JP3973333B2 - 半固体状電解質及びリチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半固体状電解質及びこれを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池等に使用される非水系電解液として、電解質塩と非水系有機溶媒とを含有する非水系電解液は公知である。ここで使用される有機溶媒は、支持塩を電離させるために比較的誘電率が高い必要があると共に、電池として使用されるには充放電によって、分解されない必要もある。このような観点から使用される好ましい有機溶媒として、プロピレンカーボネートが挙げられる。プロピレンカーボネートは、広い温度領域でイオン伝導度が高く、また、高沸点溶媒である故に特に高温での使用においても揮発、液漏れの問題がないという点で優れており、極めて有効な溶媒であるが、一方で、充電時の負極表面での還元反応により、分解を受けやすいという問題がある。
【0003】
このような充放電時の電極表面の酸化還元反応に対し、電解液にある特定の添加剤を加えることで電極表面に皮膜を形成させ、高い充放電効率で容量を向上させることが行われる。 上記皮膜の組成は、電解液に添加剤を使用することによって変化する。添加剤は、電解液に例えば0.01〜10重量%といった少量添加するだけで、皮膜の形成に大きな影響を与え、どのような種類の添加剤を使用するかによって、その電池性能に与える影響は非常に大きい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
リチウム二次電池等の二次電池においては、容量が大きいだけでなく、高いレートにおいても十分な容量が確保できること(レート特性)や、さらには、繰り返し充放電を行っても容量が低下しないこと(高サイクル特性)等が求められ、様々な改良がなされている。しかしながら、近年高性能化への要求はますます高く、これらの特性のさらなる向上が求められている。上記の添加剤は、これらの要求特性に与える影響が大きく、より有効な添加剤が求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、その目的は、高レート特性を有する高容量の電池、及びこれに用いる半固体状電解質を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、上記添加剤としてケトン類の化合物を使用すればよいことを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、電解質塩及び非水系有機溶媒を含有する非水系電解液を含む半固体状電解質において、該電解液が、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートと を含有し、さらに、電解液に対して0.01〜10重量%の、炭素数5以上のケトン類を含有することを特徴とする半固体状電解質及びこれを用いたリチウム二次電池、に存する。
【0006】
【発明の実施の態様】
本発明で添加剤として使用するケトン類とは、カルボニル基を構成する炭素原子に2つの炭素原子が結合しているものであればよく、このようなケトン基を分子内に少なくとも1つ有するものであればよい。ケトン類としては、例えば、ケトン基の炭素原子が分子の環状構造の一部をなす環状ケトンや、ケトン基の炭素原子が分子の鎖状構造の一部をなす鎖状ケトン等を挙げることができる。また、芳香族基を有する芳香族ケトンを使用することもできる。好ましくは、脂肪族環状ケトン、脂肪族鎖状ケトンおよび芳香族ケトンである。環状ケトンを使用する場合、ケトン基を有する環としては8員環以下のものが、初期充電時の電解液溶媒の分解により生じるガスを抑制する効果の点で好ましい。
【0007】
使用するケトン類は、分子内にエステル基やエーテル基等のケトン基以外の置換基を合わせて有するものでもよい。また、ジケトン類のような、分子中にケトン基を2個以上有するものや、ケトン基と共役する不飽和基を含む共役ケトン構造を有するものでもよい。
使用するケトン類の分子量は通常500以下、好ましくは300以下である。分子量が大きすぎると、ケトン基の効果よりも他の構造による充放電へ阻害要因の影響が高まり、イオン伝導を阻害し逆効果となることがある。さらに、充放電時の不可逆容量を抑制し、サイクル寿命を向上させる観点からは、分子中に水酸基やカルボキシル基、アミノ基を持たない構造のものが効率の点でより有効である。
【0008】
使用するケトン類の具体例としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びシクロヘプタノン等の脂肪族環状ケトン類;4−ヘプタノン及び4−メチル−2−ペンタノン等の脂肪族鎖状ケトン類;アセトフェノン及び2’−アセトナフトン等の芳香族ケトン類;イソホロン等の共役ケトン類;1,4−シクロヘキサンジオン及びアセトニルアセトン等のジケトン類;エチルレブリネート及びエチルベンゾイルホルメート等のケトエステル類;2−メトキシシクロヘキサノン及び4H−ピラン−4−オン等のエーテルケトン類等が挙げられる。
【0009】
これらの添加剤の使用量は、電解液全体に対して0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.07重量%以上であり、また10重量%以下、好ましくは7重量%以下である。使用量が多すぎると、ケトン類が電解質中でリチウムイオン移動の阻害因子となり、イオン伝導度が低下し、その結果、高レートでの容量の低下を招くことがある。逆に、使用量が少なすぎると、十分な効果を発現せず、特に初期の充電時に電解質溶媒の分解によるガスが発生し、その結果、充電時の抵抗の増加と充放電容量の低下を招くことがある。
