい。
前記導電層の体積抵抗率は、1Ω・cm以下であることが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造に含まれる活物質層から任意に選ばれる2層の活物質層の厚さT及びTが、T(集電体に近い活物質層)≧T(集電体から遠い活物質層)であることが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造に含まれる各活物質層及び各導電層の厚さが、いずれも100μm以下であることが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板においては、前記充放電可能な積層構造において、(各導電層の厚さの合計)<[(該積層構造の厚さ)×0.5]であることが好ましい。
本発明における非水電解液二次電池用電極板の製造方法は、集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備え、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、少なくとも導電剤を含む導電層材料を該集電体又は該導電層上に塗布及び乾燥して導電層を形成する工程を含むことを特徴とする。
また、非水電解液二次電池用電極板の製造方法は、集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備え、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、少なくとも導電剤を含む導電層材料を該集電体又は該電極活物質層上に蒸着、スパッタ、溶射の手段により、前記導電層を直接形成する工程を含むことを特徴とする。
上記非水電解液二次電池用電極板の製造方法においては、前記導電層を形成する工程において、マスキングにより同時に空隙を形成することを特徴とすることが好ましい。
本発明における非水電解液二次電池用電極板の製造方法は、集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備え、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、活物質を含む活物質層材料を該集電体又は該電極活物質層上に塗布及び乾燥して活物質層を形成する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明における非水電解液二次電池用電極板の製造方法は、集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備え、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、活物質を含む活物質層材料を該集電体又は該導電層上に蒸着、スパッタ、溶射の手段により、前記活物質層を直接形成する工程を含むことを特徴とする。
上記非水電解液二次電池用電極板の製造方法においては、前記電極活物質層を直接形成する工程において、マスキングにより同時に空隙を形成することが好ましい。
また、上記非水電解液二次電池用電極板の製造方法においては、前記集電体に前記充放電可能な積層構造が形成された後、該積層構造が形成された該集電体を圧延する工程を含むことが好ましい。
本発明における非水電解液二次電池は、少なくとも正極板、負極板、及び電解質を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び該負極板の少なくとも一方が、上記非水電解液二次電池用電極板であることを特徴とする。
本発明によれば、集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備える非水電解液二次電池用電極板であって、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有するため、出力特性を低下させることなく電極単位面積あたりの活物質量を増やすことができ、電極板の重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度も向上できる。従って、集電体及びセパレータの量を低減することができるため、材料コストの削減が可能である。
また、本発明によれば、電極板の単位面積あたりの活物質量が同じであっても、電極活物質層と導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を電極板に有するため、各層を薄膜化して積層数を増やすことにより、出力特性を向上させることができる。従って、重量エネルギー密度及び体積エネルギー密度を大きく低下させることなく、出力特性の改善が可能である。
さらに、本発明によれば、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する導電層を設けるため、活物質層内の導電剤量を極端に増やすことなく、出力特性を向上させることができる。従って、電極活物質層材料の塗工適性の低下及び粒子の分散不良、電極活物質層の塗膜強度の低下などの問題を改善することができる。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備える非水電解液二次電池用電極板であって、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有することを特徴とするものである。
本発明に用いる正極板は、少なくとも正極活物質を含有する正極用活物質層材料による2層以上の電極活物質層と少なくとも導電剤を含有する導電層材料による1層以上の導電層を交互に積層させて、充放電可能な積層構造を集電体上に形成することによって作製される。
一方、負極板は、少なくとも負極活物質を含有する負極用活物質層材料による2層以上の電極活物質層と少なくとも導電剤を含有する導電層材料による1層以上の導電層を交互に積層させて、充放電可能な積層構造を集電体上に形成することによって作製される。
