JP2014194864A - 非水電解液二次電池用負極板の製造方法、及び非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケイ素系やスズ等系の材料を用いつつ、充放電時の膨張収縮に起因するクラックや界面破壊を防止することができ、かつサイクル特性の低下をも防止することができる非水電解液二次電池用負極板の製造方法を提供すること。
【解決手段】集電体と、前記集電体の表面の少なくとも一部に形成される負極活物質層と、を備える非水電解液二次電池用負極板の製造方法において、ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子と、熱硬化性樹脂と、中空粒子と、を含む負極活物質層形成用組成物を集電体の表面の少なくとも一部に塗布する塗布工程と、前記負極活物質層形成用組成物に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する温度以上であり、かつ前記負極活物質層形成用組成物に含まれる中空粒子が熱分解する温度以上の温度にて、前記塗布された負極活物質層形成用組成物を加熱する加熱工程と、を行う。
【選択図】図1
【解決手段】集電体と、前記集電体の表面の少なくとも一部に形成される負極活物質層と、を備える非水電解液二次電池用負極板の製造方法において、ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子と、熱硬化性樹脂と、中空粒子と、を含む負極活物質層形成用組成物を集電体の表面の少なくとも一部に塗布する塗布工程と、前記負極活物質層形成用組成物に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する温度以上であり、かつ前記負極活物質層形成用組成物に含まれる中空粒子が熱分解する温度以上の温度にて、前記塗布された負極活物質層形成用組成物を加熱する加熱工程と、を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、非水電解液二次電池用負極板の製造方法、及び非水電解液二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギー密度、高電圧を有し、また充放電時にいわゆるメモリ効果と呼ばれる完全に放電させる前に電池の充電を行なうと次第に電池容量が減少していく現象が無いことから、携帯機器、ノート型パソコン、ポータブル機器など様々な分野で用いられている。
現在、地球温暖化防止の対策として、世界規模でCO2排出抑制の取り組みが行われているなかで、石油依存度を低減し、低環境負荷で走行可能とすることで、CO2削減に大いに寄与することができるプラグインハイブリッド自動車、電気自動車に代表される次世代クリーンエネルギー自動車の開発・普及が急務とされている。これらの次世代クリーンエネルギー自動車の駆動力として非水電解液二次電池を利用することができれば、ガソリンに依存する必要がなく、CO2削減に大いに寄与することができ、地球温暖化防止に大いに貢献することができる。一方で、次世代クリーンエネルギー自動車の駆動力として非水電解液二次電池が利用されるためには、長期にわたって安定的な使用が可能であることが必要とされている。
現在、各種の提案がされている非水電解液二次電池は、正極板、負極板、セパレータ、及び非水電解液から構成される。正極板としては、金属箔などの集電体表面に、正極活物質粒子が固着されてなる電極活物質層を備えるものが一般的である。また負極板としては、銅、ニッケル、ステンレスなどの集電体表面に、各種炭素材料を含む負極活物質粒子が固着されてなる電極活物質層を備えるものが一般的である(例えば、特許文献1)。
ケイ素系、スズ系等の材料は、炭素材料と比較して、理論容量が高いことが知られており、炭素材料にかわる負極活物質粒子の材料として注目を集めている。一方で、ケイ素系、スズ系の材料を含む負極活物質に、アルカリ金属イオン、例えば、リチウムイオンが電気化学的に挿入されると、その体積が3〜4倍程度に膨張し、放電時には収縮するため、充放電を繰り返すと活物質粒子が微粉化する場合がある。また、充放電時に電極が膨張収縮することにより負極板にクラックが発生する場合や、負極集電体と、ケイ素系、スズ系の材料を含む負極活物質を含む負極活物質層との固着界面が破壊される場合等が生ずる場合があり、サイクル特性の低下が生じやすいといった課題を有する。
上記の課題を解決するためには、集電体と電極活物質層、電極活物質粒子同士の固着強度を向上させることが望ましいと考えられており、例えば、特許文献2には、密着力や引張強度を高めることができる電池電極用バインダーが提案されている。
上記のように充放電時の膨張収縮に起因するクラックや界面破壊を防止するためには集電体と電極活物質層、電極活物質粒子同士の固着強度を向上させることが望ましいが、あまり強固に固着しすぎると、電極活物質層内に非水電解液が浸透しづらくなり、サイクル特性が低下することが懸念される。
