JP2015216008A - リチウムイオン二次電池用正極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極合剤層が薄膜厚である高出力型電極を有するリチウムイオン二次電池の放電容量の向上する。【解決手段】正極集電体上に導電材を含む下地層と正極合剤層を順に積層し、正極合剤層の厚さを活物質粒子の平均粒子径の2倍以下、導電材を含む下地層の厚さを活物質粒子の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下とし、導電材を含む下地層と正極合剤層を形成した後に、正極合剤層を下地層中に押し込むことで、正極合剤層の電気抵抗を低減させ、高レートの放電容量を向上させる。【選択図】図1

Description

本発明は、高レート放電特性を改善したリチウムイオン二次電池の電極及びそれを使用したリチウムイオン二次電池に関する。
ノート型コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等の電子機器の普及に伴い、これら電子機器を駆動するための二次電池の需要が拡大している。近年、これら電子機器は高機能化の進展に伴い消費電力が増大していることや、小型化が期待されていることから、二次電池に対しては高エネルギー密度・高出力密度化が求められている。高エネルギー密度・高出力密度を達成できる二次電池としては、リチウムイオン二次電池等の非水電解液二次電池が有力視されている。
リチウムイオン二次電池は、大きく高容量型と高出力型に分類される。電気自動車として航続距離を重視する場合には電池容量を優先するため、高容量型が用いられ、比較的厚い電極層を有する。逆に、ハイブリッド自動車用途等補助的な使用や、回生エネルギー回収用の場合には、高出力型が用いられ、比較的薄い電極層を有している。
リチウムイオン二次電池の電極は、集電体上に活物質、結着剤及び導電助剤からなる電極層を設ける構成が一般的である。しかし、活物質がリチウムイオンの脱挿入で膨張収縮することや、電気分解に強いために多く使用されているポリフッ化ビニリデン樹脂は集電体であるアルミニウムとの密着力が十分ではないことから、一般にサイクル特性は低い傾向にある。
特許文献1には、下地層として導電材料であるカーボンブラックと熱架橋型樹脂を用いる方法が開示されている。特許文献1の方法では、下地層を設けることで、集電体と活物質層間の密着力が向上し、サイクル特性が改善するとされている。
特許文献2には、特許文献1と同様の目的で、下地層として導電材料であるカーボンブラックと紫外線等の放射線硬化型樹脂を用いる方法が開示されている。
一方で、高出力型は、電極層が薄く厚さ方向の電子伝導パスが短いため、電気抵抗が小さい。また同時に、リチウムイオンの拡散距離が短い。この両者の効果により、大電流が得られる。
特開平7−201362号公報 特開平7−201363号公報
しかしながら、電極層の厚さがごく薄い高出力型電池では面内方向の活物質間の導電性が低下していく傾向があり、結果として高出力ではあっても設計通りの容量が得られ難いという問題がある。例えば、特許文献1、2のように単に下地層を設けても、サイクル特性は向上するが容量低下の問題の改善に寄与することはない。
本発明の目的は、高出力型電池において、より高い放電レートでも容量が低下し難いリチウムイオン二次電池の正極を提供することである。
上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、集電体上に少なくとも樹脂材料及び導電剤を含有する下地層と、正極活物質、導電剤、及び結着剤を含有する正極合剤層を有した正極を、この順に積層したリチウムイオン二次電池用正極において、より高レートの電流が得られる電極構成及びその製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池用正極は、集電体上に、少なくとも下地層と正極合剤層がこの順に積層されている。下地層は、樹脂材料及び導電剤を含有する。正極合剤層は、正極活物質、導電剤、及び結着剤を含有する。正極合剤層は、活物質粒子の平均粒子径の2倍以下の厚さで設けられている。下地層は、正極合剤層に含まれる活物質粒子の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下の厚さで設けられている。
本発明の一態様によれば、高出力型電池において、より高いレートでも容量が低下し難いリチウムイオン二次電池の正極を得ることが可能である。
本発明の実施形態及び実施例に示す正極の模式図である。 下地層の厚さが活物質の平均粒子径の半分の厚さである正極のプレス前後の積層状態の模式図である。 下地層の厚さが活物質の平均粒子径の厚さと等しい正極のプレス前後の積層状態の模式図である。
<実施形態>
以下に、本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極板について、図面を参照して詳細に説明する。
(正極板の構成)
