JP2007265890A - 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法並びに非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法並びに非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電解液に浸漬した際のスプリングバックを抑制するとともに、集電体と塗膜との密着性を向上させ、優れたサイクル特性と放電特性を与える電極を提供すること。
【解決手段】集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板である。電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、熱硬化性樹脂を含有してなる結着剤とを含み、電極塗膜の室温における体積抵抗率が4Ω・cm以下であり、かつ炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗値R1と室温で1分間浸漬後の体積抵抗値R2とを用い、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される抵抗増加率ΔRが30%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池用電極板、その製造方法、そしてそれを用いた非水電解液二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギー密度、高電圧を有し、また充放電時におけるメモリー効果が無いことから、携帯機器、大型機器など様々な分野で用いられている。一般的な非水電解液二次電池は、正極、負極、セパレータ及び有機電解液からなり、正極及び負極は金属箔等の集電体の上に充放電可能な活物質及び結着剤、必要に応じて導電剤を混合した塗膜を形成したものが用いられている。塗膜の形成は通常、活物質と結着剤、及びその他の材料を溶媒中で混練・分散してスラリー状の塗工液にし、これを集電体上に塗布・乾燥することで行なわれる(例えば、特許文献1及び2)。
近年、特に電気自動車、ハイブリッド自動車、そしてパワーツール等の高出力特性が必要とされる分野に向けての開発が進んでいる。インピーダンスが高い電池は高出力充放電時にその容量を十分に生かすことができない。そのため、例えば塗膜を薄膜大面積化して、電池のインピーダンスを下げる方法が用いられている。例えば、リチウムイオン二次電池は、用いる非水電解液が水系電解液に比べ一般的に抵抗が高いこともあり、その開発当初から鉛蓄電池等他の電池に比べ薄く広い面積の電極を使用し、かつ極板間距離を短くした形態となっている。
特開昭63−10456号公報 特開平3−285262号公報
塗膜が形成された集電体は、必要に応じてプレスされた後、所定形状に裁断されたり打ち抜かれて電極となる。塗膜形成後のプレスは、一般に塗膜の密度を上げ、電池の体積エネルギー密度を向上させると同時に、集電体との密着性を向上させる効果がある。また塗膜に導電剤が添加されている場合は、導電剤粒子の接触を改善し、集電体から活物質粒子への良好な電子伝導経路(導電パス)を確保する効果もある。導電パスが確保されるに伴い塗膜の体積抵抗率は低下する。
高出力充放電特性が必要とされる電池においては、活物質の急速な反応を阻害しないために活物質に対する導電パスを良好に保つ必要があり、すなわち塗膜の体積抵抗率を小さく保つ必要がある。しかし、塗膜の体積抵抗率を下げるため、カーボンブラックなどの導電剤を増量しても、電池のインピーダンスは期待したほど低下しないという問題が生じた。この原因を詳細に検討したところ、導電剤を増量する事によりプレス後の塗膜の体積抵抗率は小さくなるが、このような電極を電解液に浸漬すると塗膜の厚みがプレス前の厚みに近づく方向へ非可逆的に回復して(スプリングバック)導電剤粒子間の距離が増加し、結果として体積抵抗率が電解液浸漬前に比べ増加してしまう事が原因だと判った。比表面積の大きな(重量あたりの粒子数の多い)導電剤を増量すると、プレスでも潰れにくくなり、スプリングバックも大きくなる傾向にある。この体積抵抗率の増加は、プレスにより形成された導電剤の良好な接触(導電パス)が実際の電池中で分断されてしまうことを意味し、すなわち添加した導電剤が実際の電池中において効果的に作用しなくなっている事に対応する。
また、スプリングバックが大きいと、活物質の膨張及び収縮の繰り返しによる応力により、塗膜から活物質や導電剤が欠落し易くなりサイクル特性や放電特性が低下するという問題もある。
また、集電体と塗膜との密着性が十分でなく、電池製造時や電池容器に組み込み後、塗膜の集電体との間の界面で一部剥離が生じ、生産性の低下や、サイクル特性や放電特性が低下するという問題もあった。
