JP2007100063A - コーティング剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記の(A)成分及び(B)成分を含む水性樹脂組成物からなることを特徴とするコーティング剤とする。
(A)成分:
(A−1)成分:水酸基及び式:R1O−(R1は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)で表される基からなる群から選ばれる基と、下記式(1)で表される基とが、ポリシロキサン鎖の少なくとも2つの末端の同一ケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、
(A−2)成分:下記式(2)で表されるアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、
(A−3)成分:(A−1)成分と(A−2)成分の合計量100重量部に対して0〜10重量部の縮合触媒、
からなる硬化性シリコーン組成物:100重量部、
(B)成分:ポリウレタン樹脂:10〜200重量部
【選択図】 なし
Description
その場合に使用されるシリコーン樹脂組成物としては、例えば、エポキシ基を含有するオルガノポリシロキサンとアミノ基を含有するアルコキシシランとからなる組成物(特許文献1参照)、水酸基を含有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとアミノ基を含有するアルコキシシランとエポキシ基を含有するアルコキシシランとからなる組成物(特許文献2参照)、水酸基を含有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとエポキシ基を含有するオルガノポリシロキサンとアミノ基を含有するアルコキシシランとからなる組成物(特許文献3〜5参照)、水酸基を含有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとアミノ基を含有するジアルコキシシランの加水分解縮合物とからなる組成物(特許文献6参照)、水酸基又はビニル基を含有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとジメチルポリシロキサンとからなる組成物(特許文献7参照)、アミノ基を含有するシラン又はシロキサンとエポキシ基を含有するシラン又はシロキサンとの反応生成物、水酸基を含有するポリジオルガノシロキサン、及びポリオルガノハイドロジェンシロキサンとからなる組成物(特許文献8参照)、アミノ基とアルコキシ基とを含有するシラン又はシロキサン及びエポキシ基とアルコキシ基とを含有するシラン又はシロキサンとの反応生成物、ならびに、アルコキシ基又は水酸基とアミノ基とを含有するポリオルガノシロキサンとからなる組成物(特許文献9参照)、水酸基とエポキシ基とを含有するポリオルガノシロキサン、アミノ基を含有するアルコキシシラン及びメルカプト基を含有するアルコキシシランからなる組成物(特許文献10参照)、水酸基を含有するジオルガノシロキサンとエポキシ樹脂とアミノ基を含有するシランとからなる組成物(特許文献11参照)等が提案されている。
本発明の目的は、上記のような従来のシリコーン樹脂組成物からなるコーティング剤が抱える問題点を解消し、プラスチック、金属、及びゴムの表面との密着性に優れ、塗布して硬化させると、離型性及び表面平滑性に優れた皮膜を与える水性のコーティング剤を得ることである。
(A)成分:
(A−1)成分:水酸基及び式:R1O−(R1は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)で表される基からなる群から選ばれる基と、下記式(1)で表される基とが、ポリシロキサン鎖の少なくとも2つの末端の同一ケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、
[式中、R2は非置換又は置換の炭素原子数1〜6の2価炭化水素基、R3は炭素原子数1〜4の2価炭化水素基、R4、R5及びR6はそれぞれ水素原子又は非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、mは0〜6の整数であり、mが0ではないとき、前記R4、R5及びR6のうち少なくとも1つは水素原子であり、またmが0であるとき、前記R5及びR6のうち少なくとも1つは水素原子である。]
(A−2)成分:下記式(2)で表されるアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、
[式中、R7は非置換又は置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R8は独立に炭素原子数1〜6の1価炭化水素基であり、aは0又は1である。]
(A−3)成分:(A−1)成分と(A−2)成分の合計量100重量部に対して0〜10重量部の縮合触媒、
からなる硬化性シリコーン組成物:100重量部、
(B)成分:ポリウレタン樹脂:10〜200重量部。
本発明のコーティング剤は、前記したように、少なくとも(A)成分及び(B)成分を含む水性樹脂組成物である。
本発明のコーティング剤の(A)成分は、必須成分である(A−1)成分、(A−2)成分、そして、任意成分である(A−3)成分で構成される。
(A−1)成分のオルガノポリシロキサンは、水酸基及び式:R1O−(R1は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)で表される基からなる群から選ばれる基(i)と、下記式(1)で表される基(ii)とが、ポリシロキサン鎖の少なくとも2つの末端の同一ケイ素原子に結合した構造を有するものである。この(A−1)成分のオルガノポリシロキサンの構造としては、直鎖状、分岐状、又は2個以上の分岐を有する環状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状である。本発明では、(A−1)成分のオルガノポリシロキサンは、通常、平均重合度が10〜2,000のものを使用する。
−C3H6NH2、 −C3H6NHC2H4NH2、
−C3H6(NHC2H4)2NH2、
−C3H6(NHC2H4)3NH2、
−C3H6NHCH3、 −C3H6NHC2H4NHCH3
また、上記式(3)中、R11は上記式(1)で表される基である。