本発明は、このような懸念を解消すべくなされたものであり、ケイ素系やスズ系等の材料を用いつつ、充放電時の膨張収縮に起因するクラックや界面破壊を防止することができ、かつサイクル特性の低下をも防止することができる非水電解液二次電池用負極板の製造方法、および非水電解液二次電池の製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、集電体と、前記集電体の表面の少なくとも一部に形成される負極活物質層と、を備える非水電解液二次電池用負極板の製造方法であって、ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子と、熱硬化性樹脂と、中空粒子と、を含む負極活物質層形成用組成物を集電体の表面の少なくとも一部に塗布する塗布工程と、前記負極活物質層形成用組成物に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する温度以上であり、かつ前記負極活物質層形成用組成物に含まれる中空粒子が熱分解する温度以上の温度にて、前記塗布された負極活物質層形成用組成物を加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するための別の本発明は、正極板と、負極板と、セパレータと、非水電解液と、を備える非水電解液二次電池の製造方法であって、前記負極板を製造するにあたり、ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子と、熱硬化性樹脂と、中空粒子と、を含む負極活物質層形成用組成物を集電体の表面の少なくとも一部に塗布する塗布工程と、前記負極活物質層形成用組成物に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する温度以上であり、かつ前記負極活物質層形成用組成物に含まれる中空粒子が熱分解する温度以上の温度にて、前記塗布された負極活物質層形成用組成物を加熱する加熱工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の非水電解液二次電池用負極板の製造方法によれば、集電体表面にいわゆるケイ素系やスズ系の負極活物質粒子を含む負極活物質層を形成するにあたり、熱硬化性樹脂によって負極活物質粒子同士および負極活物質粒子と集電体とを強固に固着することができるため、充放電時の膨張収縮に起因するクラックや界面破壊を防止することができる。また、本発明の非水電解液二次電池用負極板の製造方法によれば、負極活物質層を形成するための負極活物質層形成用組成物中に中空粒子を予め含ませておき、熱硬化性樹脂を硬化させるための加熱工程においてこの中空粒子を熱分解しているので、完成した負極活物質層の内部には、中空粒子が存在していた場所に空隙が形成されることとなり、この空隙を利用して負極活物質層の内部にまで非水電解液を浸透させることができるため、サイクル特性の低下をも防止することができる。
また、本発明の非水電解液二次電池の製造方法においても、同様の効果を奏することができる。
<非水電解液二次電池用負極板の製造方法>
以下、本発明の非水電解液二次電池用負極板の製造方法について、図面を用いて説明する。
以下、本発明の非水電解液二次電池用負極板の製造方法について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる非水電解液二次電池用負極板の製造方法の工程図である。
(塗布工程)
図1(a)に示すように、本発明の実施形態にかかる非水電解液二次電池用負極板の製造方法は、ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11と、熱硬化性樹脂12と、中空粒子13と、を含む負極活物質層形成用組成物10を集電体1の表面の少なくとも一部に塗布する塗布工程が行われる。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態にかかる非水電解液二次電池用負極板の製造方法は、ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11と、熱硬化性樹脂12と、中空粒子13と、を含む負極活物質層形成用組成物10を集電体1の表面の少なくとも一部に塗布する塗布工程が行われる。
・集電体
本実施形態において用いられる集電体1については特に限定されることはなく、非水電解液二次電池用負極板に用いられる従来公知の集電体を適宜選択して用いることができる。例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔などの単体又は合金から形成された集電体を好ましく用いることができる。また、集電体には、その表面に導電性を担保するための物質が積層されたものや、何らかの表面処理がなされたものも含まれる。その表面に表面加工処理がなされている集電体1としては、導電性物質が集電機能を有する材料の表面に積層された集電体、化学研磨処理、コロナ処理、酸素プラズマ処理がなされた集電体等が挙げられる。すなわち、集電体1には、集電機能を有する材料のみから形成される集電体のみならず、その表面に導電性を担保するための物質が積層されたものや、何らかの表面処理がなされたものも含まれる。また、本実施形態でいう集電体の表面とは、集電機能を有する材料のみから形成される集電体1にあっては、集電機能を有する材料の表面をいい、集電機能を有する材料の表面の全体に表面加工処理や、導電性物質が積層されている場合にあっては、該表面加工処理面や、導電性物質の表面をいう。また、集電機能を有する材料の表面の一部に表面加工処理や、導電性物質が積層されている場合にあっては、表面加工処理面や、導電性物質の表面、または、これらの表面加工処理又は導電性物質が積層されていない部分(つまり、集電機能を有する材料表面)をいう。