そこで、本発明は、上記の問題を解決し、電解液に浸漬した際のスプリングバックを抑制するとともに、集電体と塗膜との密着性を向上させ、優れたサイクル特性と放電特性を与える電極を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、電極塗膜に熱硬化性樹脂と硬化剤を含有させ、電極塗膜の乾燥温度よりも高温で電極板を熱プレスした電極板を用いると、優れたサイクル特性と放電特性を与える非水電解液二次電池が得られることを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板であって、上記電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、熱硬化性樹脂と硬化剤を含有してなる結着剤とを含み、上記電極塗膜の室温における体積抵抗率が4Ω・cm以下であり、かつ炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗値R1と室温で1分間浸漬後の体積抵抗値R2とを用い、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される抵抗増加率ΔRが30%以下であることを特徴とするものである。
本発明の電極板には、熱硬化性樹脂にポリウレタン系樹脂を用いることができる。
また、電極塗膜の厚さを10μm〜100μmとすることができる。
また、導電剤を活物質100重量部に対し12重量部以上含有させることができる。
また、結着剤はフッ素系樹脂を含むことができる。
また、炭酸エステル系溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。
本発明の電極板は、例えば、以下の方法を用いて製造することができる。
すなわち、本発明の非水電解液二次電池用電極板の製造方法は、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板の製造方法であって、少なくとも、活物質と、導電剤と、熱硬化性樹脂と硬化剤を含有してなる結着剤とを含む塗工液を集電体の少なくとも一面に塗布し、乾燥温度で加熱し、得られた電極板を該乾燥温度よりも高温のプレス温度で熱プレスすることを特徴とするものである。
本発明の製造方法においては、プレス温度を130℃以上とすることができる。
また、本発明の電極板を用いた非水電解液二次電池は、例えば以下の構成を有する。
すなわち、本発明の非水電解液二次電池は、少なくとも正極板、負極板及び電解質を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び負極板の少なくとも一方に、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる電極板であって、上記電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、熱硬化性樹脂と硬化剤を含有してなる結着剤とを含み、上記電極塗膜の室温における体積抵抗率が4Ω・cm以下であり、かつ炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗値R1と室温で1分間浸漬後の体積抵抗値R2とを用い、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される抵抗増加率ΔRが30%以下である電極板を用いてなることを特徴とするものである。
本発明の非水電解液二次電池用電極板は、電極塗膜に熱硬化性樹脂と硬化剤を含むものであり、特に電極塗膜は熱プレスされているので、熱プレス時に硬化反応が促進される結果、熱硬化性樹脂の硬化物の接着力により導電剤粒子や活物質粒子間の強固な接触を確保することができる。そのため、電解液に浸漬しても塗膜の厚みが増加して導電剤粒子や活物質粒子間の良好な接触が分断されることが無く、プレスにより得られた小さな体積抵抗値、すなわち良好な導電パスを電解液中においても維持することが可能となる。これにより、導電剤を増量しても、その増量した導電剤を効果的に利用することができるので、インピーダンスが低く、サイクル特性や放電特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の非水電解液二次電池用電極板は、集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板であり、電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、熱硬化性樹脂を含有してなる結着剤とを含む。さらに、電極塗膜の室温における体積抵抗率が4Ω・cm以下であり、かつ炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗値R1と室温で1分間浸漬後の体積抵抗値R2とを用い、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される抵抗増加率ΔRが30%以下である。
(結着剤)
本発明に用いる結着剤は、熱硬化性樹脂を含むものであり、熱硬化性樹脂以外には、従来から用いられている熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹脂、フッ素系樹脂またはポリイミド樹脂等を使用することができる。本発明において、熱硬化性樹脂とは、硬化剤を添加して加熱することにより硬化した樹脂組成物をいい、少なくとも樹脂成分と硬化剤成分を含むものである。