有機酸としては、前記アミン塩を形成し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、マロン酸、クエン酸等の炭素原子数1〜6の脂肪族カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の炭素原子数1〜6のスルホン酸、エタンスルフィン酸等の炭素原子数1〜6のスルフィン酸等が挙げられ、これらの中では、特にギ酸、酢酸が好ましい。この有機酸は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
有機酸の添加量は、アミノアルキル基のアミノ基に対して1モル当量以下添加することが好ましい。
これらの中でも好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランである。
また、この(A−2)成分は、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
前記(A−2)成分の使用量が少なすぎると縮合硬化反応が不十分となり、シリコーンエラストマーを得ることができない場合がある。また、逆に多すぎると(A−2)成分中のR8O−基同士の縮合反応が多くなりすぎて、硬化物の硬度が高くなって弾性に乏しいものとなったり、副生成物であるアルコール類の量が多くなる場合がある。
具体的には、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸バナジウム、2−エチルヘキサン酸鉄、2−エチルヘキサン酸コバルト、2−エチルヘキサン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム、2−エチルヘキサン酸バリウム、ネオデカン酸ナトリウム、ネオデカン酸アルミニウム、ネオデカン酸カリウム、ネオデカン酸カルシウム、ネオデカン酸バナジウム、ネオデカン酸鉄、ネオデカン酸コバルト、ネオデカン酸ニッケル、ネオデカン酸亜鉛、ネオデカン酸ジルコニウム、ネオデカン酸バリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸アルミニウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸バナジウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレイン酸ニッケル、オレイン酸亜鉛、オレイン酸ジルコニウム、オレイン酸バリウム、ナフテン酸ナトリウム、ナフテン酸アルミニウム、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸バナジウム、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸バリウム等のカルボン酸金属塩、アルミニウムアセチルアセトネート、カルシウムアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、アルミニウムエチルアセトアセトネート、カルシウムエチルアセトアセトネート、コバルトエチルアセトアセトネート、鉄エチルアセトアセトネート、ニッケルエチルアセトアセトネート、亜鉛エチルアセトアセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセトネート等の有機金属錯体、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化バナジウム、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化亜鉛、塩化ジルコニウム、塩化バリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸バナジウム、硫酸鉄、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸ジルコニウム、硫酸バリウム、硝酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸バナジウム、硝酸鉄、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、硝酸亜鉛、硝酸ジルコニウム、硝酸バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸アルミニウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、リン酸バナジウム、リン酸鉄、リン酸コバルト、リン酸ニッケル、リン酸亜鉛、リン酸ジルコニウム、リン酸バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アルミニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸バナジウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、炭酸亜鉛、炭酸ジルコニウム、炭酸バリウム等の無機金属塩、水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バナジウム、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化亜鉛、水酸化ジルコニウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物などが挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
錫化合物も、単独でも他の化合物と組み合わせて使用できるが、近年、その毒性が問題視されているため、好ましくない。
なお、(A−3)成分のみでは触媒活性が低く、十分な硬化性が得られない場合には、助触媒としてアミン化合物やアミノ基含有のアルコキシシランを添加することもできる。
その場合に用いる界面活性剤としては特に制限はなく、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両イオン性界面活性剤が挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、N-アシルタウリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N-アシルアミノ酸塩、アルケニルコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、カルボン酸高分子、スチレンオキシアルキレン酸無水物共重合体等が挙げられ、カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩等が挙げられ、また、両イオン性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
