JP3104567B2 - オルガノポリシロキサン組成物及びゴム部品 - Google Patents

オルガノポリシロキサン組成物及びゴム部品

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JP3104567B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴムの表面に非粘着
性、撥水性、潤滑性及び耐摩耗性を付与するために使用
されるオルガノポリシロキサン組成物に関し、特に摩耗
耐久性に優れた皮膜を形成する表面処理用オルガノポリ
シロキサン組成物及び該組成物によるコーティング皮膜
が形成されたゴム部品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ゴムの表面に非粘着性、撥水性を付与するために、
不活性シリコーンオイル或いは各種の硬化性オルガノポ
リシロキサン組成物が使用されている。
【0003】しかし、不活性シリコーンオイルは、例え
ば水洗い程度の物理的作用で容易に基材表面から脱落し
てしまうため、初期摩耗特性には優れてはいるが、耐久
性に問題がある。
【0004】一方、硬化性オルガノポリシロキサン組成
物としては、両末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサ
ン、Si−H基含有オルガノポリシロキサン及び/又は
オルガノアルコキシシラン、有機錫化合物を含有する組
成物が使用されているが、これらの組成物は基材表面に
非粘着性及び撥水性に優れた皮膜を与えるものの、潤滑
性及び耐摩耗性には劣るという欠点を有している。この
ようなオルガノポリシロキサン組成物に、グリシドキシ
基、エポキシシクロヘキシル基等のエポキシ基を含有す
るオルガノポリシロキサンと、アミノ基含有アルコキシ
シラン及び/又はシロキサンとの混合物又は反応生成物
を配合した組成物(例えば特公昭54−43023号、
同56−19813号、同56−47864号公報等)
は基材との密着性が向上して、耐摩耗性、潤滑性も改善
されるが、これらの特性向上の度合いは未だ不充分なも
のである。また、このような組成物に上記不活性シリコ
ーンオイルを添加した場合、潤滑性、耐摩耗性が向上す
る(特公平4−80072号公報)が、長期に亘って繰
り返し摩擦力を受ける用途には満足しうる摩耗耐久性が
得られないという難点があった。このため、摩耗耐久性
の向上が強く望まれていた。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
ゴムの表面に非粘着性、撥水性、潤滑性、及び摩耗耐久
性に優れた硬化皮膜を形成し得るオルガノポリシロキサ
ン組成物及び該組成物によるコーティング皮膜が形成さ
れたゴム部品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため、 (A)下記一般式(1)で示されるジオルガノポリシロ
キサン、 HOR1 2SiO[R1 2SiO]mSiR1 2OH …(1) (但し、式中R1は1価の置換又は非置換の炭化水素
基、mは150以上の整数を示す。) (B)下記一般式(2)で示されるジオルガノポリシロ
キサン、 R2 3SiO[R2 2SiO]nSiR2 3 …(2) (但し、式中R2は1価の置換又は非置換の炭化水素
基、nは上記mと同じか又はそれ以上の整数を示す。) (C)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を3個
以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、 (D)1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基を
2個以上含有し、かつケイ素原子にアルキレン基を介し
て結合した置換又は非置換のアミノ基を1個含有するオ
ルガノシラン及び/又はその部分加水分解物、 (E)金属脂肪酸塩、及び (F)平均粒子径が50μm以下の微小粉末を含有して
なることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物及
び該組成物によるコーティング皮膜が形成されたゴム部
品を提供する。
【0007】即ち、本発明者は、上記一般式(1)で表
される両末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサンに対
し、該ジオルガノポリシロキサンと重合度が同じか又は
それ以上で、かつ分子中に水酸基を含有しないジオルガ
ノポリシロキサン、及び平均粒子径が50μm以下の微
小粉末を併用することにより、非粘着性、撥水性及び潤
滑性だけでなく摩耗耐久性にも優れた硬化皮膜が得られ
ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0008】以下、本発明を更に詳述すると、本発明の
オルガノポリシロキサン組成物は、上記した(A)成分
〜(F)成分を実質的に含有して構成されているもので
ある。
