JP4443643B2 - 表面処理剤および表面処理されたepdm物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、紙、ゴム、プラスチック、金属などの基材表面を処理することにより、表面に非粘着性、撥水性、耐摩耗性および滑り性を有し、特にEPDMのゴムシートおよびモールド成形スポンジに対して優れた密着性を有する皮膜が形成できる表面処理用ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】
従来、基材表面に非粘着性を付与するための処理に、各種のポリオルガノシロキサン組成物が用いられている。これらを大別すると、▲1▼末端に水酸基をもつポリジオルガノシロキサンにSi−H 結合含有ポリオルガノシロキサンおよび/またはオルガノアルコキシシランを加え、さらに有機スズ化合物と有機溶剤を配合した溶液、▲2▼末端に水酸基をもつポリジオルガノシロキサンにSi−H 結合含有ポリオルガノシロキサンおよび/またはオルガノアルコキシシランを加えたものを、ポリビニルアルコールなどを加えて水で乳化した水性エマルジョン、▲3▼分子中に2個以上のビニル基を有するポリオルガノシロキサン、Si−H 結合含有ポリオルガノシロキサン、白金または白金化合物の各成分と有機溶剤および/または硬化抑制剤からなる組成物、である。
これらのポリオルガノシロキサン組成物は、基材表面に非粘着性皮膜を与えるという点では優れているが、基材にゴムやプラスチックなどを用いた場合、硬化したシリコーン層が基材から容易に脱落するという欠点がある。また組成物▲3▼を天然ゴム、通常の合成ゴム、軟質ポリ塩化ビニルを基材として処理した場合、しばしば、これら基材に含まれる加硫剤、加硫促進剤または可塑剤が組成物▲3▼の白金または白金化合物の活性を冒し、そのために組成物▲3▼の硬化が阻害されることがある。
一方、特開昭54−43891 号公報において、前記の欠点を除去し、特にゴムおよびプラスチックの表面に優れた非粘着性、撥水性および耐摩耗性を付与する方法について研究した結果、グリシドキシ基および/またはエポキシシクロヘキシル基のようなエポキシ基含有基で置換された1価の炭化水素基が1分子中に少なくとも2個以上ケイ素原子に結合して存在するポリオルガノシロキサンと、少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換または非置換アミノ基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するシランおよび/またはシロキサンとからなる組成物によって、硬化皮膜に滑り性を与えることや、上記組成物に両末端を水酸基で閉塞されたポリジオルガノシロキサンを成分として加え、更にポリオルガノハイドロジェンシロキサンおよび金属脂肪酸塩を加えることで表面の滑り性を改善できること、硬化皮膜に柔軟性を付与できること、加熱硬化の際の硬化速度を上げられることが提案されている。
また、特開昭56−78960 号公報においては、アミノ基含有シラン及びシロキサンとエポキシ基含有シラン及びシロキサンとの混合物及び部分反応性生成物と両末端を水酸基で閉塞されたポリジオルガノシロキサン;ポリオルガノハイドロジェンシロキサンおよび金属脂肪酸塩を加えることで室温硬化の際の硬化速度を上げられること、硬化皮膜の経時的な白化性を抑制することが提案されている。
【0003】
しかし、この方法で処理されたゴム表面は優れた非粘着性、撥水性、耐摩耗性を保持するが、全ての天然ゴム、有機ゴムに対して良好な密着性を有するものではなく、特にEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー)のシート、モールド成形スポンジなどについてはその密着性の改善が強く望まれている。
【0004】
【発明の目的】
本発明の目的は、基材表面の処理剤として、特にEPDMのゴムシートおよびモールド成形スポンジ基材の表面処理剤として、非粘着性、撥水性および滑り性が優れており、基材に対する密着性が著しく改善された皮膜を形成しうる表面処理剤を提供することを目的とする。
【0005】
【発明の構成】
本発明者らは、上記した目的を達成するべく鋭意検討した結果、アミノ基含有シラン及び/又はシロキサンとエポキシ基含有シラン及び/又はシロキサンの反応生成物に、アミノ基含有ポリオルガノシロキサンを配合することにより、前記の問題点が解決された優れた密着性を有する表面処理剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A)(1)少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するシラン及び/又はシロキサンと
(2)ケイ素原子に結合した、エポキシ基含有基で置換された1価の炭化水素基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するシラン及び/又はシロキサン、
との反応生成物
(B) 平均組成式