本発明に用いる熱硬化性樹脂には、ポリウレタン系樹脂やエポキシ樹脂を用いることができるが、ポリウレタン系樹脂が好ましい。ポリウレタン系樹脂は、樹脂成分であるポリオールと硬化剤とを反応させて得られるものである。ポリオールには、ポリエステルポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリエーテルポリオール、そしてアクリルポリール等が挙げられる。ポリエステルポリオールには、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸及びアゼライン酸のジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン及びグリセンリン等のポリオールとから得られるポリエステルポリオールや、ポリカプロラクトンポリオール及びポリβ−メチル−σ−バレロラクトン等のポリラクトン系ポリエステルポリオール等が含まれる。また、ポリオレフィン系ポリオールには、ポリヒドロキシポリマー等が含まれる。また、ポリブタジエン系ポリオールには、ポリブタジエン骨格を有するホモポリマーからなるポリオールや、ブタジエン、スチレン及びアクリロニトリル等が重合したポリブタジエン系共重合体からなるポリオール、そしてそれらの水添物等が含まれる。また、ポリエーテルポリオールには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アミノ変性ポリプロピレングリコール及びエステル変性ポリプロピレングリコール等が含まれる。また、アクリルポリオールには、ヒドロキシエチルメタクリレート等のアクリルモノマーをアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等と共重合することによって得られるアクリルポリオール、ポリアクリル酸エステルポリオール及びポリメタクリル酸エステルポリオール等が含まれる。
硬化剤には、ポリイソシアネート又はメラミン化合物を用いることができる。ポリイソシアネートには、脂肪族系イソシアネート、脂環族系イソシアネート、芳香族系イソシアネート、そしてそれらをブロック剤でブロックしたブロックイソシアネート等を挙げることができる。脂肪族系イソシアネートには、ヘキサメチレンジイソシアネート等が含まれ、脂環族系イソシアネートには、イソホロンジイソシアネート等が含まれ、芳香族系イソシアネートには、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が含まれる。例えば、日本ウレタン工業(株)製のコロネートHXを用いることができる。
ブロックイソシアネートは、ポリイソシアネートをブロック剤でブロックしたものである。ブロック剤の解離温度以上の温度、例えば100℃以上、より好ましくは130℃以上に加熱すると、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネートが再生し、ポリオールと反応することができる。ブロック剤には、アルコール類、フェノール類、有機アミン類、オキシム類、ラクタム類を挙げることができ、具体的には、n-ブタノール、フェノール、トリブチルアミン、ジエチルエタノールアミン、メチルエチルケトキシム、ε-カプロラクタム等を挙げることができる。本発明に用いるポリイソシアネートは、ブロックイソシアネートが好ましく、より好ましくは解離温度が130℃以上のブロックイソシアネートであり、例えば、日本ポリウレタン工業(株)製のコロネート2507や旭化成(株)製のデュラネートTPA-B80Xを用いることができる。
また、硬化剤として用いるメラミン化合物には、ジ-、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-メチロールメラミン及びそれらのアルキルエーテル化物や縮合物を挙げることができる。例えば、住友化学(株)製のスミマールを用いることができる。
エポキシ樹脂には、アミン系化合物を硬化剤として用いる公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂の樹脂成分には、1分子中に2個以上のエポキシ基を持つものであれば特に制限はなく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールグリシジルエーテルやペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、硬化剤には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族アミン、メンセンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N−アミノエチルピペラジン等の脂環式ポリアミン、メタフェニレンジアミン、メチレンジアニリン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族ポリアミン、そしてこれらのポリアミンを、エポキシ化合物との付加反応、アクリロニトリル、アクリル酸エステル等とのマイケル付加反応、メチロール化合物とのマンニッヒ反応等により生成する変性ポリアミン等を挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂以外の結着剤には、上述の熱可塑性樹脂を用いることができるが、フッ素系樹脂が好ましい。フッ素系樹脂には、テトラフルオロエチレンやフッ化ビニリデンの単独重合体やそれらの共重合体が含まれる。より好ましくはポリフッ化ビニリデンである。