本実施形態において用いられる集電体1については特に限定されることはなく、非水電解液二次電池用負極板に用いられる従来公知の集電体を適宜選択して用いることができる。例えば、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔などの単体又は合金から形成された集電体を好ましく用いることができる。また、集電体には、その表面に導電性を担保するための物質が積層されたものや、何らかの表面処理がなされたものも含まれる。その表面に表面加工処理がなされている集電体1としては、導電性物質が集電機能を有する材料の表面に積層された集電体、化学研磨処理、コロナ処理、酸素プラズマ処理がなされた集電体等が挙げられる。すなわち、集電体1には、集電機能を有する材料のみから形成される集電体のみならず、その表面に導電性を担保するための物質が積層されたものや、何らかの表面処理がなされたものも含まれる。また、本実施形態でいう集電体の表面とは、集電機能を有する材料のみから形成される集電体1にあっては、集電機能を有する材料の表面をいい、集電機能を有する材料の表面の全体に表面加工処理や、導電性物質が積層されている場合にあっては、該表面加工処理面や、導電性物質の表面をいう。また、集電機能を有する材料の表面の一部に表面加工処理や、導電性物質が積層されている場合にあっては、表面加工処理面や、導電性物質の表面、または、これらの表面加工処理又は導電性物質が積層されていない部分(つまり、集電機能を有する材料表面)をいう。
集電体1の厚みは、一般に非水電解液二次電池用負極板の集電体として使用可能な厚みであれば特に限定されない。例えば、5〜200μmであってもよく、さらには8〜50μmであってもよい。
・負極活物質層形成用組成物10
本実施形態において、前記の集電体1に塗布される負極活物質層形成用組成物10には、(A)ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11と、(B)熱硬化性樹脂12と、(C)中空粒子13と、が含まれる。
本実施形態において、前記の集電体1に塗布される負極活物質層形成用組成物10には、(A)ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11と、(B)熱硬化性樹脂12と、(C)中空粒子13と、が含まれる。
(A)負極活物質粒子11
本実施形態においては、負極活物質粒子としていわゆる炭素系の負極活物質粒子と比べて理論容量の高いケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11、いわゆるケイ素系および/またはスズ系の負極活物質粒子11を用いている。このような、いわゆるケイ素系および/またはスズ系の負極活物質粒子11を用いて負極活物質層を形成した場合、アルカリ金属イオンが電気的に挿入されると、その体積が3〜4倍程度に膨張するが、本実施形態においては、負極活物質粒子11と集電体1、及び負極活物質粒子11同士が、後述する熱硬化性樹脂12によって強固に固着せしめることができるので、負極活物質層におけるクラックの発生や、負極活物質層11と集電体1との固着界面における破壊や剥離を防止することができる。
本実施形態においては、負極活物質粒子としていわゆる炭素系の負極活物質粒子と比べて理論容量の高いケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11、いわゆるケイ素系および/またはスズ系の負極活物質粒子11を用いている。このような、いわゆるケイ素系および/またはスズ系の負極活物質粒子11を用いて負極活物質層を形成した場合、アルカリ金属イオンが電気的に挿入されると、その体積が3〜4倍程度に膨張するが、本実施形態においては、負極活物質粒子11と集電体1、及び負極活物質粒子11同士が、後述する熱硬化性樹脂12によって強固に固着せしめることができるので、負極活物質層におけるクラックの発生や、負極活物質層11と集電体1との固着界面における破壊や剥離を防止することができる。
ここで、ケイ素合金としては、ケイ素とケイ素以外の元素との合金を挙げることができる。ケイ素以外の元素としては、例えば、Fe、Co、Sb、Bi、Pb、Ni、Cu、Zn、Ge、In、Sn、Ti等を挙げることができる。一方で、スズ合金としては、スズとスズ以外の元素との合金を挙げることができる。スズ以外の元素としては、Ni、Mg、Fe、Cu、Ti等を挙げることができる。これら、ケイ素、スズと合金をなす元素は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
