JP4407020B2 - セパレータ付き電池用電極の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用電極間の絶縁性を担保するセパレータを電池用電極の表面に一体的に形成したセパレータ付き電池用電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パソコンや小型携帯電話や携帯ビデオカメラ等の電源や自動車のクリーンなエネルギー源としてその高い重量エネルギー密度を持ち、高出力で大電流特性に優れた高性能二次電池の開発が盛んである。ここで用いられる二次電池には、小型軽量でありながら大容量・高出力であること、即ち高エネルギー密度・高出力密度であることが求められている。高エネルギー密度・高出力密度を達成できる二次電池としては、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池が有力視されている。
【0003】
一般的にリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵および放出できる薄膜状の正極および負極と、その間に介在・積層されたポリエチレンやポリプロピレン等の高分子から構成される微多孔膜であるセパレータと、正極と負極との間でリチウムイオンを移動させる電解液とを備えている。
【0004】
これらの電池要素のうちセパレータは蓄電作用に直接関係ない要素であるので、高出力で大電流特性に優れた二次電池とするために、セパレ−タを薄膜化することで低抵抗化が図られている。薄膜化したセパレータは製造時の取り扱いが困難であるが、電極の表面にセパレータを一体的に形成することで解決している。
【0005】
従来、セパレータを電池用電極と一体的に形成する方法としては、ポリマーを溶剤で常温あるいは高温下で溶解し、電極などの基材に塗布(溶剤キャスティング)した後、該ポリマーの貧溶媒などに浸漬させたポリマー溶液を貧溶媒に接触、冷却するなどして樹脂を析出し、乾燥後多孔質膜を得る溶剤キャスト法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術によるセパレータの形成方法によると、セパレータを薄膜化することでピンホールが発生したり、充分な引張り・突刺し強度等の物理的特性を得ることが困難であった。したがって、従来技術の方法で電池用電極上にセパレータを形成すると、電池用電極表面の電極活物質層が空隙や大きい表面粗さをもつために内部短絡が発生することがあり、歩留りが低下するおそれがあった。
【0007】
そこで本発明は、従来技術の方法よりもセパレータを薄膜化できるセパレータ付き電池用電極の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する目的で、本発明者らは鋭意研究の結果、電気泳動を応用することにより実用的に問題となるピンホールのない緊密なセパレータを形成できることを見出した。すなわち、電気泳動法は、学会(電気化学学会 第66回大会要旨 発表No.P24)で開示された集電体表面に電極活物質層の薄膜を形成することができる他に、電気泳動法をセパレータの形成に応用すると、薄膜の均一化をも達成できることを発見した。
【0009】
すなわち、本発明のセパレータ付き電池用電極の製造方法は、電池用電極と、該電池用電極と一体的に形成された電池用電極間の短絡防止用のセパレータとをもつセパレータ付き電池用電極の製造方法であって、前記セパレータを構成する構成材料を溶媒中に分散させた溶液中に前記電池用電極を浸漬する浸漬工程と、前記溶液内に電位勾配を発生させて前記構成材料を電気泳動により前記電池用電極表面に付着させる電気泳動工程とを有することを特徴とする。
【0010】
つまり、電気泳動法をセパレータの形成に応用すると、電池用電極表面のセパレータが形成されていない部分に集中的に電流が流れるので電流密度が高くなり、その部分に電気泳動が集中することで、セパレータが形成されていない部分に優先的にセパレータが形成される。したがって、セパレータ形成が遅れている部分に優先してセパレータが形成されるので、結果的にセパレータがピンホールの形成もなく均一に電池用電極表面に形成されることとなる。
【0011】
そして、前記電気泳動工程において少なくとも正極、負極からなる2種類の電極によって前記電位勾配を発生させており、該正極および負極のうちのいずれか一方は前記電池用電極が兼ねることが好ましい。電池用電極に直接電圧を印加することにより、電気泳動の制御をより精密に行うことができ、さらに電極の総数を減らすことができる。また、電池用電極の両面にセパレータを形成するために、さらに他方の電極は前記電池用電極の両面側にそれぞれ1つずつ設けられることがより好ましい。
