JP5043076B2 - 非水リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、充放電サイクルによる容量低下を抑制でき、優れた充放電サイクル特性をもつリチウム二次電池に関する。
リチウム二次電池は、環境問題の観点から、電気自動車用や電力貯蔵用の電池として注目されている。これらの用途では、高エネルギー密度と、充放電の繰返しが1000サイクル以上という長寿命とが要求される。従来のリチウム二次電池においては、高エネルギー密度を実現するために、負極に黒鉛材料を用いている。しかしながら、負極に黒鉛材料を使用したリチウム二次電池は、サイクル寿命が短くなるという欠点がある。
リチウム二次電池では、リチウムイオンが負極とこれに対向する正極との間を、電解液とセパレータとを通して往復移動する。これにより、電解液の分解・生成または電解液と負極との反応・生成の影響で、負極表面にLiF、LiCO、LiOH等の高抵抗被膜が生成・堆積する。この結果、リチウム二次電池の内部抵抗が上昇し、かつリチウムイオンの移動が阻害され、充放電容量が低下してしまう。さらに、負極表面を観察すると、高抵抗被膜が負極を覆うような形態になっていることが確認されている。したがって、このような高抵抗の連続被膜を生じさせないことが、充放電容量低下を防げるのに有効だと考えられる。
リチウム二次電池の充放電容量低下の課題に対して、特許文献1には、リチウムイオンが挿入・離脱が可能な正極と負極、及びこれらを分離する多孔質フィルムからなる非水リチウム二次電池において、負極表面上にセラミックスコート層を設ける技術が記載されている。特許文献2には、同じく負極表面上に無機酸化物フィラーを設ける技術が記載されている。いずれの技術も、非水リチウム二次電池の安全性及び信頼性を向上させるために欠かせない技術と考えられる。また、特許文献3には、負極表面上に活物質粒子と無機酸化物粒子との混合層を形成する技術が記載されている。
特開2008−159333号公報 特開2005−327680号公報 WO97−01870号公報
しかしながら、上述の技術には、次のような課題がある。すなわち、負極活物質に黒鉛粒子を用いており、充放電サイクルによって、無機酸化物からなる高抵抗の連続的皮膜が負極の合剤層表面を覆うように形成されるため、リチウムイオンの正負極間の移動が妨げられやすく、リチウム二次電池の充放電容量が大幅に減少する恐れがある。また、特許文献3に記載の技術では、負極の合剤層に活物質粒子と無機酸化物粒子との混合層が形成されるが、混合層の内部に無秩序に孤立した非導電性粒子が混入しているため、活物質粒子と無機酸化物粒子との混合層の抵抗が高くなる恐れがあり、これが充放電容量の低下を招くという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決し、充放電サイクルによる容量低下を抑制でき、優れた充放電サイクル特性をもつ非水リチウム二次電池を提供することにある。
本発明による非水リチウム二次電池は、基本的には、次のような特徴を有する。
リチウムイオンの挿入・離脱が可能な正極と負極、及び前記正極と前記負極とを分離するセパレータを備える非水リチウム二次電池であって、前記負極は、集電体と、前記集電体上に形成された少なくとも負極活物質と結着剤とからなる負極合剤層とを有する。前記負極合剤層の表層内に、非導電性粒子及びクラスター構造を有する非導電性粒子群の少なくとも一方が埋め込まれ、前記非導電性粒子と前記負極活物質とが混在している。
前記負極合剤層の表層内に存在する非導電性粒子のうち、直径が20μm以下の非導電性粒子は、前記負極合剤層の表層内に存在する全ての非導電性粒子と負極活物質との総体積に占める体積の割合が20〜80%である。
前記非導電性粒子と前記負極活物質とが混在している前記負極合剤層の表層の深さは、1〜20μmである。
また、リチウムイオンの挿入・離脱が可能な正極と負極、及び前記正極と前記負極とを分離するセパレータを備える非水リチウム二次電池であって、前記負極は、集電体と、集電体上に形成された少なくとも負極活物質と結着剤とからなる負極合剤層とを有する。前記負極合剤層の表面上には、非導電性粒子と空隙とが混在する。前記非導電性粒子は、前記負極合剤層の表面に結着している。前記負極合剤層の表面上に存在する非導電性粒子のうち、直径が20μm以下の非導電性粒子は、前記負極合剤層の表面上に存在する全ての非導電性粒子と空隙との総体積に占める体積の割合が20〜90%である。
前記非導電性粒子と前記空隙とが混在している前記負極合剤層の表面の高さは、1〜20μmである。
また、前記非導電性粒子は、アルミナ、シリカ、チタニア、及びジルコニアのうち少なくとも1種類からなる粒子である。前記セパレータは、セラミックスセパレータである。
本発明によれば、充放電サイクルによる容量低下を抑制でき、優れた充放電サイクル特性をもつ非水リチウム二次電池を得ることができる。
合剤層に非導電性粒子が埋め込まれている負極の断面図である 合剤層表面に形成した微細凹部に、非導電性粒子が埋め込まれている負極の断面図である。 合剤層の表面上に非導電性粒子を結着させた負極の断面図である。 コイン型リチウム二次電池の断面図である。 合剤層の表面上に非導電性粒子を結着させた負極の、斜視SEMによる観察画像である。