【0010】
本発明の半固体状電解質は、電解質塩と非水系有機溶媒とを含有する非水系電解液を含む。
電解質塩としては、リチウムを陽イオンとするリチウム塩であれば特に限定されるものでなく、LiPF6、LiCl4、LiBF4、LiCF3SO3等が例示できるが、中でも、LiPF6が高いイオン伝導度と高率の放電特性を与える点で特に好ましい。電解液中に含まれるこれらの電解質塩の濃度は、電解液全体1Lに対し、0.5モル以上2.0モル以下の範囲で使用するのが、高いイオン伝導特性を与えるので好ましい。
電解液に使用する非水系有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等の有機溶媒を挙げることができる。溶媒はプロピレンカーボネートを含有する結果、広い温度領域で高いイオン伝導度を得ることができ、高温での使用においても揮発、液漏れの問題が少ないという効果を得ることができる。溶媒は、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを含有する。また、溶媒として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の高沸点の溶媒とジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等の低沸点溶媒との混合溶媒を使用することもできる。
本発明の半固体状電解質は、リチウム二次電池に用いることができる。
【0011】
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極及び半固体状電解質を有し、前記電解液に対して0.01〜10重量%ケトン類を含有している。ケトン類は、通常電解液中に含有されるが、正極或いは負極に含有させておくこともできる。特に、負極の活物質表面の皮膜形成の面で負極にケトン類を含有させるのは有効である。ケトン類の使用量は、前記電解液に対して、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.07重量%以上であり、また好ましくは7重量%以下である。使用量が多すぎると、ケトン類が電解質中でリチウムイオン移動の阻害因子となり、イオン伝導度が低下し、その結果、高レートでの容量の低下を招くことがある。逆に、使用量が少なすぎると、十分な効果を発現せず、特に初期の充電時に電解質溶媒の分解によるガスが発生し、その結果、充電時の抵抗の増加と充放電容量の低下を招くことがある。
【0012】
本発明の二次電池に使用される正極及び負極としては、電池の種類に応じて適宜選択すれば良いが、少なくとも正極、負極に対応した活物質を含有する。また、活物質を固定するためのバインダーを含有してもよい。
本発明のリチウム二次電池に使用できる正極活物質としては、例えば、Fe、Co、Ni、Mn等の遷移金属を有する酸化物、リチウムとの複合酸化物、硫化物等の無機化合物が挙げられる。具体的には、MnO、V2O5、V6O13、TiO2等の遷移金属酸化物、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウムなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、TiS2、FeSなどの遷移金属硫化物が挙げられる。また、正極活物質として、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等の有機化合物を挙げることもできる。無論、上記の活物質の複数種を混合して用いても良い。活物質が粒状の場合の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で通常1〜30μm、好ましくは1〜10μm程度である。
【0013】
本発明のリチウム二次電池に使用できる負極活物質として使用できるものとしては、リチウム金属、リチウム合金を使用することもできるが、添加剤の使用による皮膜形成の効果が大きいので、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としてコークス,アセチレンブラック、メゾフェーズマイクロビーズ、グラファイト等の炭素質物質を使用するのが特に好ましい。粒状の負極活物質の粒径は、初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性が優れる点で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μm程度である。
【0014】
正極、負極に使用できるバインダーとしては、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等の観点から各種の材料が使用される。具体的には、シリケート、ガラスのような無機化合物や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂の重量平均分子量は、通常10000−3000000、好ましくは100000−1000000程度である。低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。一方高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難になることがある。好ましいバインダー樹脂は、フッ素系樹脂、CN基含有ポリマーである。