【0012】
さらに、セパレータの形成されていない部分を設けるために、前記電池用電極から独立した部材であって、該電池用電極表面の所定部位への前記構成材料の電気泳動を阻害する遮蔽部材をもつことが好ましい。
【0013】
またさらに、前記構成材料は樹脂およびセラミックスの中から選ばれる1種以上であることが形成されるセパレータの性能の観点からは好ましい。
【0014】
また、前記構成材料の粒子径が50μm以下であることが好ましい。粒子径を50μm以下とすると、空隙率が同じであってもより電気抵抗が小さいセパレータとなるからである。
【0015】
また、構成材料の表面電位を制御するために前記溶液中には、前記構成材料の表面を帯電させる帯電剤を含むことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本実施形態のセパレータ付き電池用電極の製造方法は、浸漬工程と電気泳動工程とからなる。
【0017】
〔電池用電極〕
本製造方法が適用できる「電池用電極」は、どのような電池に用いられるものであっても良く、正極および負極のいずれかであって対極との間に電極間の短絡防止用のセパレータを介在させて電池が形成される電池に用いられる電池用電極である。たとえば、リチウムイオン二次電池が例示される。そして、一般的な電池以外にも電気二重層キャパシタ、燃料電池のようなものの電極をも含む意味である。
【0018】
〔浸漬工程〕
浸漬工程は、セパレータを構成する構成材料を溶媒中に分散させた溶液中に電池用電極を浸漬する工程である。この浸漬工程において、電池用電極は全体を同時に浸漬するばかりでなく連続的に溶液中に浸漬されても良い。
【0019】
構成材料は、溶液中においてよく分散し、かつ形成されたセパレータが微多孔質となるように、粒子径を50μm以下、特に1μm以下とすることが望ましい。また、粒度分布をよりシャープとすることで空隙率が大きくでき、低抵抗化を図ることができるので好ましい。また、低抵抗化するためには同じ空隙率でも微多孔質なほど望ましい。また、構成材料は、溶液中で分散させる他に溶媒に溶解させて用いることもできる。
【0020】
構成材料の溶液中への適正な含有割合は、用いる溶媒・電気泳動工程の条件等によって大きく異なる。これは、後述する電気泳動工程によって構成材料が一様に電池用電極の表面に付着するのではなく構成材料の荷電・質量等の変化により異なる溶液中での移動速度によって付着の様子が異なるからである。また、構成材料の荷電は使用する溶媒、溶液温度、帯電剤によっても影響される。
【0021】
セパレータの構成材料は、電池用電極が使用される電池によって異なる。構成材料としては、後述する電気泳動工程によって電池用電極の表面に付着させたときに電気絶縁性・イオン伝導性等のセパレータに求められる性能を有するものであれば特に限定しない。たとえば、構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、SBR等の樹脂、Al2O3、SiC、SiO2等のセラミックス等の中から選ばれる1種以上の物質を前記性質を満たす好ましい構成材料として挙げることができる。特にセラミックスを構成材料に用いる場合には、セパレータの耐熱性や突き刺し強度等の向上が期待できる。
【0022】
さらに、構成材料として樹脂またはセラミックス粒子を電極に付着させた後に、その形状を保持する必要がある場合は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の高分子結着剤を単独または2種以上を混合したものを構成材料の一部として用いることが望ましい。
【0023】
また、セパレータの構成材料以外の物質、たとえばセパレータの形成後に溶解することによりセパレータに多孔質を形成する物質、等であっても必要に応じて混合することができる。
【0024】
樹脂またはセラミックスを粉体のまま分散させて溶液中に分散させる場合、溶媒としてはアセトン等のケトン類およびエタノール等のアルコール類等の有機溶剤、水、およびこれらの混合溶媒が使用できる。また樹脂、セラミックスを膨潤・溶解させる溶媒を添加することで、樹脂等を膨潤させ、溶液内での粒子の浮きや沈降を低減することができる。粒子が大きい・比重が溶媒と大きく異なるなど、安定した分散系が得られない場合には、スタラーや超音波などで物理的に粒子を分散させでも良い。
【0025】
