JP2007265889A - 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法並びに非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解液に浸漬した際のスプリングバックを抑制し、電解液浸漬前後で実質的に体積抵抗率に変化のない、低体積抵抗率の電極を提供すること。
【解決手段】集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板である。電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含み、活物質100重量部に対しホットメルト接着剤を1重量部以上5重量部未満含んでいる。
【選択図】なし
【解決手段】集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板である。電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含み、活物質100重量部に対しホットメルト接着剤を1重量部以上5重量部未満含んでいる。
【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池用電極板、その製造方法、そしてそれを用いた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギー密度、高電圧を有し、また充放電時におけるメモリー効果が無いことから、携帯機器、大型機器など様々な分野で用いられている。一般的な非水電解液二次電池は、正極、負極、セパレータ及び有機電解液からなり、正極及び負極は金属箔等の集電体の上に充放電可能な活物質及び結着剤、必要に応じて導電剤を混合した塗膜を形成したものが用いられている。塗膜の形成は通常、活物質と結着剤、及びその他の材料を溶媒中で混練・分散してスラリー状の塗工液にし、これを集電体上に塗布・乾燥することで行なわれる(例えば、特許文献1及び2)。
近年、特に電気自動車、ハイブリッド自動車、そしてパワーツール等の高出力特性が必要とされる分野に向けての開発が進んでいる。インピーダンスが高い電池は高出力充放電時にその容量を十分に生かすことができない。そのため、例えば塗膜を薄膜大面積化して、電池のインピーダンスを下げる方法が用いられている。例えば、リチウムイオン二次電池は、用いる非水電解液が水系電解液に比べ一般的に抵抗が高いこともあり、その開発当初から鉛蓄電池等他の電池に比べ薄く広い面積の電極を使用し、かつ極板間距離を短くした形態となっている。
特開昭63−10456号公報
特開平3−285262号公報
塗膜が形成された集電体は、必要に応じてプレスされた後、所定形状に裁断されたり打ち抜かれて電極となる。塗膜形成後のプレスは、一般に塗膜の密度を上げ、電池の体積エネルギー密度を向上させると同時に、集電体との密着性を向上させる効果がある。また塗膜に導電剤が添加されている場合は、導電剤粒子の接触を改善し、集電体から活物質粒子への良好な電子伝導経路(導電パス)を確保する効果もある。導電パスが確保されるに伴い塗膜の体積抵抗率は低下する。
高出力充放電特性が必要とされる電池においては、活物質の急速な反応を阻害しないために活物質に対する導電パスを良好に保つ必要があり、すなわち塗膜の体積抵抗率を小さく保つ必要がある。しかし、塗膜の体積抵抗率を下げるため、カーボンブラックなどの導電剤を増量しても、電池のインピーダンスは期待したほど低下しないという問題が生じた。この原因を詳細に検討したところ、導電剤を増量する事によりプレス後の塗膜の体積抵抗率は小さくなるが、このような電極を電解液に浸漬すると塗膜の厚みがプレス前の厚みに近づく方向へ非可逆的に回復して(スプリングバック)導電剤粒子間の距離が増加し、結果として体積抵抗率が電解液浸漬前に比べ増加してしまう事が原因だと判った。比表面積の大きな(重量あたりの粒子数の多い)導電剤を増量すると、プレスでも潰れにくくなり、スプリングバックも大きくなる傾向にある。この体積抵抗率の増加は、プレスにより形成された導電剤の良好な接触(導電パス)が実際の電池中で分断されてしまうことを意味し、すなわち添加した導電剤が実際の電池中において効果的に作用しなくなっている事に対応する。
また、スプリングバックが大きいと、活物質の膨張及び収縮の繰り返しによる応力により、塗膜から活物質や導電剤が欠落し易くなりサイクル特性や放電特性が低下するという問題もある。
また、集電体と塗膜との密着性が十分でなく、電池製造時や電池容器に組み込み後、塗膜の集電体との間の界面で一部剥離が生じ、生産性の低下や、サイクル特性や放電特性が低下するという問題もあった。
そこで、本発明は、上記の問題を解決し、電解液に浸漬した際のスプリングバックを抑制するとともに、集電体と塗膜との密着性を向上させ、優れたサイクル特性と放電特性を与える電極を提供することを目的とした。
本発明者らは、スプリングバックの原因について検討し、電極塗膜に導電剤を増量するとスプリングバックが大きくなるのは、もともと潰れにくい塗膜をプレスするため、プレス後の塗膜内部に応力が残存し易いためと考えた。さらに、この内部応力は結着剤の弾性変形に由来するもので、これが電解液による膨潤により解放されてしまうと考えた。そこで、電極塗膜の製造条件について鋭意検討した結果、ホットメルト接着剤を含む電極塗膜は、電解液浸漬後のスプリングバックが大きく抑制されることを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板であって、上記電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含み、活物質100重量部に対しホットメルト接着剤を1重量部以上5重量部未満含んでなることを特徴とするものである。