【0015】
活物質100重量部に対するバインダーの使用量は通常0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、また通常30重量部以下、好ましくは20重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると電極の強度が低下する傾向にあり、バインダーの量が多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
電極中には、電極の導電性や機械的強度を向上させるため、導電性材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有させても良い。導電性材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。炭素粉末導電性材料のDBP吸油量は120cc/100g以上が好ましく、特に150cc/100g以上が電解液を保持するという理由から好ましい。添加剤としては、トリフルオロプロピレンカーボネート、1,6−Dioxaspiro[4,4]nonane−2,7−dione、12−クラウン−4−エーテル、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネートなどが電池の安定性、寿命を高めるために使用することができる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0016】
電極は、活物質やバインダー等の構成成分と溶剤とを含む塗料を塗布・乾燥することによって形成することができる。
電極の厚さは、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、さらに好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上であり、また通常200μm以下、好ましくは150μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなるだけでなく、電池の容量が小さくなりすぎることがある。一方、あまりに厚すぎるとレート特性が低下しすぎることがある。
【0017】
正極及び負極の少なくとも一方の電極は、通常集電体上に形成される。集電体としては、各種のものを使用することができが、通常は金属や合金が用いられる。具体的には、正極の集電体としては、アルミニウムやニッケル、SUS等が挙げられ、負極の集電体としては、銅やニッケル、SUS等が挙げられる。好ましくは、正極の集電体としてアルミニウムを使用し、負極の集電体として銅を使用する。
正負極層との結着効果が向上されるため、これら集電体の表面を予め粗面化処理しておくのが好ましい。表面の粗面化方法としては、ブラスト処理や粗面ロールにより圧延するなどの方法、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤ−ブラシなどで集電体表面を研磨する機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。
【0018】
また、電池の重量を低減させる、すなわち重量エネルギー密度を向上させるために、エキスパンドメタルやパンチングメタルのような穴あきタイプの集電体を使用することもできる。この場合、その開口率を変更することで重量も自在に変更可能となる。また、このような穴あけタイプの集電体の両面に活物質を存在させた場合、この穴を通しての塗膜のリベット効果により塗膜の剥離がさらに起こりにくくなる傾向にあるが、開口率があまりに高くなった場合には、塗膜と集電体との接触面積が小さくなるため、かえって接着強度は低くなることがある。
【0019】
集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、通常100μm以下、好ましくは50以下である。あまりに厚すぎると、電池全体の容量が低下しすぎることになり、逆に薄すぎると取り扱いが困難になることがある。
本発明の電解液は、これを高分子によってゲル化して半固体状する。半固体状電解質における上記電解液の使用量は、半固体状電解質の総量に対して、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは75重量%以上であり、また通常99.95重量%以下、好ましくは99重量%以下、さらに好ましくは98重量%以下とする。使用量が多すぎると、電解液の保持が困難となり液漏れが生じやすくなり、逆に少なすぎると充放電効率や容量の点で不十分となることがある。
【0020】
なお、上記半固体状電解質を用いた場合の、前記ケトン類の使用量は、半固体状電解質に対して、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、さらに好ましくは0.07重量%以上であり、また、通常10重量%以下、好ましくは7重量%以下とする。使用量が多すぎる場合、ケトン類が電解質中でリチウムイオン移動の阻害因子となり、イオン伝導度が低下し、内部抵抗が上昇し、その結果、高レートでの容量の低下を招くことがある。逆に、使用量が少なすぎると、本発明の効果が不十分となり、特に初期の充電時に電解質溶媒の分解等によるガスが発生し、その結果、充電時の抵抗の増加と充放電容量の低下を招くことがある。
【0021】