この時に分散質である樹脂またはセラミックスに電荷を付与するためヨウ素や界面活性剤などの粒子に電荷を付与できる帯電剤を添加しても良い。また、溶媒中のpHを調整することでも、構成材料を溶媒に安定に分散させたり、構成材料の電荷を制御することもできる。
【0026】
こうした構成材料の分散安定性は、溶液の温度の影響も受けやすいことから、溶液の温度調整を行うことが好ましい。たとえば、温度調整の方法としては、溶液を保持する槽内に冷却水などの熱媒を循環させたりすること等により達成できる。
【0027】
〔電気泳動工程〕
電気泳動工程は、溶液内に電位勾配を発生させることでセパレータの構成材料を溶液内で電気泳動させて電池用電極表面に付着させる工程である。この電気泳動工程では、電池用電極表面の所定部位へのセパレータの構成材料の電気泳動を阻害する電池用電極と独立して配設された遮蔽部材を用いることが好ましい。たとえば、集電用のリード等を形成する部分に遮蔽部材を配設することにより、セパレータの形成される部分を制御できる。
【0028】
溶液内に電位勾配を発生させる方法としては、たとえば、対向する2つの電気泳動用電極に電圧を印加することで達成できる。電気泳動用電極の形状は、電池用電極の表面に均一に構成材料が付着するように、溶液内で電池用電極が通過する部分の電位勾配が一定とすることができる形状が好ましい。たとえば、電気泳動用電極の大きさを電池用電極が通過する部分を覆うのに充分な大きさとする。そして、電気泳動用電極のいずれか一方は溶液内に浸漬された電池用電極が兼ねることができる。電池用電極を電気泳動用電極とすることで、直接、構成材料を電池用電極に付着させることができる。なお、溶液内に発生させる電位勾配の向きは、構成材料等の溶液内における帯電電位により決定される。すなわち、帯電した構成材料等が電池用電極方向に移動するように電位勾配が決定される。たとえば、構成材料を正に帯電させた場合は電池用電極を負極とする。また、電気泳動用電極の数は2つに限られず、必要に応じて3以上としても良い。たとえば、電池用電極の両面にセパレータ層を形成したい場合に、電池用電極を正極とし、2つの負極を電池用電極の両面に設けることで電池用電極の両面に構成材料を付着させセパレータを形成することができる。
【0029】
電気泳動用電極に印加する電圧、電圧印加時間等の条件としては特に限定されず、電池用電極表面に形成されるべきセパレータの厚さ、空隙率、組成等に応じて適宜選択される。電圧を高くすれば、セパレータが緊密化し空隙率が小さくなる。ヨウ素添加アセトン溶液を溶媒に用いた場合に好ましい印加電圧としては5〜1000V程度を挙げることができる。また、電圧を印加する時間を長くすると、電池用電極表面のセパレータが厚くなる。また、構成材料以外に溶媒に分散させた物質は、その性質により溶液中での表面電位が異なり電気泳動の速度が異なるので電気泳動用電極に印加する電圧を目的のセパレータ組成・構造となるように調節する。なお、電池用電極表面に形成するセパレータの厚さは電池用電極片面当たり好ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは10μm以下とする。セパレータの厚さが薄い方が電池の内部抵抗が低くなりより高出力の電池を提供できるからである。このように薄いセパレータは従来の溶剤キャスト法等では精度の高い形成が困難であった。それに対し電気泳動法によると、電気泳動は電位勾配の大きい部分に優先的に構成材料が付着するのでセパレータの厚さに不均等が生じるとセパレータが薄い部分から構成材料が付着して形成されるセパレータの厚さは一定になるという利点がある。
【0030】
遮蔽部材は、電池用電極のセパレータを形成させたくない部位に近接して設けられる。遮蔽部材と電池用電極との隙間は小さい方がセパレータの構成材料の不必要な部分への回り込みが少なくなる。また、遮蔽部材は構成材料が移動する側と反対の電気泳動用電極の電位よりも構成材料が移動する側の電気泳動用電極の電位に近く調節されることが好ましい。さらに、遮蔽部材は電池用電極と同電位に調節されることがより好ましい。電位を調節することにより、遮蔽部材と電池用電極との隙間に電位勾配が少なくなるので、電池用電極へのセパレータの付着が少なくなるからである。そして、遮蔽部材は絶縁体とすることもできる。
【0031】
また、電気泳動工程においても溶液内の構成材料が沈殿しないように何らかの方法で溶液の攪拌を続けることが好ましい。
【0032】
【実施例】
以下に実施例に基づき詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0033】
(電池用電極の製造)