本発明の電極板には、溶融温度が100℃以上であるホットメルト接着剤を用いることができる。
また、電極塗膜の厚さが10μm〜100μmであるものを用いることができる。
また、導電剤を活物質100重量部に対し12重量部以上用いることができる。
また、結着剤にはフッ素系樹脂を用いることができる。
また、本発明の電極板は、室温における体積抵抗率が4Ω・cm以下であり、炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗率R1と室温で1分間浸漬後の体積抵抗率R2とを用い、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される抵抗増加率ΔRが30%以下であることを特徴とするものでもある。
ここで、炭酸エステル系溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
本発明の電極板は、例えば以下の方法を用いて製造することができる。すなわち、本発明の非水電解液二次電池用電極板の製造方法は、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板の製造方法であって、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含む塗工液を集電体の少なくとも一面に塗布し、ホットメルト接着剤の溶融温度以上に加熱して電極板とし、次いで該電極板をプレスすることを特徴とするものである。
また、電極板の製造において、プレスを、結着剤の融点の60%以上の温度であって結着剤の熱分解温度未満の温度に加熱して行うこともできる。
本発明の非水電解液二次電池は、少なくとも正極板、負極板及び電解質を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び負極板の少なくとも一方に、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなり、電極塗膜が、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含み、活物質100重量部に対しホットメルト接着剤が1重量部以上5重量部未満添加されている電極板を用いることができる。
本発明の非水電解液二次電池用電極板は、電極塗膜にホットメルト接着剤を含んでいるので、その接着力により導電剤粒子や活物質粒子間の強固な接触が確保されている。そのため、電解液に浸漬しても塗膜の厚みが増加して導電剤粒子や活物質粒子間の良好な接触が分断されることが無く、プレスにより得られた小さな体積抵抗値、すなわち良好な導電パスを電解液中においても維持することが可能となる。これにより、導電剤を増量しても、その増量した導電剤を効果的に利用することができるので、インピーダンスの低い非水電解液二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板であって、電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含み、活物質100重量部に対しホットメルト接着剤が1重量部以上5重量部未満添加されているものである。
本発明の非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板であって、電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含み、活物質100重量部に対しホットメルト接着剤が1重量部以上5重量部未満添加されているものである。
(ホットメルト接着剤)
本発明に用いるホットメルト接着剤は、有機溶剤を含まない100%固形分の接着剤であり、加熱溶融させて被接着基材に塗布し、冷却により固化させて接着させるものである。ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂を主成分とし、接着付与剤やワックス成分等を含むものである。また、電解液に溶解しないものを用いる必要がある。熱可塑性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン共重合体(SIS)等の合成ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を挙げることができる。好ましくは、EVA、合成ゴム系樹脂又はポリアミド系樹脂、さらに好ましくは、ポリアミド系樹脂である。
本発明に用いるホットメルト接着剤は、有機溶剤を含まない100%固形分の接着剤であり、加熱溶融させて被接着基材に塗布し、冷却により固化させて接着させるものである。ホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂を主成分とし、接着付与剤やワックス成分等を含むものである。また、電解液に溶解しないものを用いる必要がある。熱可塑性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)やポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)やスチレン−イソプレン共重合体(SIS)等の合成ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を挙げることができる。好ましくは、EVA、合成ゴム系樹脂又はポリアミド系樹脂、さらに好ましくは、ポリアミド系樹脂である。