まず、電極活物質層材料について説明する。正極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の正極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、LiMn24(マンガン酸リチウム)、LiCoO2(コバルト酸リチウム)若しくはLiNiO2(ニッケル酸リチウム)等のリチウム酸化物、または、TiS2、MnO2、MoO3もしくはV25等のカルコゲン化合物を例示することができる。特に、LiCoOを正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系2次電池が得られる。
正極活物質は、塗工層中に均一に分散させるために、平均粒径が0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの正極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。尚、電解液に含まれるイオンと活物質によって電池反応は起きるため、電解液が活物質を含む電極活物質層に染み込めるような空隙(活物質および後述する結着剤及び導電剤等が存在しない空間)が、電極活物質層を形成した時にできるように、活物質の粒径、形状等を選択する。
一方、負極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の負極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、天然グラファイト、人造グラファイト、アモルファス炭素、カーボンブラック、または、これらの成分に異種元素を添加したもののような炭素質材料が好んで用いられる。また、金属リチウム及びその合金、スズ、シリコン、及びそれらの合金等、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料が一般的に使用可能である。
負極活物質の粒子形状は特に限定されないが、例えば、鱗片状、塊状、繊維状、球状のものが使用可能である。負極活物質は、塗工層中に均一に分散させるために、平均粒径が0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの負極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。尚、電解液に含まれるイオンと活物質によって電池反応は起きるため、電解液が活物質を含む電極活物質層に染み込めるような空隙(活物質および後述する結着剤及び導電剤等が存在しない空間)が、電極活物質層を形成した時にできるように、活物質の粒径、形状等を選択する。
活物質層材料中の正極又は負極活物質の配合割合は、溶剤を除く配合成分を基準(固形分基準)とした時に通常は70〜98.5重量%とする。
必要に応じて、結着材を用いることができる。結着材としては従来から用いられているもの、例えば、熱可塑性樹脂、より具体的にはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂またはポリイミド樹脂等を使用することができる。この際、反応性官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーを結着材中に混入させることも可能である。そのほかにも、ゴム系の樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種の樹脂の混合物を使用することもできる。
塗工組成物中の結着材の配合割合は、固形分基準で通常は0.5〜10重量%、好ましくは3〜7重量%とする。
また、必要に応じて導電剤を添加してもよい。導電剤としては、例えば、グラファイト、カーボンブラックまたはアセチレンブラック等の炭素繊維等の炭素質材料が必要に応じて用いられる。電極活物質層材料中の導電剤の配合割合は、通常、固形分基準で1.5〜15.0重量%とするが、これに限定されない。
尚、電極活物質層の各層において、活物質、結着剤、導電剤の種類及び/又は形状及び/又は配合比は同じでなくてもよい。
また、必要に応じて、導電剤、導電助剤、増粘剤、および分散剤を用いてもよい。これらは従来から用いられているものを好適に用いることができる。
また、電解液が電極活物質層に染み込むための空隙を効果的に確保するためのフィラーを添加してもよい。該フィラーは電池を作製した時に電気化学的に安定であれば特に制限はなく、またフィラーの材質は無機、有機材料から選択できるが、塗膜のインピーダンスを下げるという意味では、導電性を有する材料であることが望ましい。導電性を有するフィラーとしては、例えば、金属微粒子、金属酸化物粒子、炭素粒子、炭素繊維などが挙げられる。該フィラーの形状は、粒子状、繊維状などから任意に選択することができる。効果的に空隙を確保するために、複数の形状のフィラーを混合してもよい。
正極又は負極用活物質層材料を調製する溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン或いはこれらの混合物、又はイオン交換水のような結着剤を溶解及び分散可能な溶剤を用いることができる。電極活物質層材料中の溶剤の割合は、通常は30〜60重量%、好ましくは45〜55重量%とし、塗工液をスラリー状に調製する。
正極又は負極活物質層材料は、適宜選択した正極又は負極活物質、及び結着剤など他の配合成分を適切な溶剤中にいれ、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。
次に、正極板又は負極板に用いる導電層材料について説明する。導電剤としては、電池として使用される電位範囲内で電気化学的に不活性であれば特に制限はなく、例えば、炭素材料、金属、金属酸化物、導電性ポリマーなどを使用することができる。これらの導電剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、絶縁材料の表面を導電性材料で被覆したものを使用することもできる。
