JP4848725B2 - 非水電解液二次電池用電極板、及び非水電解液二次電池 - Google Patents
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Description
一般的な非水電解液二次電池の構成を単純化すると、正極板、負極板、セパレータ及び電解液からなり、該正極板及び負極板としては、金属箔等の集電体の上に、電極活物質層として塗工膜を形成したものが用いられている。
電極活物質層は通常、活物質、結着材、必要に応じて導電材、及びその他の材料を溶媒中で混練及び分散してスラリー状の電極活物質層材料に調製し、該電極活物質層材料を集電体上に塗布及び乾燥して形成される。
従来広く開発されてきた一般に携帯電話、パソコン等に用いられる小型の非水電解液二次電池は、通常10μm付近の平均粒径を有する活物質を使用し、電池をより小さく軽くすることを追求すると共に、電池の重量エネルギー密度および体積エネルギー密度を重視する。そのため、このような電池の電極活物質層における活物質の配合比率は概して大きく、導電材や結着材の配合比率は小さい。また、電極活物質層のプレス密度(プレスした後の電極活物質層の密度)は高く、このような電極活物質層の空隙は比較的少ない。
これに対して、上記の高出力特性を要する非水電解液二次電池は、電池のコンパクトさよりも高出力特性を重視する。また、高出力特性を要する非水電解液二次電池は、小型の非水電解液二次電池と比べて、著しく大きな電流で放電するため、小型の非水電解液二次電池と同様の電極活物質層を用いても、優れた出力特性を得ることは難しかった。
同様に、鉛蓄電池の分野において、特許文献2には、表面に親水基を有し、メジアン径が600ナノメートル以下の導電性の微粒子を水系電解液中および/または電極活物質粒の表面に含む二次電池及び該二次電池用添加剤が開示されている。しかしながら、特許文献2は、電解液との濡れ性を良好にするために導電性の微粒子表面に親水基を含んでおり、また、該二次電池用添加剤は電解液の一部と置換して使用され、微量の添加により電池寿命の著しい延長等の効果を発揮するとしている。
本発明の第2の目的は、上述したような非水電解液二次電池用電極板を備えた、大電流の放電など急速な充放電時においても高出力特性に優れた非水電解液二次電池を提供することにある。
従来より広く用いられているカーボンブラックなどの導電材はストラクチャーが比較的長いため、添加量を増やしていくと、最初は電極活物質層の高出力特性が向上するものの、導電材の量が大量になるとストラクチャーがほつれて凝集し、高出力特性の伸びは頭打ちになってしまう。
したがって、小粒径の活物質に対して多量の導電材を含有するため、小粒径の活物質粒子の表面に効率的に導電材を配置して効果的な電子のパスを形成することができ、電極活物質層の抵抗を低減することができる。また、該電子のパスによって集電体から活物質への電子の流れが確保され、活物質の反応を促進することができる。活物質を効率的に反応させることによって、大電流の放電など急速な充放電時においても途中で放電電位が急激に降下することなく、優れた高出力特性を発揮する非水電解液二次電池用電極板を得ることができる。また、導電材が凝集し難くなるため、電極活物質層材料の流動性が改善し、塗工適性に優れるため、生産性が向上する。特に、非水電解液二次電池用電極板が正極板である場合、当該正極板は一般的に半導体である場合が多いため、活物質の小粒径化、および効果的な電子のパスの形成によって得られる効果は高い。
また、本発明によれば、電極活物質層で活物質を効率的に反応させることができ、大電流の放電など急速な充放電時においても優れた高出力特性を発揮することができる非水電解液二次電池を得ることができる。
一方、負極活物質としては、従来から非水電解液二次電池の負極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、天然グラファイト、人造グラファイト、アモルファス炭素、カーボンブラック、または、これらの成分に異種元素を添加したもののような炭素質材料が好んで用いられる。また、金属リチウム及びその合金、スズ、シリコン、及びそれらの合金等、リチウムイオンを吸蔵放出可能な材料が一般的に使用可能である。
これらの活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。尚、電池反応は、集電体を通して授受される電子と電解液を通して授受されるイオンの存在下、活物質の化学反応によって起きるため、電解液が活物質を含む電極活物質層にしみ込めるような空隙(活物質及び後述する結着材及び導電材等が存在しない空間)が、電極活物質層を形成した時にできるようにすることも考慮して、活物質の粒径、形状等を選択する。