また、接着付与剤には、通常ホットメルト接着剤に用いられるものを用いることができ、例えば、ロジン、ロジン誘導体、ピネン系樹脂、ブチラール樹脂、ポリイソブチレン、ポリアクリロニトリル、そして石油樹脂(脂肪族系、脂環系、芳香族系)を挙げることができ、これらを1種以上用いることができる。
また、ワックス成分には、通常ホットメルト接着剤に用いられるものを用いることができ、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成ワックス、木ロウ、カルナバワックス等の天然ワックスを挙げることができ、これらを1種以上用いることができる。
ホットメルト接着剤の添加量は、活物質100重量部に対し、1重量部以上で5重量部未満、より好ましくは1重量部以上3重量部以下である。1重量部より少ないとスプリングバックを抑制する効果が十分でなく、5重量部以上では電極塗膜の抵抗が増加して電池特性が低下してくるからである。
ホットメルト接着剤の溶融温度は、100℃〜170℃、より好ましくは120℃〜160℃である。電極塗膜を乾燥させるには100℃以上に加熱する必要があるが、ホットメルト接着剤の溶融温度が100℃よりも低いと、塗膜中の溶媒がホットメルト接着剤に溶解し除去するのが困難になるからである。また170℃より高いと接着力が低下してくるからである。
(活物質)
正極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の正極活物質として用いられている材料を用いることができる。例えば、LiMn2O4(マンガン酸リチウム)、LiCoO2(コバルト酸リチウム)若しくはLiNiO2(ニッケル酸リチウム)等のリチウム遷移金属複合酸化物、または、TiS2、MnO2、MoO3もしくはV2O5等のカルコゲン化合物を例示することができる。特に、LiCoO2を正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系二次電池が得られる。
正極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の正極活物質として用いられている材料を用いることができる。例えば、LiMn2O4(マンガン酸リチウム)、LiCoO2(コバルト酸リチウム)若しくはLiNiO2(ニッケル酸リチウム)等のリチウム遷移金属複合酸化物、または、TiS2、MnO2、MoO3もしくはV2O5等のカルコゲン化合物を例示することができる。特に、LiCoO2を正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系二次電池が得られる。
正極活物質は、塗膜中に均一に分散させるために、平均粒径が0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの正極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、正極活物質は一般に電子伝導性が小さいため、高出力用途として用いる場合は電極反応を速やかに進行させるために平均粒径は小さい方が好ましく、例えば5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることが更に好ましい。
一方、負極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の負極活物質として用いられている材料を用いることができる。例えば、天然グラファイト、人造グラファイト、アモルファス炭素、カーボンブラック、または、これらの成分に異種元素を添加した炭素複合体等の炭素質材料が好んで用いられる。また、金属リチウム及びその合金、スズ、シリコン、及びそれらの合金等のリチウムイオンを吸蔵放出可能な材料が一般的に使用可能である。
負極活物質の粒子形状は特に限定されない。例えば、鱗片状、塊状、繊維状、球状のものが使用可能である。負極活物質は、塗工層中に均一に分散させるために、平均粒径が
0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの負極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの負極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電極塗膜の正極又は負極活物質の含有率は、溶媒を除く配合成分を基準(固形分基準)とし、70〜98重量%、より好ましくは80〜88重量%である。
(結着剤)
結着剤としては従来から用いられているもの、例えば、熱可塑性樹脂、より具体的にはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂またはポリイミド樹脂等を使用することができる。好ましい結着剤は、フッ素系樹脂であり、テトラフルオロエチレンやフッ化ビニリデンの単独重合体やそれらの共重合体が含まれる。より好ましくはポリフッ化ビニリデンである。電極塗膜中の結着剤の含有率は、固形分基準で1.5〜20重量%、より好ましくは4〜12重量%である。
結着剤としては従来から用いられているもの、例えば、熱可塑性樹脂、より具体的にはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂またはポリイミド樹脂等を使用することができる。好ましい結着剤は、フッ素系樹脂であり、テトラフルオロエチレンやフッ化ビニリデンの単独重合体やそれらの共重合体が含まれる。より好ましくはポリフッ化ビニリデンである。電極塗膜中の結着剤の含有率は、固形分基準で1.5〜20重量%、より好ましくは4〜12重量%である。
