JP2017147143A - リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム金属の析出が抑制されたリチウムイオン二次電池用電極、その電極の製造方法、及びその電極を備えたリチウムイオン二次電池の提供を課題とする。
【解決手段】[1]集電体1aと、電極活物質層1bと、絶縁性のメソポーラス層1cとが、この順に配置されているリチウムイオン二次電池用電極1。[2]リチウムイオン二次電池用電極1は負極であり、電極活物質層1bとメソポーラス層1cとの界面の少なくとも一部において共有結合が形成されている[1]に記載のリチウムイオン二次電池用電極1。[3]電極活物質層1bは、酸化ケイ素を含む[2]に記載のリチウムイオン二次電池用電極1。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用電極、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、鉛蓄電池やニッケル水素電池に比べてエネルギー密度及び起電力が高いという特徴を有するため、小型化及び軽量化が要求される各種の携帯機器やノートパソコン等の電源として広く使用されている。このようなリチウムイオン二次電池は、一般に、正極活物質が正極集電体に塗工された正極シートと、負極活物質が負極集電体に塗工された負極シートとを、これらの間にセパレータ及び電解質を介装させて積層し、正極シート、セパレータ及び負極シートを積層させた該積層体をケース内に密封することで製造される。
正極と負極の短絡を防ぐ目的で、従来のオレフィン系樹脂等からなる多孔性シートからなるセパレータが用いられている。
リチウムイオン二次電池の充放電を繰り返すと、負極側にリチウム金属の針状結晶(デンドライト)が析出する。デンドライトが伸長すると、セパレータを貫通して正極まで達し、内部短絡が生じることがある。
デンドライトの伸長による内部短絡を防止する目的で、特許文献1は、発泡フィルムにリチウム塩からなる電解質溶液を含浸させた高分子固体電解質を開示している。
特開平11−86628号公報
特許文献1の高分子固体電解質に用いられている発泡フィルムの作製には、特殊な温度及び圧力条件が必要であるため、製造工程が複雑な上に、安定して所定の発泡倍率の発泡フィルムを作製することが困難であった。その結果、デンドライトの成長による内部短絡を十分に防止することができなかった。また、イオン伝導性が安定したリチウムイオン二次電池を作製することが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便な方法で製造することが可能であり、リチウム金属の析出が抑制されたリチウムイオン二次電池用電極、その電極の製造方法、及びその電極を備えたリチウムイオン二次電池の提供を課題とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]集電体と、電極活物質層と、絶縁性のメソポーラス層とが、この順に配置されているリチウムイオン二次電池用電極。
[2]前記リチウムイオン二次電池用電極は負極であり、前記電極活物質層と前記メソポーラス層との界面の少なくとも一部において共有結合が形成されている[1]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[3]前記リチウムイオン二次電池用電極は正極であり、前記電極活物質層と前記メソポーラス層との界面の少なくとも一部において共有結合が形成されている[1]記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[4]前記電極活物質層は、ケイ素もしくは酸化ケイ素を含む[2]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[5]前記電極活物質層は、金属酸化物を含む[3]に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
[6][1]〜[5]の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用電極を備えたリチウムイオン二次電池。
[7]架橋性シリル基と、これに共有結合された炭素原子とを有する有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体溶液を、集電体上に積層された電極活物質層の表面に塗布する工程と、前記前駆体溶液中の前記有機無機複合架橋性化合物が有する前記架橋性シリル基を加水分解し、縮合させることによって、前記電極活物質層の表面に絶縁性のメソポーラス層を形成する工程と、を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