図1に、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極板の構成の模式図を示す。
正極板1は、集電体2上に、下地層3及び正極合剤層4を、この順に積層して形成される。
集電体2は、特に限定されるものではない。例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の公知の材質を含有する集電体を使用することができる。厚さは適宜選択可能だが、電池の形状にする際に捲回する場合の適性を考慮すると、例えば5μm以上100μm以下、特に10μm以上20μm以下が好ましいが、これに限るものではない。
下地層3に含まれる導電剤は、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等の公知の材料を使用することができる。
下地層3に含まれる結着剤は、集電体2と密着性が良好な樹脂が好ましく、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。これら結着剤は、熱可塑性樹脂でも良い。また、イソシアネート硬化剤やエポキシ樹脂等、架橋剤を添加して熱硬化性樹脂として使用しても良い。
下地層3の膜厚設定は、次の正極合剤層4の膜厚設定と絡み、本実施形態の根幹を成すもので重要である。具体的には、下地層3の膜厚は正極合剤層4に用いられる活物質の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下の間で設定される。
正極合剤層4は、正極活物質、導電助剤、結着剤から形成される。正極活物質は特に限定されるものではない。正極活物質としては、従来公知の活物質を使用することが出来る。例えば、リチウムイオンを放出することが出来るリチウム遷移金属複合酸化物を挙げることができる。このようなリチウム遷移金属複合酸化物の一例として、LiNiO、LiMn、LiCoO、LiFePO、Li(Ni1/3Co1/3Mn1/3)O、(Ni5/10Co2/10Mn3/10)O等を挙げることができる。また、正極活物質としては、上記リチウム遷移金属酸化物を複数混合して使用することもできる。
導電助剤は、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等の公知の材料を使用することができる。添加量は活物質質量に対して、0%以上5%以下程度が好ましい。最終的には下地層3由来の導電材で導通をとることは可能なので、必要な性能が得られる場合において、導電助剤を添加しないで使用することも可能である。逆に、導電助剤が多過ぎると正極合剤の分散条件が厳しくなったり、導電助剤の凝集塊ができたりする弊害があるため、多過ぎないほうが良い。
結着剤は、ポリメタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等従来公知の樹脂材料を用いることができる。
正極合剤層4の膜厚設定は前述の通り、重要である。高いレート特性を得るために膜厚は薄くなるが、活物質の平均粒子径の2倍以下の膜厚が好ましい。例えば、活物質の平均粒子径が20μmなら40μm以下である。同様に、10μmなら20μm以下、5μmなら10μm以下である。
また、粒子径の異なる2種類以上の活物質を混合して用いることも可能である。この場合、正極合剤層4の膜厚は、混合する2種類以上の活物質のうち、最大粒子径を有する種類の活物質の平均粒子径の2倍以下とする。例えば、粒子径が10μmの活物質と20μmの活物質を混合した場合には、膜厚は40μm以下とする。
(正極板の製造方法)
次に、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極板の製造方法について説明する。
まず、下地層3を設ける。これは、上記導電剤と樹脂材料を、メチルエチルケトン、トルエン等の単独溶媒若しくは混合溶媒中で混合した後、正極集電体上に塗布、乾燥することで形成することができる。塗布方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、マイクログラビア方式、リバースロール方式、フレキソ方式、ナイフコート方式、バーコータ方式、スロットダイ方式等、従来公知の塗布方式が使用できる。乾燥は一般的な乾燥機が使用可能であり、下地層3塗液中の溶媒を充分に乾燥可能な温度と距離を持って乾燥できる。例えば、乾燥温度は100℃以上150℃以下、乾燥距離は3m以上50m以下程度であるが、これに限るものではない。
次に、正極合剤層4を設ける。正極活物質、導電剤、及び結着剤等をメチルエチルケトン、トルエン、N−メチルピロリドン等の溶媒中で混合した後、下地層3上に積層塗布、乾燥することで形成することができる。塗布方式としては、下地層3と同様に、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、マイクログラビア方式、リバースロール方式、フレキソ方式、ナイフコート方式、バーコータ方式、スロットダイ方式等、従来公知の塗布方式が使用できる。乾燥は一般的な乾燥機が使用可能であり、下地層3塗液中の溶媒を充分に乾燥可能な温度と距離を持って乾燥できる。例えば、乾燥温度は100℃以上150℃以下、乾燥距離は3m以上50m以下程度であるが、これに限るものではない。