また、結着剤に融点の異なる2種以上のフッ素系樹脂を用いることもできる。低融点のフッ素系樹脂、例えばフッ素系共重合体エラストマーを用いることにより、そのエラストマーが低温で軟化することにより、塗膜内部の残留応力をさらに低減することができる。
例えばフッ素系樹脂にポリフッ化ビニリデンを用いる場合、フッ素系共重合体エラストマーには、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体やフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体を用いることが好ましい。この場合、ポリフッ化ビニリデンとエラストマーの配合比は、重量比で4.5:5.5〜9.5:0.5、より好ましくは5:5〜9:1である。
例えばフッ素系樹脂にポリフッ化ビニリデンを用いる場合、フッ素系共重合体エラストマーには、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体やフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体を用いることが好ましい。この場合、ポリフッ化ビニリデンとエラストマーの配合比は、重量比で4.5:5.5〜9.5:0.5、より好ましくは5:5〜9:1である。
また、結着剤の一部に代えて、イオン導電性ポリマーを用いることもできる。イオン導電性ポリマーには、ポリアルキレンオキサイドやその部分架橋体等の高分子固体電解質や、ポリアクリロニトリル及び/又はその共重合体、ポリメチルメタクリレート及び/又はその共重合体等の高分子ゲル電解質が含まれる。好ましくは高分子ゲル電解質であり、さらに好ましくはポリアクリロニトリル及び/又はその共重合体である。電解液の保持能が大きいからである。これらイオン導電性ポリマーを結着剤と併用することにより、電極塗膜の成膜性を確保しながら、電極塗膜のイオン導電性を向上させることが可能となる。イオン導電性ポリマーと結着剤の配合比は、重量比で0.1:9.9〜5:5、より好ましくは0.1:9.9〜4:6である。ゲル化する樹脂は一般的に電解液中での膨潤が大きいため、多量に添加するとスプリングバックが軽減されない恐れがあるからである。
(導電剤)
導電剤としては、天然及び人造のグラファイト、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素質材料を用いることができる。ここで、カーボンブラックには、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等が含まれる。より好ましくは、アセチレンブラックである。さらに、必要に応じてグラファイトや炭素繊維を添加することもできる。ここで、炭素繊維には気相成長炭素繊維(VGCF)を用いることが好ましい。VGCFの添加は、体積抵抗率をさらに低減できるとともに、電極塗膜への電解液の染み込みを向上させる効果を有する。VGCFの添加量は、アセチレンブラック10重量部に対し、1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。1重量部より少ないと体積抵抗率を低減させる効果が十分でなく、10重量部を超えると、スプリングバックを抑制する効果が十分でなくなるからである。
導電剤としては、天然及び人造のグラファイト、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素質材料を用いることができる。ここで、カーボンブラックには、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等が含まれる。より好ましくは、アセチレンブラックである。さらに、必要に応じてグラファイトや炭素繊維を添加することもできる。ここで、炭素繊維には気相成長炭素繊維(VGCF)を用いることが好ましい。VGCFの添加は、体積抵抗率をさらに低減できるとともに、電極塗膜への電解液の染み込みを向上させる効果を有する。VGCFの添加量は、アセチレンブラック10重量部に対し、1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。1重量部より少ないと体積抵抗率を低減させる効果が十分でなく、10重量部を超えると、スプリングバックを抑制する効果が十分でなくなるからである。
導電剤の粒子形状、大きさ等は特に限定されないが、電解液に含まれるイオンと活物質層に含まれる活物質によって電池反応が起きるため、電解液が活物質層に染み込み可能な空隙(導電剤等が存在しない空間)が、保液層中に確保できる範囲内で、例えば、粒子状、繊維状、ポーラスシート状などのものが使用可能である。導電剤が粒子状の場合、平均粒径は0.01〜20μm、好ましくは0.03〜5μmである。また、高出力化のためには、活物質粒子表面を導電剤粒子が効果的に網羅して導電パスを形成する必要があるため、活物質の平均粒径よりも粒径が小さい導電剤を含むことが好ましく、活物質の平均粒径の1/10以下の平均粒径を持つ導電剤を含むことがより好ましい。電極塗膜中の導電剤の含有率は、活物質100重量部に対して1.5〜30重量部、より好ましくは1.5〜20重量部、さらに好ましくは12〜20重量部である。
電極塗膜の厚さは、抵抗を小さくするため、10〜100μm以下であることが好ましい。なお、電極塗膜は、体積エネルギー密度を高めると同時に、粒子間の良好な接触を保つため、高密度に充填する必要がある一方、電解液に含まれるイオンと活物質によって電池反応は起きるため、電解液が電極塗膜の内部に染み込めるような空隙を確保する必要がある。そのため、電極塗膜の空隙率は、細孔径30nm以上1μm以下の範囲において6〜40%、より好ましくは10〜35%とする必要がある。空隙率が大きすぎると、粒子同士の良好な接触が保たれず反応に関与する電子移動が阻害される。また空隙率が小さすぎると、電極反応に必要なイオンの速やかな移動が阻害され、高出力を出すことは難しくなる。