また、フッ素系樹脂として、融点の異なる2種以上のフッ素系樹脂を用いることもできる。低融点のフッ素系樹脂、例えばフッ素系共重合体エラストマーを用いることにより、そのエラストマーが低温で軟化することにより、塗膜内部の残留応力をさらに低減することができる。例えば一つのフッ素系樹脂としてポリフッ化ビニリデンを用いる場合、フッ素系共重合体エラストマーには、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体やフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体を用いることが好ましい。この場合、ポリフッ化ビニリデンとエラストマーの配合比は、重量比で4.5:5.5〜9.5:0.5、より好ましくは5:5〜9:1である。
本発明では、電極塗膜中の結着剤の含有率は、固形分基準で1.5〜20重量%、より好ましくは4〜12重量%である。結着剤中の熱硬化性樹脂(硬化剤を含む)の比率は、結着剤全体の5〜50重量%、より好ましくは5〜25重量%である。5重量%より少ないと熱硬化による性能が不十分であり、50重量%より多いと塗工液の安定性が悪い(ポットライフが短い)からである。
また、結着剤の一部に代えて、イオン導電性ポリマーを用いることもできる。イオン導電性ポリマーには、ポリアルキレンオキサイドやその部分架橋体等の高分子固体電解質や、ポリアクリロニトリル及び/又はその共重合体、ポリメチルメタクリレート及び/又はその共重合体等の高分子ゲル電解質が含まれる。好ましくは高分子ゲル電解質であり、さらに好ましくはポリアクリロニトリル及び/又はその共重合体である。電解液の保持能が大きいからである。これらイオン導電性ポリマーを結着剤と併用することにより、電極塗膜の成膜性を確保しながら、電極塗膜のイオン導電性を向上させることが可能となる。イオン導電性ポリマーと結着剤の配合比は、重量比で0.1:9.9〜5:5、より好ましくは0.1:9.9〜4:6である。ゲル化する樹脂は一般的に電解液中での膨潤が大きいため、多量に添加するとスプリングバックが軽減されない恐れがあるからである。
(活物質)
正極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の正極活物質として用いられている材料を用いることができる。例えば、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)若しくはLiNiO(ニッケル酸リチウム)等のリチウム遷移金属複合酸化物、または、TiS、MnO、MoOもしくはV等のカルコゲン化合物を例示することができる。特に、LiCoOを正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系二次電池が得られる。
正極活物質は、塗膜中に均一に分散させるために、平均粒径が0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの正極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、正極活物質は一般に電子伝導性が小さいため、高出力用途として用いる場合は電極反応を速やかに進行させるために平均粒径は小さい方が好ましく、例えば5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることが更に好ましい。
一方、負極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の負極活物質として用いられ
ている材料を用いることができる。例えば、天然グラファイト、人造グラファイト、アモルファス炭素、カーボンブラック、または、これらの成分に異種元素を添加した炭素複合体等の炭素質材料が好んで用いられる。また、金属リチウム及びその合金、スズ、シリコン、及びそれらの合金等のリチウムイオンを吸蔵放出可能な材料が一般的に使用可能である。
負極活物質の粒子形状は特に限定されない。例えば、鱗片状、塊状、繊維状、球状のものが使用可能である。負極活物質は、塗工層中に均一に分散させるために、平均粒径が
0.1〜100μmの粉体であることが好ましい。これらの負極用活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電極塗膜の正極又は負極活物質の含有率は、溶媒を除く配合成分を基準(固形分基準)とし、70〜98重量%、より好ましくは80〜88重量%である。
(導電剤)