いわゆるケイ素系および/またはスズ系の負極活物質粒子の形状についても特に限定はなく、例えば、鱗片形状、扁平形状、紡錘形状、球状のものを用いることができる。また、負極活物質粒子11の粒子径についても特に限定はなく、設計される負極活物質層の厚みなどを勘案して、任意の大きさのものを適宜選択して使用することができる。ただし、負極活物質粒子11の粒子径が小さいほど、単位重量当たりの表面積を増大し、レート特性の向上を図ることができる。したがって、より高いレート特性を求める場合には、負極活物質粒子は、粒子径の寸法の小さいもの、具体的には、10μm未満であることが好ましく、5μm以下、特には1μm以下が好ましい。
本明細書に示す負極活物質粒子11の粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定により測定される平均粒子径(体積中位粒径:D50)である。また、負極活物質粒子11の粒子径は、測定された電子顕微鏡観察結果のデータを、粒子認識ツールを用いて識別し、認識された粒子の画像から取得した形状データをもとに粒度分布のグラフを作成し、この粒度分布のグラフから算出することができる。粒度分布のグラフは、例えば、電子顕微鏡観察結果を画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(株式会社マウンテック製、MAC VIEW)を用いて作成可能である。
(B)熱硬化性樹脂
負極活物質層形成用組成物10中には熱硬化性樹脂12が含まれる。熱硬化性樹脂12としては、特に限定されることはなく、前述の如く、負極活物質粒子11と集電体1、および負極活物質粒子11同士を固着する役割を果たすことができる、従来公知の熱硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができる。
負極活物質層形成用組成物10中には熱硬化性樹脂12が含まれる。熱硬化性樹脂12としては、特に限定されることはなく、前述の如く、負極活物質粒子11と集電体1、および負極活物質粒子11同士を固着する役割を果たすことができる、従来公知の熱硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができる。
具体的には、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、水酸基官能性アクリル樹脂、カルボキシル官能性アクリル樹脂、アミド官能性共重合体、ウレタン樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂の架橋硬化の態様としては特に限定されず、以下のような態様がある。ポリイミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂は、酸または弱アルカリ触媒の存在下での反応、またはイソシアネート化合物との反応(2液型の場合)、エポキシ樹脂は、アミン、酸触媒、カルボン酸、酸無水物、水酸基、ジシアンジアミド又はケチミンとの反応、フェノール樹脂は、塩基触媒と過剰なアルデヒドとの反応、ユリア樹脂はアルカリ性または酸性下での重縮合反応、不飽和ポリエステル樹脂は無水マレイン酸とジオールとの共縮合反応、メラミン樹脂はメチロールメラミンの加熱重縮合反応、アルキド樹脂は、側鎖などに導入された不飽和基同士の空気酸化による反応、シリコーン樹脂は、シラノール基の酸触媒の存在下での縮合反応、水酸基官能性アクリル樹脂は、水酸基と自身が持つアミノ樹脂との反応(1液型の場合)、カルボキシル官能性アクリル樹脂は、アクリル酸またはメタクリル酸などのカルボン酸とエポキシ化合物による反応、アミド官能性共重合体は水酸基との反応または自己縮合反応、ウレタン樹脂は、水酸基を含有するポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂とイソシアネート化合物又はその変性物との反応などにより架橋硬化が促進される。これらの反応を利用した架橋剤または硬化剤が通常用いられる。
熱硬化性樹脂としては、2液硬化性樹脂を用いてもよく、2液硬化性樹脂としては、ポリオールとイソシアネートとの2液硬化性の樹脂が好ましい。ここで、ポリオールとしては、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、エポキシポリオール等、種々のものがあるが、アクリルポリオールが好ましい。このアクリルポリオールとしては、塩化ビニル変性アクリルポリオール、塩化ビニル−酢酸ビニル変性アクリルポリオール、塩素化ポリオレフィン変性アクリルポリオール、メチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、オクチル(メタ)アクリレート−エチルヘキシル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート−2ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−スチレン共重合体等が挙げられるが、塩化ビニル変性アクリルポリオールが特に好ましい。また、イソシアネートとしては、従来公知の化合物を適宜使用すれば良い。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネート等のポリイソシアネートが用いられる。或いはまた、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も用いられる。
