JP5364500B2 - 非水電解液二次電池用正極板の製造方法 - Google Patents
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Description
上記要求に伴い、金属リチウムやリチウム合金、あるいは電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料、リチウム合金などを負極活物質として用いた負極と、リチウム含有複合酸化物、カルコゲン化合物などを正極活物質として用いた正極とを組合せたリチウム二次電池が研究・開発され、その一部が実用化されている。
この種の電池に用いられる正極活物質としては、主にLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4等が多く用いられてきている。さらに近年では小型携帯機器のみならず、電力貯蔵用途や電気自動車などの大容量の大型電池への適用も盛んに検討され始めている。
しかし、コバルトやニッケルは、埋蔵量が少なく、しかも限られた地域でしか産出しないため、今後、より一層の需要増加が見込まれるリチウムイオン二次電池の正極活物質としては、価格の面からも原料の安定供給の面からも好ましくない。
これに対して、算出量が多く、安価で安定な鉄を原料に用いたリン酸鉄リチウムあるいはリン酸鉄リチウムを構成する鉄の一部を他の元素で置換した材料がリチウム二次電池の正極活物質として動作することが特許文献1、特許文献2、特許文献3等において提案されている。
しかしながら、この場合において有機系のペーストを用いると、有機溶剤でコスト高となるとともに、環境に配慮して乾燥時に排出される有機溶媒の回収装置の設置、さらに可燃性であるために防爆構造などの配慮も必要となり製造コストが高価になるといった問題点があった。
集電体に水性ペーストをコーターにより塗布する際にも、ダマがコーターのブレード部などに引っかかりスジ引きが発生するなど特性だけでなく、電極作製時の不良発生にもつながる。そのためリン酸鉄リチウム系材料を正極活物質に用いたペースト調整方法として分散メディァ等を用いた湿式分散方法がよく用いられる(例えば、特許文献10参照)。
無理に塗膜密度を上げた場合、活物質の粒子割れが発生しやすくなり、粒子間の導電性の低下が起こる。また極板の反りやゆがみがひどくなり、電極素子の組み立て工程での歩留まりが低下してしまう問題があった。
極板の歪みや、反りが起こらない状態の低塗膜密度では塗膜厚みが厚くなり、高率放電特性が低下する等の課題があった。
そこで、本発明の目的は、活物質との接触面積を確保することができるともに、高率放電時の特性を十分に確保することが可能な非水電解液二次電池用正極板の製造方法を提供することにある。
本発明の第2態様は、第1態様において、正極活物質100質量部に対し、前記導電剤を4質量部以上〜10質量部以下含み、前記導電剤におけるカーボンブラック:グラファイトの前記配合割合が、
10−X:X (ここで、1≦X≦7。Xは、カーボンブラックとグラファイト
の合計を10とした時のグラファイトの配合割合)
であることを特徴とする。
以下の説明において、正極活物質として用いるリン酸鉄リチウム系材料とは、リン酸鉄リチウムあるいはリン酸鉄リチウムにおける鉄の一部を他の金属で置換したLiFe1−XMXPO4(但し、MはAl,Mg,Ti,Nb,Co,Ni,Mnのうち少なくとも一種以上で、0<X<0.3である。)で表されるリン酸鉄リチウム系化合物をいうものとする。
リン酸鉄リチウム系材料が良好な導電性を有するためには一次粒子の表面にカーボンがコーティングされ、かつ、そのカーボンゴーティングされた一次粒子が集合して造粒された二次粒子を形成していることが好ましい。
上述の範囲が好ましい理由としては、一次粒子の平均粒子径が0.01μm未満では、一次粒子の表面を炭素で十分に被覆することが困難となり、高率充放電において、充分な導電性が得られず、実効的な充放電容量が低くなり、充分な充放電レート性能を実現することが困難となるからである。一方、一次粒子の平均粒子径が20μmを超える場合には、一次粒子内部の抵抗値が大きくなるため、高率充放電時において充分な充放電容量が得られないからである。しかし、要求仕様を満たす範囲であれば、この平均粒子径範囲を逸脱することに問題はない。
上述の範囲が好ましい理由としては、二次粒子の平均粒子系が0.1μm未満であると正極合剤を作成する際に多くのバインダー(結合材)を必要とし、その結果、正極合剤中の活物質の割合が低下し、正極合剤の導電性が低下するからである。一方、二次粒子の平均粒子系が100μmを超える場合には、正極合剤内に空隙が生じやすく充填性が低下するからである。