導電剤としては、天然及び人造のグラファイト、カーボンブラック、炭素繊維等の炭素質材料を用いることができる。ここで、カーボンブラックには、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等が含まれる。より好ましくは、アセチレンブラックである。さらに、必要に応じてグラファイトや炭素繊維を添加することもできる。ここで、炭素繊維には気相成長炭素繊維(VGCF)を用いることが好ましい。VGCFの添加は、体積抵抗率をさらに低減できるとともに、電極塗膜への電解液の染み込みを向上させる効果を有する。VGCFの添加量は、アセチレンブラック10重量部に対し、1〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部である。1重量部より少ないと体積抵抗率を低減させる効果が十分でなく、10重量部を超えると、スプリングバックを抑制する効果が十分でなくなるからである。
導電剤の粒子形状、大きさ等は特に限定されないが、電解液に含まれるイオンと活物質層に含まれる活物質によって電池反応が起きるため、電解液が活物質層に染み込み可能な空隙(導電剤等が存在しない空間)が、保液層中に確保できる範囲内で、例えば、粒子状、繊維状、ポーラスシート状などのものが使用可能である。導電剤が粒子状の場合、平均粒径は0.01〜20μm、好ましくは0.03〜5μmである。また、高出力化のためには、活物質粒子表面を導電剤粒子が効果的に網羅して導電パスを形成する必要があるため、活物質の平均粒径よりも粒径が小さい導電剤を含むことが好ましく、活物質の平均粒径の1/10以下の平均粒径を持つ導電剤を含むことがより好ましい。電極塗膜中の導電剤の含有率は、活物質100重量部に対して1.5〜30重量部、より好ましくは1.5〜20重量部、さらに好ましくは12〜20重量部である。
電極塗膜の厚さは、抵抗を小さくするため、10〜100μm以下であることが好ましい。なお、電極塗膜は、体積エネルギー密度を高めると同時に、粒子間の良好な接触を保つため、高密度に充填する必要がある一方、電解液に含まれるイオンと活物質によって電池反応は起きるため、電解液が電極塗膜の内部に染み込めるような空隙を確保する必要がある。そのため、電極塗膜の空隙率は、細孔径30nm以上1μm以下の範囲において6〜40%、より好ましくは10〜35%とする必要がある。空隙率が大きすぎると、粒子同士の良好な接触が保たれず反応に関与する電子移動が阻害される。また空隙率が小さすぎると、電極反応に必要なイオンの速やかな移動が阻害され、高出力を出すことは難しくなる。
電極板の集電体には、正極板にはアルミニウム箔を用いることができ、負極板には電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔を用いることができる。集電体の厚さは5〜50μmが好ましい。
(電極板の作製方法)
本発明においては、少なくとも、活物質と、導電剤と、熱硬化性樹脂を含有してなる結着剤とを含む塗工液を集電体の少なくとも一面に塗布し、所定の乾燥温度で加熱し、得られた電極板をその乾燥温度よりも高温のプレス温度で熱プレスして非水電解液二次電池用電極板を製造する。
正極塗膜及び負極塗膜を形成するための塗工液を調製する溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)或いはこれらの混合物、又はイオン交換水のような、結着剤を溶解及び分散可能な溶媒を用いることができる。塗工液中の溶媒の割合は、30〜65重量%、好ましくは45〜60重量%とし、塗工液をスラリー状に調製する。適宜選択した正極又は負極活物質、結着剤及び導電剤を適切な溶媒中に加え、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。なお、必要に応じて、増粘剤、分散剤等を添加することもできる。
塗布方法は、特に限定されないが、例えば、ダイコート、コンマコート等を用いることができる。塗工液の粘度が低い場合には、グラビアコート、スプレーコート、ディップコート等によって塗布することもできる。塗布形状は、必要に応じて間欠塗工などパターンを形成してもよい。尚、塗膜は複数回塗工、乾燥を繰り返すことにより形成してもよく、3層以上を塗工した後、その3層以上を一度に乾燥させてもよい。なお、電極膜の塗工量は、正極の場合20〜300g/m(片面あたり)、好ましくは30〜200g/m(片面あたり)であり、負極の場合は10〜200g/m(片面あたり)、好ましくは20〜150g/m(片面あたり)である。
塗工後、塗膜中の溶媒を除去するために、電極塗膜を乾燥する。溶媒の除去方法は特に限定されないが、温風乾燥、遠赤外線乾燥、接触乾燥、減圧乾燥、フリーズドライ乾燥などの一般的な手法の中から適宜選択し又はこれらのいくつかを組み合わせて用いることができる。
このように形成された電極板をさらに熱プレスにより圧延する。本発明で用いる熱プレスは、加熱とプレスを同時に行う方法である。加熱とプレスを同時に行うことにより、プレス時にかかる力を結着剤を構成する熱可塑性樹脂の弾性変形ではなく、加熱により軟化した熱可塑性樹脂の塑性変形として逃がすことができ、プレス時の塗膜中に発生する内部応力を抑制することができる。さらに、熱プレス時には熱硬化性樹脂の硬化反応が促進される結果、活物質粒子と導電剤粒子の間の接触を強固にし、かつ塗膜の集電体に対する接着力を高めることができる。これにより、電解液に浸漬してもスプリングバックを抑制できるのみならず、電極塗膜の密度、電極塗膜の集電体に対する密着性、均質性を向上させることができる。