NMPに溶解したフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(結着材)、ニッケル酸リチウム(正極活物質)、ゲッチェンブラック(導電材)からなるリチウムイオン二次電池用正極合剤ペーストを集電体としてのアルミ箔に塗布・乾燥後プレス成形することで電池用電極としての正極を得た。
【0034】
次にNMPに溶解したフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(結着材)及びグラファイト(負極活物質)からなるリチウムイオン二次電池用負極合剤ペーストを集電体としての銅箔に塗布し乾燥後プレス成形することで電池用電極としての負極を作製した。
【0035】
これらの正極・負極を用いて以下の実施例を説明する。
【0036】
(セパレータ付き電池用電極の製造装置)
図1に示すセパレータ付き電池用電極の製造装置を用いてセパレータ付き電池用電極を製造した。本製造装置はロール状に巻回された電池用電極10を保持し送出する送出手段1と溶液槽2と溶液槽2内に設けられた2枚の電極板31、32とその電極板31、32の間の電池用電極10進行方向に向かって右側に電池用電極10の厚さ程度の隙間をあけて設けられた金属製の遮蔽部材51、52と溶液槽2内の電極板31、32および遮蔽部材51、52の間に電池用電極10が通過して溶液内に浸漬するように保持するガイド6、7、8、9と電池用電極10を巻き取る取込手段4とからなる。そして電圧の制御が可能な直流電源90の負極を送出手段1を介して電池用電極10に接続し、正極を電極板31、32および遮蔽部材51、52に接続する。これにより遮蔽部材51、52と電池用電極10とは等電位となる。
【0037】
したがって、図2に示すように、電極板31、32から電池用電極10の方向へ電気泳動されたセパレータの構成材料は遮蔽部材51、52によって遮蔽されるので、電池用電極10のBの部分にはセパレータが形成されない。遮蔽部材51、52は電池用電極10と同電位に調節されているので、遮蔽部材51、52と電池用電極10との間にセパレータの構成材料が回り込む量を減らすことができる。なお、図2においてAは電池用電極10上にセパレータが付着した部分を示す。
【0038】
送出手段1に保持された電池用電極10は、ガイド6、7、8、9により溶液槽2内を通過し取込手段3により取り込まれる。
【0039】
(粒径の測定方法)
日機装株式会社製「HRA9320−X100型マイクロトラック」を用いて、粒度分布を測定し、中心粒径D50およびD10、D90を求めた。
【0040】
(実施例1)
溶液槽2内に入れる溶液としては、溶媒としてのアセトン100重量部に対して、セパレータの構成材料として粒度分布がD50:8.0μm、D10:3.2μm、D90:12.8μmのポリエチレンを1重量部の割合で混合した。さらに、アセトン100重量部に対して、帯電剤としての0.5mol/Lヨウ素アセトン溶液を0.5重量部添加した。これらの混合溶液を5分間超音波分散を行い充分に分散した。
【0041】
電池用電極10は上述の方法で厚さ10μmのCuの集電体上にグラファイトとバインダを重量比92.5:7.5の割合で形成された電極を使用した。電気泳動用電極31、32としてセパレータを両面に形成させるため両側に10mmの距離をおいてSUS製電極を設置した。
【0042】
電気泳動条件は印加電圧400Vで泳動時間はセパレータの膜厚が25μm、空隙率50%となるようにセパレータを形成させるための電極の送り速度を調節した。電気泳動により形成した電極を乾燥した後、コイン型電池を作製し、内部抵抗を測定した結果、短絡せず歩留りの高い電極が得られた。また、この時の抵抗値を1.0とし、以下の実施例の基準とした。
【0043】
(実施例2)
ポリエチレンの粒度分布がD50:2.0μm、10:0.8μm、D90:3.2μmであり、セパレータの膜厚を10μmとなるように電池用電極10の送り速度を調節した以外は実施例1と同じ条件で作製した結果、空隙率が50%、抵抗値は0.87であった。
【0044】
(実施例3)
ポリエチレンの粒度分布がD50:0.8μm、D10:0.3μm、D90:1.3μmである以外は実施例2と同じ条件で作製した結果、空隙率が50%、抵抗値は0.81であった。
【0045】
(実施例4)
ポリエチレンの粒度分布がD50:8.0μm、D10:4.8μm、D90:11.2μmであり、セパレータの膜厚を25μmとなるように電池用電極10の送り速度を調節した以外は実施例1と同じ条件で作製した結果、空隙率が55%、抵抗値は0.95であった。
【0046】
(実施例5)
