JP5200329B2 - 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法並びに非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法並びに非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池用電極板、その製造方法、そしてそれを用いた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギー密度、高電圧を有し、また充放電時におけるメモリー効果が無いことから、携帯機器、大型機器など様々な分野で用いられている。一般的な非水電解液二次電池は、正極、負極、セパレータ及び有機電解液からなり、正極及び負極は金属箔等の集電体の上に充放電可能な活物質及び結着剤、必要に応じて導電剤を混合した塗膜を形成したものが用いられている。塗膜の形成は通常、活物質と結着剤、及びその他の材料を溶媒中で混練・分散してスラリー状の塗液にし、これを集電体上に塗布・乾燥することで行なわれる(例えば、特許文献1及び2)。
近年、特に電気自動車、ハイブリッド自動車、そしてパワーツール等の高出力特性が必要とされる分野に向けての開発が進んでいる。インピーダンスが高い電池は高出力充放電時にその容量を十分に生かすことができない。そのため、例えば塗膜を薄膜大面積化して、電池のインピーダンスを下げる方法が用いられている。例えば、リチウムイオン二次電池は、用いる非水電解液が水系電解液に比べ一般的に抵抗が高いこともあり、その開発当初から鉛蓄電池等他の電池に比べ薄く広い面積の電極を使用し、かつ極板間距離を短くした形態となっている。
特開昭63−10456号公報 特開平3−285262号公報
塗膜が形成された集電体は、必要に応じてプレスされた後、所定形状に裁断あるいは打ち抜かれて電極となる。塗膜形成後のプレスは、一般に、塗膜の密度を上げて電池の体積エネルギー密度を向上させると同時に、集電体との密着性を向上させる効果がある。また塗膜に導電剤が添加されている場合は、導電剤粒子の接触を改善し、集電体から活物質粒子への良好な電子伝導経路(導電パス)を確保する効果もある。導電パスが確保されるに伴い塗膜の体積抵抗率は低下する。
体積抵抗率を小さくする一般的な方法としては、例えば、アセチレンブラック等の導電剤を増量してプレスを行ない、塗膜の密度を高くして導電剤粒子同士の接触点あるいは接触面積を増加させる方法がある。しかし、その方法では、塗膜の空隙率が減少し、電解液の浸透性、保液性が悪くなるため、高出力時の放電容量の減少や内部抵抗の増加などが起きるという問題があった。
そこで、電解液の良好な浸透性や保液性を確保するに十分な空隙率を有し、かつ導電剤粒子の良好な接触を確保して低い体積抵抗率を有する非水電解液二次電池用電極板を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、コイル状物質から成る空隙形成剤を用いることにより、電解液の良好な浸透性や保液性を与える空隙率を確保しながら、低い体積抵抗率を与える非水電解液二次電池用電極板を提供することが可能なことを見出して、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に、熱プレスにより圧延された塗膜からなる電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板であって、該電極活物質層が、少なくとも、活物質、導電剤、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンおよびコイル状物質から成る空隙形成剤を含有してなり、該電極活物質層の熱プレス後の密度が、2.0〜3.5g/cm、空隙率が15〜40%、体積抵抗率が4Ω・cm以下であることを特徴とするものである。
本発明の電極板には、コイル状物質として、コイル状炭素繊維、コイル状金属繊維、コイル状導電性金属酸化物繊維及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
また、本発明の電極板には、外径が50〜1000nm、長さが0.1〜10μmであるコイル状物質を用いることができる。
また、本発明の電極板を正極板に用いることができる。ここで、正極板の電極活物質層の体積抵抗率が4Ω・cm以下であることが好ましい。また、電極活物質層のプレス後の密度が、2.0〜3.5g/cmであることが好ましい。
本発明の電極板を用いた非水電解液二次電池は、少なくとも正極板、負極板、及び電解質を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び該負極板の少なくとも一方の電極板が、集電体の少なくとも一面に、少なくとも、活物質、導電剤、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンおよびコイル状物質から成る空隙形成剤とを含有する塗膜であって、熱プレスにより圧延された塗膜からなる電極活物質層が形成され、該電極活物質層の熱プレス後の密度が、2.0〜3.5g/cm、空隙率が15〜40%、体積抵抗率が4Ω・cm以下であることを特徴とするものである。その電極板を、正極板に用いることが好ましい。
本発明の電極板は、電極活物質層中にコイル状物質からなる空隙形成剤を含んでいる。コイル状物質は繊維状物質がコイル状に湾曲し、内部に中空領域を有する物質である。本発明において、その中空領域は電解液の浸透性や保液性を確保するための空隙として機能する。コイル状物質は、その剛性により変形しにくいため、プレス時においても、その中空領域が減少しにくい性質を有する。したがって、アセチレンブラック等の導電剤を増量しても、空隙率を低下させることなく、電極活物質層の体積抵抗率を低下させることが可能となる。