本発明は、非水リチウム二次電池の充放電容量の低下を抑制するには、上述した高抵抗の連続被膜を生じさせないことの他に、負極の合剤層表面と合剤層内部との抵抗の差が小さいことも重要であると推定し、成し遂げたものである。
本発明による非水リチウム二次電池の負極は、合剤層表層内に非導電性粒子を不連続的に埋め込むか、合剤層表面上に非導電性粒子と空隙とを混在させるものである。負極の表面を覆う高抵抗の皮膜は、非導電性粒子の上にはできにくいため不連続膜となり、リチウムイオンの正負極間の移動が妨げられることがなくなる。また、合剤層の表層内のみ、または合剤層の表面上のみに非導電性粒子が存在するので、合剤層の抵抗が高くなることがない。したがって、リチウム二次電池の充放電容量の低下を抑制することができる。
本発明による非水リチウム二次電池は、リチウムイオンの挿入・離脱が可能な正極と負極と、正極と負極とを分離するセパレータと、電解液とを有する。以下、これらの要素について説明する。
まず、非水リチウム二次電池の正極について説明する。正極は、正極活物質、導電助剤、及びバインダ(結着剤)からなる正極合剤層と、正極集電体とから構成される。
本発明による非水リチウム二次電池で使用可能な正極活物質は、リチウムを含有する酸化物からなる。リチウムを含有する酸化物としては、例えば、LiCoO、LiNiO、LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn0.4Ni0.4Co0.2のような層状構造を有する酸化物、LiMnやLi1+xMn2−xのようなスピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物、または、これらの酸化物においてMnの一部をAlやMg等の他の元素で置換したものを用いることができる。
正極活物質は一般に高抵抗であるため、導電助剤として炭素粉末を混合することにより、正極活物質の電気伝導性を補っている。正極活物質と導電助剤はともに粉末であるため、バインダを混合して粉末同士を結合させると同時に、この粉末層を合剤層として正極集電体へ接着させている。
導電助剤には、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、カーボンブラック、または非晶質炭素などを使用することが可能である。導電助剤の平均粒径を正極活物質粉末の平均粒径よりも小さくすると、導電助剤が正極活物質粒子表面に付着しやすくなり、少量の導電助剤によって正極の電気抵抗が減少する場合が多い。したがって、導電助剤の材料は、正極活物質の平均粒径に応じて選択すれば良い。
正極集電体は、電解液に溶解しにくい材質であれば良く、アルミニウム箔が多用されている。
正極は、正極活物質、導電助剤、バインダ、及び有機溶媒を混合した正極スラリーを、ブレードを用いて集電体へ塗布する方法、すなわちドクタ−ブレ−ド法により作製することができる。集電体へ塗布した正極スラリーを加熱して有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形する。正極合剤層は、正極スラリーの有機溶媒を乾燥させることにより、集電体上に作製される。このようにして、正極合剤層と集電体とが密着した正極を作製することができる。
次に、非水リチウム二次電池の負極について説明する。負極は、負極活物質、導電助剤、及びバインダ(結着剤)からなる負極合剤層と、負極集電体とから構成される。負極合剤層に、導電助剤を使用しない場合もある。
本発明による非水リチウム二次電池の負極活物質には、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能な黒鉛や非晶質炭素を利用可能であるが、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能であれば種類や材料に制限はない。使用する負極活物質は、一般に粉末状態で使用されることが多いので、バインダを混合して粉末同士を結合させると同時に、この粉末層を合剤層として負極集電体へ接着させている。
導電助剤には、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、カーボンブラック、または非晶質炭素などを使用することが可能である。以下に述べる実施例では、カーボンブラックを使用した。
負極集電体は、リチウムと合金化しにくい材質であることが条件であり、銅箔が多用されている。
負極は、負極活物質、導電助剤、バインダ、及び有機溶媒を混合した負極スラリーを、ドクタ−ブレ−ド法などによって集電体へ付着させた後、加熱して有機溶媒を乾燥させ、ロールプレスによって加圧成形することにより、作製することができる。負極合剤層は、負極スラリーの有機溶媒を乾燥させることにより、集電体上に作製される。尚、負極合剤層には、非導電性粒子を塗布し、負極合剤層の表層内に非導電性粒子を埋め込む、または、負極合剤層の表面上に非導電性粒子を結着させるが、これについては後述する。