電極板の集電体には、正極板にはアルミニウム箔を、負極板には電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔を用いることができる。集電体の厚さは5〜50μmが好ましい。
(電極板の作製方法)
本発明においては、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含む塗工液を集電体の少なくとも一面に塗布し、ホットメルト接着剤の溶融温度以上に加熱して電極塗膜を形成して電極板となし、次いでその電極板をプレスして非水電解液二次電池用電極板を製造する。
本発明においては、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含む塗工液を集電体の少なくとも一面に塗布し、ホットメルト接着剤の溶融温度以上に加熱して電極塗膜を形成して電極板となし、次いでその電極板をプレスして非水電解液二次電池用電極板を製造する。
正極塗膜及び負極塗膜を形成するための塗工液を調製する溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン或いはこれらの混合物、又はイオン交換水のような、結着剤を溶解及び分散可能な溶媒を用いることができる。塗工液中の溶媒の割合は、30〜65重量%、好ましくは45〜60重量%とし、塗工液をスラリー状に調製する。適宜選択した正極又は負極活物質、結着剤、導電剤及びホットメルト接着剤を適切な溶媒中に加え、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。なお、必要に応じて、増粘剤、分散剤等を添加することもできる。
塗布方法は、特に限定されないが、例えば、ダイコート、コンマコート等を用いることができる。塗工液の粘度が低い場合には、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等によって塗布することもできる。塗布形状は、必要に応じて間欠塗工などパターンを形成してもよい。尚、塗膜は複数回塗工、乾燥を繰り返すことにより形成してもよく、3層以上を塗工した後、その3層以上を一度に乾燥させてもよい。なお、電極膜の塗工量は、正極の場合20〜300g/m2(片面あたり)、好ましくは30〜200g/m2(片面あたり)であり、負極の場合は10〜200g/m2(片面あたり)、好ましくは20〜150g/m2(片面あたり)である。
塗工後、ホットメルト接着剤を溶融させるために電極塗膜を加熱する。同時に、塗膜中の溶媒を除去できるので塗膜を乾燥させることができる。溶媒の除去方法は特に限定されないが、温風乾燥、遠赤外線乾燥、接触乾燥、減圧乾燥、フリーズドライ乾燥などの一般的な手法の中から適宜選択し又はこれらのいくつかを組み合わせて用いることができる。加熱温度は、ホットメルト接着剤の溶融温度以上とする必要があり、100℃〜190℃、より好ましくは120℃〜190℃である。
このように形成された電極板をさらにプレスにより圧延する。プレスは、例えば、金属ロール、弾性ロールなどを用いたロールプレス機、平板プレス機等を用いて行う。
本発明においては、上記のプレスの際に、同時に加熱を行うこともできる。加熱とプレスを同時に行うことにより、プレス時にかかる力を結着剤の弾性変形ではなく、加熱により軟化した結着剤の塑性変形として逃がすことができ、プレス時の塗膜中に発生する内部応力を抑制することができる。これにより、スプリングバックをさらに抑制できるのみならず、電極塗膜の密度、電極塗膜の集電体に対する密着性、均質性を向上させることができる。
ここで、プレスは電極と直接接触する部位の温度を制御できることが必要である。「プレス時の温度」という場合、ロールプレスであればロール表面温度、平板プレスの場合はプレス板の表面温度のことを言う。実際の塗膜中においては結着剤は大きな塊ではなく微細に分布している為、融点よりも低い温度で軟化が始まり塑性変形をさせることができる。実際の樹脂の軟化の程度は、プレス部の温度および電極との接触時間で決まるが、このときプレス温度が低すぎると軟化による塑性変形は起きずスプリングバックは抑制されない。逆にプレス温度が高すぎると、接触時間を短くしても、溶融した結着剤が塗膜中の空隙を塞いだり、塗膜の表面がプレス部に付着してしまう恐れがある。プレス時の温度は、結着剤の融点の60%以上の温度であって結着剤の熱分解温度未満の温度で行うことが好ましい。より好ましくは、結着剤の融点の60〜150%、さらに好ましくは70〜110%の温度である。例えば、結着剤にポリフッ化ビニリデンを用いる場合、ポリフッ化ビニリデンの融点は約170℃、熱分解温度は約360℃であるので、熱プレスの好ましい温度は、100〜360℃、より好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは、120〜190℃である。
なお、一般的に電極板の熱伝導性は良好である為、予め加熱してからプレスする方法では加熱部からプレス機までの間で放冷により電極温度が下がりやすく、プレス機との接触によっても容易に温度が変化するため、加圧時の温度制御が難しく好ましい方法ではない。しかしながら、連続で大量の電極を熱プレスする場合など、熱プレス機から電極への熱移動によりプレス機の温度が低下してしまうような場合には、プレス機に投入する直前で電極板を予備加熱する方法を用いることもできる。