本発明においては、導電材を多量添加することにより、活物質を小粒径化して活物質の粒子数や比表面積が増大しても、各活物質粒子の表面を満遍なく導電材で網羅することができ、効果的な導電パスを形成して小粒径の活物質の性能をより引き出すことができ、電極活物質層の内部抵抗を下げることができる。
具体的には、親水性カーボン粒子は、親水基を有するため、溶媒中においてストラクチャーがほぐれ易く、分散しやすいが、親水性カーボン粒子単体では電子のパスが切れやすい。そこで、親水性カーボン粒子と親水性カーボン粒子以外の導電材と共に用いると、親水性カーボン粒子がストラクチャーの長いカーボン粒子の間に入り込んで導電材全体が溶媒に分散しやすくなり、粒子の流動性が増すことによって、導電材が凝集し難くなる。その結果、親水性カーボン粒子以外の導電材を親水性カーボン粒子が補って、粒径の小さい活物質に大量の導電材を満遍なく分布させることができる。
ここで、親水性とは、水と任意の割合で混ざり合う溶媒中、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メタノール等に容易に分散する性質をいう。親水性カーボン粒子は、試料50mgを20gの水又はNMP中に分散させ、室温にて1日放置後、分散液の状態を目視観察した時に、分散液中に導電材が分散したままで、導電材の沈澱、凝集等がない又は少ないものであることが好ましい。一方、同様の分散性評価を通常のカーボン粒子を用いて行った場合には、通常のカーボン粒子を水又はNMP中に分散後、直ちにカーボン粒子と水又はNMPに分離するため、親水性カーボン粒子と通常のカーボン粒子の違いを目視で判別することができる。
また、親水性カーボン粒子は水と任意に混合する溶媒中で容易に分散するため、粒度分布計を使用して粒度分布を測定することができる。例えば、導電材50mgをNMP中に分散させてサンプルを調製し、粒度分布計(LA−920、(株)堀場製作所製)で測定して算出する。溶媒中での粒度分布は、親水性カーボン粒子が安定に分散した状態における、親水性カーボン粒子の一次粒子及び/又は二次粒子の粒度分布を表す。親水性カーボン粒子の粒度分布測定におけるモード径は、100nm〜1000nmであることが好ましい。モード径とは、粒度分布の中で最も粒子頻度が高い部分の粒径をいう。これらのカーボン粒子は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボン粒子を親水性にする処理方法は、公知の処理方法でよい。例えば、カーボンブラックを酸化処理して粒子表面に親水性の官能基を形成する方法が挙げられる。
上記親水性カーボン粒子の配合割合が大きすぎると、上述したように親水性カーボン粒子はストラクチャーがほぐれ易いため、導通パスが切れ易くなり、電極活物質層の抵抗を充分に抑えることが難しい。一方、親水性カーボン粒子の配合割合が小さすぎると、導電材が凝集し易く、活物質も組成物中で偏在して凝集する。このように均一に分散していない凝集した小粒径の活物質は、一次粒径の大きい活物質を用いる場合と効果は変わらなくなり、活物質を有効に利用することができない。したがって、放電初期は急速充放電が可能であっても、放電後期には放電電位が急激に下落してしまう。また、重量(体積)エネルギー密度も低下する。
また、親水性カーボン粒子と親水性カーボン粒子以外の導電材の合計量が少なすぎると、導電パスが充分に形成されないため、電極活物質層の内部抵抗が高くなり、放電初期は急速充放電が可能であっても、放電後期には放電電位が急激に下落し、放電容量が低くなってしまう。一方、親水性カーボン粒子と親水性カーボン粒子以外の導電材の合計量が多すぎると、導電材が凝集し易くなるに伴い、活物質も組成物中で偏在して凝集するため、活物質を有効に利用することができず、急速充放電の途中から放電電位が激しく下落してしまう。
一方、結着材の配合割合が小さすぎると、電極活物質層の充分な結着強度及び密着性が確保されない。その場合、導電材粒子同士及び導電材と活物質粒子及び/又は集電体間の強固な接触が保たれず、導電パスが分断しやすいため、電極活物質層の抵抗の増加につながる。また、充放電の繰り返しによる電極活物質層の脱落若しくは剥離による抵抗の増加、又は電極製造工程での脱落若しくは剥離による歩留の低下などの原因になる。