セパレータは、ポリエチレン、ポリプロピレン、4フッ化エチレンなどの高分子系材料から構成され、上記で述べたように作製した正極と負極の間に挿入される。セパレータと電極が電解液を十分に保持するようにして、正極と負極の電気的絶縁を確保し、正極と負極間でリチウムイオンの授受を可能とする。
円筒型電池の場合は、正極と負極間にセパレータを挿入した状態で捲回して電極群を製造する。セパレータの代わりに、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)などのポリマーに、リチウム塩または非水電解液を保持させたシート状の固体電解質またはゲル電解質を使用することも可能である。また、電極を二軸で捲回すると、長円形型の電極群も得られる。
角型電池の場合は、正極と負極を短冊状に切断し、正極と負極を交互に積層し、各電極間にポリエチレン、ポリプロピレン、4フッ化エチレンなどの高分子系セパレータを挿入し、電極群を作製する。
また、安全性の向上のために、セパレータとして、高分子系セパレータをアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等の電気的絶縁性セラミックス粒子層で挟んだサンドイッチ状のセラミックスセパレータを用いても差し支えない。セラミックスセパレータは、セラミックス粒子(非導電性粒子)と結着剤を含む。
本発明は上記で述べた電極群の構造に依存せず、本発明による非水リチウム二次電池には、任意の構造が適用可能である。
また、電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、α-メトキシ-γ-ブチロラクトン、ジオキソラン、スルホラン、及びエチレンサルファイトの中から選ばれる少なくとも1種以上を混合して用いることができる。好ましい電解液としては、これらの溶媒に、LiPF、LiBF、LiSOCF、LiN[SOCF、LiN[SOCFCF、LiB[OCOCF、LiB[OCOCFCFなどのリチウム塩電解質を、体積濃度で0.5Mから2M程度含有したものを用いることができる。
非水リチウム二次電池は、作製した電極群を、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼製の電池容器へ挿入した後に、電解液を電極群へ浸透させることで作製することができる。電池缶の形状は、円筒型、偏平長円形型、角型などがあり、電極群を収納できれば、いずれの形状の電池缶を選択してもよい。
ここで、負極合剤層に塗布する非導電性粒子について説明する。非導電性粒子は、アルミナ、シリカ、チタニア、またはジルコニアを用いる。非導電性粒子は、リチウム電解液に対して電気化学的に安定であることが好ましい。
非導電性粒子の塗布方法には、一般的な方法を用いることができる。この方法としては、例えば、ディップ法、スピンコート法、スプレー法、溶射法等が挙げられる。負極合剤層に非導電性粒子を埋め込む方法としては、ディップ法、スピンコート法、スプレー法等で非導電性粒子を負極合剤層に塗布した後、ロールプレスによって負極を加圧する方法がある。溶射法等の非導電性粒子を埋め込み可能な方法で塗布した場合には、負極を加圧しなくてよい。
図1は、合剤層に非導電性粒子が埋め込まれている負極の断面図である。負極は、負極集電体25と、負極集電体25上に存在する負極合剤層26とから構成される。負極合剤層26の表面には、負極と正極とを分離するセパレータである絶縁層27がある。負極と絶縁層27は、電解液28に浸されている。
負極合剤層26の表層には、負極活物質99と非導電性粒子100とが混在している。上述したように、非導電性粒子100は、ディップ法、スピンコート法、スプレー法等で負極合剤層の表面に塗布されて、ロールプレスによって加圧され、負極合剤層の表層内に埋め込まれている。非導電性粒子100は、それぞれが単独で負極合剤層26の表層内に埋め込まれていてもよく、複数個が凝集して構成されたクラスター構造で埋め込まれていてもよい。非導電性粒子100が存在する範囲は、負極合剤層26の表面から深さ1〜20μmの範囲である。したがって、非導電性粒子100は、負極合剤層26の表層内にのみ存在し、負極合剤層の内部には存在しない。
合剤層表面に微細凹部を形成し、この微細凹部に非導電性粒子を塗布して埋め込むこともできる。合剤層表面の微細凹部は、ナノプリンタ技術を用いた凸状金型ロールにより形成できる。この方法の例としては、グラビア法等がある。微細凹部は、円柱状、円錐状、ドーム状等にへこんだ形状が好ましい。形成した合剤層表面の微細凹部に、ディップ法、スピンコート法、スプレー法等で非導電性粒子を塗布した後、ロールプレスによって負極を加圧する。
図2は、合剤層表面に形成した微細凹部に、非導電性粒子が埋め込まれている負極の断面図である。図2において、図1と同一の符号は、図1と同一または共通する要素を示す。
図2に示した負極は、負極合剤層26の表面に形成した負極活物質99の微細凹部101に、非導電性粒子100が埋め込まれている。このようにして、負極合剤層26の表層に負極活物質99と非導電性粒子100とが混在している。図1と同様に、非導電性粒子100は、負極合剤層26の表層内に、それぞれが単独で埋め込まれていてもよく、複数個が凝集して構成されたクラスター構造で埋め込まれていてもよい。また、導電性粒子100は、微細凹部101内に存在するので、負極合剤層26の表面上に連続して存在しない。