次に、正極合剤層4の表面からプレスを行い、正極合剤層4を下地層3内に押し込む。プレス方式としては、ロールプレス、平板プレス等の方式が可能である。プレス圧は必要に応じて適宜使用可能であるが、例えばロールプレスであれば線圧1kN/m以上100kN/m以下、平板プレスであれば、面圧1MPa以上50MPa以下程度の圧力で押し込むことが可能である。
このプレス工程において、加熱プレスを行うことも可能である。この場合、下地層3に使用される樹脂材料のガラス転移点を越える温度でプレスすることにより、よりスムーズに下地層3中に正極合剤層4を押し込むことができる。
更に、下地層3の樹脂材料として熱硬化型樹脂を使用した場合には、架橋させるために、例えば60℃以上150℃以下で数時間から一週間程度の時間をかけてエージングを行う。以上により、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の正極板1を得ることができる。
(レート特性改善のメカニズム)
次に、本実施形態によってレート特性が改善するメカニズムについて説明する。
活物質5は粒子であるから、各粒子間に間隙がある。通常の正極合剤層4が厚い電極板の場合、表面付近以外の比較的深い部分には、お互いに隣接する活物質が周囲に豊富に存在していること、更に上層からの圧力もあり、活物質同士の粒子は緊密に存在している。
しかし、正極合剤層4の表面近傍は上層がないため、その圧力がない。また、このことは同時に乾燥の際に溶剤が抜けていく際に空隙ができ易いことを意味する。更に、下層側から表面に向かって活物質の数が減少していく中で形成される層であるため、粒子の数自体が不足しがちである。したがって、正極合剤層4の表面近傍は粒子間のつながりが弱く、結果として粒子の間隙が開いていく傾向となり、粒子層としては疎の状態になる。しかし、この導電パスがとり難い部分は表層だけに限られ、全体から見れば大きな障害とはならない。
しかし、高レートの放電が可能な電極板の場合、正極合剤層4の厚さが非常に薄いため、正極合剤層4全体が前述の表面近傍と同じような状態となっている。粒子層としては疎であり、活物質間の横のつながりが弱い。このため、活物質5からリチウムイオンが脱挿入しても、それによって生じる電子の導電パスが取り難い状態であると考えられる。
この対策として、正極合剤層4に導電助剤を添加する方法が良く採用されるが、導電助剤の量が少なければ導通パスの確保に役立たず、多過ぎればその導電助剤自体が凝集して二次粒子として振舞う形になりがちであるため、添加量に比例して導電パスの効率が良くなるわけではない。
図2及び図3を参照して、本実施形態に係る正極合剤層4の導電パスが向上するメカニズムについて説明する。図2(a)及び図3(a)は、集電体2上に下地層3及び正極合剤層4が塗布されている状態である。正極合剤層4中には、活物質5は球を積み上げて2層に設けられている。ここで、Dは活物質5の粒子を球とみなした場合の直径の平均値(平均粒子径)である。なお、実際には、正極合剤層4中には、結着剤及び導電助剤も含まれるが、活物質5の量に対して非常に少量であるため、図2(a)及び図3(a)では記載を省略している。この状態では、下地層3と正極合剤層4は完全に分かれており、下地層3上に正極合剤層4が積層されている。高い放電レートまで使用するため、活物質5はその粒径の2倍(2D)以下で設けられている。図2(a)では、下地層3は活物質5の平均粒子径の半分の厚さ(0.5D)で設けられている。一方、図3では、下地層3は活物質5の平均粒子径の厚さ(D)で設けられている。
図2(a)や図3(a)の状態で、正極合剤層4の表面からプレスを行い、正極合剤層4を下地層3内に押し込むことで、図2(b)や図3(b)のように、活物質5の周囲に、導電材を主体とする下地層3を配置することができる。
図2(a)に示すように、正極合剤層4中の活物質5の粒子が六方最密充填で充填されているとき、最大の充填状態である。活物質5の粒子が球形であれば、粒子が占有しない空間の割合、すなわち空隙率は約0.26である。活物質5の粒子1つ分の直径Dと同じ一辺を持つ立方体の体積はDであるから、六方最密充填の場合、この空間の空隙の体積は0.26Dである。これが2層分であれば、この空間の空隙の体積は0.52Dである。一方、活物質5の粒子の1つ分の直径Dに対して、下地層3の体積は0.5Dであるから、下地層3の中に活物質5が押し込まれた場合に避けられる下地層3の体積とほぼ一致する。したがって、図2(b)に示すように、理想的に活物質5が下地層3に押し込まれた場合には、活物質5の粒子の周囲は下地層3で満たされる。