プレスは、例えば、金属ロール、弾性ロールなどを用いたロールプレス機、平板プレス機等を用いて行う。これらプレス装置は電極と直接接触する部位の温度を制御できることが必要であり、「プレス時の温度」という場合、ロールプレスであればロール表面温度、平板プレスの場合はプレス板の表面温度のことを言う。本発明は、上述のように、プレス時に、結着剤に用いる熱可塑性樹脂の塑性変形と、熱硬化性樹脂の硬化反応とを両立させるものである。そのため、熱可塑性樹脂の塑性変形を妨害しないよう、プレス前には、塗膜中の熱硬化性樹脂の硬化反応が進行しないか、あるいはその速度が非常に遅いことが好ましい。そこで、熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させるため、熱プレスの温度は、その前工程の塗膜形成時の乾燥温度より高温とすることが必要である。より好ましくは130℃以上であって結着剤に用いる熱可塑性樹脂の熱分解温度未満の温度である。例えば、結着剤にポリフッ化ビニリデンを用いる場合、ポリフッ化ビニリデンの熱分解温度は約360℃であるので、熱プレスの好ましい温度は、130℃〜360℃、より好ましくは130℃〜250℃、さらに好ましくは、130℃〜190℃である。この温度範囲であれば、ポリフッ化ビニリデンを塑性変形させることができ、かつ溶融した熱可塑性樹脂が塗膜中の空隙を塞いだり、塗膜の表面がプレス部に付着してしまうことはない。また、塗膜形成時の乾燥温度では、硬化反応が進行しない硬化剤を用いることもできる。例えば、ポリウレタン系樹脂の場合、硬化剤に解離温度が130℃以上のブロックイソシアネートを用いることができる。塗膜形成の乾燥温度を130℃より低温とし、熱プレスの温度を130℃以上とすれば、熱プレス時に硬化反応を開始させることができる。
なお、一般的に電極板の熱伝導性は良好である為、予め加熱してからプレスする方法では加熱部からプレス機までの間で放冷により電極温度が下がりやすく、プレス機との接触によっても容易に温度が変化するため、加圧時の温度制御が難しく好ましい方法ではない。しかしながら、連続で大量の電極を熱プレスする場合など、熱プレス機から電極への熱移動によりプレス機の温度が低下してしまうような場合には、プレス機に投入する直前で電極板を予備加熱する方法を用いることもできる。
また、ロールプレスは、ロングシート状の電極板を連続的にプレス加工することができる。ロールプレスを行う場合には定位プレス、定圧プレスのいずれを行ってもよい。プレスのライン速度に特に制限は無いが、通常は1〜50m/minとする。線圧は電極が破断しない圧力範囲であれば良い。もし装置能力の制限などにより1回のプレスで目標厚みまたは密度に到達しない場合は、複数回プレスを行なっても良い。
また、シートプレスを行う場合には、圧力は電極が破断しない範囲であれば良い。もし装置能力の制限などにより1回のプレスで目標厚みまたは密度に到達しない場合は、複数回プレスを行なっても良い。
以上のようにして作製した電極板は、電解液に浸漬してもスプリングバックが抑制されるので、浸漬後の密度変化も抑制し、かつ電極塗膜の体積抵抗率の増加を抑制することができる。具体的には、本発明の電極板は、炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗率をR1、室温で1分間浸漬し乾燥した後の体積抵抗率をR2とし、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される体積抵抗増加率ΔRが30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは2%以下である。変化率は小さい方が好ましいが、体積抵抗率の絶対値が十分に小さい場合は、30%以下の変化率であればスプリングバックによる導電パス分断の影響は小さい。電解質を含まない溶媒は、電解質を含む電解液に比べ、一般に溶質に対する溶解力が大きく塗膜に対する膨潤効果も大きい。しかしながら、本発明の電極板は溶媒を用いた場合においても、塗膜の膨潤に伴って起きる非可逆的なスプリングバックを抑制することが可能であり、結果として導電パスの分断による体積抵抗率の増加を顕著に抑制することができる。
上記の炭酸エステル系溶媒には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートからなる群から選択された1種、より好ましくはジエチルカーボネートを用いることができる。
また、作製した電極板の電極塗膜の室温(25℃)における体積抵抗率は、4Ω・cm以下、より好ましくは3.0Ω・cm以下である。
(電池の作製)
作製した電極板を用い、以下の方法により非水電解液二次電池を作製することができる。なお、本発明における非水電解液二次電池用電極板は、正極板及び負極板の少なくとも一方が、上記非水電解液二次電池用電極板であれば良いが、特に正極板に用いることが好ましい。正極板の場合、正極活物質の導電性が負極活物質に比べ低いため、急速充放電時においては集電体から活物質への導電剤による導通パス確保が重要であり、電解液浸漬に伴うスプリングバックによる抵抗増大(導電パス分断)の影響が大きく、本発明の電極板を正極板に用いることにより、電解液に浸漬しても効果的に導電パスが確保された状態に保つ事ができる。