(C)中空粒子
負極活物質層形成用組成物中には中空粒子13が含まれる。負極活物質層形成用組成物中に中空粒子13を予め含ませておき、この後に行われる加熱工程においてこの中空粒子13を熱分解して消滅させることにより、完成した負極活物質層の内部において、中空粒子が存在していた場所に空隙を形成することができる。そして、この空隙を利用して負極活物質層の内部にまで非水電解液を浸透させることができるため、サイクル特性の低下をも防止することができる。
負極活物質層形成用組成物中には中空粒子13が含まれる。負極活物質層形成用組成物中に中空粒子13を予め含ませておき、この後に行われる加熱工程においてこの中空粒子13を熱分解して消滅させることにより、完成した負極活物質層の内部において、中空粒子が存在していた場所に空隙を形成することができる。そして、この空隙を利用して負極活物質層の内部にまで非水電解液を浸透させることができるため、サイクル特性の低下をも防止することができる。
ここで用いられる中空粒子13としては特に限定することはなく、上記の作用効果、つまり前記熱硬化性樹脂を硬化するための加熱工程において熱分解して消滅するものであればいかなるものであってもよい。
中空粒子13とは、中空構造を有する粒子であり、空隙からなるコア部と、空隙を覆うシェル部と、からなるものである。シェル部を構成する材料は、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、及びこれらの共重合体などのポリマー、及びこれらの架橋物、又はシリカなどの無機化合物など、特に限定されることはない。これらの中で、上記の作用効果の観点から、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、及びこれらの共重合体などのポリマー、又はこれらの架橋物、アクリル−スチレン共重合化合物およびその架橋物などが好ましい。
中空粒子13の粒子径については特に限定することはないが、例えば、0.1〜20μmとすることが好ましく、さらには0.5〜10μmとすることが好ましい。粒子径が前記の範囲よりも小さいと負極活物質の密度を下げる効果が小さく、所望の密度をするためには大量の中空粒子が必要となってしまうことがあるからである。一方で、粒子径が前記の範囲よりも大きいと負極活物質の密度を必要以上に下げてしまい、電池のエネルギー密度を下げてしまうことがあるからである。また、中空粒子13の中空率についても特に限定することはないが、例えば40〜90%とすることが好ましく、さらには60〜80%とすることが好ましい。中空率が前記の範囲よりも小さいと、加熱工程において熱分解により消滅させる量が多くなるため、加熱工程の時間が長くなってしまう場合があるからである。一方で、中空率が前記の範囲よりも大きいと、負極活物質層形成用組成物を作製する際に中空粒子が潰れてしまい、中空粒子本来の効果を得ることができない場合があるからである。
(D)その他の成分
負極活物質層形成用組成物中には、上記の(A)ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11、(B)熱硬化性樹脂12、および(C)中空粒子13、以外の添加剤を含有せしめてもよい。例えば、より優れた導電性が望まれる場合や、負極活物質粒子の種類などによっては、導電材14を含有せしめてもよい。
負極活物質層形成用組成物中には、上記の(A)ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11、(B)熱硬化性樹脂12、および(C)中空粒子13、以外の添加剤を含有せしめてもよい。例えば、より優れた導電性が望まれる場合や、負極活物質粒子の種類などによっては、導電材14を含有せしめてもよい。
また、上記の負極活物質層形成用組成物を調製するための溶媒については、特に限定されることはなく、従来公知の溶媒を適宜選択して用いることができる。例えば、水、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール、アセチルアセトン、ジアセチル、ベンゾイルアセトン等のケトン類、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル蟻酸エチル等のケトエステル類、トルエン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