一般に、高出力特性を要する非水電解液二次電池の電極活物質層の剥離強度は、約10〜100N/mであることが好ましい。ここで、剥離強度はJIS−K6854に記載の90度剥離試験方法に準じて測定する。この場合の剥離強度は、電極活物質層中の粒子同士及び粒子と集電体との凝集力(結着力)の目安になる。
電極活物質層材料は、適宜選択した活物質、導電材及び結着材など他の配合成分を適切な溶剤中にいれ、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミルまたはプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。
正極板の集電体としては通常、アルミニウム箔が好ましく用いられる。一方、負極板の集電体としては、電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔が好ましく用いられる。集電体の厚さは通常、5〜50μm程度とする。
また、乾燥後、必要に応じて熱処理や電子線処理などを加え、材料の変質による導電性向上、強度向上、耐電解液性の向上などを行なってもよい。この操作により、熱処理によって導電性を発現するタイプの材料を使用することができる。
プレス加工は、例えば、金属ロール、弾性ロール、加熱ロールまたはシートプレス機等を用いて行う。本発明においてプレス温度は、活物質層の塗工膜を乾燥させる温度よりも低い温度とする限り、室温で行ってもよいし又は加温して行ってもよいが、通常は室温(室温の目安としては15〜35℃である。)で行う。
ロールプレスは、ロングシート状の電極板を連続的にプレス加工できる。ロールプレスを行う場合には定位プレス、定圧プレスのいずれを行ってもよい。プレスのライン速度は通常、5〜50m/min.とする。ロールプレスの圧力を線圧で管理する場合、加圧ロールの直径に応じて調節するが、通常は線圧を0.5kgf/cm〜1tf/cmとする。
また、シートプレスを行う場合には通常、4903〜73550N/cm2(500〜7500kgf/cm2)、好ましくは29420〜49033N/cm2(3000〜5000kgf/cm2)の範囲に圧力を調節する。プレス圧力が小さすぎると電極活物質層内での活物質と導電材の接触が不十分になったり、集電体と活物質の間の効果的な導電パスの形成を向上させられない場合がある。一方、プレス圧力が大きすぎると電極活物質層内の空隙を潰してしまったり、集電体を含めて電極板自体が破損してしまう場合がある。電極活物質層は、一回のプレスで所定の厚さにしてもよく、均質性を向上させる目的で数回に分けてプレスしてもよい。
特に、本発明における非水電解液二次電池用電極板が正極板の場合、電極活物質層の体積抵抗率を、6Ω・cm以下とすることができる。ここで、電極活物質層の体積抵抗率とは、乾燥、プレス等が行われた後の電極活物質層の体積抵抗率をいう。尚、電極活物質層の体積抵抗率の測定は、絶縁性のシート上に電極活物質層を形成し、JIS K7194に準じて四探針法にて測定する方法が簡便である。また、集電体の上に電極活物質層が形成された状態で電極活物質層の体積抵抗率を測定する場合は、所定の面積に電極板を切り出した電極シート及び集電体単体について厚さ方向の抵抗を測定し、計算によって電極活物質層単体の体積抵抗率を求める。
このように、非水電解液二次電池用電極板の電極活物質層の内部抵抗が小さいため、大電流の放電など急速な充放電時においても途中で放電電位が急激に降下することなく、高い放電容量を安定的に維持することができる。
また、親水性カーボン粒子の粒径が小さくほぐれやすく、未プレス時の電極活物質層の密度が上がるため、親水性カーボン粒子以外の導電材のみを使用する場合と比べて、容易に高密度化することができ、プレス時の負荷も低減する。
さらに、電極活物質層の密度が高いため、電極活物質層の密着性も上がる。
通常、正極板及び負極板を、ポリエチレン製多孔質フィルムのようなセパレータを介して渦巻状に捲回、又は積層し、外装容器に挿入する。外装容器には一般に金属缶やラミネートフィルムによるパッケージなどが用いられる。挿入後、正極板及び負極板に取り付けられた(あるいは集電体の一部を用いて形成された)電流取り出し端子をそれぞれ、外装容器に設けた正極端子及び負極端子に接続する。外装容器がラミネートパッケージの場合は、電流取り出し端子をそのまま容器の外に取り出しても良い。その後、外装容器に非水電解液を充填し、密封することによって、本発明に係る電極板を備えた非水電解液二次電池が完成する。