導電剤の粒子形状、大きさ等は特に限定されないが、電解液に含まれるイオンと電極活物質層に含まれる活物質によって電池反応が起きるため、電解液が電極活物質層に染み込めるような空隙(導電剤等が存在しない空間)が、導電層中に確保できる範囲内で、例えば、粒子状、繊維状、ポーラスシート状などのものが使用可能である。導電剤が粒子状の場合、平均粒径は通常0.01〜20μmであるが、これに限定されない。これらの導電剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
尚、導電層に用いる導電剤の種類及び/又は形状及び/又は配合比と電極活物質層に用いる導電剤の種類及び/又は形状及び/又は配合比は同じでなくてもよい。
導電層材料中の導電剤の配合割合は、溶剤を除く配合成分を基準(固形分基準)とした時に通常は50〜99.5重量%とするが、これに限定されない。
導電層材料には、電極活物質層材料と同様に、必要に応じて、結着材、導電助剤、増粘剤、分散剤、空隙を効果的に確保するためのフィラー等を用いることができる。これらは、電極活物質層材料に用いる材料と同様のものでなくてもよい。
導電層材料を調製する溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン或いはこれらの混合物、又はイオン交換水のような結着剤を溶解及び分散可能な溶剤を用いることができる。塗工組成物中の溶剤の割合は、通常は30〜60重量%、好ましくは45〜55重量%とし、塗工液をスラリー状に調製する。
導電層材料は、適宜選択した導電剤、結着材、及び他の配合成分を適切な溶剤中にいれ、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。
このようにして調製された正極又は負極活物質層材料および導電層材料を用いて、基体である集電体の上に2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を形成する。
正極板の集電体としては通常、アルミニウム箔が好ましく用いられる。一方、負極板の集電体としては、電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔が好ましく用いられる。集電体の厚さは通常、5〜50μm程度とする。
2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を、該電極活物質層と該導電層が交互になるように積層する効果としては、例えば、集電体上に、第1の電極活物質層、導電層、および第2の電極活物質層が形成された三層の積層構造の場合、該積層構造の厚さと同程度の厚さを有する従来の単層の電極活物質層に比べ、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層の厚さはより薄いため、該積層構造と該単層の電極活物質層が同じ体積抵抗率であるならば、第1の電極活物質層及び第2の電極活物質層のそれぞれの抵抗率は、該単層の電極活物質層よりも低くなる。
この時、少なくとも隣接する電極活物質層よりも体積抵抗率が小さい層である導電層と電極活物質層を交互に積層し、さらに該積層構造において、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有するのであれば、該積層構造全体の抵抗率が減少する。
ここで、「充放電可能な積層構造」とは、該積層構造にて電池反応が行われることを意味する。
電池反応は、集電体を通して授受される電子と電解液を通して授受されるカチオンの存在下、活物質の化学反応によって起きるため、前記充放電可能な積層構造において、最も電解液に接する電極面積が大きい該積層構造における最上層(集電体から最も遠い層)が、活物質を含まない導電層であると、電池反応の効率は悪くなってしまう。従って、少なくとも2層以上の電極活物質層を含み、且つ集電体から最も遠い層が導電層でないことが好ましい。また、通常、集電体の上に電極活物質層が形成される充放電可能な積層構造が用いられる。
上述した電気的導通を確保する手段としては、例えば、以下のような態様が例示できるが、これに限定されない。尚、「電気的導通」とは、電極活物質層よりも体積抵抗率が小さく、電子の流れがあることを意味する。
(第1の態様)
第1の形態は、前記充放電可能な積層構造において、前記導電層と前記集電体及び/又は他の導電層とをそれらの間に介在する前記電極活物質層の周辺部よりも面方向の外側で接続した導通路を設けることにより前記電気的導通を可能にした態様である。図1は、一例として3層の充放電可能な積層構造1を模式的に示した断面図であり、導電層4と集電体2とをそれらの間に介在する電極活物質層3aの周辺部よりも面方向の外側で接続した導通路5を設けることにより電気的導通を可能にした態様を表している。
具体的には、図2に示すように、集電体2上に形成された第1の電極活物質層3aの上に第1の導電層4aが該第1の電極活物質層3aの表面を覆い、且つ該第1の電極活物質層3aの面積よりも大きい面積となるように第1の導電層4aを形成することにより、該第1の電極活物質層3aの上部に位置する導電層4aと下部に位置する集電体2との電気的導通を確保する。または、さらに図2に示すように、第1の導電層4aの上に第2の電極活物質層3bを形成し、第2の導電層4bが該第2電極活物質層3bの表面を覆い、且つ該第2の電極活物質層3bの面積よりも大きい面積となるように第2の導電層4bを形成することにより、該第2電極活物質層3bの上部に位置する第2導電層4bと下部に位置する第1の導電層4aとの電気的導通を確保する。この態様は、特に、充放電可能な積層構造の周辺部に集電体の露出部を有する電極板を用いて、該露出部にリード線を取り付け、電気を取り出す場合に有効である。このように電極活物質層の上に導電層を形成する方法としては、例えば、電極活物質層を集電体の長手方向にパターン形成し、該電極活物質層の表面を覆うように幅などを変えて導電層を形成することが挙げられ、該パターン形成の方法としては、特に限定されないが、間欠塗布方式、マスキング、塗膜形成後に電極活物質層の一部を剥離する方法などが挙げられる。