[8]架橋性シリル基と、これに共有結合された炭素原子とを有する有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体溶液を基体上に塗布する工程と、前記架橋性シリル基を加水分解し縮合させることによって、前記基体上に絶縁性のメソポーラス層を形成する工程と、前記絶縁性のメソポーラス層を前記基体より分離する工程と、シランカップリング剤を含むプライマー溶液を、前記メソポーラス層の一面に塗布し、この塗布面を、集電体上に積層された電極活物質層の表面に接触させることによって、前記電極活物質層の表面に前記シランカップリング剤を介して前記絶縁性のメソポーラス層を接着する工程と、を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極を用いたリチウムイオン二次電池においては、電極活物質層に対する絶縁性のメソポーラス層の接着性が高いため、電極活物質層の表面におけるリチウム金属の析出及びデンドライトの伸長を抑制し、正極と負極の短絡を抑制することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法によれば、上記の優れた電極を簡便な方法で製造することができる。
本発明の第一実施形態のリチウムイオン二次電池用電極の概略を示した断面図である。 本発明の第一実施形態のリチウムイオン二次電池の概略を示した断面図である。
以下、本発明のリチウムイオン二次電池用電極、これを用いたリチウムイオン二次電池及びリチウムイオン二次電池用電極の製造方法の好適な実施形態について、図を参照して説明する。
<リチウムイオン二次電池用電極>
本発明の第一態様のリチウムイオン二次電池用電極は、集電体と、電極活物質層と、絶縁性のメソポーラス層とが、この順で積層され、配置された電極である。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極(以下、単に「電極」という。)の第一実施形態は、図1に示すように、集電体1a上に、電極活物質を含む電極活物質層1bを備え、さらに、電極活物質層1b上に絶縁性のメソポーラス層1cが形成されてなる電極1である。電極1は正極であってもよいし、負極であってもよい。
(集電体1a及び電極活物質層1b)
本実施形態に用いられる集電体1a及び電極活物質層1bとしては、従来公知の電極が挙げられる。例えば、電極活物質、導電助剤、結着剤(バインダー)、溶媒等を含むペースト状の組成物を集電体1a上に塗布、乾燥させて集電体1a上に電極活物質層1bが形成されたコンポジット電極や、集電体1aの表面にスパッタリング法により電極活物質層1bが形成されたスパッタ電極等が挙げられる。
(正極)
電極1が正極である場合、集電体1aの面上に、正極活物質を含有する電極活物質層1bが積層されている。
集電体1aとしては、例えばアルミニウム箔等の金属箔が用いられる。集電体1aの厚さは、好ましくは10μm〜25μmである。正極活物質を含有する電極活物質層1bの厚さは、好ましくは10μm〜100μmである。
正極活物質としては、金属酸化物が用いられる。金属酸化物には、例えば一般式LiM(ただし、Mは金属であり、x及びy、は金属Mと酸素Oの組成比である。)で表される金属酸リチウム化合物が含まれる。
具体的には、金属酸リチウム化合物としては、コバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム等が用いられる。その他の金属酸化物としては、三元系(ニッケル/マンガン/コバルト、ニッケル/コバルト/アルミ)等が用いられる。また正極活物質として、上記した金属酸リチウム化合物及び金属酸化物の少なくとも二種を含む複合品を用いることができる。
正極を構成する導電助剤としては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェン、フラーレン等の炭素材料が挙げられる。
正極活物質層1bに金属酸化物やグラファイトが含有される場合、正極活物質層1bの表面に−OH基が存在する。正極活物質層1bの−OH基は、メソポーラス層1cに対する接着性を向上させるうえで有用である。例えば、正極活物質層1bの上にメソポーラス層1cの材料(例えば、アルコキシ基を有するシラン化合物)を塗布して、メソポーラス層1cを形成する際に、前記−OH基と前記アルコキシ基が反応することにより共有結合(Si−O−C結合)を形成することができる。これにより、正極活物質層1bとメソポーラス層1cとが強固に接着され、電極1の構造的強度が高まり、充放電に伴う膨張収縮による劣化が抑制される。
(負極)
電極1が負極である場合、集電体1aの面上に、負極活物質を含有する電極活物質層1bが積層されている。
集電体1aとしては、例えば銅箔等の金属箔が用いられる。集電体1aの厚さは、好ましくは10μm〜25μmである。負極活物質を含有する電極活物質層1bの厚さは、好ましくは10μm〜100μmである。