電池用電極10として上述の方法で厚さ15μmのAlの集電体上にニッケル酸リチウムとゲッチェンブラックとフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を重量比85:10:5の割合で形成された電極を使用した以外は実施例1と同じ条件で作製した結果、空隙率が50%、抵抗値は0.99であった。
【0047】
(実施例6)
ポリエチレンに代えて粒度分布がD50:8.0μm、D10:3.2μm、D90:12.8μmであるポリプロピレンを用いた以外は実施例1と同じ条件で作製した結果、空隙率が50%、抵抗値は0.99であった。
【0048】
(実施例7)
溶液として溶媒としての水100重量部に対して、構成材料としての粒度分布がD50:8.0μm、D10:3.2μm、D90:12.8μmのAl2O3およびPTFE(D50:0.1μm)を重量比95:5の割合で混合したものを1重量部混合した溶液を用い、電気泳動条件を印加電圧50Vで泳動時間をセパレータの膜厚が25μm、空隙率が50%となるように形成する電池用電極10の送り速度を調節した以外は実施例1と同じ条件で作製した結果、空隙率50%、抵抗値は0.99であった。
【0049】
(比較例1)
NMP80重量部にPVDFを20重量部溶解した溶液をブレードコータを用いて、上述の負極上に膜厚25μmとなるようにギャップを調整し塗布した後、水中で2分間浸漬することで高分子膜を得た。得られた電極を乾燥した後、コイン型電池を作製したが、電極の空隙率や表面状態に大きく影響され,ピンホールが多く短絡した。
【0050】
以上のように、本発明の製造方法によると、電池用電極の表面状態・空隙率等に影響されることなく頑強でかつ薄いセパレータを電池用電極の表面に一体的に形成することができるという利点がある。また、溶剤キャスト法等のように高分子溶液を塗布した後の析出工程等の工程を経ることなく少ない工程・短い時間でセパレータ付き電池用電極を製造することができるという利点もある。また、セパレータを従来のものよりも容易に薄くすることができるので、電池の内部抵抗についても低いものを提供できるという利点がある。また、セパレータの空隙率、厚さを容易に調節することができるという利点がある。
【0051】
【発明の効果】
以上のように本発明の製造方法によると、従来技術の方法よりもセパレータを薄膜化できるセパレータ付き電池用電極の製造方法を提供することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた製造装置の概略図である。
【図2】実施例で用いた製造装置の電極板と遮蔽部材との配置の様子を示した図である。
【符号の説明】
1…送出手段 10…電池用電極 A…電池用電極(セパレータ形成部) B…電池用電極(セパレータ未形成部) 2…溶液槽 31、32…電極板 4…取込手段 51、52…遮蔽部材 6、7、8、9…ガイド90…直流電源
Claims (7)
- 電池用電極と、該電池用電極と一体的に形成された電池用電極間の短絡防止用のセパレータとをもつセパレータ付き電池用電極の製造方法であって、
前記セパレータを構成する構成材料を溶媒中に分散させた溶液中に前記電池用電極を浸漬する浸漬工程と、
前記溶液内に電位勾配を発生させて前記構成材料を電気泳動により前記電池用電極表面に付着させる電気泳動工程とを有することを特徴とするセパレータ付き電池用電極の製造方法。 - 前記電気泳動工程において少なくとも正極、負極からなる2種類の電極によって前記電位勾配を発生させており、該正極および該負極のいずれか一方は前記電池用電極が兼ねる請求項1に記載のセパレータ付き電池用電極の製造方法。
- 前記電気泳動工程において少なくとも正極、負極からなる2種類の電極によって前記電位勾配を発生させており、該正極および該負極のいずれか一方は前記電池用電極が兼ね、他方は前記電池用電極の両面側にそれぞれ1つずつ設けられる請求項1に記載のセパレータ付き電池用電極の製造方法。
- 前記電気泳動工程では、前記電池用電極から独立した部材であって、該電池用電極表面の所定部位への前記構成材料の電気泳動を阻害する遮蔽部材をもつ請求項1に記載のセパレータ付き電池用電極の製造方法。
- 前記構成材料は樹脂およびセラミックスの中から選ばれる1種以上である請求項1に記載のセパレータ付き電池用電極の製造方法。
- 前記構成材料の粒子径が50μm以下である請求項1に記載のセパレータ付き電池用電極の製造方法。
- 前記電気泳動工程において前記溶液内には前記構成材料の表面に帯電させる帯電剤を含む請求項1に記載のセパレータ付き電池用電極の製造方法。
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