また、充放電可能な積層構造の周辺部を導電性材料で被覆して導通路を形成し、電極活物質層の上部に位置する導電層と下部に位置する集電体及び/又は導電層との電気的導通を確保することもできる。図3は、一例として3層の充放電可能な積層構造1を模式的に示した断面図であり、充放電可能な積層構造1の周辺部を導電性材料で被覆して導通路5を形成し、第1の電極活物質層3aの上部に位置する導電層4と下部に位置する集電体2との電気的導通を確保した態様を表している。
ここで、導通路とは、電極活物質層よりも体積低効率が小さく、電子が流れる通路を意味し、長さ、幅、形状等は特に限定されない。
(第2の態様)
第2の態様は、前記充放電可能な積層構造において、電極活物質層を通過する導通路を設けることにより前記電気的導通を可能にした態様である。
具体的には、前記導通路が、前記電極活物質層の厚さ方向に貫通するように設けられた導通用貫通路に、該電極活物質層を介して対向する導電層の少なくとも一方を構成する材料を充填して形成された態様がある。図4Aは、一例として3層の充放電可能な積層構造1を模式的に示した断面図であり、集電体2の上に形成された第1の電極活物質層3aの厚さ方向に貫通するように導通路5が設けられた態様を表している。
導通用貫通路とは、各層中に材料の粒子が存在することによって形成された空隙とは別に、特に導通を確保することを目的として、電極活物質層及び/又は導電層の形成時又は形成後に形成された通路を意味する。また、導通用貫通路には、後述する第3の態様のような充放電可能な積層構造の形成後に形成されたものも含まれる。該導通用貫通路の長さ、幅、形状等は特に限定されず、空隙であってもよい。該空隙の大きさは、微細孔から貫通孔まで幅広い範囲のものを含む。導通用貫通路を形成する方法としては、発泡剤等の添加材料等により空隙を調節したり、層の形成後に針等を用いて機械的若しくは物理的に、又は化学的に穿孔してもよい。
また、前記導通路が、電極活物質層に該電極活物質層の厚さに対して比較的サイズの大きい導電剤を含有させることにより形成された態様であってもよい。具体的には、図4Bに示すように、該導電剤は電極活物質層3a内に不均一に存在させ、電極活物質層の厚さに対して0.5〜2倍の平均粒径を有する粒子であることが好ましい。導電剤の粒径が電極活物質層の厚さの0.5倍よりも小さいと、電極活物質層を介して上下に位置する導電層と導電層又は集電体と導電層の間の導通を取るために多量の導電剤が必要となってしまい、導電剤の粒径が電極活物質層の厚さの2倍を越えると電極活物質層の形成時にスジ状に塗工量が極端に少なくなるなどの不具合が発生しやすくなる。尚、電極活物質層が、導通路を形成する導電剤以外の導電剤(即ち、活物質粒子同士の導通を取るための導電剤)を含む場合、該導通路を形成する導電剤の割合は、導電剤の全量の約0.1〜50%とすることが好ましい。
前記導電剤としては、炭素、金属、金属酸化物、導電性ポリマー、又はこれらから任意に選ばれる2種以上の混合物で被覆された材料が好適に用いられる。
また、図4Cに示すように、前記導電剤が、粒子状又は繊維状又はそれらを混合した材料であってもよい。
さらに、前記導通路が、電極活物質層の上に導電層を形成する時に、該電極活物質層中に粒子が存在することによって形成された空隙に、該導電層の導電層材料が食い込んで形成された態様も例示できる。ここで「導電層材料が食い込む」とは、電極活物質層の表面は粒子による凹凸が存在するため、該電極活物質層の上に導電層を形成した時に、導電層材料が該活物質層に一部侵入し、例えば、物理的に染み込む、突き刺さるなどにより、電極活物質層と導電層の境界が不明瞭になることを意味する。
(第3の態様)
第3の態様は、図5に示すような、前記充放電可能な積層構造1において、該充放電可能な積層構造1を通過する導通路5を設けることにより前記電気的導通を可能にした態様である。
具体的には、前記導通路が、前記充放電可能な積層構造の厚さ方向に貫通するように設けられた導通用貫通路に、前記導電層の少なくとも1層を構成する材料を充填して形成された態様が挙げられる。ここで、「充放電可能な積層構造の厚さ方向に貫通するように設けられた導通用貫通路」とは、充放電可能な積層構造の最上層(集電体から最も遠い層)から集電体まで通じている導通路を意味する。また、該導通用貫通路は上述したような方法で形成することができ、その長さ、幅、形状等も上述したように特に限定されない。
また、前記導通路が、前記充放電可能な積層構造を貫通するように設置された導電性部品であってもよい。該導電性部品としては、例えば、充放電可能な積層構造を有する電極板を電池として用いる電位範囲において安定で、電解液などにより腐食されない導電性材料、又は導電性材料で表面を被覆した材料等が用いられる。具体的には、集電体と同様又は類似の金属又はその合金、ステンレス、樹脂若しくは無機物等の表面に金属メッキした材料、又は炭素材料等が例示される。該導電性部品の大きさ及び形状は、特に限定されないが、該導電性部品がセパレータを突き破ったり、充放電可能な積層構造から突出しない形状が好ましく、例えば、ハトメ、カシメ、ステープラー等が挙げられる。尚、上記充放電可能な積層構造を有する負極板の場合は、正極と負極のバランスの崩れによるリチウム金属の析出を抑えるため、導電性材料又は導電性部品にセパレータを挟んで対向する位置に、正極板の正極活物質層がないように該負極板を配置する。
このように、本発明は、いずれの導電層において集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を確保すればよいため、導電剤の添加量を増加して電極活物質層内で均一に分散させることにより、電極活物質層自体の体積抵抗率を下げる必要はない。尚、上記電気的導通を確保する手段は、1つの充放電可能な積層構造の中で、複数の手段が用いられてもよい。