また、(A−3)成分が水溶性の場合は、(A−1)成分もしくは(A−1)成分及び(A−2)成分を水に乳化分散させた後に(A−3)成分を添加する方法、又は(A−3)成分を水に溶解しておき、この水に(A−1)成分もしくは(A−1)成分及び(A−2)成分を乳化分散する方法がよい。
乳化分散のためには、プロペラ羽根、パドル翼、ホモミキサー、ディスパーミキサー等の撹拌装置又は高圧ホモジナイザー、コロイドミル、超音波乳化機等の乳化装置を用いて行えばよい。
上記ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、ヒマシ油ポリオール等が挙げられ、これらの混合物も使用できる。これらのうち、特には、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが好ましい。
上記ポリオールの数平均分子量は、400〜5,000の範囲が好ましい。
上記界面活性剤としては特に制限はなく、前述した非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両イオン性界面活性剤が挙げられる。また、前記乳化分散又は可溶化は、前述した乳化装置を用いて行えばよい。
イソシアネート基と反応する活性水素原子及び塩形成基を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシ酸、アミノカルボン酸、アミノスルホン酸、ヒドロキシスルホン酸類等であり、それに対する塩形成剤とは、金属水酸化物、アンモニア、3級アミン化合物等である。
また、上記とは異なる他のイソシアネート基と反応する活性水素原子及び塩形成基を有する化合物としては、アミノアルコール、アミン類等が挙げられ、それに対する塩形成剤としては、有機酸、無機酸、反応性ハロゲン原子を有する化合物が挙げられる。
更に、上記とは異なる他のイソシアネート基と反応する活性水素原子及び塩形成基を有する化合物としては、ハロゲン原子を有するアルコールが挙げられ、それに対する塩形成剤としては、3級アミン、スルフィド類、フォスフィン類等が挙げられる。この方法において、上述の界面活性剤を併用してもよい。塩形成剤は、通常、等量になる量を添加する。
こうして得られる(B)成分のポリウレタン樹脂は、その数平均分子量が4,000〜100,000の範囲が好ましい。
本発明のコーティング剤は、タイヤをはじめ各種のゴム製品やプラスチック製品の離型剤として有用である。基材に対する密着性が良好なことから、金型、樹脂型やゴム型に1回の処理で、繰り返し成形することが期待できる。また、ゴム製品にコーティングすることにより、滑り性を付与することができることから、自動車用ウェザーストリップ材料、Oリング、ガスケット、各種パッキン等のシール材料、ゴムホース材料等のコーティング剤として有用である。
1.表面平滑性
図1に示すように、2個のエチレン-プロピレン-ジエンゴムシート1及び1'(10mm×50mm、厚さ2mm)の片面を、後述する水性樹脂組成物で刷毛塗りによりコーティング処理し、該処理のされていない他方の面に両面テープを貼り付け、次いで、ほぼ正方形の鉄板2(50mm×50mm、厚さ0.3mm)の向かい合う辺に沿って、該ゴム1及び1'をそれぞれ貼り付けて試験片を作製した。この鉄板2の他の二辺の一方の近くには穴3(半径1mm)が開けられており、穴3には試験片を引っ張ることができるように、ひも4(長さ50mm)が通されている。
次に、図2に示すように、該ゴムシート1及び1'を貼り付けた面が下側となるように、この試験片をガラス板5(60mm×190mm、厚さ3mm)上に載せ、更に荷重6(重量1kg)をかけた。その後、ガラス板5上を、引張速度が100mm/分となるように、ひも4を引張方向7(矢印)の方向へ水平に引っ張り、該試験片を移動させた。この時のゴムシート1及び1'の前記コーティング処理面とガラス板との動摩擦係数を測定した。
2.密着性
ブチルゴムシート(50mm×50mm、厚さ2mm)の表面、ポリプロピレン板(50mm×50mm、厚さ2mm)の表面、及び鉄板(50mm×150mm、厚さ0.2mm)の表面を、後述する水性樹脂組成物で刷毛塗りによりコーティング処理して皮膜を形成させ、この皮膜を親指で2回強く擦り、皮膜が脱落するか否かを観察した。
3.離型性
ブチルゴムシート(50mm×50mm、厚さ2mm)、及び鉄板(50mm×150mm、厚さ0.2mm)の表面を、後述する水性樹脂組成物で刷毛塗りによりコーティング処理して皮膜を形成させた。コーティング面に未加硫のブチルゴムの塊1gを置き、鉄板に挟み、プレス電熱器(庄司鉄工株式会社製)を用い190℃、10kg荷重で、10分間加熱加圧して、未加硫のブチルゴムを加硫させた。室温で30分間放冷後、加硫させたブチルゴムを手で剥がし、剥がしやすさを調べた。
−(A)成分−
(調製例1)
1,000mLガラスビーカーに、下記式(5)で示される粘度65mm2/sのオルガノポリシロキサン350g、及びビニルトリメトキシシラン50gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)20g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)15g、及び水265gを加え、ホモミキサーで15分間撹拌し、更に圧力30MPaに設定した高圧ホモジナイザーに2回通すことにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-1)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(5)で示される粘度65mm2/sのオルガノポリシロキサン350g、及びビニルトリメトキシシラン35gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)20g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)15g、及び水280gを加え、ホモミキサーで15分間撹拌し、更に圧力30MPaに設定した高圧ホモジナイザーに2回通すことにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-2)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(5)で示される粘度65mm2/sのオルガノポリシロキサン350g、及びフェニルトリメトキシシラン50gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)20g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)15g、及び水265gを加え、ホモミキサーで15分間撹拌し、更に圧力30MPaに設定した高圧ホモジナイザーに2回通すことにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-3)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(5)で示される粘度65mm2/sのオルガノポリシロキサン350g、及びテトラメトキシシラン35gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)20g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)15g、及び水280gを加え、ホモミキサーで15分間撹拌し、更に圧力30MPaに設定した高圧ホモジナイザーに2回通すことにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-4)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、下記式(6)で示される粘度770mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びビニルトリメトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、10%炭酸カリウム水溶液3g、及び水378gを加え、ホモミキサーで15分間撹拌し、更に圧力100MPaに設定した高圧ホモジナイザーに2回通すことにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-5)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
[式中、R13は−C3H6NHC2H4NH2で表される基である。]
1,000mLガラスビーカーに、下記式(7)で示される粘度11,400mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びビニルトリメトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水25gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に10%炭酸カリウム水溶液3gを加えてディスパーミキサーで10分間混練り撹拌し、これに水353gを加えて希釈することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-6)を得た。
シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
[式中、R13は−C3H6NHC2H4NH2で表される基である。]
1,000mLガラスビーカーに、下記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びビニルトリメトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、10%炭酸カリウム水溶液3gを加えてディスパーミキサーで10分間混練り撹拌し、これに水357gを加えて希釈することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-7)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
[式中、R13は−C3H6NHC2H4NH2で表される基である。]
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びγ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、10%炭酸カリウム水溶液3gを加えてディスパーミキサーで10分間混練り撹拌し、これに水357gを加えて希釈することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-8)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及び3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、10%炭酸カリウム水溶液3gを加えてディスパーミキサーで10分間混練り撹拌し、これに水357gを加えて希釈することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-9)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、ディスパーミキサーで10分間混練り撹拌した後、これに水355gを加えて希釈し、ビニルトリエトキシシラン11g及び2−エチルへキサン酸鉄のミネラルスピリット溶液(金属Fe含有量=8%)5gを添加し、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-10)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びフェニルトリエトキシシラン14gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、ディスパーミキサーで10分間混練り撹拌した後、これに水351gを加えて希釈し、2−エチルへキサン酸ジルコニルのミネラルスピリット溶液(金属Zr含有量=12%)6gを添加し、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-11)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びテトラエトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、ディスパーミキサーで10分間混練り撹拌した後、これに水342gを加えて希釈し、ナフテン酸バナジウムのトルエン溶液(金属V含有量=2%)18gを添加し、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液物(硬化性シリコーン水性乳濁液A-12)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びメチルトリエトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、ディスパーミキサーで10分間混練り撹拌した後、これに水353gを加えて希釈し、2−エチルヘキサン酸ニッケルのトルエン溶液(金属Ni含有量=6%)7gを添加し、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-13)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びγ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン17gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、ディスパーミキサーで10分間混練り撹拌した後、これに水342gを加えて希釈し、2−エチルヘキサン酸バリウムのトルエン溶液(金属Ba含有量=8%)12gを添加し、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-14)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びメチルトリメトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、ディスパーミキサーで10分間混練り撹拌した後、これに水356gを加えて希釈し、2−エチルヘキサン酸コバルトのミネラルスピリット溶液(金属Co含有量=12%)4gを添加し、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-15)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、下記式(9)で示される粘度232,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びメチルトリメトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、塩化カルシウム2水和物1gを加えてディスパーミキサーで10分間混練り撹拌し、これに水359gを加えて希釈することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-16)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(9)で示される粘度232,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びジブトキシアセチルアセトネートアルミニウム2gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、ディスパーミキサーで10分間混練り撹拌した後、これに水358gを加えて希釈し、メチルトリメトキシシラン11gを加え、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-17)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(9)で示される粘度232,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びメチルトリメトキシシラン11gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、10%炭酸ナトリウム水溶液3gを加えてディスパーミキサーで10分間混練り撹拌し、これに水357gを加えて希釈することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-18)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
1,000mLガラスビーカーに、上記式(8)で示される粘度112,000mm2/sのオルガノポリシロキサン280gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水21gを加え、ホモミキサーで撹拌したところ、増粘が認められた。更に、ディスパーミキサーで10分間混練り撹拌した後、これに水355gを加えて希釈し、ビニルトリエトキシシラン11g及び2−エチルヘキサン酸亜鉛のミネラルスピリット溶液(金属Zn含有量=8%)5gを添加し、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-21)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させて固形物を得た。これは、指触により、タック性がなく弾性を有するものであることが確認された。
・ポリウレタン樹脂水性乳濁液 B-1:
スーパーフレックス600(商品名、第一工業製薬(株)製、エーテル系、不揮発分=25重量%)
・ポリウレタン樹脂水性乳濁液 B-2:
スーパーフレックス150HS(商品名、第一工業製薬(株)製、エステル・エーテル系、不揮発分=38重量%)
・ポリウレタン樹脂水性乳濁液 B-3:
スーパーフレックス420NS(商品名、第一工業製薬(株)製、カーボネート系、不揮発分=32重量%)
上記の調製例に示した(A)成分及び(B)成分を、表1及び表2に示した配合量(g)で配合し、これらを錨型攪拌翼により均一に混合して、(A)成分及び(B)成分(表中、有効成分)が、表1及び表2に示した重量比(表中における数値は重量部数を表す)であるコーティング剤としての水性樹脂組成物を調製した。
そして、これをエチレン-プロピレン-ジエンゴムシート、鉄板、ポリプロピレン板、及びブチルゴムシートの表面に刷毛で塗布し、150℃に設定した熱風循環式恒温槽内に5分間放置して皮膜を形成させ、上記の測定方法1〜3に従って、表面平滑性、密着性、及び離型性を測定ならびに評価した。その結果を表1及び表2に示す。