負極活物質としては、例えばケイ素、酸化ケイ素、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料や、スズが挙げられる。本実施形態の好適な負極活物質として、例えば酸化ケイ素が挙げられる。
酸化ケイ素としては、一般式「SiO(式中、xは0.5〜1.5のいずれかの数である。)」で表されるものが例示できる。ここで酸化ケイ素を「SiO」単位で見た場合、このSiOは、アモルファス状のSiOであるか、又はSi:SiOのモル比が約1:1となるように、ナノクラスターのSiの周囲にSiOが存在する、Si及びSiOの複合物である。SiOは、充放電時におけるSiの膨張及び収縮に対して緩衝作用を有すると推測される。
酸化ケイ素は、粒子状であることが好ましい。粒子状の酸化ケイ素の大きさは、例えば、平均粒子径が0.1〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。
上記下限値以上であると、負極活物質層1bが多孔質となりやすく、電解液の浸透性が高まる。上記上限値以下であると、負極活物質層1bの構造的強度が高まり、充放電に伴う膨張収縮による劣化が抑制される。
酸化ケイ素の平均粒子径を測定する方法としては、例えば、電子顕微鏡を用いて、負極材に使用する任意の酸化ケイ素粒子の約100個の粒子径を計測し、その平均値を算出して求める方法が挙げられる。
負極活物質層1bに酸化ケイ素が含有されると、負極活物質層1bの表面に酸化ケイ素に由来する−OH基が多数存在する。負極活物質層1bの−OH基は、メソポーラス層1cに対する接着性を向上させるうえで有用である。例えば、負極活物質層1bの上にメソポーラス層1cの材料(例えば、アルコキシ基を有するシラン化合物)を塗布して、メソポーラス層1cを形成する際に、前記−OH基と前記アルコキシ基が反応することにより共有結合(Si−O−C結合)を形成することができる。これにより、負極活物質層1bとメソポーラス層1cとが強固に接着され、電極1の構造的強度が高まり、充放電に伴う膨張収縮による劣化が抑制される。
本実施形態においては、集電体1aの一方の面上に、電極活物質層1bが積層されているが、集電体1aの両面上に電極活物質層1bが形成されていてもよい。
集電体1aの両面に形成された電極活物質層1bのうち、少なくとも片面の電極活物質層1b上にメソポーラス層1cが形成されていればよく、両面の電極活物質層1b上にメソポーラス層1cが形成されていることが好ましい。
(メソポーラス層1c)
図1に示すように、本実施形態の電極1の電極活物質層1b上には、絶縁性のメソポーラス層1cが形成されている。
本明細書におけるメソポーラス層とは、メソポーラス孔(メソ孔)が多数形成された無機物質を含む多孔質層である。メソポーラス層1cは、多数のメソポーラス孔が連続的につながった連続細孔構造を有することが好ましい。ここで連続細孔構造とは、空孔が連続的に繋がっているものを示すが、これらの空孔は必ずしも全範囲において完全に連続しているものでなくても良い。
連続細孔構造における細孔は、共連続(bicontinuous)となっている。共連続構造とは、数学的にはギロイドもしくは二重ギロイド( Double Gyroids) とも表現でき、構造物自体と空孔がそれぞれ連続的につながっていることを意味するものである( 参考文献:SCIENCE,p1716, Vol.286,2 6 Nov.,1999)。
一般に、学術用語として定義されるメソポーラス孔の開口部の直径は、2nm〜50nmとされている。本実施形態のメソポーラス層1cが、メソポーラス孔からなる連続細孔構造を有するか否かの判定は、公知の水銀ポロシメトリー法(水銀圧入法)によって、直径2nm〜50nmの細孔(空孔)が複数存在するか否かを確認して行われる。
メソポーラス層1cは、金属又はケイ素−酸素結合による架橋構造を有し、その架橋構造によって内部に形成された空孔が連続的につながった連続細孔構造を有する層であることが好ましい。前記金属は酸化金属であることが好ましい。
メソポーラス層1cの全体積に対する空孔率は、30〜80%であることが好ましく、40〜70%であることがより好ましい。空孔率が30%以上であるとイオン拡散が高まりレート特性が向上し、80%以下であると構造的に強固になり、リチウム析出をより引き起こし難くなる。なお、本実施形態における空孔率は、水銀ポロシメトリー法で算出する。
メソポーラス層1cの空孔径の平均は、2nm〜1000nmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましく、10nm〜250nmがさらに好ましく、20〜50nmが特に好ましい。空孔径の平均が上記範囲の下限値以上であると、メソポーラス層1c内を電解液が拡散し易く、イオン輸送率をより高められる。
空孔径の平均が上記範囲の上限値以下であると、電極活物質層1bの表面にリチウム金属が析出したとしても、リチウム金属からなるデンドライトがメソポーラス層1cの多孔質構造をすり抜けて伸長することを容易に防止できる。