正極と負極との間には、短絡を防止する上で、多孔性のスペーサが設けられているのが好ましい。即ち、この場合、電解液は、多孔性のスペーサに含浸されて使用される。スペーサの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン等を用いることができるが、好ましくはポリオレフィンである。スペーサの厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、また通常50μm以下、好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。多孔膜が薄すぎると、絶縁性や機械的強度が悪化することがあり、厚すぎるとレート特性等の電池性能が悪化するばかりでなく、電池全体としてのエネルギー密度が低下することがある。スペーサの空孔率としては、通常20%以上、好ましくは35%以上、さらに好ましくは45%以上であり、また通常90%以下、好ましくは85%以下、さらに好ましくは75%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する傾向にある。また大きすぎると膜の機械的強度が低下し絶縁性が低下する傾向にある。スペーサの平均孔径は、通常0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下であり、また通常0.05μm以上である。あまりに大きいと短絡が生じやすくなり、小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化することがある。
【0022】
【実施例】
[正極の製造] 厚さ20μmのアルミニウムからなる集電体に、コバルト酸リチウム(平均粒径5μm)90重量%とポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とアセチレンブラック5重量%とを含有する塗料を塗布・乾燥して正極を得た。
[負極の製造] 厚さ20μmの銅からなる集電体に、メソカーボン粒子(平均粒径6μm)87.4重量%とPVdF9.7重量%とアセチレンブラック22.9重量%とを含有する塗料を塗布・乾燥して負極を得た。
[リチウム二次電池の製造]
LiPF6を1mol/Lの割合で含有するプロピレンカーボネートをエチレンカーボネートとの混合溶媒(混合体積比1:1)に各種添加剤を所定量加えた電解液93重量%に、ポリエチレングリコールジアクリレート4.67重量%とトリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート2.33重量%とを加え、さらに重合開始剤を0.1重量%加えて、半固体状電解質前駆体とした。
【0023】
前記正極、前記負極、及び膜厚16μm、空孔率45%、平均孔径0.05μmのポリエチレン製2軸延伸多孔膜フィルムに、それぞれ前記半固体状電解質前駆体を塗布・含浸させた後、これらを積層し、90℃で5分間加熱することによって、非流動性電解質からなる電解質層を有する電池要素を得た。
得られた電池要素を、アルミニウム層の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムに正極負極の端子を突設させつつ、真空封止して評価用のリチウム二次電池とした。
【0024】
[電池特性評価]初期特性と負荷特性:コバルト酸リチウムの1時間当たりの放電量を120mAh/gとし、これと評価用リチウム二次電池の正極の活物質量との比から放電速度1Cを求めてレート設定をした上で、0.5Cで充電した後0.2Cで放電し、充電時と放電時とでそれぞれ初期容量を求めた。また、これらの比から初期効率を求めた。ついで、1Cで充電した後2Cで放電し、得られた放電容量を高rate容量とした。さらに、得られた高rate容量と前記0.2Cでの放電容量との比から容量維持率を求めた。
【0025】
また、リチウム二次電池の初期充電時にラミネートフィルムの外部に現れるガス発生による凹凸の有無を目視観察し、観測できたものをNG、観測できなかったものをOKとした。実施例1〜22及び比較例1
添加剤として、表−1に記載の添加剤を、電解液(LiPF6とプロピレンカーボネートをエチレンカーボネートとの混合溶媒と添加剤との合計量)に対して表−1に記載の量使用した結果を表−1に示す。
表−1から明らかなように、ケトン類を添加することにより、高い初期容量と初期効率、優れたレート特性が得られることが分かる。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、高い容量、優れたレート特性の二次電池が得られ、また、生産性、安全性に優れた二次電池を得ることができる。
Claims (5)
- 電解質塩及び非水系有機溶媒を含有する非水系電解液を含む半固体状電解質において、該電解液が、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとを含有し、さらに、電解液に対して0.01〜10重量%の、炭素数5以上のケトン類を含有することを特徴とする半固体状電解質。
- ケトン類が環状ケトン類である請求項1に記載の半固体状電解質。
- ケトン類が鎖状ケトン類である請求項1に記載の半固体状電解質。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の半固体状電解質を用いたリチウム二次電池。
- 炭素質物質からなる負極活物質を含有する負極を用いた請求項4に記載のリチウム二次電池。
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