上述したような、いずれの導電層においても集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する充放電可能な積層構造は、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であることにより、該積層構造全体においてイオンの移動を妨げない。すなわち、導電層にイオン透過可能な空隙があることによって、物理的に電解液が電極活物質層に染み込むことが可能となり、前記積層構造中の電極活物質層が電池反応に寄与することができる。従って、単一の電極活物質層を有する電極板と同程度の電池容量を維持することができ、重量エネルギー密度や体積エネルギー密度をほぼ同等に保ちながら出力特性を改善することができる。
また、前記充放電可能な積層構造において、導電層材料の一部(特に結着剤)が、イオン伝導性を持つ材料に置き換わることにより、イオン伝導性の向上が期待できる。イオン伝導性を持つ材料としては、例えば、ポリオキシエチレン等の固体電解質、ゲル電解質等が例示される。
尚、充放電可能な積層構造に含まれる導電層と電極活物質層の空隙率は、Q(任意に選ばれる導電層の空隙率)≧P(該導電層の集電体側に隣接する電極活物質層の空隙率)であることが、電解液に含まれるイオンの移動を妨げない点から好ましい。また、同様に、前記充放電可能な積層構造に含まれる活物質層から任意に選ばれる2層の活物質層の空隙率P、Pが、P(集電体に近い活物質層)≦P(集電体から遠い活物質層)であることが、電解液に含まれるイオンの移動を妨げない点から好ましい。
尚、ここで空隙率とは、(空隙率)=(電極活物質層又は導電層中の空間が占める体積)/(該電極活物質層又は導電層の見掛けの体積)から算出され、水銀ポロシメーター等を用いて測定する。
上述したような導電層は、前記充放電可能な積層構造に含まれる導電層と電極活物質層の体積抵抗率について、R(各導電層の体積抵抗率のうちの最大値)<R(各電極活物質層の体積抵抗率のうちの最小値)となることが好ましく、特に、前記導電層の体積抵抗率が、1Ω・cm以下であることが好ましい。
前記充放電可能な積層構造を形成する時、各活物質層の厚さは薄い方が、抵抗が小さいため、100μm以下であることが好ましい。これは、例えば、集電体上に、第1の電極活物質層、導電層、および第2の電極活物質層が形成された三層の積層構造を考えた場合、該積層構造の厚さと同程度の厚さを有する集電体上に形成された単層の電極活物質層に比べ、第1の電極活物質層および第2の電極活物質層の厚さはより薄いため、該積層構造と該電極活物質層が同じ体積抵抗率であるならば、第1の電極活物質層および第2の電極活物質層のそれぞれの抵抗は減少するからである。
また、各導電層の厚さは厚すぎると、充放電可能な積層構造全体の体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度が低下するため、100μm以下であることが好ましい。また、前記充放電可能な積層構造において、(各導電層の厚さの合計)<[(該積層構造の厚さ)×0.5]であることが好ましい。一般に、導電層が薄いと面方向の抵抗が増加する代わりにエネルギー密度が向上し、導電層が厚いとその逆の現象が起こるため、設計上適切な範囲で任意に選択することができるが、一般的な単層の電極活物質層の厚さが約10〜400μmであることから、導電層の厚さは約0.11〜100μmであることが実用上望ましい。
さらに、前記充放電可能な積層構造に含まれる活物質層から任意に選ばれる2層の活物質層の厚さT及びTが、T(集電体に近い活物質層)≧T(集電体から遠い活物質層)であることが、導電層と集電体の間に設けられた電気的導通によって該積層構造の抵抗を効果的に低減することができる点から好ましい。
説明に用いた図には、3層の積層構造が表されているが、必要に応じて更に積み重ねることも可能である。電極板の出力特性を下げることなく単位面積あたりの容量を上げる場合は、更に5層、7層・・・と積み重ねることができる。また、単位面積あたりの容量はそのままで出力特性を上げる場合には、全電極活物質層の厚さの合計を固定して積層数を増やし、各活物質層の厚さを薄くしてもよい。
尚、充放電可能な積層構造は、集電体の片面又は両面に形成することができる。
上述したような充放電可能な積層構造は、例えば、電極活物質層材料又は導電層材料を用いたコーティング、蒸着、CVD、スパッタリング、導電性シートの貼り合わせ等によって電極活物質層及び導電層を形成することにより作製することができる。
導電層及び/又は電極活物質層をコーティングにより形成する場合、導電層材料又は電極活物質層材料の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、ダイコート、コンマコート等が適している。導電層材料又は電極活物質層材料の粘度が低い場合には、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等によって塗布することもできる。塗布形状は、必要に応じて間欠塗工などパターンを形成してもよい。尚、導電層及び電極活物質層は、複数回塗工、乾燥を繰り返すことにより形成してもよく、2層以上を塗工した後、該2層以上を一度に乾燥させてもよい。また、各塗工工程の間に、プレス工程や空隙付与工程等、他の工程を実施することもできる。
塗工された電極活物質層材料及び導電層材料は、溶剤を除去するために、通常乾燥される。溶剤の除去方法は特に限定されないが、電極活物質層材料及び導電層材料の耐熱性、溶媒除去効率、乾燥後の活物質層中での導電剤の分布状態などを考慮して、温風乾燥、遠赤外線乾燥、接触乾燥、減圧乾燥、フリーズドライ乾燥などの一般的な手法の中から適宜選択又は組み合わせることができる。
また、乾燥後、必要に応じて熱処理や電子線処理などを加え、材料の変質による導電性向上、強度向上、耐電解液性の向上などを行なってもよい。この操作により、熱処理によって導電性を発現するタイプの材料を使用することが出来る。
また、導電層及び/又は電極活物質層を蒸着、スパッタ、溶射等により形成する場合、塗布及び乾燥工程を経ずに、電極活物質層の上に導電層材料を用いて、直接導電層を形成したり、集電体又は導電層の上に電極活物質層材料を用いて、直接電極活物質層を形成する。必要に応じて、蒸着、スパッタ、溶射等を行う時にマスキングなどを用いて、同時に空隙を確保してもよく、また層形成後に任意の方法で空隙を付与してもよい。形成後に空隙を付与する場合は、機械的な穿孔等の方法、物理的又は化学的方法を用いることができる。