本実施形態における空孔の平均径は、公知の水銀ポロシメトリー法により測定することができる。
メソポーラス層1cの厚さは、例えば、1〜20μmであることが好ましく、3〜10μmであることがより好ましい。
メソポーラス層の厚さが*μm以上であると、隣接する電極同士の絶縁性を充分に保つことができ、デンドライトが伸長して隣接する電極へ到達する(短絡する)ことを防止できる。メソポーラス層の厚さが*μm以下であると、メソポーラス層1c内を電解液が拡散し易く、イオン輸送率をより高められる。
ここで、メソポーラス層1cの厚さは、メソポーラス層1cの任意の5箇所で、接触式厚み計で厚さを測定した平均で表される値である。なおメソポーラス層の厚さを測定する際、直接に接触式厚み計を適用することが困難であるときは、集電体1a、電極活物質層1bなど、他の層が重ね合わされた状態で、上記と同様に全体の厚さを測定し、重ね合わせられていた他の層の厚さ(上記と同様の方法で測定したもの)との差分を取ることで算出してもよい。
メソポーラス層1cは、シロキサン結合及びシロキサン結合中のケイ素に結合された炭素原子を有する有機無機複合架橋性化合物により構成された架橋構造を有する構造体を含むことが好ましい。
前記炭素原子は、炭素数が1〜50である2価の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を構成することが好ましい。炭化水素基であることにより、柔軟性が付与され、膜物性を制御することができる。前記炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、含芳香族基が挙げられ、好ましくは直鎖アルキレン基が挙げられる。
前記構造体の具体例としては、例えば、一般式(1)で示される構造体(以下、構造体1という。)が挙げられる。
Figure 2017147143
(式中、Xは−O−結合又はOH基であり、Rは炭素数1〜50の炭化水素基であり、Rはメチル、エチル、プロピル、又はフェニル基のいずれかの基を表し、n1,n2は0,1,2のいずれかであり、n1,n2の少なくとも一つが1または2である。)
前記式(1)中のXは、構造体(1)同士の架橋を形成し得る。
の炭素数が50以下であると密な架橋が容易に形成される。Rの炭素数が1以上であるとメソポーラス孔が容易に形成される。また、Rが何らかのヘテロ原子(炭素、水素以外の原子)を有している場合と比べて、Rが炭化水素基であると、酸あるいは熱による劣化が起こり難い。
前記炭化水素基は、次式(2)で示される基であることが望ましい。
次式(2)におけるnは、好ましくは1〜20であり、より好ましくは8〜12である。これにより耐熱性、柔軟性が向上する。
直鎖状ポリメチレン鎖は屈曲可能な構造であるために、メソポーラス層に適度の柔軟性を付与することが可能であり、緻密性などの調整も可能である。これらの調整は主としてポリメチレン鎖の分子長を調整することによって行われる。
Figure 2017147143
前記式(1)におけるRがn−オクチレン基、Rがメチル基である、次式(3)で表される有機無機複合架橋性化合物からなる構造体(3)が望ましい。この構造体(3)は、メチレンが8連鎖した基(直鎖状オクチレン基)を有するため、架橋性と柔軟性及び耐熱性とのバランスが良好となる。
Figure 2017147143
( 式中、Xは−O−結合又はOH基であり、n1,n2は0,1,2のいずれかであり、n1,n2の少なくとも一つが1または2である。)
前記構造体は、複数種の構造単位が互いに結合した構造を有していてもよい。例えば、一般式(1)におけるn1=1の有機無機複合体単位と、n2=2の有機無機複合体単位とが結合された構造体であってもよい。この場合、架橋密度等の調整が可能であり、その結果、メソポーラス層の空隙構造、可撓性(柔軟性)などを調整することが可能となる。
また、有機鎖長、置換基の種類などが異なった有機無機複合体単位が結合してなる前記構造体を含むことによっても、メソポーラス層の物性の調整が可能となる。
(電極活物質層1bとメソポーラス層1cとの界面について)
電極1が負極である場合、電極活物質層1bとメソポーラス層1cとの界面の少なくとも一部において共有結合が形成されていることが好ましい。
一例として、例えば、シロキサン成分を含むメソポーラス層1cが酸化ケイ素(前記SiOx)を含有する負極活物質層1b上に形成されている場合、メソポーラス層1cに含まれるシロキサン成分の少なくとも一部は、負極活物質であるSiOxと共有結合していることが好ましい。
上記共有結合が形成されているか否かは、メソポーラス層1cの形成方法に依存する。例えば、SiOxを含む負極活物質層1bの表面で、メソポーラス層1cの原料であるシロキサン成分の前駆体が重合反応を起こしてメソポーラス層1cが形成された場合には、前記界面に共有結合が形成される。また、SiOxを含む負極活物質層1bの表面に対して、シランカップリング剤を介して、メソポーラス層1cを接着した場合にも、上記共有結合が形成される。