同様に正極作製用の水性ペースト中に含有される導電材としてのグラファイトの種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、薄片状黒鉛、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、膨張黒鉛、炭素繊維等を用いることができる。
正極活物質を100質量部としたときに、水性ペースト中に含まれる導電材は、4質量部以上10質量部以下とするのが好ましい。この場合において、カーボンブラックとグラファイトとの配合割合は、カーボンブラックとグラファイトとの合計量を10としたときのグラファイトの配合割合をXとしたときに、以下に示すような比率とする。
カーボンブラック:グラファイト=10−X:X
ただし、1≦X≦7
上述の導電材の範囲が好ましい理由としては、水性ペースト中に含まれる導電材が4質量部未満であると、塗膜内の抵抗を充分に下げることができず、得られるリチウムイオン電池において、充分な出力および寿命特性が得られないからである。また、10質量部を超えると活物質充填量が減少し、得られるリチウムイオン電池において電池容量が低くなってしまうからである。
上述の範囲が好ましい理由としては、水溶性増粘剤の量が、0.1質量部未満であると水性ペーストが凝集してしまうからであり、4.0質量部を超えると得られるリチウムイオン電池の電池抵抗が増大してレート特性が低下するからである。
また、バインダーとしては、例えば、フッ素系結着剤やアクリルゴム、変性アクリルゴム、スチレンーブタジエンゴム、アクリル系重合体、ビニル系重合体の単独或いはこれらの二種以上の混合物、または共重合体が挙げられる。バインダーとして、より好ましいのは、耐酸化性、少量で十分な密着性、極板に柔軟性が得られるためアクリル系重合体である。
また正極合剤中に含まれる固形分としては1質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、より好ましいのは2質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
さらに、本実施形態では、正極活物質水性ペーストに、オリビン構造を有するリン酸鉄リチウム系材料、導電材、水溶性増粘剤、バインダー(結着剤)及び分散剤の他に、塗工性やレベリング性を改良する目的で、界面活性剤、水溶性オリゴマーなどのレベリング剤を含んでいてもよい。
上述のようにして調整された正極合剤の水性ペーストは、金属箔により構成された集電体上に塗布されるが、その際に集電体にはアルミニウム、ニッケル、ステンレスなどの金属箔が用いられ、中でも正極用集電体にはアルミニウムを用いることが好ましい。アルミニウムを用いる理由は、電気伝導性に優れ、加工性もよく、かつ、電解液中での耐食性に優れるからである。
この場合において、少なくとも集電体上に形成される片面の塗布量が80g/m2以上220g/m2以下であり、かつ、塗膜密度が1.6g/cm3以上2.1g/cm3以下となるように塗布する。
上述した実施形態の正極板を用い、これに非水電解液用の公知の負極、電解液、セパレータなどを組合わせることで非水電解液二次電池を製作する。
上記構成による本実施形態の非水電解液二次電池用正極板によれば、正極活物質近傍の導電性をカーボンブラック、厚み方向の導電パスをグラファイトで形成することとなるため、高率放電時におけるレート特性を向上させることができる。また圧延による充填密度を上げても極板の反りおよび歪みが減少し、粒子割れも減少するため良好な高率放電特性が得られる。
また、本実施形態では、水性ペーストを用いているために、正極板製作時の乾燥工程で有機溶媒を排出しないため、環境に負担をかけることなく、作業者にとっても安全に極板作製を行うことができる。
水2000cm3(2リットル)に、4molの酢酸リチウム(LiCH3COO)、2molの硫酸鉄(II)(FeSO4)、2molのリン酸(H3PO4)を、全体量が4000cm3(4リットル)になるように混合し、均一なスラリー状の混合物を調整した。
次に、この混合物を容量8000cm3(8リットル)の耐圧密閉容器に収容し、120℃で1時間、水熱合成し、得られた沈殿物を水洗し、ケーキ状の電極活物質の前駆体を得た。
次にこのスラリーを180℃の大気雰囲気中に噴霧し、乾燥して(スプレードライ)、平均粒径が10μmの造粒体を得た。
この電極材料を走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、1次粒子が複数個集合して2次粒子となり、かつ、1次粒子の表面は、薄膜状のカーボンでコーティング(被覆)されており、1次粒子間に炭素が介在していることが観察された。また、電極材料は、平均粒径が10μmの球状体であった。さらに得られた電極材料の若干量を採取し、X線回折法により解析したところ、カーボンコーティングされたリン酸鉄リチウムであることが確認された。