【0009】上記(A)成分の両末端水酸基封鎖ジオル
ガノポリシロキサンは、下記一般式(1)で示されるも
ので、その水酸基と、(C)成分のSi−H基、及び
(D)成分のアルコキシ基との反応により硬化して皮膜
を形成する主成分である。 HOR1 2SiO[R1 2SiO]mSiR1 2OH …(1)
【0010】ここで、上記式中R1は1価の置換又は非
置換の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数1〜8、特
に1〜6であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イ
ソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブ
チル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シ
クロヘキシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、
プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブ
テニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基、フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリー
ル基、スチレニル基、ベンジル基、フェニルエチル基、
フェニルプロピル基等のアラルキル基、或いはこれらの
炭化水素基の水素原子の一部がフッ素原子、塩素原子等
のハロゲン原子やニトリル基等で置換された置換炭化水
素基、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロ
モエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基
などが例示される。また、特性上特に必要な場合はR1
の一部(通常、R1の1モル%以下)が水酸基であって
もよい。これらの中では、合成のし易さ、取扱いの容易
さ、及び組成物に良好な硬化性を与える点において置換
又は非置換のアルキル基、特にメチル基であることが好
ましい。また、重合度mは150以上であるが、好まし
くは150〜10,000、より好ましくは200〜1
0,000の範囲から選ばれるものである。mが150
より小さいと硬化後の皮膜が脆くなり、また基材の変形
に対応できなくなる場合があり、一方mが大きすぎると
硬化前の組成物の粘度が大きくなり、取扱いが不便にな
る場合がある。なお、mが上記範囲にあれば上記オルガ
ノポリシロキサンを2種以上組み合わせて使用してもよ
い。
【0011】(B)成分のジオルガノポリシロキサン
は、下記一般式(2)で示されるものである。 R2 3SiO[R2 2SiO]nSiR2 3 …(2)
【0012】上記ジオルガノポリシロキサンは、1分子
中にケイ素原子に結合した水酸基を含まないものであ
り、これは硬化皮膜に潤滑性を与え、かつ良好な耐摩耗
性を与えるものである。R2としては、上記R1で示した
基と同様の炭素数1〜8、好ましくは1〜6の1価の置
換又は非置換の炭化水素基が例示されるが、合成の容易
さの点から置換又は非置換のアルキル基、特にメチル基
であることが好ましい。また、nは上記mと同じか又は
それ以上の整数から選ばれるものであり、nがmより小
さいと上述した効果が十分に得られない場合がある。な
お、nの範囲は150〜12,000、より好ましくは
200〜10,000であることが好ましい。
【0013】上記式(2)で示されるジオルガノポリシ
ロキサンの配合量は、(1)式の両末端水酸基封鎖ジオ
ルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同じ)に
対して5〜80部、特に5〜60部の範囲とすることが
好ましい。配合量が5部より少ないと硬化皮膜の潤滑
性、耐摩耗性が劣り、80部を超えると硬化皮膜の機械
的強度が低下し、却って耐摩耗性が悪くなる場合があ
る。
【0014】(C)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原
子を3個以上、好ましくは3〜100、より好ましくは
3〜50含有するものであり、後述する(F)成分の金
属脂肪酸塩の存在下に、(A)成分中のケイ素原子に結
合した水酸基と反応して、3次元網目構造の皮膜を与え
る架橋剤として作用するものである。この分子構造につ
いては特に制限はなく、直鎖状、分岐状、環状及び3次
元状のいずれであってもよい。
【0015】上記オルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンとしては、特に下記一般組成式で示されるものを用い
ることができる。 R3 abSiO(4-a-b)/2
【0016】ここで、0.5<a<2、0.02≦b≦
1、0.7<a+b<3であり、1分子中のケイ素原子
数は4〜150、好ましくは4〜100である。
【0017】また、R3は、置換又は非置換の1価炭化