この場合も、非導電性粒子100は、負極合剤層26の表層内のみに存在し、負極合剤層の内部には存在しない。非導電性粒子100が存在する範囲は、負極合剤層26の表面から深さ1〜20μmの範囲である。
負極合剤層に非導電性粒子を塗布した後、合剤層の表層内に非導電性粒子を埋め込まないで、合剤層の表面上に非導電性粒子を結着させてもよい。合剤層の表面上に非導電性粒子を結着させる方法には、一般的な方法を用いることができる。この方法としては、例えば、ディップ法、スピンコート法、スプレー法等が挙げられる。非導電性粒子とバインダ(結着剤)とを混合した溶液を用いるため、溶液の粘度に注意する必要がある。粘度があまり高いと、合剤層上の非導電性粒子のムラが生じやすい。
図3は、合剤層の表面上に非導電性粒子を結着させた負極の断面図である。図3において、図1と同一の符号は、図1と同一または共通する要素を示す。図3に示した負極は、非導電性粒子100が負極合剤層26の表面上に結着している。また、負極合剤層26の表面上には空隙102が存在し、非導電性粒子100と空隙102とが混在しているので、非導電性粒子100は、負極合剤層26の表面上に連続的に存在しない。非導電性粒子100が存在する範囲は、負極合剤層26の表面から高さ1〜20μmの範囲である。この場合も、非導電性粒子100は、負極合剤層26の内部には存在しない。
以下、本発明による非水リチウム二次電池の特性を用いてサイクル試験を行うために、実施例1〜実施例5、及び比較例に示すコイン型リチウム二次電池を作製した。尚、本発明による非水リチウム二次電池は、以下に述べる実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図4は、作製したコイン型リチウム二次電池の断面図である。コイン型リチウム二次電池は、正極21、負極24、絶縁層27、電解液28、正極缶29、負極缶30、及びガスケット31を備える。正極21は、正極集電体22と正極合剤層23とを有し、負極24は、負極集電体25と負極合剤層26とを有する。絶縁層27は、正極21と負極24とを分離するセパレータである。正極21と負極24は、それぞれ正極缶29と負極缶30に収納され、絶縁層27と共に電解液28に浸される。ガスケット31は、正極缶29と負極缶30とを封止し、電解液28の漏洩を防ぐ。以下、正極21の作製、負極24の作製、及び電池の組立てについて説明する。
正極の作製
正極21は次のようにして作製した。
本実施例で使用した正極活物質は、平均粒径20μmのLi1.05Mn1.95である。導電助剤には、平均粒径3μm、比表面積13m/gの天然黒鉛と平均粒径0.04μm、比表面積40m/gのカーボンブラックとを、重量比4:1となるように混合したものを用いた。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン8wt%を予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用いた。
これらの正極活物質、導電助剤、及びポリフッ化ビニリデンが、重量比90:4:6となるように混合し、充分に混練したものを正極スラリーとした。この正極スラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体22の片面に塗布し、乾燥させることで、正極集電体22上に正極合剤層23を得た。正極合剤層23が形成された正極集電体22をロールプレスでプレスして、電極を作製した。この電極を直径が15mmの円盤状に打ち抜いて、正極21とした。
負極の作製
負極24は以下の方法で作製した。
負極活物質には、平均粒径10μmの黒鉛と平均粒径0.04μm、比表面積40m/gのカーボンブラックとを、重量比で95:5で機械的に混合したものを用いた。カーボンブラックは、導電助剤としての機能も果たす。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用いた。
先に混合した黒鉛とカーボンブラックからなる炭素材とポリフッ化ビニリデンとが、重量比90:10となるように混合し、充分に混練したものを負極スラリーとした。この負極スラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体25の片面に塗布し、仮乾燥させることで、負極集電体25上に負極合剤層26を得た。
負極合剤層26には、アルミナ粒子を非導電性粒子として塗布した。結着剤としてポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用い、アルミナ粒子とポリフッ化ビニリデンが重量比90:10となるように混合した。この混合液をスピンコート法により負極合剤層26上に塗布することで、非導電性粒子を負極合剤層26に塗布した。スピンコート速度は、120rpm×30秒である。