本発明に係る非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に、電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板であって、該電極活物質層が、少なくとも、活物質、導電剤、結着剤およびコイル状物質から成る空隙形成剤を含有してなるものである。
ここで、正極用電極は活物質として正極活物質を含み、負極用電極は活物質として負極活物質を含むものである。
(活物質)
正極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の正極活物質として用いられている材料を用いることができる。例えば、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)若しくはLiNiO(ニッケル酸リチウム)等のリチウム遷移金属複合酸化物、または、TiS、MnO、MoOもしくはV等のカルコゲン化合物を例示することができる。特に、LiCoOを正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系二次電池が得られる。
正極活物質は、塗膜中に均一に分散させるために、平均粒径が0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの正極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、負極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の負極活物質として用いられている材料を用いることができる。例えば、天然グラファイト、人造グラファイト、アモルファス炭素、カーボンブラック、または、これらの成分に異種元素を添加した炭素複合体等の炭素質材料が好んで用いられる。また、金属リチウム及びその合金、スズ、シリコン、及びそれらの合金等のリチウムイオンを吸蔵放出可能な材料が一般的に使用可能である。
負極活物質の粒子形状は特に限定されない。例えば、鱗片状、塊状、繊維状、球状のものが使用可能である。負極活物質は、塗工層中に均一に分散させるために、平均粒径が0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの負極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電極活物質層の正極又は負極活物質の含有率は、溶剤を除く配合成分を基準(固形分基準)とし、70〜98重量%、より好ましくは80〜98重量%である。
(結着剤)
結着剤としては従来から用いられているもの、例えば、熱可塑性樹脂、より具体的にはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂またはポリイミド樹脂等を使用することができる。この際、反応性官能基を導入したアクリレートモノマーまたはオリゴマーを結着材中に混入させることも可能である。そのほかにも、ゴム系の樹脂や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートモノマー、アクリレートオリゴマー或いはそれらの混合物からなる電離放射線硬化性樹脂、上記各種の樹脂の混合物を使用することもできる。好ましい結着剤は、フッ素系樹脂であり、テトラフルオロエチレンやフッ化ビニリデンの単独重合体やそれらの共重合体が含まれる。より好ましくはポリフッ化ビニリデンである。電極活物質層中の導電剤の含有率は、固形分基準で1.5〜20重量%、より好ましくは4〜15重量%である。
また、結着剤に融点の異なる2種以上のフッ素系樹脂を用いることもできる。低融点のフッ素系樹脂、例えばフッ素系共重合体エラストマーを用いることにより、そのエラストマーが低温で軟化することにより、塗膜内部の残留応力をさらに低減することができる。
例えばフッ素系樹脂にポリフッ化ビニリデンを用いる場合、フッ素系共重合体エラストマーには、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体やフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体を用いることが好ましい。この場合、ポリフッ化ビニリデンとエラストマーの配合比は、重量比で4.5:5.5〜9.5:0.5、より好ましくは5:5〜9:1である。
また、結着剤の一部に代えて、イオン導電性ポリマーを用いることもできる。イオン導電性ポリマーには、ポリアルキレンオキサイドやその部分架橋体等の高分子固体電解質や、ポリアクリロニトリル及び/又はその共重合体、ポリメチルメタクリレート及び/又はその共重合体等の高分子ゲル電解質が含まれる。好ましくは高分子ゲル電解質であり、さらに好ましくはポリアクリロニトリル及び/又はその共重合体である。電解液の保持能が大きいからである。これらイオン導電性ポリマーを結着剤と併用することにより、電極活物質層の成膜性を確保しながら、電極活物質層のイオン導電性を向上させることが可能となる。イオン導電性ポリマーと結着剤の配合比は、重量比で0.1:9.9〜5:5、より好ましくは0.1:9.9〜4:6である。
(導電剤)