[R1 aSi(OR2)bO(4-a-b)/2]n
(ただし、R1は水素原子および1価の置換または非置換の炭化水素基から選ばれる少なくとも2種のものを示し、1分子中の全R1のうち少なくとも2個は、少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換または非置換のアミノ基で置換された1価の炭化水素基である。R2は水素原子および1価の置換または非置換の炭化水素基を示す。a およびb は、1≦a ≦2.5 、1≦ a+b ≦2.5 、0≦b ≦0.5 の関係を満たす数であり、n は4〜5,000 の数を示す。)で示されるポリオルガノシロキサン
とを含有することを特徴とする表面処理剤、および、該表面処理剤により表面処理されたEPDM物品である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる(A)(1)のシラン及び/又はシロキサンは、少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基を有するアルコキシシラン、およびその部分縮合によって得られたシロキサンである。このような少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合する置換又は非置換アミノ基としては、アミノメチル基、β−アミノエチル基、γ−アミノプロピル基、δ−アミノブチル基、γ−(メチルアミノ)プロピル基、γ−(エチルアミノ)プロピル基、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基、N−(β−ジメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピル基などが例示される。貯蔵中の安全性からは、たとえばγ−アミノプロピル基のように、少なくとも3個の炭素原子を介してアミノ基がケイ素原子に結合していることが好ましい。該シランおよび/またはシロキサンは、かかる置換または非置換アミノ基を含む基を1分子中に少なくとも1個有するものであるが、さらに、基材への密着性を増すために、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有する。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが例示されるが、合成のしやすさから、メトキシ基およびエトキシ基が一般的である。このようなアルコキシ基は、良好な密着性を得るためには、1分子中に少なくとも2個存在することが好ましい。他の残りのケイ素原子に結合する基は炭素数が1〜6個の1価のアルキル基である。
本発明で用いられる(A)(2)のシラン及び/又はシロキサンは、ケイ素原子に結合したエポキシ基含有基で置換された1価の炭化水素基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するアルコキシシランおよびその部分縮合物によって得られたシロキサンである。エポキシ基含有基としては、グリシドキシ基、エポキシシクロヘキシル基などが例示される。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが例示されるが、合成のしやすさから、メトキシ基およびエトキシ基が一般的である。このようなアルコキシ基は、良好な密着性を得るためには、1分子中に少なくとも2個存在することが好ましい。他の残りのケイ素原子に結合する基は炭素数が1〜6個の1価のアルキル基である。
本発明の(A) 成分は、(A)(1)成分のアミノ基と(A)(2)成分のエポキシ基を反応させた反応生成物である。(A)(1)のシラン及び/又はシロキサンの添加量は、(A)(2)のシラン及び/又はシロキサン中のエポキシ基1個に対して(A)(1)の少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合したアミノ基の数がおおむね 0.5〜2個となるような量であることが好ましい。この範囲を超えるものは、範囲を超えた部分が過剰成分として、未反応のシラン及び/又はシロキサンとなってしまうからである。
本発明の(A) 成分である(A)(1)成分と(A)(2)成分との反応生成物は、常温でも得られるが50〜150 ℃で1〜7時間加熱することで短時間で得ることができる。
【0007】
本発明の(B) 成分のポリオルガノシロキサンは、少なくとも1個の炭素原子を介して、ケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基を有するポリオルガノシロキサンである。このような少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基としては、(A)(1)成分で例示したアミノ基が例示される。これらのアミノ基含有炭化水素基以外のR1としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基のようなアルキル基;ビニル基、プロペニル基のようなアルケニル基;フェニル基のようなアリール基;フェネチル基のようなアラルキル基;およびこれら炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示される。これらの中でも合成のしやすさ、取扱の容易さから、水素原子、メチル基、ビニル基、フェニル基であることが好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