この負極合剤層26が形成された負極集電体25をロールプレスでプレスした後、本乾燥させ、電極を作製した。この電極を直径が16mmの円盤状に打ち抜いて、負極24とした。
負極24の表面形態は、SEM(走査型電子顕微鏡)で観察した結果、負極合剤層26の表層内のみに非導電性粒子が埋め込まれていることを確認した。さらに、負極合剤層26の内層に非導電性粒子が存在しないことも確認した。また、断面SEMで負極合剤層26を観察したところ、図1に示したように、非導電性粒子が負極合剤層の表面から深さ1〜20μmの範囲で存在することがわかった。
電池の組立て
本発明による非水リチウム二次電池は、以下のようにして組立てた。
正極21と負極24とを、正極缶29と負極缶30の中にそれぞれ配置した。正極21と負極24の間には、厚さ40μmのポリエチレン多孔質セパレータからなる絶縁層27を配置し、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合液(体積比:1対2)にLiPFを溶かして1.0mol/dmとした混合系電解液28を、正極缶29と負極缶30の中に注液した。尚、正極缶29及び負極缶30は、ガスケット31により封止されるとともに、互いに絶縁されている。
このようにして、本発明によるコイン型の非水リチウム二次電池を作製した。このコイン型リチウム二次電池に使用した正極及び負極を用いて、対極と参照極を金属リチウムとした3極式セルを作製し、サイクル試験を行った。
(実施例2)
本実施例で作製したコイン型リチウム二次電池は、実施例1で作製したコイン型リチウム二次電池と負極24の構成が違うだけで、他は同じである。したがって、負極24の作製方法についてのみ説明する。
負極活物質には、平均粒径10μmの黒鉛と平均粒径0.04μm、比表面積40m/gのカーボンブラックとを、重量比で95:5で機械的に混合したものを用いた。カーボンブラックは、導電助剤としての機能も果たす。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用いた。
先に混合した黒鉛とカーボンブラックからなる炭素材とポリフッ化ビニリデンとが、重量比90:10となるように混合し、充分に混練したものを負極スラリーとした。この負極スラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体25の片面に塗布し、仮乾燥させることで、負極集電体25上に負極合剤層26を得た。
負極合剤層26には、チタニア粒子を非導電性粒子として塗布した。チタニア粒子を分散させたポリメチルスチレン溶液を用い、ディップ法により非導電性粒子を負極合剤層26に塗布した。
非導電性粒子を塗布した負極合剤層26が形成された負極集電体25をロールプレスでプレスした後、本乾燥させ、電極を作製した。この電極を直径が16mmの円盤状に打ち抜いて、負極24とした。
負極24の表面形態は、SEMで観察した結果、負極合剤層26の表層内のみに非導電性粒子が埋め込まれていることを確認した。さらに、負極合剤層26の内層に非導電性粒子が存在しないことも確認した。また、断面SEMで負極合剤層26を観察したところ、図1に示したように、非導電性粒子が負極合剤層の表面から深さ1〜20μmの範囲で存在することがわかった。
(実施例3)
本実施例で作製したコイン型リチウム二次電池も、実施例2と同様に、実施例1で作製したコイン型リチウム二次電池とは負極24の構成が違うだけで、他は同じである。したがって、負極24の作製方法についてのみ説明する。
本実施例の負極24は、負極合剤層26の表面に形成した微細凹部に、非導電性粒子が埋め込まれているものである。
負極活物質には、平均粒径10μmの黒鉛と平均粒径0.04μm、比表面積40m/gのカーボンブラックとを、重量比で95:5で機械的に混合したものを用いた。カーボンブラックは、導電助剤としての機能も果たす。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用いた。
先に混合した黒鉛とカーボンブラックからなる炭素材とポリフッ化ビニリデンとが、重量比90:10となるように混合し、充分に混練したものを負極スラリーとした。この負極スラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体25の片面に塗布し、仮乾燥させることで、負極集電体25上に負極合剤層26を得た。
負極合剤層26に対し、角すい形をした無数の凸部を有するナノインプリント用金型ロールを用い、表面を微細凹部にした。
表面を微細凹部にした負極合剤層26に、アルミナ粒子を非導電性粒子として塗布した。アルミナ粒子を分散させたポリメチルスチレン溶液を用い、スプレー法により非導電性粒子を負極合剤層26に塗布した。
非導電性粒子を塗布した負極合剤層26が形成された負極集電体25をロールプレスでプレスした後、本乾燥させ、電極を作製した。この電極を直径が16mmの円盤状に打ち抜いて、負極24とした。
負極24の表面形態は、SEMで観察した結果、負極合剤層26の表層内のみに非導電性粒子が埋め込まれていることを確認した。さらに、負極合剤層26の内層に非導電性粒子が存在しないことも確認した。また、断面SEMで負極合剤層26を観察したところ、図2に示したように、非導電性粒子が負極合剤層の表面から深さ1〜20μmの範囲で存在することがわかった。