また、ロールプレスは、ロングシート状の電極板を連続的にプレス加工することができる。ロールプレスを行う場合には定位プレス、定圧プレスのいずれを行ってもよい。プレスのライン速度に特に制限は無いが、通常は1〜50m/minとする。線圧は電極が破断しない圧力範囲であれば良い。もし装置能力の制限などにより1回のプレスで目標厚みまたは密度に到達しない場合は、複数回プレスを行なっても良い。
また、シートプレスを行う場合には、圧力は電極が破断しない範囲であれば良い。もし装置能力の制限などにより1回のプレスで目標厚みまたは密度に到達しない場合は、複数回プレスを行なっても良い。
以上のようにして作製した電極板は、電解液に浸漬してもスプリングバックが抑制されるので、浸漬後の密度変化も抑制し、かつ電極塗膜の体積抵抗率の増加を抑制することができる。具体的には、本発明の電極板は、炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗率をR1、室温で1分間浸漬し乾燥した後の体積抵抗率をR2とし、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される体積抵抗増加率ΔRが30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは2%以下である。変化率は小さい方が好ましいが、体積抵抗率の絶対値が十分に小さい場合は、30%以下の変化率であればスプリングバックによる導電パス分断の影響は小さい。電解質を含まない溶媒は、電解質を含む電解液に比べ、一般に溶質に対する溶解力が大きく塗膜に対する膨潤効果も大きい。しかしながら、本発明の電極板は溶媒を用いた場合においても、塗膜の膨潤に伴って起きる非可逆的なスプリングバックを抑制することが可能であり、結果として導電パスの分断による体積抵抗率の増加を顕著に抑制することができる。
上記の炭酸エステル系溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートからなる群から選択された1種、より好ましくはジエチルカーボネートを用いることができる。
また、作製した電極板の電極塗膜の室温(25℃)における体積抵抗率は、4Ω・cm以下、より好ましくは2.5Ω・cm以下、さらに好ましくは1Ω・cm以下である。
(電池の作製)
作製した電極板を用い、以下の方法により非水電解液二次電池を作製することができる。なお、本発明における非水電解液二次電池用電極板は、正極板及び負極板の少なくとも一方が、上記非水電解液二次電池用電極板であれば良いが、特に正極板に用いることが好ましい。正極板の場合、正極活物質の導電性が負極活物質に比べ低いため、急速充放電時においては集電体から活物質への導電剤による導通パス確保が重要であり、電解液浸漬に伴うスプリングバックによる抵抗増大(導電パス分断)の影響が大きく、本発明の電極板を正極板に用いることにより、電解液に浸漬しても効果的に導電パスが確保された状態に保つ事ができる。
作製した電極板を用い、以下の方法により非水電解液二次電池を作製することができる。なお、本発明における非水電解液二次電池用電極板は、正極板及び負極板の少なくとも一方が、上記非水電解液二次電池用電極板であれば良いが、特に正極板に用いることが好ましい。正極板の場合、正極活物質の導電性が負極活物質に比べ低いため、急速充放電時においては集電体から活物質への導電剤による導通パス確保が重要であり、電解液浸漬に伴うスプリングバックによる抵抗増大(導電パス分断)の影響が大きく、本発明の電極板を正極板に用いることにより、電解液に浸漬しても効果的に導電パスが確保された状態に保つ事ができる。
正極板及び負極板を、ポリエチレン製多孔質フィルムのようなセパレータを介して渦巻状に捲回し、外装容器に挿入する。または、所定の形状に切り出した正極板及び負極板をセパレータを介して積層して固定し、外装容器に挿入する。挿入後、正極板に取り付けられたリード線を外装容器に設けた正極端子に接続し、一方、負極板に取り付けられたリード線を外装容器に設けた負極端子に接続し、外装容器に非水電解液を充填し、密封することによって、本発明に係る電極板を備えた非水電解液二次電池が完成する。
リチウム系二次電池を作製する場合には、溶質であるリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液を用いる。リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、又はLiB(C6H5)4、LiN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiOSO2CF3、LiOSO2C2F5、LiOSO2C3F7、LiOSO2C4F9、LiOSO2C5F11、LiOSO2C6F13、LiOSO2C7F15等の有機リチウム塩を1種以上用いることができる。
リチウム塩を溶解するための有機溶媒としては、環状エステル系や鎖状エステル系を含む炭酸エステル系溶媒、環状エーテル系溶媒、鎖状エーテル系溶媒等を用いることができる。
環状エステル系溶媒としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等を例示できる。
鎖状エステル系溶媒としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。
環状エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等を例示できる。
鎖状エーテル系溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等を例示することができる。
実施例1.