本発明の(B) 成分のR2としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が例示される。これらの中でも合成のしやすさ、取扱の容易さから、水素原子、メチル基、エチル基であることが一般的である。
前記平均組成式中、a およびb は前記関係を満たす数であり、a および(a+b)が1未満では皮膜が硬く、柔軟性に劣るため、基材に追随できなかったり、基材の変形を阻害する不都合があり、また 2.5を超えるものでは、表面処理剤の硬化性が悪く、皮膜形成に不利である。b はケイ素原子に結合するヒドロキシル基あるいはアルコキシ基の数を示し、 0.5以下であれば良い。 0.5を超えると表面処理剤の保存安定性が悪くなるとともに硬化性が悪くなったり、皮膜が脆くなる。又、合成のしやすさ、硬化前の組成物の粘度が作業上に支障をきたさない範囲であること、硬化後の皮膜の機械的性質から、ポリジオルガノシロキサンの重合度n は4〜5,000 、好ましくは4〜1,000 の範囲から選ばれる。重合度が4より低いと十分な皮膜強度が得られず、重合度が 5,000より高いと合成しにくいうえ、粘度が上昇して取扱が不便である。
本発明の(B) 成分のポリオルガノシロキサン中のアミノ基の量は、アミノ当量として50〜15,000、好ましくは70〜1,000 、さらに好ましくは、80〜500 である。アミノ当量が15,000を超えるものは密着性を向上させる効果がなく、アミノ当量が50未満のものは製造が困難である。
(B) 成分の配合量は、特に制限されることはないが、(A) 成分 100重量部に対し、10〜200 重量部、好ましくは20〜50重量部である。
配合量が多過ぎても少な過ぎても基材との密着性に改善がみられない。
【0008】
本発明の目的である非粘着性、撥水性、耐摩耗性および滑り性を基材表面に付与し、かつ皮膜強度を向上させることは、 (A)〜(B) 成分からなる組成物によって達成されるが、さらに、皮膜の硬化速度を上げることは、前記 (A)〜(B) 成分に加えて(C) 成分、(D) 成分および(E) 成分を配合することによって達成される。
【0009】
本発明で用いられる(C) 成分の両末端水酸基閉塞ポリジオルガノシロキサンは、ケイ素原子に結合した水酸基を分子の両末端に持ち、その反応性によって硬化反応にあずかるものである。
ポリジオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合した有機基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基のようなアルキル基:ビニル基、プロペニル基のようなアルケニル基;フェニル基のようなアリール基;フェネチル基のようなアラルキル基;およびこれらの炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示されるが、合成のしやすさ、硬化前の組成物の粘度と硬化後の皮膜の物性とのかね合いなどから、メチル基が好ましい。
このような両末端水酸基閉塞ポリジオルガノシロキサンの粘度は、25℃において50〜10,000,000cSt であり、好ましくは 1,000〜2,000,000cStである。50cSt 未満では硬化後の皮膜が脆くなり、また10,000,000cSt を超えると硬化前の組成物の粘度が大きくなって、取扱いに不便である。
本発明で用いられる(C) 成分と(A) 成分の配合比は特に制限されるものではなく、任意に選択できるが、(C) 成分の多い方が非粘着性および撥水性に優れ、(A) 成分の多い方が耐摩耗性に優れている。(C) 成分 100重量部に対して(A) 成分の量は、好ましくは1〜300 重量部、さらに好ましくは10〜100 重量部である。
【0010】
本発明で用いられる(D) 成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンは、(C) 成分の両末端水酸基閉塞ポリジオルガノシロキサンと脱水素縮合反応して網状構造を形成するために、ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するものである。
分子中のケイ素原子に結合した有機基としては、(C) 成分のケイ素原子に結合する有機基と同様なものが例示される。
このようなポリオルガノハイドロジェンシロキサンのシロキサン鎖は、直鎖状、分岐状および環状のいずれでもよい。
(D) 成分の配合量は(C) 成分 100重量部に対して 0.5〜50重量部が好ましい。0.5 重量部未満では連続皮膜を形成するためには硬化速度が遅く、また50重量部を超えると混合物の安定性が悪くなり、発泡してしまうからである。