このカーボンコーティングされたリン酸鉄リチウム100質量部と、導電材のうちカーボンブラックとしてアセチレンブラックを9質量部と、グラファイトとしてKS−15(商品名)を1質量部と、を密閉容器中で乾式混合して粉体を調整した。
電極特性を評価する際の塗布量は乾燥重量で120g/m2となるように厚み20μmのアルミニウム箔上にフィルムアプリケータにより塗布し、70℃の乾燥機中に10分間放置し分散媒体である水を除去した。その後、ロールプレスで乾燥後の極板をプレスし、直径20mmφの円盤状に打ち抜いた。そのときの極板は塗布厚みが60μmで活物質層の密度が2.0g/cm3であった。
プレス後の極板と対極として金属リチウム、電解液には1.0M LiPF6/EC+EMC(3:7)を用いてコインセルを作製し、4.2−2.OVの電位範囲で充放電試験を実施し、電池特性評価を実施した。
レート特性の評価としては、充電レートを0.5CAとして4.2Vまで充電し、その後、0.2CA、5.0CAの各放電レートで放電特性を評価し、0.2CA放電時の容量を100%としたときにおける5.0CA放電時の容量で維持率を算出し、算出結果を比較して0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価とした。
さらに、0.5CAの充放電レートで50サイクルの充放電を行い、50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価とした。
導電材の混合比をアセチレンブラック(カーボンブラック):KS−15(グラファイト)=7質量部:3質量部とした以外は、第1実施例と同様にして正極板を製造し、第1実施例と同様の0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
導電材の混合比をアセチレンブラック(カーボンブラック):KS−15(グラファイト)=5質量部:5質量部とした以外は、第1実施例と同様にして正極板を製造し、第1実施例と同様の0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
導電材としての混合比をアセチレンブラック(カーボンブラック):KS−15(グラファイト)=3質量部:7質量部とした以外は、第1実施例と同様にして正極板を製造し、第1実施例と同様の0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
導電材剤としての混合比をアセチレンブラック(カーボンブラック):KS−15(グラファイト)=2質量部:8質量部とした以外は、第1実施例と同様にして正極板を製造し、第1実施例と同様の0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
導電材剤としての混合比をアセチレンブラック(カーボンブラック):KS−15(グラファイト)=0質量部:10質量部とした以外は、第1実施例と同様にして正極板を製造し、第1実施例と同様の0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
[7]第2比較例
導電材剤としての混合比をアセチレンブラック(カーボンブラック):KS−15(グラファイト)=0質量部:10質量部とした以外は、第1実施例と同様にして正極板を製造し、第1実施例と同様の0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
[8]第3比較例
第1実施例と同じ配合割合で水性ペースト調整を行った。水性ペースト調整の際は1.0mmφのジルコニアビーズを用いたビーズミル分散機(メディア分散法)を用いた。
表1は、塗布量および塗布厚みの測定結果を示したものである。
目付量は乾燥後に集電体の露出が目視で確認できる状態を基準として判断した。
第1実施例〜第5実施例および第1比較例〜第3比較例においては、メディアレス分散法により水性ペースト調整を行うことで、表1に示すように、第3比較例のメディア分散法よりも塗布量が多く、塗布厚みの厚い正極板が作製可能なことがわかる。またグラファイト添加量が増えるとより塗布量を増やすことができることがわかる。
表2は、0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率および50サイクル経過後の容量維持率の結果を示したものである。
また、第2比較例では、正極活物質近傍のアセチレンブラックの不足による導電性の低下が、0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率および50サイクル経過後の容量維持率の低下の原因であると考えられる。
また、第3比較例では、メディア分散法により水性ペーストの調整を行ったため、ペースト作製時にダマが発生し、分散不良が発生してしまった。これにより、集電体に水性ペーストを塗布する際にスジ引きが多く発生していたため、電池特性評価を行わなかった。