また、負極活物質層形成用組成物にふくまれる(A)ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子11、(B)熱硬化性樹脂12、および(C)中空粒子13、それぞれの溶媒に対する配合割合についても特に限定されることはなく、適宜設計可能である。例えば、熱可塑性樹脂を12にあっては、負極活物質粒子11の質量に対して2〜40%としてもよく、さらには3〜20%としてもよい。また、中空粒子13にあっては、負極活物質粒子11の質量に対して2〜60%としてもよく、さらには5〜40%としてもよい。さらに、導電材14にあっては、負極活物質粒子11の質量に対して1〜30%としてもよく、さらには2〜20%としてもよい。
・塗布の方法
負極活物質層形成用組成物10を集電体1上に塗布する方法について特に限定はなく、一般的な塗布方法を適宜選択して用いることができる。例えば、印刷法、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコート等によって、負極活物質形成用組成物を塗布することができる。また、集電体1の表面が多孔質であったり、凹凸が多数設けられていたり、三次元立体構造を有したりする場合には、上記の方法以外に手動で塗布することも可能である。
負極活物質層形成用組成物10を集電体1上に塗布する方法について特に限定はなく、一般的な塗布方法を適宜選択して用いることができる。例えば、印刷法、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコート等によって、負極活物質形成用組成物を塗布することができる。また、集電体1の表面が多孔質であったり、凹凸が多数設けられていたり、三次元立体構造を有したりする場合には、上記の方法以外に手動で塗布することも可能である。
また、負極活物質層形成用組成物の塗布量について特に限定はないが、加熱工程後の厚みが所望の負極活物質層の厚みとなるような範囲で塗布されていることが好ましい。
(乾燥工程)
次いで、図1(b)に示すように、本発明の実施形態にかかる非水電解液二次電池用負極板の製造方法においては、前記塗布工程において負極板上に塗布された負極活物質層形成用組成物中の溶媒を除去するための乾燥工程を行う。
次いで、図1(b)に示すように、本発明の実施形態にかかる非水電解液二次電池用負極板の製造方法においては、前記塗布工程において負極板上に塗布された負極活物質層形成用組成物中の溶媒を除去するための乾燥工程を行う。
乾燥工程の具体的な方法については特に限定することはなく、既存の手法や装置などを適宜用いて実施することができる。例えば、温風乾燥、遠赤外線乾燥、近赤外線乾燥、接触乾燥、減圧乾燥、フリーズドライ乾燥などの一般的な手法の中から選択することができ、これらのいくつかを組み合わせて用いてもよい。
次いで、図1(c)に示すように、前記負極活物質層形成用組成物に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する温度以上であり、かつ前記負極活物質層形成用組成物に含まれる中空粒子が熱分解する温度以上の温度にて、前記塗布された負極活物質層形成用組成物を加熱する加熱工程が行われる。
当該工程により、負極活物質層形成用組成物中の熱硬化性樹脂12が硬化し、負極活物質11と負極板が強固に固着されるとともに、負極活物質11同士も強固に固着される。また同時に、負極活物質層形成用組成物中の中空粒子13は熱分解によって消滅し、その結果、中空粒子13が存在していた部分は空隙となる。
具体的な加熱温度は、使用した熱硬化性樹脂の種類、中空粒子の種類、さらにはこれらの含有量などを考慮して決定する必要があり、一概に決めることはできない。たとえば、ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂を用いた場合にあっては、200℃以上に加熱することが好ましく、250℃以上に加熱することが特に好ましい。なお、加熱温度の上限は、使用した熱硬化性樹脂が熱分解してしまう温度未満とすることが必要であり、一方で加熱温度の下限は、使用した中空粒子が熱分解し、かつ使用した熱硬化性樹脂が硬化する温度以上とすることが必要である。
また、加熱工程における加熱雰囲気についても、特に限定されず、集電体の材質や加熱温度などを勘案して適宜決定することができる。集電体1として銅箔を用いる場合には、空気雰囲気下で加熱工程を実施すると酸化してしまい、望ましくない。したがって、かかる場合には、不活性ガス雰囲気下、あるいは還元ガス雰囲気下あるいは不活性ガスと還元ガスの混合ガス雰囲気下で加熱することが好ましい。不活性ガス雰囲気または還元ガス雰囲気は、特に特定の雰囲気に限定されず、従来公知のこれらの雰囲気下において適宜発明の製造方法を実施することができるが、たとえば、不活性ガス雰囲気としてはアルゴンガス、窒素ガス、還元ガス雰囲気としては、水素ガス、一酸化炭素ガス、あるいは上記不活性ガスと上記還元ガスを混合したガス雰囲気などが挙げられる。一方で、たとえば、集電体1としてアルミ箔を用いる場合には、アルミ箔が酸化するおそれがないので、空気雰囲気下において加熱工程を実施してもよい。
<非水電解液二次電池の製造方法>
次に、本発明の一実施形態にかかる非水電解液二次電池の製造方法について説明する。