【0011】
本発明で用いられる(E) 成分の硬化触媒は、(C) 成分の両末端水酸基閉塞ポリジオルガノシロキサンの水酸基と(D) 成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンのSi−H 結合との間の脱水素縮合を促進する触媒である。
この硬化触媒としては、金属脂肪酸塩、アミン類、第4アンモニウムヒドロキシド類、およびこれらのものを併用してもよい。
金属脂肪酸塩としては、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジブチルスズジステアレート、トリブチルスズアセテート、トリブチルスズオクトエート、トリブチルスズラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジエチルスズジオレエート、モノメチルスズジオレエートのように金属原子に直接結合した有機基をもつもの、およびオクテン酸亜鉛、オクテン酸鉄、オクテン酸スズのように金属原子に直接結合した有機基を持たないものが例示される。
アミン類としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチルテトラアミンのような有機アミン;α−アミノプロピルトリエトキシシランのようなアミノ基を有するシラン化合物やそれらの塩;第4アンモニウムヒドロキシド類としてはテトラメチルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウムおよびそれらの塩が例示される。
この(E) 成分の硬化触媒の配合量は、(C) 成分と(D) 成分の合計量 100重量部に対し、 0.5〜10重量部が好ましい。 0.5重量部未満では硬化が遅く、基材に組成物を塗布して熱処理したのちにブロッキングを起こすおそれがあり、また、10重量部を超えると処理液中で反応が進み、可使時間が短くなるからである。
【0012】
本発明の組成物を各種基材の処理に用いる際は、前記(A) 〜(B) 成分、または(A) 〜(E) 成分からなる組成物をそのまま用いてもよく、また有機溶媒で希釈したり、適当な乳化剤を用いて水で乳化させてもよい。
有機溶媒としては、 n−ヘキサン、 n−ヘプタン、石油系炭化水素、トルエン、キシレン、イソプロパノール、ブタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどが例示される。このような有機溶媒の使用量は、処理に用いる組成物に望まれる粘度により適宜選択することができる。
【0013】
本発明の処理方法は次のようである。まず、(A)(1)、(A)(2)成分を混合して組成物(A) を得る。この際(A) 成分は加熱攪拌して反応を進めることにより部分縮合物を形成してもよいが、特にそのような操作を必ずしも必須としない。
これに(B) 成分または(B),(C),(D),(E) 成分を加えて混合し、処理剤とする。また前述のように溶媒で希釈してもよく、乳化剤と水で乳化してもよい。このようにして得た表面処理剤を、まず、紙、ゴム、プラスチック、金属などからなる基材にディップコート、スプレーコート、刷毛ぬり、ナイフコート、ロールコートなどの方法によって塗布する。溶媒や水を用いた場合はそれらを乾燥除去する。次いで室温で数時間放置するか、基材の耐熱性の度合いに応じて適宜加熱を行って硬化させる。
加熱条件は、基材が紙の場合は温度120 〜180 ℃で10〜30秒間が好ましく、ゴムの場合は温度150 〜180 ℃で1〜5分間が好ましく、プラスチックの場合は70〜150 ℃で30秒〜2分間が好ましい。
【0014】
また本発明において、上記組成物の基材との接着性を向上させるために各種シランカップリング剤を単体あるいは混合物をそのまま或いは部分縮合させて添加しても良い。
【0015】
また、本発明において、上記組成物に耐候性を向上させる目的で無機系、有機系の紫外線吸収剤、滑り性をさらに向上する目的で高粘度のポリジメチルシロキサン、つや消し性と滑り性を向上する目的で平均粒径0.01〜100 μm程度のポリアルキルシルセスキオキサンやポリカーボネート樹脂等の有機フィラーあるいは無機フィラー、着色する目的での無機顔料等を本発明の趣旨を変えない範囲で添加して用いることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の組成物は、各種基材に処理した場合、従来のシリコーン組成物による処理方法に比べて、基材に対して密着性の優れた硬化皮膜を与える。特に従来の非粘着性皮膜形成用シリコーン組成物では十分な密着性が得られなかったゴム、プラスチック、特にEPDMゴムシートやモールド成形スポンジに対して優れた密着性を持つ硬化皮膜を与える。また、本発明の組成物は、常温ないし比較的低温度で硬化皮膜を与えるので、耐熱性の小さい基材や、大型で加熱処理のしにくい基材に対しても処理が可能であり、他物質に対する良好な非粘着性、撥水性を有しかつ優れた耐摩耗性を有する硬化皮膜を与える。本発明の組成物は、EPDMゴムが使用される用途、例えば自動車ウェザーストリップ材、防振ゴム、建材用ガスケット等のゴム部品の表面処理剤として好適に使用することができる。