水素基で、炭素数1〜8のものが好ましく、上記R1
同様のものが挙げられる。具体的には、R3として、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基
等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル
基、フェニル基等のアリール基、スチレニル基等のアラ
ルキル基及びこれらの炭化水素基の水素原子の一部がフ
ッ素原子、塩素原子、ニトリル基等で置換された置換炭
化水素基から選ばれる基が例示される。また、上記有機
基の一部が水酸基であってもよい。なお、合成の容易さ
から置換又は非置換のアルキル基、特にメチル基が好適
である。
【0018】(C)成分の配合量は、(A)成分100
部に対して1〜30部、特に2〜25部の範囲とするこ
とが好ましい。配合量が1部より少ないと硬化が不十分
となり、必要な皮膜強度が得られず、30部より多いと
過剰のSi−H結合が残存して、物性の経時変化の原因
となる場合がある。
【0019】(D)成分は、1分子中に、ケイ素原子に
結合したアルコキシ基を2個以上、好ましくは2〜3個
含有し、かつケイ素原子にアルキレン基を介して結合し
た置換又は非置換のアミノ基を1個含有するオルガノシ
ラン及び/又はその部分加水分解物であって、ゴム基材
に対して良好な接着性を付与する成分である。更に、こ
の(D)成分は、硬化後の皮膜に潤滑性を付与する効果
も有している。なお、部分加水分解物は、オルガノシラ
ン中のアルコキシ基を少なくとも2個、好ましくは3個
以上残存した加水分解縮合物を意味する。
【0020】上記アルコキシ基としては、炭素数1〜
8、特に1〜6のものが好ましく、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、
イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、メトキシエト
キシ基、エトキシエトキシ基等が例示されるが、合成の
容易さの点からメトキシ基、エトキシ基を有するものが
好適である。また、アルキレン基としては、炭素数1〜
8、特に1〜6のものが好ましく、メチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレ
ン基、メチルエチレン基等が例示されるが、好ましくは
プロピレン基等が挙げられる。置換又は非置換のアミノ
基としてはアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基
等のアルキル置換アミノ基、β−アミノエチルアミノ基
等のアミノ置換アミノ基、ベンジルアミノ基等のアラル
キル置換アミノ基等が挙げられ、ケイ素原子にアルキレ
ン基を介して結合した置換又は非置換のアミノ基として
具体的には、アミノメチル基、β−アミノエチル基、γ
−アミノプロピル基、δ−アミノブチル基、γ−(メチ
ルアミノ)プロピル基、γ−(エチルアミノ)プロピル
基、γ−(β−アミノエチルアミノ)プロピル基、γ−
(ベンジルアミノ)プロピル基及びこれらアミノ基の一
部又は全部を第4級アンモニウム化した塩等が例示され
る。なお、保存中の安定性を考慮すると、γ−アミノプ
ロピル基のように、アルキレン基はプロピレン基である
ことが好ましい。なお、上記(D)成分のオルガノシラ
ンは、アルコキシ基及びアルキレン基を介したアミノ基
以外にケイ素原子に結合した有機基を含んでいてもよ
く、このような有機基としては前記R1として例示した
ものと同様の置換又は非置換の1価炭化水素基、好まし
くはメチル基等のアルキル基が挙げられる。
【0021】(D)成分の具体例としては、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン等のオルガノシラン及び/
又はその部分加水分解物を挙げることができる。これら
の中では、特にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン
及びその部分加水分解物が好適に使用される。
【0022】(D)成分の配合量は、(A)成分100
部に対して5〜150部、特に10〜100部の範囲と
することが好ましい。配合量が5部未満では接着性だけ
でなく、潤滑性も劣る場合があり、150部を超えると
硬化性が劣り、かつ硬化後の皮膜の機械的性質が悪くな
る場合がある。
【0023】(E)成分としての金属脂肪酸塩は、
(A)成分の両末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサ
ンの水酸基と(C)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンのSi−H結合との間の脱水素縮合反応を促
進する触媒であり、かかるものとしては特にスズ、亜
鉛、鉄等の脂肪酸塩が好ましく、具体的には、ジブチル
スズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジ
ブチルスズジステアレート、トリブチルスズアセテー