<リチウムイオン二次電池>
本発明の第二態様のリチウムイオン二次電池は、第一態様のリチウムイオン二次電池用電極を正極又は負極として備える。
図2は、本発明にかかるリチウムイオン二次電池の一例を示す図である。図2におけるリチウムイオン二次電池10は、集電体11a、負極活物質層11b及びメソポーラス層1cを有する負極11と、電解質(電解質層)2と、集電体12a及び正極活物質層12bからなる正極12と、を備える。
負極11は本発明の第一態様の電極である。正極12の構成は、公知のリチウムイオン二次電池の正極と同様である。
電解質2は特に限定されず、例えば、公知のリチウムイオン二次電池で使用される公知の電解質、電解液等が適用可能である。電解液としては、有機溶媒に電解質塩を溶解した混合溶液が例示できる。有機溶媒としては、高電圧に対する耐性を有するものが好ましく、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトロヒドラフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテートなどの極性溶媒、又はこれら溶媒の2種類以上の混合物が挙げられる。電解質塩としては、例えばリチウムイオン二次電池の場合、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCF、LiCFCO、LiPFSO、LiN(SOCF、Li(SOCFCF、LiN(COCF及びLiN(COCFCF等のリチウムを含む塩、又はこれら塩の2種以上の混合物が挙げられる。
図2のリチウムイオン二次電池10において、メソポーラス層1cは負極活物質層11bの表面に形成されているが、本発明はこれに限定されず、メソポーラス層が正極活物質層12bの表面に形成されても構わない。
図2のリチウムイオン二次電池10において、メソポーラス層1cがセパレータとしての役割を果たすことができるため、セパレータは設けられていないが、本発明はこれに限定されず、セパレータが設けられていてもよい。セパレータは、負極11と正極12との間に配置される。セパレータの材質としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系のポリエチレン、ポリプロピレンやセルロース系の材料からなるものを用いることができる。これらの材料からなる不織布等をセパレータとして採用することができる。
<リチウムイオン二次電池用電極の製造方法>
本発明の第三態様は、第一態様のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法である。以下に2つの実施形態を説明する。
(第一実施形態)
第一実施形態の製造方法は、架橋性シリル基と、これに共有結合された炭素原子とを有する有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体溶液を調製し、前記前駆体溶液を、集電体上に積層された電極活物質層の表面に塗布する工程と、前記前駆体溶液中の前記有機無機複合架橋性化合物が有する前記架橋性シリル基を加水分解し、縮合させることによって、前記電極活物質層の表面に絶縁性のメソポーラス層を形成する工程と、を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法である。
前記架橋性シリル基は、加水分解とこれに続く脱水縮合反応により、シロキサン結合(−Si−O−Si−)からなる架橋構造を形成する。架橋性シリル基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、フェノキシなどのアルコキシ基が直接シリコン原子に結合したアルコキシシリル基、塩素などのハロゲンがシリコン原子に結合したハロゲン化シリル基、さらにアセトキシ基などのカルボキシシリル基などが挙げられる。
前記炭素原子は、炭素数が1〜50である2価の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基を構成することが好ましい。前記炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、含芳香族基が挙げられ、好ましくは直鎖アルキレン基が挙げられる。
前記有機無機複合架橋性化合物は、前記架橋性シリル基を2つ以上有するものであることが好ましく、化合物の末端に2つの前記架橋性シリル基を有するものがより好ましい。単一の化合物が前記架橋性シリル基を2つ以上有する場合、個々の架橋性シリル基は同じであってもよいし、異なっていてもよいが、架橋反応の制御の容易さの観点から、同じであることが好ましい。前記有機無機複合架橋性化合物の分子量は、100〜500であることが好ましい。
前記有機無機複合架橋性化合物の具体例としては、例えば、一般式(4)で表される化合物(以下、化合物(4)という。)が挙げられる。