更に本発明の組成物は、ゴム、プラスチックをはじめ各種基材に非粘着性で撥水性を付与する場合に用いられる。また、本発明の組成物は、基材にシリコーンゴムまたはゴム状に硬化しうるシリコーン組成物を接着させる際のプライマーとしても利用できる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。実施例において、部は全て重量部を示す。
実施例1
γ〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン1モルとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1モルとを攪拌しながら80〜100 ℃で3時間反応させ得られた生成物10重量部と、平均式
【0018】
【化1】
Figure 0004443643
【0019】
で示されるアミノ基含有ポリオルガノシロキサン10重量部、トルエン80重量部を混合し、ホモジナイザーで分散させ本発明の組成物を得た。この組成物をEPDMゴムシートおよびスポンジにスプレーコートし、室温で24時間放置してトルエンの揮散と皮膜の硬化を行って、本発明の組成物が表面に形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0020】
実施例2
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1モルをフラスコに取り、該アルコキシシランと等モル量の水を滴下しながら加熱還流し、加水分解を行ってアルコキシシロキサンを得た。得られた該アルコキシシロキサンにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1モルとを添加し、攪拌しながら80〜100 ℃で3時間反応させ得られた生成物10重量部と、平均式
【0021】
【化2】
Figure 0004443643
【0022】
で示されるアミノ基含有ポリオルガノシロキサン5重量部、トルエン85重量部を混合し、ホモジナイザーで分散させ本発明の組成物を得た。この組成物を実施例1と同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0023】
実施例3
β−(3,4 −エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン1モルをフラスコに取り該アルコキシシランと等モル量の水を滴下しながら加熱還流し、加水分解を行ってアルコキシシロキサンを得た。得られた該アルコキシシロキサンにγ−アミノプロピルトリメトキシシラン1モルを添加し、攪拌しながら80〜100 ℃で3時間反応させ得られた生成物10重量部と、平均式
【0024】
【化3】
Figure 0004443643
【0025】
で示されるアミノ基含有ポリオルガノシロキサン15重量部、トルエン75重量部を混合し、ホモジナイザーで分散させ本発明の組成物を得た。この組成物を実施例1と同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0026】
比較例1
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンを使用しない他は、実施例1と同様にして得られた組成物を実施例1と同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0027】
比較例2
アミノ基含有ポリジメチルシロキサンの代わりにγ〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシランを使用した以外は実施例1と同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0028】
比較例3
γ〔N−(β−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン5重量部とγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5重量部と、実施例1で示したアミノ基含有ポリジメチルシロキサン10重量部、トルエン80重量部をホモミキサーで分散させた組成物を実施例1と同様に処理して、皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0029】
以上のようにして得た6種類のEPDMゴムシートおよびスポンジについて、皮膜の強さを調べ、又、碁盤目テープ剥離試験を行った。結果を表1に示す。
ここで碁盤目テープ剥離試験は次のように行った。