図3(a)に示すように、下地層3上に積層された正極合剤層4中の活物質5が規則正しく粒子の上に載っている場合には、空隙率が最も大きく、計算上は活物質5の粒子1層あたりで約0.5Dの空隙を持つ。これが2層分であれば、この空間の空隙の体積はDである。一方、この場合の下地層3の厚さはDであるから、この体積がDとなり、ほぼ活物質5の周囲を下地層3で満たすことができる。したがって、図3(b)に示すように、理想的に活物質5が下地層3に押し込まれた場合には、活物質5の粒子の周囲は下地層3で満たされる。
これらのプレスは、下地層3の樹脂材料が動き易い状態で行うのが望ましい。したがって、下地層3中の樹脂材料のガラス転移点を越える温度まで加熱することは効果的である。また、熱硬化型の樹脂材料を用いた場合は未硬化の状態でプレスし、後にエージングすることで下地層3に必要な強度や密着性を得ることができる。
以上のように、下地層3の膜厚を正極合剤層4中の活物質5の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下とし、正極合剤層4の厚さを活物質5の平均粒子径の2倍以下とすることによって活物質5の周囲を下地層3で満たすことができる。これにより、活物質5間の導通をとることができ、更に正極合剤層4全体の電気抵抗を低下させ、大電流を流すことが可能となる。これにより、ハイレート時の放電容量を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る正極板1を用いたリチウムイオン二次電池の構成について説明する。本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極板、負極板、セパレータ、非水電解液、端子及び容器から構成され、一般的なリチウムイオン二次電池の構成と変わるところはない。
負極板は、負極合剤層を集電体上に設けて形成される。負極合剤層は、負極活物質及び結着材を含有する。
負極活物質は、特に限定されるものではない。例えば、リチウム等の金属材料、ケイ素、スズ等を含有する合金系材料、グラファイト、コークス等の炭素材料のような、リチウムイオンを吸蔵・放出できる化合物を単独ないしは組み合わせて用いることができる。また、負極活物質としてリチウム金属箔を用いる場合、銅等の金属集電体上にリチウム箔を圧着して形成することができる。また負極活物質として合金材料、炭素材料を用いる場合は、負極活物質と結着材、導電助剤等を水、NMP等の溶媒中で混合した後、銅等の金属集電体上に塗布、乾燥することで形成することができる。
結着材は、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM、SBR、NBR、フッ素ゴム等の化学的、物理的に安定な材料が好ましい。また、導電助剤は、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、非晶質炭素等を挙げることができる。
負極集電体は、特に限定されるものではない。例えば、銅箔等を含有する集電体を使用することができる。
非水電解液は、特に限定されるものではない。例えば、有機溶媒等の溶媒に支持塩(支持電解質)を溶解させたものや、電解質兼溶媒であるイオン液体、そのイオン液体に更に支持塩を溶解させたもの等を挙げることができる。
有機溶媒としては、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。また、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の混合溶媒を用いることもできる。
非水電解液に用いられる支持塩は、特に限定されるものではない。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiN(CFSO等を挙げることができる。
非水電解液に用いられるイオン液体も、特に限定されるものではない。イオン液体は、常温で液体である塩であれば良い。例えば、アルキルアンモニウム塩、ピロリジニウム塩、ピラゾリウム塩、ピペリジニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等を挙げることができる。また、広い電位領域において電気化学的に安定であれば、更に好ましい。
正極と負極との接触を防止するためのセパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン製や芳香族ポリアミド樹脂製の微孔膜又は不織布、無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート等を挙げることができる。
前記正極板及び負極板に端子を取り付け、更に非水電解液、セパレータを、電解液の漏洩防止、外気進入の防止等を目的とした容器に収納して、リチウムイオン二次電池を作製することができる。
以下に、本実施形態に係る実施例1、2と、その比較対象となる比較例1、2、3を用いた電池の放電容量の評価について説明する。
<実施例1>
(下地層)