Figure 2017147143
(式中、Rは炭素数1〜50の炭化水素基であり、Rはメチル、エチル、プロピル、又はフェニル基のいずれかの基を表し、RはCl、OCH、OC、OC、OH、又はOCOCH基のいずれかの基を表し、n1,n2は0,1,2のいずれかであり、n1,n2の少なくとも一つが1または2である。)
前記式(4)中のRは、化合物(4)同士の架橋を形成し得る。
の炭素数が50以下であると密な架橋を容易に形成することができる。Rの炭素数が1以上であるとメソポーラス孔を容易に形成することができる。また、Rが何らかのヘテロ原子(炭素、水素以外の原子)を有している場合と比べて、Rが炭化水素基であると、酸あるいは熱による劣化が起こり難い。
前記炭化水素基は、次式(5)で示される基であることが望ましい。次式(5)におけるnは、好ましくは1〜20であり、より好ましくは8〜12である。これにより耐熱性、柔軟性が向上する。
直鎖状ポリメチレン鎖は屈曲可能な構造であるために、メソポーラス層に適度の柔軟性を付与することが可能であり、緻密性などの調整も可能である。これらの調整は主としてポリメチレン鎖の分子長を調整することによって行われる。
Figure 2017147143
前記式(4)におけるRがn−オクチレン基、Rがメチル基である、次式(6)で表される化合物(以下、化合物(6))が望ましい。
Figure 2017147143
( 式中、Xは−O−結合又はOH基であり、n1,n2は0,1,2のいずれかであり、n1,n2の少なくとも一つが1または2である。)
前記前駆体溶液は、複数種の有機無機複合架橋性化合物を含んでいてもよい。例えば、前駆体溶液は、n1=1の有機無機複合架橋性化合物と、n2=2の有機無機複合架橋性化合物とを含んでいてもよい。この場合、架橋密度等の調整が可能であり、その結果、メソポーラス層の空隙構造、可撓性(柔軟性)などを調整することが可能となる。
また、R,Rの炭素数や置換基の種類等の異なる複数種の前記有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体溶液を用いることによっても、メソポーラス層の物性の調整が可能となる。
前記前駆体溶液を構成する溶媒は、前記有機無機複合架橋性化合物を溶解又は分散可能な溶媒であればよく、トルエンなどの無極性有機溶媒が好ましい。
前記前駆体溶液に含まれる前記有機無機複合架橋性化合物の種類は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよいが、連続細孔構造を容易に形成する観点から、互いに異なる架橋性シリル基を有する2種類以上であることが好ましい。
前記前駆体溶液に含まれる前記有機無機複合架橋性化合物の濃度は、例えば、1wt%〜50wt%が好ましい。
前記前駆体溶液には、前記架橋性シリル基が加水分解して縮合することを促進可能な公知の触媒が含まれていることが好ましい。触媒の種類は、架橋性シリル基の種類や所望の反応性を考慮して適宜選択される。
前記前駆体溶液に触媒を添加する際の温度を低くすると、塗布前に反応が過度に促進してしまうことを防ぐことができる。上記温度は、溶媒の凝固点〜沸点の間で適宜設定され、例えば0〜40℃が適当である。前記前駆体溶液への触媒の添加は、冷却しながら行ってもよい。
前記前駆体溶液を塗布する前記電極活物質層は、予め集電体上に形成されていることが好ましい。塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ディップ法、印刷法、ドクターブレード法等の公知の溶液塗工方法が適用可能である。
前記前駆体溶液を前記電極活物質層の上に塗布した後、前記加水分解及び縮合の反応が進行するための時間を確保して、養生する(静置する)ことが好ましい。
養生する際の温度は、溶媒の沸点を考慮して、例えば5℃〜沸点温度であり、10〜40℃が好ましい。
上記温度範囲の下限値以上であると、反応を充分に速く進行させ、連続細孔構造を容易に形成することができる。
上記温度範囲の上限値以下であると、反応が過度に速く進行して連続細孔構造の形成が阻害されることを防止できる。
反応が完了すると、メソポーラス層が電極活物質層の表面に形成された、目的の電極が得られる。
上記反応において、メソポーラス層と電極活物質層の界面には、公知の共有結合(例えば、シロキサン結合:−Si−O−Si−)が形成される。
養生の終了後に、養生温度より高い温度で加熱して、溶媒を完全に除去し、メソポーラス層の内部で形成された架橋構造を固定化してもよい。上記の加熱温度としては、例えば、溶媒の沸点以上300℃以下が好ましく、100〜200℃がより好ましい。
上記温度範囲の下限値以上であると、溶媒を容易に除去することができる。
上記温度範囲の上限値以下であると、熱による電極の劣化を防止できる。
(第二実施形態)