即ち、塗膜面に1mm間隔で縦横に各11本の平行線を入れて 100個のマス目をクロスカットし、その上に粘着テープ(シリコーン粘着剤YR3340(商品名、東芝シリコーン(株)製)を40μm の厚さになるようにコーティングして恒温恒湿室に48時間放置しておいたポリエステルフィルム)を付着させた後、テープを剥離し、剥離しないマス目の数を測定し、密着性を評価した。
【0030】
【表1】
Figure 0004443643
【0031】
実施例4
実施例1の組成物をEPDMゴムシートおよびスポンジにハケにて塗布し、室温で2分間放置し溶剤を除去し、その上から、
平均式
【0032】
【化4】
Figure 0004443643
【0033】
で示されるポリジメチルシロキサン40重量部と、平均式
【0034】
【化5】
Figure 0004443643
【0035】
で示されるメチルハイドロジェンオイル1重量部、ジブチルスズジラウレート重量部、トルエン 250重量部を混合分散させた組成物をスプレーにて塗布し、溶剤を揮散させた後、 100℃で10分間加熱して硬化したゴム状の皮膜を得た。
【0036】
実施例5
実施例4において、実施例1の組成物の代わりに実施例2の組成物を使用した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0037】
実施例6
実施例4において、実施例1の組成物の代わりに実施例3の組成物を使用した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0038】
比較例4
実施例4において、実施例1の組成物の代わりに比較例1の組成物を使用した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0039】
比較例5
実施例4において、実施例1の組成物の代わりに比較例2の組成物を使用した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0040】
比較例6
実施例4において、実施例1の組成物の代わりに比較例3の組成物を使用した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0041】
比較例7
実施例4において、実施例1で得られた組成物で処理せず、直接、ポリジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンオイル、ジブチルスズジラウレート、トルエンの混合分散組成物をスプレーにて塗布した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0042】
以上のようにして得られた実施例4〜6、比較例4〜7の7種類のEPDMゴムシートおよびスポンジについて、実施例1の皮膜の評価で行った方法と同様の碁盤目テープ剥離試験を行った。また、厚さ10mm、幅20mmで接触面が曲面加工されたステンレス板を摩耗子として用い、500gの荷重で押し付け、10cmの間隔を30回/min の速度で往復させる摩耗性試験を行った。摩耗性試験は、ゴム表面が摩耗によりすり切れたときの往復回数により評価した。これらの結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0004443643
【0044】
実施例7
実施例1の組成物 100重量部
実施例4で用いたポリジメチルシロキサン 200重量部
実施例4で用いたメチルハイドロジェンシロキサン 10重量部
ジブチルスズジラウレート 10重量部
トルエン 680重量部
をホモミキサーにて混合分散させた組成物をEPDMゴムおよびスポンジにスプレーにて塗布し、溶剤を揮散させた後 100℃10分間加熱して硬化したゴム状の皮膜を得た。
【0045】
実施例8
実施例1の組成物 100重量部
実施例4で用いたポリジメチルシロキサン 200重量部
実施例4で用いたメチルハイドロジェンシロキサン 10重量部
カーボン(アセチレンブラック) 10重量部
平均粒径4μの真球状ポリシルセスキオキサン 60重量部
ジブチルスズジラウレート 10重量部
トルエン 1110重量部
をホモミキサーにて混合分散させた組成物をEPDMゴムおよびスポンジにスプレーにて塗布し、溶剤を揮散させた後 100℃10分間加熱して硬化したゴム状の皮膜を得た。
【0046】
実施例9
実施例1の組成物 100重量部
実施例4で用いたポリジメチルシロキサン 200重量部
実施例4で用いたメチルハイドロジェンシロキサン 10重量部
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 25重量部
平均粒径4μの不定形ポリカーボネート7%を
含有ディパージョン(溶融析出製造タイプ) 150重量部
(溶剤キシレン:シクロヘキサノン=75:25)
ジブチルスズジラウレート 10重量部
トルエン 1005重量部
をホモミキサーにて混合分散させた組成物をEPDMゴムおよびスポンジにスプレーにて塗布し、溶剤を揮散させた後 100℃10分間加熱して硬化したゴム状の皮膜を得た。
【0047】
比較例8