正極用活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、親水性カーボン粒子としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)中での粒度分布測定におけるモード径が300nmでpH3.4の親水性カーボンA(東海カーボン(株)製)を2.5重量部、親水性カーボン粒子以外の導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)を10重量部、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を12.5重量部を、溶媒であるNMP中で混合し、攪拌機で16,000rpmにて10分間攪拌し、電極活物質層材料を調製した。
尚、pH及び粒度分布については、以下の方法で測定した。
<pH測定>
親水性カーボン粒子50mgをイオン交換水中に分散させ、pHメーター(D−23、(株)堀場製作所製)でpHを測定した。
<粒度分布測定>
親水性カーボン粒子50mgをNMP中に分散させてサンプルを調製し、粒度分布計(LA−920、(株)堀場製作所製)で粒度分布を測定し、モード径を算出した。
(1)体積抵抗率の測定
厚さ100μmのPET(ルミラーT60、東レ(株)製)フィルムに、調製した電極活物質層材料を塗布、乾燥して電極活物質層を形成し、プレス密度が約2.0g/ccとなるようにロールプレス機で圧延した。プレス前の電極活物質層の重量は約80g/m2であり、活物質の総重量は約64g/m2であった。
Loresta−EP MCP−T360(三菱化学(株)製)で、JIS K7194に準じて四探針法にて、電極活物質層の体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。
厚さ15μmのアルミ箔上に、調製した電極活物質層材料を塗布、乾燥して電極活物質層を形成し、プレス密度が約2.0g/ccとなるようにロールプレス機で圧延して正極板を得た。プレス前の電極活物質層の重量は約80g/m2であり、活物質の総重量は約64g/m2であった。
作製した正極板、並びに対極、及び参照極として金属リチウム板を用い、ポリプロピレン製のセパレータを介して捲回し、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC)=1:1(体積比)で混合した混合溶媒にLiPF6を溶解させた電解液を注入して、三極式簡易セルを作成した。
また、正極板の電極活物質層重量中の活物質量および活物質の理論容量(mAh/g)(コバルト酸リチウムの場合は130mAh/g、マンガン酸リチウムの場合は90mAh/gとする)から放電レート1Cを算出した。尚、1Cとは、公称容量値の容量を有するセルを定電流放電した時に、1時間で放電終了となる電流値のことであり、例えば、2.2Ah(2.2Aの電流値で1時間放電可能)の公称容量値のセルでは1C=2.2Aである。
横軸を放電容量(放電時間)、縦軸をセル電圧として、1Cにおける充放電カーブを算出し、1Cにおける放電容量(mAh/g)を求めた。
同様に、上記において放電レート1Cであるところを10C及び30Cに替えて、10C及び30Cにおける放電容量を求めた。
放電レート特性として、30Cの放電量が1Cの放電容量に対して80%以上の場合には○、80%〜50%である場合には△、50%以下である場合には×と評価した。
上記(4)で作製したセルを25℃の環境下にて、1C(mA)の定電流で充電し、所定の電極電位(コバルト酸リチウムの場合4.2V)に到達した後、その電位にて定電位充電に切替え、流れる充電電流が1C(mA)の5%以下になった時点で充電完了とした。その後、10分間休止し、1C(mA)の電流値で電極電位が3.0Vになるまで放電した。
上述した方法と同様に、1Cにおける充放電カーブを算出し、1Cにおける放電カーブの4.2Vから3.9Vの間における傾きを算出した。
同様に、上記において放電レート1Cであるところを5C、10C、及び20Cに替えて、5C、10C、及び20Cにおける放電カーブの傾きを求めた。
次に、1、5、10、及び20Cのレート変化による傾きの変化をプロットした。ここで、レート変化とは、放電レート(電流値)が高くなることをいう。レート変化による傾きの変化が比較例1よりも小さい場合には○、比較例1よりも大きい場合には×、比較例1と同程度である場合には△と評価した。
親水性カーボンとしてNMP中での粒度分布測定におけるモード径が500nm、pH4.5である親水性カーボンB(東海カーボン(株)製)を用いる以外は、実施例1と同様にして、正極用の電極活物質層材料を調製し、各測定を行った。