(実施例4)
本実施例で作製したコイン型リチウム二次電池も、実施例2、3と同様に、実施例1で作製したコイン型リチウム二次電池とは負極24の構成が違うだけで、他は同じである。したがって、負極24の作製方法についてのみ説明する。
負極活物質には、平均粒径10μmの黒鉛と平均粒径0.04μm、比表面積40m/gのカーボンブラックとを、重量比で95:5で機械的に混合したものを用いた。カーボンブラックは、導電助剤としての機能も果たす。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用いた。
先に混合した黒鉛とカーボンブラックからなる炭素材とポリフッ化ビニリデンとが、重量比90:10となるように混合し、充分に混練したものを負極スラリーとした。この負極スラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体25の片面に塗布し、仮乾燥させることで、負極集電体25上に負極合剤層26を得た。
負極合剤層26には、アルミナ粒子を非導電性粒子として塗布した。アルミナ粒子を分散させたポリメチルスチレン溶液を用い、この溶液をスピンコート法により負極合剤層26上に塗布することで、非導電性粒子を負極合剤層26に塗布した。スピンコートにあたっては、負極合剤層26が形成された負極集電体25を5個作製し、実施例4−1から実施例4−5として、それぞれのスピンコート条件を変えて非導電性粒子を塗布した。スピンコートは、表1に示すようなスピンコート速度で30秒行った。
Figure 0005043076
この負極合剤層26が形成された5個の負極集電体25を、ロールプレスでプレスした後、本乾燥させ、電極を作製した。これら5個の電極を直径が16mmの円盤状に打ち抜いて、負極24とした。
負極24の表面形態は、SEMで観察した結果、実施例4−1から実施例4−5とも、負極合剤層26の表層内のみに非導電性粒子が埋め込まれていることを確認した。さらに、負極合剤層26の内層に非導電性粒子が存在しないことも確認した。また、断面SEMで負極合剤層26を観察したところ、実施例4−1から実施例4−5とも、図1に示したように、非導電性粒子が負極合剤層の表面から深さ1〜20μmの範囲で存在することがわかった。
(実施例5)
本実施例で作製したコイン型リチウム二次電池も、実施例2〜4と同様に、実施例1で作製したコイン型リチウム二次電池とは負極24の構成が違うだけで、他は同じである。したがって、負極24の作製方法についてのみ説明する。
負極活物質には、平均粒径10μmの黒鉛と平均粒径0.04μm、比表面積40m/gのカーボンブラックとを、重量比で95:5で機械的に混合したものを用いた。カーボンブラックは、導電助剤としての機能も果たす。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用いた。
先に混合した黒鉛とカーボンブラックからなる炭素材とポリフッ化ビニリデンとが、重量比90:10となるように混合し、充分に混練したものを負極スラリーとした。この負極スラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体25の片面に塗布し、乾燥させることで、負極集電体25上に負極合剤層26を得た。
負極合剤層26には、アルミナ粒子を非導電性粒子として塗布した。アルミナ粒子を分散させたポリメチルスチレン溶液を用い、スプレー法により非導電性粒子を負極合剤層26に塗布した。
この負極合剤層26が形成された負極集電体25をロールプレスでのプレスをせずに乾燥させ、電極を作製した。この電極を直径が16mmの円盤状に打ち抜いて、負極24とした。
実施例5では、負極合剤層26が形成された負極集電体25をプレスしていないので、非導電性粒子は、合剤層の表層内に埋め込まれず、合剤層の表面上に結着されている。断面SEMで負極合剤層26を観察したところ、図3に示したように、非導電性粒子が負極合剤層の表面から高さ1〜20μmの範囲で存在することがわかった。図5は、実施例5における負極の、斜視SEMによる観察画像である。
(実施例6)
本実施例で作製したコイン型リチウム二次電池も、実施例2〜5と同様に、実施例1で作製したコイン型リチウム二次電池とは負極24の構成が違うだけで、他は同じである。したがって、負極24の作製方法についてのみ説明する。
負極活物質には、平均粒径10μmの黒鉛と平均粒径0.04μm、比表面積40m/gのカーボンブラックとを、重量比で95:5で機械的に混合したものを用いた。カーボンブラックは、導電助剤としての機能も果たす。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用いた。
先に混合した黒鉛とカーボンブラックからなる炭素材とポリフッ化ビニリデンとが、重量比90:10となるように混合し、充分に混練したものを負極スラリーとした。この負極スラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体25の片面に塗布し、仮乾燥させることで、負極集電体25上に負極合剤層26を得た。