<塗工液調製>
活物質としてコバルト酸リチウム、導電剤としてアセチレンブラック(商品名:HS-100電気化学工業(株))、バインダーとしてPVDF(KF 1320 呉羽化学(株)製)、ホットメルト接着剤としてエチレン-酢酸ビニル共重合体EVA(エバフレックス:三井・デュポンケミカル(株))を重量比100/15/9/1となるように添加し、溶媒としてNMPを添加し、10000rpmで20分間攪拌し、所定の塗工液を調製した。
<塗工液調製>
活物質としてコバルト酸リチウム、導電剤としてアセチレンブラック(商品名:HS-100電気化学工業(株))、バインダーとしてPVDF(KF 1320 呉羽化学(株)製)、ホットメルト接着剤としてエチレン-酢酸ビニル共重合体EVA(エバフレックス:三井・デュポンケミカル(株))を重量比100/15/9/1となるように添加し、溶媒としてNMPを添加し、10000rpmで20分間攪拌し、所定の塗工液を調製した。
<電池評価用電極板作製>
厚さ15μmのAl箔(集電体)上に約120g/m2になるように塗工液を塗布し、130℃で15分間乾燥させ電極板を作製した。
厚さ15μmのAl箔(集電体)上に約120g/m2になるように塗工液を塗布し、130℃で15分間乾燥させ電極板を作製した。
<体積抵抗率測定用電極板作製>
体積抵抗率を測定する為に厚さ100μmのPET(ルミラーT-60 東レ(株)製)上に約120g/m2になるように塗工液を塗布し、130℃で15分間乾燥させ、体積抵抗率測定用電極板を作製した
体積抵抗率を測定する為に厚さ100μmのPET(ルミラーT-60 東レ(株)製)上に約120g/m2になるように塗工液を塗布し、130℃で15分間乾燥させ、体積抵抗率測定用電極板を作製した
<プレス>
Al上およびPET上に塗布した電極板を密度が2.3g/m3になるように25℃/40%の環境下においてプレス機でプレスした。
Al上およびPET上に塗布した電極板を密度が2.3g/m3になるように25℃/40%の環境下においてプレス機でプレスした。
<体積抵抗率測定>
PET上に塗布した電極板のプレス後の体積抵抗率を、Loresta-EP MCP-T360(三菱化学(株)製)を用い、JIS K7194に準じて四探針法にて測定した。また該電極板をジエチルカーボネートに1分間浸漬した後乾燥させ、同様に体積抵抗率を測定した。浸漬前後での体積抵抗率の変化率を算出した。
PET上に塗布した電極板のプレス後の体積抵抗率を、Loresta-EP MCP-T360(三菱化学(株)製)を用い、JIS K7194に準じて四探針法にて測定した。また該電極板をジエチルカーボネートに1分間浸漬した後乾燥させ、同様に体積抵抗率を測定した。浸漬前後での体積抵抗率の変化率を算出した。
<電池評価>
プレス後の電池評価用電極板を15mmφの円盤状に打ち抜き、三極式セルを作成した。対極及び参照極には金属リチウムを用い、セパレータは多孔質のPEシート、電解液はLiPF6のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート(1:1)1M溶液を使用した。また、活物質の理論容量(mAh/g)と実際の活物質量(g)から放電レート1Cを算出した。なお、満充電状態から1時間で放電完了する電流値を1Cという。例えば電池の容量が100mAhの場合、1Cの電流値は100mAとなる。この電池を25℃の環境下にて1Cの定電流で充電し、参照極に対し4.2Vに到達した後そのままその電位に保ち、充電電流が減少し0.05C以下となった時点で充電を完了した。その後、10分間休止した後、1Cの定電流で放電し、参照極に対して3.0Vになった時点で放電完了とした。その後、1Cの電流値で再度充電し、10分休止後、10C(1Cの10倍の電流値)で放電し、横軸に放電容量(mAh/g)、縦軸に放電電位(V)のグラフをプロットし、放電電位と放電容量を確認した。
プレス後の電池評価用電極板を15mmφの円盤状に打ち抜き、三極式セルを作成した。対極及び参照極には金属リチウムを用い、セパレータは多孔質のPEシート、電解液はLiPF6のエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート(1:1)1M溶液を使用した。また、活物質の理論容量(mAh/g)と実際の活物質量(g)から放電レート1Cを算出した。なお、満充電状態から1時間で放電完了する電流値を1Cという。例えば電池の容量が100mAhの場合、1Cの電流値は100mAとなる。この電池を25℃の環境下にて1Cの定電流で充電し、参照極に対し4.2Vに到達した後そのままその電位に保ち、充電電流が減少し0.05C以下となった時点で充電を完了した。その後、10分間休止した後、1Cの定電流で放電し、参照極に対して3.0Vになった時点で放電完了とした。その後、1Cの電流値で再度充電し、10分休止後、10C(1Cの10倍の電流値)で放電し、横軸に放電容量(mAh/g)、縦軸に放電電位(V)のグラフをプロットし、放電電位と放電容量を確認した。
実施例2.