第二実施形態の製造方法は、架橋性シリル基と、これに共有結合された炭素原子とを有する有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体溶液を調製し、前記前駆体溶液を基体上に塗布する工程と、前記架橋性シリル基を加水分解し縮合させることによって、前記基体上に絶縁性のメソポーラス層を形成する工程と、前記絶縁性のメソポーラス層を前記基体より分離する工程と、シランカップリング剤を含むプライマー溶液を、前記メソポーラス層の一面に塗布し、この塗布面を、集電体上に積層された電極活物質層の表面に接触させることによって、前記電極活物質層の表面に前記シランカップリング剤を介して前記絶縁性のメソポーラス層を接着する工程と、を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法である。
前記前駆体溶液は、第一実施形態の前駆体溶液と同じであるため、その説明を省略する。
前記基体は、前記前駆体溶液を塗布することが可能であり、塗布された前記前駆体溶液が反応して、メソポーラス層が形成されるまで当該前駆体溶液を支持可能であれば特に限定されず、例えば、樹脂フィルム、ガラス板、金属板等の平板面を有するものが挙げられる。
前記基体の表面に前記前駆体溶液を塗布する方法としては、第一実施形態において電極活物質層の表面に前駆体溶液を塗布する方法と同じ方法が挙げられる。
塗布された前記前駆体溶液を前述と同様に養生して、乾燥、固化することにより、目的のメソポーラス層を前記基体上に形成することができる。
前記基体の表面から前記メソポーラス層を分離する方法は特に限定されず、メソポーラス層を引き剥がす(ピールする)方法、前記基体を溶解し易く、メソポーラス層を溶解し難い溶媒中に浸すことにより、前記基体を溶解させて、メソポーラス層を残す方法、等が挙げられる。
前記プライマー溶液及び前記シランカップリング剤は、公知のものが適用可能である。
前記プライマー溶液を前記メソポーラス層の一面に塗布する方法としては、第一実施形態において前記電極活物質層の表面に前記前駆体溶液を塗布する方法と同様の方法が好ましい。
前記プライマー溶液の塗布面と、予め集電体上に積層された電極活物質層の表面とを接触させることにより、前記電極活物質層の表面に前記シランカップリング剤を介して前記絶縁性のメソポーラス層を接着できる。この接着に伴う化学反応において、公知の共有結合(例えば、シロキサン結合:−Si−O−Si−)が形成される。
以上の工程により、メソポーラス層が電極活物質層の表面に形成された、目的の電極が得られる。
なお、上記の実施形態の変形例として、前記プライマー溶液を前記メソポーラス層に塗布するのではなく、前記電極活物質層の表面に塗布し、その塗布面に前記メソポーラス層を接触させて、前記電極活物質層の表面に前記シランカップリング剤を介して前記メソポーラス層を接着する方法も挙げられる。
以下に本発明に関する実施例について説明するが、本発明は以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体の調整)
まず、有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体の調整方法について説明する。
(二官能前駆体の合成)
1,7−オクタジエン(和光純薬製)11.0gと、ジエトキシメチルシラン(信越シリコン社製)26.9gのトルエン溶液に、塩化白金酸(和光純薬製)とジビニルテトラメチルジシロキサン(Gelest社製)から調製したカルステッド触媒(Karsted:USP3775452)溶液0.05mmolを混合し、30℃の窒素雰囲気下で1昼夜攪拌した。このようにして得られた反応混合物を蒸留にて精製し、1,8−ビス(ジエトキシメチルシリル)オクタンを得た。構造はH−NMR(Bruker製 核磁気共鳴分光機 DRX−300)で確認した。
(単官能前駆体の合成)
上記ジエトキシメチルシランに代えてジメチルエトキシシランを用いた以外は前記二官能前駆体の合成工程と同様にして、1,8−ビス(ジメチルエトキシシリル)オクタンを得た。構造はH−NMR(Bruker製 核磁気共鳴分光機 DRX−300)で確認した。
前述の工程により得られた二官能前駆体である1,8−ビス(ジエトキシメチルシリル)オクタン0.6gと、単官能前駆体である1,8−ビス(ジメチルエトキシリル)オクタン0.5をイソプロパノール0.8gに溶解し、イソプロパノール溶液を形成した。
また、7Nの塩酸0.2gをイソプロパノール0.8gに加えた。この溶液と、前述の二官能前駆体及び単官能前駆体を含むイソプロパノール溶液を合わせて数十秒間攪拌し、前駆体溶液を形成した。
(メソポーラス層の形成)
前駆体溶液を銅薄膜と酸化ケイ素膜との積層からなるリチウムイオン二次電池用負極の酸化ケイ素膜上に塗布し、室温(20℃)にて60時間養生して、酸化ケイ素膜上にメソポーラス層(厚さ:5μm)を形成させた。内部構造をSEMで観察したところ、空孔径が平均500nmであり、空孔率70%の連続細孔構造を形成していることを確認した。
(リチウムイオン二次電池の製造)