さらに、導電層をフリースタンディングな導電性シートを用いて形成することもできる。フリースタンディングな導電性シートとは、例えば、導電性炭素繊維で編んだ織物、薄い金属製のメッシュ状のシート等が例示され、ある程度の強度があり、機械でラミネートすることが可能なシート材料を意味する。この場合、フリースタンディングな導電性シートと電極活物質層との界面が絶縁状態とならない限り、電極活物質層の上に形成する方法は特に制限されず、例えば、導電性接着剤による接着、結着剤溶液による接着、電極活物質層の結着剤を再溶解可能な溶媒による接着、熱圧着等の方法が挙げられる。電極活物質層溶液を塗布後、完全に乾燥する前に該導電性シートを重ね合わせて乾燥することによって導電層を形成してもよい。
尚、選択した材料にもよるが、充放電可能な積層構造の塗工量又は形成量は通常、10〜300g/m2(片面)、好ましくは20〜200g/m2(片面)である。
このように形成された充放電可能な積層構造を備える集電体は、更に、該充放電可能な積層構造をプレス加工により圧延することにより、電極活物質層の密度、集電体に対する密着性、均質性を向上させることができる。
プレス加工は、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行う。本発明においてプレス温度は、活物質層の塗工膜を乾燥させる温度よりも低い温度とする限り、室温で行ってもよいし又は加温して行ってもよいが、通常は室温(室温の目安としては15〜35℃である。)で行う。
ロールプレスは、ロングシート状の電極板を連続的にプレス加工できる。ロールプレスを行う場合には定位プレス、定圧プレスのいずれを行ってもよい。プレスのライン速度は通常、5〜50m/min.とする。ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、通常は線圧を0.5kgf/cm〜1tf/cmとする。
また、シートプレスを行う場合には通常、4903〜73550N/cm(500〜7500kgf/cm)、好ましくは29420〜49033N/cm(3000〜5000kgf/cm)の範囲に圧力を調節する。プレス圧力が小さすぎると充放電可能な積層構造の均質性が得られにくく、プレス圧力が大きすぎると集電体を含めて電極板自体が破損してしまう場合がある。充放電可能な積層構造は、一回のプレスで所定の厚さにしてもよく、均質性を向上させる目的で数回に分けてプレスしてもよい。
以上のようにして本発明に係る非水電解液二次電池用電極板が得られ、該電極板を用いて非水電解液二次電池を作製することができる。尚、本発明における非水電解液二次電池用電極板は、正極板及び負極板の少なくとも一方が、上記非水電解液二次電池用電極板であればよい
通常、正極板及び負極板を、ポリエチレン製多孔質フィルムのようなセパレータを介して渦巻状に捲回し、外装容器に挿入する。または、所定の形状に切り出した正極板及び負極板をセパレータを介して積層して固定し、外装容器に挿入する。挿入後、正極板に取り付けられたリード線を外装容器に設けた正極端子に接続し、一方、負極板に取り付けられたリード線を外装容器に設けた負極端子に接続し、外装容器に非水電解液を充填し、密封することによって、本発明に係る電極板を備えた非水電解液二次電池が完成する。
リチウム系二次電池を作製する場合には、溶質であるリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液が用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、または、LiB(C、LiN(SOCF、LiC(SOCF、LiOSOCF、LiOSO、LiOSO、LiOSO、LiOSO11、LiOSO13、LiOSO15等の有機リチウム塩等が用いられる。
リチウム塩を溶解するための有機溶媒としては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類等を例示できる。より具体的には、環状エステル類としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等を例示できる。
鎖状エステル類としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。
環状エーテル類としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等を例示できる。
鎖状エーテル類としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等を例示することができる。
(実施例1)
正極用活物質としてLiCoO粉末を90重量部、導電助剤としてアセチレンブラックを5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を5重量部を、溶媒であるN−メチルピロリドン(NMP)中で分散して電極活物質層材料を調製した。また、導電剤として人造黒鉛を95重量部、結着剤としてPVDFを5重量部を、溶媒であるNMP中で分散して、導電層材料を調製した。
厚さ15μmのアルミ箔上に、電極活物質層材料、導電層材料、電極活物質層材料の順に塗布、乾燥を繰り返して3層の充放電可能な積層構造を形成し、正極板を得た。第1の電極活物質層の塗膜重量は約90g/m、導電層の塗膜重量は約10g/m、第2の電極活物質層の塗膜重量は約90g/mであり、活物質の総重量は約162g/mであった。
上記3層の充放電可能な積層構造を有する正極板を、該積層構造が3.5g/ccとなるようにロールプレス機で圧延した後、5cm×5cm角に切り出し、切り出した電極板の積層構造の断面である4辺をカーボン系導電性ペーストで被覆した。