正極板及び負極板を、ポリエチレン製多孔質フィルムのようなセパレータを介して渦巻状に捲回し、外装容器に挿入する。または、所定の形状に切り出した正極板及び負極板をセパレータを介して積層して固定し、外装容器に挿入する。挿入後、正極板に取り付けられたリード線を外装容器に設けた正極端子に接続し、一方、負極板に取り付けられたリード線を外装容器に設けた負極端子に接続し、外装容器に非水電解液を充填し、密封することによって、本発明に係る電極板を備えた非水電解液二次電池が完成する。
リチウム系二次電池を作製する場合には、溶質であるリチウム塩を有機溶媒に溶かした非水電解液を用いる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiCl、LiBr等の無機リチウム塩、又はLiB(C、LiN(SOCF、LiC(SOCF、LiOSOCF、LiOSO、LiOSO、LiOSO、LiOSO11、LiOSO13、LiOSOF1等の有機リチウム塩を1種以上用いることができる。
リチウム塩を溶解するための有機溶媒としては、環状エステル系や鎖状エステル系を含む炭酸エステル系溶媒、環状エーテル系溶媒、鎖状エーテル系溶媒等を用いることができる。
環状エステル系溶媒としては、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート、2−メチル−γ−ブチロラクトン、アセチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等を例示できる。
鎖状エステル系溶媒としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルプロピルカーボネート、プロピオン酸アルキルエステル、マロン酸ジアルキルエステル、酢酸アルキルエステル等を例示できる。
環状エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン、アルキルテトラヒドロフラン、ジアルキルテトラヒドロフラン、アルコキシテトラヒドロフラン、ジアルコキシテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、アルキル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン等を例示できる。
鎖状エーテル系溶媒としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル等を例示することができる。
実施例1.
<塗工液調製>
活物質としてコバルト酸リチウム、導電剤としてアセチレンブラック(HS-100 電気化学工業(株))、結着剤としてPVDF(KF:1320 呉羽化学(株)製)、熱硬化性樹脂(ニッポラン131:日本ポリウレタン(株))、硬化剤としてイソシアネート(コロネートHX:日本ポリウレタン(株))を重量比100/15/8/2/0.5となるように添加し、溶媒としてNMP/トルエン/MEKの混合溶媒を添加し、10000rpmで20分間攪拌し、所定の塗工液を調製した。
<電池評価用電極板作製>
厚さ15μmのAl箔(集電体)上に約120g/mになるように塗工液を塗布し、130℃で15分間乾燥させ電極板を作製した。
<体積抵抗率測定用電極板作製>
体積抵抗率を測定する為に厚さ100μmのPET(ルミラーT-60 東レ(株)製)上に約120g/mになるように塗工液を塗布し、130℃で15分間乾燥させ、体積抵抗率測定用電極板を作製した
<プレス>
Al上およびPET上に塗布した電極板を密度が2.3g/mになるように130℃の環境下においてプレス機でプレスした。
<体積抵抗率測定>
PET上に塗布した電極板のプレス後の体積抵抗率を、Loresta-EP MCP-T360(三菱化学(株)製)を用い、JIS K7194に準じて四探針法にて測定した。また該電極板をジエチルカーボネートに1分間浸漬した後乾燥させ、同様に体積抵抗率を測定した。浸漬前後での体積抵抗率の変化率を算出した。
<電池評価>
プレス後の電池評価用電極板を15mmφの円盤状に打ち抜き、三極式セルを作成した。対極及び参照極には金属リチウムを用い、セパレータは多孔質のPEシート、電解液はLiPFのエチレンカーボネート/ジメチルカーボネート(1:1)1M溶液を使用した。また、活物質の理論容量(mAh/g)と実際の活物質量(g)から放電レート1Cを算出した。なお、満充電状態から1時間で放電完了する電流値を1Cという。例えば電池の容量が100mAhの場合、1Cの電流値は100mAとなる。この電池を25℃の環境下にて1Cの定電流で充電し、参照極に対し4.2Vに到達した後そのままその電位に保ち、充電電流が減少し0.05C以下となった時点で充電を完了した。その後、10分間休止した後、1Cの定電流で放電し、参照極に対して3.0Vになった時点で放電完了とした。その後、1Cの電流値で再度充電し、10分休止後、10C(1Cの10倍の電流値)で放電し、横軸に放電容量(mAh/g)、縦軸に放電電位(V)のグラフをプロットし、放電電位と放電容量を確認した。
実施例2.