次に、本発明の一実施形態にかかる非水電解液二次電池の製造方法について説明する。
本実施形態にかかる非水電解液二次電池の製造方法は、正極板と、負極板と、セパレータと、非水電解液と、を備える非水電解液二次電池の製造方法であって、負極板を製造するにあたり、前記の非水電解液二次電池用負極板の製造方法を行うことに特徴を有している。したがって、正極板、セパレータ、および非水電解液のそれぞれについては、特に限定することはなく、従来公知のそれぞれを適宜用いることができ、これらを合わせて非水電解液二次電池を製造するにあっても、特に限定されることはない。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
以下の成分を含む負極活物質層形成用組成物を準備した。
・負極活物質としてのSi微粉末:10重量部
・中空粒子としてのアクリル中空粒子:1重量部
・熱硬化性樹脂としてのポリイミド前駆体(ポリアミック酸):1.2重量部
・添加剤としてのアセチレンブラック:0.5重量部
・溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン:15重量部
以下の成分を含む負極活物質層形成用組成物を準備した。
・負極活物質としてのSi微粉末:10重量部
・中空粒子としてのアクリル中空粒子:1重量部
・熱硬化性樹脂としてのポリイミド前駆体(ポリアミック酸):1.2重量部
・添加剤としてのアセチレンブラック:0.5重量部
・溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン:15重量部
集電体として厚さ10μmの銅箔を準備し、前記の負極活物質層形成用組成物を、完成した負極活物質層の塗布量が13g/m2になるようにアプリケーターで塗布した。
次いで、120℃の乾燥炉にて10分間乾燥した後、雰囲気電気炉(N2置換、酸素濃度200ppm以下)にて室温から60分かけて350℃まで加熱し、350℃で60分保持した後、室温まで冷却することで負極活物質層を形成し、実施例1の負極板を得た。なお、このとき、電極密度は0.5g/cm3であった。
(比較例1)
以下の成分を含む負極活物質層形成用組成物を準備した。
・負極活物質としてのSi微粉末:10重量部
・熱硬化性樹脂としてのポリイミド前駆体(ポリアミック酸):1.2重量部
・添加剤としてのアセチレンブラック:0.5重量部
・溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン:10重量部
以下の成分を含む負極活物質層形成用組成物を準備した。
・負極活物質としてのSi微粉末:10重量部
・熱硬化性樹脂としてのポリイミド前駆体(ポリアミック酸):1.2重量部
・添加剤としてのアセチレンブラック:0.5重量部
・溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン:10重量部
前記の負極活物質層形成用組成物を用いた以外は実施例1と同様の条件および方法にて、比較例1の負極板を得た。なお、このとき、電極密度は0.9g/cm3であった。
(電池特性評価)
電池特性を評価するため、以下の要領で正極板およびコインセルを作製した。
電池特性を評価するため、以下の要領で正極板およびコインセルを作製した。
(正極板の作製)
まず、以下の成分を含む正極活物質層形成用組成物を準備した。
・正極活物質としてのLiNi0.33Co0.33Mn0.33O2:56重量部
・バインダーとしてのPVDF:2重量部
・添加剤としてのアセチレンブラック:2重量部
・溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン:40重量部
まず、以下の成分を含む正極活物質層形成用組成物を準備した。
・正極活物質としてのLiNi0.33Co0.33Mn0.33O2:56重量部
・バインダーとしてのPVDF:2重量部
・添加剤としてのアセチレンブラック:2重量部
・溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン:40重量部
正極用の集電体として厚さ15μmのアルミ箔を準備し、前記の正極活物質層形成用組成物を、完成した正極活物質層の塗布量が250g/m2になるようにアプリケーターで塗布した。
次いで、140℃の乾燥炉にて20分間乾燥した後、ロールプレス機を用いて電極密度が2.5g/cm3になるようにプレスして、正極板を得た。
(2032型コインセルの作製)
次いで、エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)/エチルメチルカーボネート(EMC)混合溶媒(重量比=30wt%:30wt%:30wt%)に、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を加えて、当該溶質であるLiPF6の濃度が、1mol/Lとなるように濃度調整した後、本電解液に対して10wt%のFECを添加し、非水電解液を調製した。