導電剤としては、天然及び人造のグラファイト、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素質材料を用いることができる。ここで、カーボンブラックには、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等が含まれる。より好ましくは、アセチレンブラックである。さらに、必要に応じてグラファイトや炭素繊維を添加することもできる。ここで、炭素繊維には気相成長炭素繊維を用いることが好ましい。
導電剤の粒子形状、大きさ等は特に限定されないが、電解液に含まれるイオンと活物質層に含まれる活物質によって電池反応が起きるため、電解液が活物質層に染み込み可能な空隙(導電剤等が存在しない空間)が、保液層中に確保できる範囲内で、例えば、粒子状、繊維状、ポーラスシート状などのものが使用可能である。導電剤が粒子状の場合、平均粒径は0.01〜20μm、好ましくは0.03〜5μmである。電極活物質層中の導電剤の含有率は、固形分基準で、1.5〜30重量%、より好ましくは3〜20重量%である。
(空隙形成剤)
本発明において、空隙形成剤として用いるコイル状物質は、コイル状に湾曲した繊維状物質であれば特に限定されない。具体例を挙げれば、導電性を有するものとして、コイル状炭素繊維、コイル状金属繊維、コイル状導電性金属酸化物繊維、そしてこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。また、電気絶縁性を有するものとして、コイル状絶縁性金属酸化物、そして前記のコイル状炭素繊維、コイル状金属繊維、そしてコイル状導電性金属酸化物繊維を有機物で被覆したもの、そしてこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。好ましくは、導電性を有するコイル状炭素繊維、コイル状金属繊維、コイル状導電性金属酸化物繊維、そしてこれらの2種以上の混合物である。導電助剤を兼ねるため、絶縁性のコイル状物質を用いた場合に比べ導電剤の量を低減することが可能となり、低い体積抵抗率を確保しながら、さらに空隙を増加させることができる。
コイル状炭素繊維は、例えば、特開平10−37024号公報に記載されている気相蒸着法により製造されるコイル状炭素繊維を用いることができる。この方法では、アセチレン等の原料ガスを触媒の存在下で熱分解してコイル状炭化水素を製造する。また、コイル状金属繊維には、Ni、Al、Tiなるものを用いることができる。例えば、コイル状炭素繊維の表面にNi等をメッキして作製することができる。また、コイル状炭素繊維を溶融アルミに浸漬して表面にアルミ層を設けることにより作製することができる。また、コイル状金属酸化物繊維は、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル等の酸化物からなるものを用いることができる。例えば、コイル状炭素繊維の表面に金属アルコシドを液相あるいは気相で接触させ、熱処理することによりコイル状炭素繊維の表面に金属酸化物層を形成させることにより作製することができる。また、コイル状金属繊維の表面を酸化することによっても作製することができる。また、コイル状炭素繊維、コイル状金属繊維、そしてコイル状導電性金属酸化物繊維を被覆する有機物には、シランカップリング剤やフッ素系カップリング剤、そして絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁性樹脂には、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等の公知の樹脂を用いることができる。
コイル状物質の外径は50〜1000nm、長さが0.1〜10μm、より好ましくは外径が100〜500nm、長さが0.5〜5μmである。外径が50nmより小さいと空隙を形成する効果が十分でなく、1000nmより大きいと、活物質、導電剤、結着剤などにてコイル状物質の中空領域を埋めて十分な空隙率を確保するのが困難になり、また電極活物質層の密度を大きくすることが困難になるからである。また、長さについても同様であり、0.1μmより小さいと空隙を形成する効果が十分でなく、10μmより大きいと電極活物質層の密度を大きくすることが困難になるからである。また、コイル状物質の電極活物質層中の含有量は、15重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。
電極活物質層の厚さは、抵抗を小さくするため、10〜100μmであることが好ましい。また、電極活物質層の空隙率は、15〜40%、より好ましくは20〜40%である。
電極板の集電体には、正極板にはアルミニウム箔を用いることができ、負極板には電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔を用いることができる。集電体の厚さは5〜50μmが好ましい。
(電極板の作製方法)
電極板は、活物質や導電剤や結着剤等を含む塗工液を、コーティング法により集電体上塗布して塗膜を形成することにより作製することができる。すなわち、本発明の電極板の製造法は、少なくとも、活物質と導電剤と結着剤と空隙形成剤と溶媒とを含む塗工液を集電体上に塗布して電極活物質層を形成する工程と、その電極活物質層を乾燥して溶媒を除去して電極板を得る工程と、その電極板を熱プレスして圧延する工程とを少なくとも含むものである。