まず、アセチレンブラック(HS−100、電気化学工業製):50質量部、ポリエステルA(分子量:22,000、Tg:72℃):50質量部を、メチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒に添加し、分散処理を行い、均質なペーストを調製した。これにヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤をポリエステルAのOH基に対して当量加えて、このペーストをグラビア方式によりアルミニウム箔集電体(20μm厚)上に塗布し、80℃にて3分間乾燥処理を行った。この膜厚は約2.5μmであった。
(正極合剤層)
LiMn(平均粒子径:5μm):96質量部、アセチレンブラック(HS−100、電気化学工業製):1質量部、ポリエステルA(分子量:22,000、Dg:72℃):3質量部をメチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒に添加し、分散処理を行い、均質なペーストを調製した。このペーストを下地層上に塗布し、乾燥処理を行うことで、正極合剤層を得た。乾燥処理後の正極合剤層の膜厚は、約10μmであった。
(プレス)
上記で得られた正極板を80℃の温度で平プレス機にて10MPaの圧力で3分間プレス処理し、正極合剤層を下地層中に押し込んだ。
(コイン型電池の作製)
次に、この正極板に対して、80℃にて5日間のエージングを行い、下地樹脂層を熱硬化し、得られた正極を直径13.5mmの円形に打抜いた。また、負極として直径15mmの円形のリチウム箔を用意した。そして、ポリプロピレン製セパレータ(ハイポア、旭化成イーマテリアルズ製)を介して正極、負極を挟み込んだ。そこに、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比で3:7に混合した有機溶媒中にLiPFが1モル/L濃度になるように添加し、更に、ビニレンカーボネートを重量比で2%添加して調製した非水電解液を注入し、コイン型電池を作製した。
<実施例2>
実施例1における下地層の膜厚を5μmとした。それ以外は実施例1と同様に正極板を作製し、コイン型電池を作製した。
<比較例1>
下地層を形成することなく、アルミニウム箔集電体(厚さ20μm)上にLiMn(日本化学産業製):92質量部、アセチレンブラック(HS−100、電気化学工業製):5質量部、ポリフッ化ビニリデン(♯7200,クレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン製):3重量部を含有する正極合剤層を直接形成した正極を使用した。それ以外は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
<比較例2>
実施例1における正極合剤層の膜厚を15μmとした。それ以外は実施例1と同様に正極板を作製し、コイン型電池を作製した。
<比較例3>
実施例1における下地層の膜厚を1μmとした。それ以外は実施例1と同様に正極板を作製し、コイン型電池を作製した。
<電池の放電容量評価>
コイン型電池を使用し、定電流、定電圧充電にて4.3Vまで充電し、定電流放電にて3.0Vまで放電した。まず、0.1Cでの充放電を2回繰り返した後、0.2C充電後の0.2C、1C、2C、4C、6C、10C、20C放電の順番で測定を行い、放電容量レート特性を得た。尚、定電圧充電により0.01mAまで電流値が低下した後、定電流放電に移行するように設定した。
(評価結果)
表1に示すコイン型電池の放電容量評価では、放電レート20Cの容量維持率として比較例の80%弱に対して、実施例では85%以上の値が得られた。
Figure 2015216008
実施例及び比較例下地膜厚/
活物質粒子の粒子径比正極合剤層膜厚/
活物質粒子の粒子径比20C
放電容量維持率
(%)
実施例10.5285
実施例21287
比較例1なし278
比較例21379
比較例30.2278
実施例1及び2が下地層中に正極合剤層を押し込むことにより、電極層全体の導通パスがとり易くなったため、放電容量維持率として85%以上の値として得られた。それに対し、比較例1は従来形式の下地層なしの電極板であるため、表面付近の導電パスが充分に取れず、容量維持率が低くなっている。また、比較例2及び3は、下地層が形成されているものの、両者の膜厚バランスが不適切で、相対的に正極合剤層の厚さが厚く、正極合剤層の押し込み操作を行っても下地層が正極合剤層中に充分に行き渡らず、放電容量維持率の向上につながっていないものと考えられる。
(本実施形態の特徴)
本実施形態の第1の視点では、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極(以下、正極)は、集電体上に、少なくとも下地層と正極合剤層がこの順に積層されている。下地層は、樹脂材料及び導電剤を含有する。正極合剤層は、正極活物質、導電剤、及び結着剤を含有する。正極合剤層は、活物質粒子の平均粒子径の2倍以下の厚さで設けられている。下地層は、正極合剤層に含まれる活物質粒子の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下の厚さで設けられている。