このようにして得た正極板の充放電特性を評価したところ、0.2C放電と2C放電での放電容量比は98%だった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、正極用の電極活物質層材料及び導電層材料を調製した。
厚さ15μmのアルミ箔に電極活物質層材料を10cm×10cmの大きさで塗布し、乾燥工程を経て第1の電極活物質層を得た。乾燥後の塗膜重量は約90g/mであった。第1の電極活物質層の上に、導電層材料を11cm×11cmの大きさで、第1の電極活物質層を覆うように塗布、乾燥して塗膜重量が約5g/mの導電層を形成し、更に、該導電層の上に、電極活物質層材料を10cm×10cmの大きさで第1の電極活物質層と同じ位置に塗布、乾燥して第2の電極活物質層を得た。第2の電極活物質層の塗膜重量は、約90g/mであった。活物質の総重量は約162g/mであった。
さらに、上記3層の充放電可能な積層構造を有する正極板を、該積層構造が3.5g/ccとなるようにロールプレス機で圧延した。
このようにして得た正極板の充放電特性を評価したところ、0.2C放電と2C放電での放電容量比は98%であった。
(比較例1)
実施例1と同様にして、正極用の電極活物質層材料を調製した。
厚さ15μmのアルミ箔上に、電極活物質層材料を塗布、乾燥して、単層の電極活物質層を得た。塗膜重量は約180g/mであり、活物質の重量は約162g/mであった。
上記単層の充放電可能な積層構造を有する正極板を、該積層構造が3.5g/ccとなるようにロールプレス機で圧延した後、5cm×5cm角に切り出した。
切り出した電極板の充放電特性を評価したところ、0.2C放電と2C放電での放電容量比は95%だった。
本発明に係る電極板の充放電可能な積層構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る電極板の充放電可能な積層構造の形成工程の一部を模式的に示した説明図である。 本発明に係る電極板の充放電可能な積層構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る電極板の充放電可能な積層構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る電極板の充放電可能な積層構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る電極板の充放電可能な積層構造の一例を模式的に示した断面図である。 本発明に係る電極板の充放電可能な積層構造の一例を模式的に示した断面図である。
符号の説明
1…非水電解液二次電池用電極板
2…集電体
3…電極活物質層
3a…第1の電極活物質層
3b…第2の電極活物質層
4…導電層
4a…第1の導電層
4b…第2の導電層
5…導通路

Claims (29)

  1. 集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備える非水電解液二次電池用電極板であって、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有することを特徴とする非水電解液二次電池用電極板。
  2. 前記充放電可能な積層構造において、前記導電層と前記集電体及び/又は他の導電層とをそれらの間に介在する前記電極活物質層の周辺部よりも外側で接続した導通路を設けることにより前記電気的導通を可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  3. 前記充放電可能な積層構造において、前記電極活物質層を通過する導通路を設けることにより前記電気的導通を可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  4. 前記導通路が、前記電極活物質層の厚さ方向に貫通するように設けられた導通用貫通路に、該電極活物質層を介して対向する前記導電層の少なくとも一方を構成する材料を充填して形成されたことを特徴とする請求項3に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  5. 前記導通路が、前記電極活物質層に導電剤を含有させることにより形成されたことを特徴とする請求項3に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  6. 前記導電剤が、前記電極活物質層の厚さに対して0.5〜2倍の粒径を有する粒子であることを特徴とする請求項5に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  7. 前記導電剤が、炭素、金属、金属酸化物、導電性ポリマー、又はこれらから任意に選ばれる2種以上の混合物で被覆された材料であることを特徴とする請求項5又は6に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  8. 前記導電剤が、粒子状又は繊維状又はそれらを混合した材料であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  9. 前記導通路が、前記電極活物質層の上に前記導電層を形成する時に、該電極活物質層中に粒子が存在することによって形成された空隙に、該導電層の材料が食い込んで形成されたことを特徴とする請求項3に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  10. 前記充放電可能な積層構造において、前記充放電可能な積層構造を通過する導通路を設けることにより前記電気的導通を可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  11. 前記導通路が、前記充放電可能な積層構造の厚さ方向に貫通するように設けられた導通用貫通路に、前記導電層の少なくとも1層を構成する材料を充填して形成されたことを特徴とする請求項10に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  12. 