実施例7において、実施例1の組成物の代わりに比較例1の組成物を使用した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0048】
比較例9
実施例7において、実施例の組成物の代わりに比較例2の組成物を使用した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0049】
比較例10
実施例7において、実施例1の組成物の代わりに比較例3の組成物を使用した以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0050】
比較例11
実施例7において、実施例1の組成物を使用しない以外は同様に処理して皮膜が形成されたEPDMゴムシートおよびスポンジを得た。
【0051】
以上のようにして得られた実施例7〜9、比較例8〜11の7種類のEPDMゴムシートおよびスポンジについて、前記の如き碁盤目テープ剥離試験を行った。また厚さ2mm、幅20mmで接触面が曲面加工されたガラス板(図1)を摩耗子として用い、300 gの荷重で押し付け、10cmの間隔を30回/min の速度で往復させる摩耗性試験を行った。摩耗性試験は、ゴム表面が摩耗によりすり切れたときの往復回数により評価した。これらの結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
Figure 0004443643

【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で摩耗性試験の摩耗子として使用したガラス板を示す図である。

Claims (5)

  1. (A)(1)少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するシラン及び/又はシロキサンと
    (2)ケイ素原子に結合した、エポキシ基含有基で置換された1価の炭化水素基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するシラン及び/又はシロキサン、
    との反応生成物
    (B) 平均組成式
    [R1 aSi(OR2)bO(4-a-b)/2]n
    (ただし、R1は水素原子および1価の置換または非置換の炭化水素基から選ばれる少なくとも2種のものを示し、1分子中の全R1のうち少なくとも2個は、少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換または非置換のアミノ基で置換された1価の炭化水素基である。R2は水素原子および1価の置換または非置換の炭化水素基を示す。a およびb は、1≦a ≦2.5 、1≦ a+b ≦2.5 、0≦b ≦0.5 の関係を満たす数であり、n は4〜5,000 の数を示す。)で示されるポリオルガノシロキサン
    とを含有することを特徴とする表面処理剤。
  2. (A)(1)少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換又は非置換アミノ基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するシラン及び/又はシロキサンと
    (2)ケイ素原子に結合した、エポキシ基含有基で置換された1価の炭化水素基と、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を有するシラン及び/又はシロキサン、
    との反応生成物
    (B) 平均組成式
    [R1 aSi(OR2)bO(4-a-b)/2]n
    (ただし、R1は水素原子および1価の置換または非置換の炭化水素基から選ばれる少なくとも2種のものを示し、1分子中の全R1のうち少なくとも2個は、少なくとも1個の炭素原子を介してケイ素原子に結合した置換または非置換のアミノ基で置換された1価の炭化水素基である。R2は水素原子および1価の置換または非置換の炭化水素基を示す。a およびb は、1≦a ≦2.5 、1≦ a+b ≦2.5 、0≦b ≦0.5 の関係を満たす数であり、n は4〜5,000 の数を示す。)で示されるポリオルガノシロキサン
    (C) 25℃における粘度が50〜10,000,000cSt の両末端が水酸基閉塞のポリジオルガノシロキサン
    (D) ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に少なくとも3個存在するポリオルガノハイドロジェンシロキサンならびに
    (E) 硬化触媒
    とを含有することを特徴とする表面処理剤。
  3. (A)(2)のエポキシ基含有基が、グリシドキシ基及び/又は3,4−エポキシシクロヘキシル基である、請求項1又は2記載の表面処理剤。
  4. 請求項1又は2記載の表面処理剤を塗布した、非粘着性皮膜を有する表面処理されたEPDM物品。
  5. 非粘着性皮膜がプライマー皮膜である請求項4記載のEPDM物品。
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