次いで、エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)/エチルメチルカーボネート(EMC)混合溶媒(重量比=30wt%:30wt%:30wt%)に、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を加えて、当該溶質であるLiPF6の濃度が、1mol/Lとなるように濃度調整した後、本電解液に対して10wt%のFECを添加し、非水電解液を調製した。
上記の正極板を15mmΦ、実施例1及び比較例1の負極板を15.5mmΦ、PE製セパレータを16mmΦに打ち抜き、上記の非水電解液を用いて2032型コインセルを組み立てた。
(初期充放電試験)
前記のコインセルのそれぞれを、25℃の環境下で、電圧が4.1Vに達するまで定電流(0.1C)で充電し、電圧が4.1Vに達した後は、電流値が0.005Cとなるまで定電圧で充電を行った後、定電流(0.1C)で電圧が2.75Vになるまで放電した。この操作を3回繰り返した。実施例1の初期放電容量は5.76mAhであり、比較例1の初期放電容量は5.84mAhであり、両者はほぼ同等であった。
前記のコインセルのそれぞれを、25℃の環境下で、電圧が4.1Vに達するまで定電流(0.1C)で充電し、電圧が4.1Vに達した後は、電流値が0.005Cとなるまで定電圧で充電を行った後、定電流(0.1C)で電圧が2.75Vになるまで放電した。この操作を3回繰り返した。実施例1の初期放電容量は5.76mAhであり、比較例1の初期放電容量は5.84mAhであり、両者はほぼ同等であった。
(サイクル試験)
前記のコインセルのそれぞれを、25℃の環境下で、電圧が4.1Vに達するまで定電流(0.2C)で充電した後、定電流(0.2C)で電圧が2.75Vになるまで放電する操作を繰り返し、サイクル試験を実施した。この操作の1回目の放電容量を100%としたとき、100サイクル後の放電容量は実施例1では88%、比較例1では42%であった。
前記のコインセルのそれぞれを、25℃の環境下で、電圧が4.1Vに達するまで定電流(0.2C)で充電した後、定電流(0.2C)で電圧が2.75Vになるまで放電する操作を繰り返し、サイクル試験を実施した。この操作の1回目の放電容量を100%としたとき、100サイクル後の放電容量は実施例1では88%、比較例1では42%であった。
(評価)
前記の初期充放電試験およびサイクル試験の結果より、本発明の製造方法により製造された負極板は、高い耐久性を備え、かつサイクル特性の低下が少ないことが分かった。
前記の初期充放電試験およびサイクル試験の結果より、本発明の製造方法により製造された負極板は、高い耐久性を備え、かつサイクル特性の低下が少ないことが分かった。
1・・・集電体
10・・・負極活物質層形成用組成物
11・・・負極活物質
12・・・熱硬化性樹脂
13・・・中空粒子
14・・・導電材
10・・・負極活物質層形成用組成物
11・・・負極活物質
12・・・熱硬化性樹脂
13・・・中空粒子
14・・・導電材
Claims (2)
- 集電体と、前記集電体の表面の少なくとも一部に形成される負極活物質層と、を備える非水電解液二次電池用負極板の製造方法であって、
ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子と、熱硬化性樹脂と、中空粒子と、を含む負極活物質層形成用組成物を集電体の表面の少なくとも一部に塗布する塗布工程と、
前記負極活物質層形成用組成物に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する温度以上であり、かつ前記負極活物質層形成用組成物に含まれる中空粒子が熱分解する温度以上の温度にて、前記塗布された負極活物質層形成用組成物を加熱する加熱工程と、
を含むことを特徴とする非水電解液二次電池用負極板の製造方法。 - 正極板と、負極板と、セパレータと、非水電解液と、を備える非水電解液二次電池の製造方法であって、
前記負極板を製造するにあたり、
ケイ素、ケイ素合金、酸化ケイ素、スズ、スズ合金、酸化スズの群から選択される1種以上を含む負極活物質粒子と、熱硬化性樹脂と、中空粒子と、を含む負極活物質層形成用組成物を集電体の表面の少なくとも一部に塗布する塗布工程と、
前記負極活物質層形成用組成物に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する温度以上であり、かつ前記負極活物質層形成用組成物に含まれる中空粒子が熱分解する温度以上の温度にて、前記塗布された負極活物質層形成用組成物を加熱する加熱工程と、
を含むことを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
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-
2013
- 2013-03-28 JP JP2013070361A patent/JP2014194864A/ja active Pending
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