硬化剤として、メラミン樹脂(スミマール:住友化学(株))を重量比100/15/8/2/0.5となるように添加し、プレス温度を160℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で行なった。
実施例3.
硬化剤として、ブロックイソシアネート(デュラネートTPA-B80X:旭化成(株)、解離温度130℃)を重量比100/15/8/2/0.5となるように添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例4.
プレス温度を160℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で行なった。
比較例1.
プレス温度を25℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で行なった。
比較例2.
プレス温度を100℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で行なった。
比較例3.
硬化剤を添加せず、活物質と、導電剤と結着剤を固形分比80/10/10となるように添加し、溶媒としてNMPを添加し、かつプレス温度を25℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で行なった。
比較例4.
プレス温度を100℃に変更した以外は比較例3と同様の方法で行なった
結果を表1に示す。
Figure 2007265890
表1から明らかなように、熱硬化製樹脂を含み、熱プレスの温度を130℃以上で行うことによりスプリングバックを大きく抑制することができた。また、サイクル特性も放電特性も向上した。


Claims (9)

  1. 集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板であって、
    上記電極塗膜は、少なくとも、活物質と、導電剤と、熱硬化性樹脂を含有してなる結着剤とを含み、
    上記電極塗膜の室温における体積抵抗率が4Ω・cm以下であり、かつ炭酸エステル系溶媒に浸漬前の体積抵抗値R1と室温で1分間浸漬後の体積抵抗値R2とを用い、式ΔR=[(R2−R1)/R1]×100で規定される抵抗増加率ΔRが30%以下である、非水電解液二次電池用電極板。
  2. 上記熱硬化性樹脂が、ポリウレタン系樹脂である請求項1記載の非水電解液二次電池用電極板
  3. 上記電極塗膜の厚さが10μm〜100μmである請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用電極板。
  4. 上記導電剤を上記活物質100重量部に対し12重量部以上含む請求項1から3のいずれか一つに記載の非水電解液二次電池用電極板。
  5. 上記結着剤が、フッ素系樹脂を含む請求項1から4のいずれか一つに記載の非水電解液二次電池用電極板。
  6. 上記炭酸エステル系溶媒が、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートからなる群から選択された少なくとも1種である請求項1から5のいずれか一つに記載の非水電解液二次電池用電極板。
  7. 集電体の少なくとも一面に電極塗膜を形成した電極板を加圧成型してなる非水電解液二次電池用電極板の製造方法であって、
    少なくとも、活物質と、導電剤と、熱硬化性樹脂を含有してなる結着剤とを含む塗工液を集電体の少なくとも一面に塗布し、乾燥温度で加熱し、得られた電極板を該乾燥温度よりも高温のプレス温度で熱プレスする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  8. 上記プレス温度が130℃以上である請求項7記載の製造方法。
  9. 少なくとも正極板、負極板及び電解質を含む非水電解液二次電池であって、該正極板及び負極板の少なくとも一方に、請求項1から6のいずれか一つに記載の非水電解液二次電池用電極板を用いてなる非水電解液二次電池。


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