前記導通路が、前記充放電可能な積層構造を貫通するように設置された導電性部品であることを特徴とする請求項10に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  13. 前記導電性部品が、導電性材料、又は導電性材料で表面を被覆した材料であることを特徴とする請求項12に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  14. 前記充放電可能な積層構造において、導電層がイオン伝導性を持つ材料を含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  15. 前記充放電可能な積層構造に含まれる活物質層から任意に選ばれる2層の活物質層の空隙率P、Pが、P(集電体に近い活物質層)≦P(集電体から遠い活物質層)であることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  16. 前記充放電可能な積層構造に含まれる導電層と電極活物質層の空隙率について、Q(任意に選ばれる導電層の空隙率)≧P(該導電層の集電体側に隣接する電極活物質層の空隙率)であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  17. 前記充放電可能な積層構造に含まれる導電層と電極活物質層の体積抵抗率について、R(各導電層の体積抵抗率のうちの最大値)<R(各電極活物質層の体積抵抗率のうちの最小値)であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  18. 前記導電層の体積抵抗率が、1Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  19. 前記充放電可能な積層構造に含まれる電極活物質層から任意に選ばれる2層の活物質層の厚さT及びTが、T(集電体に近い活物質層)≧T(集電体から遠い活物質層)であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  20. 前記充放電可能な積層構造に含まれる各電極活物質層及び各導電層の厚さが、いずれも100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  21. 前記充放電可能な積層構造において、(各導電層の厚さの合計)<[(該積層構造の厚さ)×0.5]であることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  22. 集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備え、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、少なくとも導電剤を含む導電層材料を該集電体又は該電極活物質層上に塗布及び乾燥して導電層を形成する工程を含むことを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  23. 集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備え、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、少なくとも導電剤を含む導電層材料を該集電体又は該電極活物質層上に蒸着、スパッタ、溶射の手段により、前記導電層を直接形成する工程を含むことを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  24. 前記導電層を形成する工程において、マスキングにより同時に空隙を形成することを特徴とする請求項23に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  25. 集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備え、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、活物質を含む電極活物質層材料を該集電体又は該導電層上に塗布及び乾燥して電極活物質層を形成する工程を含むことを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  26. 集電体の少なくとも一面に、2層以上の電極活物質層と1層以上の導電層を含み、該電極活物質層と該導電層が交互に積層されてなる充放電可能な積層構造を備え、いずれの導電層もイオン透過可能な空隙を有する多孔質であると共に、該集電体との間に直接又は他の導電層を介して間接的に電気的導通を有する非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、活物質を含む活物質層材料を該集電体又は該導電層上に蒸着、スパッタ、溶射の手段により、前記活物質層を直接形成する工程を含むことを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  27. 前記電極活物質層を直接形成する工程において、マスキングにより同時に空隙を形成することを特徴とする請求項26に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  28. 前記集電体に前記充放電可能な積層構造が形成された後、該積層構造が形成された該集電体を圧延する工程を含むことを特徴とする請求項22乃至27のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  29. 少なくとも正極板、負極板、及び電解質を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び該負極板の少なくとも一方が、請求項1乃至21のいずれか一項に記載の非水電解液二次電池用電極板であることを特徴とする非水電解液二次電池。
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