[10]第6実施例
第1実施例と同様の方法を用いてカーボンコーティングされたリン酸鉄リチウムを作製し、このカーボンコーティングされたリン酸鉄リチウム100質量部と、導電材のうちカーボンブラックとしてアセチレンブラックを9質量部と、グラファイトとしてKS−15(商品名)を5質量部と、を密閉容器中で乾式混合して粉体を調整した。
続いて2質量部カルボキシメチルセルロース水溶液をリン酸鉄リチウムに対して100質量部を加え、これをプラネタリーミキサで十分に混合した後、ディスパーミキサで分散を行って(メディアレス分散法)、得られた水性ペーストに、水分散バインダーとしてアクリル系重合体(固形分濃度40質量部)をカーボンコーティングされたリン酸鉄リチウムに対して固形分で5質量部となるように添加してプラネタリーミキサで十分に混合し、水性ペーストを作成した。この際に水性ペーストの粘度がB型粘度計にて60rpm時に8000cpになる様に水を加えて粘度を調整した。この調整した水性ペーストを厚み20μmのアルミニウム箔にドクターブレード法にて集電体の片面上に塗布した。
電極特性を評価する際の塗布量は乾燥重量で120g/m2となるように厚み20μmのアルミニウム箔上にフィルムアプリケータにより塗布し、70℃の乾燥機中に10分間放置し分散媒体である水を除去した。その後、ロールプレスで乾燥後の極板をプレスし、直径20mmφの円盤状に打ち抜いた。そのときの極板は塗布厚みが75μmで活物質層の密度(塗膜密度)が1.6g/cm3であった。
プレス後の極板と対極として金属リチウム、電解液には1.0M LiPF6/EC+EMC(3:7)を用いてコインセルを作製し、4.2−2.OVの電位範囲で充放電試験を実施し、電池特性評価を実施した。
レート特性の評価としては、充電レートを0.5CAとして4.2Vまで充電し、その後、0.2CA、5.0CAの各放電レートで放電特性を評価し、0.2CA放電時の容量を100%としたときにおける5.0CA放電時の容量で維持率を算出し、算出結果を比較して0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価とした。
さらに、0.5CAの充放電レートで50サイクルの充放電を行い、50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価とした。
活物質の密度(塗膜密度)を1.8g/cm3とした以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
活物質の密度(塗膜密度)を2.1g/cm3とした以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
活物質の密度(塗膜密度)を1.4g/cm3とした以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
活物質の密度(塗膜密度)を2.2g/cm3とした以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率評価および50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
これらに対し、第4比較例では、塗膜密度が低いため、活物質と導電剤、および、正極合剤と集電体との密着性が低下し、正極中での導電パスの形成が不十分となり、電子伝導性が低下して高率充放電特性が低下したため、結果として0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率が低いものとなった。
また、第5比較例では、塗膜密度が高いため、極板中の空隙率が低下し、電解液の保持性能が低下し、高率充放電特性が低下したため、結果として、0.2CA/0.5CA放電時の容量維持率が低いものとなった。
水性ペーストの塗布量が乾燥重量で80g/m2となるように厚み20μmのアルミニウム箔上にフィルムアプリケーターにより塗布し、活物質層の密度(塗膜密度)が1.8g/cm3となるように調整した以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、4.2−2.0Vの電位範囲で充放電試験を実施し、電池特性を評価した。
電池特性評価法として、0.1CAの充放電レートで活性化充放電を3サイクル行った。そして、充電レートを0.5CAとして4.2Vまで充電し、その後、0.2CA、5.0CAの各放電レートで放電特性を評価した。
さらに、0.5CAの充放電レートで50サイクルの充放電を行い、50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価とした。