ホットメルト接着剤としてポリアミド樹脂(HAKKO MELTER810:白光(株))を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗工液の調製、電極板の作製、そして測定及び評価を行った。
ホットメルト接着剤としてポリアミド樹脂(HAKKO MELTER810:白光(株))を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗工液の調製、電極板の作製、そして測定及び評価を行った。
実施例3.
ホットメルト接着剤として合成ゴム(HAKKO MELTER805:白光(株))を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗工液の調製、電極板の作製、そして測定及び評価を行った。
ホットメルト接着剤として合成ゴム(HAKKO MELTER805:白光(株))を用いた以外は、実施例1と同様の方法により塗工液の調製、電極板の作製、そして測定及び評価を行った。
実施例4.
ホットメルト接着剤としてポリアミド樹脂を重量比で100/15/7/3になるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
ホットメルト接着剤としてポリアミド樹脂を重量比で100/15/7/3になるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例5.
プレス温度を130℃に変更した以外は実施例2と同様に行なった。
プレス温度を130℃に変更した以外は実施例2と同様に行なった。
実施例6.
プレス温度を130℃に変更した以外は実施例3と同様に行なった。
プレス温度を130℃に変更した以外は実施例3と同様に行なった。
比較例1.
<塗工液の調製>
ホットメルト接着剤を用いず、活物質と導電剤と結着剤とを重量比で100/15/10をなるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
<塗工液の調製>
ホットメルト接着剤を用いず、活物質と導電剤と結着剤とを重量比で100/15/10をなるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
比較例2.
ホットメルト接着剤としてポリアミド樹脂(HAKKO MSLTER810:白光(株))を重量比100/15/5/5となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
ホットメルト接着剤としてポリアミド樹脂(HAKKO MSLTER810:白光(株))を重量比100/15/5/5となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
比較例3.
プレス温度を170℃に変更した以外は比較例2と同様の方法で行なった。
プレス温度を170℃に変更した以外は比較例2と同様の方法で行なった。
比較例4.
ホットメルト接着剤として合成ゴム(HAKKO MSLTER805:白光(株))を重量比100/15/5/5となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
ホットメルト接着剤として合成ゴム(HAKKO MSLTER805:白光(株))を重量比100/15/5/5となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
比較例5.
プレス温度を170℃に変更した以外は比較例4と同様の方法で行った。
プレス温度を170℃に変更した以外は比較例4と同様の方法で行った。
実施例1と比較例1から明らかなように、ホットメルト接着剤を添加することにより、スプリングバックを大幅に抑制することができた。しかし、添加量が5重量部では、放電特性が低下した。また、実施例5と6の結果から明らかなように、130℃で熱プレスを行うことにより、25℃でプレスを行った場合に比べ、さらにスプリングバックを抑制することができた。
Claims (10)
- 集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板であって、
上記電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含み、
活物質100重量部に対しホットメルト接着剤を1重量部以上5重量部未満含んでなる非水電解液二次電池用電極板。 - 上記ホットメルト接着剤の溶融温度が100℃以上である請求項1記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 上記電極塗膜の厚さが10μm〜100μmである請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 上記導電剤を上記活物質100重量部に対し12重量部以上含む請求項1から3のいずれか一つに記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 上記結着剤が、フッ素系樹脂である請求項1から4のいずれか一つに記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 室温における体積抵抗率が4Ω・cm以下であり、
炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗率R1と室温で1分間浸漬後の体積抵抗率R2とを用い、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される抵抗増加率ΔRが30%以下である、請求項1記載の非水電解液二次電池用電極板。 - 上記炭酸エステル系溶媒が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートからなる群から選択された少なくとも1種である請求項6記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板の製造方法であって、
少なくとも、活物質と、導電剤と、結着剤と、ホットメルト接着剤とを含む塗工液を集電体の少なくとも一面に塗布し、ホットメルト接着剤の溶融温度以上に加熱して電極板とし、次いで該電極板をプレスする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。 - 上記電極板をプレスするに際し、結着剤の融点の60%以上の温度であって結着剤の熱分解温度未満の温度に加熱する請求項8記載の製造方法。
- 少なくとも正極板、負極板及び電解質を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び負極板の少なくとも一方に、請求項1から7のいずれか一つに記載の非水電解液二次電池用電極板を用いてなる非水電解液二次電池。
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