ト、トリブチルスズオクトエート、トリブチルスズラウ
レート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズ
ジラウレート、ジエチルスズジオレエート、モノメチル
スズジオレエート等の金属に直接結合した有機基を有す
るもの、或いはオクタン酸亜鉛、オクタン酸鉄、オクタ
ン酸スズ等の金属に直接結合した有機基を有しないもの
などが例示される。
【0024】(E)成分の金属脂肪酸塩の添加量は、
(A),(B)及び(C)成分の合計量100部に対し
て、金属の量で0.5〜15部、特に0.6〜10部の
範囲とすることが好ましい。この添加量が0.5部より
少ないと触媒機能が十分に発揮されず硬化不良となり、
15部より多いと反応が急速に進行し、可使時間がとれ
ない場合がある。
【0025】(F)成分で示される平均粒子径が50μ
m以下の微小粉末は、本発明の組成物から得られる硬化
皮膜の光沢を消すだけでなく、皮膜表面の粘着感を減少
させ、更には、硬化皮膜の耐摩耗性を向上させるもので
ある。この微小粉末の材質としては、ポリカーボネー
ト、ナイロン、ポリエチレン、テフロン、ポリメチルシ
ルセスキオキサン、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂、
その他の合成樹脂、シリコーンゴムの微小粉末など、シ
リカ、ジルコニア、アルミナ等の金属酸化物、その他の
無機物を例示することができる。これらの中では特に、
ポリカーボネートを使用することが好ましい。
【0026】上記微小粉末の平均粒子径は50μm以下
にする必要があり、好ましくは0.3〜50μm、より
好ましくは1〜30μmの範囲である。平均粒子径が5
0μmを超えると、硬化皮膜の機械的強度が劣り、耐摩
耗性も低下する場合がある。一方、0.3μmより小さ
いと、製造が困難であるばかりでなく、それ以上の効果
を得られないことがある。更に、この微小粉末の形状
は、球状、鱗片状が好ましいが、多面体、異形体、片体
であってもよい。また、微小粉末の外観は、基材が変形
した時の変色を隠蔽するために、黒色に着色されている
ことが好ましい。
【0027】(F)成分の配合量は、(A),(B)及
び(C)成分の合計量100部に対して、2〜40部、
特に5〜30部の範囲とすることが好ましい。配合量が
2部より少ないと所望の効果が発現しない場合があり、
40部を超えると硬化皮膜の機械的強度が劣り、また耐
摩耗性の低下が顕著になる場合がある。
【0028】なお、この(F)成分は、通常、種々の硬
化性皮膜、例えばウレタン、シリコーン樹脂等に添加し
て艶消し、耐摩耗性の向上に寄与することができるもの
であるが、コート材に添加した場合、それ自身マトリッ
クス樹脂との接着性がなく、繰り返し摩擦力を受けると
剥離してしまうという欠点を有している。しかし、本発
明においては、上記(D)成分との併用においてマトリ
ックス樹脂との密着性が著しく向上し、硬化性皮膜に優
れた摩耗耐久性を付与することができる。
【0029】本発明の組成物には、本発明の目的を損な
わない範囲内であれば、必要に応じて各種の添加剤、充
填剤などを配合してもよいが、メルカプト基含有アルコ
キシシラン、特にケイ素原子に結合したアルコキシ基を
2個以上、ケイ素原子にアルキレン基を介して結合した
メルカプト基を1個含有するオルガノシラン及びその部
分加水分解物は含有しない。本発明組成物が含有可能な
成分としては、例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、
これらの疎水化物等の補強性充填剤、シリカアエロゲ
ル、粉砕石英、ケイソウ土等の非補強性充填剤を配合す
ることができる。また、各種シリコーン樹脂、有機樹脂
も補強性充填剤として使用できる。これらの充填剤は、
1種又は2種以上を混合して使用してもよい。なお、上
記シリコーン樹脂としては、例えばR3SiO1/2単位と
SiO2単位及び/又はRSiO3/2単位から本質的にな
るシリコーン樹脂、或いはRSiO3/2単位からなるシ
リコーン樹脂等が挙げられ、分子中に≡SiOH基又は
≡SiOR基を有している化合物がより好適に使用し得
る。なお、Rは前記R1において例示したものと同様の
置換又は非置換の1価炭化水素基であり、特にメチル
基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基等
が挙げられる。
【0030】更に、本発明の組成物には、カーボンブラ
ック、酸化鉄等の無機顔料、カーボンブラック、ベンゾ
トリアゾール等の紫外線吸収剤を添加することができ
る。
【0031】また、本発明の組成物から得られる硬化皮
膜の物理的性質を調節するために、トリメトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン
等のアルコキシシラン、その他各種シラン或いはこれら
の部分加水分解物を適宜添加してもよい。また、基材と
の接着性を向上させるために、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン等のシランカップリング剤やそれらの