市販品の三元系正極(パイオトレック社製)及びメソポーラス層を形成したリチウムイオン二次電池用負極を、それぞれ直径16mmの円盤状に打ち抜いた。
得られた正極及びメソポーラス層を形成したリチウムイオン二次電池用負極を、この順にSUS製の電池容器(CR2032)内で積層し、EC/DEC(3:7vol%)と1M LiPFからなる電解液を正極及びメソポーラス層を形成したリチウムイオン二次電池用負極に含浸させた。さらに負極上に、SUS製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)を載せ、蓋をすることにより、コイン型セルであるリチウムイオン二次電池を製造した。
(比較例)
市販品の三元系正極(パイオトレック社製)、銅薄膜とSiOx膜との積層からなるリチウムイオン二次電池用負極を、それぞれ直径16mmの円盤状に打ち抜いた。また、セパレータとしてガラスファイバーからなるものを用い、これを直径17mmの円盤状に打ち抜いた。
得られた正極、セパレータ、及び負極を、この順にSUS製の電池容器(CR2032)内で積層し、EC/DEC(3:7vol%)と1M LiPFからなる電解液を正極、セパレータ、及び負極に含浸させた。さらに負極上に、SUS製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)を載せ、蓋をすることにより、コイン型セルであるリチウムイオン二次電池を製造した。
実施例1及び比較例により作製されたコイン型リチウムイオン二次電池を、25℃において5時間保管し、0.2C充放電を行った後、−10℃において5時間放置した。その後、−10℃で1C充電を行い、コイン型リチウムイオン二次電池を解体した。その結果、実施例1で作製されたコイン型リチウムイオン二次電池における負極では、リチウムの析出が観測されなかったが、比較例で作製されたコイン型リチウムイオン二次電池における負極ではリチウムの析出が観察された。
1…電極、1a…集電体、1b…電極活物質層、1c…メソポーラス層、2…電解質、10…リチウムイオン二次電池、11…負極、12…正極、11a…集電体、11b…負極活物質層、11c…メソポーラス層、12a…集電体、12b…正極活物質層。

Claims (8)

  1. 集電体と、電極活物質層と、絶縁性のメソポーラス層とが、この順に配置されているリチウムイオン二次電池用電極。
  2. 前記リチウムイオン二次電池用電極は負極であり、前記電極活物質層と前記メソポーラス層との界面の少なくとも一部において共有結合が形成されている請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  3. 前記リチウムイオン二次電池用電極は正極であり、前記電極活物質層と前記メソポーラス層との界面の少なくとも一部において共有結合が形成されている請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  4. 前記電極活物質層は、ケイ素もしくは酸化ケイ素を含む請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  5. 前記電極活物質層は、金属酸化物を含む請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のリチウムイオン二次電池用電極を備えたリチウムイオン二次電池。
  7. 架橋性シリル基と、これに共有結合された炭素原子とを有する有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体溶液を、集電体上に積層された電極活物質層の表面に塗布する工程と、
    前記前駆体溶液中の前記有機無機複合架橋性化合物が有する前記架橋性シリル基を加水分解し、縮合させることによって、前記電極活物質層の表面に絶縁性のメソポーラス層を形成する工程と、を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  8. 架橋性シリル基と、これに共有結合された炭素原子とを有する有機無機複合架橋性化合物を含む前駆体溶液を基体上に塗布する工程と、
    前記架橋性シリル基を加水分解し縮合させることによって、前記基体上に絶縁性のメソポーラス層を形成する工程と、
    前記絶縁性のメソポーラス層を前記基体より分離する工程と、
    シランカップリング剤を含むプライマー溶液を、前記メソポーラス層の一面に塗布し、この塗布面を、集電体上に積層された電極活物質層の表面に接触させることによって、前記電極活物質層の表面に前記シランカップリング剤を介して前記絶縁性のメソポーラス層を接着する工程と、を含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
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