正極塗膜及び負極塗膜を形成するための塗工液を調製する溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン或いはこれらの混合物、又はイオン交換水のような、結着剤を溶解及び分散可能な溶剤を用いることができる。塗工液中の溶剤の割合は、30〜60重量%、好ましくは45〜55重量%とし、塗工液をスラリー状に調製する。適宜選択した正極又は負極活物質、結着剤、導電剤及び空隙形成剤を適切な溶剤中に加え、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。なお、必要に応じて、導電助剤、増粘剤、分散剤等を添加することもできる
塗布方法は、特に限定されないが、例えば、ダイコート、コンマコート等を用いることができる。塗工液の粘度が低い場合には、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等によって塗布することもできる。塗布形状は、必要に応じて間欠塗工などパターンを形成してもよい。尚、保液層及び活物質層は、複数回塗工、乾燥を繰り返すことにより形成してもよく、3層以上を塗工した後、その3層以上を一度に乾燥させてもよい。なお、電極膜の塗工量又は形成量は、10〜300g/m(片面)、好ましくは20〜200g/m(片面)である。
塗工後、塗膜中の溶剤を除去するために、電極活物質層を乾燥する。溶剤の除去方法は特に限定されないが、温風乾燥、遠赤外線乾燥、接触乾燥、減圧乾燥、フリーズドライ乾燥などの一般的な手法の中から適宜選択し又はこれらのいくつかを組み合わせて用いることができる。
このように形成された電極板をさらに常温プレス又は熱プレスにより圧延する。熱プレスを行うことが好ましい。加熱とプレスを同時に行うことにより、結着剤を軟化させて導電剤粒子に融着させた状態で再結晶化させ、プレス時の結着剤に発生する内部応力を抑制することができる。これにより、電解液に浸漬してもスプリングバックを抑制できるのみならず、電極活物質層の密度、電極活物質層の集電体に対する密着性、均質性を向上させることができる。プレスは、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行う。プレス時の温度は、結着剤の融点の60%以上の温度であって結着剤の熱分解温度未満の温度で行うことが好ましい。より好ましくは、結着剤の融点の60〜150%、さらに好ましくは70〜120%の温度である。例えば、結着剤にポリフッ化ビニリデンを用いる場合、ポリフッ化ビニリデンの融点は約170℃、熱分解温度は約360℃であるので、熱プレスの好ましい温度は、100〜360℃、より好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは、120〜200℃である。
また、ロールプレスは、ロングシート状の電極板を連続的にプレス加工することができる。ロールプレスを行う場合には定位プレス、定圧プレスのいずれを行ってもよい。プレスのライン速度は5〜50m/minとする。ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、線圧を4.9 N/cm〜9800 N/cmとすることができる。
また、シートプレスを行う場合には、4903〜73550 N/cm、好ましくは29420〜49033 N/cmの範囲に圧力を調節する。プレス圧力が小さすぎると充放電可能な積層構造の均質性が得られにくく、プレス圧力が大きすぎると集電体を含めて電極板自体が破損してしまう場合がある。充放電可能な積層構造は、一回のプレスで所定の厚さにしてもよく、均質性を向上させる目的で数回に分けてプレスしてもよい。
以上のようにして作製した電極板は、電解液の良好な浸透性や保液性を確保するに十分な空隙率を有し、かつ導電剤粒子の良好な接触を確保して低い体積抵抗率を有する。また、熱プレスを行った場合、電解液に浸漬してもスプリングバックが抑制されるので、浸漬後の密度変化も抑制し、かつ電極活物質層の体積抵抗率の増加を抑制するという効果を有する。具体的には、本発明の電極板は、炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗値をR1、室温で1分間浸漬し乾燥した後の体積抵抗値をR2とし、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される体積抵抗増加率ΔRが5%以下、より好ましくは2%以下である。電解質を含まない溶媒は、電解質を含む電解液に比べ、一般に溶質に対する溶解力が大きく塗膜に対する膨潤効果も大きい。しかしながら、本発明の電極板は溶媒を用いた場合においても、塗膜の膨潤を抑制することが可能であり、結果としてスプリングバックを顕著に抑制することができる。
上記の炭酸エステル系溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートからなる群から選択された1種、より好ましくはジエチルカーボネートを用いることができる。
また、作製した電極板の電極活物質層の室温(25℃)における体積抵抗値は、4Ω・cm以下、より好ましくは2Ω・cm以下である。また、電極活物質層のプレス後の密度が、2.0〜3.5g/cm、より好ましくは2.2〜2.8g/cmである。
(電池の作製)
作製した電極板を用い、以下の方法により非水電解液二次電池を作製することができる。なお、本発明における非水電解液二次電池用電極板を、正極板及び負極板の少なくとも一方に用いることができるが、正極板に用いることが好ましい。正極板の場合、正極活物質の導電性が負極活物質に比べ低いため、通常は導電剤を大量に添加する必要があり、そのため、空隙率が低下する。しかし、本発明の電極板を用いることにより、空隙率を低下させることなく、低い体積抵抗率を確保することが可能となるからである。