部分加水分解物を添加することも可能である。更に、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有
オルガノアルコキシシランとγ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン等のエポキシ基含有オルガノアルコ
キシシランとの反応生成物(即ち、アミノ基とエポキシ
基との反応生成物)或いはその部分加水分解物、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン等のアミノ基含有オルガノアルコ
キシシランとγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
等のアクリロキシ又はメタクリロキシ基含有オルガノア
ルコキシシランとの反応生成物(即ち、アミノ基と(メ
タ)アクリロキシ基との反応生成物)或いはその部分加
水分解物も添加することができる。これらの接着促進剤
は、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0032】本発明の組成物を各種ゴム基材の処理に使
用する際は、該組成物をそのまま使用してもよく、また
有機溶剤で希釈してもよい。この場合の有機溶剤として
は、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、工
業用ガソリン、石油ナフサ、イソパラフィン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン、又はこれらの混合物等が例示される。これらの中で
は、工業用ガソリン、石油ナフサ、イソパラフィン又は
これらの1種或いは2種以上とイソプロピルアルコール
との混合物が好適に使用される。なお、有機溶剤の使用
量は、処理に使用する組成物に望まれる粘度により、適
宜選択することができる。
【0033】本発明の組成物は、上述した各成分を均一
に混合することによって容易に調製することができる
が、通常は(A),(B),(C)及び(F)成分の混
合物と、(D)成分、(E)成分とを分離して保存して
おき、使用時に3者を混合することにより得るのがよ
い。
【0034】本発明の組成物は、以下に示す方法によ
り、各種ゴム基材の処理に使用される。即ち、基材の表
面にディップコート、スプレイコート、刷毛ぬり、ナイ
フコート、ロールコートなどの方法によって塗布するこ
とができる。この場合、上述したように、そのままで使
用するか、又は有機溶剤で希釈した溶液の状態で使用す
ることができ、一方硬化させる場合は、室温で放置する
か、又は若干の加熱、特に60〜200℃の温度で30
秒〜30分間行うことにより得ることができる。
【0035】以上のようにして得られた本発明のオルガ
ノポリシロキサン組成物は、これを各種ゴム基材、例え
ば天然ゴム或いはSBR、NBR、クロロプレン、II
R、EPDM、ウレタンゴム、クロロスルホン化ポリエ
チレン等の合成ゴムに処理した場合、他の物質に対する
良好な非粘着性、撥水性、潤滑性を有し、かつ優れた耐
摩耗性を有する硬化皮膜を与えることができる。この場
合、上記ゴム基材としては、EPDM(エチレン−プロ
ピレン共重合体)のスポンジが好適であり、その塗布方
法としてはスプレー塗布等の通常採用される方法を用い
ることができる。
【0036】本発明の組成物は、従来のオルガノポリシ
ロキサン組成物による処理と比較すると、特に耐摩耗性
の優れた硬化皮膜を与えることができるものであり、長
期に亘って繰り返し摩擦力を受けるような用途、例えば
自動車のウエザーストリップ、防振ゴム等の表面処理剤
として好適に使用することができるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明のオルガノポリシロキサン組成物
は、ゴムの表面に非粘着性、撥水性、潤滑性及び耐摩耗
性を付与することができるものであり、特に摩耗耐久性
に優れた皮膜を形成する表面処理用として好適なもので
ある。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の例において、部はいずれも重
量部を示す。
【0039】[実施例1,2]下記平均式(a) HO(CH32SiO[(CH32SiO]5998Si(CH32OH …(a) で表される両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン1
00部、及び下記平均式(b) (CH33SiO[(CH32SiO]5998Si(CH33 …(b) で表されるジメチルポリシロキサン15部を工業用ガソ
リン(2号)1300部に添加し、溶解させた。次い
で、この溶液に下記平均式(c) (CH33SiO[(CH3)HSiO]48Si(CH33 …(c) で表されるメチルハイドロジェンポリシロキサン5部、
及び平均粒子径20μmのポリカーボネート樹脂からな
る球状粉末20部を添加し、撹拌、混合した。更に、こ