水性ペーストの塗布量が乾燥重量で160g/m2となるように厚み20μmのアルミニウム箔上にフィルムアプリケーターにより塗布し、活物質層の密度(塗膜密度)が1.8g/cm3となるように調整した以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、その後、0.2CA、5.0CAの各放電レートで放電特性を評価し、50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
水性ペーストの塗布量が乾燥重量で200g/m2となるように厚み20μmのアルミニウム箔上にフィルムアプリケーターにより塗布し、活物質層の密度(塗膜密度)が1.8g/cm3となるように調整した以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、その後、0.2CA、5.0CAの各放電レートで放電特性を評価し、50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
水性ペーストの塗布量が乾燥重量で220g/m2となるように厚み20μmのアルミニウム箔上にフィルムアプリケーターにより塗布し、活物質層の密度(塗膜密度)が1.8g/cm3となるように調整した以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、その後、0.2CA、5.0CAの各放電レートで放電特性を評価し、50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
水性ペーストの塗布量が乾燥重量で70g/m2となるように厚み20μmのアルミニウム箔上にフィルムアプリケーターにより塗布し、活物質層の密度(塗膜密度)が1.8g/cm3となるように調整した以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、その後、0.2CA、5.0CAの各放電レートで放電特性を評価し、50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
水性ペーストの塗布量が乾燥重量で230g/m2となるように厚み20μmのアルミニウム箔上にフィルムアプリケーターにより塗布し、活物質層の密度(塗膜密度)が1.8g/cm3となるように調整した以外は、第6実施例と同様にコインセルを作製し、その後、0.2CA、5.0CAの各放電レートで放電特性を評価し、50サイクル経過後の容量維持率サイクル評価を行った。
これらに対し、第6比較例では、塗布量が少ないため、50サイクル経過後の容量維持率は優れるものの、0.2CA放電時の容量維持率および0.5CA放電時の容量維持率は、共に低い値を示し、高容量の電池を得ることが困難であることがわかった。
また、第7比較例は、0.2CA放電時の容量維持率、0.5CA放電時の容量維持率および50サイクル経過後の容量維持率に優れたものであった。
しかしながら、水性ペーストの塗布量が多いため、極板のカール現象が大きくなり、クラックや剥がれが起こっている箇所が見受けられ、長期使用した場合、短絡などによる字妙原因となるおそれがあった。
さらに、各実施例では、水性ペーストを用いているために、正極板製造時の乾燥工程で有機溶媒を排出せず、環境に負担をかけることなく、作業者にとっても安全に極板作製を行うことができる。
Claims (3)
- リン酸鉄リチウム系材料を含む正極活物質、カーボンブラックとグラファイトとを所定の配合割合で含む導電剤、水溶性増粘剤および結着剤に、分散剤としての水を加え、メディアレス分散法を用いて混練分散して水性ペーストを作成する工程と、
前記水性ペーストを集電体上に塗布する工程と、
前記水性ペーストが塗布された集電体を乾燥して正極活物質層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする非水電解液二次電池用正極板の製造方法。 - 請求項1記載の非水電解液二次電池用正極板の製造方法において、
正極活物質100質量部に対し、前記導電剤を4質量部以上〜10質量部以下含み、
前記導電剤におけるカーボンブラック:グラファイトの前記配合割合が、
10−X:X (ここで、1≦X≦7。Xは、カーボンブラックとグラファイト
の合計を10とした時のグラファイトの配合割合)
であることを特徴とする非水電解液二次電池用正極板の製造方法。 - 請求項1または請求項2記載の非水電解液二次電池用正極板の製造方法において、
前記水性ペーストを、少なくとも集電体上に形成される片面の塗布量が80g/m2以上、220g/m2以下であり、かつ、塗膜密度が1.6g/cm3以上、2.1g/cm3以下となるように塗布することを特徴とする非水電解液二次電池用正極板の製造方法。
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