負極合剤層26には、アルミナ粒子を非導電性粒子として塗布した。結着剤としてポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用い、アルミナ粒子とポリフッ化ビニリデンが重量比90:10となるように混合した。この混合液をスピンコート法により負極合剤層26上に塗布することで、非導電性粒子を負極合剤層26に塗布した。スピンコートにあたっては、負極合剤層26が形成された負極集電体25を5個作製し、実施例6−1から実施例6−5として、それぞれのスピンコート条件を変えて非導電性粒子を塗布した。スピンコートは、表2に示すようなスピンコート速度で30秒行った。
Figure 0005043076
この負極合剤層26が形成された5個の負極集電体25をロールプレスでのプレスをせずに乾燥させ、電極を作製した。この電極を直径が16mmの円盤状に打ち抜いて、負極24とした。
実施例6では、実施例5と同様に、非導電性粒子を塗布した負極合剤層26が形成された負極集電体25をプレスしていないので、非導電性粒子は、合剤層の表層内に埋め込まれず、合剤層の表面上に結着されている。断面SEMで負極合剤層26を観察したところ、実施例6−1から実施例6−5とも、図3に示したように、非導電性粒子が負極合剤層の表面から高さ1〜20μmの範囲で存在することがわかった。
(比較例)
比較例で作製したコイン型リチウム二次電池も、実施例2〜6と同様に、実施例1で作製したコイン型リチウム二次電池とは負極24の構成が違うだけで、他は同じである。したがって、負極24の作製方法についてのみ説明する。
負極活物質には、平均粒径10μmの黒鉛と平均粒径0.04μm、比表面積40m/gのカーボンブラックとを、重量比で95:5で機械的に混合したものを用いた。カーボンブラックは、導電助剤としての機能も果たす。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン8wt%を、予めN−メチルピロリドンに溶解した溶液を用いた。
先に混合した黒鉛とカーボンブラックからなる炭素材とポリフッ化ビニリデンとが、重量比90:10となるように混合し、充分に混練したものを負極スラリーとした。この負極スラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる負極集電体25の片面に塗布し、乾燥させることで、負極集電体25上に負極合剤層26を得た。
負極合剤層26が形成された負極集電体25をロールプレスでプレスして、電極を作製した。この電極を直径が16mmの円盤状に打ち抜いて、負極24とした。
このように、本比較例で作製した負極24は、負極合剤層26の表層内や表面上に非導電性粒子が存在しない負極である。
実施例1〜6及び比較例で示したように作製したコイン型リチウム二次電池を用いて、以下に示す方法でサイクル試験を行った。
(サイクル試験方法)
実施例1〜6と比較例とで示したコイン型リチウム二次電池を、温度45℃において、以下の条件で充放電した。まず、電圧4.1Vまで電流密度1mA/cmの定電流で充電した後に4.1Vで定電圧充電をする定電流定電圧充電を3時間行った。充電が終了した後に、1時間の休止時間をおき、放電終止電圧3Vまで、1mA/cmの定電流で放電した。放電が後終了した後に、2時間の休止時間を設けた。このような充電、休止、放電、休止を繰り返すサイクル試験を行った。このサイクル試験の1サイクル目と1000サイクル目における、リチウム二次電池の放電容量変化を比較した。
表3は、このサイクル試験の結果をまとめたものである。実施例1〜6と比較例のリチウム二次電池に対し、1サイクル目の放電容量を、実施例1の放電容量を1としたときの相対値で示している。また、それぞれの電池における1サイクル目の放電容量に対する1000サイクル目の放電容量の比を、放電容量維持率として示している。
Figure 0005043076
実施例1〜6のいずれのリチウム二次電池においても、負極合剤層の表層内や表面上に非導電性粒子を存在させることにより、非導電性粒子が存在していない比較例の場合に比べ、1000サイクル目の放電容量維持率が向上したことが確認できた。ただし、実施例4−1については、1000サイクル目の放電容量維持率は比較例と比べて変化がなかった。これは、負極合剤層の表層内の非導電性粒子の体積充填率、すなわち負極合剤層の表層内の非導電性粒子と負極活物質との総体積に占める非導電性粒子の体積の割合が影響しているからである。以下、これについて説明する。
実施例4−1から実施例4−5は、非導電性粒子を負極合剤層に塗布するスピンコート速度が異なり、この結果、負極合剤層の表層内の非導電性粒子の体積充填率が異なっている。SEMで負極合剤層の表面の写真を撮り、これを画像処理し、直径が20μm以下の非導電性粒子の体積充填率を求めた。直径が20μm以下の非導電性粒子の体積充填率は、実施例4−1は95%、実施例4−2は80%、実施例4−3は70%、実施例4−4は47%、実施例4−5は18%であった。