の粉末分散液に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ンの30重量%イソプロピルアルコール溶液200部を
添加し、撹拌、混合した。最後に、ジブチルスズジアセ
テートの50重量%トルエン溶液25部を添加混合し、
処理用組成物の工業用ガソリン溶液を得た(実施例
1)。
【0040】また、上記両末端水酸基封鎖ジメチルポリ
シロキサンを100部に代えて70部と、下記平均式
(d) HO(CH32SiO[(CH32SiO]448Si(CH32OH …(d) で表される両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン3
0部を使用した以外は、実施例1と同様な操作を行っ
て、処理用組成物の工業用ガソリン溶液を得た(実施例
2)。
【0041】次に、実施例1及び実施例2で調製された
各処理液をEPDMスポンジの表面にスプレー塗布し
た。これを5分間乾燥後、150℃で2分間加熱し、5
μm厚の堅牢な硬化皮膜を得た。これらの皮膜は、非粘
着性で滑り性も良好であった。また、皮膜の耐摩耗性試
験(スライド摩耗試験)を下記のような条件で行った。
結果を表1に示す。 試験条件: 試験機 往復動式摩耗試験機 摩擦子 ガラス板、厚み5mm 荷重 200g ストローク 100mm 摩擦サイクル 30往復/1分間
【0042】[比較例1,2]実施例1におけるポリカ
ーボネート樹脂粉末を使用しなかった以外は実施例1と
同様にして処理液を調製し、同様の塗布操作及び加熱操
作を行って、EPDMスポンジの表面上に硬化皮膜を形
成した。また、実施例1と同様にして皮膜の耐摩耗性試
験を行った(比較例1)。
【0043】また、比較例1において使用した上記平均
式(b)で表されるジメチルポリシロキサン15部に代
えて、下記平均式(e) (CH33SiO[(CH32SiO]1498Si(CH33 …(e) で表されるジメチルポリシロキサン15部を使用した以
外は実施例と同様にして処理液を調製し、同様の塗布操
作及び加熱操作を行って、EPDMスポンジの表面上に
硬化皮膜を形成した。また、同様にして皮膜の耐摩耗性
試験を行った(比較例2)。結果を表1に示す。
【0044】[比較例3,4]実施例2において使用し
たポリカーボネート樹脂粉末を使用しなかった以外は同
様にして処理液を調製し、同様の塗布操作及び加熱操作
を行って、EPDMスポンジの表面上に硬化皮膜を形成
した。また、同様にして皮膜の耐摩耗性試験を行った
(比較例3)。
【0045】また、比較例3において使用した上記平均
式(b)で表されるジメチルポリシロキサン15部に代
えて、上記平均式(e)で表されるジメチルポリシロキ
サン15部を使用した以外は同様にして処理液を調製
し、同様の塗布操作及び加熱操作を行って、EPDMス
ポンジの表面上に硬化皮膜を形成した。また、同様にし
て皮膜の耐摩耗性試験を行った(比較例4)。結果を表
1に示す。
【0046】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 藤木 弘直 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−5082(JP,A) 特公 平4−80072(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 - 83/08 C09D 183/04 - 183/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1)で示されるジオ
    ルガノポリシロキサン、 HOR1 2SiO[R1 2SiO]mSiR1 2OH …(1) (但し、式中R1は1価の置換又は非置換の炭化水素
    基、mは150以上の整数を示す。) (B)下記一般式(2)で示されるジオルガノポリシロ
    キサン、 R2 3SiO[R2 2SiO]nSiR2 3 …(2) (但し、式中R2は1価の置換又は非置換の炭化水素
    基、nは上記mと同じか又はそれ以上の整数を示す。) (C)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を3個
    以上含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、 (D)1分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基を
    2個以上含有し、かつケイ素原子にアルキレン基を介し
    て結合した置換又は非置換のアミノ基を1個含有するオ
    ルガノシラン及び/又はその部分加水分解物、 (E)金属脂肪酸塩、及び (F)平均粒子径が50μm以下の微小粉末を含有して
    なることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオルガノポリシロキサン
    組成物によるコーティング皮膜が形成されたゴム部品。
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