正極板及び負極板を、ポリエチレン製多孔質フィルムのようなセパレータを介して渦巻状に捲回し、外装容器に挿入する。または、所定の形状に切り出した正極板及び負極板をセパレータを介して積層して固定し、外装容器に挿入する。挿入後、正極板に取り付けられたリード線を外装容器に設けた正極端子に接続し、一方、負極板に取り付けられたリード線を外装容器に設けた負極端子に接続し、外装容器に非水電解液を充填し、密封することによって、本発明に係る電極板を備えた非水電解液二次電池が完成する。
リチウム系二次電池を作製する場合には、溶質であるリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液を用いる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、又はLiB(C、LiN(SOCF、LiC(SOCF、LiOSOCF、LiOSO、LiOSO、LiOSO、LiOSO11、LiOSO13、LiOSO15等の有機リチウム塩を1種以上用いることができる。
リチウム塩を溶解するための有機溶媒としては、環状エステル系や鎖状エステル系を含む炭酸エステル系溶媒、環状エーテル系溶媒、鎖状エーテル系溶媒等を用いることができる。
環状エステル系溶媒としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等を例示できる。
鎖状エステル系溶媒としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。
環状エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等を例示できる。
鎖状エーテル系溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等を例示することができる。
(実施例1)
正極用活物質として平均一次粒径が1μmのLiCoO粉末を100重量部、導電剤としてアセチレンブラックを12.5重量部、外径250nm、長さ5μmのコイル状炭素2.5重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部を、溶媒であるN−メチルピロリドン(NMP)が固形分50%になるように加え、上記混合物を分散して電極用塗工液を調製した。
<体積抵抗率評価方法>
PETフィルム上に調製した電極用塗工液を塗布、乾燥し、約120g/mの塗工量のシートとし、約2.3g/cmの密度にプレスした後、低抵抗率計を用いてJIS K7194に準じて四端子四探針法にて体積抵抗率を測定した。
<空隙率評価方法>
厚さ15μmのアルミ箔上に、調製した電極用塗工液を塗布、乾燥し、約120g/mの塗工量の電極板を得た。該電極板を約2.3g/cmの密度にプレスした後、5cm×5cmに切り出し、水銀圧入式ポロシメータを用いて30nmから1μmの範囲にある空孔の空隙率測定をした。
(比較例1)
コイル状炭素を添加せず、導電剤としてアセチレンブラックを15重量部用いた以外は、実施例1と同様の方法により、電極用塗工液を調製し、さらにその塗工液から作製したシートの体積抵抗率と空隙率を測定した。
(結果)
上記の結果を表1に示す。実施例1では、比較例1に比べ体積抵抗率は減少し、かつ約2.3g/cmの密度にプレスをした後でも、大きな空隙率が得られた。
Figure 0005200329

Claims (6)

  1. 集電体の少なくとも一面に、熱プレスにより圧延された塗膜からなる電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板であって、該電極活物質層が、少なくとも、活物質、導電剤、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンおよびコイル状物質から成る空隙形成剤を含有してなり、該電極活物質層の熱プレス後の密度が、2.0〜3.5g/cm、空隙率が15〜40%、体積抵抗率が4Ω・cm以下である非水電解液二次電池用電極板。
  2. 上記コイル状物質が、コイル状炭素繊維、コイル状金属繊維、コイル状導電性金属酸化物繊維及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択された少なくとも1種である請求項1記載の非水電解液二次電池用電極板。
  3. 上記コイル状物質の外径が50〜1000nm、長さが0.1〜10μmである請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  4. 上記の電極板が正極板である請求項1から3のいずれか一つに記載の非水電解液二次電池用電極板。
  5. 少なくとも正極板、負極板、及び電解質を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び該負極板の少なくとも一方の電極板が、集電体の少なくとも一面に、少なくとも、活物質、導電剤、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンおよびコイル状物質から成る空隙形成剤とを含有する塗膜であって、熱プレスにより圧延された塗膜からなる電極活物質層が形成され、該電極活物質層の熱プレス後の密度が、2.0〜3.5g/cm、空隙率が15〜40%、体積抵抗率が4Ω・cm以下である非水電解液二次電池。
  6. 上記の電極板を正極板に用いてなる請求項5記載の非水電解液二次電池。
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