また、本実施形態の第2の視点では、正極活物質は粒子径の異なる2種類以上の活物質を含有し、かかる正極合剤層は、正極合剤層に含まれる活物質のうち最大粒子径を有する種類の活物質の平均粒子径の2倍以下の厚さで設けられている。下地層は、正極合剤層に含まれる活物質のうち最大粒子径を有する種類の活物質の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下の厚さで設けられている。
本実施形態の第3の視点では、下地層の樹脂材料は、熱可塑性樹脂を含有する。
本実施形態の第4の視点では、下地層は、加熱による架橋反応によって硬化する熱硬化型樹脂を更に含有する。
本実施形態の第5の視点では、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用正極の製造方法は、下地層及び正極合剤層を乾燥固化した後、正極合剤層面から加圧し、正極合剤層の一部を下地層内に押し込む加圧工程を有する。
本実施形態の第6の視点では、上記の加圧工程は、下地層及び正極合剤層を乾燥固化した後、下地層中の樹脂材料が未硬化の状態で正極合剤層面から加圧し、正極合剤層の一部を下地層内に押し込み、続いて下地層を熱硬化させる。
本実施形態の第7の視点では、上記の加圧工程は、樹脂材料のガラス転移点以上の温度で行われる。
本実施形態の第8の視点では、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、上記の正極を使用したリチウムイオン二次電池である。
(本実施形態の効果)
本実施形態によれば、高出力型電池において、より高いレートでも容量が低下し難いリチウムイオン二次電池の正極を得ることが可能である。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
1…正極板、2…集電体、3…下地層、4…正極合剤層、5…活物質、6…プレス機

Claims (8)

  1. リチウムイオン二次電池の正極集電体と、
    前記正極集電体上に形成され、樹脂材料及び導電剤を含有する下地層と、
    前記下地層上に形成され、正極活物質、導電剤、及び結着剤を含有する正極合剤層と、を有し、
    前記正極合剤層は、前記正極活物質の平均粒子径の2倍以下の厚さで設けられ、
    前記下地層は、前記正極活物質の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下の厚さで設けられていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極。
  2. 前記正極活物質は、粒子径の異なる2種類以上の活物質を含有し、
    前記正極合剤層は、前記正極活物質のうち最大粒子径を有する種類の活物質の平均粒子径の2倍以下の厚さで設けられ、
    前記下地層は、前記正極活物質のうち最大粒子径を有する種類の活物質の平均粒子径の0.5倍以上1倍以下の厚さで設けられていることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  3. 前記樹脂材料は、熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  4. 前記下地層は、加熱による架橋反応によって硬化する熱硬化型樹脂を更に含有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法であって、
    前記下地層及び前記正極合剤層を乾燥固化した後、前記正極合剤層面から加圧して、前記正極合剤層の一部を前記下地層内に押し込む加圧工程を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
  6. 前記加圧工程は、前記下地層及び前記正極合剤層を乾燥固化した後、前記樹脂材料を未硬化の状態で前記正極合剤層面から加圧して、前記正極合剤層の一部を前記下地層内に押し込み、前記下地層を熱硬化させることを特徴とする請求項5に記載のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
  7. 前記加圧工程は、前記樹脂材料のガラス転移点以上の温度で行われることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極の製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載された正極を有するリチウムイオン二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2017217319A1 (ja) * 2016-06-13 2018-12-06 株式会社村田製作所 リチウムイオン二次電池
KR20200011861A (ko) * 2017-05-30 2020-02-04 아모르 축전지의 캐소드, 관련된 축전지 및 배터리

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