上記の調製例で得た(A)成分及び(B)成分以外に、必要に応じて、(A)成分として下記のA-19成分、A-20成分も用いた以外は実施例1〜23と同様にして、コーティング剤としての水性樹脂組成物を調製した。
そして、前記の調製した(A)成分及び(B)成分を、表3に示した配合量(g)で配合し、前記の操作により(A)成分及び(B)成分(表中、有効成分)が表3に示した重量比(表中における数値は重量部数を表す)である水性樹脂組成物を用いて、実施例と同様にしてエチレン-プロピレン-ジエンゴムシート、鉄板、ポリプロピレン板、及びブチルゴムシートの表面処理を行い、上記の測定方法1〜3に従って、表面平滑性、密着性、及び離型性を測定ならびに評価した。その結果を表3に示す。
1,000mLガラスビーカーに、下記式(10)で示される粘度62mm2/sのオルガノポリシロキサン350g、及びビニルトリメトキシシラン50gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)20g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)15g、10%炭酸カリウム水溶液3g、及び水262gを加え、ホモミキサーで15分間撹拌し、更に圧力30MPaに設定した高圧ホモジナイザーに2回通すことにより、シリコーンエマルジョンを得た。これに水359gを加えて希釈することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-19)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させたが、残存物は液状でありシリコーンは硬化していなかった。
1,000mLガラスビーカーに、下記式(11)で示される粘度750mm2/sのオルガノポリシロキサン280g、及びビニルトリメトキシシラン15gを仕込み、ホモミキサーで5分間撹拌した。次いで、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)16g、ポリオキシエチレンデシルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=40)12g、及び水371gを加え、ホモミキサーで15分間撹拌し、更に圧力100MPaに設定した高圧ホモジナイザーに2回通した。そこに2−エチルへキサン酸ジルコニウムのミネラルスピリット溶液(金属Zr含有量=12%)6gを添加し、錨型撹拌翼で1時間撹拌することにより、シリコーン水性乳濁液(硬化性シリコーン水性乳濁液A-20)を得た。
該シリコーン水性乳濁液調製24時間後、数gをシャーレに採り、24時間室温下で水を揮発させたが、残存物は液状でありシリコーンは硬化していなかった。
上記の結果から分かるように、本発明に係る実施例1〜23においては、表面平滑性、密着性、及び離型性のいずれにおいても良好な結果が得られた。
それに対し、比較例1のように、(A−1)成分が式(1)で表される基を含有していないオルガノポリシロキサンの場合には、(A)成分の硬化性は不十分となり、その結果、得られる皮膜の表面平滑性及び密着性は乏しいものになる。
また、比較例2のように、(A−1)成分が分子鎖末端ではなく、側鎖に式(1)で表される基を含有しているオルガノポリシロキサンの場合には、(A)成分の硬化性は不十分となり、その結果、得られる皮膜の表面平滑性及び密着性は乏しいものになる。
また、比較例3のように、(B)成分のポリウレタン樹脂が配合されていない場合には、得られる皮膜の表面平滑性及び密着性は乏しいものになる。
また、比較例4のように、(B)成分のポリウレタン樹脂の添加量が多い場合には、得られる皮膜の表面平滑性及び離型性は乏しいものとなることが分かる。
1' エチレン-プロピレン-ジエンゴムシート
2 鉄板
3 穴
4 ひも
5 ガラス板
6 荷重
7 引張方向
Claims (6)
- 下記の(A)成分及び(B)成分を含む水性樹脂組成物からなることを特徴とするコーティング剤。
(A)成分:
(A−1)成分:水酸基及び式:R1O−(R1は炭素原子数1〜6の1価炭化水素基である。)で表される基からなる群から選ばれる基と、下記式(1)で表される基とが、ポリシロキサン鎖の少なくとも2つの末端の同一ケイ素原子に結合したオルガノポリシロキサン、
[式中、R2は非置換又は置換の炭素原子数1〜6の2価炭化水素基、R3は炭素原子数1〜4の2価炭化水素基、R4、R5及びR6はそれぞれ水素原子又は非置換もしくは置換の炭素原子数1〜10の1価炭化水素基であり、mは0〜6の整数であり、mが0ではないとき、前記R4、R5及びR6のうち少なくとも1つは水素原子であり、またmが0であるとき、前記R5及びR6のうち少なくとも1つは水素原子である。]
(A−2)成分:下記式(2)で表されるアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解縮合物、
[式中、R7は非置換又は置換の炭素原子数1〜20の1価炭化水素基、R8は独立に炭素原子数1〜6の1価炭化水素基であり、aは0又は1である。]
(A−3)成分:(A−1)成分と(A−2)成分の合計量100重量部に対して0〜10重量部の縮合触媒、
からなる硬化性シリコーン組成物:100重量部、
(B)成分:ポリウレタン樹脂:10〜200重量部。 - 前記(A−1)成分に対する(A−2)成分の使用量は、(A−1)成分中の水酸基及びR1O−基の合計1モルに対し、(A−2)成分中のR8O−基の量が、0.5〜100モルとなる量である請求項1に記載のコーティング剤。
- 前記(A−2)成分のアルコキシシランが、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のコーティング剤。
- 前記(A−3)成分の縮合触媒が、ナトリウム化合物、アルミニウム化合物、カリウム化合物、カルシウム化合物、バナジウム化合物、鉄化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物及びバリウム化合物から選ばれる1種以上の金属化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング剤。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング剤を塗布してなる物品。
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