実施例4−1の負極合剤層は、直径が20μm以下の非導電性粒子の体積充填率が95%と高い。非導電性粒子の体積充填率が95%以上になると、負極合剤層上に非導電性粒子の層が形成されるため、リチウムイオンの移動が妨げられやすくなり、充放電容量が低下する。このため、実施例4−1では、1000サイクル目の放電容量維持率は、非導電性粒子を含まない比較例と変わらなかったと考えられる。
したがって、実施例4のように負極合剤層の表層内に非導電性粒子が埋め込まれている場合には、負極合剤層の表層内の非導電性粒子の体積充填率が20〜80%であると、放電容量の低下を抑制できることがわかる。
実施例5と実施例6の負極合剤層についても、SEMで負極合剤層の表面の写真を撮り、これを画像処理し、直径が20μm以下の非導電性粒子の体積充填率を求めた。実施例5と実施例6の場合の体積充填率は、負極合剤層の表面上の非導電性粒子と空隙との総体積に占める非導電性粒子の体積の割合である。
実施例5の負極合剤層について、直径が20μm以下の非導電性粒子の体積充填率を求めると、70%であった。
また、実施例6からは、スピンコート条件により、負極合剤層の表面に結着した非導電性粒子の体積充填率が異なることがわかった。直径が20μm以下の非導電性粒子の体積充填率は、実施例6−1は89%、実施例6−2は79%、実施例6−3は73%、実施例6−4は45%、実施例6−5は23%であった。
尚、表3には記述していないが、実施例5、6のように非導電性粒子が負極合剤層の表面上に結着されている場合にも、非導電性粒子の体積充填率が95%以上になると、負極合剤層上に非導電性粒子の層が形成されるため、リチウムイオンの移動が妨げられやすくなり、充放電容量が低下する。したがって、非導電性粒子が負極合剤層の表面上に結着されている場合にも、負極合剤層の表面上の非導電性粒子の体積充填率が20〜90%であると、放電容量の低下を抑制できる。
以上のことから、本発明による非水リチウム二次電池は、負極合剤層の表層内または表面上に非導電性粒子を不連続的に混合させることで、サイクル寿命を向上できることが確認できた。本発明は、特に、放電容量が大きいリチウム二次電池において効果がある。
本発明による非水リチウム二次電池の用途は、特に限定されない。例えば、パーソナルコンピュータ、ワープロ、コードレス電話子機、電子ブックプレーヤ、携帯電話、自動車電話、ハンディターミナル、トランシーバ、携帯無線機等の携帯情報通信機器の電源として使用することができる。また、携帯コピー機、電子手帳、電卓、液晶テレビ、ラジオ、テープレコーダ、ヘッドホンステレオ、ポータブルCDプレーヤ、ビデオムービー、電気シェーバー、電子翻訳機、音声入力機器、メモリーカード等の各種携帯機器の電源として使用できる。その他、冷蔵庫、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、オーブン電子レンジ、食器洗い機、乾燥器、洗濯機、照明器具、玩具等の家庭用電気機器として使用できる。さらに、産業用途として、医療機器、建設機械、電力貯蔵システム、エレベータ等として、または、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、ゴルフカート等の移動体用電源として使用できる。
21…正極、22…正極集電体、23…正極合剤層、24…負極、25…負極集電体、26…負極合剤層、27…絶縁層、28…電解液、29…正極缶、30…負極缶、31…ガスケット、99…負極活物質、100…非導電性粒子、101…微細凹部、102…空隙。

Claims (5)

  1. リチウムイオンの挿入・離脱が可能な正極と負極、及び前記正極と前記負極とを分離するセパレータを備える非水リチウム二次電池であって、
    前記負極は、集電体と、前記集電体上に形成された少なくとも負極活物質と結着剤とからなる負極合剤層とを有し、
    前記負極合剤層の表面には凹部が形成され、前記凹部の形成後、前記凹部には非導電性粒子が埋め込まれ、前記負極合剤層の表層内では、前記凹部に埋め込まれた前記非導電性粒子と前記負極活物質とが混在して前記非導電性粒子が不連続に存在し、
    前記負極合剤層の表層内に存在する非導電性粒子のうち直径が20μm以下の非導電性粒子は、前記負極合剤層の表層内に存在する全ての非導電性粒子と負極活物質との総体積に占める体積の割合が20〜80%であることを特徴とする非水リチウム二次電池。
  2. 前記非導電性粒子は、クラスター構造を有する非導電性粒子群として前記凹部に埋め込まれていることを特徴とする請求項1記載の非水リチウム二次電池。
  3. 前記非導電性粒子と前記負極活物質とが混在している前記負極合剤層の表層の深さは、1〜20μmである請求項1記載の非水リチウム二次電池。
  4. 前記非導電性粒子は、アルミナ、シリカ、チタニア、及びジルコニアのうち少なくとも1種類からなる粒子である請求項1または2記載の非水リチウム二次電池。
  5. 前記セパレータは、セラミックスセパレータである請求項1記載の非水リチウム二次電池。
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