正極用活物質としてマンガン酸リチウムを用い、実施例1の手順(4)及び(5)において1Cで4.3Vになるまで充電する以外は、実施例1と同様にして、正極用の電極活物質層材料を調製し、各測定を行った。
正極用活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)を12.5重量部、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を12.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、正極用の電極活物質層材料を調製し、各測定を行った。
(比較例2)
正極用活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、親水性カーボン粒子としてNMP中での粒度分布測定におけるモード径が300nmでpH3.4の親水性カーボンA(東海カーボン(株)製)を7.5重量部、親水性カーボン粒子以外の導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)を5.0重量部、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を12.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、正極用の電極活物質層材料を調製し、各測定を行った。
(比較例3)
正極用活物質としてスピネル型マンガン酸リチウムを100重量部、親水性カーボン粒子としてNMP中での粒度分布測定におけるモード径が300nmでpH3.4の親水性カーボンA(東海カーボン(株)製)を7.5重量部、親水性カーボン粒子以外の導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)を5.0重量部、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を12.5重量部を用い、実施例1の手順(4)及び(5)において1Cで4.3Vになるまで充電する以外は、実施例1と同様にして、正極用の電極活物質層材料を調製し、各測定を行った。
(比較例4)
正極用活物質としてコバルト酸リチウムを100重量部、親水性カーボン粒子としてNMP中での粒度分布測定におけるモード径が2000nmでpH4.5の親水性カーボンC(東海カーボン(株)製)を2.5重量部、親水性カーボン粒子以外の導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業(株)製)を10重量部、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を12.5重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、正極用の電極活物質層材料を調製し、各測定を行った。
Claims (5)
- 集電体の少なくとも一面に、電極活物質層を備える非水電解液二次電池用正極板であって、該電極活物質層は、少なくとも活物質、結着材、親水性カーボン粒子、及び親水性カーボン粒子以外の導電材を含有し、前記親水性カーボン粒子の粒度分布測定におけるモード径が、100〜1000nmであり、前記活物質100重量部に対して、前記親水性カーボン粒子を0.6〜7.0重量部、かつ、前記親水性カーボン粒子と前記親水性カーボン粒子以外の導電材の合計量が12.5〜16.5重量部の割合で含有することを特徴とする非水電解液二次電池用電極板。
- 前記親水性カーボン粒子の親水基が、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基及びスルホ基のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記親水性カーボン粒子が、pH3〜5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記活物質の平均一次粒径が、0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 少なくとも正極板、負極板、及び電解液を含む非水電解液二次電池であって、該正極板が、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非水電解液二次電池用電極板であることを特徴とする非水電解液二次電池。
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